JP2018058218A - 加飾シート - Google Patents
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Abstract
Description
項1. 少なくとも、基材層と、凹凸形状を有する表面層と、剥離可能な熱可塑性樹脂フィルム層を備える積層体により構成されており、
前記表面層は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物であり、
前記熱可塑性樹脂フィルム層の剥離強度が、0.05N/25mm以上0.50N/25mm以下である、加飾シート。
項2. 前記表面層の前記熱可塑性樹脂フィルム層側表面の中心線平均粗さRaが、4μm以上21μm以下である、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記熱可塑性樹脂フィルム層が、ポリオレフィン樹脂またはポリエステル樹脂により構成されている、項1または2に記載の加飾シート。
項4. インサート成形法または射出成形同時加飾法に用いられる、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記表面層の直下にプライマー層が積層されている、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 前記基材層と前記表面層との間に、絵柄層が積層されている、項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
項7. 少なくとも、成形樹脂層と、基材層と、凹凸形状を有する表面層と、剥離可能な熱可塑性樹脂フィルム層とがこの順に積層されてなり、
前記表面層は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物であり、
前記熱可塑性樹脂フィルム層の剥離強度が、0.10N/25mm以上0.80N/25mm以下である、熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品。
項8. 項1〜6のいずれかに記載の加飾シートの基材層側に、樹脂を射出することにより成形樹脂層を積層する工程を備える、熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品の製造方法。
項9. 項7に記載の熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品から、前記熱可塑性樹脂フィルム層を剥離する工程を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
本発明の加飾シートは、少なくとも、基材層と、凹凸形状を有する表面層と、剥離可能な熱可塑性樹脂フィルム層を備える積層体により構成されており、表面層が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物であり、熱可塑性樹脂フィルム層の剥離強度が、0.05〜0.50N/25mmであることを特徴とする。本発明の加飾シートは、このような特定の構成を備えていることにより、加飾シートの状態では熱可塑性樹脂フィルム層が十分に密着しており、さらに、射出成形後の加飾樹脂成形品からは当該熱可塑性樹脂フィルム層を好適に剥離することが可能となっている。
本発明の加飾シートは、少なくとも、基材層1と、凹凸形状を有する表面層2と、剥離可能な熱可塑性樹脂フィルム層3とがこの順に積層された積層構造を有する。
[基材層1]
基材層1は、本発明の加飾シートにおいて支持体としての役割を果たす樹脂シート(樹脂フィルム)である。基材層1に使用される樹脂成分については、特に制限されず、三次元成形性や成形樹脂との相性等に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。当該熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂(以下「ASA樹脂」と表記することもある)、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)等が挙げられる。これらの中でも、ABS樹脂及びアクリル樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。また、基材層1は、これら樹脂の単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種樹脂による複層シートで形成されていてもよい。
表面層2は、基材層1とは反対側の表面に凹凸形状を有している。また、表面層2は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成されている。このように、凹凸形状を有する表面層2を、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により構成することにより、射出成形時の凹凸形状の変形、消失などを抑制することができる。
表面層2が備える凹凸形状については、特に制限されず、付与すべき意匠感や手触り等に応じて適宜設定すればよい。当該凹凸形状としては、例えば、ヘアライン模様、木目模様、幾何学模様(ドット、ストライプ、カーボン等)等が挙げられる。
表面層2は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成されている。本発明において、加飾シートの状態における熱可塑性樹脂フィルム層の十分な密着性と、射出成形後の加飾樹脂成形品からの好適な剥離性を両立させる観点から、表面層2を形成する樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂に加えて、さらに熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
