JPH091586A - 表面装飾樹脂成形品及び成形同時装飾方法 - Google Patents

表面装飾樹脂成形品及び成形同時装飾方法

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JPH091586A
JPH091586A JP17395295A JP17395295A JPH091586A JP H091586 A JPH091586 A JP H091586A JP 17395295 A JP17395295 A JP 17395295A JP 17395295 A JP17395295 A JP 17395295A JP H091586 A JPH091586 A JP H091586A
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sheet
molding
decorative sheet
decorative
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Noboru Araki
荒木  登
Hiroyuki Atake
浩之 阿竹
Takashi Matano
剛史 俣野
Hirohisa Yoshikawa
浩久 吉川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形同時装飾方法で、成形用樹脂と装飾シー
トの樹脂材料とを両者間の密着性を気にせず自由に選定
使用でき深絞り形状等にも対応させる。 【構成】 表面装飾樹脂成形品は、樹脂成形品表面に不
織布等の繊維質シートを間に介して樹脂シートが積層接
着しており、成形用樹脂が繊維質シート内の繊維質間の
空間に侵入充填され固化した構成とする。成形同時装飾
方法は、熱可塑性状態にある樹脂シートと繊維質シート
とを積層接着させた装飾シートを、繊維質シートが成形
用樹脂側を、樹脂シートがキャビィティ面側を向く様に
型内に挿入して型を閉じ、流動状態にある成形用樹脂
を、型内に注入充填して繊維質シートの繊維質間の空間
に侵入充填させてから固化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂成形、特に射出成
形と同時に装飾シートを成形品表面に貼着一体化する方
法、及びえられる装飾樹脂成形品に関する。また、OA
機器、弱電機器等のキャビィネット(筐体類)や計器
板、自動車内装部材等の表面装飾技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、成形品の成形と同時にその外
表面に装飾シートを貼合する装飾技術が各種行われてお
り、なかでも射出成形と同時に模様付けを行う射出成形
同時加飾方法は代表的な技術である。例えば、特公昭5
0−19132号公報では、真空成形用の通気孔を設け
た雌型を利用して熱可塑性樹脂シートを用いたる装飾シ
ートを真空成形した後、型締めを行って、成形用樹脂と
して溶融した熱可塑性樹脂を金型内に射出して、成形品
の外表面に装飾シートを一体化させる方法が開示されて
いる。ここでの成形同時装飾方法は真空成形と射出成形
とを組合わせた方法であり、複雑な曲面形状の表面に装
飾ができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法は熱可塑性樹脂の装飾シートと成形樹脂とを接着さ
せるため、それらには互いに接着性の良い材料を選定使
用する必要がある。すなわち、樹脂材料は、両樹脂の特
定の組み合わせに限定される。例えば、成形用樹脂がA
BS(アクリロニトリル−ブタジン−スチレン共重合
体)樹脂ならば、装飾シートも同じABS樹脂を用い
る。ところで、成形用樹脂としてABS樹脂は優れた物
性を示す樹脂であるが、近年はコスト等の点から、ポリ
プロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等の安価な樹脂を広
範な用途で使用する傾向が強い。しかし、これらポリオ
レフィン系樹脂等は接着性が悪く先の方法にてABS樹
脂の樹脂シート、或いはポリ塩化ビニル樹脂等からなる
樹脂シートは強固に密着させることができない。また、
同じポリオレフィン系樹脂からなる樹脂シートを装飾シ
ートに用い様としても、その樹脂シートは耐熱性、シー
ト強度等の点から印刷適性が劣り、装飾シートの製造に
難がある。
【0004】そこで、ポリオレフィン系の射出樹脂、或
いは密着性の悪い樹脂同士を密着させるために、装飾シ
ートの樹脂シート面にプライマー層を設けることも一部
行われている(特開昭58−71142号公報等)。し
かし、プライマー層の効果は全ての樹脂に対して万能で
はなく、また余分なプライマー層によりコスト高の要因
ともなる。従って、いずれにしろ、装飾シートの樹脂と
成形用樹脂とは常に限定された関係の材料を使用せざる
を得ないという問題がある。
