JP2017177580A - 積層成形体及び積層成形体の製造方法 - Google Patents

積層成形体及び積層成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】射出成形体の表面に繊維構造体を含むインモールド材を一体化した積層成形体において、射出成形体とインモールド材との接着性を向上させる、とくに、インモールド材の周縁領域でも充分な接着強度を維持させることを目的とする。
【解決手段】繊維構造体を含むインモールド材を準備する工程と、可動側型と固定側型とを型締めすることにより第1のキャビティを形成する射出成形用金型の第1のキャビティにインモールド材を収容して型締めし、インモールド材の一面側から溶融樹脂を充填する工程と、第1のキャビティの容積を型締方向に減少させた第2のキャビティを形成する工程と、を備える積層成形体の製造方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形体の一面に繊維構造体を含む加飾層を一体化させた積層成形体、及びその製造方法に関する。
射出成形体の表面にインモールド材を一体化した積層成形体が知られている。このような積層成形体は、シートまたは予め賦形されたプリフォーム成形体である、インモールド材を金型のキャビティに配置し、射出成形するインモールド成形により製造される。
また、織布、不織布、合成皮革、人工皮革等のような繊維構造体を含むインモールド材を用いることが知られている。例えば、下記特許文献1は、インモールド材として合成皮革を用いた積層成形体の製造方法を開示する。また、下記特許文献2は、固定型と可動型の合わせ面に形成されたキャビティが覆われるように布状加飾材を張設して型締めし、キャビティ内に加圧注入する時の溶融樹脂材の圧力で加飾材をキャビティの製品表面形成面に押圧して圧縮するとともに、溶融樹脂材を加飾材に浸透させることにより、加飾材を樹脂成形品の表面に投錨状態に結合させて加飾材を樹脂成形品に積層圧着する積層成形体の製造方法を開示する。また、下記特許文献3は、織布、不織布、合成皮革、人工皮革、天然皮革のいずれかのインモールド材を樹脂成形品に積層圧着する積層成形体の製造方法を開示する。
インモールド成形により積層成形体を製造する方法の一例について、図7を参照して説明する。図7中、1は繊維構造体を含むインモールド材,2aはキャビティ部2cを有する可動側型,2bはコア部2dを有する固定側型,3は射出成形機の射出部本体,3aはノズル,3bはシリンダ,3cはインラインスクリュ,4はゲート,5は射出成形体,5aは溶融樹脂,20は積層成形体である。可動側型2aと固定側型2bとは一対になってキャビティcを形成する射出成形用金型2を構成する。
インモールド成形を用いる積層成形体の製造方法においては、はじめに、図7(a)に示すように、可動側型2aの凹状のキャビティ部2cにインモールド材1を配置する。そして、図7(b)に示すように、可動側型2aと固定側型2bとを型締めすることにより、キャビティcが形成される。そして、図7(c)に示すように、キャビティcにゲート4から溶融樹脂5aを充填する。そして、図7(d)に示すように、キャビティc内の溶融樹脂5aを冷却することにより射出成形体5が形成される。冷却工程の後、図7(e)に示すように、可動側型2aを後退させて、可動側型2aと固定側型2bとを型開きすることにより、射出成形体5にインモールド材1が一体化された積層成形体20が取り出される。
特開昭59−142937号公報 特開2005−47161号公報 特開2006−1078号公報
繊維構造体を含むインモールド材を用いてインモールド成形を行う場合、射出成形により製造される射出成形体とインモールド材との接着性が不充分であることがあった。とくに、射出成形体に一体化されたインモールド材の周縁領域で、剥離しやすくなる傾向があった。本発明は、射出成形体の表面に繊維構造体を含むインモールド材を一体化した積層成形体において、射出成形体とインモールド材との接着性を向上させる、とくに、インモールド材の周縁領域でも充分な接着強度を維持させることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、射出成形体とインモールド材との接着性、とくに、インモールド材の周縁領域での接着性が弱くなる原因を検討した結果、次のような知見を得た。図7(c)を参照すれば、射出成形においては、キャビティ内のゲート付近Gにおいて、溶融樹脂の温度は高く低粘度であるために射出圧の圧力伝達性に優れている。一方、樹脂の流動末端部Eにおいては、溶融樹脂は、型内を流動するに伴い、冷却されて温度が低下して高粘度化するために射出圧の圧力伝達性が低下する。