JP2611775C - - Google Patents

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JP2611775C
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Nissen Chemitec Corp
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は自動車内装材や電気製品に用いられる外観のすぐれた表皮層を有する熱
可塑性樹脂成形体およびその製造方法に関する。 〈従来技術〉 従来より、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂基材に表皮材を積層することにより、
その美観、ソフト感等を高めて高級化した成形品は広く用いられている。 これらの表皮付き成形品を製造する方法としては、予めポリオレフィン系熱可塑 性樹脂を射出成形等の種々の成形法により賦形した成形品の上に表皮材を真空成
形等により賦形するか、もしくは同時賦形しながら接着剤を使用して接着積層化
する方法がある。また、他の方法としては表皮材を成形用の雌雄一対からなる金
型間に設置し、金型を閉じた後加熱溶融した熱可塑性樹脂を金型のゲートより金
型内に射出して前記表皮材と積層させ、冷却後金型を開いて成形品を取り出す方
法も知られている。 〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、前記の方法には次のような欠点があることが知られている。 前者の方法では接着剤を使用するため工程が複雑になり高価なものとなる上に、
接着剤に使用される溶剤、分散剤等による環境汚染の恐れもある。後者において
は、溶融樹脂が金型内に射出され表皮材に高温でかつ、高圧の溶融樹脂が接触し
て金型表面に表皮材を強く押圧するため、表皮材の表面が変色したり、模様が変
形したり、起毛がある織布においては毛倒れ、毛流れ等によって外観が損なわれ
る。さらに、場合によっては表皮層に溶融樹脂が含浸して商品価値をなくしてし
まうこともある。前記のような欠点あるいは表皮の柔軟性が損なわれるような欠
点を防ぐ目的で、熱可塑性樹脂と同種のプラスチックよりなる保護層を形成した
表皮材を用いることも提案されている(特開昭54−71161号公報)。 しかしながら、これらバッキング材あるいは保護層を使用した場合には表皮の外
観を保つことはできるが成形品に反りが発生し、商品価値を失い易いといった問
題があった。 さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を接着剤層とする方法も知られている(
特開昭56−109759号公報、同56−106790号公報)が、この方法
は接着剤層の軟化温度が25〜50℃と非常に低く、雰囲気温度が数十℃になれ
ば接着力が著しく低下して、僅かの外力で表皮層が基材樹脂と離れたり位置づれ
を起こし易いため、車内温度が60℃以上にもなるような自動車用の内装材とし
ては耐熱性の点で実用上問題がある。 本発明はかかる欠点のない、高品質の表皮付き熱可塑性樹脂成形体およびその製
造方法を提供することにある。 〈問題点を解決するための手段〉 すなわち本発明は、 (1)a.ポリオレフィン系熱可塑性樹脂 b.熱可塑性樹脂と相溶性があり、かつヤング率が3,000kg/cm2以下の
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂中間層、および c.表皮(但し、発泡体層を裏打ちしたものを除く) からなる表皮付き成形体 を提供するものであり、また、その製造方法として (2)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を金型間にて成形する方法において、該熱可
塑性樹脂と相溶性があり、かつヤング率が3,000kg/cm2以下のポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂中間層にて裏打ちされた表皮(但し、
発泡体層を裏打ちしたものを除く)を成形用金型間に配置し、金型が未閉鎖の状
態にて加熱溶融熱可塑性樹脂を表皮の裏面と一方の金型の間に供給し、ついで両
金型を合して成形することからなる表皮付き成形体の製造方法 を提供するものである。 以下、具体的に本発明について説明する。 本発明において、基材として使用されるポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、圧縮
成形、射出成形あるいは押出成形などにおいて通常使用されているポリオレフィ
