JP3827808B2 - 転写シート及びそれを用いた化粧部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は転写により三次元表面等に絵柄模様を施す化粧部材の製造方法及び該方法に用いる転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被転写面が平面の化粧部材に対する転写シートの基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムが一般的である。しかし、樹脂の射出成形品や木質基材等の特に転写面が凹凸表面である各種化粧部材の表面に絵柄模様を転写で施すには、転写シートの基材には成形性のある樹脂フィルムとして塩化ビニル樹脂フィルムが良く使われてきた。このような転写フィルムは、例えば、▲1▼特公平6−69759号公報、▲2▼特公平7−29518号公報、▲3▼特公平7−100398号公報などに開示されている。▲1▼では、基材上に剥離性のあるセルロース系インク等による絵柄層を直接設けた構成とするもであり、また、▲2▼では基材上に直接設ける絵柄層を、▲3▼では基材上に直接設ける剥離層を、ポリビニルブチラール、セルロース・アセテート・プロピオネート樹脂、または塩素化ポリプロピレン樹脂のいずれか1種から構成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼では、基材上に絵柄層を直接に設けるべく印刷を行った時に、溶剤が基材の塩化ビニル樹脂フィルムをアタックし、剥離強度が不安定となるといった問題がある。また、上記▲2▼においては、基材の塩化ビニル樹脂フィルム中に含まれる可塑剤がブリードアウトしてきて、やはり剥離強度が不安定になるといった問題がある。また、上記▲3▼においては、剥離層に使用する樹脂が、ポリビニルブチラール、セルロース・アセテート・プロピオネート樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂という、特定の樹脂に限定されてしまうという問題がある。
以上の様に三次元成形品等の三次元的な凹凸表面を持つ被転写体への装飾においては、塩化ビニル樹脂フィルムは成形性は優れるが、転写シートの基材としては、使い易く満足すべき性能を持っていなかった。
そこで、例えば▲4▼特公平7−110550号公報では、基材として、塩化ビニル樹脂以外にもポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ABS樹脂等の、他のプラスチックフィルムを用いた転写シートが開示されている。しかし、▲4▼においては、プラスチックフィルムの他層との密着性改善の為に、基材上にアンカー層を設ける事が必要で、アンカー層上に剥離層、絵柄層等を設けた構成とならざろう得ない。従って、アンカー層や剥離層の為に、転写シートが成形転写される時に、熱成形の適性温度範囲が狭くなったりする。
【0004】
そこで、本発明者は塩化ビニル樹脂フィルム基材を使用ぜす且つ基材にアンカー層等の付随的層の不要な転写シートとして、自ら適度な剥離性が有り且つ成形性の有る基材フィルムとして、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムを用いた転写シートを試験研究してきた。また、これらポリエチレンやポリプロピレンのフィルムからなる転写シートは、地球環境対策として塩酸ガスを発生させるという塩化ビニル樹脂フィルムに対する脱塩ビ対策にもなるものである。しかしながら、これらフィルムを用いた転写シートでは、フィルムの結晶性が高く、融点で急に軟化する為、転写シートの成形条件の範囲が狭く、又、成形時に熱で伸ばされるとネッキングにより部分的に白化し、白化した部分の伸びが他所よりも大きくなるという、伸びの均一性が不安定という問題があった。
また、転写シートを製造する際は、基材と転写層との剥離強度を適度に調整する必要がある。剥離強度が軽すぎると転写層自体が取扱中にこぼれ落ち転写シートとして成り立たない。従って、適度の剥離強度が必要である(箔持ち性)。また、剥離強度が強すぎると、転写シートの基材を剥離時に基材と転写層間でうまく剥がれず、剥離不良となる。従って、転写シートの基材としては、適度の剥離強度にできる事も重要である。しかしながら、これらのポリエチレン等のオレフィン系樹脂による基材は、通常の転写層用の樹脂に対して剥離強度が一般に軽過ぎるという問題があった。そこで、基材の転写層が接する面に対して、コロナ処理を施す方法もあるが、剥離強度が経時的に変化し不安定であった。また、剥離層の樹脂中に塩素化ポリプロピレン樹脂を混入することも試みたが、塩素化ポリプロピレン樹脂は燃焼時に塩酸ガスを発生するという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、先ず本発明の転写シートは、オレフィン系樹脂を主成分とする基材に、転写層として少なくとも剥離層と絵柄層を設けて成る構成の転写シートにおいて、該剥離層が第1の樹脂成分の他に、(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体からなる第2の樹脂成分を含む構成とした。その結果、適度な剥離強度(箔持ち性)で剥離適性に優れ、また、シートの成形性により、三次元表面への転写もできる転写シートとした。