従って、繊維構造体を含むインモールド材を用いてインモールド成形する場合、キャビティ内のゲート付近Gにおいては、圧力が充分に伝達された溶融樹脂がインモールド材の繊維構造体の繊維間の空隙に深く浸透する。一方、キャビティ内の樹脂の流動末端部Eにおいては、射出圧を充分に伝達されない溶融樹脂はインモールド材の繊維構造体の繊維間の空隙に深く浸透しない。そのために、繊維構造体を含むインモールド材を用いてインモールド成形する場合、通常の射出成形を行うとアンカー効果が低くなり、インモールド材の周縁領域での接着性が弱くなるという知見を得た。そして、このような知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一局面は、繊維構造体を含むインモールド材を準備する工程と、射出成形用金型の可動側型と固定側型とを型閉じすることにより形成される第1のキャビティにインモールド材を収容する工程と、第1のキャビティの容積を可動側型と固定側型との型閉方向に減少させることにより、第2のキャビティを形成する工程と、第1のキャビティから第2のキャビティを形成するまでの間に、インモールド材の一面側から溶融樹脂を充填する工程と、を備える積層成形体の製造方法である。このような製造方法によれば、第1のキャビティの容積を型閉方向に減少させた第2のキャビティを形成することにより充填された又は充填途中の溶融樹脂に型閉方向に均等に面圧を与えることができる。それにより、射出圧の圧力伝達性が低くなる流動末端部と射出圧の圧力伝達性が高いゲート付近における溶融樹脂に同程度の圧力を付加することができる。その結果、インモールド材と射出成形体とが接着する面全体において圧力が均等に付加されて、射出成形体がインモールド材の繊維構造体の繊維間の空隙に均等に深く浸透した積層成形体が得られる。
また、第2のキャビティの容積が第1のキャビティの容積よりも5%以上小さい場合には、型閉方向に均等に充分な面圧が付加されることにより、溶融樹脂が繊維構造体の繊維間の空隙により深く浸透する点から好ましい。
また、第1のキャビティは可動側型と固定側型とを不完全に型閉じした状態で形成されており、第2のキャビティは不完全に型閉じした状態から可動側型と固定側型とをさらに型閉じすることにより形成される場合には、型開閉のタイミングの制御だけで型閉方向に面圧を付加できる点から好ましい。
また、可動側型と固定側型の何れか一方が型開閉方向に前進−後退可能な可動コアを有し、第1のキャビティは可動コアが後退した状態で形成され、第2のキャビティは可動コアが前進した状態で形成される場合には、型開閉機構の制御とは独立して型閉の方向に面圧を付加できる点から好ましい。
また、繊維構造体の一面側が起毛処理された面である場合には、面圧を与えることにより、溶融樹脂が繊維構造体の繊維間の空隙により深く浸透しやすくなる点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、繊維構造体を含む加飾層と、加飾層の一面に一体化させた射出成形体層とを含む積層成形体であって、射出成形体層はゲート痕を有し、ゲート痕の中心から100mm以内の領域の任意の点における加飾層と射出成形体層との剥離強力と、ゲート痕の中心から100mm超の領域の任意の点における加飾層と射出成形体層との剥離強力と、の差が20%以内である積層成形体である。このような積層成形体によれば、加飾層の局所的な剥離を抑制することができる。
また、射出成形体層に面する加飾層の一面は、繊維構造体の起毛面であることが、剥離強力が高くなる点から好ましい。
また、積層成形体は、垂直方向断面を1000倍で撮影した走査型電子顕微鏡写真において、射出成形体層が繊維構造体に対して15μm以上侵入している、侵入領域が観察されることが好ましい。また、この場合において、侵入領域は、射出成形体層から繊維構造体に、山の麓から頂上に向かうように入り込んでいる形状を有し、山の麓から立ち上がる部分同士を結ぶ直線を引いたときの線分距離(侵入幅)に対する、山の頂点から直線に垂線を下したときの垂線の線分距離(侵入深さ)の比が0.2以上である場合には、高いアンカー効果を示す点から好ましい。
本発明によれば、繊維構造体を含むインモールド材と射出成形体との接着する面において、射出成形体が繊維構造体の繊維間の空隙に均等に浸透した、剥離強力が均質な積層成形体が得られる