表面層2の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。なお、ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面層の形成において好適に使用される。
また、表面層2の形成に使用される樹脂組成物には、表面層2に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、ワックス等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。なお、ワックスを配合することにより、耐傷性、耐摩耗性を向上させることができる。ワックスとしては、好ましくはポリエチレンワックス(PEワックス)などのオレフィンワックスが挙げられる。ワックスを配合する場合、硬化性樹脂組成物中の配合量としては、好ましくは0.1〜5質量%程度、より好ましくは0.5〜3質量%程度が挙げられる。
表面層2の硬化後の厚みについては、特に制限されないが、例えば、0.01〜200μm、好ましくは0.01〜100μm、更に好ましくは0.01〜80μmが挙げられる。このような範囲の厚みを充足することによって、加飾シートの状態における熱可塑性樹脂フィルム層の十分な密着性と、射出成形後の加飾樹脂成形品からの好適な剥離性を両立させることができる。なお、例えば図1、図2、及び図4に示されるように、例えば凹凸形状がエンボス加工によって形成されたものである場合、凹凸形状を効果的に表出させて、特に優れた意匠感及び手触り感を備えさせる観点からは、表面層2の硬化後の厚みとしては、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.01〜15μm、更に好ましくは0.01〜12μmが挙げられる。なお、表面層2の厚みとは、表面層2の凸部の厚みを意味する。
表面層2は、硬化性樹脂組成物の硬化物が、凹凸形状を備えるように所定の層の上に形成すればよく、その具体的方法については特に制限されるものではない。表面層2に凹凸形状を付与する方法としては、例えば、エンボス加工を施す方法、表面層2を形成する樹脂組成物を、凸部を形成させる部分のみに塗布して硬化させる方法等が挙げられる。例えば、微細な凹凸形状を付与する観点からは、エンボス加工を施す方法が好ましい(例えば、後述の第1法または第2法)。また、凹部と凸部の素材感や艶を変化させ、よりコントラストのはっきりした凹凸意匠を得る観点からは、表面層2を形成する樹脂組成物を、凸部を形成させる部分(盛上層)のみに塗布して硬化させる方法が好ましい(例えば、後述の第3法)。
本発明において、熱可塑性樹脂フィルム層3は、加飾シートの真空成形や射出成形時に表面層2の凹凸形状の変形や消失を抑制するために設けられる層である。熱可塑性樹脂フィルム層3は、表面層2の基材層1側とは反対側の表面に設けられる。熱可塑性樹脂フィルム層3は、加飾シート(表面層2)から剥離可能な状態で積層されており、成形樹脂と一体成形された後に、加飾樹脂成形品から剥離される層である。
離型層は、熱可塑性樹脂フィルム層3と表面層2との剥離性を高めることなどを目的として、必要に応じて設けられる層である。離型層は、表面層2と接するようにしても設けられる。本発明において、離型層が積層されている場合、離型層は、表面層2の凹凸形状の凹部を埋めている。
離型層の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂の種類、好ましいもの等については、前記表面層2の形成に使用されるものと同様である。離型層における電離放射線硬化性樹脂としては、3官能ペンタエリスリトールアクリレートが好ましい。また、離型層の形成に使用する電離放射線硬化性樹脂と、前記表面層2の形成に使用する電離放射線硬化性樹脂とは同一の種類であってもよく、異なる種類であってもよい。
離型層の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物には、電離放射線硬化性樹脂以外に、成形性の向上等のために、必要に応じて、他の樹脂成分が含まれていてもよい。このような電離放射線硬化性樹脂以外の樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂;ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール(ブチラール樹脂);ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;塩化ビニル樹脂;ウレタン樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂;エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂;ポリイミド;ポリ乳酸;ポリビニルアセタール樹脂;液晶性ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
プライマー層4は、表面層2の延伸部に微細な割れや白化を生じ難くすること等を目的として、基材層1と表面層2との間、絵柄層5を設ける場合には絵柄層5と表面層2との間及び/又は基材層1と絵柄層5の間等に、必要に応じて設けられる層である。
絵柄層5は、加飾シートに装飾性を付与する目的で、基材層1と表面層2の間、プライマー層4を設ける場合は、基材層1とプライマー層4の間、又は隠蔽層を設ける場合は隠蔽層と表面層2の間等に、必要に応じて設けられる層である。
隠蔽層は、基材層1の色の変化やバラツキを抑制する目的で、基材層1と表面層2の間、プライマー層4を設ける場合であれば基材層1とプライマー層2の間、又は絵柄層5を設ける場合であれば基材層1と絵柄層5の間に、必要に応じて設けられる層である。