更に、転写層として剥離層、絵柄層の他に、更に接着剤層を設けた転写シートとすれば、転写時に接着剤を施す必要もなく、被転写体に接着させ易い。
【0006】
また、本発明の化粧部材の製造方法の第1の方法は、真空プレス法によって、上記転写シートを、空気圧及び弾性体膜の収縮力によって被転写体に押圧して密着させた後、転写シートの基材を剥離して、被転写体の表面に転写層を転写する様にした。この結果、既に形のある三次元凹凸表面の被転写体等にも、良好な剥離強度で転写が可能となる。
また、本発明の化粧部材の製造方法の第2の方法は、射出成形同時絵付け転写法によって、上記転写シートを一対の型の間に挿入した状態で、両型を型締めし、両型で形成されるキャビティ内に熔融樹脂を充填して、成形と同時に成形品表面に転写シートを密着させた後、両型を開き、転写シートの基材を剥離して、成形品からなる被転写体の表面に転写層を転写する様にした。この結果、樹脂成形と同時に三次元凹凸表面の被転写体等にも、良好な剥離強度で転写が可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の転写シート及び、それを用いた化粧部材の製造方法を詳述する。
【0008】
図1は本発明の転写シートの一形態を示す断面図である。同図に例示する如く、本発明の転写シート10は、オレフィン系樹脂からなる基材1上に、転写層2として少なくとも、特定の材料からなる剥離層3、絵柄層4を設けた構成のものである。
また、本発明の転写シートの他の形態としては、例えば、更に絵柄層4の面に接着剤層を有するもの等でも良い。もちろん、絵柄層が被転写体との接着性を有する場合、あるいは接着剤層を被転写体側に塗工や塗装などにより施しておく場合等では接着剤層は転写シートに設けなくても良い。
【0009】
〔基材〕
基材1は、オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂フィルムを用いる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等がある。これら樹脂は、単独又は2種以上を混合使用しても良い。また、異なる樹脂層からなる積層体のフィルムでも良い。樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが例えば20〜200μmである。なお、この樹脂フィルムはオレフィン系樹脂のみからなるものでも良いが、物性調整の為に、オレフィン系樹脂以外の樹脂を副成分として混合使用しても良い。
また、オレフィン系樹脂の中でもオレフィン系熱可塑性エラストマーは、結晶質オレフィン系樹脂に比べ温度変化にともなう軟化度合いの変化も緩やかな為、成形或いは転写時の加工温度幅がより広くなる。また、ネッキングも生じ難い為好ましい。上記オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば下記のものが使用できる。
【0010】
▲1▼特公平6−23278号公報記載の、(A) ソフトセグメントとして、数平均分子量Mnが25,000以上、且つ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn≦7の沸騰ヘプタン可溶ポリプロピレン10〜90重量%と、(B) ソフトセグメントとして、メルトインデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレン90〜10重量%、との混合物からなる軟質ポリプロピレン。
【0011】
▲2▼特公昭53−21021号公報記載の如き、(A) ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)をハードセグメントとし、これに(B) 部分架橋したエチレン−プロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のモノオレフィン共重合体ゴムをソフトセグメントとし、これらを均一に配合し混合してなるオレフィン系エラストマー。なお、モノオレフィンゴム/オレフィン重合体=50/50〜90/10(重量比)の割合で混合する。
【0012】
▲3▼特公昭53−34210号公報等に記載の如き、(B) 未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)と、(A) オレフィン系共重合体(結晶性、ハードセグメント)と架橋剤とを混合し、加熱し剪断応力を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン系エラストマー。なお、(B) モノオレフィンゴム/(A) オレフィン系共重合体=60/40〜80/20(重量比)である。
