JP2020179611A - 加飾成形用加飾シート、加飾成形用加飾シートの製造方法、及び加飾成形体の製造方法 - Google Patents

加飾成形用加飾シート、加飾成形用加飾シートの製造方法、及び加飾成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加飾シート本体が薄かったり、形成されるエンボス凹凸が浅く大柄であったりする場合であっても、加飾成形のための射出成形の際に立体感が失われにくい、加飾成形体製造用の加飾シート、及び前記シートの製造方法の提供。【解決手段】加飾成形体の製造に用いられる加飾シート10であって、表面にエンボス凹凸面を有する樹脂層2を備えた加飾シート本体4と、エンボス凹凸面の凹部を充填し、且つ、20℃における引張弾性率が2〜10MPaである弾性体を含む弾性保護層5と、を備える加飾成形用加飾シート。【選択図】図1

Description

本発明は、表面にエンボス凹凸面を有する加飾成形体の製造に関する。詳しくは、射出成形により成形された樹脂成形体の表面にエンボス凹凸面を有する加飾シートを一体化した加飾成形体を製造する場合において、加飾シートに形成されたエンボス凹凸面を射出成形時に崩れにくくする加飾成形体の製造方法に関する。
車両、航空機等の内装部品、携帯電話,モバイル機器,家電製品の筐体,建材,家具,雑貨等の外装部材として、加飾シートを表面に配した加飾成形体が知られている。
例えば、下記特許文献1は、フィルムインサート成型において成形品の表面に凹凸模様を付与するための樹脂製の加飾フィルムであって、凹凸模様が設けられた賦形層フィルムと、凹凸模様に密着した保護層フィルムからなり、賦形層フィルムと保護層フィルムが弱接着されているフィルムインサート成型用加飾フィルムを開示する。そして、特許文献1は、樹脂Aにより凹凸模様を有する賦形層フィルムを形成する工程と、凹凸模様を埋める樹脂Bからなる保護層フィルムを積層する工程により、フィルムインサート成型用加飾フィルムを製造することが開示されている。また、特許文献1は、樹脂Aからなる賦形層フィルムの凹凸模様の上に樹脂Bを溶融、押し出すことにより保護層フィルムを積層したり、樹脂Aからなる賦形層フィルムの凹凸模様の上に、該樹脂Aよりも融点が低い樹脂Bからなるフィルムを重ねて、熱ラミネートにより樹脂Bを溶融させて保護層フィルムを積層したりして、フィルムインサート成型用加飾フィルムを製造することを開示する。
また、例えば、下記特許文献2は、保護フィルムで保護された立体的な加飾面を有する保護フィルム付人工皮革に賦形して得られたプリフォーム成形体を、金型のキャビティ内に配置し、インモールド成形して射出成形体の表面に保護フィルム付人工皮革を一体化したインモールド成形体を製造し、インモールド成形体から保護層を剥離することにより加飾成形体を得ることを開示する。また、特許文献2は、保護フィルム付人工皮革が不織布の一面に積層されたエンボス凹凸面の凹部を充填するように樹脂を溶融塗工して形成されることを開示する。
特開2013−43417号公報 特開2016−124156号公報
特許文献1や特許文献2に開示されたような方法により、立体的なエンボス凹凸を有するシートの表面に、溶融樹脂を押し出して保護層を積層したり、樹脂フィルムを溶融させて熱ラミネートすることにより保護層を積層したりする場合、加飾シートが薄かったり、形成されるエンボス凹凸が浅く大柄な場合には、射出成形の際に、立体的な触感が失われたり低下したりしやすかった。また、保護層を積層するときの熱により立体的なエンボス凹凸が消失したり、凹部の深さが浅くなったりして、立体的な触感が失われたり低下したりすることもあった。
本発明は、加飾成形体の製造に用いられる加飾シートにおいて、加飾シートが薄かったり、形成されるエンボス凹凸が浅く大柄な場合であっても、立体的な触感が失われたり、低下したりしにくい加飾成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、加飾成形体の製造に用いられる加飾シートであって、表面にエンボス凹凸面を有する樹脂層を備えた加飾シート本体と、エンボス凹凸面の凹部を充填し、且つ、20℃における引張弾性率が2〜10MPaである弾性体を含む弾性保護層と、を備える加飾成形用加飾シートである。このような加飾シートによれば、エンボス凹凸面の凹部を充填して覆う弾性保護層が、射出成形の際の溶融樹脂の圧力によりエンボス凹凸が金型の表面に押し付けられるときのクッションとなり、射出圧により立体的な触感が失われたり、低下したりすることが緩和される。そのために、加飾シート本体が薄かったり浅く大柄なエンボス凹凸が形成された場合であっても、立体的な触感が失われたり、低下したりしにくくなる。また、このような弾性保護層は易剥離性にも優れる。弾性保護層としては、例えば、シリコーンゴムやシリコーンエラストマー等の弾性シリコーンが易剥離性にも優れる点から好ましい。
また、弾性体は、20℃において、溶液粘度5〜100Pa・sであり、溶剤含有率5質量%以下である弾性体液状原料の硬化物であることが、弾性保護層の形成時に常温で塗布できるために、熱の影響や溶剤の影響によるエンボス凹凸の立体的な触感の低下を抑制できる点から好ましい。
また、弾性保護層は、エンボス凹凸面に対する剥離強度が0.30kg/25mm以下である易剥離性を有することが、加飾成形体の成形後にエンボス凹凸面から弾性保護層を剥離しやすい点から好ましい。
また、加飾シート本体は、表面のエンボス凹凸面がその裏面にまで型押しされていることが、上述した加飾成形用加飾シートを用いた効果が顕著になる点から好ましい。
また、弾性保護層は表面が平坦であることが、射出成形に用いられる金型のキャビティの表面に弾性保護層の表面が吸着するように密着して射出成形の際に位置ズレを生じにくくなる点から好ましい。
