JP6692612B2 - 加飾成形体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、人工皮革調の外観を有する加飾成形体の製造方法、詳しくは、人工皮革のプレフォーム成形体を金型のキャビティに配置し、インモールド射出成形することにより人工皮革調の外観を有する加飾成形体を製造する方法に関する。
車両、航空機等の内装部品、携帯電話,モバイル機器,家電製品の筐体、建材、家具等の外装部材として、人工皮革を表面に配した加飾成形体が知られている。人工皮革を表面に配した加飾成形体としては、繊維基材によるクッション性を備え、皮革の銀面に似せた樹脂層を積層された銀付調人工皮革を加飾面として有するものが知られている。
例えば、下記特許文献1は、繊度0.05デニール以上の繊維からなり厚み0.4〜1.0mmの人工皮革の背面に、厚み0.1〜0.6mmの剛性を有する補強シートを貼り合わせた銀付調触感を有するインサート材を予備成形により3次元形状にし、必要な形状に打抜いて射出成形金型内のキャビティ内に収めた後、インサート材の補強シート側から溶融状態の成形樹脂を射出することにより、少なくとも厚み0.2mm以上の樹脂成形品を成形すると同時にその表面にインサート材を一体化して得る人工皮革が表面に一体化された成形品の製造方法を開示する。
ところで、人工皮革に関するものではないが、下記特許文献2は、フィルムインサート成型において成形品の表面に凹凸模様を付与するための樹脂製の加飾フィルムであって、
凹凸模様が設けられた賦形層フィルムと、凹凸模様に密着した保護層フィルムからなり、賦形層フィルムと保護層フィルムが弱接着されているフィルムインサート成型用加飾フィルムを開示する。
特開2006−281592号公報 特開2013−43417公報
銀付調人工皮革の表層の樹脂層には、加飾性を向上させるためにエンボスによる型押しや、エンボス紙で樹脂層を形成することにより、立体的なエンボス凹凸が形成されることがあった。特許文献1に開示されたような方法により、立体的なエンボス凹凸を有する銀付調人工皮革を表面に配した加飾成形体を製造した場合、射出成形時の溶融樹脂から伝わる熱や金型の型温の影響により、加飾面が軟化して表層の樹脂層が伸びて立体的なエンボス凹凸が消失したり、凹部の深さが浅くなって、立体的な触感が失われたり、低下したりするという問題があった。
本発明は、エンボス柄のような凹凸面を消失させたり凹部の深さを浅くさせたりすることを抑制して、立体的な触感が維持された凹凸を有する銀付調の人工皮革を表層に有する加飾成形体を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、凹凸面を有するポリオレフィン系樹脂シートを該凹凸面が表出するようにポリエステル系樹脂シートに積層して積層一体化した積層構造を有する離型性樹脂シートの、該凹凸面に表面樹脂層を形成し、さらに表面樹脂層に極細繊維の不織布を含む繊維基材を積層して離型性樹脂シート付人工皮革を形成する工程と、離型性樹脂シート付人工皮革のプレフォーム成形体を成形する工程と、プレフォーム成形体を、ポリエステル系樹脂シートが金のキャビティの表面側に配されるように該キャビティ内に配置して、プレフォーム成形体の繊維基材側に溶融樹脂を射出してインモールド成形体を成形する工程と、インモールド成形体から離型性樹脂シートを剥離することにより、凹凸面を有する表面樹脂層を備える加飾成形体を得る工程と、を含む加飾成形体の製造方法である。このような製造方法においては、インモールド射出成形の際に射出成形時に金型表面から伝わる熱により、銀付調人工皮革の立体的なエンボス面の凹凸を消失させたり凹部の深さを浅くさせたりすることが抑制される。その結果、立体的な触感に優れたエンボス柄のような凹凸を有する人工皮革を表層に有する加飾成形体が得られる。
また本発明の他の一局面は、凹凸面を有する離型性樹脂シートの該凹凸面に、表面樹脂層及び極細繊維の不織布を含む繊維基材を順に積層させてなる離型性樹脂シート付人工皮革に三次元形状を賦形して得られた加飾成形用プレフォーム成形体である。
本発明によれば、エンボス面のような立体的な凹凸をしっかりと保持した樹脂層を備えた人工皮革を表層に有する加飾成形体が得られる。
図1は、離型性樹脂シート付人工皮革を製造するための各工程を示す説明図である。 図2は、プレフォーム成形の各工程を説明する模式断面図である。 図3は、インモールド成形の各工程を説明する模式断面図である。 図4は、加飾面が表出した加飾成形体40の模式断面図である。