【0005】また、熱可塑性樹脂シートは、成形性が良
好な反面、その長所が短所となり、成形時に注入される
成形用樹脂が高温、高圧、高流速の場合(例えば、射出
成形)には、シートが流動、変形し、装飾が変形した
り、シートが破れたりすることが起こる。
【0006】一方、特開平7−88886号公報では不
織布を装飾シートとして用いた成形同時装飾方法が提案
されている。しかし、不織布は変形時の応力が局部に集
中し易く、また変形性に乏しいため深絞り形状には対応
できず、不織布が破れてしまう。また、内部から成形用
樹脂が不織布の繊維の間隙から染みだして表面に出て
き、外観を損ねる。この点で、特公昭43−27488
号公報に開示された技術では、不織布に熱硬化性樹脂を
含浸したものを用いることにより、表面への成形用樹脂
の染みだしの問題は解決している。しかし、深絞り形状
に対応できない点は依然として残る。
【0007】そこで、本発明の課題は、成形同時装飾方
法にて、成形用の樹脂と装飾シートの樹脂材料とを両者
の密着性を気にせず自由に選定使用でき、しかも、深絞
り形状にも対応し、さらに表面物性に優れた表面装飾樹
脂成形品と、それを得るための成形同時装飾方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の表面装飾
樹脂成形品は、樹脂成形品表面に織布、不織布、又は紙
からなる繊維質シートを間に介して樹脂シートを積層接
着して表面を装飾してなる成形品であって、該樹脂成形
品を構成する成形樹脂が該繊維質シート内の繊維質間の
空間に侵入充填され固化されてなる構成とする。
【0009】また、本発明の成形同時装飾方法は、熱可
塑性状態にある樹脂シートと織布、不織布、又は紙から
なる繊維質シートを積層接着させてなる装飾シートを用
意し、該装飾シートを樹脂成形型内に、該繊維質シート
が成形樹脂原料側を、該樹脂シートが型キャビィティ面
側を向く様にして挿入し、次いで、該型を閉じて、流動
状態にある成形用樹脂を閉じた型内のキャビィティ内に
注入、充填し、更に該繊維質シート内の繊維質間の空間
にも侵入充填させた後、固化させ、しかる後に、該型内
から、表面に装飾シートが積層接着された表面装飾樹脂
成形品を取り出す、様にしたものである。
【0010】また、本発明のもう一つの成形同時装飾方
法は、上記成形同時装飾方法において、表面装飾樹脂形
成品を取り出した後、加熱、或いは、電離放射線照射に
よって、該装飾シート表面の樹脂シートを架橋、硬化さ
せる様にしたものである。
【0011】以下、図面を参照しながら、本発明の表面
装飾樹脂成形品と、該成形品を得る為の本発明の成形同
時装飾方法について詳述する。
【0012】先ず、図1は装飾シート10から表面装飾
樹脂成形品20が得られる様子を概念的に示した図であ
る。本発明の表面装飾樹脂成形品20は、樹脂シート1
と成形樹脂5との間に繊維質シート2を介在させること
が特徴的であり、且つその繊維質シート2が、その繊維
の間隙を成形用樹脂が侵入して充填しそこで固化した層
である、「成形用樹脂が内部進入し固化した繊維質シー
ト25」となっているものである。そして、このような
表面装飾樹脂成形品20は、図1の左側に示す如く、樹
脂シート1に繊維質シート2を積層させた装飾シート1
0を成形型内に載置して樹脂成形することよって得られ
るものである。以下、このような装飾シート10を構成
する各層について順次説明する。
【0013】繊維質シート2としては、織布、不織布又
は紙(和紙、洋紙を含む)等が使用できる。また、繊維
質シートを構成する繊維の材質は、ポリエステル、ポリ
プロピレン、ビニロン、ナイロン等の合成樹脂、セルロ
ース、絹、綿、麻等の天然繊維、硝子、炭素、石綿等の
無機物等である。坪量は大体5〜100g/m2 の範囲
が好ましい。少なすぎれば成形樹脂と装飾シートとのア
ンカー効果による接着性が不十分となりとなり、また樹
脂シートとの貼り合わせが難しくなるので、繊維間隙が
貼り合わせ時に消失し易い。逆に多すぎれば成形用樹脂
が繊維間隙を完全に充填できなくなり、再び成形樹脂と
装飾シートとの接着が悪くなる。また繊維間に空気が残
留していると、表面装飾樹脂成形品20が加熱されたと
きに残留空気が膨張し、ふくれ(ブリスター)が発生す
る。また、樹脂の成形に先立って装飾シートの予備成形
を加熱して行う場合には、アクリル系樹脂や、ビニロン
系樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂の繊維からなる
繊維質シートで、密度が0.2〜0.8g/cm3 、目
方が20〜50g/m2 程度のものが予備成形性が良
い。なお、上記の予備成形とは、例えば、特公昭50−
19132号公報等に開示されている方法によって行え
ばよく、その予備成形条件としては例えば加熱温度10
0〜150℃、空気圧2〜3kg/cm2 で加熱軟化し
た装飾シートを型表面に真空成形、圧空成形又は真空圧