また、加飾シート本体は不織布等の繊維絡合体を含む繊維基材と繊維基材に積層された樹脂層とを含み、エンボス凹凸面がポリウレタンからなる表面を有する皮革様シートであることが、しなやかな皮革様の風合いを有する表面が得られる点から好ましい。
また、加飾シート本体の20℃におけるCMD方向の引張弾性率をB1(MPa)、弾性保護層の20℃における引張弾性率をB2(MPa)とした場合、B1/B2が1〜30の範囲にあることが、射出成形の際の溶融樹脂の圧力によりエンボス凹凸が金型の表面に押し付けられて、立体的な触感が失われたり低下したりすることがとくに緩和されやすい点から好ましい。なお、「CMD方向」とは、加飾シート本体の生産時に工程を移動させる方向を横切る幅方向である。
また、加飾シート本体の平均厚さが0.35〜5mmであることが、弾性保護層が充分なクッション性を発揮する効果が高い点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、上述した加飾成形用加飾シートの製造方法であって、表面にエンボス凹凸面を有する樹脂層を備えた加飾シート本体を準備する工程と、エンボス凹凸面の凹部を充填し、且つ、表面が平坦になるように、20℃における溶液粘度が5〜100Pa・sであり、溶剤含有率5質量%以下の弾性体液状原料を塗布し、弾性体液状原料を硬化させて弾性保護層を形成する工程と、を備える。このような加飾成形用加飾シートの製造方法によれば、弾性体液状原料の溶液粘度を調整することにより、エンボス凹凸面の凹部に弾性体を充分に浸透させやすくすることができる。また、溶剤含有率5質量%以下の弾性体液状原料を用いることにより、弾性体液状原料を塗布したときに樹脂層が膨潤したり溶解したりすることにより、エンボス凹凸面の立体的な触感を失わせたり低下させたりすることが抑制される。また、常温で弾性保護層を形成できるために、溶融樹脂を用いて保護層を形成する場合に生じるような、エンボス凹凸面が熱による影響を受けない。
また、本発明の他の一局面は、上記何れかの加飾成形用加飾シートまたはそれらを立体的な形状に賦形して得られたプリフォーム成形体を、金型のキャビティ内に配置する工程と、金型内のプリフォーム成形体の弾性保護層が配された面に対する裏面側に溶融樹脂を射出することにより、インモールド成形体を成形する工程と、インモールド成形体から弾性保護層を剥離することによりエンボス凹凸面を露出させる工程と、を備える加飾成形体の製造方法である。
本発明によれば、エンボス凹凸面の立体的な形状が失われたり低下したりしにくい加飾成形体が提供される。
図1は、実施形態の加飾成形用加飾シート10の模式断面図である。 図2は、加飾成形用加飾シート10の製造方法の各工程を説明する模式断面図である。 図3は、実施形態の加飾シート本体4の斜視模式図である。 図4は、加飾シート10の厚さを説明する模式断面図である。 図5は、加飾シート10を用いて加飾成形体を成形する各工程を説明する模式断面図である。 図6は、加飾シート10のプリフォーム成形体20を用いて加飾成形体を成形する各工程を説明する模式断面図である。
はじめに、本実施形態の加飾成形用加飾シート(以下単に加飾シートとも称する)の構成を図1を参照して詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態の加飾シート10は、繊維基材1の表面に積層された、表面にエンボス凹凸面4aを有する樹脂層2を備えた人工皮革等の皮革様シートである加飾シート本体4と、エンボス凹凸面4aの凹部を充填し、且つ、表面が平坦である易剥離性の弾性体からなる弾性保護層5とを備える。本実施形態では加飾シート本体としてこのような皮革様シートを用いた例について詳しく説明するが、加飾シート本体は、皮革様シートに限られず、単層の樹脂フィルムからなり、表面にエンボス凹凸面が形成されたシートであってもよい。
本実施形態の加飾シート10の製造方法の一例について、図2を参照して説明する。加飾シート10の製造においては、はじめに、図2(a)に示すような、繊維基材1の表面に積層された、表面が平坦な樹脂層12を備えた、エンボス処理によりエンボス凹凸を付与できる可撓性シート13を準備する。
可撓性シートとしては、本実施形態で代表例として詳述する、繊維基材1に積層形成された平坦な樹脂層12を備える、人工皮革等の皮革様シートの他、ポリウレタンや熱可塑性エラストマー等の単層のフィルムやその他の熱可塑性樹脂のフィルムであってもよい。意匠性に優れる点からは、皮革様シートであることが、皮革様の風合いを付与できる点から好ましい。
本実施形態で代表例として詳述する、可撓性シートとして用いられる皮革様シートは、繊維基材に積層形成された銀付調の樹脂層を備える人工皮革や合成皮革である。
繊維基材は、不織布,織物,編物等の繊維絡合体を含み、好ましくは、繊維絡合体に含浸付与された高分子弾性体を含む。
繊維絡合体を形成する繊維の種類は特に限定されない。繊維を形成する樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),変性ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリトリメチレンテレフタレート(PTT),ポリトリエチレンテレフタレート,ポリヘキサメチレンテレフタレート,ポリプロピレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸,ポリエチレンサクシネート,ポリブチレンサクシネート,ポリブチレンサクシネートアジペート,ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリアミド6,ポリアミド66,ポリアミド610,ポリアミド10,ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6−12等のポリアミド系樹脂;ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリブテン,ポリメチルペンテン,塩素系ポリオレフィン,エチレン酢酸ビニル共重合体,スチレンエチレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