図1は、実施形態の積層成形体の製造方法の各工程の一例を説明する説明図である。 図2は、可動コア方式の射出成形用金型を用いた第1のキャビティを第2のキャビティに移行させる方法を示した説明図である。 図3は、実施例1の積層成形体の垂直断面の、射出成形体と人工皮革との接着面付近を200倍で撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図4は、実施例1の積層成形体の垂直断面の、射出成形体と人工皮革との接着面付近を1000倍で撮影したSEM写真である。 図5は、比較例1の積層成形体の垂直断面の、射出成形体と人工皮革との接着面付近を200倍で撮影したSEM写真である。 図6は、比較例1の積層成形体の垂直断面の、射出成形体と人工皮革との接着面付近を1000倍で撮影したSEM写真である。 図7は、従来の積層成形体の製造方法の各工程を説明する説明図である。
本実施形態の積層成形体の製造方法を、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の積層成形体の製造方法の各工程の一例を説明する説明図である。
図1中、1は繊維構造体を含むインモールド材,2aはキャビティ部2cを有する可動側型,2bはコア部2dを有する固定側型,2eはスプルーブッシュ,3は射出成形機の射出部本体,3aはノズル,3bはシリンダ,3cはインラインスクリュ,4はゲート,5は射出成形体,5aは溶融樹脂,10は積層成形体である。可動側型2aと固定側型2bとは一対になって射出成形用金型2を構成する。なお、本実施形態においては、可動側型2aは射出成形用金型の雌型、固定側型2bは射出成形用金型の雄型であり、キャビティ部2cとコア部2dとは印籠構造を形成する。
本実施形態の積層成形体の製造方法においては、図1(a)に示すように、可動側型2aの凹状のキャビティ部2cに繊維構造体を含むインモールド材1を収容させる。このとき、インモールド材1の少なくとも一面には繊維構造体が露出しており、繊維構造体が露出した面を溶融樹脂が充填される側に向くように配することが好ましい。このようにインモールド材を配することにより、繊維構造体を形成する繊維同士の間に形成された空隙に溶融樹脂が侵入し、アンカー効果による高い接着性を発現することができる。
また、溶融樹脂が充填される側に向くように配されるインモールド材の繊維構造体の面は、起毛処理されている、好ましくは0.1〜3mm程度起毛されていることが、溶融樹脂の浸透性が向上する点から好ましい。射出成形体と接着されるインモールド材の繊維構造体の面が起毛されている場合には、射出成形体との接着面積が増加する。なお、起毛の長さが長すぎる場合には、溶融樹脂の流動により繊維が倒れて、繊維構造体に溶融樹脂を浸透しにくくする傾向がある。
なお、インモールド材1は、溶融樹脂の充填時に位置ずれすることを抑制するために、キャビティ部2cに固定されてもよい。固定手段の具体例としては、例えば、可動側型表面に両面テープで貼り付けたり、真空吸着させたり、インモールド材自身の表面粘着性を用いて付着させたり、キャビティ部2cに突起を設けてインモールド材をはめ込んだりする方法等が挙げられる。
次に、図1(b)に示すように、可動側型2aと固定側型2bとを不完全に型閉じすることにより、第1のキャビティc1を形成する。キャビティ部2cとコア部2dとは印籠構造を形成するために、不完全に型閉じした状態で所定の容積の第1のキャビティc1を形成する。
そして、図1(c)に示すように、第1のキャビティc1にゲート4から予め設定された所定量の溶融樹脂5aを充填する。詳しくは、射出成形機の射出部本体3を前進させ、ノズル3aを固定側型2bに形成されたスプルーブッシュ2eに当接させ、シリンダ3b内で溶融された溶融樹脂5aをインラインスクリュ3cで射出することにより、溶融樹脂5aが第1のキャビティc1に充填される。
そして、図1(d)に示すように、可動側型2aをさらに型閉方向に移動させることにより、第2のキャビティc2を形成する。このとき、第1のキャビティc1の容積が第2のキャビティc2の容積に減少することにより、キャビティ部2c及びコア部2dの表面から、溶融樹脂5aに型閉方向に均一に面圧が付与される。なお、第1のキャビティc1から第2のキャビティc2への移行は、第1のキャビティc1に溶融樹脂5aを充填した後に行っても、溶融樹脂5aを充填しながら行ってもよい。
第2のキャビティc2の容積は、第1のキャビティc1の容積に対して5%以上、さらには、10〜50%、とくには10〜40%小さいことが好ましい。容積の減少率が小さすぎる場合には、溶融樹脂を繊維構造体の繊維間の空隙に深く浸透させにくくなる傾向がある。また、容積の減少率が大きすぎる場合には、溶融樹脂を金型内で充分に広げる前に固化し始める傾向がある。このような場合には、固化し始めた溶融樹脂が圧し潰されるように金型内に広げられるために、溶融樹脂の流動が阻害されて繊維構造体の繊維間の空隙に浸透しにくくなる傾向がある。また、繊維構造体が溶融樹脂に引き伸ばされて末端部にシワが発生する等の外観不良を生じる傾向もある。
