JP3862886B2 - 表皮を有する樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

表皮を有する樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂成形品の製造方法に係り、特に、所定の開口を有する表皮材が樹脂製基材の表面に一体的に固着されている樹脂成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂製基材の表面の一部または全面に表皮材が一体的に固着されている樹脂成形品が、自動車のドアトリムやインストルメントパネルなどの内装部品、或いは家電製品などに広く用いられている。そして、このような表皮を有する樹脂成形品において、例えば車両用ドアのインサイドハンドルベゼル部や各種スイッチのベース部、スピーカグリル部などの取付座、或いはレジスタ、サイドデフロスタなどの枠構造体等を樹脂製基材により一体に構成するとともに、それ等を表面に露出させるために表皮材に所定の開口を形成するようにしたものが、例えば特開平6−182794号公報や特開平6−182793号公報等に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の樹脂成形品においては、表皮材の開口の内周縁部が成形型に固定されていないため、溶融樹脂材料の流動に伴う表皮伸びにより内周端末の位置決めが難しかった。内周縁部を位置決めする木目込み用の突起を成形型に設けた場合、表皮材の開口の内周縁に沿って木目込み用突起に起因する木目込み溝が生じることが避けられないとともに、表皮材の種類が異なると伸び量が変化するため、図9の(a) 〜(c) に示すように木目込み溝100に露出する表皮材102a、102b、102cの内周端末位置が変化する。これを防止するためには、表皮材の種類毎に裁断型を取り替える必要がある。また、溶融樹脂材料の流動長の差に基づいて表皮材表面側への樹脂侵入および内周縁部の位置ずれを防止しているため、製品形状の制約が大きかった。なお、図9の104は樹脂製基材である。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、表皮材に設けられた開口の内周端末を、木目込み用突起を用いることなく且つ表皮材の種類に関係なく高い位置決め精度で樹脂製基材に埋め込むことができるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、所定の開口を有する表皮材が樹脂製基材の表面に一体的に固着されているとともに、その表皮材の開口の内周縁部がその樹脂製基材に埋め込まれている樹脂成形品を、一対の成形型の間で一体成形する製造方法であって、前記表皮材の開口の内周縁部には、その内周縁部の周方向の幅寸法が1〜7mmの固定用凸部がその周方向に1〜7mmの間隔を隔てて複数設けられているとともに、その固定用凸部の突出寸法は前記樹脂製基材の裏面側へ突き出す寸法に設定されており、その固定用凸部の先端をそれぞれ裏面側の成形型に固定した状態で溶融樹脂材料を充填して前記樹脂製基材をその表皮材と一体成形することを特徴とする。
【0006】
第2発明は、第1発明の表皮を有する樹脂成形品の製造方法において、前記複数の固定用凸部は、前記樹脂製基材の裏面側へ突き出して前記成形型に固定される先端が連結部を介して互いに連結されることにより、その樹脂製基材内に埋め込まれる領域に1〜7mmの幅寸法の孔が1〜7mmの間隔を隔てて形成されていることを特徴とする。
第3発明は、所定の開口を有する表皮材が樹脂製基材の表面に一体的に固着されているとともに、その表皮材の開口の内周縁部がその樹脂製基材に埋め込まれている樹脂成形品を、一対の成形型の間で一体成形する製造方法であって、 (a) 前記表皮材の開口の内周縁部には、前記樹脂製基材の裏面側へ突き出す突出寸法だけ全体に突き出すように延長部分が設けられているとともに、 (b) その延長部分には、前記開口の内周縁部の周方向に1〜7mmの幅寸法の孔が1〜7mmの間隔を隔てて形成されており、 (c) その孔よりも先のその延長部分の先端を裏面側の成形型に固定した状態で溶融樹脂材料を充填して前記樹脂製基材を前記表皮材と一体成形することを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
第1発明、第2発明の製造方法においては、表皮材の開口の内周縁部に固定用凸部が設けられて裏面側の成形型に固定されるようになっているため、表皮材の伸び量に多少ばらつきがあっても内周縁部が高い精度で位置決めされ、表皮材の種類に拘らず同一の裁断型を使用して同一形状の表皮材を用いることができるとともに、木目込み用突起を廃止することにより例えば滑らかな一体感のある外観品質が得られるようになる。また、このように開口の内周縁部が固定されることから、溶融樹脂材料の流動長の差に基づいて表皮材表面側への樹脂侵入および内周縁部の位置ずれを防止する場合に比較して、製品形状の制約が緩和される。