また、繊維絡合体を形成する繊維の繊度は特に限定されないが、1dtex以下、さらには0.001〜0.8dtex、とくには0.05〜0.5dtexの繊度を有するような極細繊維を含むことが、充実感のある風合いを付与できたり、熱変形時に樹脂層の形状に追随しやすかったりする点から好ましい。極細繊維は、海島型複合繊維のような極細繊維形成型繊維を経て形成されるような、複数本の極細単繊維が集束してなる繊維束として存在していてもよい。
また、繊維基材は、繊維絡合体に含浸付与された高分子弾性体を含有することが好ましい。高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン,アクリロニトリルエラストマー,オレフィンエラストマー,ポリエステルエラストマー,ポリアミドエラストマー,アクリルエラストマー等が挙げられる。繊維基材中の高分子弾性体の含有割合は特に限定されないが、5〜60質量%、さらには、8〜40質量%であることが好ましい。
繊維基材の厚さは特に限定されないが、250〜750μm程度であることが好ましい。
このような繊維基材の表面に銀付調の樹脂層を形成することにより、人工皮革等の皮革様シートが得られる。樹脂層を形成するための樹脂としては、従来から皮革様シートの銀付調の樹脂層の形成に用いられている、ポリウレタン,アクリル系弾性体,シリコーン系弾性体等の高分子弾性体が挙げられる。銀付調の樹脂層の厚さは、特に限定されないが、30〜500μm、さらには、50〜200μmであることが、表面のエンボス凹凸面がその裏面にまで型押しされるような、皮革様シートが得られやすい点から好ましい。
エンボス凹凸面を型押しする前の皮革様シートの厚さは特に限定されないが、0.35〜2.50mm、さらには、0.35〜1.50mmであることが表面のエンボス凹凸面がその裏面にまで型押しされやすい薄く柔らかい可撓性シートになりやすい点から好ましい。
そして、本実施形態の加飾シートの製造方法においては、図2(b)に示すように、例えば、凹凸14が彫られたエンボスプレス型3(3a,3b)を用いて熱プレスすることにより、可撓性シート13をエンボス加工する。このようなエンボス加工により、図2(c)に示すように、表面にエンボス凹凸面4aを有する樹脂層2を備えた加飾シート本体4が得られる。なお、加飾シート本体4は、樹脂層2の表面のエンボス凹凸面4aが繊維基材1の裏面まで型押しされて、繊維基材1の裏面にエンボス凹凸面が転写された凹凸面4bが形成されている。このような樹脂層2の表面のエンボス凹凸が繊維基材の裏面にまで転写される可撓性シート13は、薄く柔らかい可撓性シートにエンボス加工することにより形成される。
図3は、上述のように可撓性シート13をエンボス加工することにより形成された、樹脂層2の表面のエンボス凹凸面4aが繊維基材1の裏面まで型押しされて、繊維基材1の裏面に凹凸面4bが形成された加飾シート本体4の斜視模式図である。エンボス凹凸面としては、図3に示したような四角形状の凸部や、楕円,半球状の凸部が縁である凹部で囲まれて5.0〜20.0mm程度のマスが縦横に隣接しているようなクロコダイル調の模様等が挙げられる。このような表面にエンボス凹凸面を有する樹脂層を備えた加飾シート本体4は、立体的な触感が付与され、最終製品の意匠性に優れる点から好ましい。
薄く柔らかい可撓性シートに形成されたエンボス凹凸を備える加飾シート本体4は、後述する加飾成形工程において、射出成形の際の溶融樹脂の圧力により凹凸面4bの凸部が金型の表面に押し付けられて立体的な形状が失われたり、低下したりしやすい。本実施形態の製造方法によれば、このような射出成形の際の溶融樹脂の圧力により立体的な形状が失われたり低下したりしやすい加飾シート本体を用いた場合であっても、エンボス凹凸が失われたり低下したりしにくくなる。
なお、皮革様シートの樹脂層の表面にエンボス凹凸面を形成する方法としては、上述したようなエンボス型を用いる方法に限られず、周面に凹凸が彫られたエンボスロールを用いたり、皮革様シートの樹脂層を形成する際に、繊維基材の表面に、乾式造面法、ダイレクトコート法等の方法によりポリウレタン等の高分子弾性体を含む樹脂層を形成する際にエンボス凹凸面を形成したりする方法であってもよい。具体的には、乾式造面法の場合、エンボス模様を有する離型紙などの支持基材上に高分子弾性体を含む樹脂膜を形成した後、その樹脂膜の表面に接着剤を塗布し、繊維基材の表面に貼り合せて、必要によりプレスして接着し、離型紙を剥離することによりエンボス凹凸面を有する樹脂層を形成する方法が挙げられる。また、ダイレクトコート法の場合、高分子弾性体を含む液状樹脂または樹脂液を繊維基材の表面に直接塗布した後、硬化させることにより銀付調の樹脂層を形成した後、エンボスロール等を用いてエンボス凹凸面を形成することによりエンボス凹凸面を有する樹脂層を形成する方法が挙げられる。
本実施形態の加飾シートの製造方法においては、図1に示すように、表面にエンボス凹凸面4aを有する樹脂層2を備えた加飾シート本体4のエンボス凹凸面4aに、その凹部を充填し、且つ、表面が平坦になるような、易剥離性の弾性保護層5を形成する。弾性保護層5の形成方法の一例を図2(d)を参照して説明する。
弾性保護層5は、図2(d)に示すような、樹脂液槽11に弾性体液状原料15を貯留し、加飾シート本体4のエンボス凹凸面4aのその凹部に弾性体液状原料15を充填するように、弾性体液状原料15に加飾シート本体4の樹脂層2の表面のエンボス凹凸面4aを浸漬する。そして、その状態で、弾性体液状原料15中の弾性体を硬化させることにより、エンボス凹凸面4aの凹部を充填し、且つ、表面が平坦である弾性保護層5を形成させる。