なお、図1においては、第1のキャビティc1を第2のキャビティc2に移行させる方法として、射出成形機の型開閉機構を制御することにより、可動側型2aと固定側型2bとを不完全に型閉じした状態で第1のキャビティc1を形成し、可動側型2aと固定側型2bとを不完全に型閉じした状態から可動側型2aと固定側型2bとをさらに型閉じすることにより第2のキャビティc2を形成する、いわゆる、射出プレス法を用いた方法を説明した。このような射出プレス法の代わりに、図2に示すように、油圧機構やエアシリンダ機構等の外部補助機構により、キャビティ方向に前進−後退可能な可動コア12dを可動側型12aと固定側型12bの何れか一方に有する射出成形用金型12を用い、図2(a)に示すように可動コア12dが後退した状態で第1のキャビティc1を形成し、図2(b)に示すように可動コア12dが前進した状態で第2のキャビティc2を形成する、可動コア方式の射出成形用金型12を用いたような方法であってもよい。可動コア方式の射出成形用金型を用いた場合には、型閉状態で可動コアのみを所定の距離だけ前進後退させることができる。前進後退距離の制御は、一般的な射出成形機の型開閉機構の制御プロセスにより制御できる。
射出される熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ABS系樹脂、PMMA樹脂のようなアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、各種ポリアミド系樹脂、ウレタン樹脂、COP樹脂等が挙げられる。また、これらは、フィラー等を配合したコンパウンド品や、複数種の樹脂をアロイ化またはブレンド化した混合品であってもよい。これらは用途に応じて適宜選択される。例えば、携帯電話、モバイル機器、家電製品等の筐体に用いる樹脂としては、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等の耐衝撃性に優れた樹脂が好ましく用いられる。樹脂のメルトフローレート(MFR)も特に限定されないが、例えば、230℃で5〜20g程度のものが好ましく用いられる。
射出成形条件(樹脂温度、金型温度、射出圧、射出速度、射出後の保圧、冷却時間)は、熱可塑性樹脂の熱特性や溶融粘度、成形体の形状等に応じて適宜設定される。
成形される射出成形体の厚さも特に限定されず、用途に応じて適宜選択される。例えば、携帯電話、モバイル機器、家電製品等の筐体に用いる場合には、0.3〜3mm、さらには0.5〜2mmが好ましい範囲として選ばれる。
そして、図1(e)に示すように、冷却工程において、可動側型2aと固定側型2bとを型閉じした状態で、第2のキャビティc2内のインモールド材1に一体化された射出成形体5を所定の時間冷却する。そして、図1(f)に示すように、可動側型2aと固定側型2bとを型開きすることにより、成形された射出成形体5と射出成形体5に積層されたインモールド材1とが一体化された積層成形体10が取り出される。そして、積層成形体10の不要な部分、具体的には、インモールド材の端部をトリミングしたり、スプルーゲートやランナーを切断除去したりすることにより、最終的な製品形状に整えられる。
次に、本実施形態の積層成形体の製造方法に用いられるインモールド材について詳しく説明する。
インモールド材の形態としては、本実施形態で参照する図1では、繊維構造体を含むシートを例示したが、シートに限定されず、不織布,織布,織物,編物等の繊維構造体のシート,または繊維構造体を含む人工皮革や合成皮革等の皮革様シートに予め賦形したプリフォーム成形体であってもよい。プリフォーム成形体は、人工皮革や合成皮革等の皮革様素材や、不織布や織物,紙等のシートを熱プレス成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形手段により賦形することにより得られる。また、インモールド材の厚さは、特に限定されないが、0.1〜2mm、さらには、0.2〜1mm程度であることが好ましい。