【0008】
一方、上記固定用凸部の間隔が1〜7mmと狭いため、その固定用凸部の間に位置する一般の内周縁部についても高い精度で位置決めされて、確実に樹脂製基材に埋め込まれる。また、このように固定用凸部の間隔が狭いことから、個々の固定用凸部の幅寸法が1〜7mmと狭くても、表皮材の位置決めを損なう程固定用凸部が伸びる恐れがなく、そのように固定用凸部の幅寸法が狭くされることによりウェルドラインの発生が抑制される。
【0009】
第2発明では、固定用凸部の先端部分が互いに連結されているため、その先端部分を裏面側の成形型に固定するための型構造が簡単且つ安価に構成される。
先端が裏面側の成形型に固定されるように延長部分を設けるとともに、その延長部分に所定の孔を形成した第3発明においても、第1発明、第2発明と同様の効果が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明は自動車のドアトリムやインストルメントパネルなどの内装部品に好適に適用されるが、家電製品など部分表皮を有する種々の樹脂成形品に適用され得る。樹脂製基材や表皮材としては、一般に使用される種々の材料を用いることが可能で、表皮材としては例えば織布、編布、不織布、塩化ビニル・TPO等のレザー、軟質系フィルムなどが用いられる。また、単層体であっても積層体であっても良く、上記表皮材にクッション層としてウレタンやPPフォーム等を固着したものでも良い。更に、裏打ちとしてPET、PA、PP等の織布、編布、不織布等を用いることもできる。
【0011】
表皮材の開口の内周縁部は、その全周に亘って樹脂製基材に埋め込まれ、その全周について本発明を適用することが望ましいが、部分的に固定用凸部の幅寸法や間隔に関する本発明要件を満たさない部分があっても良い。例えば深い凹凸部では本発明方法を適用し、比較的平坦な部分では固定用凸部の間隔を広くしたりしてもよく、全周に本発明を適用する場合に比較して安い型費で凹凸の大きな立体感のある部分でも表皮に皺や位置ずれのない樹脂成形品が得られる。本発明の適用に際しても、木目込み用突起を廃止して一体感のある外観品質を得ることができるが、意匠的に所定の突起を設けて表皮材の開口の内周縁に沿って意図的に溝を設けることを妨げるものではない。
【0012】
固定用凸部の幅寸法は、表皮材の材質等に応じて1〜7mmの範囲内で設定されるが、1mm未満では伸びたり切れたりして位置決めが困難であり、7mmより大きくなるとウェルドラインが発生し易くなる。固定用凸部の間隔については、1mm未満になると溶融樹脂材料の流動が阻害されて充填が困難になり、7mmより大きくなると、固定用凸部の伸びなどにより固定用凸部の間の一般の内周縁部の位置決め精度が悪くなる。なお、上記幅寸法および間隔は、それぞれ2〜5mmの範囲内で設定することが望ましい。第2発明、第3発明の孔の幅寸法および間隔についても、同様に2〜5mmの範囲内で設定することが望ましい。
【0013】
第1発明の固定用凸部は、例えば表皮材の開口の内周縁から櫛歯状に突き出すように多数設けられる。固定用凸部の形状は矩形が望ましいが、適宜定められる。第2発明、第3発明の孔は、丸や楕円、長円、角形、正方形、長方形など適宜定められる。また、孔の最大幅寸法が1〜7mmの範囲内で、隣接する孔の最小離間距離が1〜7mmの範囲内であれば良い。
【0014】
上記固定用凸部または延長部分のうち樹脂製基材の裏面側へ突き出している部分は、邪魔でなければそのまま残しておいても良いが、必要に応じて切除することも勿論可能である。
【0015】
溶融樹脂材料は、少なくとも表皮材の固定用凸部または延長部分が固定された裏面側の成形型とその表皮材との間に充填する必要があり、例えば裏面側の成形型に設けられた供給路から溶融樹脂材料を射出するようにすれば良い。表皮材と裏面側の成形型との間に供給された溶融樹脂材料は、他方(表面側)の成形型の成形面に表皮材を押圧して成形するとともに、固定用凸部の間または孔を通って表皮材の開口の内側へ流出して樹脂製基材を構成するが、必要に応じて表皮材の開口内に位置する部分にも直接溶融樹脂材料を供給するようにしても良い。樹脂製基材および表皮材の一体成形は、溶融樹脂材料の射出圧のみで成形する射出成形でも良いが、溶融樹脂材料を充填した後に一対の成形型を接近させて加圧する射出圧縮成形が望ましい。
【0016】