このとき、樹脂液槽11の底面は平坦であるために、形成される弾性保護層5の表面も平坦になる。また、樹脂液槽11の底面に貯留される弾性体液状原料15の量や、エンボス凹凸面4aを弾性体液状原料15に浸漬する深さを調整することにより、弾性保護層5の厚さを調整することができる。
ここで弾性体は、20℃において、2〜10MPaの引張弾性率(B2)を有するゴム弾性またはエラストマー弾性を有するゴムまたはエラストマーである。このような弾性体によれば、クッション性に優れるとともに、易剥離性にも優れる弾性保護層が得られる。弾性体の20℃における引張弾性率が2MPa未満の場合には、強度が低くなりやすいために剥離するときに切断しやすくなり、剥離工程が煩雑になる傾向がある。また、引張弾性率が10MPaを超える場合には、硬くなりすぎてクッション性が低下する傾向がある。
また、このような弾性保護層を形成するための弾性体液状原料としては、20℃において、溶液粘度5〜100Pa・sである弾性体の樹脂液であることがとくに好ましい。弾性体液状原料の溶液粘度が高すぎる場合には、エンボス凹凸面の凹部を充分に充填するように弾性体液状原料が凹部に浸透しにくくなる。また、溶液粘度が低すぎる場合には、弾性体液状原料に含まれる弾性体の硬化に時間がかかりやすくなる。なお、溶液粘度とは、JIS K 7177に記載された方法に基づき、単一円筒回転粘度計を用いる方法で測定された弾性体液状原料の粘度lを下式に代入して求めた見掛け粘度 (Pa・s) のことである。
見掛け粘度 (Pa・s)=(A×k×l)/1000
A:装置の種類による係数(A形に対しては1,B形に対しては2,C形に対しては8)
k:回転数及びスピンドルの組合せに基づく係数(単位:mPa・s)
また、このような弾性保護層を形成するための弾性体液状原料としては、溶剤含有率5質量%以下の弾性体液状原料、さらには無溶剤タイプの弾性体液状原料であることが弾性体液状原料を塗布したときに樹脂層を膨潤させたり溶解させたりすることにより、エンボス凹凸面の立体的な触感を失わせたり、低下させたりしにくくなる点から好ましい。
また、このような弾性保護層を形成するための弾性体液状原料は、常温で硬化する常温硬化型の弾性体であることが好ましい。このような常温硬化型の弾性体の液状原料によれば、常温で弾性体を硬化させて弾性保護層を形成できるために、溶融樹脂を用いて保護層を形成する場合に生じるように、エンボス凹凸面が熱により浅くなる等の影響を受けない点から好ましい。
上述したような弾性保護層を形成するための弾性体としては、易剥離性とクッション性に優れる弾性体であれば特に限定なく用いられる。具体的には、例えば、シリコーンゴムやシリコーンエラストマー等の弾性シリコーン、無溶剤タイプの常温硬化型のシリコーンゴム等の架橋性弾性体が、易剥離性とクッション性に優れる点からとくに好ましい。
本実施形態においては、図2(d)に示したように、樹脂液槽11に弾性体液状原料15を貯留し、加飾シート本体4のエンボス凹凸面4aの凹部に弾性体液状原料を充填するように、弾性体液状原料に加飾シート本体4のエンボス凹凸面4aを浸し、弾性体液状原料15中の弾性体を硬化させる方法により、エンボス凹凸面4aの凹部を充填し、且つ、表面が平坦である弾性保護層5を形成させる方法を例示した。弾性保護層の形成方法はこのような方法に限定されない。具体的には、例えば、加飾シート本体のエンボス凹凸面に弾性体液状原料をローラーで塗布したり、ナイフコーターでコートしたり、スプレーコートしたりするような方法で、弾性体液状原料を塗布し、常温、または、必要であれば光照射や加熱により、弾性体を硬化させることにより、弾性保護層を形成してもよい。
また、加飾シートの易剥離性は、エンボス凹凸面に対する弾性保護層の剥離強度が0.30kg/25mm以下、さらには0.15kg/25mm以下であることが、加飾成形体の成形後にエンボス凹凸面から弾性保護層を選択的に剥離しやすい点から好ましい。また、その下限としては、0.01kg/25mm以上であることが好ましい。
そして、図2(d)に示したように、加飾シート本体4のエンボス凹凸面4aの凹部に弾性体液状原料15を充填するように加飾シート本体4のエンボス凹凸面4aを弾性体液状原料15に浸した後、弾性体を硬化させることにより、エンボス凹凸面4aの凹部を充填し、且つ、表面が平坦である易剥離性の弾性体からなる弾性保護層5が形成される。そして、弾性体の硬化後に、樹脂液槽11から弾性保護層5が積層形成された加飾シート10を取り出すことにより、図2(e)または図1に示したような、加飾シート10が得られる。
加飾シート10は、表面が平坦な弾性体層であることにより、次の工程である、射出成形に用いる金型のキャビティの表面に弾性保護層の表面が吸着するように密着しやすくなる。ここで平坦な表面とは、加飾シート本体のエンボス凹凸面が反映されていない程度の平坦な表面であることであり、とくには、マイクロスコープで観察した画像データに基づく表面粗さ指標Raが10μm以下のような平坦な表面であることが好ましい。
加飾シート本体の平均厚さは、図4を参照すれば、エンボス凹凸面4aの凸部の平均面を加飾シート本体の上面Uとし、加飾シート本体4の裏面の凹凸面4bの平均面を下面Bとしたときの上面Uから下面Bまでの平均厚さを加飾シート本体4の平均厚さA1(mm)とした場合、平均厚さA1が0.35〜7mm、さらには0.35〜5mm、とくには0.5〜2.5mmであることが、弾性保護層5が充分なクッション性を発揮する効果が高い点から好ましい。加飾シート本体の平均厚さが大きい場合、すなわちシボ深さが大きい場合は、射出成形の際に、凹凸部に溶融樹脂のせん断が掛かりやすく、弾性保護層を設けても樹脂充填圧によりシボが潰れやすくなる傾向がある。また、弾性保護層5の厚さも特に限定されないが、図4を参照すれば、加飾シート10の平均厚さA3(mm)から加飾シート本体の平均厚さA1を減じて得られる弾性保護層5の平均厚さA2が0.35〜5mm、さらには0.5〜3mmであることが、弾性保護層5が充分なクッション性を発揮する効果が高い点から好ましい。
