JP2000313096A - 多層成形品およびその製造方法 - Google Patents
多層成形品およびその製造方法Info
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Abstract
合できるという射出成形法や射出プレス成形法の利点を
活かしつつ、ウレタン発泡層を有する表皮材を使用する
場合であっても、発泡層の潰れによりクッション性が損
なわれることもなく、低コストで多層成形品基材を製造
する。 【解決手段】一対の金型間に表皮材を供給し、表皮材と
一方の金型の金型成形面との間に溶融状熱可塑性樹脂を
供給して、熱可塑性樹脂からなる基材の表面の少なくと
も一部に表皮材が貼合一体化されてなる多層成形品を製
造する方法において、表皮材として少なくとも密度の異
なる2種のウレタン発泡層が積層された発泡層を有する
表皮材を使用し、該表皮材を高密度ウレタン発泡層側が
溶融状熱可塑性樹脂を供給する側の金型成形面と相対す
るように供給して多層成形品を製造する。
Description
なる基材の表面の少なくとも一部に表皮材が貼合一体化
されてなる多層成形品およびその製造方法に関する。
層を有する表皮材が貼合一体化されてなる多層成形品
は、自動車内装部品(たとえばドアトリムやインストル
メントパネル)や家電製品の内外装部品その他の広い分
野で多く使用されている。
ては、たとえば射出成形や射出プレス成形等の種々の方
法により予め製造した基材の上に、表皮材を接着剤等を
使用して接着積層する方法や、一対の金型間に表皮材を
供給したのち溶融状熱可塑性樹脂を供給して所望の形状
に賦形すると同時に基材表面に表皮材を貼合一体化する
方法などが知られている。
方法は工程が複雑なうえに接着剤に含まれる溶剤による
人体や環境等への問題があり、また、後者の方法は、基
材を形成すると同時にその表面に表皮材が貼合できると
いう利点はあるが、溶融状熱可塑性樹脂が金型内に供給
された際に高温、高圧の溶融樹脂が表皮材に接触し、ま
た、金型成形面に表皮材が強く押圧されるために、得ら
れた表皮材の風合いが損なわれ、特に表皮材としてウレ
タン発泡層を有する表皮材を使用した場合には発泡層が
潰れてクッション性が損なわれるという問題がある。
層を有する表皮材を使用する場合に、ウレタン発泡層の
密度を高くしたり、厚みを厚くすることによって、発泡
層を潰れにくくしたり、表皮側への発泡層の潰れの影響
を小さくすることが提案されているが、これらの方法で
は触感が硬くなったり、コスト高になるとういう問題が
あり、満足しえるものではなかった。
本発明者らは、基材を形成すると同時にその表面に表皮
材が貼合できるという射出成形法や圧縮成形法などの利
点を活かしつつ、ウレタン発泡層を有する表皮材を使用
する場合であっても、発泡層の潰れによりクッション性
が損なわれることもなく、低コストで得られる多層成形
品およびその製造法について検討の結果、本発明に至っ
た。
塑性樹脂からなる基材の表面の少なくとも一部に表皮材
が貼合一体化された多層成形品であって、該表皮材が少
なくとも密度の異なる2種のウレタン発泡層が積層され
た発泡層を有しており、かつ、低密度ウレタン発泡層が
成形品の表面側に、高密度ウレタン発泡層が基材側に位
置してなることを特徴とする多層成形品を提供するもの
であり、また、一対の金型間に表皮材を供給し、表皮材
と一方の金型の金型成形面との間に溶融状熱可塑性樹脂
を供給して、熱可塑性樹脂からなる基材の表面の少なく
とも一部に表皮材が貼合一体化されてなる多層成形品を
製造する方法において、表皮材として少なくとも密度の
異なる2種のウレタン発泡層が積層された発泡層を有す
る表皮材を使用し、該表皮材を高密度ウレタン発泡層側
が溶融状熱可塑性樹脂を供給する側の金型成形面と相対
するように供給することを特徴とする多層成形品の製造
方法を提供するものである。
その製造方法について説明する。
る基材の表面の少なくとも一部に表皮材が貼合一体化さ
れた多層成形品であって、該表皮材が少なくとも密度の
異なる2種のウレタン発泡層が積層された発泡層を有し
ており、かつ、低密度ウレタン発泡層が成形品の表面側
に、高密度ウレタン発泡層が基材側に位置した構成とな
っている。
常、軟質あるいは半硬質のポリウレタンフォ−ムからな
り、密度の異なる2種類のフォ−ム層から構成されてい
る。このウレタン発泡層は、密度の異なる2種のフォ−
ム層を接着等により積層したものであってもよいし、密
度の異なる2種のフォ−ム層が一体的に製造されたもの
であってもよい。また、高密度発泡層側と低密度発泡層
側との間で密度は連続的に変化していてもよく、さらに
は、これら密度の異なる2種のフォ−ム層は、両層が直
接積層されていてもよいし、適宜のシ−トやフィルムを
介して積層されていてもよい。
密度の異なる2種のフォ−ム層のみからなるものであっ
てもよいが、通常は、成形品表面の意匠性などの点で、
低密度ウレタン発泡層側にさらに表皮層が接着剤による
接着や熱融着などにより積層された表皮材が好ましく使
用される。また、基材側となる高密度ウレタン発泡層側
には、不織布や合成樹脂シ−ト、フィルムなどの裏打ち
材が適宜裏打ちされていてもよい。いずれにしても、本
発明において適用される表皮材は上記したような密度の
異なる2種のフォ−ム層を少なくとも有していることが
必要であって、この要件を満たしておれば、表皮材が3