ン系熱可塑性樹脂のいずれも用いることができ、かかる樹脂として例えば高密度
ポリエチレン等各種ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンを主成分とする
各種共重合体、各種ポリオレフィン系ポリマーアロイまたはこれらの混合物が挙
げられる。 このようなポリオレフィン系熱可塑性樹脂には、無機充填剤、ガラス繊維等の各
種充填剤、顔料、滑剤、帯電防止剤、安定剤などの各種添加剤を必要に応じて配
合することができる。 本発明に用いられる表皮は、目的とする製品に応じて適宜選ばれ、特に限定され
ないが、自動車内装材や電気製品用の成形体を目的とする場合には装飾性を有し
、ソフト感のあるものが好ましく用いられる。 かかる特性を備えている表皮として、非通気性表皮としては各種樹脂のシートや
フィルム(以下、シートやフィルムを総称してシートと呼ぶ)が、通気性表皮と しては織布や不織布などが挙げられる。 樹脂シートとしては塩化ビニル系樹脂シートが代表的であり、かかる塩化ビニル
系樹脂シートは、塩化ビニル重合体、塩化ビニルを主成分とする塩化ビニル系共
重合体またはこれらの混合物に必要に応じて他の熱可塑性樹脂、安定剤、可塑剤
等の各種添加剤、配合剤を適宜加えて得られる塩化ビニル系樹脂組成物を、カレ
ンダー法、連続押出成形法等によってシート化することによって製造される。 シートの厚みは0.01〜2mm、特に0.01〜1mmが好ましい。 通気性表皮である織布を構成する繊維は綿、麻、毛、絹等の天然繊維はもちろん
のこと、ポリアミド、ポリエステル等の合成繊維も使用することができ、これら
の繊維は単独であるいは混紡して種々の方法により織布とすることができ、この
ような織布としては、平織り、モケット、トリコットなどの織物や編物を挙げる
ことができる。 また、不織布は天然繊維からのものであっても合成繊維からのものであっても使
用することができ、その製造法も限定されることはない。 本発明における樹脂中間層は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーであって
、ヤング率が3,000kg/cm2以下であり、かつ使用される熱可塑性樹脂
と相溶性のあるものが選定され、通常はシートあるいはフィルムとして使用され
る。 このような樹脂中間層は、通常は、上記したポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マーからなる樹脂シートを表皮に裏打ちして使用される。 裏打ち方法としては、たとえばこのような樹脂シートをTダイシート製造装置に
て製造し、これを接着剤を用いて表皮裏面に貼り合わせてもよいし、該シートを
Tダイシート製造装置で製造しながら表皮にラミネートしてもよい。 尚、かかるシートの厚みは特に限定されないが、薄すぎると、成形に際しての溶
融ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の供給時に該溶融樹脂の熱と供給圧力で破れ易
くなったり、破れないまでも断熱効果が不十分になって表皮の外観を損ない易く
、また、厚すぎると溶融樹脂による該シートへの加熱が不十分となって該シート
と基材となるポリオレフィン系熱可塑性樹脂との接着性が低下し易くなることか
ら、好ましくは0.1〜1mm程度である。 次に、本発明の表皮付き成形体の製造方法について説明する。 成形方法としては射出成形法や圧縮成形法など公知の方法が適用し得るが、表皮
の外観、風合い保持の点で圧縮成形法による方法がより好ましい。 かかる圧縮成形法による場合には、例えば、基材となるポリオレフィン系熱可塑
性樹脂と相溶性があり、かつヤング率が3,000kg/cm2以下のポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーや特殊軟質ポリオレフィンからなる樹脂シートにて裏
打ちされた表皮を成形用金型間に配置し、金型が未閉鎖の状態で、加熱溶融され
たポリオレフィン系熱可塑性樹脂を表皮の裏面と一方の金型の間に供給し、つい
で両金型を合わして(型締して)成形される。 〈実施例〉 以下、本発明を実施例で説明するが、これらは例示的なものであり本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。 実施例1 第1図に示した圧縮成形装置を使用して表皮付き成形体(第2図に断面図で示し
たフランジ付箱)を製造した。 まず、パイル地がナイロン繊維であるモケット(川島織物社製、モケット25、
厚み2.5mm)に接着剤で0.5mm厚さの熱可塑性エラストマーシート(住