本実施形態の加飾成形体の製造方法は、凹凸面を有する離型性樹脂シートの該凹凸面に表面樹脂層を形成し、さらに表面樹脂層に極細繊維の不織布を含む繊維基材を積層して離型性樹脂シート付人工皮革を形成する工程と、離型性樹脂シート付人工皮革に賦形してプレフォーム成形体を成形する工程と、プレフォーム成形体を金型のキャビティ内に配置して、プレフォーム成形体の繊維基材側に溶融樹脂を射出してインモールド成形体を成形する工程と、インモールド成形体から離型性樹脂シートを剥離することにより加飾成形体を得る工程と、を含む加飾成形体の製造方法である。
はじめに、本実施形態の加飾成形体の製造方法に用いられる離型性樹脂シート付人工皮革を製造する方法について図1を参照して詳しく説明する。
図1は、本実施形態の加飾成形体の製造方法で用いられる離型性樹脂シート付人工皮革を製造するための各工程を示す説明図である。図1中、1は極細繊維の不織布を含む繊維基材、2は凹凸面を有する樹脂層、2aは未硬化樹脂、3は人工皮革、4は凹凸面を有する離型性樹脂シートである。離型性樹脂シート4としては、基材となるポリエステル系樹脂シートである樹脂シート4bに凹凸面4aを有するポリオレフィン系樹脂シートを圧着して形成されたようなエンボスシートが用いられる。
離型性樹脂シート付人工皮革の製造方法においては、図1(a)に示すように、例えばシボ状の凹凸面を有する離型性樹脂シート4を準備する。そして、図1(b)に示すように、離型性樹脂シート4の凹凸面にポリウレタン等の高分子弾性体の未硬化樹脂2aを塗布する。そして、未硬化樹脂2aを加熱等して硬化させることにより、図1(c)に示すように、エンボス調の凹凸面を有する樹脂層2が形成される。そして、離型性樹脂シート上の樹脂層2に接着剤を塗布し、繊維基材1を貼り合せて、必要によりプレスして接着することにより、図1(d)に示すような、繊維基材1及び繊維基材1の一面に積層された凹凸面を有する銀付調の樹脂層2を含む人工皮革3と、人工皮革3に積層された離型性樹脂シート4と、を備える離型性樹脂シート付人工皮革10が得られる。
次に、離型性樹脂シート付人工皮革の製造に用いられる材料について詳しく説明する。
繊維基材は、好ましくは1dtex以下の繊度を有する極細繊維の不織布を含む。極細繊維の不織布は、1dtex以下、さらには0.01〜0.8dtex、とくには0.05〜0.5dtex、ことには0.07〜0.1dtexの繊度を有する極細繊維を含むことが好ましい。極細繊維の繊度が高すぎる場合には、離型性樹脂シート付人工皮革をプレフォーム成形する場合に、加熱による軟化時の延伸性が低下して、賦形性が低下する傾向がある。また、繊度が低すぎる場合には不織布の工業的な生産性が低下する傾向がある。
極細繊維の不織布の見掛け密度は0.45g/cm3以上、さらには0.45〜0.70g/cm3、とくには0.50〜0.65g/cm3であることが好ましい。不織布が、このように高い見掛け密度を有する場合にはインモールド成形において溶融樹脂を加飾面である樹脂層に到達させにくくでき、不織布内の空隙を保持した加飾成形体を得やすい。その結果、凹凸面に与える熱の影響が抑制されて、エンボス調の凹凸面を消失させたり凹部の深さを浅くさせたりすることが抑制される。なお、不織布の見掛け密度は、例えば、JIS L 1096 8.4.2(1999)に記載された方法で測定した目付の値を、JISL1096に準じて荷重240gf/cm2で測定した厚みの値で割って求めることができる。
不織布をこのように高い見掛け密度にするためには、極細繊維は、海島型複合繊維のような極細繊維形成性繊維を経て形成されるような、複数本の極細単繊維が集束してなる繊維束として存在することが好ましい。具体的には、例えば、5〜1000本、さらには5〜200本、特に好ましくは10〜50本、最も好ましくは10〜30本の極細繊維が繊維束として存在していることが好ましい。このように極細繊維が繊維束を形成して存在することにより、不織布の見掛け密度を高めることができる。