【0013】
▲4▼特公昭56−15741号公報等に記載の如き、(A) アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体等のペルオキシドと混合・加熱すると分子量を減じ、流動性を増すペルオキシド分解型オレフィン重合体(ハードセグメント)と、(B) エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のペルオキシドと混合・加熱することにより、架橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モノオレフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)、(C) ポリイソブチレン、ブチルゴム等のペルオキシドと混合・加熱しても架橋せず、流動性が不変の、ペルオキシド非架橋型炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改質成分)、及び(D) パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油系軟化剤、とを混合し、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマー。なお、(A) が90〜40重量部、(B) が10〜60重量部で、(A) +(B) =100重量部として、これに、(C) 及び/又は(D) が5〜100重量部の配合比となる。
【0014】
▲5▼特開平2−139232号公報に記載の如き、エチレン−スチレン−ブチレン共重合体からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー。
【0015】
▲6▼極性基として水酸基又は/及びカルボキシル基を持たせた、上記▲1▼から▲5▼のオレフィン系熱可塑性エラストマー。例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のグラフト重合で水酸基を、また、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のの共重合体でカルボキシル基を導入したオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いる。これら水酸基、カルボキシル基はどちらか一方、又は両方を併用してもよく、これら極性基は、転写層の剥離層との剥離強度を調整する作用を持つ。
【0016】
上記のようなオレフィン系熱可塑性エラストマー、或いはその他のオレフィン系樹脂は、従来公知のカレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等の成膜方法によって、フィルムとすることができる。なお、フィルムは延伸フィルム、未延伸フィルムのいずれでも良いが、三次元成形に対する成形性を考慮すると、未延伸フィルムを用いるのが好ましい。
また、基材と転写層との剥離強度を適度なものに調整する為に、基材に用いるオレフィン系樹脂に前記の如き極性基を持たせたり、あるいは基材のコロナ処理、プラズマ処理等を施してもよい。
【0017】
三次元的な凹凸表面を持つ被転写体へ三次元絵付けする為には、基材として用いる上記オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂フィルムは、従来使用されて来た半硬質(可塑剤含有量がジオクチルフタレート換算で10〜30phr)塩化ビニル樹脂と同等の三次元成形性と機械的強度を有する事が望ましい。その為には、25℃に於ける破断強度が300〜400kg/cm2、25℃での破断伸度が150〜180%、70℃に於ける破断強度が200〜300kg/cm2、70℃での破断伸度が160〜200%のものが好ましい。なお、測定値はJIS−K−6734に基づく値である。25℃での破断強度が、この値を越えるか、又は破断伸度がこの値未満であると、常温での三次元成形性が不足し、70℃では破断強度がこの値を越えるか、又は破断伸度がこの値未満であると、加熱成形(通常70℃〜150℃程度)時の三次元成形性が不足する。25℃での破断強度がこの値未満であると、常温での三次元成形時に転写シートの破断を生じ易く、25℃での破断伸度がこの値を越えると、多色印刷時の見当精度が不良となる。70℃に於ける破断強度がこの値未満か、又は破断伸度がこの値を越えると、三次元成形時の絵柄の歪みが著しくなる。
【0018】
なお、転写層と接する側の基材面に熱プレスによるエンボス加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をして凹凸模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形することもできる。凹凸模様は、例えば、木目導管溝、石板表面凹凸模様(花崗岩の劈開面等)、布目の表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線状溝、皮絞、文字、幾何学模様等である。