空成形して行う。
【0014】また、樹脂シート1は、熱可塑性状態にあ
る樹脂のシートである。このような樹脂シートに用い得
る樹脂としては、熱可塑性樹脂のみならず、硬化性樹脂
であってもその硬化前の状態であり(成形同時装飾する
際に)熱可塑性を呈するものであれば良い。また、熱可
塑性状態は、少なくとも、装飾シートが成形用型表面に
完全に追従される時点まで熱可塑性であれば良く、それ
以降は、架橋硬化しても良い。
【0015】このような熱可塑性状態にある樹脂シート
の材料としては、:通常の熱可塑性樹脂、例えば、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体等のビニル樹脂、ポリ
(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブ
チル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の単独
又は共重合体からなるアクリル樹脂〔(メタ)アクリル
とはメタクリル又はアクリルという意味である〕、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、
ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体
(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
の熱可塑性ポリエステル、ナイロン等のポリアミド、各
種ポリカーボネート等が挙げられる。なお、これらの熱
可塑性樹脂を用いた場合には硬化工程はなく、樹脂シー
トは熱可塑性のままで最終製品とし使用する。
【0016】:また、使用できる硬化性樹脂の一つは
電離放射線で硬化する、電離放射線硬化性樹脂のうち、
室温〜(装飾シートの予備成形)〜樹脂成形までの温度
範囲の中での最大温度以上の融点を持つプレポリマー又
はポリマーで分子中にラジカル重合性不飽和基又はカチ
オン重合性基等の重合性官能基を有する化合物を有する
組成物である。電離放射線硬化性樹脂が「化合物を有す
る組成物」とは、例えば紫外線硬化性樹脂の場合、上記
プレポリマー以外に硬化を開始させる光重合開始剤等も
加えるからである。なお、電離放射線とは、紫外線、電
子線、可視光線、X線等の電磁波又は荷電粒子のうち分
子を重合、架橋し得るエネルギー量子を有するものを意
味し、通常は紫外線や電子線がよく用いられる。
【0017】このような性質の電離放射線硬化性樹脂を
構成し得るプレポリマー又はポリマーとしては、例え
ば、特開昭59−202229号公報に開示される融点
50℃以上の室温で固形の、エポキシアクリレート、ウ
レタンアクリレートがある。例えば、エポキシアクリレ
ートはビスフェノールA型で重合度が3以上のエポキシ
樹脂に(メタ)アクリル酸を付加させたもの等である。
いわゆる通常の電離放射線硬化性樹脂の組成物は反応性
のプレポリマーやポリマー以外に(紫外線硬化の場合は
光増感剤等も加えるが)、反応性希釈剤として重合性の
単官能又は多官能性モノマー等も加えるが、本発明に適
する電離放射線硬化性樹脂の場合は、これら反応性希釈
剤は通常室温で液状のため、加える場合は組成物全体と
して室温で固形状態を維持できる程度の範囲内とする。
また、このようなプレポリマー、又はポリマーの中か
ら、成形同時装飾工程でかかる最大温度以上の溶融温度
(或いは融点)持つものを選択する。
【0018】また、上記固形のプリポリマー又はポリマ
ーとしては、以下に示す(1) 及び(2) の2種類のもの等
もある。そして、これらのものの中から、成形同時装飾
工程でかかる最大温度以上の溶融温度(或いは融点)を
持つものを選択する。 (1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジ
カル重合性不飽和基を有するもの。例えば、以下の化合
物(イ) 〜(チ) を重合又は共重合させたものに対して後述
する方法(A) 〜(D) でラジカル重合性不飽和基を導入し
たもの等である。
【0019】(イ) N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド等の水酸基を有するモノマー。 (ロ) (メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有するモ
ノマー。 (ハ) グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を
有するモノマー。 (ニ) 2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等の
アジリジニル基を有するモノマー。 (ホ) (メタ)アクリルアミド等のアミノ基を有するモノ