層以上からなるものであっても何ら差し支えない。
ン発泡層側に表皮層が位置した場合には、成形時には低
密度ウレタン発泡層側が溶融状熱可塑性樹脂と直接ある
いは裏打ち材を介して接触するため、溶融樹脂の熱や圧
力により発泡層が潰れ、触感が硬くなるため、低密度ウ
レタン発泡層が表皮層側になるようにし、溶融状熱可塑
性樹脂による熱の影響を受けやすい基材側が高密度ウレ
タン発泡層となるようにする必要がある。
はモケット、トリコット等の織物や編み物、ニ−ドルパ
ンチカ−ペット等の不織布、金属フォイル、熱可塑性樹
脂や熱可塑性エラストマ−からなるシ−トやフィルムが
挙げられる。
しては、不織布や合成樹脂からなるシート、フィルムな
どが用いられる。不織布を構成する繊維としては、綿、
毛、絹、麻等の天然繊維、あるいはポリアミド、ポリエ
ステル、ナイロン等の合成繊維が挙げられ、これらを単
独であるいは混紡して種々の方法により不織布としたも
のが用いられ、例えばニードルパンチ式、サーマルボン
ド式、スパンボンド式、メルトブロー式、スパンレース
式等の不織布が挙げられる。合成樹脂からなるシートや
フィルムとしては、ポリプロピレンやポリエチレン等の
熱可塑性樹脂やポリオレフィン系熱可塑性エラストマ−
からなるシートやフィルムが挙げられ、基材樹脂として
使用される熱可塑性樹脂と融着性のある材料が使用され
る。
は、押し出し成形、射出成形、プレス成形等で通常用い
られている熱可塑性樹脂であればいずれも適用可能であ
り、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニ
トリル−スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレ
ン、ナイロンなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ
カーボネート、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体などの一般的な熱可塑性樹脂、EPMや
EPDMなどの熱可塑性エラストマ−、これらの混合
物、あるいはこれらを用いたポリマーアロイ等があげら
れ、これらは発泡性であっても、非発泡性であってもよ
い。
て通常使用されるガラス繊維などの強化繊維、各種の無
機もしくは有機フィラーなどの充填材が配合されていて
もよく、もちろん、通常使用される顔料、滑材、帯電防
止剤、安定剤などの各種添加剤が適宜配合されていても
よい。
としては射出成形法や圧縮成形法など適宜の方法が適用
されるが、射出成形の場合には溶融状熱可塑性樹脂の供
給時に表皮材に溶融樹脂の熱や圧力が直接かかり、表皮
材へのダメージが大きくなる恐れがあるため、溶融樹脂
供給時には金型を開放し、溶融樹脂の供給後ないしは供
給完了と同時に型締めを行うことにより、表皮材へのダ
メージを小さくし得る圧縮成形による方法が好ましい。
よる多層成形品の製造方法について、図面に基づいて説
明する。尚、この説明は本発明の一例であり、本発明が
これに限定されるものでないことはいうまでもない。
例をその断面で示したものであって、表皮層(2)およ
びウレタン発泡層(3)から構成され、ウレタン発泡層
(3)は低密度ウレタン発泡層(3−1)と高密度ウレ
タン発泡層(3−2)の2層から構成され、低密度ウレ
タン発泡層(3−1)が表皮層側になるように積層され
ている。
例をその断面で示したものであって、高密度ウレタン発
泡層(3−2)に裏打ち材が積層されている以外は図1
に示す表皮材と同様の構成からなっている。
樹脂からなる基材(7)に貼合一体化された多層成形品
の断面を示し、該成形品は表皮材が表皮層(2)および
密度の異なる2層からなるウレタン発泡層(3)とから
なり、ウレタン発泡層(3)は表皮層(2)側に低密度
ウレタン発泡層(3−1)が、基材(7)側に高密度ウ
レタン発泡層(3−2)となるように配置されている。
また、図4は、図2に示される表皮材が熱可塑性樹脂か
らなる基材(7)に貼合一体化された多層成形品の断面
を示し、該成形品は表皮材が表皮層(2)、密度の異な
る2層からなるウレタン発泡層(3)および裏打ち層
(4)とからなり、ウレタン発泡層(3)は表皮層
(2)側に低密度ウレタン発泡層(3−1)が、裏打ち
層(4)側に高密度ウレタン発泡層(3−2)となるよ
うに配置されている。
造工程を、金型の概略断面図で示したものである。
6)からなる金型間に表皮材(1)を供給した状態を示
している。供給に際して、表皮材(1)は低密度ウレタ
ン発泡層が表皮側(最終成形品の表面側)に、高密度ウ
レタン発泡層が溶融状熱可塑性樹脂の供給側(基材側)
になるように供給することが必要である。表皮材は雄型
(5)の金型成形面上に載置するだけでもよいが、図に
示すように、雄型あるいは雌型(6)本体やこれらの周
囲に設けたたとえば表皮材固定枠(図示せず)にピン等
を用いて固定してもよい。また、表皮材は予め予備加熱
を行ったり、製品形状に応じて予備賦形を行ったものを
用いてもよい。
材の高密度ウレタン発泡層側の金型成形面(図では雄型
の金型成形面)との間に、溶融状熱可塑性樹脂(7)を
供給した状態を示している。溶融状熱可塑性樹脂の供給
は、外部の供給装置から樹脂供給ア−ム等により金型間
に機械的に分配載置するような方法であってもよいし、
金型内(図の場合では雄型(5)内)に設けた樹脂供給
