JP4453126B2 - 熱可塑性樹脂成形体製造用金型および熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形体製造用金型および熱可塑性樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂成形体製造用金型およびこれを用いてなる熱可塑性樹脂成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂成形体や熱可塑性樹脂からなる基材の表面の一部または全部に表皮材が貼合一体化されてなる熱可塑性樹脂多層成形体は、自動車内装部品(たとえばドアトリムやインストルメントパネル)や家電製品の内外装部品その他の広い分野で多く使用されている。
【0003】
従来、このような熱可塑性樹脂成形体の製造法としては、たとえば射出成形や射出プレス成形等による種々の方法が知られている。
しかし、このような方法においては、目的とする成形体を形成する金型キャビティ面に設けた樹脂供給口から溶融状熱可塑性樹脂を供給し、賦形するために、樹脂供給口付近に対応する成形体表面のコ−ルドマ−クと呼ばれる光沢むらや小じわの発生を完全に防止することは困難であり、その解決のために樹脂温度や金型温度を高くすることも考えられるが、この場合には冷却時間が長くなって生産性に劣るという別の問題が生じる。
【0004】
また、熱可塑性樹脂多層成形体の製造法としては、例えば熱可塑性樹脂を射出成形などの方法により予め所望の形状に成形した成形体(基材)の表面に接着剤等を使用して表皮材を接着積層化する方法や、金型間に表皮材を供給したのち溶融状熱可塑性樹脂を金型間に供給し、熱可塑性樹脂を所望の形状に賦形すると同時にその表面に表皮材を貼合する方法などが知られている。
【0005】
しかし、このような方法において、前者の方法は工程が複雑なうえに接着剤に含まれる溶剤による人体や環境等への問題があり、また、後者の方法は、基材を形成すると同時にその表面に表皮材が貼合できるという利点はあるが、金型内に設けた樹脂供給口から溶融状熱可塑性樹脂を金型内に供給した際に、該溶融状熱可塑性樹脂の温度や供給時の圧力によって表皮材の破れや、表皮材の種類によってはクッション層である発泡層の潰れ、毛倒れなどが起き、製品表面の凹凸やクッション感不良、色目の違い、風合いなどが損なわれるという問題があり、かかる問題に対して、表皮材の裏面に裏打ち層を設けて樹脂供給時の熱可塑性樹脂や圧力から表皮材を保護する方法も知られているが、賦形性の悪さやコストアップを招くという別の問題が生じていた。
【0006】
これらの問題に対して、製品形成部と非製品部形成部とがゲ−ト部を介して連通する金型を用い、キャビティクリアランスが製品厚み以上で、非製品部形成部に設けた樹脂供給口から溶融状熱可塑性樹脂を非製品部形成部に供給し、型締め、賦形する方法が提案されている。(特開平4−348919号公報)
しかし、この方法による場合には、製品形成部と非製品部形成部とを結び、非製品部形成部から製品形成部への樹脂流路となるゲ−ト部の厚みが一定である(図5、図11)ため、成形後に製品部からの非製品部のトリミングがしにくいという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、本発明者らは、表皮材を貼合しない場合はもちろん、表皮材を貼合する場合であっても良好な表面外観を有し、しかも成型後に製品部からの非製品部のトリミングが容易となる熱可塑性樹脂成形体を効率良く、低コストで製造するための金型を開発し、またそれを用いた熱可塑性樹脂成形体の製造方法について検討の結果、本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、型締め時に雄型の外周面と雌型の内周面が摺動部となって相互に摺動する雌雄一対からなり、かつ、キャビティ内に製品形成部と、金型面に溶融樹脂供給口が開口しているとともにゲ−ト部を介して前記製品形成部と連通する非製品部形成部とを有する金型であって、型締め完了時に製品形成部との境界部となる製品形成部側のゲ−ト部端部においてゲ−ト幅が最小となり、かつ製品厚みより小さくなる突起を、ゲ−ト部を形成する雌雄両金型の金型面のうちのいずれか一方または両方に設けてなることを特徴とする熱可塑性樹脂成形体製造用金型を提供するものであり、また、本発明は、このような金型を使用して、開放状態にある雌雄両金型間に予め表皮材を供給するか、あるいは供給することなく、金型の非製品部形成部の金型面に開口している溶融樹脂供給口から溶融状熱可塑性樹脂を供給しながらまたは供給完了後に型締めを行って、溶融状熱可塑性樹脂を非製品部形成部から製品形成部に流動移動させてキャビティ内に充填し、次いで溶融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させることからなる熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱可塑性樹脂成形体製造用金型およびこれを用いる熱可塑性樹脂成形体の製造方法について説明する。