樹脂製基材のうち、表皮材の開口の内側に位置する部分には、例えばドアトリムの場合、車両用ドアのインサイドハンドルベゼル部や各種スイッチのベース部、スピーカグリル部などの取付座が一体に設けられ、インストルメントパネルの場合、レジスタやサイドデフロスタなどの枠構造体が一体に設けられることが望ましいが、それ等の取付座や枠構造体を別体に構成して、樹脂製基材に設けられた取付穴内にそれ等を取り付けるようになっていても良い。また、表皮材の開口内では単に樹脂製基材の表面が露出しているだけでも良い。要するに、表皮材に設けられた開口の内周縁部が樹脂製基材に埋め込まれるようになっておれば良く、その開口内の構成については適宜定められる。
【0017】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1の(a) は、本発明方法に従って製造された樹脂成形品としての自動車のドアトリム10を示す正面図で、熱可塑性樹脂にて構成された樹脂製基材12の表面の一部には、オーナメントとして島状の表皮材14が一体的に設けられているとともに、その表皮材14には矩形の開口14a、14b、14cが設けられている。表皮材14の外周縁部は全周に亘って樹脂製基材12に埋め込まれているとともに、開口14a、14b、14cの内周縁部もそれぞれ全周に亘って樹脂製基材12に埋め込まれている。また、開口14aの内側には、取付座としてインサイドハンドルを取り付けるためのインサイドハンドルベゼル部50が樹脂製基材12と一体に設けられ、開口14b、14cの内側には、取付座として各種スイッチを取り付けるためのスイッチベース部52、54が同じく樹脂製基材12と一体に設けられている。
【0018】
図2は、上記インサイドハンドルベゼル部50の近傍すなわち開口14a付近の断面図で、開口14aの内周縁部には、図1の(b) に示すように櫛歯状に略矩形の固定用凸部56が内周縁の全周に亘って多数設けられている。図1の(b) は、成形前の表皮材14の開口14aの内周縁形状を示す図である。他の開口14b、14cも開口14aと同様に構成されているが、以下、開口14aを例として具体的に説明する。なお、表皮材14の外周縁部も開口14aの内周縁部と同様にして樹脂製基材12に埋め込まれている。また、インサイドハンドルベゼル部50やスイッチベース部52、54の具体的な形状は省略してある。
【0019】
図1の(b) において、固定用凸部56の幅寸法(開口14aの周方向の寸法)L1 は1〜7mmの範囲内、好ましくは2〜5mmの範囲内で設定されており、周方向に所定の間隔L2 を隔てて設けられている。間隔L2 は、同じく1〜7mmの範囲内で、好ましくは2〜5mmの範囲内で設定されている。また、固定用凸部56の突出寸法は、ドアトリム10の裏面(樹脂製基材12の裏面と同じ)10b側へ突き出す寸法に設定されており、図3に示す一対の成形型16、18のうちドアトリム10の裏面10bを成形する成形型18に固定されるようになっている。樹脂製基材12のうち表皮材14の開口14aの内周縁部が埋め込まれる部分には、所定寸法だけ裏面10b側へ突き出すように環状に凸部20が設けられており、固定用凸部56の先端部はこの凸部20から突き出すようになっている。図1(b) における表皮材14の領域A1 は、成形後においてドアトリム10の表面10aに露出する部分で、領域A2 は樹脂製基材12内に埋め込まれる部分で、領域A3 はドアトリム10の裏面10b側へ突き出す部分である。また、図2における開口14aの右側の内周縁部は固定用凸部56の断面で、左側の内周縁部は固定用凸部56の間に位置する一般の内周縁部58の断面である。
【0020】
図3の成形型16、18は射出圧縮成形を行うためのもので、成形型16は上型であり、上下方向へ往復移動させられるとともに、目的とするドアトリム10の表面10aに対応する成形面16aを備えている。この成形面16aには、意匠的にドアトリム10の表面10aのうち表皮材14の開口14aの内周縁に沿って僅かな凹み10cを形成するために環状の凸条16bが設けられている。成形型18は下型で、成形型16の下方に位置固定に配設されるようになっており、ドアトリム10の裏面10bに対応する成形面18aを備えている。
【0021】
成形型18は、下型本体22と、その下型本体22のうち前記表皮材14の固定用凸部56を固定する部分、すなわち開口14aの内周縁部に対応する部分に設けられた環状のスライド型24とを含んで構成されている。スライド型24は上下方向の移動可能に下型本体22に配設され、図に示す下降端位置に保持されることにより、下型本体22と共に上記成形面18aを形成するとともに、固定用凸部56の先端部を下型本体22との間で挟圧して固定する。下型本体22には、固定用凸部56に対応して多数の固定用溝22aが形成されているとともに、樹脂製基材12を構成する溶融樹脂材料を供給する供給路22bが設けられている。供給路22bは、成形面18aのうち表皮材14が設けられる部分は勿論、表皮材14が設けられない部分にも開口させられているが、少なくとも表皮材14の裏側へ充填された溶融樹脂材料が固定用凸部56の間を通って開口14aの内側へ流動させられるようになっている。また、下型本体22およびスライド型24には、前記固定用溝22aに連続するようにそれぞれ環状の切欠溝26、28が設けられ、これ等の環状の切欠溝26、28によって前記凸部20が形成されるようになっている。