マー。 (ヘ) 2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸等のスルホン基を有するモノマー。 (ト) 2,4−トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートとの1モル対1モルの反
応付加物等のジイソシアネートと活性水素を有するラジ
カル重合性モノマーとの付加物等。 (チ) さらに、上記の共重合体のガラス転移点や硬化後の
樹脂シートの表面強度等を調整するために、上記の化合
物と、当該化合物と共重合可能な、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート等のモノマーとの共重合物。
【0020】次に、上述のようにして得られた重合体を
以下の方法(a) 〜(d) により反応させ、ラジカル重合性
不飽和基を導入したもの。 (A) 水酸基を有するモノマーの重合物又は共重合物に
は、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有するモ
ノマーを縮合反応させる。 (B) カルボキシル基、スルホン基を有するモノマーの
重合物又は共重合物には、前述の水酸基を有するモノマ
ーを縮合反応させる。 (C) エポキシ基、イソシアネート基、アジリジニル基
を有するモノマー又は共重合物には、前述の水酸基、又
はカルボキシル基を有するモノマーを付加反応させる。 (D) 水酸基、カルボキシル基を有するモノマー又は共
重合体には、エポキシ基、アジニリジニル基又はイソシ
アネート基を有するモノマーを付加反応させる。
【0021】(2) 融点が常温(20℃)〜250℃であ
り、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物。例えば、
ステアリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイシソ
アヌレート等である。さらに、上記した(1) の化合物
と、この(2) の化合物を混合した混合物、あるいは、さ
らにこれらにラジカル重合性モノマーを加えたものもあ
る。
【0022】ところで、上記電離放射線硬化性樹脂を用
いる場合には、装飾シートを用いて樹脂成形を行って型
から成形品を取り出した後に、電離放射線を照射して装
飾シートを架橋、硬化させる方法をとる。
【0023】また、熱可塑性状態にある樹脂シートの材
料としては、上記した通常の熱可塑性樹脂、電離放射線
硬化性樹脂以外に、:硬化性樹脂のうち熱で硬化する
熱硬化性樹脂のうち、室温〜(装飾シートの予備成形)
〜樹脂成形までの温度範囲の中での最大温度以上の融点
を持つプレポリマー又はポリマーで分子中にラジカル重
合性不飽和基、重付加又は重縮合性官能基等の重合性官
能基を有する化合物を有する組成物がある。例えば、上
記電離放射線硬化性樹脂で(紫外線硬化性とする場合に
加える光重合開始剤の代わりに)過酸化ベンゾイル、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、アゾビスイソブチロ
ニトリル、有機スルホン酸塩等の熱重合開始剤、或いは
ブロックイソシアネート等の熱架橋剤を加えた組成物で
ある。
【0024】以上の熱硬化性樹脂を装飾シートの樹脂シ
ートとして用いた場合の該樹脂シートの硬化のタイミン
グは、装飾シート及び樹脂成形の際に樹脂シートが加熱
される場合(例えば、射出成形等)には、成形と同時に
熱硬化させれば、後硬化工程を省略できて好ましい。ま
た、成形品を型から取り出した後に、別工程で加熱硬化
させても構わない。
【0025】上記の様な樹脂シートと前記した繊維質シ
ートとの積層は、樹脂シートの熱軟化特性を利用した熱
融着或いは接着剤を用いたドライラミネート等の積層方
法が好ましい。もちろん、繊維質シートの繊維の間隙の
全てを樹脂シートの樹脂、或いは接着剤が侵入してふさ
がない様にするのはもちろんである。
【0026】また、樹脂シートの厚みは、50〜300
μmの範囲が好ましい。成形品の装飾表面形状の深絞り
が浅く、或いは平面であれば、装飾シートとしての成形
性というよりは、最終製品としての見栄え、装飾感、或
いは材料コスト等の点から厚みは適宜選定する。また、
深絞り形状に対応させる場合では、これら留意点以外
に、厚みが薄すぎれば繊維質シートと積層した装飾シー
トにおいて、繊維質シートに局部的に集中する成形時の
応力を充分分散できず破れや皺を生じ易くなる。逆に厚
みが厚すぎれば成形時の型形状への追従性不良を生じ易
い。
【0027】特に、装飾シートに深絞り適正を持たせる
点において、熱可塑性状態にある樹脂シート、及び、
(繊維質シートが熱可塑性状態を呈する場合の)繊維質
シートの軟化温度、溶融温度は以下に述べる観点から設
定するのが良い。
【0028】《熱可塑性状態にある樹脂シート》 (I) 成形型形状が平坦面で装飾シートが成形工程で変形
を受けない場合は、軟化温度、溶融温度共に室温(常
温)以上であれば特に制約はない。あくまで成形品表面