繊維構造体の繊維を形成する熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、変性PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−12等のポリアミド系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、塩素系ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、などのポリオレフィン系樹脂;エチレン単位を25〜70モル%含有する変性ポリビニルアルコール等から形成される変性ポリビニルアルコール系樹脂;及び、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの結晶性エラストマー等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、繊維構造体の繊維を形成する繊維の繊度は特に限定されず、1dtex超の通常繊維の繊度であっても、1dtex以下、さらには0.6dtex以下、とくには0.5dtex以下であるような極細繊維の繊度であってもよい。なお、極細繊維である場合には、緻密な繊維構造体を形成することができるために、充填される溶融樹脂が、インモールド材の表面まで染み出ることが抑制される点から好ましい。
また、繊維構造体は、形態安定性や充実感を向上させることを目的として、内部の空隙に高分子弾性体を含有してもよい。このような高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等の各種ポリウレタンや、アクリル系弾性体、ポリウレタンアクリル複合弾性体、ポリ塩化ビニル、合成ゴム等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタンが接着性や機械特性が優れる点から好ましい。
高分子弾性体の含有割合としては、0〜40質量%、さらには、5〜35質量%、とくには8〜30%であることが好ましい。高分子弾性体の含有割合が高すぎる場合には、賦形性が低下する傾向がある。
このような繊維構造体の一面に銀面調の樹脂層を積層形成した場合には、銀付皮革調の外観を有する銀面調皮革様シートが得られる。また、繊維構造体の一面を起毛処理することにより起毛調の外観を有する起毛調皮革様シートが得られる。
銀面調皮革様シートを形成する方法としては、繊維構造体の一面に乾式造面法やダイレクトコート法などの方法によりポリウレタン等の高分子弾性体を含む銀面調の樹脂層を形成する方法が挙げられる。乾式造面法は、離型紙などの支持基材上に高分子弾性体を含む樹脂膜を形成した後、その樹脂膜の表面に接着剤を塗布し、繊維構造体の一面に貼り合せて、必要によりプレスして接着し、離型紙を剥離することにより銀面調の樹脂層を形成する方法である。また、ダイレクトコート法は、高分子弾性体を含む液状樹脂または樹脂液を繊維構造体の一面に直接塗布した後、硬化させることにより銀面調の樹脂層を形成する方法である。
銀面調の樹脂層を形成する高分子弾性体としては、従来から銀面調の樹脂層の形成に用いられているポリウレタンやアクリル系弾性体等を用いることができる。その具体例としては、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等の各種ポリウレタンや、アクリル系弾性体、ポリウレタンアクリル複合弾性体、ポリ塩化ビニル弾性体、合成ゴム等が挙げられる。
また、起毛調皮革様シートを形成する方法としては、繊維構造体の表面をバフィング処理することにより起毛処理されたスエード調やヌバック調の加飾面を形成する方法が挙げられる。バフィング処理は、繊維構造体の表面をサンドペーパーやブラシ等で複数回擦ることで、繊維を起毛させる処理である。
なお、繊維構造体の見かけ密度は特に限定されないが、0.45g/cm3以上、さらには0.50〜0.85g/cm3、とくには0.50〜0.80g/cm3であることが好ましい。このように高い見かけ密度の場合には、薄くても均質性が高くなるために、射出成形により金型内のキャビティに充填される溶融樹脂が、繊維構造体を含むインモールド材の表面まで染み出ることが抑制される点から好ましい。
以上、説明した製造方法よれば、射出成形体と繊維構造体を含むインモールド材との積層成形体において、ゲート付近のように射出圧が伝わりやすい部分と、溶融樹脂の流動末端のように射出圧が伝わりにくい部分とにおける、剥離強力の差が小さくなる。その結果、射出成形体とインモールド材との局所的な剥離が抑制される。
本実施形態の積層成形体においては、射出成形により溶融樹脂が充填されたゲートの痕の中心から100mm以内の領域の任意の点における加飾層と射出成形体層との剥離強力と、ゲート痕の中心から100mm超の領域の任意の点における加飾層と射出成形体層との剥離強力と、の差が、20%以下、さらには15%以下であることが好ましい。このように、ゲートに近い部分とゲートから遠く離れた部分とにおける剥離強力の差が小さい場合には、射出成形体とインモールド材との局所的な剥離が抑制される。