尚、以下に述べる方法は本発明の一例であり、本発明がこれに限定されるものでないことはいうまでもない。
【0010】
【実施例】
図1は本発明の熱可塑性樹脂成形体製造用金型を用いて成形され、成形後に金型から取り出したときの熱可塑性樹脂成形体の概略平面図であり、図2はその斜視図である。このときの熱可塑性樹脂成形体は製品部(1)と非製品部(2)とからなっており、非製品部(2)はその後に切除されてもよいし、製品部(1)の裏側に折り曲げられてもよい。
【0011】
図4は本発明の熱可塑性樹脂成形体製造用金型の例を、その断面概略図で示したものである。
この金型は、雄型(3)の外周面と雌型(4)の内周面が摺動面(図においてBで表示)となって相互に摺動する雌雄一対からなり、かつキャビティ内に製品形成部(9)と非製品部形成部(10)を有している。
製品形成部(9)と非製品部形成部(10)はゲ−ト部(図においてAで表示)を介して連通しており、非製品部形成部(10)を構成している金型面には雌雄いずれか一方の金型内(図では雄型内)に設けられた溶融樹脂供給路(6)を介して溶融樹脂供給口(7)が開口している。
【0012】
ゲ−ト部を形成する雄型(3)のゲ−ト部形成外周面(11)と雌型(4)のゲ−ト部形成内周面(12)のいずれか一方または両方には、ゲ−ト部の型締め完了時に製品形成部(9)との境界部となる製品形成部側のゲ−ト部端部(13)に対応する位置に突起(14)が設けられており、かかる突起により、型締め時にはゲ−ト部の製品形成部側のゲ−ト部端部のゲ−ト幅は製品厚みより小さく、かつゲ−ト全長域中で最小となる。
図6、図7はこの様子を、型締めの前後で示したものであり、図6は型締め前を、図7は型締めが完了したときの状態を示している。
尚、型締め完了時におけるゲ−ト部の製品形成部側端部(13)のゲ−ト幅は製品厚みより小さく、好ましくは製品厚みの2/3以下、より好ましくは1/2以下である。
【0013】
ここで、突起の形状は任意であるが、突起を設けるゲ−ト部の製品形成部側端部(13)は製品の末端部となるため、突起の製品側の面は製品の末端形状と同一形状であることが好ましい。
かかる突起(14)は、図6、図7に示されるように雄型(3)のゲ−ト部形成外周面(11)に設けられることが多いが、図8に示されるように雌型(4)のゲ−ト部形成内周面(12)に設けてもよく、あるいは図9に示されるようにその両方の面に相対するように設けてもよい。
突起の高さ(ゲ−ト内へ向かっての突き出し長さ)は、前記の型締め完了時におけるゲ−ト部の製品形成部側端部(13)のゲ−ト幅を決定する因子であり、所望する当該部のゲ−ト幅に応じて適宜決定される。
【0014】
また、突起(14)をその断面でみた場合、先端部角度は90°未満であることが好ましく、図では鋭角な三角状の例を示している。
更には、基本形状としては前記の三角状の場合であっても、その先端部に丸みを持たせたり、その先端部を適宜の角度をもって直線状に切り落としたような台形状にしてもよい。
これにより、ゲ−ト幅(C)は、型締め時にゲ−ト部の製品形成部側のゲ−ト部端部において製品厚みより小さく、かつゲ−ト全長域中で最小となる。
【0015】
突起の全厚み(図6の例では、雄型のゲ−ト部形成外周面での突起の底辺部の縦方向の長さ)はゲ−ト部の全長より短ければ任意であって特に制限はないが、それがあまり短すぎると突起の機械的強度が弱くなり、溶融状熱可塑性樹脂がゲ−トを通過する際に突起が破壊されたり曲がったりする可能性があるため、これに耐えるだけの機械的強度を有する長さは必要である。
突起の横方向の長さはゲ−ト部の横方向の長さと同じであることが必要である。
【0016】
溶融樹脂供給口(7)は、製品表面のコ−ルドマ−クや表皮材貼合時の表皮材の破れや発泡層の潰れを防止し、好ましい外観の製品を得るために、金型の非製品部形成部に設けることが必要であるが、製品の形状や大きさ等によっては、製品形成部にも溶融樹脂供給口を追加的に設け、補助的に該溶融樹脂供給口から溶融樹脂を供給することもできる。
かかる溶融樹脂供給口は、非製品部形成部および製品形成部のそれぞれにおいて一つであっても複数であっても何ら差し支えない。
【0017】
