JPH11227147A - ラミネート化粧方法 - Google Patents

ラミネート化粧方法

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JPH11227147A
JPH11227147A JP10044226A JP4422698A JPH11227147A JP H11227147 A JPH11227147 A JP H11227147A JP 10044226 A JP10044226 A JP 10044226A JP 4422698 A JP4422698 A JP 4422698A JP H11227147 A JPH11227147 A JP H11227147A
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JP
Japan
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decorative sheet
resin
sheet
decorative
adherend
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JP10044226A
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English (en)
Inventor
Keishi Hanamoto
恵嗣 花本
Kaori Miyashita
香保里 宮下
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不用時における被着体本体のリサイクルと表
面の化粧シートの廃棄処分が有効に行える装飾品を得
る。 【解決手段】 ポリ乳酸系樹脂からなる基材シート1に
装飾処理を施してなる化粧シートSを使用し、この化粧
シートSを被着体の表面に積層接着する。装飾品が不用
となった時に、表面の化粧シートSを剥して被着体本体
をリサイクルできると共に、化粧シートSを廃棄処分し
て土壌に接して或いは土壌中に放置した際に、その基材
シート1が土中の微生物の働きにより水と炭酸ガスに完
全に分解して消滅するので、地球環境にとって好ましい
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築内装部材や装
飾雑貨に化粧シートをラミネートする技術分野に係り、
詳しくは家具、ドア枠、ドア面材、床材、壁装材、装飾
雑貨等の表面に化粧シートにより加飾を施すラミネート
化粧方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような加飾に用いられる化粧
シートは、基材シートに装飾処理を施したものが使用さ
れている。そして、その基材シートとしては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等
のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ナ
イロン6、ナイロン6.6等のポリアミド樹脂、ポリ塩
化ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/
ビニルアルコール共重合体、ビニロン等のビニル共重合
体、等の合成樹脂シートの単層体又は複数の積層体、或
いは、ポリオレフィンコート紙、グラシン紙、硫酸紙等
の紙が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な装飾品が不用になった時、表面の化粧シートを被着体
から剥して分別し、被着体本体は再利用できるが、化粧
シートの方は再利用できないので廃棄処分することにな
る。この場合、上記の如き樹脂製の基材シートを用いた
化粧シートは、廃棄した際に基材シートの部分がそのま
まゴミとして永久に残ってしまい、自然環境保護の観点
から好ましくないという問題点がある。
【0004】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、不用時に
おける被着体本体のリサイクルと表面の化粧シートの廃
棄処分が有効に行える装飾品を得るラミネート化粧方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のラミネート化粧方法は、ポリ乳酸系樹脂か
らなる基材シートに装飾処理を施してなる化粧シートを
使用し、該化粧シートを被着体表面に積層接着すること
を特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明にて使用する化粧シートの
例を図1に示す。図1(A)に示されるように、化粧シ
ートSは、基材シート1に絵柄層2等の適宜の装飾処理
を施したものであり、本発明では基材シート1はポリ乳
酸系樹脂からなる。図1(B)の例では、さらに接着剤