極細繊維を形成する樹脂成分の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−12等のポリアミド系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、塩素系ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、などのポリオレフィン系樹脂;エチレン単位を25〜70モル%含有する変性ポリビニルアルコール等から形成される変性ポリビニルアルコール系樹脂;及び、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの結晶性エラストマーが挙げられる。これらの中では、ガラス転移温度(Tg)が100〜120℃、さらには105〜115℃であるようなポリエステルがプレフォーム成形の際の賦形性に優れる点から好ましい。プレフォーム成形する場合に、Tgが高すぎる場合には、繊維の延伸性が低下して賦形性が低下する傾向があり、Tgが低すぎる場合には、軟化しすぎて固化に時間がかかる傾向がある。なお、Tgが100〜120℃のポリエステルとしては、芳香族ポリエチレンテレフタレートの構成単位に直鎖の構造を乱す共重合成分を構成単位として含有する変性ポリエチレンテレフタレート、特に、イソフタル酸、フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の非対称型芳香族カルボン酸や、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸を共重合成分として所定割合で含有する変性ポリエチレンテレフタレートが好ましい。さらに具体的には、モノマー成分としてイソフタル酸単位を2〜12モル%含有する変性ポリエチレンテレフタレートが好ましい。なお、Tgは、例えば、動的粘弾性測定装置(例えば、レオロジ社製FTレオスペクトラDDVIV)を用いて、幅5mm、長さ30mmの試験片を間隔20mmのチャック間に固定して、測定領域30〜250℃、昇温速度3℃/min、歪み5μm/20mm、測定周波数10Hzの条件で動的粘弾性挙動を測定することにより得られる。
また、極細繊維の繊維長は特に限定されないが、長繊維であることが見掛け密度を高めやすい点からとくに好ましい。ここで、長繊維とは、所定の長さで切断処理された短繊維ではないことを意味する。長繊維の長さとしては、100mm以上、さらには、200mm以上であることが、極細繊維の繊維密度を充分に高めることができる点から好ましい。極細繊維の長さが短すぎる場合には、繊維の高密度化が困難になる傾向がある。上限は、特に限定されないが、例えば、連続的に紡糸された数m、数百m、数kmあるいはそれ以上の繊維長であってもよい。また、これらの繊維は単独ではなく数種の繊維が混合されたものでもよい。
また、極細繊維を含む不織布は、含浸付与された高分子弾性体を含有することが好ましい。このような高分子弾性体はプレフォーム成形体の形状安定性を向上させる。このような高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン、アクリロニトリルエラストマー、オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アクリルエラストマー等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタン、とくには、架橋された非発泡ポリウレタンが好ましい。架橋された非発泡ポリウレタンは、プレフォーム成形する場合に金型から離型した後の弾性回復による変形を抑制する。その結果、深絞り形状のプレフォーム成形体を成形する場合にくっきりとしたシャープな角を賦形することができる点から好ましい。
架橋された非発泡ポリウレタンは、架橋性のポリウレタンの水系エマルジョンを用いて形成されることが好ましい。架橋性のポリウレタンの水系エマルジョンの具体例としては、例えば、乾燥後に架橋構造を形成する、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンの水系エマルジョンが挙げられる。
架橋された非発泡ポリウレタンとしては、DMF浸漬に対する質量減少率が5質量%以下、好ましくは3質量%以下であるような架橋された非発泡ポリウレタンであることがプレフォーム成形において、離型した後の弾性回復による変形が抑制される点から好ましい。なお、架橋された非発泡ポリウレタンのDMF浸漬に対する質量減少率は、ポリウレタン質量の100倍のDMF中に常温で24時間浸漬した後に、DMFをろ過し、得られたろ過物を乾燥してその質量を測定する。そして、下記式:
質量減少率(%)=(1−DMF浸漬後の重量/DMF浸漬前の重量)×100、により算出される。
不織布中の高分子弾性体の含有割合は不織布との合計量に対して5〜40質量%、さらには、8〜35質量%、とくには12〜30質量%の範囲であることがプレフォーム成形の賦形性に優れる点から好ましい。
