JPH10249999A - 化粧材及びその製造方法 - Google Patents

化粧材及びその製造方法

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JPH10249999A
JPH10249999A JP9054332A JP5433297A JPH10249999A JP H10249999 A JPH10249999 A JP H10249999A JP 9054332 A JP9054332 A JP 9054332A JP 5433297 A JP5433297 A JP 5433297A JP H10249999 A JPH10249999 A JP H10249999A
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JP
Japan
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sheet
decorative
thermosetting resin
resin
reaction
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JP9054332A
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Noboru Araki
荒木  登
Hirohisa Yoshikawa
浩久 吉川
Michiko Nezu
美智子 根津
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱、加圧時の柔軟性、強度が高く成形性が
良好で、鮮明で繊細な印刷をほどこすことができる化粧
材を得る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂中に熱硬化性樹脂成分分子
と付加反応、縮合反応、重付加反応のいずれかにより化
学結合し得る単量体或いはプレポリマーを含有する反応
性成分を含有する基材シートに装飾処理を施してなる装
飾シート1を用意するとともに、熱硬化性樹脂の未硬化
物中に繊維質補強材を含有する組成物2を用意し、次い
で、これら装飾シート1と未硬化組成物2とを重ね合わ
せ、所定形状の型11,12にて加熱、加圧して該組成
物を硬化せしめて所定形状の成形体にすると同時に装飾
シートと成形体とを接着一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SMC( Seet m
olding compound )、BMC( Bulk molding compoun
d )等により成形される化粧材及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、模様付きの繊維
補強熱硬化性化粧材(FRP)を製造する方法として、
チタン紙、不織布、布、含浸紙等を成形同時一体化する
方法(例えば、特開昭48−12876号公報、特開昭
51−20951号公報等参照)が知られているが、こ
の方法では、鮮明な印刷ができない、破れなどが生
じやすい、成形性がなく形状が制限される、物理的
な投錨効果の接着であるため温度や圧力などの成形条件
による接着性のバラツキが大きい、と言った欠点があ
る。
【0003】また、特開平7−60911号公報に開示
されるように、印刷を施した熔融温度がFRP成形温度
以上のプラスチックフィルムに不織布を2液硬化型ウレ
タン樹脂接着剤にて裏打ちし、このシートを成形時に一
体化させるという方法も採られているが、この方法では
裏打ちの工程が複雑である上に地合ムラ等により不織布
の品質が不安定であり、コストが高くつくという問題点
があった。
【0004】また別の方法として、特開昭56−729
30号公報等に開示されるように、SMC樹脂との接着
性の良い、すなわちSMC成形時の温度で熔融又は軟化
するか或いはSMCの成分で膨潤して溶解するプラスチ
ックフィルム乃至は印刷インキを用いた化粧シートを、
成形時に一体化させる方法も知られているが、この方法
ではSMCの熱硬化時の熱や流動時の応力により印刷層
が流されて不良が出るという問題点がある。
【0005】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、加熱、加
圧時の柔軟性、強度が高く成形性が良く、成形体と装飾
シートとの接着も良好で、鮮明で繊細な印刷を施すこと
ができる化粧材及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の化粧材は、繊維質補強材で補強された熱硬
化性樹脂の硬化物からなる成形体の表面に装飾シートが
積層接着されてなり、該装飾シートは熱可塑性樹脂中に
熱硬化性樹脂成分分子と付加反応、縮合反応、重付加反
応のいずれかにより化学結合し得る有機化合物の単量体
或いはプレポリマーからなる反応性成分を含有する基材
