JP3690849B2 - 表皮一体成形用金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は表皮一体成形用金型に係り、特に部分的に表皮材が配設された製品をスタンピング成形によって一体成形するときに用いられる表皮一体成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車の内装部品は、高級感を出すために熱可塑性樹脂などからなる基材の表面に各種表皮材が貼合された表皮付成形製品が多用されている。この表皮付成形製品を製造するには、表皮一体成形用金型が用いられており、この表皮一体成形用金型2つの金型の間に表皮材を配置して、型締めと共に樹脂を供給して成形している。
【0003】
そして、基材の全面に表皮材を一体成形する場合には、製品の外周部となる部分である2つの金型の端部のシャーエッジによって表皮材をカットしている。しかし、基材の一部に表皮材が配設されて構成される内装部品、例えば、車両用座席、特に車両前席の背もたれ背面にポケット部を配設したものにおいて、このポケット部Pは、一般に図4で示されるように構成されている。
【0004】
即ち、図4は従来例の座席Sの背もたれを示す説明斜視図であり、図4において、座席Sの背もたれSbの前面側にはクッション材が配設され、このクッション材の背面側(つまり座席の背面)にバックボードが配設される。そしてクッション材とバックボードとをシート表皮材Hで被覆する。
【0005】
次に座席Sの背もたれSbの背面位置にポケット部Pを形成するために、ポケット表皮100(破線で示す)を背もたれSbの下側に上面が開口するように配設する。このときポケット部Pの上端(即ち開口縁)がだれないように、ポケットプレートを配置して、保形している。
【0006】
そして上記構成のときに、ポケット部Pの内部まで延出したシート表皮材Hは、ポケット表皮100によって覆われて、外部から露見しない箇所で一律にカット(図4の内部カットラインL参照)して、シート表皮材Hの使用量を節約している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、シート表皮材Hのある部分と、シート表皮材Hの無い部分とでは、シート表皮材Hの厚みがある関係上、シート表皮材Hの厚みを考慮して、同じ幅のシャーエッジとすると、シート表皮材Hのないシャーエッジから樹脂漏れが生じてしまうという不都合がある。
【0008】
このため図5で示すように、表皮材Hの厚みを考慮して、表皮材Hのある部分と、表皮材Hのない部分を境に、シャーエッジのクリアランスを変えることが考えられる。しかしシャーエッジのクリアランスを上記のように、表皮材Hのある部分と表皮材Hのない部分を境に変えると、表皮材Hをセットするときに、微妙なずれ等が生じると、成形時にバリ等の発生する可能性がある。
【0009】
本発明の目的は、部分的に表皮材が配設された製品をスタンピング成形によって一体成形するときに、バリを発生させることなく成形できる表皮一体成形用金型を提供することにある。また本発明の他の目的は、表皮材をセットするときのセットズレが生じてもバリを発生させることなく且つ表皮材をカットして成形できる表皮一体成形用金型を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る表皮一体成形用金型は、対向する第1及び第2の金型でキャビティを形成し、該対向する金型の間に表皮材を配置して且つ溶融樹脂を注入し型締めして表皮材を部分的に形成してなる成形品を製造する表皮一体成形用金型において、前記第1及び第2金型にはシャーエッジが形成され、該シャーエッジのクリアランスの幅が、表皮材の配置される部分から表皮材の配置されない部分へ向かって、小さくなるように徐々に変化することを特徴とする。
【0011】
本願請求項2に係る表皮一体成形用金型は、対向する第1及び第2の金型でキャビティを形成し、該対向する金型の間に表皮材を配置して且つ溶融樹脂を注入して型締めして表皮材を部分的に形成してなる成形品を製造する表皮一体成形用金型において、前記第1及び第2金型にはシャーエッジが形成され、
前記シャーエッジのクリアランスは、表皮材の配置されない部分が0.03乃至0.05mmで、この表皮材の配置されない部分から表皮材が配置された位置の5乃至20mmの間で徐変し、表皮材が配置された位置へ0.4mm乃至0.6mmのクリアランスとしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、第1及び第2の金型の間に表皮材を配置して、溶融樹脂をキャビティ内に導入し、型締めして成形するが、このときシャーエッジのクリアランスが表皮材の配置される部分から表皮材の配置されない部分へ少なく徐変して形成されているので、表皮材のセットズレが生じても、直ちにシャーエッジにおける間隙部とならず、樹脂が間隙部からバリとなって生じるのを防止することができる。
【0013】
特にポケット部における表皮材の場合には、シャーエッジにより表皮材は従来と同様に切除する事が可能であるだけでなく、表皮材を切除しても、切除したものがポケット部内となり、バリ等も発生しないので、外観が良好となる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0015】
本例の表皮一体成形用金型は、図1で示すように、第1の金型10と第2の金型20と、を主たる構成要素としており、第1の金型10と第2の金型20とは、対向して配置されている。本例では第1の金型10を固定側金型とし、第2の金型20を可動側金型としている。そして、第1の金型10をコア型として、第2の金型20をキャビティ型として、これら金型10,20により所定形状のキャビティKを形成している。
【0016】
第1の金型10及び第2金型20には表皮材Hを切除するシャーエッジが形成され、該シャーエッジのクリアランスCが表皮材Hの配置される部分から表皮材Hの配置されない部分へ少なく徐変している。
【0017】
つまり、表皮材Hを切除するシャーエッジのクリアランスCは、表皮材の配置されない部分が0.03乃至0.05mmで、配置された部分が基本的に0.4mm乃至0.6mmであり、0.03乃至0.05mmから0.4mm乃至0.6mmへと徐変している。
【0018】
換言すれば、この表皮材Hの配置されない部分から表皮材Hが配置された位置の5乃至20mmの間で徐変し、表皮材が配置された位置へ0.03乃至0.05mmから0.4mm乃至0.6mmへクリアランスCを徐変している。
【0019】