の耐熱性の要求で決める。すなわち、成形型キャビィテ
ィに注入された成形用樹脂の成形中に該樹脂シートにか
かる最大温度Tform(該樹脂シート表面温度を実測して
評価)、該樹脂シートの溶融温度(結晶質高分子の場合
は融点)Tm1、および表面装飾樹脂成形品の許容最大環
境温度Tenv との関係は以下の様であれば良い。 Tform≦Tm1、且つ Tenv ≦Tform
【0029】(II)また、成形品形状(型のキャビィティ
形状)が凹凸形状を有する場合は、樹脂シートを加熱軟
化させた状態で型キャビィティ表面形状に追従し、密着
する様に成形する必要がある。従って、該樹脂シートの
軟化温度Ts1(評価法は、JIS−K−7206規定の
ビカット(Vicat)軟化温度)、溶融温度(結晶質
高分子の場合は融点)Tm1は以下の如く定める。
【0030】予備成形有りの場合;予備成形時の温度
pre との関係を、 Ts1≦Tpre <Tm1 予備成形無しの場合;成形型キャビィティに注入され
た成形用樹脂により成形中に該樹脂シートにかかる最大
温度Tform(該樹脂シート表面温度を実測して評価)と
の関係を、 Ts1≦Tform≦Tm1 とする。
【0031】《繊維質シート》成形形状如何によらず、
成形用樹脂の温度によって繊維同士が溶融合体して繊維
間の空間(空隙)が消失しない様にする必要がある。そ
の為、繊維質シートの軟化温度Ts2、溶融温度Tm2
(添字1が樹脂シートを添字2が繊維質シートを示
す)、 予備成形有りの場合; Tpre <Tm2、より好ましくは、Tpre <TS2 予備成形無しの場合; Tform≦Tm2、より好ましくは、Tform<TS2 とするのが良い。
【0032】また、成形同時装飾方法としては、射出
成形、反応性射出成形(RIM成形)、スタンピン
グ成形、その他の成形等の成形で可能である。以下、
順に説明する。
【0033】射出成形;成形用樹脂として熱可塑性樹
脂を「加熱溶融」させ流動状態にして、雌雄両金型間の
キャビィティに射出充填し、「冷却固化」させる。その
際、予め金型キャビィティ内に、繊維質シートが射出孔
(ゲート)側を向く様に、そして樹脂シートが金型キャ
ビィティ面側を向く用にして装飾シートを挿入しておく
ことにより、成形と同時に成形品表面に装飾シートを積
層接着させる。射出成形は細かく分類すると装飾シート
の予備成形の有無で二分され、さらに、予備成形有りで
は予備成形型と樹脂成形型の独立、兼用で二分される。
【0034】(1) 予備成形有り; (A) 特公昭50−19132号公報、特公昭63−63
39号公報、特開平5−301250号公報等に開示さ
れた如く、予備成形型と樹脂成形型を兼用する方法で行
う。以下、図7〜図11を参照して説明する。
【0035】先ず、図7は、射出成形機回りの成形同時
装飾方法に用いる装置を概説する図であり、可動可能な
ダイプレート(可動盤)71には凹部キャビィティを有
する雌型81が固定され、他方のダイプレート(固定
盤)72には射出孔85を有する雄型82が固定され、
その背面にはノズル73が位置する。ダイプレート71
は背面の油圧シリンダー74で図面で左右方向移動し、
雌型81と雄型82とを圧接させて型締めを行う。連続
帯状の装飾シート10は巻出ロール91からガイドロー
ラ92により雌型81と雄型82との間に挿入され、そ
して型下方の巻取ロール93で巻取られる。なお、装飾
シート10の繊維質シートは図面右側を向く様にして型
間に挿入される。雌型81のキャビィティ面84には吸
引管86を通じて真空ポンプVPに接続された吸引孔8
3が穿孔され、(雌型81のパーティング面に当接され
た)装飾シート10とキャビィティ面84間の空間を適
宜減圧して装飾シート10を予備成形できる様になって
いる。雌型81と雄型82間の空間の上方には、油圧シ
リンダー96で図面で上下方向に移動可能な熱盤94が
設置され、適宜金型間に移動し装飾シート10を加熱す
る。
【0036】図8は、熱盤94が金型間に移動し、装飾
シート10を雌型81のパーティング面に押さえながら
加熱軟化させている加熱軟化工程を示す。そして、図9
は、装飾シート10を空気圧差を利用して雌型81のキ
ャビィティ面84の形状に追従密着させる様に成形して
いる予備成形工程を示す。予備成形は雌型81側の吸気
孔83を通して装飾シート10を真空成形するか、熱盤
94側の通気孔95からの圧搾空気を吹き出して圧空成
形するか、或いは、真空成形と圧空成形とを併用する真
空圧空成形する。なお、図9の熱盤94は、空気圧縮機
ACからの圧空が通気孔95より吹き出し、真空圧空成
形が出来る様になっている。
【0037】そして、装飾シート10の加熱軟化が充分
に行われた時点で(予備形成後でも良い)、熱盤94を
図面上方に退避させる。次いで、雌型81、雄型82の
両型を閉じて型締めを行い、キャビィティ(成形空洞)
内へノズル73から溶融樹脂87を射出、充填し(図1