不織布の厚さは、200〜800μm、とくには300〜600μm程度であることが好ましい。不織布が薄すぎる場合にはクッション性が低下したり、射出樹脂による熱が樹脂層に伝わりやすくなり、エンボス調の凹凸面が消失したり凹部の深さが浅くなったりする。また、不織布が厚すぎる場合には、加飾成形体も厚くなりすぎる傾向がある。
樹脂層を形成するための高分子弾性体としては、従来から銀付調の樹脂層の形成に用いられているポリウレタン、アクリル系弾性体、シリコーン系弾性体等を用いることができる。樹脂層の厚みは、特に限定されないが、60〜200μm程度であることが、機械的特性と風合いとのバランスを維持することができる点から好ましい。
離型性樹脂シートとしては、プレフォーム成形において型の形状に沿うように変形するとともに、インモールド成形により延伸しやすい熱可塑性の易剥離性の樹脂シートが用いられる。
凹凸面を有する離型性樹脂シートとしては、PETシートのようなポリエステル系樹脂シート等の平滑な樹脂シートにエンボスロールでポリオレフィン樹脂シートに凹凸を形成させながら圧し当てて圧着させ、貼り合わせたのち、冷却するような方法により得られるようなシートが用いられる。また、凹凸面は離型性を考慮して、例えばシリコーン系やフッ素系等の離型剤で離型性付与処理がされていてもよい。
離型性樹脂シートの厚みとしては、50〜1000μm、さらには150〜800μm、とくには250〜650μm程度であることが好ましい。離型性樹脂シートが厚すぎる場合にはプレフォーム成形の成形性が低下する傾向があり、離型性樹脂シートが薄すぎる場合には効果が充分に得られなくなる傾向がある。
エンボス調の凹凸面である加飾面は、凹凸面の凹部を充填するように離型性樹脂シートで保護されている。加飾面である凹凸面がこのような離型性樹脂シートで保護されていることにより、インモールド成形時に凹凸面を消失させたり凹部の深さを浅くさせたりすることが抑制される。すなわち、凹凸面の凹部が離型性樹脂シートに密着しているために凹部が支持されて、射出成形時の熱によっても凹凸が消失しにくくなる。
本実施形態における離型性樹脂シートを剥離した状態の人工皮革の全体厚みとしては、300〜1300μm、さらには400〜1200μm、とくには600〜1100μm程度であることが好ましい。全体厚みが薄すぎる場合には、凹部が消失したり、浅くなったりしやすくなる傾向がある。
そして、本実施形態の加飾成形体の製造方法で用いられるプレフォーム成形体は、上述したような離型性樹脂シート付人工皮革を三次元形状に熱プレス成形することにより製造される。
図2を参照して、離型性樹脂シート付人工皮革をプレフォーム成形する工程について説明する。プレフォーム成形においては、はじめに、図2(a)に示すように、上金型7aと下金型7bとの間に、離型性樹脂シート4が下金型7bに対向するようにして離型性樹脂シート付人工皮革10を配置し、離型性樹脂シート付人工皮革10を加熱することにより軟化させる。そして、図2(b)に示すように上金型7aと下金型7bとを型締めすることにより、離型性樹脂シート付人工皮革10に賦形する。そして、冷却することにより、プレフォーム成形体の中間成形体21が形成される。
そして、図2(c)に示すように上金型7aと下金型7bとを型開きすることにより、中間成形体21を離型する。このようにして、中間成形体21が取り出される。
このような中間成形体21をそのままプレフォーム成形体として用いてもよいが、不要な部分をトリミングして除去することにより、予めトリミング処理されたプレフォーム成形体20に仕上げることが好ましい。プレフォーム成形体が予めトリミング処理されて、加飾成形体の輪郭を形成するように成形されている場合には、射出成形後にトリミング処理する場合のように、得られる加飾成形体の輪郭の端面に切断面が形成されず、射出成形により形成された耐摩耗性の高い樹脂が端面を形成する点から好ましい。なお、射出成形後に加飾成形体をトリミング処理した場合には、通常、端面に人工皮革の切断面が現れる。このような場合には、人工皮革を形成する繊維や高分子弾性体のような耐摩耗性が低い素材が端面に現れるために、端面の耐摩耗性が低下する傾向がある。図2(d)に示すように、不要な部分をトリミングして除去することにより、予めトリミング処理されたプレフォーム成形体20が得られる。
次に、図3を参照して、プレフォーム成形体を用いて射出成形によりインモールド成形することにより、凹凸面を有する銀付調の人工皮革を表層に備える加飾成形体を成形する工程について説明する。