また、本実施形態の積層成形体における、射出成形体層が繊維構造体に侵入している度合いとしては、積層成形体の垂直方向断面を1000倍で撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、射出成形体が繊維構造体に対して、15μm以上、さらには20μm以上侵入している侵入領域を有することが好ましい。なお、後述する実施例で詳しく説明するが、侵入領域は、積層成形体の垂直方向断面を1000倍で撮影したSEM写真において、射出成形体層から繊維構造体層に侵入している部分において、山の麓から頂上に向かうように入り込んでいる部分を意味し、侵入している距離は、山の麓から立ち上がる部分同士を結ぶ直線を引き、その部分に頂点から垂線を下したときの垂線の線分距離を意味すると定義する。
また、侵入領域は山の麓から立ち上がる部分同士を結ぶ直線を引いた幅(以下、侵入幅と称する)と、山の頂点からその直線に下した垂線の線分距離(以下、侵入深さと称する)とした場合に、全ての侵入領域の、侵入深さ/侵入幅が0.2以上、さらには0.4以上、とくには0.5以上であることが好ましい。観察される全ての侵入領域の、侵入深さ/侵入幅が0.2以上である場合には、アンカー効果が向上するために、インモールド材からなる加飾層と射出成形体層との剥離が充分に抑制される。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
スエード調の表面を有し、他の一面も起毛処理された人工皮革のシート(縦250mm×横250mm、厚さ0.5mm)を準備した。なお、スエード調の表面を有する人工皮革は、繊度0.08dtexで、Tg100℃の変性PETの極細繊維を含む、見かけ密度0.50g/cm3の(株)クラレ製のティレニーナEPFW1-45、を用いた。
そして、インモールド材として人工皮革のシートを用いてインモールド成形を行った。具体的には、電動直圧式成形機((株)名機製作所製のNADEM5000)に搭載された、印籠構造の射出成形用金型の可動側型と固定側型とを型開きした状態で、可動側型のキャビティ部に人工皮革のシートを配置した。なお、射出成形用金型の型閉時のキャビティ形状は、厚さ3mm(第2のキャビティの厚さ)で、縦250×横250mmの正方形の角板形状であった。
そして、完全に型閉じする位置よりも2mm開いた状態で可動側型と固定側型とを閉じた。そして、樹脂温度235℃、金型温度50℃、射出ピーク圧32MPaの条件でABS樹脂を射出してキャビティ内に充填した。そして、ABS樹脂の充填完了後にさらに型閉じした。型閉じした状態で166N/cm2の面圧力を付与しながら、60秒間の冷却時間を保持した後、型開きした。このとき、型閉じ後に形成された第2のキャビティの容積は、型閉じする位置よりも2mm開いた状態で形成された第1のキャビティの容積よりも40%小さいものであった。このようにして、ABS樹脂の射出成形体の表面に人工皮革のシートが一体化された積層成形体を得た。このとき得られた積層成形体の垂直方向断面の、射出成形体層と人工皮革層との接着面付近を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真を図3及び図4に示す。図3は200倍、図4は1000倍のときの写真である。また、図3及び図4において、(a)はゲートから80mmの位置、(b)はゲートから230mmの位置である。
図3のSEMの写真においては、人工皮革に含まれる不織布とABS樹脂との境界線を付している。図3の200倍のSEM写真を参照すれば、(a)のゲートから80mmの位置及び(b)のゲートから230mmの位置の何れの位置においても、人工皮革に含まれる不織布にABS樹脂が深く侵入している侵入領域が複数形成されていることがわかる。また、図4の1000倍のSEMの写真を参照すれば、斜線で囲った領域に示すように、(a)のゲートから80mmの位置及び(b)のゲートから230mmの位置の何れの位置においても、人工皮革に含まれる不織布にABS樹脂が深く侵入している侵入領域が形成されていた。また、各侵入領域は、(a)の侵入深さは28μm、(b)の侵入深さは24μmと19μmであり、何れも15μm以上侵入していた。また、図3に示すように、各侵入領域において、山の麓から立ち上がる部分同士を結ぶ直線を引いた侵入幅と、山の頂点からその直線に下した垂線の線分距離(侵入深さ)とした場合に、(a)のゲートから80mmの位置では、28/26=0.609、(b)のゲートから130mmの位置では、24/37=0.649、19/34=0.559であり、何れも鋭い角度で侵入していることがわかる。