0参照)、冷却して該樹脂を固化させた後、型開きを行
い、成形樹脂5と装飾シートとが接着積層した、表面装
飾樹脂成形品成形品20を取出す(図11参照)。
【0038】上述の方法は、特に高絞り比(凹凸の段差
の大きい)形状又は曲率半径の小さい形状の成形品に対
して装飾シートを型形状に忠実に且つ装飾シートの破れ
を生ずることも無く、接着積層するのに適する。但し、
装置が複雑になり、又成形サイクルが長くなる。
【0039】(B) 特公昭42−17113号公報、特公
昭50−28975号公報等で開示の如く、一旦別の真
空成形機で予備成形した装飾シートを、射出成形機の、
射出孔の無い方の、雌型又は雄型に装着す方法によるこ
とも出来る。
【0040】なお、射出成形にて型内に注入する成形用
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポ
リ(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ポリス
チレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹
脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリカーボネー
ト等の熱可塑性樹脂の公知の射出用樹脂が使用できる。
【0041】(2) 予備成形無し;米国特許第28117
44号、特開昭48−43760号公報、特公平2−4
2080号公報等に開示された方法で行う。これは、装
飾シートを雌型と雄型の間に挿入し、シートが平坦なま
ま、両型を閉じ、装飾シートを両型のパーティング面間
に挟んで固定し、しかる後にゲートから溶融樹脂を射出
充填する。装飾シートは射出樹脂の熱と圧力によって軟
化、変形し雌型表面形状に追従密着するものである。そ
の他は(1) の方法と同じである。本方法は、低絞り比
(凹凸段差が小さい)、曲率半径の大きい形状にのみ適
する。但し装置は単純で成形サイクルは短く早い。
【0042】反応射出成形(RIM成形);特開昭6
2−212107号公報、特開平5−42561号公報
等に開示された方法で行う。予備成形の有無は、上記
の射出成形法と同様な予備成形有りと予備成形無しの両
方がある。RIM(Reaction Injecti
onMolding)成形は、通常の射出成形におい
て、成形用樹脂として加熱溶融樹脂を用いるのに代わっ
て、常温(室温)で液体、流動状態の反応硬化性樹脂を
用いる。そして、両型で形成されるキャビィティに射
出、充填した後に、加熱、電離放射線、常温での化学反
応のいずれかの硬化手段によって該樹脂を架橋、付加重
合、縮重合、重付加等の反応により硬化させる。反応硬
化性樹脂としては、例えば、ポリオールとポリイソシア
ネートとの混合組成物等のポリウレタン樹脂の原料の
他、ラジカル重合性不飽和基又はカチオン重合基を分子
中に有するモノマー、プレポリマー、或いはポリマー、
例えば、不飽和ポリエステル、(メタ)アクリル酸エス
テル、エポキシ化合物等にベンゾフェノン等の光重合開
始剤(光、又は紫外線硬化の場合)、過酸化ベンゾイル
等の熱重合開始剤(熱硬化の場合)等の重合開始剤を添
加したもの等があり、或いは、不飽和ポリエステルのプ
レポリマーにイソシアネート化合物等の架橋剤を添加し
たもの(常温化学反応又は熱硬化の場合)等がある。そ
の他の点については、上記の射出成形と同じである。
【0043】スタンピング成形;特開平4−2542
0号公報等に開示された方法で行う。 その他の成形方法;圧縮成形、液体射出成形〔LIM
(Liquid Injection Moldin
g)成形〕、キャスティング成形等である。
【0044】なお、樹脂成形用の型の材料は、金属
(鉄、銅等)、セラミックス等が用いられる。装飾シー
トの予備成形も行う場合は、図9の如く、雌型81内に
はキャビィティ面84に開口する吸気孔83を穿設し、
これらを真空ポンプVPに接続して真空成形する。圧空
を併用してもよい。なお、吸気孔83を穿設する代わり
に、特開平1−263013号公報等に開示される様
な、多孔質電鋳金属、多孔質セラミックスの様な耐熱耐
圧性の有る多孔質材を用いて該多孔質の孔を通して吸引
しても良い。
【0045】一方、装飾シートへの装飾の付与は、樹脂
シート或いは繊維質シート自体の外観・意匠で十分であ
る場合は、特別な加工は不要である。ただし、それ自体
での外観意匠では不充分な場合には、下記の様な加工、
処理によって装飾を付与する。
【0046】模様(絵柄)の形成;公知の印刷法等で
木目模様、石目模様、幾何学柄、等の模様を形成する。
模様は、繊維質シートの表又は裏、樹脂シートの表又は
裏のいずれにも設けることが出来る。但し、模様より表
面側はすべて透明な層による様に構成する。不透明な層
の裏面となっては形成した模様が見えない。 樹脂シート、或いは繊維質シート全面にわたって、染