シートに装飾処理を施したものから構成され、該反応性
成分と熱硬化性樹脂成分とがその界面において互いに化
学結合してなることを特徴とする。
【0007】上記の化粧材は、熱可塑性樹脂中に熱硬化
性樹脂成分分子と付加反応、縮合反応、重付加反応のい
ずれかにより化学結合し得る単量体或いはプレポリマー
からなる反応性成分を含有する基材シートに装飾処理を
施してなる装飾シートを用意するとともに、熱硬化性樹
脂の未硬化物中に繊維質補強材を含有する組成物を用意
し、次いで、これら装飾シートと未硬化組成物とを重ね
合わせ、所定形状の型にて加熱、加圧して該組成物を硬
化せしめて所定形状の成形体にすると同時に該装飾シー
トと該成形体とを接着一体化することにより、両者の積
層体からなる化粧材となし、しかる後に該積層体を型か
ら取り出すことにより製造される。
【0008】上記のように本発明では、熱可塑性樹脂の
装飾シート中に熱硬化性樹脂成形体の成分と化学結合す
る反応性成分を含有せしめ、成形時の硬化反応の際にシ
ートに含有された反応性成分が熱硬化性樹脂と反応接着
し一体化できるようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】熱可塑性樹脂としては、成形時
(すなわちFRP成形時)の熱(最大150℃程度)に
耐え得るもので、熔融温度(乃至は融点)がSMC成形
温度より高く、尚且つシート成形性の点からはビカット
軟化温度がSMC成形温度以下のものが好ましい。ま
た、SMC中の成分により溶解や膨潤のないものを選
ぶ。そして基材シートには、用途に応じて隠蔽性又は透
明性のあるものが用いられる。具体的には、2軸延伸し
たポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)、ポリアリレート等の熱可
塑性ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリピロピ
レン(PP)、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可
塑性エラストマー等のポリオレフィン、ポリ弗化ビニ
ル、ポリ弗化ビニリデン、エチレン・テトラフルオロエ
チレン共重合体等の弗素樹脂、シリコン樹脂、ビニロ
ン、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル、
ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール共重合体
等が挙げられる。これらのシートは単層でも或いは2層
以上積層したものを用いてもよい。シート厚みは通常2
0〜300μm程度である。これらのシートの中からS
MCの成形温度、成形形状に応じて適当なものを選ぶ
が、例えば成形温度が150℃、成形形状が平面、又は
円筒形等のように曲率を一方向のみに有する曲面の場合
には、特に耐熱性及び強度の点から25〜200μm厚
の2軸延伸PETシートが好適に用いられる。これらの
熱可塑性樹脂シートには、必要に応じてコロナ放電処理
等の易接着処理や、SMCとの間の空気を抜くための微
小孔の穿設等を施してもよい。また、シート自体、或い
は直下のFRPの耐候性を向上せしめるため、シート中
にベンゾトリアゾール、微粒子酸化セリウム等の紫外線
吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定
剤を添加してもよい。
【0010】反応性成分に含有される有機化合物のうち
単量体としては次のものが挙げられる。 スチレン、α−メチルスチン、ジビニルベンゼン、ビ
ニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸等のビ
ニル系単量体。 メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アク
リレートなどの単官能(メタ)アクリレート。また、多
官能モノマーとして、ジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレートなど。但し、(メタ)アクリレー
トとは、アクリレート又はメタアクリレートとのこと。 トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート等のイソシアネート。 その他。
【0011】反応性成分に含有される有機化合物のうち
プレポリマーとしては次のものが挙げられる。 ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ト
リアジン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレー
トプレポリマー。 前記イソシアネートの付加体、多量体。 ジアリルフタレートプレポリマー。 カチオン重合性官能基を有するプレポリマー。例え
