JP2544169B2 - 強化された樹脂積層材およびその製造方法 - Google Patents

強化された樹脂積層材およびその製造方法

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JP2544169B2
JP2544169B2 JP63004783A JP478388A JP2544169B2 JP 2544169 B2 JP2544169 B2 JP 2544169B2 JP 63004783 A JP63004783 A JP 63004783A JP 478388 A JP478388 A JP 478388A JP 2544169 B2 JP2544169 B2 JP 2544169B2
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訓義 山田
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利明 羽入田
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、家具・家庭用品等の表面材、あるいは車輌
の内装材表面に用いられる熱可塑性樹脂シート、特に裏
面に発泡体層を設けた軟質シート状熱可塑性樹脂複合材
を、その表面外観を損なうことなく、繊維強化樹脂材
(以下FRPという)で容易に補強する新規な方法に関す
るものである。
(従来の技術) 上記の如きFRPで裏打ち補強した熱可塑性樹脂積層表
面材自体、未だ実用化された例は少ないが、この材料の
製造に適用しうる従来技術として考えられるのは、例え
ば、熱可塑樹脂シートの裏面にハンドレイアップ法やス
プレーアップ法でFRP層を積層するか、またはあらかじ
め成形されたFRP材に熱可塑性樹脂シートを接着剤で貼
り合わせるか、あるいは、シートモールディングコンパ
ウンド(SMC)に熱可塑性樹脂シートを重ね合わせて、
加熱圧縮成形する、などの方法である。
しかしながら、これら諸技術にはいくつかの不都合な
点がある。例えば、ハンドレイアップ法やスプレーアッ
プ法は、液状樹脂を扱うため、臭気による作業環境や、
手作業ならびに長い硬化時間に基づく生産性の低さが問
題である。FRP成形品を接着する方法は、この成形品材
料のコスト高のため経済性に問題がある。
これに対して、SMCによる圧縮成形法は、SMCが扱い易
く、かつ廉価であることから作業性と経済性に優れた技
術であるといえる。しかし、この方法では、SMCに使用
される不飽和ポリエステル樹脂が、その性質上高粘度で
あり、充分に温度を高くして賦形を容易にしなければな
らないこと、また加熱圧縮成形の圧力を上げないと細部
の充填に問題があることなどの欠点があった。従って、
加熱圧縮成形の際に、熱可塑性樹脂を融解するか、ある
いは熱可塑性樹脂の部分軟化に伴い、表面装飾用の色彩
やエンボス模様を変えるおそれがあるという重大な欠点
を有している。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記の従来技術のうちで、作業性、生産性
および経済性の点でSMC/加熱圧縮法に着目しつつも、得
られる積層製品の品位保持のためには、加熱圧縮工程を
避けるべきであり、しかも酸、アルカリに対する耐食性
が汎用FRPより優れた裏打ち層で補強すべきであるとの
観点に立っている。
すなわち、加熱圧縮成形法に代わり、熱可塑性樹脂の
融解が起こりえない低温で、しかも樹脂表面の形状や模
様が変わらない低圧の条件での成形法ならびに積層製品
を提供するのが本発明の目的であって、この低温低圧成
形に好適な材料としてプレポリマーの粘度が低く、光硬
化性に優れ、しかも耐食性と剛性がより期待できるシー
ト状FRPプリプレグを新たに見出して本発明が完成し
た。
(課題を解決するための手段) 一般に軟質のシート状熱可塑性樹脂製の表面材は、表
面に色彩の他エンボスによる装飾模様を付けたもの、特
に近年、裏側に発泡体層を設けたポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンあるいはポリプロピレン製のものが広く使われ
ている。この種のシート材の成形には、樹脂の融解温度
以下で、しかも軟化が始まる温度以上に加熱した後に、
真空または真空/圧空成形により成形する方法が好適の
方法とされている。この真空または真空/圧空成形の条