層3を被着体と向き合う側に有した層構成になっている
が、例えば絵柄層2が成形樹脂との接着機能を有する場
合等ではこの接着剤層3は省略できる。
【0007】ポリ乳酸系樹脂はデンプンから製造される
もので、本発明で使用するポリ乳酸系樹脂としてはポリ
−L−乳酸を主成分とするものが好適である。なお、ポ
リ乳酸系樹脂にさらに成形加工適性を付与する必要があ
る場合には、ポリ−L−乳酸系樹脂をハードセグメント
とし、これにソフトセグメントを組み合わせたものを用
いることもできる。ソフトセグメントを組み合わせて可
塑化させたものは真空成形ラミネート、射出成形同時ラ
ミネート等の用途に好適である。このソフトセグメント
は可塑性を付与する改質材の役目を果たすものであり、
本発明で使用するソフトセグメントとしてはカプロラク
トンが挙げられ、中でもε−カプロラクトンが好適であ
る。
【0008】これらハードセグメントとソフトセグメン
トとの組合せの形態としては、混合体と共重合体の2つ
の形態がある。すなわち、混合体とは、単独重合体とな
った乳酸(ポリ乳酸系樹脂)と、単独重合体となったカ
プロラクトン(ポリカプロラクトン)とを混合してなる
ものである。また、共重合体とは、未重合の乳酸(以下
これを「乳酸単量体」とも呼称)乃至はそのプレポリマ
ーと、未重合のカプロラクトン等(以下これを「カプロ
ラクトン単量体等」とも呼称)乃至はそのプレポリマー
を共重合させてなるものである。ソフトセグメントとし
ては、純粋なポリ乳酸系樹脂と混合又は共重合して、そ
の硬さを低下させ得るもの(すなわち、ヤング率、弾性
限度、軟化温度等を下げ、破断時伸度、耐衝撃性を上げ
させ得るもの)であればいずれのものでもよいが、通常
好ましく用いられるものは、カプロラクトンの単量体、
プレポリマー、又は重合体(ポリカプロラクトン)であ
る。以下、主にこれらを例に挙げて説明する。
【0009】ポリ乳酸系樹脂とソフトセグメントとなる
重合体とを混合してなる樹脂を製造するに際して、ポリ
−L−乳酸とポリ(ε−カプロラクトン)を使用する場
合、ポリ−L−乳酸は重量平均分子量が10万以上、好
ましくは20万以上のものを使用し、ポリ(ε−カプロ
ラクトン)は重量平均分子量が1〜10万のものを使用
する。両者の混合比は、ポリ乳酸系樹脂/ソフトセグメ
ントとなる重合体=1/9〜9/1(重合比)である。
【0010】乳酸単量体又はそのプレポリマーとソフト
セグメントとなる単量体又はそのプレポリマーとの共重
合体を製造するに際して、L−乳酸とε−カプロラクト
ンを使用する場合、L−乳酸としては単量体又はプレポ
リマーを使用し、ε−カプロラクトンもその単量体又は
プレポリマーを使用する。両者の共重合比は、乳酸単量
体又はプレポリマー/ソフトセグメント単量体又はプレ
ポリマー=1/9〜9/1(投入重合比)である。共重
合体の分子量は10万以上、好ましくは20万以上とす
る。
【0011】ポリ乳酸系樹脂をシート化する場合には、
必要に応じて、該樹脂シートに延伸倍率2〜4倍程度の
延伸処理を施して、透明度、引張強度、伸度を向上させ
たり、80〜120℃程度の温度で熱処理(アニーリン
グ)を施して、耐熱収縮性を向上させたり等の処理を施
すことができる。このシートの厚さは通常の基材シート
と同じく20〜100μm程度である。
【0012】絵柄層2は、絵柄等のパターンや全ベタ柄
等を、公知のビヒクルに顔料等を混合したインク、塗液
を用いて印刷や塗工で形成したものである。印刷方法と
してはグラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレ
キソ印刷、シルクスクリーン印刷等のような従来公知の
印刷方式を用いることができる。全ベタ柄では、グラビ
アコート、グラビアリバースコート等の従来公知の塗工
方式を用いることができる。
【0013】絵柄層2の印刷インク又は塗液としては種
々のものを用いることができ、バインダー樹脂、着色
剤、溶剤、また必要に応じて適宜、体質顔料、硬化剤、
各種添加剤等を添加した組成物を使用することができ
る。
【0014】バインダー樹脂としては、例えば、アクリ
ル系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、セルロース系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱
可塑性ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタ
ン樹脂等の常温又は熱硬化性樹脂、アクリル系、エポキ
シ系等の電離放射線硬化型樹脂などの通常のものが使用
できる。また、基材シートがポリ乳酸系樹脂からなるの
で、絵柄層を基材シート上に直接設ける場合でも、従来
の塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