ば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポ
キシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテ
ル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂
のプレポリマー。 その他。
【0012】これらの単量体或いはプレホリマーから、
使用する熱硬化性樹脂の未硬化成分分子と付加反応、縮
合反応、重付加反応のいずれかの反応により化学結合し
得るものを選択する。その組合せの例を表1に示す。そ
の他、一般に熱硬化性樹脂の未硬化物の構成成分の1つ
と一致するものは有効である。また、これら反応性成分
は1種類のみでもよいが、2種類以上を含有させること
もできる。
【0013】
【表1】
【0014】反応性有機化合物の熱可塑性樹脂シート中
への含有の形態としては、混合(相溶化)と共重合化の
2通りある。混合の代表的な例は、熱可塑性樹脂として
ポリ塩化ビニルを、反応性有機化合物して(メタ)アク
リレートの単量体或いはプレポリマーを用いた場合であ
り、両者の混合物を製膜したシート中で、該反応性化合
物は未反応時に可塑剤(反応性可塑剤)として機能する
ため、成形性の向上にも寄与する。また、共重合化の代
表的な例としては、熱可塑性樹脂としてアクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体を用い、反応性有機化合物とし
てスチレン単量体を用い、両者を共重合させてアクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体とする場合が
挙げられる。さらに、共重合体自身が熱可塑性樹脂シー
トと相溶性がある場合は、該共重合体を熱可塑性樹脂シ
ート中に混合することもできる。例えば、熱可塑性樹脂
としてポリメタアクリル酸メチルを用い、これにブタジ
エン−スチレン共重合体を混合する場合が挙げられる。
【0015】熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニールエステル樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、熱硬化型アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、2液硬化型ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
【0016】これらの熱硬化性樹脂から化粧材(成形
品)を作るには、先ずこれらの樹脂の単量体或いはプレ
ポリマー(オリゴマーも包含する)に架橋剤、重合開始
剤、或いは反応促進触媒を加えたものに、繊維質補強材
とその他必要に応じ各種添加物を加えた未硬化組成物を
用意する。この未硬化組成物の形態として例えばSMC
又はBMCの形態がある。
【0017】そして、図1(a)に示すように所定形状
の成形型(上型11と下型12)の中に装飾シート1と
未硬化組成物2とを重ね合わせて挿入し、図1(b)に
示す如く型を閉じて加熱、加圧し、未硬化組成物2を架
橋乃至は重合させて硬化させることにより、固体の成形
体3とすると同時に装飾シート1を成形体3の表面に接
着一体化せしめ、図1(c)に示すような化粧材を得
る。その際、装飾シート1中の反応性成分と未硬化組成
物の分子同士に付加反応、重合反応、重付加反応のいず
れかの反応により化学結合を生じせしめ、装飾シート1
と成形体3との間の接着力を増強する。
【0018】未硬化組成物の代表的形態であるSMCに
ついて詳述すると、SMCの材料は、ガラス繊維、炭素
繊維等の繊維質補強剤、触媒、充填剤、離型剤等を混練
した熱硬化性樹脂からなる。用いられる熱硬化性樹脂は
通常不飽和ポリエステルのプレポリマーが代表的であ
る。繊維質補強剤としては、通常ガラス繊維の短繊維が
用いられる。このガラス繊維の含有量は通常10〜70
重量%である。充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、水酸化アルミニウム等の粉末を用いる。離型
剤としてはステアリン酸亜鉛等を用いる。その他、必要
に応じてスチレン単量体、多官能アクリレート(又はメ
タクリレート)単量体等の反応希釈剤、イソシアネー
ト、アミン等の架橋剤、過酸化ベンゾイル、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、tブチルパーペンゾエイト、
有機スルホン酸塩等の重合開始剤(硬化触媒)、ナフテ
ン酸コバルト、ナフテン酸マンガン等の硬化促進触媒、
二酸化チタン、カーボンブラック等の顔料等を添加す
る。
【0019】基材シートに施す装飾処理は、該シート自
体に染料、顔料等の着色剤を混練して施すことも可能で
あるが、一般的にはグラビア印刷、シルクスクリーン印
刷等により行い、印刷絵柄は、木目柄、石目柄、布目
柄、文字、幾何学模様、全面ベタ等である。FRP成形