件下で、FRP層の硬化反応を行なわせるため、光硬化性
のビニルエステル樹脂のプリプレグを使用して、低温で
の光硬化を利用することが、本発明の骨子である。
すなわち、本発明の強化された樹脂積層材の製造方法
の特徴は、熱可塑性樹脂シートまたは裏面に発泡体層を
設けたシート状熱可塑性樹脂材料の裏面に、ガラス繊維
に光硬化性のビニルエステル樹脂を含浸したシート状の
プリプレグを密着合体させた後、これを加熱し、熱可塑
性樹脂シートの表面を型面に接し、真空または真空/圧
空成形により賦形し、次いでプリプレグ面に、紫外線を
照射して、プリプレグを硬化させ、しかる後に、積層材
を離形し冷却するというものである。
ここち、ビニルエステル樹脂とは、エポキシ樹脂とア
クリル酸またはメタクリル酸との反応によって製造され
るものがもっとも代表的であり、他には、例えば末端カ
ルボキシポリブタジエンとグリシジルメタクリレートと
の反応によって製造されるポリブタジエンタイプビニル
エステル樹脂などを含むものであり、耐食性、および機
械的強度に優れた樹脂の1群であり、光硬化性樹脂と
は、これらの樹脂に、ベンゾフェノン、アセトフェノ
ン、またはこれらの誘導体を代表例とする光開始剤を配
合したものであり、約500nmまでの波長の可視光および
紫外線領域の光を照射すると、重合反応が進行して常温
でも硬化する。樹脂中には使用の際、さらに、粘度、粘
着性、含浸成形収縮などを調節する添加剤や充填材を、
光反応を阻害しない範囲で配合することは差し使えな
い。この樹脂のプリプレグは、各種ガラス繊維基材に常
法によって樹脂を含浸して、ポリエチレン、ポリエステ
ル、PVA等のフィルムで固定したシート材であって、通
常はプリプレグが薄い2枚のフィルムに挟まれて、長尺
のまま紙管に巻き取られているか、あるいはプリプレグ
の片面に両面剥離性のフィルムが積層され、このフィル
ムを外側にして紙管に巻き取られている。
積層成形にあたって、あらかじめ軟化温度まで加熱さ
れた熱可塑性樹脂の裏面、または積層シートの発泡体層
面に、場合により、適当なプライマーを塗布した後に、
片面の固定用フィルムを剥ぎとって露出したプリプレグ
面を押圧密着し、あるいは、常温で熱可塑性樹脂シート
とプリプレグシートを同様に押圧密着した積層材を熱可
塑性樹脂シートの軟化温度まで加熱し、このものを真空
成形用型に熱可塑性樹脂の表面を型面に対向させて固定
して、減圧・吸引することにより、あるいは補助的に積
層材背面のプリプレグ面から圧空・加圧することによ
り、積層材を型面の形状に賦形する。賦形後、プリプレ
グ面に紫外線を照射してプリプレグを硬化する。この場
合、紫外線照射は、積層材が真空成形型に付いたまま
で、行なってもよいし、積層材を型からはずして、熱可
塑性樹脂の冷却固化の後に行なってもよい。プリプレグ
裏面に残したフィルムは、紫外線透過を妨げず、かつ軟
質の薄い透明フィルムであれば、この操作が終了するま
でつけておいて差し支えない。
紫外線照射用のランプは、特に制限はないが、市販の
高圧水銀灯が好適である。
(作用) 本発明に用いる光硬化性ビニルエステル樹脂プリプレ
グは、常温で適度の粘着性をもち、加熱すると粘着性は
増す一方で、粘度が低下し、加圧による流動がし易くな
る。このため熱可塑性樹脂シートとの密着が容易であ
り、さらに特筆すべきは、真空成形時に熱可塑性樹脂シ
ートの特に発泡体層との接着が極めて良好となる点であ
る。これは発泡体面の気泡孔へのプリプレグの樹脂成分
の流動浸透が容易に生ずることによる、いわゆる“クサ
ビ効果”に基づくものと思われる。この状態でプリプレ
グが光硬化してFRP層となるため、補強効果が飛躍的に
向上するのである。
さらに、プリプレグはフィルムに挟まれた形で提供さ
れるので、成形前の裁断や積み重ね等の取り扱いを容易
にし、しかも、紫外線照射もあまり阻害しないので、成
形完了後に適時剥ぎ取ればよいので、好都合である。
プリプレグは、樹脂や添加剤、あるいはガラス繊維基
材の種類、またはこれらの含量、また全体の厚さを変え
た多種類のものが製造できるので、熱可塑性樹脂シート
あるいは製品の強化複合材の厚さ、剛性、感触性等に適
したプリプレグ材を選ぶことができる。
熱可塑性樹脂とプリプレグの接着力を高めるため、プ
ライマーを塗布することは極めて有効であって、本発明
では光硬化性プライマーワニスを用いて、プライマーと
プリプレグとを紫外線照射で同時に硬化することができ