本例の第1の金型10は所定位置に、溶融合成樹脂の通路が形成されており、この通路を通してバルブゲートから溶融合成樹脂がキャビティKへ射出される。
【0020】
また本例では、第1の金型10及び第2の金型20により加圧型締めした後で、冷却等ができるように構成されている。これらの溶融合成樹脂Jの注入装置,型締め装置等は公知の技術を用いることが出来る。
【0021】
本発明に基材として用いられる樹脂、即ち注入される溶融合成樹脂Jとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、ナイロン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマー等圧縮成形、射出成形および押出成形に通常使用されるものを、いずれも用いることができる。また、これらに無機質充填剤,ガラス繊維等の充填剤、顔料、滑剤、帯電防止剤等の添加物を含有したものも適宜用いることができる。
【0022】
また本発明に用いられる表皮材Hの材質としては、織布,不織布,ポリオレフィン、塩化ビニル、ナイロン等の熱可塑性樹脂及びポリオレフィン系、ポリエステル系、ウレタン系、塩化ビニル系等の熱可塑性エラストマーのシート,フィルムが挙げられる。また上記材質を単独或は2種以上積層したものを表皮材Hとして使用することもできる。
【0023】
更にソフトな感触を出すために、表皮材Hの裏面にポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタン等の発泡シートを貼合したもの、成形時において溶融合成樹脂の熱から保護したり、表皮材Hと芯材層の接着力を強化させる目的で布、またはシート等を裏面に貼合した積層体を使用することもできる。これらの表皮材Hの使用にあたっては、表皮材Hの引張応力、伸びを調整するために供給に先立って予備加熱を行ってもよい。
【0024】
本例の金型によって表皮一体成型品として、背面にポケット部を有する座席Sのバックボードと表皮材との一体成形について説明すると、一般に座席の背もたれの前面側には、クッション材が配設され、このクッション材の背面側(つまり座席の背面)にバックボードが配設される。そしてバックボードとシート表皮は一体成形される。
【0025】
このような成形品の場合には、シャーエッジにより表皮材を切除しても、切除したものがポケット部内となり、バリ等も発生しないので、外観が良好となる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、部分的に表皮材が配設された製品をスタンピング成形によって一体成形するときに、バリを発生させることなく且つ表皮材をカットして成形できる。また表皮材をセットするときのセットズレが生じてもバリを発生させることなく成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表皮一体成形用金型の概略断面図である。
【図2】本発明に係るキャビティ型の平面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】従来例の座席の背もたれを説明する説明斜視図である。
【図5】従来のシャーエッジを説明する説明図である。
【符号の説明】
10 第1の金型
20 第2の金型
C クリアランス
H 表皮材
K キャビティ
Claims (2)
- 対向する第1及び第2の金型でキャビティを形成し、該対向する金型の間に表皮材を配置して且つ溶融樹脂を注入し型締めして表皮材を部分的に形成してなる成形品を製造する表皮一体成形用金型において、前記第1及び第2金型にはシャーエッジが形成され、該シャーエッジのクリアランスの幅が、表皮材の配置される部分から表皮材の配置されない部分へ向かって、小さくなるように徐々に変化することを特徴とする表皮一体成形用金型。
- 対向する第1及び第2の金型でキャビティを形成し、該対向する金型の間に表皮材を配置して且つ溶融樹脂を注入し型締めして表皮材を部分的に形成してなる成形品を製造する表皮一体成形用金型において、前記第1及び第2金型にはシャーエッジが形成され、前記シャーエッジのクリアランスは、表皮材の配置されない部分が0.03乃至0.05mmで、この表皮材の配置されない部分から表皮材が配置された位置の5乃至20mmの間で徐変し、表皮材が配置された位置へ0.4mm乃至0.6mmのクリアランスとしたことを特徴とする表皮一体成形用金型。
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JP26370395A JP3690849B2 (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 表皮一体成形用金型 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26370395A JP3690849B2 (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 表皮一体成形用金型 |
Publications (2)
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JPH0976265A JPH0976265A (ja) | 1997-03-25 |
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Family Applications (1)
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JP26370395A Expired - Lifetime JP3690849B2 (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 表皮一体成形用金型 |
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Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
CN106415880A (zh) * | 2014-06-30 | 2017-02-15 | 东洋橡胶工业株式会社 | 密闭型二次电池的变形检测传感器、密闭型二次电池、及密闭型二次电池的变形检测方法 |
-
1995
- 1995-09-19 JP JP26370395A patent/JP3690849B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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