フィルムに比較して、広範囲なバインダー樹脂を使用で
きる。
【0015】着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁
柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カー
ボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザ
イエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、
フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニ
リンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、各種
昇華性染料、アルミニウム、真鍮等の箔粉からなる金属
顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉か
らなる真珠光沢(パール)顔料等の従来公知の着色顔料
が使用できる。
【0016】体質顔料としては、炭酸カルシウム、シリ
カ、アルミナ、硫酸バリウム等が使用される。また、紫
外線吸収剤及び/又は光安定剤を混合使用することもで
きる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン系、サリチル酸系等の有機系の紫外線吸
収剤の他、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、
酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることがで
きる。光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダー
ドアミン系ラジカル捕捉剤を用いることができる。
【0017】なお、絵柄層の模様は、例えば、木目模
様、石目模様、布目模様、革絞模様、文字、幾何学図
形、記号、線画、各種抽象模様、全面ベタ柄、或いはこ
れらの組み合わせ等と任意である。
【0018】また、絵柄層2として、金属薄膜を全面又
は部分的にパターン状に積層してもよく、この金属薄膜
は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用
い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜する。な
お、パターン状に形成するには、金属薄膜不要部分に水
溶性インクにより除去層を所望のパターンで設けた上か
ら全面に金属薄膜を蒸着等で形成し、しかる後に水洗し
て上記除去層とともにその直上の金属薄膜を除去する等
の公知の手法による。絵柄層は、前記印刷等による層
と、この金属薄膜との組み合わせでもよい。
【0019】接着剤層3は、例えば、絵柄層2が成形樹
脂との接着機能を有する場合(射出成形同時ラミネート
法等で流動状態の樹脂の固化と同時に化粧シートをする
が如く流動状態の樹脂自身が接着機能をもつ場合)では
化粧シートの接着剤層3は省略することもできる。ま
た、化粧シートには接着剤層を予め設けておかずに、ラ
ミネートする際に直前に接着剤層を設ける方法もある。
【0020】接着剤は、被着体の材質等によって適切な
ものを選択使用すればよく、特に制限はない。接着力発
現機構で言えば、ラミネートで一般的に用いられている
所謂熱融着型接着剤(感熱熔融型接着剤)でもよいし、
感圧型或いは溶剤活性型等と任意である。なお、感圧型
の場合には、通常、ラミネート直前まで接着剤層を保護
しておくために剥離紙又は剥離フィルムが接着剤層の表
面に積層された構成の化粧シートとなる。またその他
に、熱硬化型、湿気硬化型、電離放射線硬化型等の各種
硬化型接着剤、或いは、粘着剤による感圧型接着剤等の
各種接着剤も適宜使用できる。なお、接着剤層の厚さは
通常1〜50μm程度である。また、凹凸表面の被着体
側に接着剤層を形成する場合は、スプレーコート、フロ
ーコート等の公知の塗工法によればよい。
【0021】感熱熔融型接着剤としては、例えば、ポリ
酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ア
クリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレ
タン樹脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮重合に
より得られるポリアミド樹脂等による従来公知の接着剤
を用いることができる。被着体がABS樹脂の場合に
は、アクリル樹脂は接着剤に用いる好ましい樹脂の一つ
である。アクリル樹脂は、各種アクリル酸エステル及び
メタクリル酸エステル、その他ビニルモノマーを共重合
することによって、被着体の材質に合わせた密着性を適