図3(a)に示すように、金型17は、キャビティCを備える可動側金型17aと、固定側金型17bとを備える。また、可動側金型17aと固定側金型17bとの間にはストリッパプレート17cが配置されている。はじめに、離型性樹脂シート4で保護されたエンボス調の凹凸面を有する離型性樹脂シート付人工皮革10のプレフォーム成形体20を、離型性樹脂シート4がキャビティCを形成する可動側金型17aの表面に面するように配置する。
キャビティ内部にプレフォーム成形体を配置する方法は特に限定されないが、位置決めのためにプレフォーム成形体はキャビティ内部で固定されていることが好ましい。プレフォーム成形体がキャビティ内部で固定されていない場合、次工程での射出成形時に、射出樹脂の流動に伴ってプレフォーム成形体がキャビティ内部で位置ズレをおこすおそれがある。プレフォーム成形体をキャビティ内部に固定する方法の具体例としては、例えば、可動側金型の表面に粘着剤で固定する方法や、プレフォーム成形体の成形体の形状に含まれる孔部や凹部をその形状に一致する可動側金型のコアにはめ込んで固定するような方法が挙げられる。
そして、図3(b)に示すように、射出成形により金型17内のプレフォーム成形体20の離型性樹脂シートが配された面に対する裏面側に溶融樹脂31aを射出することにより、プレフォーム成形体20を表面で一体化したインモールド成形体を成形する。詳しくは可動側金型17aと固定側金型17bとを型締めし、射出成形機15のシリンダ18をノズル16が固定側金型17bのスプルーブッシュ17fに接触するまで前進させて、射出成形機のシリンダ18内で溶融された溶融樹脂31aをスクリュー19で射出することにより、金型17内に溶融樹脂31aを射出して射出成形する。射出された溶融樹脂31aは、金型17内の樹脂流路Rを流れてキャビティC内に流入し、充填される。このとき、人工皮革3を形成する極細繊維の不織布を含む繊維基材1に溶融樹脂31aが適度に浸透するために、射出成形により成形される射出成形体31が投錨効果による高い接着性を維持するようにプレフォーム成形体20と一体化される。
インモールド射出成形で射出される、射出成形体を成形するための樹脂としては、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、各種ポリアミド系樹脂のような各種熱可塑性樹脂が特に限定なく用いられ、用途に応じて適宜選択される。例えば、携帯電話、モバイル機器、家電製品等の筐体に用いる樹脂としては、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等の耐衝撃性に優れた樹脂が好ましく用いられる。
射出成形条件は、射出する樹脂の融点および溶融粘度、成形体の形状、および樹脂厚みに応じて流動末端部まで樹脂流動が可能な条件(樹脂温度、金型温度、射出圧力、射出速度、射出後の保持圧力、冷却時間)が適宜選択される。
そして、射出終了後、図3(c)に示すように、溶融樹脂31aが冷却されて射出成形体31が形成され、プレフォーム成形体20が一体化されたインモールド成形体30が成形される。そして、図3(d)に示すように、金型17を型開きすることにより、可動側金型17aと固定側金型17bとが隔離されて、ランナー32及びインモールド成形体30が取り出される。このようにして、離型性樹脂シート4で保護されたエンボス調の凹凸面を有するインモールド成形体30が得られる。
そして、図4に示すように、離型性樹脂シート4で保護されたインモールド成形体30から、離型性樹脂シート4を剥離することにより、人工皮革調の凹凸面が表出した加飾成形体40が得られる。離型性樹脂シートの剥離方法は、特に限定されず、手で剥離したり、専用の剥離設備を用いて剥離する等、特に規定されない。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例]
シボ模様のエンボス調の深さ20μm程度の凹凸面を有する離型性樹脂シートを準備した。なお、離型性樹脂シートは、厚さ200μmのPETシート上に厚さ50μmのポリオレフィンシートを積層し、ポリオレフィンシート側からエンボスロールを圧し当てて凹凸を形成させながら積層一体化された、厚さ250μmのシートである。
そして、離型性樹脂シートの凹凸面にポリカーボネート系無黄変タイプのポリウレタン樹脂の溶液を塗布し、80℃で10分間乾燥することにより厚み30μmのポリウレタン膜を形成した。そして、形成されたポリウレタン膜の表面に、着色剤を含有するポリカーボネート系無黄変タイプの2液硬化型ポリウレタン溶液をさらに塗布し、50℃で3分間乾燥することにより厚み120μmポリウレタン膜を形成した。このようにして離型性樹脂シートの凹凸面に総厚み150μmの銀面調の樹脂層を形成した。