【0019】
〔剥離層〕
剥離層3は、転写層の一部として、転写後は被転写体に転写移行し被転写体の表面を薬品、紫外線、磨耗等から保護する保護層となると共に、転写層の基材に対する接着性を調整し、剥離性を必要十分なものとする等の為の層である。
剥離層を構成する樹脂としては、少なくとも第1成分及び第2成分の混合系から成る。第1の樹脂成分の樹脂としては、それ自身が適度な剥離性を与えると共に、更に三次元成形する為には、伸び適性の優れた樹脂が好ましい。そしてこの主成分となる第1の樹脂成分としては、(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体以外の樹脂、例えば、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、或いは、ゴム系樹脂、アクリレート系等の電離放射線硬化性樹脂等が使用できる。
更に、剥離層には上記第1の樹脂成分の他に、第2の樹脂成分として(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体を適量含有させる。含有量は、第1の樹脂成分、及び剥離層の両界面に接する樹脂(基材の樹脂、絵柄層の樹脂)、また(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体自体の密着性等に応じて、必要十分な剥離強度とする為に適宜調整する。含有量は、剥離層全量に対して1〜49重量%の範囲とする。(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体を、第2の樹脂成分として含有させる事によって、適切な剥離強度の調整が可能となる。(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体の添加は、第1の樹脂成分のみの場合による剥離層の剥離強度を、増加させる(剥離をより重くする)作用を持つ。(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体の含有量が少なすぎると、その効果がなく剥離強度が低く箔持ち性が低下し、また含有量が多すぎても剥離強度が強すぎて剥離不良となり好ましくない。
また、剥離層には第3成分として、ワックス、シリコーン等を混入して、剥離強度を調整しても良い。
【0020】
(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体の(メタ)アクリル酸エステル成分として、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、或いはその他の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは1種又は2種以上を共重合モノマー成分として使用する。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸の意味である。(メタ)アクリル酸エステルとエチレンと無水マレイン酸の共重合モノマーの割合によって、得られる共重合体の物性が変化する。(メタ)アクリル酸エステル成分が増えると、(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体は柔軟になり、無水マレイン酸が増えると極性が高くなり、オレフィン系樹脂からなる基材との密着性が向上する。
【0021】
なお、本発明の転写シートでは、その基材としてオレフィン系樹脂を用いているが、剥離層中に第2の樹脂成分として、(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体を含有させるので、剥離層の第1の樹脂成分として使用できる樹脂の制限を少なくできる利点が得られる。すなわち、前記従来技術▲3▼に於いては、塩化ビニル樹脂フィルムに対する剥離性の点から、ポリビニルブチラール、セルロース・アセテート・プロピオネート樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂などの単体による剥離層に限定される。しかしながら、これらの樹脂は耐摩耗性、耐薬品性、耐溶剤性に乏しく、転写後の表面物性が特に要求されない用途に限定された。一方、本発明に於いては、必要とあらば転写後に最表面となる剥離層に対する表面保護層として、耐溶剤性等の表面物性に優れた2液硬化型ウレタン系樹脂、電離放射線硬化性アクリル系樹脂等を第1の樹脂成分として使用することもできる。この結果、転写後に被転写体の表面層となる剥離層の樹脂に制限が少ないので、得られる化粧部材の表面物性、例えば、耐溶剤性、耐擦傷性、耐摩耗性等の表面物性を必要に応じ、より自由に設計できるという優れた転写シートとなる。また、このように、優れた表面物性を付与できる事から、転写形成される剥離層を塗装フィニッシュとしても使用できる。なお、化粧部材としての表面保護層は、転写層を転写後にスプレー塗装等によって形成しても良い。