また、次のような方法により、剥離強力、立毛状態、シワ発生を評価した。
〈剥離強力〉
積層成形体を、長さ125mm、巾20mmに切り出し、積層成形体を形成する人工皮革のシートを端部から長さ80mm程度剥離した。そして、人工皮革のシート及び射出成形体のそれぞれの端部を、初期間隔100mmに設定した引張試験機の上下それぞれのチャックに挟んで、引張速度5mm/分で引張試験を行って引張時間−剥離強力の曲線を得た。そして、引張時間−剥離強力の曲線において、剥離強力がほぼ一定となる領域の平均値を読み取り、その試験片の剥離強力値とした。なお、試験片はゲートから100mm以内及びゲートから150〜230mmの領域において、それぞれ試験片3個ずつ準備し測定した。そして、3個の剥離強力測定値を算術平均した値を剥離強力値とした。
〈立毛状態〉
積層成形体を形成する人工皮革のスエード調の立毛表面の状態を以下の基準で判定した。
A:立毛が圧し潰されておらず、整毛したときに自然な立毛が回復した。
B:立毛が圧し潰されており、リントブラシで整毛しても立毛が回復しなかった。
〈シワ発生〉
射出成形体の樹脂流動の末端付近である積層成形体の周縁部において、人工皮革にシワが発生していない場合をA,シワが発生したときをBと判定した。
以上の結果を表1に示す。
[実施例2〜7]
実施例1において、表1に示したように第2のキャビティの厚さ及び第1のキャビティから第2のキャビティへの移動距離を変更した以外は、実施例1と同様にして積層成形体を得、評価した。なお、第2のキャビティの厚さが2mmの実施例6及び実施例7においては、射出ピーク圧38MPaの条件でABS樹脂を射出した。
[比較例1]
実施例1で用いたものと同じ人工皮革のシートをインモールド材として用いてインモールド成形を行った。そして、実施例1で用いた電動直圧式成形機に代えて、直圧式油圧成形機((株)名機製作所製のM-100C-AS-DM)を準備した。そして、直圧式油圧成形機に実施例1と同様の印籠構造の射出成形用金型を搭載した。そして、射出成形用金型の可動側型と固定側型とを型開きした状態で、可動側型のキャビティ部に人工皮革のシートを配置した。そして、可動側型と固定側型とを完全に型締めした。そして、樹脂温度235℃、金型温度50℃、射出ピーク圧77MPaの条件でABS樹脂を射出してキャビティ内に充填した。そして、保圧4.0MPaを付与しながら、20秒間の冷却時間を保持した後、型開きした。このようにして、ABS樹脂の射出成形体の表面に人工皮革のシートが一体化された積層成形体を得、評価した。結果を表1に示す。また、このとき得られた積層成形体の垂直方向断面の、ABS樹脂の射出成形体と人工皮革との接着面付近を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真を図5及び図6に示す。図5はゲートから150mmの位置における200倍のSEM写真である。また、図6において、(a)はゲートから50mmの位置、(b)は150mmの位置における1000倍のSEM写真である。
図5の200倍のSEMの写真を参照すれば、ゲートから150mmの位置においては、人工皮革のシートに含まれる不織布にABS樹脂が深く侵入している侵入領域が認められなかった。また、図6の1000倍のSEMの写真を参照すれば、斜線で囲った領域に示すように、(a)のゲートから50mmの位置及び(b)の150mmの位置の何れの位置においても、人工皮革のシートに含まれる不織布にABS樹脂が浅く侵入している侵入領域が形成されていた。また、各侵入領域は、(a)の侵入深さは11μm、(b)の侵入深さも11μmであった。また、図6のSEMの写真を参照すれば、各侵入領域において、侵入幅と侵入深さの比は、(a)のゲートから50mmの位置では、11/37=0.297、(b)のゲートから150mmの位置では、11/68=0.162であり、何れも緩やかに侵入していることがわかる。
[比較例2]
表1に示したように第2のキャビティの厚さを2mmに変更し、射出ピーク圧90MPaの条件でABS樹脂を射出した以外は、比較例1と同様にして積層成形体を得、評価した。
表1を参照すれば、本発明に係る実施例1〜7の積層成形体の製造方法により得られた積層成形体は、何れもゲートから100mm以内と、ゲートから150〜230mmとにおける剥離強力の差が20%以下であった。特に、第1のキャビティから第2のキャビティへの容積減少率が14〜40%の実施例1〜3、及び実施例6は剥離強力の差が±15%以内であった。なお、容積減少率が50%の実施例4及び実施例7においては、第1のキャビティから第2のキャビティへの移動距離が大きいために、第1のキャビティから第2のキャビティへ移行する間にゲートから100mm以内の溶融樹脂が先に冷却されたために、ゲートから150〜230mmの方が剥離強力が高くなったが、面圧により剥離強力の差は16〜17%に抑えられ、全体としては均質性が高かった。