色、顔料練込、塗装等によって着色する。 なお、本発明でいう「装飾」とは、単に絵柄や文字、図
形等の目視可能な模様を成形品に付与する以外に、目視
不可能な模様、あるいは硬質塗膜、導電性等の機能性層
を付与することを包含する。
【0047】また、必要に応じて、装飾シートの表面に
表面保護層を形成しても良い。例えば、電離放射線硬化
性樹脂塗膜等である。このような樹脂としてはアクリル
系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等の公知
の電離放射線硬化性樹脂が使用できる。膜厚は1〜5μ
m程度あれば保護目的は達成できる。
【0048】
【作用】本発明の表面装飾樹脂成形品によれば、成形品
を覆う装飾シート裏面の繊維質シートと成形用樹脂と
が、相互に侵入充填されたアンカー効果により、装飾シ
ートと成形樹脂との化学的接着性の如何によらず両者間
の良好な接着性が得られる。しかも、樹脂シートに遮蔽
されて、成形用樹脂が繊維質シートの表面に浸出するこ
とも防げる。また、本発明の成形同時装飾方法によれ
ば、上記成形品を得られる他、熱可塑性状態の樹脂シー
ト、及び繊維質シートの長所と短所とが互いに補いあ
い、装飾シートの良好な成形性が得られ、しかも繊維質
シートの耐流動性によって装飾シートが必要以上に流動
変形することが抑えられる。また、該樹脂シートの変形
によって、繊維質シートの局部に集中する応力を分散、
緩和することによって、凹凸形状に成形した場合の繊維
質シートの破れを防止できる。特に、表面装飾樹脂形成
品を取り出した後、加熱や電離放射線照射で表面の樹脂
シートを架橋、硬化させることで、成形品表面の装飾層
の耐擦傷性、耐薬品性等の表面物性が極めて良好なもの
を与える。
【0049】
【実施例】以下、本発明の表面装飾樹脂成形品および成
形同時装飾方法について、具体的な実施例について説明
する。
【0050】《実施例1》先ず、図2は実施例1で用意
した装飾シート10の層構成を示す断面図である。この
装飾シートは以下の様にして作成した。着色塩化ビニル
樹脂フィルム12(理研ビニル工業(株)製:可塑剤1
2.5phr、厚み100μm、褐色)の片面〔最終的
に表(おもて)面側となる面〕に木目模様をグラビア印
刷して装飾層3を形成した。なお、装飾層用の印刷イン
キはバインダーとして塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
とアクリル樹脂とを併用したものを用いた。次いで、透
明塩化ビニル樹脂フィルム11(理研ビニル工業(株)
製:可塑剤12.5phr、厚み100μm、無色)
と、装飾層3を形成した着色塩化ビニル樹脂フィルム1
2とを、装飾層3を間に挟んで熱プレスにて熱融着させ
て積層した。次いで、得られた積層フィルムの着色塩化
ビニル樹脂フィルム12の裏面にアクリル系不織布(密
度0.4g/cm3 、坪量25g/m2 、厚さ55μ
m)を熱プレスにて熱ラミネートして、装飾シート10
とした。なお、各熱プレス条件はシート加熱温度120
℃、圧力4kg/cm2 である
【0051】上記装飾シートを、図7〜図11に示す様
な予備成形有りの射出成形法により、雌金型内で予備成
形し(温度150℃、圧力差3kg/cm2 で10秒間
で真空圧空成形)、不織布側よりポリプロピレン樹脂
((株)トクヤマ製:ME140)を射出成形して、図
6の様な形状で外表面側に絵柄の付いた自動車用内装材
を作製した。
【0052】《実施例2》図3に実施例2で用意した装
飾シート10の層構成の断面図を示す。この装飾シート
は以下の様にして作成した。透明アクリル樹脂フィルム
(三菱レイヨン(株)製:ポリメチルメタクリレート
HBS006、100μm)の片面(最終的に裏面側と
なる面)に実施例1と同じ木目模様をグラビア印刷(但
し、実施例1と色の刷り順が逆となるバックプリントで
ある)して装飾層3を形成した。次いで、装飾層3の上
にさらに、ドライラミネート用の接着剤(コニシ(株)
製:CVC33/CVC硬化剤=100/5)を塗工し
て接着層4を形成した。そして、接着層面にビニロン系
不織布(廣瀬製紙(株)製、VN1024)を熱プレス
にて熱ラミネートして、装飾シート10とした。なお、
各熱プレス条件はシート加熱温度120℃、圧力4kg
/cm2 である
【0053】上記装飾シートを、真空成形機にて予備成
形し(温度150℃、圧力3kg/cm2 、20秒
間)、この予備成形品を真空成形機から取り出して射出
成形機の雌金型内にインサートし、後は実施例1と同様
にして射出成形を行い、絵柄の付いた成形品を得た。
【0054】《比較例1》装飾シートとして、図4に示
す如く、樹脂シート11と装飾層3のみで繊維質シート
が無い他は、実施例1で用意した装飾シートと同じ構成
のものを用いた。その他は、実施例1と同様にして絵柄
の付いた成形品を得た。
【0055】《比較例2》装飾シートとして、図5に示