また、20℃における加飾シート本体4のCMD方向の引張弾性率B1(MPa)を20℃における弾性保護層5を形成する弾性体の引張弾性率B2(MPa)で割った値B1/B2が1〜30、さらには3〜20であることが加飾シート本体の風合いを維持した状態で成形できる点から好ましい。B1/B2が小さい場合、弾性保護層が固く、加飾シートに対してクッション効果を得ることができない可能性があり、B1/B2が大きい場合、弾性保護層が軟質すぎるため、弾性保護層自体が樹脂充填圧に押されて潰れる可能性がある。
このようにして、加飾成形用加飾シートが得られる。本実施形態における加飾成形用加飾シートの厚さとしては、0.7〜5mm、さらには1〜2.5mmであることが、加飾シート本体が薄かったり、形成されるエンボス凹凸が浅く大柄であったりした場合であっても、加飾成形のための射出成形において、厚さによる成形性への影響が小さい点から好ましい。
以上説明した加飾成形用加飾シートは、射出成形の金型のキャビティの形状に合わせるようにトリミングされたり、またはそれを立体的な形状に賦形されるプリフォーム成形されたりして整形され、それを金型の内部に収容した後、射出成形により成形される樹脂成形体の表面に一体化されるインモールド成形に用いられる。
図5を参照して、加飾シート10を用いて射出成形によりインモールド成形による加飾成形をすることにより、立体的なエンボス凹凸を含む加飾面を有する加飾成形体を成形する工程について説明する。
図5(a)に示すように、金型17は、キャビティCを備える可動側金型17aと、固定側金型17bとを備える。はじめに、弾性保護層5で保護されたエンボス凹凸面を有する加飾シート10をキャビティCを形成する可動側金型17aの表面に弾性保護層5が面するように配置する。このとき、加飾シート10は、エンボス凹凸面の凹部を充填して覆う弾性体から形成された弾性保護層5を備えるために、金型のキャビティの表面に吸着するように密着しやすい。そのために、次工程での射出成形時に、溶融樹脂の射出圧による加飾シート10のキャビティ内部での位置ズレが抑制される。
そして、図5(b)に示すように、射出成形により金型17内の加飾シート10の弾性保護層5が配された面に対する裏面側に溶融樹脂30aを射出することにより、加飾シート10を表面に一体化したインモールド成形体を成形する。詳しくは可動側金型17aと固定側金型17bとを型締めし、射出成形機7のシリンダ18をノズル16が固定側金型17bのスプルーブッシュ17fに接触するまで前進させて、射出成形機のシリンダ18内で溶融された溶融樹脂30aをスクリュー19で射出することにより、金型17内に溶融樹脂30aを射出して射出成形する。射出された溶融樹脂30aは、金型17内の樹脂流路Rを流れてキャビティC内に流入し、充填される。このとき、加飾シート本体4が繊維基材1に積層形成された樹脂層2を備える皮革様シートである場合には、繊維基材1に溶融樹脂30aが適度に浸透するために、射出成形により成形される射出成形体30が投錨効果による高い接着性を維持するように加飾シート10と一体化される。弾性保護層5は、射出成形の際の溶融樹脂の圧力によりエンボス凹凸面4aが金型のキャビティの表面に押し付けられるときのクッションになり、射出圧力によりエンボス凹凸面4aの立体的な触感が失われたり、低下したりすることが緩和される。そのために、加飾シート本体が薄かったり、形成されるエンボス凹凸が浅く大柄な場合であっても、立体的な触感が失われたり、低下したりしにくくなる。
射出成形で射出される樹脂としては、ABS系樹脂,ポリカーボネート系樹脂,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、各種ポリアミド系樹脂のような各種熱可塑性樹脂が特に限定なく用いられる。
射出成形条件は、射出する樹脂の融点および溶融粘度、成形体の形状、および樹脂厚みに応じて流動末端部まで樹脂流動が可能な条件(樹脂温度、金型温度、射出圧力、射出速度、射出後の保持圧力、冷却時間)が適宜選択される。
そして、射出終了後、図5(c)に示すように、溶融樹脂30aが冷却されて射出成形体30が形成され、加飾シート10が一体化されたインモールド成形体31が成形される。そして、図5(d)に示すように、金型17を型開きすることにより、可動側金型17aと固定側金型17bとが隔離されて、ランナー32を有するインモールド成形体31が取り出される。そして、ランナー32を取り外すことにより、図5(e)に示すように、弾性保護層5で保護されたエンボス凹凸面4aを有するインモールド成形体31が得られる。
そして、図5(f)に示すように、インモールド成形体31から、弾性保護層5を剥離することにより、エンボス凹凸面4aが表出した加飾成形体40が得られる。弾性保護層5の剥離方法は、特に限定されず、手で剥離したり、専用の剥離設備を用いて剥離したりする等、特に規定されない。
このようにして得られたエンボス凹凸面4aが表出した加飾成形体40は、インモールド成形時にエンボス凹凸面4aの凹部を充填するように形成された弾性保護層5で保護されていたために、立体的なエンボス凹凸が消失したり凹部の深さが浅くなったりすることが抑制される。とくに、加飾シートが薄かったり、形成されるエンボス凹凸が浅く大柄な場合であっても、保護層の形成時や加飾成形のための射出成形の際に、立体的な触感が失われたり、低下したりしにくい。
また、加飾シートは、熱プレス成形や真空成形、真空圧空成形等により、インモールド成形に用いられる射出成形用金型のキャビティの形状に沿うように成形されたプリフォーム成形体として、インモールド成形に供してもよい。図6を参照して、加飾シート10を立体的な形状に賦形したプリフォーム成形体20を用いてインモールド成形による加飾成形をすることにより、立体的なエンボス凹凸を含む加飾面を有する加飾成形体を成形する工程について説明する。