また、剥離層の剥離強度の調整に塩素化ポリプロピレン樹脂を用いる場合には、該樹脂が燃焼時に塩酸ガスを発生する問題があるが、本発明では塩素未含有の(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体を用いるので、この様な問題は起きない。
なお、剥離層の厚みは0.5〜30μm、通常は2〜10μm程度とする。
【0022】
また、剥離層には、耐候性(耐光性)をより向上させる為に、紫外線吸収剤、光安定剤のどちらか一方、又は両方を添加することができ、その添加量は紫外線吸収剤、光安定剤とも通常0.5〜10重量%程度であるが、一般的には紫外線吸収剤と光安定剤とを併用するのが好ましい。これより少ないと、耐候性向上効果が充分に得られず、又これより多いと着色化し、多量に入れても効果的に変化がなく好ましくない。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系等の有機系の紫外線吸収剤の他、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。光安定剤としては、ビス−(2,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を用いることができる。
【0023】
〔絵柄層〕
次に絵柄層4としては、絵柄等のパターンや全ベタ柄等を、公知のビヒクルに顔料等を混合したインク、塗液を用いて印刷や塗工で形成したものである。印刷方法としてはグラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等のような従来公知の印刷方式を用いることができる。全ベタ柄では、グラビアコート、グラビアリバースコート等の従来公知の塗工方式を用いることができる。
【0024】
絵柄層用の印刷インク又は塗液としては種々のものを用いることができ、バインダー樹脂、着色剤、溶剤、また、必要に応じて適宜、体質顔料、硬化剤、各種添加剤等を添加した組成物を使用することができる。なお、バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン等の常温又は熱硬化性樹脂、アクリル系等の電離放射線硬化型樹脂などの通常のものが単体又はこれら樹脂の混合体として使用できる。
本発明の転写シートでは基材に剥離層を設けた上で絵柄層を設けるので、塩化ビニル樹脂やポリエチレン、ポリプロピレン等の基材上に直接に絵柄層を設ける場合に比較して、バインダー樹脂の制限が少ない。
なお、着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等の従来公知の着色顔料が使用できる。
また、体質顔料としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルナミ、硫酸バリウム等が使用される。また、剥離層において述べた、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を混合使用することもできる。
なお、絵柄層の模様は、例えば、木目模様、石目模様、布目模様、革絞模様、文字、幾何学図形、記号、線画、各種抽象模様、全面ベタ柄、或いはこれらの組合せ等と任意であ。
【0025】
また、絵柄層としては、金属薄膜を全面又は部分的にパターン状に積層してもよく、この金属薄膜は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜する。なお、パターン状に形成するには、金属薄膜不要部分に水溶性インクにより除去層を所望のパターンで設けた上から全面に金属薄膜を蒸着等で形成し、しかる後水洗して上記除去層とともにその直上の金属薄膜を除去する等の公知の手法による。絵柄層は、前記印刷等による層と、この金属薄膜との組み合わせでもよい。
【0026】
〔接着剤層〕
接着剤層は、必要に応じて転写層の一部として設けることができる。接着剤層を設けておけば、転写時に接着剤を施す必要もなく、被転写体に接着させ易い。また、接着剤層は被転写体側にロールコート等による塗工法やスプレーコート等による塗装法で施しておいても良い。被転写体に接着剤層を施しておく場合、絵柄層自身が被転写体との接着性を有する場合では、転写層としての接着剤層は省略できる。接着剤層の樹脂としては、被転写体への接着性や採用する転写法により適宜な物を選択すれば良い。
【0027】
この様な接着剤層の樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂は好ましい樹脂の一つである。アクリル系樹脂は、各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、その他ビニルモノマーを共重合することによって、被転写体の材質に合わせた密着性を適宜調整し易いからである。例えば、被転写体がABS樹脂の場合には、このアクリル系樹脂は好ましい樹脂である。