透明樹脂層は、耐薬品性や耐傷付き性を向上させる目的で、基材層1と表面層2の間、プライマー層4を設ける場合は基材層1とプライマー層4の間、絵柄層5を設ける場合は絵柄層5と表面層2の間、又は基材層1上にプライマー層4と絵柄層5をこの順に設ける場合はプライマー層4と絵柄層5の間等に、必要に応じて設けられる層である。透明樹脂層は、インサート成形法によって成形樹脂と一体化される加飾シートにおいて、好適に設けられる層である。
裏面接着層(図示しない)は、加飾樹脂成形品の成形の際に成形樹脂との密着性を高めることを目的として、基材層1の裏面(表面層2とは反対側の面)に、必要に応じて設けられる層である。
エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の加飾シートは、例えば、下記の第1工程及び第2工程を経て製造することができる。
基材層上に、凹凸形状を有し、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成された表面層が積層された積層体を形成する第1工程と、
前記第1工程で得られた積層体の表面層上に、剥離可能な熱可塑性樹脂フィルム層を形成する第2工程。
本発明の熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートと成形樹脂とを一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層6、基材層1、凹凸形状を有する表面層2、及び熱可塑性樹脂フィルム層3が順に積層されてなり、表面層2は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物により形成されている。
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得る工程、及び
前記工程で得られた成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する工程。
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂成形材料を射出、充填して固化させることにより、形成された樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる射出成形工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す工程。
前記熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品から熱可塑性樹脂フィルム層3を剥離除去することにより、表面に凹凸形状が付与された加飾樹脂成形品が得られる。図6に、図5の熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品から熱可塑性樹脂フィルム層3が除去された加飾樹脂成形品の一態様について、その断面構造を示す。
実施例1〜10(射出成形同時加飾法に用いられる仕様)
加飾法として、射出成形同時加飾法に用いられる仕様の加飾シートを以下の手順により製造した。基材層として表1に記載の樹脂フィルム(ABS樹脂フィルムまたはアクリル樹脂フィルム)を用いた。次に、基材層上に、アクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて、木目柄の絵柄層(厚さ5μm)をグラビア印刷により形成した。次に、絵柄層上に、主剤(アクリルポリオール/ウレタン、質量比9/1)100質量部と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)7質量部を含む2液硬化型樹脂からなるバインダー樹脂を含むプライマー層用樹脂組成物を塗布し、乾燥させて厚みが2μmのプライマー層を形成し、基材層/絵柄層/プライマー層が順に積層された積層体を得た。
加飾法として、インサート成形法に用いられる仕様の加飾シートを以下の手順により製造した。基材層として表2または表3に記載の樹脂フィルム(ABS樹脂フィルム)を用いた。次に、基材層上に、アクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて、木目柄の絵柄層(厚さ5μm)をグラビア印刷により形成した。次に、絵柄層上に、主剤(アクリルポリオール/ウレタン、質量比9/1)100質量部と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)7質量部を含む2液硬化型樹脂からなるバインダー樹脂を含むプライマー層用樹脂組成物を塗布し、乾燥させて厚みが2μmのプライマー層を形成し、基材層/絵柄層/プライマー層が順に積層された積層体を得た。
加飾法として、インサート成形法に用いられる仕様の加飾シートを以下の手順により製造した。アクリル樹脂フィルム(厚さ125μm)の裏面上に、アクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて、木目柄の絵柄層(厚さ5μm)をグラビア印刷により形成した。次に、絵柄層上に、ABS樹脂フィルム(厚さ300μm)をポリエステル系の接着剤層(厚さ30μm)を介したドライラミネートにより積層した。次に、アクリル樹脂フィルムの上に、押出成形によりポリエチレン層を形成することで、比較例6の加飾シートを得た。なお、表3に示されるように、比較例6においては、エンボス加工を施さなかった。
エンボス版B:ストライプ柄、エンボス版深60μm
エンボス版C:幾何学柄、エンボス版深60μm
エンボス版D:幾何学柄、エンボス版深40μm
エンボス版E:ストライプ柄、エンボス版深40μm
エンボス版F:ヘアライン柄、エンボス版深100μm
エンボス版G:ストライプ柄、エンボス版深40μm
エンボス版H:浮造り柄、エンボス版深80μm
(射出成形同時加飾法に用いられる仕様)
実施例1〜10で得られた各加飾シートを金型に入れて、赤外線ヒーターで350℃、7秒間加熱し、真空成形で金型内の形状に沿うように予備成形して型締した(最大延伸倍率100%)。その後、射出樹脂を金型のキャビティ内に射出し、該加飾シートと射出樹脂とを一体化成形し、金型から取り出すと同時に加飾樹脂成形品を得た。
