JP2635455B2 - 多層成形品の製造方法 - Google Patents
多層成形品の製造方法Info
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Description
製造方法に関し、さらに詳しくは、熱可塑性樹脂のみか
らなる成形品および熱可塑性芯材樹脂と表皮材からなる
多層成形品を、外観を損なうことなく効率よく製造する
方法に関する。
は、成形品の品質を向上し、生産効率を改善する為、従
来様々な改良が提案されている。たとえば、特開昭59
−101322号公報には、下プラテンに取り付けた金
型(下金型)の金型壁内に設けた樹脂通路を通じて溶融
樹脂を供給する方法が提案されている。さらに、特開昭
60−31929号公報には、溶融樹脂の供給を下金型
の壁内に設けた樹脂通路を通じて行うと共に、型閉め動
作を特定のタイミングで行うことが提案されている。し
かしながら、いずれの方法でも、金型内面に開口した樹
脂通路の周辺でのコールドマークと呼ばれる光沢むらや
小じわの発生を完全に防止することはできなかった。こ
のコールドマーク発生を抑制する為に、樹脂温度および
金型温度を高くすることが考えられるが、成形後成形品
を取り出せる温度にまで冷却する時間が長くなり、結局
成形サイクルが長くなってしまい、生産性が悪くなる。
性などを高める為に、成形品表面に表皮材を一体成形し
た多層成形品が、自動車、家電製品をはじめ、多くの分
野で、大量に使用されている。この多層成形品の1つの
製法が、特開平1−235613号公報に開示されてい
る。この方法を含め、従来の多層成形品の製造方法で
は、高温の溶融樹脂が、表皮材のある部分の近傍から連
続的に供給されるため、表皮材の一部分が他の部分より
高温に長くさらされ、表皮材が変性、変形し、表皮材に
つぶれ、凹凸、破れなどの不良が発生する。
クのない熱可塑性樹脂成形品を製造できる方法、および
表皮材を損傷しない多層成形品の製造方法が求められて
いる。
多層成形品の製造方法を研究する内、金型を製品部成形
部分と非製品部成形部分とに分け、非製品部成形部分に
溶融樹脂供給口を設けて溶融樹脂を供給すれば、製品部
にはコールドマークおよび多層成形品の表皮材のつぶ
れ、凹凸、破れが発生しないことを見い出した。
る樹脂を、上下金型間に配置された表皮材と上下金型の
一方との間に供給し、プレス、冷却して芯材樹脂と表皮
材とからなる多層成形品を製造する方法において、製品
部成形部分と非製品部成形部分とを有する金型を用い、
上下金型から形成されるキャビティのクリアランスが成
形品厚みよりも大きい時に、金型内に設けた溶融樹脂通
路を介して非製品部成形部分にのみ設けた溶融樹脂供給
口から金型と表皮材とにより形成された空間内に溶融樹
脂を供給することを特徴とする多層成形品の製造方法に
存する。
としては、従来プレス成形、射出成形、押出成形などに
おいて用いられている熱可塑性樹脂のいずれをも使用す
ることができる。たとえば、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
カーボネート、ポリアクリルイミド、アクリロニトリル
−スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ナイロンな
どの熱可塑性樹脂を挙げることができる。また、多層成
形品の芯材樹脂としては、熱可塑性樹脂の他に、エチレ
ン−プロピレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体などの熱可塑性エラストマー等の非
発泡性または発泡性樹脂を用いることができる。もちろ
ん、このような樹脂は、通常の添加材、たとえばガラス
繊維などの充填材、顔料、滑剤、帯電防止剤などを含ん
でいてよい。
知のものが使用でき、たとえば織布、不織布、金属、繊
維、熱可塑性樹脂のネット、紙、金属フォイルや、熱可
塑性樹脂および熱可塑性エラストマーのシートまたはフ
ィルムが挙げられる。また、しぼ等の凹凸模様、印刷、
染色などにより加飾したものも使用することができる。
また、表皮材として、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニ
ル系などの熱可塑性樹脂製、ポリウレタン系などの熱硬
化性樹脂製またはシス−1,4−ポリブタジエン、エチ
レン−プロピレン共重合体などのゴム製の発泡体を用い
ることもできる。さらに、これらの単独または2種以上
を接着剤などにより積層した形態で使用することも可能
である。これら表皮材の使用に際しては、表皮材の引張
応力、伸びを調整する為、供給に先立って表皮材の全面
または一部を予備加熱してもよい。
ち製品として供される部分をいい、非製品部とは、成形
品のうち製品としては役立たない部分であって、使用時
には切除されたり、裏面にかくれてしまう部分をいう。
製造方法を説明する。
る成形品の平面図であり、図2は、その斜視図である。
成形品は、製品部1と非製品部2とからなる。非製品部
2は、切除されてもよいし、また製品部1の裏側へ折り
曲げられてもよい。
るが、これに限られず、2箇所以上の非製品部を設けて
もよい。
型の、非製品部成形部分を含む部分断面図を図3に示
す。金型は、下金型4と上金型3とからなり、いずれも
製品部成形部分5と、非製品部成形部分6とを形成す
る。図3は、溶融樹脂7が供給された後、上下金型3、
4が完全に閉じられた状態を示している。本発明では、
この状態における製品部成形部分と非製品部成形部分と
の境界部分のクリアランスW1を0.03〜1.5mmとす
るのが好ましい。このクリアランスの幅が大きすぎる
と、製品部と非製品部とをつなぐ境界部分の厚みが大き
くなって、非製品部の切除や折り曲げが困難となる。一
方、クリアランスの幅が小さすぎると、非製品部成形部
分に供給された溶融樹脂が、十分な速さで製品部成形部
分に送られなくなる。
スW2は、通常0.01〜0.07mmとするのがよい。こ
のクリアランスが大きすぎると、供給された溶融樹脂が
金型外へ漏れることがあり、好ましくない。
成形部分に2つ以上設けてもよい。
金型の製品部成形部分のキャビティのクリアランスt
が、通常、(C+0.1)〜50mmである時に行う。こ
こで、Cは賦形完了時のキャビティクリアランスを意味
する。溶融樹脂の供給時には、金型の閉鎖速度を0〜3
0mm/秒とすることにより、溶融樹脂の供給とキャビテ
ィクリアランスの関係を正確にコントロールする。ま
た、熱可塑性樹脂として、ポリメチルメタクリレートや
ポリカーボネート等の透明樹脂を使用する場合は、溶融
樹脂の供給時のキャビティクリアランスtを(C+0.