図6(a)に示すように、金型27は、キャビティCを備える可動側金型27aと、固定側金型27bとを備える。はじめに、弾性保護層5で保護されたエンボス凹凸面4aを有する加飾シート10をプリフォーム成形したプリフォーム成形体20をキャビティCを形成する可動側金型27aの表面に弾性保護層5が面するように配置する。このとき、プリフォーム成形体20は、弾性保護層5を備えるために、金型のキャビティの表面に吸着するように密着しやすい。そのために、次工程での射出成形時に、溶融樹脂の射出圧によるプリフォーム成形体20のキャビティ内部での位置ズレが抑制される。
そして、図6(b)に示すように、射出成形により金型27内のプリフォーム成形体20の弾性保護層5が配された面に対する裏面側に溶融樹脂40aを射出することにより、プリフォーム成形体20を表面に一体化したインモールド成形体が成形される。弾性保護層5は、射出成形の際の溶融樹脂の圧力によりエンボス凹凸面4aが金型のキャビティの表面に押し付けられるときのクッションになり、射出圧力によりエンボス凹凸面4aの立体的な触感が失われたり、低下したりすることが緩和される。
そして、射出終了後、図6(c)に示すように、溶融樹脂40aが冷却されて射出成形体が形成され、プリフォーム成形体20が一体化されたインモールド成形体41が成形される。そして、図6(d)に示すように、金型27を型開きすることにより、可動側金型27aと固定側金型27bとが隔離されて、ランナー42を有するインモールド成形体41が取り出される。そして、ランナー42を取り外すことにより、図6(e)に示すように、弾性保護層5で保護されたエンボス凹凸面4aを有するインモールド成形体41が得られる。
そして、図6(f)に示すように、インモールド成形体41から、弾性保護層5を剥離することにより、エンボス凹凸面4aが表出した加飾成形体50が得られる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
はじめに、本実施例で用いた評価方法を以下にまとめて説明する。
(加飾シート本体の平均厚さ(A1)、弾性保護層の平均厚さ(A2))
加飾シート本体の平均厚さ(A1)及び弾性保護層の平均厚さ(A2)は次のようにして求めた。
加飾シート本体の平均厚さ(A1):マイクロメーターを用いて測定した。測定は5回行い、その平均値をとった。
弾性保護層の平均厚さ(A2):加飾シートのエンボス凹面に弾性保護層を充填することで作製した加飾成形用加飾シートの厚みを、マイクロメーターを用いて測定した。測定は5回行い、その平均値をA3とし、A3からA1を差し引いた値をA2とした。
(加飾シート本体のCMD方向の引張弾性率(B1)、弾性保護層の引張弾性率(B2))
加飾シート本体のCMD方向の引張弾性率(B1)及び弾性保護層の引張弾性率(B2)は次のようにして求めた:
加飾シート本体から12cm×2.5cm(長辺側がCMD方向)の試験片を切り抜いた。そして、電気機械式万能材料試験機(インストロン社製,5900R)に試験片をセットし、室温で引張試験を実施した(チャック間距離50mm、引張速度100mm/min)。そして、取得した応力―歪(S−S)曲線から弾性域における弾性率B1(工学歪0-4%における傾き)を求めた。硬化した弾性保護層に対しても同様の測定を行い、弾性保護層の引張弾性率B2を求めた。
(エンボス凹凸面に対する弾性保護層の剥離強度)
エンボス凹凸面に対する弾性保護層の剥離強度は次のようにして求めた:加飾シート本体と弾性保護層とから成る加飾成形用加飾シートを25mm巾にカットして、テンシロン万能材料試験機(ORIENTEC CORPORRTION、RTM-100)の掴み冶具の一方に加飾シート本体、もう一方に弾性保護層を挟み、加飾シート本体を挟んだ掴み冶具を、引張速度100mm/minでシート面の法線方向に引っ張ることで加飾シート本体と弾性保護層との層間の剥離強度を測定した(MD,CMD各方向)。初期のチャック間距離は20mm、チャートスピードは50mm/minとした。
(弾性体液状原料の溶液粘度)
弾性体液状原料の溶液粘度は次のようにして求めた:
測定装置としてブルックフィールド形回転粘度計(英弘精機社製,B型,DV3T)を使用した。先ず、気泡を生じないように注意しながら,ビーカーを試料で満たした。次にスピンドルを試料表面に対し約45度の角度に保ち、試料中に浸した後、スピンドルを垂直に向け、装置の軸に接続した。泡水準器を使用してスピンドルが垂直であることを確かめ、スピンドルの下端がビーカーの底から10mm以上離れた位置にあること、及びスピンドルが軸の標線の下側まで浸されていることを確認した。温度計を試料中に浸した。試料の温度が規定の限度内(20-26℃)になるまで待った。モータを始動し、希望する回転数2min-1で回転させた。装置を運転したまま、計器の指示が安定したとき、トルク計のフルスケールの0.25%まで読み取った。軸針をロックし、モータを止めて読み取った。なお、連続2回の測定値が、互いに3%以上離れない値を得るまで測定を継続した。これら2回の値の平均値lを求めた。試料の溶液粘度(見掛け粘度)[Pa・s]は,次の式にlを代入して算出した。
見掛け粘度 (Pa・s)=(A×k×l)/1000
A:装置の種類による係数(A形に対しては1,B形に対しては2,C形に対しては8)
k:回転数及びスピンドルの組合せに基づく係数(単位:mPa・s)
(エンボス凹凸面の深度測定)
エンボス凹凸面の深度を次のようにして求めた:得られた加飾成形体の平坦部をバンドソーで切り出し(40mm)、エンボス凹凸面が上に向くように、表面粗さ測定機([株]小坂研究所社製, Surfcorder SE700)の測定台座にセットした。そして、同測定機の触針(先端半径R 2μm, 頂角60度)で凹凸のトップとボトムの厚さを計3か所測定し、その平均値からエンボス凹凸面のおおよその深度を求めた。なお、トレース長さは20mm、送り速度は1mm/sec、測定倍率はシボの種類に応じて適宜調整した。