る。
以下、実施例により本発明を詳述する。
(実施例1) 表面がエンボス模様で、裏側に発泡体層を設けた約3m
mの厚さのポリプロピレン製の市販表面材と、ガラスマ
ットに光硬化性ビニルエステル樹脂を含浸し、ポリエス
テル離型フィルムに挟まれた約0.7mmの厚さのプリプレ
グシート(リポキシVS1020M、昭和高分子製)を用い
た。
プリプレグシートの片面の離型フィルムを剥ぎ取り、
この面をポリプロピレンシートの発泡体層面に重ねて、
手で圧着し、所定の面積に切り取った。この積層品を13
0℃の空気浴の中に5分間放置して加熱した後、図1に
示すFRP製型の上に、ポリプピレンシート表面を型に対
向するように置き、型中央底部の孔21から30〜50mmHgの
減圧で吸引した。積層品の賦形が不充分のため、型の上
に、中央部に孔31の設けた鉄製の蓋をかぶせ、5kg/cm2
で圧空した。完全に賦形した後、蓋を取り去り、離型フ
ィルムをつけたままのプリプレグ面に、サンランプSSL2
50A(スタンレー電気製)を1時間照射して積層品を型
からはずした。このものの硬化および層間の接着は充分
であり、また表面模様が変わることはなかった。
(実施例2) 実施例1のポリプロピレンシートの発泡体層面に、光
硬化性ワニス(リポキシVS−200、昭和高分子製)をハ
ケ塗りしたのち、プリプレグシートを貼りつけた以外
は、実施例1と同様の積層材の成形実験をした。界面の
浸潤性と浸透性が改良されたため、減圧賦形時に層間の
はがれも起こらず、賦形が速やかに行なわれた。このた
め圧空は特に必要としなかった。
(実施例3) 外観が実施例1、2のポリプロピレン製表面材シート
に似ている厚さ約2mmの市販の軟質ポリ塩化ビニルシー
トの強化複合材成形実験をした。発泡体層面に塩ビ用光
硬化性ワニス(リポキシVS−200V、昭和高分子製)を塗
布した後、プリプレグシートを貼り合わせ、実施例1と
同様に処理した。加熱温度は100℃とした。得られた複
合材は接着、外観共に満足のいくものであった。
(発明の効果) 本発明は、家具、家庭用品等の表面材、あるいは自動
車の内装表面に用いられる熱可塑性樹脂シートまたは、
裏面に発泡体層を設けたクッション性軟質シート状複合
材を、FRPで裏打ち補強した新規な強化樹脂積層材、お
よびこの目的のため特別にデザインされた光硬化性プリ
プレグを用いることによって、これら熱可塑性樹脂シー
トの成形法として従来から広く使用されている真空成形
または真空/圧空成形法により、容易に効率よく、しか
も表面材の装飾性を損なうことなく成形できる新規な方
法を提供するものである。紫外線照射装置を設ける以
外、従来のFRP成形に伴う設備や、複雑な諸工程は不要
であって実用上の価値が高い。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の強化樹脂積層材の積層構成および真空成
形型および蓋の形状を示す断面図である。 1.強化樹脂積層材 11光硬化性樹脂プリプレグ 12熱可塑性樹脂発泡体層 13熱可塑性樹脂シート表面層 2.真空成形用型 21減圧吸引孔 3.圧空用蓋 31圧空孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−188649(JP,A) 特開 昭59−232844(JP,A) 特開 昭51−579(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂シートあるいは裏面に発泡体
    層を設けた熱可塑性樹脂シートの裏側に、光硬化性ガラ
    ス繊維強化ビニルエステル樹脂シートを積層してなる強
    化された樹脂積層材。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂シートあるいは裏面に発泡体
    層を設けた熱可塑性樹脂シートの裏側にガラスに光硬化
    性ビニルエステル樹脂を含浸したシート状のプリプレグ
    を密着した後、これを加熱し、熱可塑性シートの表面を
    型面に接して真空成形または真空/圧空成形により賦形
    し、次いでプリプレグ面に紫外線を照射してプリプレグ
    を硬化させ、しかる後に離型し、冷却することを特徴と
    する強化された樹脂積層材の製造方法。
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