1)〜(C+7)mmとするのが、特にコールドマークな
どのない成形品を得る上で好ましい。
び/または供給後に行うことができ、加圧、冷却の後、
成形品を取り出す。
示すように、製品部の外側に非製品部があってよいが、
図5に示すように、製品部1の内側に非製品部2があっ
てもよい。
形品の製造方法を説明する。
給しておき、溶融樹脂を表皮材と上下金型の一方との間
に供給する以外は、上記の熱可塑性樹脂成形品の製造方
法と基本的に同じである。
−235613号公報に記載された手段により金型に固
定することができる。
が完全に閉じられた状態での製品部成形部分と非製品部
成形部分との境界部分のクリアランスW1は、表皮材の
厚み(mm)+(0.1〜1.0)mmとするのが好ましい。
ここで、本発明における「表皮材の厚み」とは、表皮材
に60kg/cm2の圧縮荷重を加えた時の厚みを意味す
る。図7は、図4に対応する図である。また、多層成形
品製造の場合の溶融樹脂の供給時は、キャビティクリア
ランスが(C+100)mm〜(C+5)mmの時、型締め
速度を0〜30mm/秒として行うのが好ましい。
説明する。
す成形品の非製品部を除去した試料を平板上に置き、コ
ーナーXの上部を上から押えた時に、他の3つのコーナ
ーのうち下端が最も高く平板から浮き上がる高さでもっ
て表示する。また、熱可塑性樹脂のメルトフローレート
(MFR)の測定条件は以下のとおりである。
58に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で
測定する。
材を表面に貼合した図1に示す様な平面形状の多層成形
品を、下金型の非製品部成形部分に溶融樹脂供給口を持
つ金型によりプレス成形した。
ンAZ564、住友化学工業株式会社製)を用い、表皮
材としてポリ塩化ビニルシートにポリプロピレン発泡層
(発泡倍率25倍)をラミネートした積層シート(表皮
材の厚み3mm)を用い、樹脂温度190℃、金型温度3
0℃とし、上下金型の製品部成形部分のクリアランス
(t)が20mmの時に溶融樹脂の供給を開始し、クリア
ランスが5mmの時に供給を終了した。この間、上金型を
下降させて、金型を閉じた。製品部の外観は良好であっ
た。
金型を使用する以外は実施例1と同じ条件で多層成形品
を製造した。樹脂供給口付近の表皮材の発泡層が樹脂の
熱により溶融し、表皮材表面に凹凸が発生した。
品および表皮材を損傷しない多層成形品を効率よく製造
することができる。
平面図。
斜視図。
明する金型の部分断面図。
明する金型の部分断面図。
平面図。
型の部分断面図。
型の部分断面図。
5…製品部成形部分、6…非製品部成形部分、7…溶融
樹脂、8…表皮材。
Claims (2)
- 【請求項1】 溶融状態にある樹脂を、上下金型間に配
置された表皮材と上下金型の一方との間に供給し、プレ
ス、冷却して芯材樹脂と表皮材とからなる多層成形品を
製造する方法において、製品部成形部分と非製品部成形
部分とを有する金型を用い、上下金型から形成されるキ
ャビティのクリアランスが成形品厚みよりも大きい時
に、金型内に設けた溶融樹脂通路を介して非製品部成形
部分にのみ設けた溶融樹脂供給口から金型と表皮材とに
より形成された空間内に溶融樹脂を供給することを特徴
とする多層成形品の製造方法。 - 【請求項2】 上下金型を閉じた際の、製品部成形部分
と非製品部成形部分との境界部分での上下金型クリアラ
ンスが、[表皮材厚み+(0.1〜1.0)]mmである請
求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3173751A JP2635455B2 (ja) | 1990-07-13 | 1991-07-15 | 多層成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-186290 | 1990-07-13 | ||
JP18629090 | 1990-07-13 | ||
JP3173751A JP2635455B2 (ja) | 1990-07-13 | 1991-07-15 | 多層成形品の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31914196A Division JP2766255B2 (ja) | 1990-07-13 | 1996-11-29 | 熱可塑性樹脂成形品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04348919A JPH04348919A (ja) | 1992-12-03 |
JP2635455B2 true JP2635455B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=26495606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3173751A Expired - Lifetime JP2635455B2 (ja) | 1990-07-13 | 1991-07-15 | 多層成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2635455B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4692456B2 (ja) * | 2006-09-26 | 2011-06-01 | トヨタ紡織株式会社 | 樹脂発泡成形体の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0796238B2 (ja) * | 1990-02-14 | 1995-10-18 | 株式会社小松製作所 | 熱可塑性樹脂のプレス成形装置およびその成形方法と、その成形金型 |
-
1991
- 1991-07-15 JP JP3173751A patent/JP2635455B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04348919A (ja) | 1992-12-03 |
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