品を隠蔽する必要のある場合は、絵柄のFRP(SM
C)側に全面ベタ層を一層設け、その全面ベタ層中に二
酸化チタン、カーボンブラック等の隠蔽性の高い顔料を
添加する。印刷インキは各種顔料(又は染料)とバイン
ダー樹脂とからなる。バインダーは、2液硬化型ウレタ
ン、アクリル、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール等
の中から適宜選択して用いる。また装飾処理として、蒸
着、スパッタリング等でアルミニウム、クロム等の金属
薄膜を形成してもよい。この場合、金属薄膜は全面でも
パターン状でもよい。装飾処理として施される印刷絵柄
層や金属薄膜は、基材シートが透明であれば、該シート
の表面に施しても裏面(熱硬化性樹脂側)に施してもよ
い。ただし、熱硬化性樹脂中の成分と該シート中の反応
性成分との化学結合を妨げないように、該装飾処理上に
前記組成の反応性成分を含有する熱可塑性樹脂シートを
さらに積層する。
【0020】必要に応じて装飾シートの表面上にさらに
合成樹脂からなる保護層を形成してもよい。この保護層
は、装飾層を透視可能なように透明(無色或いは着色)
なものを選ぶ。樹脂としては、成形性を重視する場合は
熱可塑性樹脂を用い、また表面の耐擦傷性、耐薬品性等
の物性を重視する場合は熱硬化性樹脂、電離放射線硬化
性樹脂等の硬化性樹脂を用いる。厚さは要求性能に応じ
て適宜決めればよいが、通常1〜100μm程度であ
る。熱可塑性樹脂としては前記の樹脂が用いられる。た
だし、保護層に用いる場合は反応性成分は添加しなくて
もよい。熱硬化性樹脂としては、2液硬化型ポリウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が、
電離放射線硬化性樹脂としては多官能不飽和(メタ)ア
クリレートの単量体、又はプレポリマー等が代表的であ
る。なお、電離放射線としては通常紫外線或いは電子線
が用いられる。
【0021】化粧材(成形品)の用途としては、建築物
の内装材、浴槽、洗面台、厨房器具等の住設器械、車
輛、船舶等の乗物の内装材等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)装飾シートを次のようにして作製した。す
なわち、透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートシ
ート(東洋紡績製「A4100」、25μm厚)に、2
液硬化型ポリウレタンをバインダーとするインキ(ザ・
インクテック製「NL−ALFAインキ」)を用いて絵
柄をグラビア印刷した後、その印刷面に2液硬化ポリウ
レタン樹脂の接着剤(大日精化工業製「E−295」)
を用いてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体シート(三宝樹脂工業製「A403」200μm
厚)をドライラミネートした。
【0023】この装飾シートのABS面がSMC(昭和
高分子製「リゴラックSMC」、不飽和ポリエステル樹
脂プレポリマーに重合開始剤としてt−ブチルパーベン
ゾエイトを1重量%、架橋剤兼反応性希釈剤としてスチ
レン単量体を3重量%、硬化促進触媒としてナフテン酸
コバルトを添加し、これにガラス短繊維を30重量%混
合したもの)と接するように重ね合わせ、これらを成形
型内に設置してから、成形温度150℃、成形圧力90
kgf/cm2 で180秒間加熱、加圧してSMCを硬
化させるとともに両者を接着一体化させた。これによ
り、凹凸形状を表面に型押しした壁面パネル用化粧材が
得られた。装飾シートの破れ等の不良もなく、成形体と
装飾シートの接着性も良好であった。また、装飾シート
の剥離を試みたところシート層で破断し、シートと成形
体の界面では剥離しなかった。
【0024】(比較例1)ジアリルフタレート樹脂を含
浸させたチタン紙(興人製「PM11P」、坪量60g
/m2 )に、硝化綿をバインダーとするインキを用いて
絵柄をグラビア印刷した化粧紙を用意した。この化粧紙
を使用して上記実施例1と同じ工程で成形したところ、
凹凸部分で化粧紙が破れ、外観を損なった化粧材となっ
た。
【0025】(実施例2)装飾シートを次のようにして
作製した。すなわち、アクリル原反(着色したポリメチ
ルメタクリレート系のアクリルフィルム、ブタジエンス
チレン共重合体ゴム20重量部添加、50μm厚)に、
アクリルと塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の混合物をバ
インダーとするインキ(昭和インク工業製「化X」)を
用いて絵柄をグラビア印刷した後、透明アクリル(ポリ
メチルメタアクリレート系の透明アクリルフィルム、5
0μm厚)と絵柄(装飾)層を間に介して熱融着ラミネ
ート(ダブリングエンボス)を行った。
【0026】この装飾シートの着色原反側がSMC(武
田薬品工業製「セレクティーマット」、不飽和ポリエス