また、外観においては、第1のキャビティから第2のキャビティへの容積減少率が14〜40%の実施例1〜3及び実施例6は何れも立毛状態に優れ、シワの発生も見られなかった。これは、容積減少率が適度であったために充填圧力が高くなり過ぎなかったために人工皮革を金型表面に圧し付けたり、引き伸ばしたりするような力が掛かりにくかったためであると思われる。また、実施例4及び実施例7においては、第1のキャビティから第2のキャビティへ移行する間に溶融樹脂が冷却されたために、充填圧力が高くなり過ぎて人工皮革を金型表面に圧し付けたり、引き伸ばしたりするような力が掛かりやすくなったためであると思われる。また、比較例においては、溶融樹脂が殆ど冷却されずに人工皮革に接したために、溶融樹脂の熱により起毛が抑えられた状態で固定されたと思われる。
本発明は、携帯電話、モバイル機器の外装部品、自動車の内装部品、家具の装飾部品、などに使用される、人工皮革、天然皮革、テキスタイル、不織布、織布等を用いた加飾成形体を製造する分野に有用である。
1 インモールド材
2,12 射出成形用金型
2a,12a 可動側型
2b,12b 固定側型
2c キャビティ部
2d コア部
12d 可動コア
3 射出成形機の射出部本体
3a ノズル
3b シリンダ
3c インラインスクリュ
4 ゲート
5 射出成形体
5a 溶融樹脂
10,20 積層成形体
c1 第1のキャビティ
c2 第2のキャビティ

Claims (9)

  1. 繊維構造体を含むインモールド材を準備する工程と、
    射出成形用金型の可動側型と固定側型とを型閉じすることにより形成される第1のキャビティに前記インモールド材を収容する工程と、
    前記第1のキャビティの容積を前記可動側型と前記固定側型との型閉方向に減少させることにより、第2のキャビティを形成する工程と、
    前記第1のキャビティから前記第2のキャビティを形成するまでの間に、前記インモールド材の一面側から溶融樹脂を充填する工程と、
    を備えることを特徴とする積層成形体の製造方法。
  2. 前記第2のキャビティの容積は前記第1のキャビティの容積よりも5%以上小さい請求項1に記載の積層成形体の製造方法。
  3. 前記第1のキャビティは、前記可動側型と前記固定側型とを不完全に型閉じした状態で形成されており、
    前記第2のキャビティは前記不完全に型閉じした状態から前記可動側型と前記固定側型とをさらに型閉じすることにより形成される、請求項1または2に記載の積層成形体の製造方法。
  4. 前記可動側型と前記固定側型の何れか一方が、型開閉方向に前進−後退可能な可動コアを有し、
    前記第1のキャビティは前記可動コアが後退した状態で形成され、前記第2のキャビティは前記可動コアが前進した状態で形成される、請求項1または2に記載の積層成形体の製造方法。
  5. 前記繊維構造体の一面側は、起毛処理された面である請求項1〜4の何れか1項に記載の積層成形体の製造方法。
  6. 繊維構造体を含む加飾層と、前記加飾層の一面に一体化させた射出成形体層とを含む積層成形体であって、
    前記射出成形体層はゲート痕を有し、ゲート痕の中心から100mm以内の領域の任意の点における前記加飾層と前記射出成形体層との剥離強力と、ゲート痕の中心から100mm超の領域の任意の点における前記加飾層と前記射出成形体層との剥離強力と、の差が20%以内であることを特徴とする積層成形体。
  7. 前記射出成形体層に面する前記加飾層の一面が、前記繊維構造体の起毛面である請求項6に記載の積層成形体。
  8. 垂直方向断面を1000倍で撮影した走査型電子顕微鏡写真において、前記射出成形体層が前記繊維構造体に対して15μm以上侵入している侵入領域が観察される請求項6または7に記載の積層成形体。
  9. 前記侵入領域は、前記射出成形体層から前記繊維構造体に、山の麓から頂上に向かうように入り込んでいる形状を有し、前記山の麓から立ち上がる部分同士を結ぶ直線を引いたときの線分距離(侵入深さ)に対する、前記山の頂点から前記直線に垂線を下したときの垂線の線分距離(侵入幅)の比が0.2以上である、請求項8に記載の積層成形体。
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