実施例11〜14及び比較例1〜6で得られた各加飾シートを赤外線ヒーターで加熱し、シート温度が160℃になるまで軟化させた。次いで、真空成形用型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率100%)、金型の内部形状に成形した。成形後の加飾シートを冷却後、金型から離型した。その後、射出樹脂を金型のキャビティ内に射出し、該加飾シートと射出樹脂とを一体化成形し、金型から取り出すと同時に加飾樹脂成形品を得た。
上記で得られた各加飾シートを裁断して、幅25mm、長さ150mmの試験片を得た。この試験片の一端から、熱可塑性樹脂フィルム層を25mm程度、手で剥がし、熱可塑性樹脂フィルム層を加飾シートの表面に対して90°に折り返した。次に、テンシロン万能試験機(「RTC−1250A(型番)」,株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、片方のチャックに加飾シートを固定し、もう片方のチャックに折り返した熱可塑性樹脂フィルム層を固定した。この状態から、25℃下、引張速度100mm/分の条件で、引張試験機の運転を開始し、引張試験開始の6秒後から36秒後までの剥離強度測定値の平均値を、それぞれの加飾シートからの剥離強度(N/25mm)とした。結果を表1〜3に示す。
上記で得られた各加飾樹脂成形品について、カッターナイフを用いて表面の熱可塑性樹脂フィルム層に切り込みを入れ、幅25mm、長さ150mmの試験領域を形成した。この試験領域の一端から、熱可塑性樹脂フィルム層を25mm程度、手で剥がし、熱可塑性樹脂フィルム層を加飾樹脂成形品の表面に対して90°に折り返した。次に、テンシロン万能試験機(「RTC−1250A(型番)」,株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、片方のチャックに加飾樹脂成形品を固定し、もう片方のチャックに折り返した熱可塑性樹脂フィルム層を固定した。この状態から、25℃下、引張速度100mm/分の条件で、引張試験機の運転を開始し、引張試験開始の6秒後から36秒後までの剥離強度測定値の平均値を、それぞれの加飾樹脂成形品からの剥離強度(N/25mm)とした。結果を表1〜3に示す。
上記で得られた各加飾樹脂成形品から熱可塑性樹脂フィルム層を手で剥離した際の、熱可塑性樹脂フィルム層の剥離性を以下の基準により評価した。結果を表1〜3に示す。
○:剥離する時にスムーズに剥がれる。
△:剥離する時、熱可塑性樹脂フィルム層の引っ掛かりを感じる。
×:剥離する時に重く感じる、熱可塑性樹脂フィルム層を剥離した跡が加飾樹脂成形品の表面に残る。
××:熱可塑性樹脂フィルム層を剥離できない。
JIS B 0601:2001の規定に準拠し、上記で得られた各加飾シートから熱可塑性樹脂フィルム層を剥離し、表面層側表面の各種表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rz)、及び十点平均高さ(Rzjis))を測定した。測定装置としては、株式会社東京精密製の表面粗さ測定器(商品名「ハンディーサーフE−35A」を使用した。測定結果を表1〜3に示す。
後述の成形性評価で得られた各加飾樹脂成形品から熱可塑性樹脂フィルム層を剥離し、表面層側表面について、上記<加飾シートの表面粗さの測定>と同様にして、各種表面粗さを測定した。測定結果を表1〜3に示す。
2 表面層
3 熱可塑性樹脂フィルム層
4 プライマー層
5 絵柄層
6 成形樹脂層
Claims (9)
- 少なくとも、基材層と、凹凸形状を有する表面層と、剥離可能な熱可塑性樹脂フィルム層を備える積層体により構成されており、
前記表面層は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物であり、
前記熱可塑性樹脂フィルム層の剥離強度が、0.05N/25mm以上0.50N/25mm以下である、加飾シート。 - 前記表面層の前記熱可塑性樹脂フィルム層側表面の中心線平均粗さRaが、4μm以上21μm以下である、請求項1に記載の加飾シート。
- 前記熱可塑性樹脂フィルム層が、ポリオレフィン樹脂またはポリエステル樹脂により構成されている、請求項1または2に記載の加飾シート。
- インサート成形法または射出成形同時加飾法に用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記表面層の直下にプライマー層が積層されている、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記基材層と前記表面層との間に、絵柄層が積層されている、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
- 少なくとも、成形樹脂層と、基材層と、凹凸形状を有する表面層と、剥離可能な熱可塑性樹脂フィルム層とがこの順に積層されてなり、
前記表面層は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物であり、
前記熱可塑性樹脂フィルム層の剥離強度が、0.10N/25mm以上0.80N/25mm以下である、熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の加飾シートの基材層側に、樹脂を射出することにより成形樹脂層を積層する工程を備える、熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品の製造方法。
- 請求項7に記載の熱可塑性樹脂フィルム層付き加飾樹脂成形品から、前記熱可塑性樹脂フィルム層を剥離する工程を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
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