テル樹脂プレポリマー系に反応性希釈剤としてスチレン
共重合体を含有させたもの)と接するように重ね合わ
せ、これらを成形型内に設置してから、成形温度145
℃、成形圧力86kgf/cm2 で240秒間加熱、加
圧してSMCを硬化させるとともに両者を接着一体化さ
せた。これにより、凹凸形状を表面に賦型した浴室床面
用化粧パネルが得られた。装飾シートの破れ等の不良も
なく、成形体と装飾シートの接着性も良好であった。ま
た、装飾シートの剥離を試みたところシート層で破断
し、シートと成形体の界面では剥離しなかった。
【0027】(比較例2)装飾シートを次のようにして
作製した。すなわち、着色ポリ塩化ビニル樹脂シート
(可塑剤はジオクチルフタレート20重量部、80μm
厚)に、アクリルと塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の混
合物をバインダーとするインキ(昭和インク工業製「化
X」)を用いて絵柄をグラビア印刷した後、透明ポリ塩
化ビニル樹脂シート(可塑剤はジオクチルフタレート2
0重量部、80μm厚)と絵柄層を間に介して熱融着ラ
ミネート(ダブリングエンボス)を行った。
【0028】この装飾シートを使用して実施例2と同じ
工程で成形した。装飾シートは成形体全域で破れなかっ
たが、装飾シートを剥離したところ、シートと成形体の
界面で剥離した。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基材シートに熱可塑性樹脂を使用しているがために、加
熱加圧時の柔軟性、強度が高く、金型の凹凸形状に追従
することができる。また基材シートに反応性成分を含有
させたことにより、熱硬化性樹脂の構成成分の分子と反
応性成分の分子とが化学結合するので、強固に接着する
ことができる。さらに、基材シートに対して紙、不織布
等に比べ、鮮明で繊細な印刷を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化粧材を製造する手順を説明するための工程図
である。
【符号の説明】
1 装飾シート 2 未硬化組成物 3 成形体 11 上型 12 下型

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質補強材で補強された熱硬化性樹脂
    の硬化物からなる成形体の表面に装飾シートが積層接着
    されてなり、該装飾シートは熱可塑性樹脂中に熱硬化性
    樹脂成分分子と付加反応、縮合反応、重付加反応のいず
    れかにより化学結合し得る有機化合物の単量体或いはプ
    レポリマーからなる反応性成分を含有する基材シートに
    装飾処理を施したものから構成され、該反応性成分と熱
    硬化性樹脂成分とがその界面において互いに化学結合し
    てなることを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂中に熱硬化性樹脂成分分子
    と付加反応、縮合反応、重付加反応のいずれかにより化
    学結合し得る単量体或いはプレポリマーからなる反応性
    成分を含有する基材シートに装飾処理を施してなる装飾
    シートを用意するとともに、熱硬化性樹脂の未硬化物中
    に繊維質補強材を含有する組成物を用意し、次いで、こ
    れら装飾シートと未硬化組成物とを重ね合わせ、所定形
    状の型にて加熱、加圧して該組成物を硬化せしめて所定
    形状の成形体にすると同時に該装飾シートと該成形体と
    を接着一体化することにより、両者の積層体からなる化
    粧材となし、しかる後に該積層体を型から取り出すこと
    を特徴とする化粧材の製法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7371453B2 (en) 2003-01-08 2008-05-13 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Decorative sheet, molded article, and motor vehicle provided with the same
US7659007B2 (en) 2003-11-26 2010-02-09 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Decorative sheet, molded article, motor vehicle, and production method of molded article
JP2013202924A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Dainippon Printing Co Ltd 加飾複合材料の製造方法
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