(エンボス凹凸面の立体的形状評価)
得られた加飾成形体のエンボス凹凸面を目視し、その立体的形状を次のようにして判定した。
A:不良無く、エンボス凹凸面の立体的な形状が維持されていると目視で判断できる
B: エンボス凸部頂点に打痕が見られるが、エンボス凹凸面の立体的な形状が維持されていると目視で判断できる。
C: 表面が平滑となり、表面触感がつるつるとなっており、エンボス凹凸面の立体的な形状が目視で認識できない。
[実施例1]
長繊維の海島型複合繊維の不織布から海成分を除去することにより得られた、単繊維繊度0.08dtexの極細繊維の繊維束(平均25本/束)を絡合させた見掛け密度0.53g/cm3の不織布に架橋されたポリウレタンを含浸付与して形成された厚さ350μmの不織布を準備した。ポリウレタン/不織布の質量比は15/85であった。
一方、剥離紙の表面にポリカーボネート系無黄変タイプのポリウレタン樹脂の溶液を塗布し、80℃で10分間乾燥することにより厚さ30μmのポリウレタン膜を形成した。そして、形成されたポリウレタン膜の表面に、接着層となるポリカーボネート系無黄変タイプの2液硬化型ポリウレタン溶液をさらに塗布し、50℃で3分間乾燥することにより厚さ70μmの接着層を形成した。このようにして厚さ100μmの平坦な銀付調の樹脂層を形成した。
そして、不織布の一面に剥離紙に形成された銀付調の樹脂層の接着層を貼り合わせ、80℃で2分間加熱した。このようにして銀付調の樹脂層を備える厚さ0.43mmの人工皮革基材である可撓性シートを得た。
そして、得られた可撓性シートの樹脂層に、120℃に加熱した凹凸を有するエンボスプレス型を用いて表面の凹凸を転写することにより、樹脂層の表面にエンボス凹凸面を形成し、加飾シート本体を得た。加飾シート本体に形成されたエンボス凹凸面は、5〜20mm角の大きさの四角形状、楕円状、半球状で縁の太さが数百μmであるマスが縦横に隣接したクロコダイル調の模様を有し、凹凸のシボ模様を有するその凸部を上面とし、その反対面の凹部の底面を下面としたときの上面から下面までの平均厚さ(A1)が0.95mmであった。また、加飾シート本体の20℃におけるCMD方向の引張弾性率(B1)は51MPaであった。
そして、加飾シート本体のエンボス凹凸面の凹部を充填するようにして、20℃における溶液粘度が80Pa・sである無溶剤タイプで常温硬化タイプの架橋性シリコーンゴムの弾性体液状原料を塗布し、常温で24時間放置することにより硬化させた。このようにして、加飾シート本体のエンボス凹凸面に、表面が平坦である弾性シリコーンを含む弾性保護層を積層形成した。このようにして、加飾成形用加飾シートを得た。
弾性保護層の平均厚さ(A2)は1.06mmであり、弾性保護層を形成する弾性シリコーンの20℃における引張弾性率(B2)は3.5MPaであった。また、エンボス凹凸面に対する弾性保護層の剥離強度は0.12kg/25mm以下であった。
そして、加飾成形用加飾シートを用いて、化粧品コンパクトケース(φ80)の形状のキャビティを有する金型を用いてプリフォーム成形体を成形した。なお、プリフォーム成形は、温度120℃に加熱された上金型と常温の下金型の一対の金型の下金型に加飾成形用加飾シートを配置し、0.4MPaの圧力でプレスして成形した。このようにしてプリフォーム成形体を得た。
そして、得られたプリフォーム成形体を、弾性保護層が金型表面に接触するように、射出インモールド成形機のインモールド金型の、プリフォーム成形体の形状に沿った形状を有するキャビティ内に配置した。このとき、弾性保護層が金型のキャビティの表面に吸着するようになり、位置ズレしにくかった。そして、射出インモールド成形機により、樹脂温度235℃、金型温度40℃の条件でABS樹脂を金型内に射出した。このようにして、化粧品コンパクトケースの形状を有する加飾成形体を得た。そして、加飾成形体の表層に配された弾性保護層を手で剥離することによりクロコダイル調の模様を有する人工皮革のエンボス凹凸面を有する加飾成形体を得た。得られたエンボス凹凸面の深度を測定したところ、深さ200μm程度であり、エンボス凹凸面の立体的な形状が失われていなかった。結果を表1に示す。
Figure 2020179611
[実施例2]
厚さ100μmの平坦な銀付調の樹脂層を備える厚さ430μmの人工皮革基材である可撓性シートに代えて、厚さ100μmの平坦な銀付調の樹脂層を備える厚さ590μmの可撓性シートを用いた以外は、実施例1と同様にして加飾成形用加飾シートを得た。そして、実施例1と同様にして、プリフォーム成形体及びクロコダイル調の模様を有する人工皮革の加飾成形体を得た。得られたエンボス凹凸面の深度を測定したところ、深さ200μm程度であり、エンボス凹凸面の立体的な形状が失われていなかった。
[実施例3]
20℃における引張弾性率(B2)が3.5MPaの架橋性シリコーンゴムを2.5MPaの架橋性シリコーンゴムに変更し、弾性保護層の平均厚さ(A2)を1.06mmに代えて4.98mmに変更し、エンボスプレス型の凹凸のシボ模様を浅くすることにより凹凸のシボ模様の上面から下面までの平均厚さ(A1)を0.95mmから0.5mmに変更した以外は、実施例1と同様にして加飾成形用加飾シートを得た。そして、実施例1と同様にして、プリフォーム成形体及びクロコダイル調の模様を有する人工皮革の加飾成形体を得た。得られたエンボス凹凸面の深度を測定したところ、深さ40μm程度であり、エンボス凹凸面の立体的な形状が失われていなかった。
[実施例4]