また、被転写体が塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル系の場合には、アクリル系樹脂に加えて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を混合使用する等、被転写体の材質により適宜他の樹脂を混合併用することにより、より優れた密着性が得られることもある。
接着剤層の発現機構に関しては、いわゆる転写シートに用いる加熱により接着性が発現する感熱型のものであってもよいし、感圧型、あるいは溶剤活性型等、と任意である。なお、感圧型の場合には、通常、転写直前まで接着剤層を保護しておくために剥離紙又は剥離フィルムが接着剤層の表面に積層された構成の転写シートとなる。また、接着剤層の厚さは通常1〜50μm程度である。
なお、前記した様に、本発明の転写シートでは接着剤層を設けずに、転写する際に接着剤を転写シート側及び/又は被転写体側に施してから転写する場合もある。転写シートに接着剤層があり、なお且つ被転写体側にも接着剤を施すと、転写層の密着性をより向上させる効果がある。また、射出成形同時絵付け法等の液状の樹脂から樹脂を固化させて転写層が転写された三次元立体成形品等の化粧部材を製造する場合には、液状の樹脂自身を接着剤として機能させる事もある。
【0028】
ここで、本発明の転写シートの被転写体について述べれば、被転写体としては、特にその材質、形状に限定されるものではなく、例えば材質としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、フェノール樹脂等の樹脂類、或いは、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮等の金属或いは金属化合物類、木質合板、木質単板、中密度繊維板(MDF)等の木材類、ガラス、陶磁器、タイル等のセラミック類、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(繊維強化コンクリート)、繊維強化カルシウム板、窯業サイディング等のセメント等と任意である。また、形状も平板、曲面板、棒状体、立体物等と任意である。また、形状については、成形同時絵付け転写法では、被転写体の形状は転写と同時に形作られるものである。
【0029】
ところで、以上の様な、本発明の転写シートは、被転写体の被転写面が平面のものでも、もちろん適用できるが、基材としてオレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂を用いる本発明の転写シートがその真価を発揮するのは、被転写面が三次元的な凹凸表面を有する被転写体に対してである。
本発明の転写シートを利用して被転写体に転写する方法としては、例えば、下記の様な従来公知の各種の転写方法を用いることができる。
【0030】
▲1▼特公平2−42080号公報、特開平6−315950号公報等に記載されるように、転写シートを射出成形の雌雄両金型間に配置した後、溶融樹脂を型内に射出充填し、樹脂成型品の成形と同時にその表面に転写シートから転写層を転写させる、所謂射出成形同時絵付け転写方法、
▲2▼特公昭56−45768号公報(オーバーレイ法)、特公昭60−58014号公報(真空プレス法)等に記載されるように、成形品等の立体形状物品の表面に転写シートを、間に必要に応じ適宜接着剤を介して対向又は載置し、立体形状物品側からの真空吸引による圧力差により転写シートの転写層を立体形状物品の表面に転写する、所謂真空成形積層法を利用した転写法、
▲3▼特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、転写シートを間に必要に応じ適宜接着剤層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状基材を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して転写層を転写してゆく、所謂ラッピング加工方法による転写方法、
▲4▼その他、BMC(Bulk Molding Compound) 成形法、SMC(Sheet Molding Compound)成形法、ハンドレイアップ成形法等のFRP(Fiber Reinforced Plastics) における各種成形法、或いは、RIM(Reaction Injiction Molding)、マッチドモールド成形法等の成形法、等がある。
【0031】
なお、上記▲1▼及び▲4▼の成形法は、三次元成形品の三次元形状発現と同時に転写するものであり、▲2▼及び▲3▼は既に三次元形状を既に成した成形品に転写するものである。また、上記▲1▼の方法では、樹脂の成形型、又は別の型により転写シートを予備成形した後に、樹脂を射出成形して成形と同時に転写する方法もある。これと同様に、▲4▼に列記の方法においても、転写シートの三次元成形は成形と同時の場合と、成形の前に予備成形する場合がある。なお、ハンドレイアップ法では、転写シートの成形は予備成形となる。