次に、このような金型を用いて熱可塑性樹脂成形体を製造する方法について説明する。
【0018】
雌雄両金型間の製品形成部におけるキャビティクリアランスが最終製品厚みよりも大きく、かつ雌雄両金型の摺動部(図4におけるB部)がシェアエッジクリアランスを有する状態を保持しながら、雄型(3)の非製品部形成部に設けた溶融樹脂供給口(7)から溶融状熱可塑性樹脂(8)を供給する。(図6)
この状態においては、金型間のキャビティクリアランスが最終製品厚みよりも大きいために、図6に示されるように、製品形成部(9)と非製品部形成部(10)との境界部にあたるゲ−ト部製品形成部側端部での雌雄両金型間のクリアランスも大きく、非製品部形成部に供給された溶融状熱可塑性樹脂はゲ−ト部で大きな剪断を受けることなく容易に製品形成部側に流動する。
【0019】
所定量の溶融状熱可塑性樹脂を供給したのち型締めを行うと、型締めに伴って製品形成部(9)と非製品部形成部(10)との境界部にあたるゲ−ト部製品形成部側端部での雌雄両金型間のクリアランスは突起の存在により徐々に狭くなってくるが、同時に非製品部形成部(10)に供給され、滞留する溶融状熱可塑性樹脂はゲ−ト部を通過しながら製品形成部に流動移動し、最終製品厚みまで型締めを行ったところで製品形成部(9)と非製品部形成部(1)の両方が溶融状熱可塑性樹脂で充填されて型締めは完了する。(図7)
尚、型締めのタイミングは上記のように溶融状熱可塑性樹脂を供給したのちに行ってもよいが、溶融状熱可塑性樹脂を供給しながら型締めを開始し、溶融状熱可塑性樹脂の供給完了と同時あるいは供給完了後に型締めを完了してもよい。
また、図では金型の型締め方向は縦方向であるが、金型装置によっては横方向であってもよく、型締め方向には何ら制限されない。
【0020】
型締めが完了すると、製品形成部(9)と非製品部形成部(10)との境界部にあたるゲ−ト部製品形成部側端部(13)のゲ−ト幅は製品厚みより小さく、かつ、ゲ−ト全長域においても最小となる。(図7)
このときのゲ−ト幅が製品厚みと同等ないしはこれより大きい場合には、成形後のゲ−ト部製品形成部側端部(13)からのゲ−ト部を含む非製品部のトリミングや折り曲げが難しくなる。
【0021】
型締め完了後、溶融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させ、雌雄両金型を開放することにより、図1、図2に示されるような熱可塑性樹脂成形体が得られる。
かくして得られた成形体は、製品部(1)と非製品部(2)との境界部において製品厚みよりも小さく、局部的に薄くなっているため、トリミングや折り曲げが極めて容易となる。
【0022】
尚、上記の説明では、図1、図2に示すように製品部(1)の外周端に非製品部(3)を設けた例について述べたが、製品によっては、図3に示すように、製品部のいずれか一方の面の内側に非製品部を設けてもよい。
また、製品部に対して非製品部を設ける位置は、例えば製品部(1)の外周端に非製品部(3)を設けるような場合に、製品部の全外周端に非製品部を設けることも可能ではあるが、通常は図1、図2に示されるように外周端の一部に設ければよい。設ける非製品部の数も通常は1個で十分であるが、製品の大きさや形状によっては適宜の箇所に複数設けても何ら差し支えない。
また、非製品部の大きさ(容積)についても特に制限はなく、任意の大きさが選択されるが、図で例示されるように、供給された溶融状熱可塑性樹脂がゲ−ト部を介して製品部に流入できる程度の大きさであれば十分であって、必要以上に大きくする必要はない。
【0023】
次に、表皮材等が表面に貼合された熱可塑性樹脂成形体の製造方法について説明するが、この方法も、表皮材を予め金型間に供給する相違点はあっても、基本的には上記で説明したと同じである。
【0024】
図10は、開放状態にある雌雄両金型間に表皮材(5)を供給した状態を示している。
表皮材は雌雄いずれかの金型表面上に載置するだけでもよいが、雄型あるいは雌型の本体やこれらの周囲に設けた表皮材固定枠(図示せず)にピン等を用いて固定してもよい。
また、使用する表皮材によっては予め予備加熱を行ったり、製品形状に応じて予備賦形を行ったものを用いてもよい。
【0025】
表皮材を供給したのち、前述の図6に示した同様に、雌雄両金型間の製品形成部におけるキャビティクリアランスが最終製品厚みよりも大きく、かつ雌雄両金型の摺動部がシェアエッジクリアランスを有する状態を保持しながら、雄型(3)の非製品部形成部に設けた溶融樹脂供給口(7)から溶融状熱可塑性樹脂(8)を供給する。(図12)