弾性保護層の平均厚さ(A2)を1.06mmに代えて1.95mmに変更し、エンボスプレス型の凹凸のシボ模様を深くすることにより凹凸のシボ模様の上面から下面までの平均厚さ(A1)を0.95mmから2.2mmに変更した以外は、実施例1と同様にして加飾成形用加飾シートを得た。そして、実施例1と同様にして、プリフォーム成形体及びクロコダイル調の模様を有する人工皮革の加飾成形体を得た。得られたエンボス凹凸面の深度を測定したところ、深さ1000μm程度であり、エンボス凹凸面の立体的な形状が失われていなかった。
[実施例5]
20℃における引張弾性率(B2)が3.5MPaの架橋性シリコーンゴムを7.5MPaの架橋性シリコーンゴムに変更し、弾性保護層の平均厚さ(A2)を1.06mmに代えて1.13mmに変更し、加飾シート本体の平均厚さ(A1)が0.95mmから0.99mmに変わった以外は、実施例1と同様にして、プリフォーム成形体及びクロコダイル調の模様を有する人工皮革の加飾成形体を得た。得られたエンボス凹凸面の深度を測定したところ、深さ200μm程度であり、エンボス凹凸面の立体的な形状が失われていなかった。
[実施例6]
エンボスプレス型の凹凸のシボ模様を深くすることにより凹凸のシボ模様の上面から下面までの平均厚さ(A1)を0.95mmから6.5mmに変更した以外は、実施例1と同様にして加飾成形用加飾シートを得た。そして、実施例1と同様にして、プリフォーム成形体及びクロコダイル調の模様を有する人工皮革の加飾成形体を得た。得られたエンボス凹凸面の深度を測定したところ、深さ20μm程度であったが、エンボス凹凸面の高低差を反映する平均厚さ(A1)と比べると、エンボス凹凸面の立体的な形状がやや失われていた。
[比較例1]
20℃における引張弾性率(B2)が3.5MPaの架橋性シリコーンゴムを60MPaの架橋性シリコーンゴムに変更した以外は、実施例1と同様にして加飾成形用加飾シートを得た。そして、実施例1と同様にして、プリフォーム成形体及びクロコダイル調の模様を有する人工皮革の加飾成形体を得た。得られたエンボス凹凸面の深度を測定したところ、深さ10μm程度であり、エンボス凹凸面の立体的な形状が失われていた。
本発明は、車両内装材、携帯端末本体(スマートフォン、タブレットPC)およびそのケース、カバーなどのアクセサリ、電子機器の筐体、化粧品ケースなどの射出成形体の表面を加飾できる。
1 繊維基材
2 樹脂層
3 エンボスプレス型
4 加飾シート本体
4a エンボス凹凸面
4b 凹凸面(裏面)
5 弾性保護層
7 射出成形機
10 加飾成形用加飾シート
11 樹脂液槽
12 平坦な樹脂層
13 可撓性シート
15 弾性体液状原料
31,41 インモールド成形体
40,50 加飾成形体
A1 平均厚さ
A3 平均厚さ

Claims (13)

  1. 加飾成形体の製造に用いられる加飾シートであって、
    表面にエンボス凹凸面を有する樹脂層を備えた加飾シート本体と、前記エンボス凹凸面の凹部を充填し、且つ、20℃における引張弾性率が2〜10MPaである弾性体を含む弾性保護層と、を備えることを特徴とする加飾成形用加飾シート。
  2. 前記弾性体は弾性シリコーンを含む請求項1に記載の加飾成形用加飾シート。
  3. 前記弾性体は、20℃において、溶液粘度5〜100Pa・sであり、溶剤含有率5質量%以下である弾性体液状原料の硬化物である請求項1または2に記載の加飾成形用加飾シート。
  4. 前記弾性保護層は、前記エンボス凹凸面に対する剥離強度が0.30kg/25mm以下である易剥離性を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の加飾成形用加飾シート。
  5. 前記加飾シート本体は、前記表面の前記エンボス凹凸面がその裏面にまで型押しされている請求項1〜4の何れか1項に記載の加飾成形用加飾シート。
  6. 前記弾性保護層は表面が平坦である請求項1〜5の何れか1項に記載の加飾成形用加飾シート。
  7. 前記加飾シート本体は繊維絡合体を含む繊維基材と繊維基材に積層された前記樹脂層とを含み、前記エンボス凹凸面がポリウレタンを含む表面を有する皮革様シートである請求項1〜6の何れか1項に記載の加飾成形用加飾シート。
  8. 前記加飾シート本体の20℃におけるCMD方向の引張弾性率をB1(MPa)とし、
    前記弾性保護層の20℃における引張弾性率をB2(MPa)とした場合、
    B1/B2が1〜30の範囲にある、請求項1〜7の何れか1項に記載の加飾成形用加飾シート。
  9. 前記加飾シート本体の平均厚さが0.35〜5mmである請求項1〜8の何れか1項に記載の加飾成形用加飾シート。
  10. 請求項1に記載の加飾成形用加飾シートの製造方法であって、
    表面にエンボス凹凸面を有する樹脂層を備えた加飾シート本体を準備する工程と、
    前記エンボス凹凸面の凹部を充填し、且つ、表面が平坦になるように、20℃における溶液粘度が5〜100Pa・sであり、溶剤含有率5質量%以下の弾性体液状原料を塗布し、前記弾性体液状原料を硬化させて前記弾性保護層を形成する工程と、を備えることを特徴とする加飾成形用加飾シートの製造方法。
  11. 前記弾性保護層は弾性シリコーンを含む請求項10に記載の加飾成形用加飾シートの製造方法。
  12. 前記加飾シート本体は、前記表面の前記エンボス凹凸面が前記表面に対する裏面まで型押しされている請求項10または11に記載の加飾成形用加飾シートの製造方法。
  13. 請求項1〜9の何れか1項に記載の加飾成形用加飾シートまたはそれを立体的な形状に賦形して得られたプリフォーム成形体を、金型のキャビティ内に配置する工程と、
    前記金型内の前記プリフォーム成形体の前記弾性保護層が配された面に対する裏面側に溶融樹脂を射出することにより、インモールド成形体を成形する工程と、
    前記インモールド成形体から前記弾性保護層を剥離することにより前記エンボス凹凸面を露出させる工程と、を備えることを特徴とする加飾成形体の製造方法。
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