宜調整しやすいからである。また、被着体が塩化ビニル
樹脂等の塩化ビニル系の場合には、アクリル樹脂に加え
て、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を混合使用する
等、被着体の材質により適宜他の樹脂を混合併用するこ
とにより、より優れた密着性が得られることもある。
【0022】本発明の化粧シートをラミネートする被着
体としては、その材質、形状に限定があるものではな
く、例えば材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体(ABS樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、フェノー
ル樹脂等の樹脂類、或いは、アルミニウム、鉄、ステン
レス、真鍮等の金属或いは金属化合物類、木質合板、木
質単板、中密度繊維板(MDF)等の木材類、ガラス、
陶磁器、タイル等のセラミック類、ALC(軽量気泡コ
ンクリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、
スラグセメント等のセメント、ケイ酸カルシウム、紙、
布帛、不織布等と任意である。また、形状もシート(フ
ィルム)、平板、曲面板、棒状体、立体物等と任意であ
る。ラミネート面の凹凸形状等によって、後述する適宜
なラミネート法を採用して被着することができる。な
お、射出成形同時ラミネート法では、被着体の形状は成
形と同時に形作られるものである。
【0023】本発明におけるラミネート法には特に限定
はなく、例えば、次のような従来公知の各種のラミネー
ト法を利用できる。
【0024】特公昭56−45768号公報(オーバ
ーレイ法)、特公昭60−58014号公報(真空プレ
ス法)等に記載されるように、成形品等の立体形状物品
の表面に化粧シートを、間に必要に応じ適宜接着剤を介
して対向させるか又は載置し、立体形状物品側からの真
空吸引による圧力差により化粧シートを立体形状物品の
表面に積層接着する、所謂真空成形積層法を利用したラ
ミネート方法(真空成形ラミネート法)。 特開平6−315950号公報、特公昭50−191
32号公報に記載されるように、化粧シートを射出成形
の雌雄両金型間に配置した後、熔融樹脂を型内に射出充
填し、樹脂成形品の成形と同時にその表面に化粧シート
を積層接着する、所謂射出成形同時ラミネート法。 特公平5−2499号公報、特開昭52−91086
号公報に記載されるように、絵柄層を被着体側に向け
て、化粧シートを基材シート側から弾性体ローラで加圧
して化粧シートを被着体に積層接着する、所謂ローララ
ミネート法。 特公昭61−5895号公報、特公昭57−5183
号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基
材の長軸方向に、化粧シートを間に必要に応じ適宜接着
剤層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラー
により、柱状基材を構成する複数の側面に順次化粧シー
トを加圧して積層接着していく、所謂ラッピング加工法
によるラミネート方法。 その他として、BMC(Bulk Molding Compound) 成形
法、SMC(Sheet Molding Compound)成形法、ハンドレ
イアップ成形法等のFRP(Fiber ReinforcedPlastics)
における各種成形法、或いは、RIM(Reaction Injec
tion Molding)、マッチドモールド成形法等の成形と同
時に積層接着するラミネート方法。
【0025】なお、上記、及びは既に形状を有す
る被着体に化粧シートを積層接着するものであり、及
びのラミネート法は、樹脂成形品として被着体の形状
発現と同時に化粧シートを積層接着するものである。ま
た、上記の方法では、樹脂の成形型、又は別の型によ
り化粧シートを予備成形した後に、樹脂を射出成形して
成形と同時に積層接着する方法もある。これと同様に、
に列記の方法においても、化粧シートの成形は樹脂成
形と同時の場合と、樹脂成形の前に予備成形する場合が
ある。なお、ハンドレイアップ法では、化粧シートの成
形は予備成形となる。
【0026】先ず、上記した各種のラミネート方法の中
から、真空成形ラミネート法に属する真空プレス法、射
出成形同時ラミネート法、弾性体ローララミネート法に
ついて順に説明する。
【0027】(真空成形ラミネート法:真空プレス法)
図2は上記の真空成形ラミネート法に属する真空プレ
ス法の説明図である。真空プレス法は真空ラミネート法
と似ているが、化粧シートの被着体への加圧に、化粧シ
ートと被着体側との空気圧差の他に更に、ゴム状弾性膜
の収縮圧も利用する点、化粧シートの加熱をヒータによ
り加熱されたゴム状弾性膜を通して行う点等が若干異な