この状態では、ゲ−ト部における製品形成部(9)と非製品部形成部(10)との境界部にあたるゲ−ト部製品形成部側端部(13)での雌雄両金型間のクリアランスが大きいため、非製品部形成部に供給された溶融状熱可塑性樹脂は当該境界部を通過する際に大きな剪断を受けることなく製品形成部側に流動し、表皮材に対しても溶融状熱可塑性樹脂の剪断応力による影響を受けにくく、また、製品部に対応して配置された表皮材は溶融状熱可塑性樹脂の供給圧や熱による直接の影響を受けないため、表皮材の破れや発泡層の潰れ等のダメ−ジを小さくすることができる。
【0026】
先に述べたと同様に、所定量の溶融状熱可塑性樹脂を供給したのち最終製品厚みまで型締めを行って、製品形成部(9)と非製品部形成部(1)の両方を溶融状熱可塑性樹脂で充填する。(図13)
【0027】
この場合も、型締めのタイミングは上述したと同様に、溶融状熱可塑性樹脂を供給したのちに行ってもよいが、溶融状熱可塑性樹脂を供給しながら型締めを開始し、溶融状熱可塑性樹脂の供給完了と同時あるいは供給完了後に型締めを完了してもよい。
【0028】
型締め完了後、溶融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させ、雌雄両金型を開放することにより、熱可塑性樹脂からなる基材の表面に表皮材が貼合、一体化された熱可塑性樹脂成形体が得られる。
【0029】
金型から取り出した表皮材貼合の熱可塑性樹脂成形体は、前記したと同様に、製品部(1)と非製品部(2)との境界部から非製品部をトリミングしたり、折り曲げればよい。
【0030】
かかる本発明の方法に適用される熱可塑性樹脂としては、圧縮成形、押出成形、射出成形等で通常用いられている熱可塑性樹脂であればいずれも適用可能であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、ナイロンなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの一般的な熱可塑性樹脂、EPMやEPDMなどの熱可塑性エラストマ−、これらの混合物、あるいはこれらを用いたポリマーアロイ等があげられ、これらは発泡性であっても、非発泡性であってもよい。
【0031】
このような熱可塑性樹脂には、必要に応じて通常使用されるガラス繊維などの強化繊維、各種の無機もしくは有機フィラーなどの充填材が配合されていてもよく、もちろん、通常使用される顔料、滑材、帯電防止剤、安定剤などの各種添加剤が適宜配合されていてもよい。
【0032】
また、表皮材としてはモケットやトリコット等の織物や編み物、ニ−ドルパンチカ−ペット等の不織布、金属フォイル、熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマ−からなるシ−トやフィルムが挙げられる。
このような表皮材は、必要に応じて発泡層や裏打ち層が適宜積層された2層あるいは3層以上とした積層表皮材であってもよい。
【0033】
この場合の発泡層としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンの発泡体や軟質あるいは半硬質のポリウレタン発泡体が挙げられる。
【0034】
また、裏打ち層としては、不織布や合成樹脂からなるシート、フィルムなどが用いられる。
不織布を構成する繊維としては、綿、毛、絹、麻等の天然繊維、あるいはポリアミド、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維が挙げられ、これらを単独であるいは混紡して種々の方法により不織布としたものが用いられ、例えばニードルパンチ式、サーマルボンド式、スパンボンド式、メルトブロー式、スパンレース式等の不織布が挙げられる。
合成樹脂からなるシートやフィルムとしては、ポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂やポリオレフィン系熱可塑性エラストマ−からなるシートやフィルムが挙げられ、基材樹脂として使用される熱可塑性樹脂と融着性のある材料が好ましく使用される。
【0035】
【発明の効果】
本発明の金型を使用して熱可塑性樹脂成形品を製造すれば、表皮材を貼合しない場合はもちろん、表皮材を貼合する場合であっても良好な表面外観を有し、しかも成型後に製品部からの非製品部のトリミングが容易となる熱可塑性樹脂成形体を効率良く、低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造される熱可塑性樹脂成形体例の平面図である。
【図2】図1で示される熱可塑性樹脂成形体例の斜視図である。
【図3】本発明の方法により製造される熱可塑性樹脂成形体例を非製品部側からみた平面図である。