す如く、樹脂シートが無く繊維質シートに直接絵柄を形
成したもの用意した。その他は、実施例1と同様にして
絵柄のついた成形品を得た。
【0056】上記実施例及び比較例で得られた表面装飾
樹脂成形品について、その性能評価結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】また、以上の結果から、装飾シートとし
て、単なる熱可塑性樹脂シートの場合、単なる繊維
質シートの場合、本発明が用いる、熱可塑性状態にあ
る樹脂シートと繊維質シートとの積層体による場合、の
三通りの場合について、纏めると、表2の様に、本発明
の成形品が優れていることが判る。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明の表面装飾樹脂成形品によれば、
装飾シートと成形樹脂との化学的接着性の如何によらず
両者間の良好な接着性が得られる。しかも、樹脂シート
に遮蔽されて、成形用樹脂が装飾シートの表面に浸出す
ることも防げ、装飾を損なうことがない。また、本発明
の成形同時装飾方法によれば、上記の表面装飾樹脂成形
品が得られる上、装飾シートの良好な成形性が得られ、
しかも装飾シートが必要以上に流動変形して装飾模様が
変形したり、或いはシートが変形に追従せず破断するこ
とが抑えられる。特に、加熱や電離放射線照射で架橋、
硬化させると、成形品表面の装飾層の耐擦傷性、耐薬品
性等の表面物性が極めて良好なものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維質シートを備えた装飾シートと本発明の表
面装飾樹脂成形品の断面図。
【図2】用い得る装飾シートの一例を示す断面図。
【図3】用い得る装飾シートの他の一例を示す断面図。
【図4】繊維質シートを備えない装飾シートを示す断面
図。
【図5】樹脂シートを備えない繊維質シートからなる装
飾シートを示す断面図。
【図6】表面装飾樹脂成形品の外形形状を示す図。
【図7】本発明の成形同時装飾方法の一実施例の概念
図:装飾シートを型に供給した状態。
【図8】同:装飾シートを加熱軟化させている状態。
【図9】同:装飾シートを真空圧空成形した状態。
【図10】同:型締め後の射出が完了した状態。
【図11】同:冷却、型開き後の、成形品の取り出し状
態。
【符号の説明】
1 樹脂シート 11 透明樹脂シート 12 着色不透明樹脂シート 2 繊維質シート 25 成形用樹脂が内部進入し固化した繊維質シート 3 装飾層 4 接着層 5 成形樹脂 10 装飾シート 20 表面装飾樹脂成形品 71 ダイプレート(可動盤) 72 ダイプレート(固定盤) 73 ノズル 74 油圧シリンダー 81 雌型 82 雄型 83 吸引孔 84 キャビィティ面(凹面) 85 射出孔 86 吸引管 87 溶融樹脂 91 巻出ロール 92 ガイドロール 93 巻取ロール 94 熱盤 95 通気孔 96 油圧シリンダー S 装飾シートの積層面 AC 空気圧縮機 VP 真空ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 101:12 B29L 9:00 (72)発明者 吉川 浩久 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成形品表面に織布、不織布、又は紙
    からなる繊維質シートを間に介して樹脂シートを積層接
    着して表面を装飾してなる成形品であって、該樹脂成形
    品を構成する成形樹脂が該繊維質シート内の繊維質間の
    空間に侵入充填され固化されてなることを特徴とする表
    面装飾樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 熱可塑性状態にある樹脂シートと織布、
    不織布、又は紙からなる繊維質シートを積層接着させて
    なる装飾シートを用意し、該装飾シートを樹脂成形型内
    に、該繊維質シートが成形樹脂原料側を、該樹脂シート
    が型キャビィティ面側を向く様にして挿入し、次いで、
    該型を閉じて、流動状態にある成形用樹脂を閉じた型内
    のキャビィティ内に注入、充填し、更に該繊維質シート
    内の繊維質間の空間にも侵入充填させた後、固化させ、
    しかる後に、該型内から、表面に装飾シートが積層接着
    された表面装飾樹脂成形品を取り出す、ことを特徴とす
    る成形同時装飾方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の成形同時装飾方法におい
    て、表面装飾樹脂形成品を取り出した後、加熱、或い
    は、電離放射線照射によって、該装飾シート表面の樹脂
    シートを架橋、硬化させることを特徴とする成形同時装
    飾方法。
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