通路を介して金型成形面に開口する樹脂供給口から金型
内に直接供給する方法など任意の方法で行うことができ
るが、成形動作の制御の容易性などの点で後者の方法が
好ましい。
雄両金型を型締めした状態を示しており、この型締め工
程によって熱可塑性樹脂は基材形状に賦形されると同時
に表皮材は基材と貼合一体化される。金型の型締めは、
図では縦方向の例を示しているが、型締め方向は縦方向
であっても、横方向であってもよい。尚、型締めは、溶
融樹脂の供給後に開始してもよいし、供給完了と同時、
あるいは溶融樹脂を供給しながら型締めを平行して行
い、溶融樹脂の供給完了と同時または完了後に型締めを
完了してもよい。
させ、金型を開放(図8)して成形品を取り出せば、図
9に示されるような熱可塑性樹脂からなる基材の表面に
表皮材が貼合一体化された多層成形品(8)が得られ
る。尚、ここでは表皮材が基材の全面に貼合一体化され
た例について述べたが、図10に示すような表皮材が基
材の一部に貼合された多層成形品(9)も同様にして得
ることができる。
と同時にその表面に表皮材が貼合できるという射出成形
法や圧縮成形法の利点を活かしつつ、ウレタン発泡層を
有する表皮材を使用する場合であっても、発泡層の潰れ
によりクッション性が損なわれることもなく、低コスト
で多層成形品を製造することができる。
したものである。
で示したものである。
形品の部分断面図である。
形品の部分断面図である。
図で示したものである。
図で示したものである。
図で示したものである。
図で示したものである。
面に貼合一体化された多層成形品の例をその断面で示し
たものである。
一部に貼合一体化された多層成形品の例をその断面で示
したものである。
Claims (5)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂からなる基材の表面の少なく
とも一部に表皮材が貼合一体化された多層成形品であっ
て、該表皮材が少なくとも密度の異なる2種のウレタン
発泡層が積層された発泡層を有しており、かつ、低密度
ウレタン発泡層が成形品の表面側に、高密度ウレタン発
泡層が基材側に位置してなることを特徴とする多層成形
品。 - 【請求項2】低密度ウレタン発泡層と高密度ウレタン発
泡層が接着積層されてなる請求項1に記載の多層成形
品。 - 【請求項3】一対の金型間に表皮材を供給し、表皮材と
一方の金型の金型成形面との間に溶融状熱可塑性樹脂を
供給して、熱可塑性樹脂からなる基材の表面の少なくと
も一部に表皮材が貼合一体化されてなる多層成形品を製
造する方法において、表皮材として少なくとも密度の異
なる2種のウレタン発泡層が積層された発泡層を有する
表皮材を使用し、該表皮材を高密度ウレタン発泡層側が
溶融状熱可塑性樹脂を供給する側の金型成形面と相対す
るように供給することを特徴とする多層成形品の製造方
法。 - 【請求項4】低密度ウレタン発泡層と高密度ウレタン発
泡層が接着積層されてなる表皮材を用いる請求項3に記
載の多層成形品の製造方法。 - 【請求項5】未閉鎖の金型間に表皮材を供給したのち、
表皮材と金型成形面との間に溶融状熱可塑性樹脂を供給
し、型締めして表皮材と熱可塑性樹脂を貼合一体化する
ことを特徴とする請求項3に記載の多層成形品の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12452299A JP2000313096A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 多層成形品およびその製造方法 |
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JP12452299A JP2000313096A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 多層成形品およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=14887579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12452299A Pending JP2000313096A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 多層成形品およびその製造方法 |
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---|---|
JP (1) | JP2000313096A (ja) |
Cited By (7)
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WO2017006556A1 (ja) * | 2015-07-08 | 2017-01-12 | セーレン株式会社 | エンボス加工用複合材およびエンボス加工品 |
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-
1999
- 1999-04-30 JP JP12452299A patent/JP2000313096A/ja active Pending
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