【図4】本発明に適用される金型の例をその断面概略図で示したものである。
【図5】従来の金型の部分拡大図である。
【図6】本発明の方法による製造工程を金型の部分断面概略図で示したものである。
【図7】本発明の方法による製造工程を金型の部分断面概略図で示したものである。
【図8】本発明の金型のゲ−ト部分の構造例を断面概略図で示したものである。
【図9】本発明の金型のゲ−ト部分の構造例を断面概略図で示したものである。
【図10】本発明の方法による表皮材を貼合する場合の製造工程を金型の断面概略図で示したものである。
【図11】従来の金型の部分断面概略図である。
【図12】本発明の方法による表皮材を貼合する場合の製造工程を金型の部分断面概略図で示したものである。
【図13】本発明の方法による表皮材を貼合する場合の製造工程を金型の部分断面概略図で示したものである。
【符号の説明】
1: 製品部
2:非製品部
3:雄型
4:雌型
5:表皮材
6:溶融樹脂供給路
7:溶融樹脂供給口
8:熱可塑性樹脂
9:製品形成部
10:非製品部形成部
11:ゲ−ト部形成雄型外周面
12:ゲ−ト部形成雌型内周面
13:ゲ−ト部製品形成部側端部
14:突起
A:ゲ−ト部
B:摺動部
C:ゲ−ト幅

Claims (6)

  1. 型締め時に雄型の外周面と雌型の内周面が摺動部となって相互に摺動する雌雄一対からなり、かつ、キャビティ内に製品形成部と、金型面に溶融樹脂供給口が開口しているとともにゲ−ト部を介して前記製品形成部と連通する非製品部形成部とを有する金型であって、
    前記ゲート部は、型締め方向に対して平行に伸び、かつ、
    型締め完了時に製品形成部との境界部となる製品形成部側のゲ−ト部端部においてゲ−ト幅が最小となり、かつ製品厚みより小さくなる突起を、ゲ−ト部を形成する雌雄両金型の金型面のうちのいずれか一方または両方に設けてなり、
    前記突起は、型締め方向に対して垂直に伸びていることを特徴とする熱可塑性樹脂成形体製造用金型。
  2. 製品形成部の金型面に補助的に溶融樹脂供給口が開口してなる請求項1に記載の熱可塑性樹脂成形体製造用金型。
  3. 請求項記載の金型を使用して、開放状態にある雌雄両金型間に、非製品部形成部の金型面に開口している溶融樹脂供給口から溶融状熱可塑性樹脂を供給しながらまたは供給完了後に型締めを行って、溶融状熱可塑性樹脂を非製品部形成部から製品形成部に流動移動させてキャビティ内に充填し、次いで溶融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させることからなる熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  4. 請求項1記載の金型を使用して、開放状態にある雌雄両金型間に表皮材を供給した後、非製品部形成部の金型面に開口している溶融樹脂供給口から溶融状熱可塑性樹脂を供給しながらまたは供給完了後に型締めを行って、溶融状熱可塑性樹脂を非製品部形成部から製品形成部に流動移動させてキャビティ内に充填し、次いで溶融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させることからなる表皮材貼合の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  5. 請求項2記載の金型を使用して、開放状態にある雌雄両金型間に、非製品部形成部の金型面に開口している溶融樹脂供給口および製品形成部の金型面に開口している溶融樹脂供給口から溶融状熱可塑性樹脂を供給しながらまたは供給完了後に型締めを行って、溶融状熱可塑性樹脂をキャビティ内に充填し、次いで溶融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させることからなる熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  6. 請求項2記載の金型を使用して、開放状態にある雌雄両金型間に表皮材を供給した後、非製品部形成部の金型面に開口している溶融樹脂供給口および製品形成部の金型面に開口している溶融樹脂供給口から溶融状熱可塑性樹脂を供給しながらまたは供給完了後に型締めを行って、溶融状熱可塑性樹脂をキャビティ内に充填し、次いで溶融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させることからなる表皮材貼合の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
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