【0032】
以上の各種成形法のなかでも、真空プレス法と、射出成形同時絵付け転写方法は代表的な成形法である。
そこで、前記転写シートを用いた本発明の化粧部材の製造方法として、この真空プレス法と、射出成形同時絵付け転写方法による製造方法を説明する。
【0033】
図2は、上記▲2▼の真空成形積層法を利用した転写法の中でも、真空プレス法を利用した化粧部材の製造方法の説明図である。真空プレス法は、真空ラミネート法と似ているが、転写シートの被転写体への圧接に空気圧以外に、弾性体膜としてゴム状弾性膜の収縮力(収縮圧)も利用する点、転写シートの加熱をヒータにより加熱されたゴム状弾性膜を通して行う点等が若干異なり、転写シートの均一加熱とより強い圧接力等に特徴がある。
【0034】
同図の概略構成図に示す真空プレス装置30は、上方には流体圧シリンダー等の上下動作手段13により上下に移動可能な上室11があり、上室11に対面して下方に下室21がある。上室11の内部には赤外線輻射型のヒータ12が配置されている。また上室11の下部開口面はゴム状弾性膜15にて全面が覆われている。ゴム状弾性膜15には通常シリコンゴム等が用いられる。下室21はその上面が複数の排気孔23を有する置台22となっている。上室11及び下室21には、それぞれ給排気ポート14、24があり、それぞれの内部圧を独立に調整できる。
真空プレス法では、先ず、上室11が上方に移動して下室21と分離した状態で、被転写体20を置台22に配置し、さらに転写シート10を被転写体20の上から配置する。その際、転写シート10の転写層側が被転写体20と向き合う様にする。接着剤を転写シートや被転写体の外表面に施しておく場合には、この段階で塗布などしておく。また接着剤が溶剤を含む場合は、この段階で乾燥させておく。
次いで、上室11を下方に移動し下室21に圧接し、上室11及び下室21を密閉する。図2はこの状態を示している。次に、下室21内を減圧し、上室11内を加圧する。さらに、ヒータ12を用いてゴム状弾性膜15を通して転写シート10を加熱軟化させ成形可能状態とする。この結果、転写シート10は上室11と下室21との圧力差及びゴム状弾性膜15の収縮圧により押圧されて、被転写体20の外表面に沿って変形圧接され、転写シート10が被転写体20へ密着していく。
最後に、下室21の減圧を解除するとともに上室11の加圧を解除して両室を大気圧にし、上室11を上方に移動し上室11及び下室21を分離し、転写シート10が貼着した被転写体20を取り出し、転写シート10(の基材1)を剥離することで、転写層が転写された、三次元的な凹凸表面に絵柄模様が施された化粧部材が得られる。
【0035】
次に、図3は、射出成形同時絵付け転写方法による化粧部材の製造方法の説明図である。同図は既に熔融樹脂がキャビィティ内に射出、充填され、転写シート10も成形されて樹脂に密着した状態である。可動可能なダイプレート(可動盤)71には凹部キャビティを有する雌型81が固定され、他方のダイプレート(固定盤)72には射出孔を有する雄型82が固定され、その背面にはノズル73が位置する。ダイプレート71は背面の油圧シリンダー74で図面で左右方向移動し、雌型81と雄型82とを圧接させて型締めを行う。転写シート10は型開き状態の時に雌型81と雄型82との間に挿入される。また、雌型81のキャビティ面には吸引管を通じて真空ポンプVPに接続された吸引孔が穿孔されており、転写シート10は雌型81のキャビティ面を利用して型締め前に図示しない加熱板で加熱軟化させて予備真空成形される。そして、加熱板を型外に退避後に型締めを行い、キャビティ(成形空洞)内へノズル73から熔融樹脂83を射出、充填し、冷却して樹脂を固化させた後、型開きを行う。その後、成形品から転写シート10(の基材)を剥離すると、転写層が転写された、三次元的な凹凸表面に絵柄模様が施された化粧部材が得られる。
【0036】
なお、本発明による化粧部材の用途としては、壁面、天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺等の建具類の表面化粧、家具や弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車、航空機等の車両内装、或いは、瓶、罐、箱、カップ等の容器等として用いられる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例で更に具体的に説明する。
【0038】
ハードセグメントである結晶質アイソタクチック型ポリプロピレン100重量部をベースに、ソフトセグメントである部分架橋した水素添加スチレン・ブタジンゴムを10重量部混合して得た、オレフィン系熱可塑性エラストマーをTダイより厚さ100μmに押し出して、基材用のフィルムを得た。