り、化粧シートの均一加熱とより強い圧接力等に特徴が
ある。
【0028】図2に示す真空プレス装置30は、上方に
は流体圧シリンダー等の上下動作手段13により上下に
移動可能な上室11があり、上室11に対面して下方に
下室21がある。上室11の内部にはヒータ12が配置
されている。また上室11の下部開口面はゴム状弾性膜
15にて全面が覆われている。ゴム状弾性膜15には通
常シリコーンゴム等が用いられる。下室21はその上面
が複数の排気孔23を有する置台22となっている。上
室11及び下室21には、それぞれ給排気ポート14,
24があり、それぞれの内部気圧を独立に調整できる。
【0029】真空プレス法では、先ず、上室11が上方
に移動して下室21と分離した状態で、被着体Bを置台
22に配置し、さらに化粧シートSを被着体Bの上から
配置する。その際、化粧シートSの絵柄層側が被着体B
と向き合うようにする。接着剤を化粧シートSや被着体
Bの外表面に施しておく場合には、この段階で塗布など
しておく。また接着剤が溶剤を含む場合はこの段階で乾
燥させておく。
【0030】次いで、上室11を下方に移動して下室2
1に圧接し、上室11及び下室21を密閉する。図2は
この状態を示している。続いて、下室21内を減圧し、
上室11内を加圧する。さらに、ヒータ12を用いてゴ
ム状弾性膜15を通して化粧シートSを加熱軟化させ成
形可能状態とする。この結果、上室11と下室21との
空気圧差及びゴム状弾性膜15の収縮圧により、化粧シ
ートSは被着体Bの外表面に対して加圧され、その結
果、化粧シートSは被着体Bの外表面に沿って変形し被
着体Bへ密着していく。最後に、下室21の減圧を解除
するとともに上室11の加圧を解除して両室を大気圧に
し、上室11を上方に移動し上室11及び下室21を分
離し、化粧シートSが貼着した被着体Bを取り出すこと
で、化粧シートSが積層接着されて絵柄模様が施された
三次元形状の成形品が得られる。
【0031】(射出成形同時ラミネート法)図3は射出
成形同時ラミネート法の説明図である。同図は既に樹脂
がキャビティに射出され化粧シートSも成形されて樹脂
に密着した状態である。移動可能なダイプレート(可動
盤)71には凹部キャビティを有する雌型81が固定さ
れ、他方のダイプレート(固定盤)72には射出孔84
を有する雄型82が固定され、その背面にはノズル73
が位置する。ダイプレート71は背面の油圧シリンダー
74で図面で左右方向に移動し、雌型81と雄型82と
を圧接させて型締めを行う。化粧シートSは雌型81と
雄型82との間に挿入され、シートクランプ90によっ
て雌型パーティング面に圧着固定される。また、雌型8
1のキャビティ面には吸引管を通じて真空ポンプVPに
接続された吸引孔が穿孔されており、化粧シートSは雌
型81のキャビティ面を利用して型締め前に両型内に侵
入した加熱板100で加熱軟化させた状態で吸引孔から
の吸引によって予備真空成形される。そして、加熱板を
両型の外に退避させた後で型締めを行い、キャビティ
(成形空洞)内へノズル73から熔融樹脂等の流動状態
の樹脂83を射出、充填し、冷却や化学反応で樹脂を固
化させ、化粧シートSを樹脂成形品の表面に積層接着せ
しめた後、シートクランプ90を解除し型開きを行う。
そして、成形品を取り出すことで、絵柄模様が施された
三次元形状の成形品が得られる。成形品周囲の余剰の
(成形品と積層接着していない)化粧シートSは、切り
抜いて(トリミングして)除去する。
【0032】(弾性体ローララミネート法)図4は弾性
体ローララミネート法の説明図である。同図の例では、
被着体Bに既に接着剤層Aが施されており、この被着体
Bに対し絵柄層2を向けて化粧シートSを弾性体ローラ
Rで加圧し、化粧シートSを被着体Bに積層接着する。
弾性体ローラRとしては、通常、鉄等の剛体の回転軸芯
R1の表面周囲を軟質の弾性体R2で被覆したローラを
用いる。弾性体R2としては、シリコーンゴム、フッ素
ゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム等のゴムを用いる。特
に、耐熱性、弾性等の点からシリコーンゴムが好まし
い。また特に、被着体の表面が凹凸形状(三次元形状)
をなす場合は、弾性体として、JIS規格のゴム硬度が
60°以下のものを使用することが、化粧シートを凹凸
面に追従成形させるために好ましい。弾性体ローラの直
径は、通常5〜20cm程度である。また、通常、弾性
体ローラは加熱ローラとしても用いる。
【0033】本発明のラミネート化粧方法によって得ら
れる装飾品は、例えば、化粧部材として、壁面、天井、
床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の
建具類の表面化粧、家具や弱電・OA機器のキャビネッ
トの表面化粧、自動車、電車、航空機、船舶等の車両内
装に用いられ、或いは、瓶、罐、箱、カップ等の容器等