一方、長繊維の海島型複合繊維の不織布から海成分を除去することにより得られた、単繊維繊度0.08dtexの極細繊維の繊維束(平均25本/束)を絡合させた見掛け密度0.53g/cm3の不織布に、DMF浸漬に対する質量減少率が0.5質量%である、架橋された非発泡ポリウレタンを含浸付与して形成された厚み500μmの繊維基材を準備した。なお、極細繊維はTg110℃のイソフタル酸変性ポリエステルからなり、非発泡ポリウレタン/不織布の質量比は15/85であった。
そして、離型性樹脂シートの凹凸面に形成された銀面調の樹脂層に繊維基材を貼り合わせ、80℃で2分間加熱し、その後、40℃で3日間エージングした。このようにして凹凸面を有する離型性樹脂シート付人工皮革が得られた。
得られた離型性樹脂シート付人工皮革を用いて、スマートフォンのカバーの筐体の形状のキャビティを有する金型を用いてプレフォーム成形体を成形した。なお、プレフォーム成形は、温度150℃に加熱された一対の金型の下金型に離型性樹脂シート付人工皮革を配置し、0.4MPaの圧力でプレスして成形した。このようにしてプレフォーム成形体を得た。
そして、得られたプレフォーム成形体を、その離型性樹脂シートが金型表面に接触するように、射出インモールド成形機のインモールド金型の、プレフォーム成形体の形状に沿った形状を有するキャビティ内に配置し、樹脂温度235℃、金型温度30〜50℃の条件でABS樹脂を射出成形した。このようにして、リモコン筐体の形状を有するインモールド成形体を得た。そして、インモールド成形体の表層の離型性樹脂シートを手で剥離することにより人工皮革調の凹凸面を有する加飾成形体を得た。得られた凹凸面の深度を測定したところ、深さ20μm程度であった。また、得られた加飾成形体の表面の触感は、人工皮革の風合いを有し、凹凸面にクッション感が感じられた。
[比較例]
実施例で製造したものと同様の離型性樹脂シート付人工皮革から離型性樹脂シートを手で剥離することにより凹凸面を有する人工皮革を得た。
そして、実施例において離型性樹脂シート付人工皮革を用いた代わりに、離型性樹脂シートを剥離して得られた人工皮革を用いた以外は、実施例と同様にしてプレフォーム成形体を成形し、さらに、インモールド成形することにより人工皮革調の凹凸面を有する加飾成形体を得た。得られた凹凸面の深度を測定したところ、深さ2μm程度であった。また、得られた加飾成形体の表面の触感は、人工皮革の風合いを有していたが、凹凸面にクッション感及び凹凸感が明確には、感じられなかった。
本発明は、車両内装材、携帯端末本体(スマートフォン、タブレットPC)およびそのケース、カバーなどのアクセサリ、電子機器の筐体、化粧品ケースなどの射出成形体の表面を加飾できる。
1 繊維基材
2 樹脂層
2a 未硬化樹脂
3 人工皮革
4 離型性樹脂シート
4a 凹凸面
4b 樹脂シート
7 プレフォーム成形金型
7a 上金型
7b 下金型
10 離型性樹脂シート付人工皮革
15 射出成形機
16 ノズル
17 (射出成形)金型
17a 可動側金型
17b 固定側金型
17c ストリッパプレート
17f スプルーブッシュ
18 シリンダ
19 スクリュー
20 (トリミング処理された)プレフォーム成形体
21 プレフォーム成形体の中間成形体
31 射出成形体
31a 溶融樹脂
32 ランナー
30 インモールド成形体
40 加飾成形体

Claims (1)

  1. 凹凸面を有するポリオレフィン系樹脂シートを該凹凸面が表出するようにポリエステル系樹脂シートに積層して積層一体化した積層構造を有する離型性樹脂シートの、該凹凸面に表面樹脂層を形成し、さらに前記表面樹脂層に極細繊維の不織布を含む繊維基材を積層して離型性樹脂シート付人工皮革を形成する工程と、
    前記離型性樹脂シート付人工皮革のプレフォーム成形体を成形する工程と、
    前記プレフォーム成形体を、前記ポリエステル系樹脂シートが金のキャビティの表面側に配されるように該キャビティ内に配置して、前記プレフォーム成形体の前記繊維基材側に溶融樹脂を射出してインモールド成形体を成形する工程と、
    前記インモールド成形体から前記離型性樹脂シートを剥離することにより、凹凸面を有する前記表面樹脂層を備える加飾成形体を得る工程と、を含むことを特徴とする加飾成形体の製造方法。
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