この基材上に、表1に示す如く剥離層として第1の樹脂成分の他に更に第2の樹脂成分としてアクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体を剥離層全量に対して0〜40重量%の範囲で含有量が変えて添加してなる層を、グラビアコートで塗工量(固形分基準、以下同様)2g/m2 で形成し、さらに剥離層の上にアクリル系樹脂とニトロセルロース系樹脂の混合樹脂からなる木目柄の絵柄層をグラビア印刷で形成し、絵柄層の上にポリアミド系樹脂からなる接着剤層をグラビアコートで塗工量30g/m2 に形成して、転写シートとした。
【0039】
次いで、上記それぞれの転写シートにおいて、剥離強度、箔持ち性、耐箔バリ性を、MDFからなる木質成形品の三次元凹凸表面に図2に示す装置、方法による真空プレス転写法による転写と、ABS樹脂を用いた図3に示す装置、方法による射出成形同時絵付け転写法による転写と、を試みた結果を、次の様にして評価した。結果は、表2及び表3に示す。
【0040】
▲1▼剥離強度:被転写体上の転写シートの基材を、幅25mmで1m/分の速度で90°剥離して、その強さを測定した。
▲2▼箔持ち性:転写シートの形態にて、転写層が手で擦ったときに基材から剥がれ落ちないか評価した。剥がれないものは○、若干剥がれるが容認できる程度のものは△、剥がれがひどく使用できない物は×とした。
▲3▼耐箔バリ性:被転写体上の角等の転写を必要としない部分に転写層が突出する様に付着してバリが生じていないかで評価した。バリが無い物は○、バリが若干有り容認できる程度の物は△、バリがひどい物は×とした。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
以上の如く、各実施例における転写シートは、セッティングまでに転写層が剥がれ落ちたりせず箔持ち性は良好で、また、転写シートが被転写体に密着後の箔バリも問題となる程では無く耐箔バリ性も良好であった。一方、各比較例では、セッティングまでに転写層が剥がれ落ちたり、また、箔バリ発生もひどく耐箔バリ性も不良であった。また、各実施例では、転写シートは被転写体の三次元的な凹凸面に追従し、転写ヌケ不良を生ぜず、又、基材(フィルム)のネッキングや転写シート加熱時の温度ムラの影響による絵柄のムラ、歪み等も無い、美観に優れた凹凸表面が装飾された化粧部材が得られた。
【0045】
【発明の効果】
▲1▼本発明の転写シートによれば、基材の主成分としてオレフィン系樹脂を用い、且つ転写層の剥離層として第1成分の樹脂に対して(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体を第2の樹脂成分として含有させいる為に、該第2の樹脂成分の含有量を調整する事で、剥離強度の調整が容易に行え、箔持ち性に優れ耐箔バリ性も良く、優れた剥離適性が得られる。
また、コロナ処理で剥離強度を調整する場合に比べて、剥離強度の経時時な安定性にも優れる。
▲2▼しかも被転写面が凹凸表面の場合でも伸び適性に優れ、従来用いられてきた塩化ビニル樹脂と同様に三次元形状の化粧部材の装飾が転写で出来る。
▲3▼また、転写シートの廃材として出る基材はオレフィン系樹脂であることから、従来の基材の塩化ビニル樹脂の様に焼却しても塩化水素ガスが発生せず、地球環境対策的にも適合性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写シートの一形態を示す断面図。
【図2】本発明の化粧部材の製造方法の一形態としての、真空プレス転写方法による説明図。
【図3】本発明の化粧部材の製造方法の他の形態としての、射出成形同時絵付け転写方法による説明図。
【符号の説明】
1 基材
2 転写層
3 剥離層
4 絵柄層
10 転写シート
11 上室
12 ヒータ
13 上下動作手段
14、24 給排気ポート
15 ゴム状弾性膜
20 被転写体
21 下室
22 置台
23 排気孔
30 真空プレス装置
71 ダイプレート(可動盤)
72 ダイプレート(固定盤)
73 ノズル
74 油圧シリンダー
81 雌型
82 雄型
83 溶融樹脂
Claims (4)
- オレフィン系樹脂を主成分とする基材に、転写層として少なくとも剥離層と絵柄層を設けて成り、該剥離層が第1の樹脂成分の他に、(メタ)アクリル酸エステル・エチレン・無水マレイン酸共重合体からなる第2の樹脂成分を含む、転写シート。
- 転写層として剥離層、絵柄層の他に、更に接着剤層を設けた、請求項1記載の転写シート。
- 真空プレス法によって、請求項1又は2記載の転写シートを、空気圧及び弾性体膜の収縮力によって被転写体に押圧して密着させた後、転写シートの基材を剥離して、被転写体に転写層を転写する、化粧部材の製造方法。
- 射出成形同時絵付け転写法によって、請求項1又は2記載の転写シートを一対の型の間に挿入した状態で、両型を型締めし、両型で形成されるキャビティ内に熔融樹脂を充填して、成形と同時に成形品表面に転写シートを密着させた後、両型を開き、転写シートの基材を剥離して、成形品からなる被転写体に転写層を転写する、化粧部材の製造方法。
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