として用いられる。
【0034】
【実施例】重量平均分子量20万のポリ−L−乳酸系樹
脂70重量%と重量平均分子量3万のポリ(ε−カプロ
ラクトン)30重量%を混合してなる樹脂を製造し、こ
の組成の樹脂を伸倍率3倍で2軸延伸し、100℃で熱
処理して厚さ25μmに製膜して基材シートを作製し
た。
【0035】次に、上記基材シートの片面に、アクリル
樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との1対1重量
比の混合物をバインダーとし、これに弁柄を主体とする
顔料を添加したインキを用い、グラビア印刷で木目の絵
柄層を形成し、更にその表面全面に塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂の接着剤層を厚さ3μmで形成し、図
1(B)の如き構成の化粧シートSを得た。
【0036】そして、図3の如き射出成形機を使用し、
その型開き状態の雌型81と雄型82との間に、以上の
工程で得た化粧シートSを、その接着剤層3が雄型側を
向くようにして挿入し、シートクランプ90によって化
粧シートSを雌型81のパーティング面に圧着固定し
た。その状態で、雌雄両型間の外部に退避していた加熱
板100を両型間に図示しない油圧シリンダーにより進
入させ、加熱板100表面からの輻射熱によって化粧シ
ートSを加熱軟化せしめ、次いで、雌型キャビティ面の
吸引孔を通じて、真空ポンプVPで吸引することによっ
て、軟化した化粧シートSを雌型キャビティ面に予備真
空成形し密着せしめた。
【0037】続いて、加熱板100を両型間から退避さ
せた後、油圧シリンダー74の駆動によって雌型81を
雄型方向に前進せしめ、雌型81と雄型82との間に化
粧シートSを挟んだ状態で係合、型締めした。次いで、
図3の如く、両型間に形成されたキャビティ内にノズル
73から射出孔84を通して加熱熔融したABS樹脂8
3を射出充填し、冷却固化せしめた。そして、油圧シリ
ンダー74を後退させて雌型81と雄型82とを開き、
表面に化粧シートSが積層接着された成形品を取り出し
た。周囲の余剰の化粧シートはカッターナイフで切り抜
いてトリミングした。
【0038】装飾成形品から化粧シートを剥し、その化
粧シートを埼玉県入間郡三芳町の土壌中に埋設し、4月
〜9月の6箇月間放置してから発掘した。そして、目視
にて外観を観察したところ、基材シートの分解が進行し
ており、原形を保持していなかった。また、回収した化
粧シートの断片について参考までに分子量保持率を測定
したところ40%であった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
装飾品が不用となった時に、表面の化粧シートを剥して
被着体本体をリサイクルできると共に、化粧シートを廃
棄処分して土壌に接して或いは土壌中に放置した際に、
その基材シートが土中の微生物の働きにより水と炭酸ガ
スに完全に分解して消滅するので、地球環境にとって好
ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化粧シートの形態例を示す断面図
である。
【図2】ラミネート方法の一つである真空プレスラミネ
ート法の説明図である。
【図3】ラミネート方法の一つである射出成形同時ラミ
ネート法の説明図である。
【図4】ラミネート方法の一つである弾性体ローララミ
ネート法の説明図である。
【符号の説明】
1 基材シート 2 絵柄層 3 接着剤層 11 上室 12 ヒータ 13 上下動作手段 14,24 給排気ポート 15 ゴム状弾性膜 21 下室 22 置台 23 排気孔 30 真空プレス装置 71 ダイプレート(可動盤) 72 ダイプレート(固定盤) 73 ノズル 74 油圧シリンダー 81 雌型 82 雄型 83 ABS樹脂 84 射出孔 90 シートクランプ 100 加熱板 A 接着剤層 B 被着体 S 化粧シート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸系樹脂からなる基材シートに装
    飾処理を施してなる化粧シートを使用し、該化粧シート
    を被着体表面に積層接着することを特徴とするラミネー
    ト化粧方法。
  2. 【請求項2】 雌型と雄型の間に化粧シートを挿入し、
    化粧シートを間に挟んだまま雌雄両型を閉じて型締め
    し、雌雄両型間に形成されるキャビティ中に液状樹脂を
    射出充填し、該液状樹脂を固化せしめると共に、該成形
    品表面に該化粧シートを積層接着せしめ、しかる後に、
    雌雄両型を開放し、表面に化粧シートが積層一体化した
    成形品を取り出すことを特徴とする請求項1に記載のラ
    ミネート化粧方法。
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