友化学社製、住友TPE#1800をTダイシート製造装置によりシート化して
得た。ヤング率900kg/cm2)を貼り合わせた表皮材1を、下方に位置する雌
金型5の合わせ面2に、表面(モケット側)を下向きにして載置した。(第1図
a) 次いで、雄金型3に付属している表皮材固定板13でスプリング圧により表皮材
を雌金型合わせ面2に固定した。 スクリュウインライン式射出装置6により所定量の溶融プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体(住友化学社製、住友ノーブレンAZ864、メルトインデック
ス30g/10分)を雄金型内の樹脂供給ゲート4から表皮材の裏面(熱可塑性
エラストマーシート側)上に供給した。このときの溶融樹脂の温度は約230℃
であった。(第1図b) 溶融樹脂を供給した時点で雌金型5を上昇させて両金型を閉鎖した。(第1図c ) このときの面圧(キャビティ内に作用する平均樹脂圧)は100kg/cm2であっ
た。 得られた表皮(モケット層)付きプロピレン成形品の断面図を第2図に示すが、
このものは比較的複雑な形状を有しているにもかかわらず、反りがなく、表皮に
しわや破れがなく、モケット表面の毛倒れも、ポリプロピレンの滲透もなく優れ
た外観を保持していた。 比較例1 熱可塑性エラストマーシートを用いない以外は実施例1と同様にして表皮付き成
形体を得た。 得られた成形体は、表皮であるモケット表面の毛流れが起こり、かつ、表皮の色
が黄色味を帯びていた。また、表皮の表面にポリプロピレンが部分的に滲出し、
外観不良であった。 比較例2 熱可塑性エラストマーの代わりに0.5mmのポリプロピレンシート(住友化学
社製、住友ノーブレンAS171AからTダイシート製造装置によりシート化し
て得た。ヤング率6,000kg/cm2)を用いる以外は実施例1と同様にして表
皮付き成形体を得た。 得られた成形体は、表面外観は良好であったが、大きな反りが発現し、商品価値
がないものであった。 実施例2 表皮層としてモケット25の代わりにポリプロピレン不織布(林テレンプ社製、
プレーンニーパン、単位重量300g/m2)を用いる以外は実施例1と同様に
して表皮付き成形体を得た。 得られた成形体は反りもなく、優れた外観を有していた。 比較例3 熱可塑性エラストマーを貼り合わせていないポリプロピレン不織布(プレーンニ
ーパン)のみを用いる以外は実施例1と同様にして表皮付き成形体を得た。得ら
れた成形体の表皮層にはポリプロピレンが滲出し、外観不良であった。
【図面の簡単な説明】 第1図a〜cは表皮付き成形体製造の概要を示す断面図である。 第2図は実施例1で得られた成形品の断面図である。 1:表皮材 2:雌金型合わせ面 3:雄金型 4:樹脂供給ゲート 5:雌金型 6:インライン式射出機 7:表皮付き成形体 8:表皮 9:樹脂中間層 10:熱可塑性樹脂 13:表皮材固定板

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)a.ポリオレフィン系熱可塑性樹脂 b.熱可塑性樹脂と相溶性があり、かつヤング率が3,000kg/cm2以下の
    ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂中間層、および c.表皮(但し、発泡体層を裏打ちしたものを除く) からなることを特徴とする表皮付き成形体。 (2)表皮が非通気性表皮である特許請求の範囲第1項に記載の表皮付き成形体。 (3)表皮が塩化ビニル系樹脂シートである特許請求の範囲第1項または第2項に
    記載の表皮付き成形体。 (4)表皮が通気性表皮である特許請求の範囲第1項に記載の表皮付き成形体。 (5)通気性表皮が織布または不織布である特許請求の範囲第4項に記載の表皮付
    きき成形体。 (6)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を金型間にて成形する方法において、該熱可
    塑性樹脂と相溶性があり、かつヤング率が3,000kg/cm2以下のポリオレフ
    ィン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂中間層にて裏打ちされた表皮(但し、
    発泡体層を裏打ちしたものを除く)を成形用金型間に配置し、金型が未閉鎖の状
    態にて加熱溶融熱可塑性樹脂を表皮の裏面と一方の金型の間に供給し、ついで両
    金型を合して成形することを特徴とする表皮付き成形体の製造方法。

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