【0022】
そして、このような成形型16、18を用いてドアトリム10を射出圧縮成形する際には、先ず、成形型16を上昇させた状態で表皮材14を成形型18に配置する。すなわち、スライド型24を上昇させるとともに、表皮材14の開口14aの内周縁部に設けられた多数の固定用凸部56をそれぞれ固定用溝22a内に挿入した後、スライド型24を下降端位置まで下降させて固定用凸部56を挟圧して固定する。スライド型24には、上方へ向かうに従って内周側および外周側へ幅寸法が大きくなるテーパが設けられているため、下降端位置まで下降させられることにより固定用溝22a内に確実に固定用凸部56を固定できる。
【0023】
次に、成形型16を型締め位置よりも僅かに上方の射出位置まで下降させて、供給路22bから溶融樹脂材料を充填する。このように溶融樹脂材料が充填されることにより、表皮材14は成形型16の成形面16aに押圧されて成形されるとともに、その表皮材14の裏側へ充填された溶融樹脂材料の一部は固定用凸部56の間を通って開口14aの内側へ流動し、開口14aの内周縁部が図2に示すように滑らかに湾曲させられる。ドアトリム10の裏面10b側には凸部20が設けられるため、溶融樹脂材料の流通面積を十分に確保できる。そして、表皮材14の裏側以外の部分にも十分に溶融樹脂材料が充填された状態で、成形型16を型締め位置まで下降させて圧縮成形することにより、溶融樹脂材料の冷却、硬化に伴って樹脂製基材12が高い精度で表皮材14と一体成形され、目的とするドアトリム10が得られる。図2では、裏面10bの凸部20から固定用凸部56の先端が突き出しているが、必要に応じて切除すれば良い。
【0024】
ここで、本実施例では表皮材14の開口14aの内周縁部に固定用凸部56が設けられて成形型18に固定されるようになっているため、表皮材14の伸び量に多少ばらつきがあっても内周縁部が高い精度で位置決めされ、表皮材14の種類に拘らず同一の裁断型を使用して同一形状の表皮材14を用いることができるとともに、木目込み用突起を廃止して意匠用の凸条16bを設けることにより、表皮材14の開口14aに沿って僅かな凹み10cを有するメリハリのある外観品質が得られるようになる。また、このように開口14aの内周縁部が位置決めされることから、溶融樹脂材料の流動長の差に基づいて表皮材表面側への樹脂侵入および内周縁部の位置ずれを防止する場合に比較して、製品形状の制約が緩和される。
【0025】
一方、本実施例では上記固定用凸部56の間隔L2 が1〜7mm(好ましくは2〜5mm)と狭いため、その固定用凸部56の間に位置する一般の内周縁部58についても高い精度で位置決めされて、確実に樹脂製基材12に埋め込まれる。また、このように固定用凸部56の間隔L2 が狭いことから、個々の固定用凸部56の幅寸法L1 が1〜7mm(好ましくは2〜5mm)と狭くても、表皮材14の位置決めを損なう程固定用凸部56が伸びる恐れがなく、そのように固定用凸部56の幅寸法L1 が狭くされることによりウェルドラインの発生が抑制される。
【0026】
上記幅寸法L1 や間隔L2 は、固定用凸部56の伸び等に拘らず一般の内周縁部58がドアトリム10の表面10aに露出することがなく、確実に樹脂製基材12内に埋め込まれるように、表皮材14の材質などを考慮して前記1〜7mmの範囲内で適宜定められる。また、これらの幅寸法L1 や間隔L2 を、図1の(a) に示す表皮材14の開口14aの内周形状の曲率に応じて部分的に変更することもできる。
【0027】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0028】
図4は、ドアトリム10の表面10aの形状の別の例を示す図で、(a) は前記成形型16の成形面16aの凸条16bを除去して凹み10cを無くしたもので、滑らかな一体感のある外観品質が得られる。(b) は、表面10aにおける表皮材14の開口14aの内周縁に沿って木目込み溝に似た溝30を設けた場合で、成形型16の成形面16aに木目込み用の突起と同様な凸条を設けることによって形成できる。
【0029】
図5は、表皮材14の固定用凸部56を成形型18に固定する部分の別の態様を示す図で、(a) は前記下型本体22の切欠溝26を略無くした場合であり、(b) は前記スライド型24の切欠溝28を略無くした場合である。(a) 、(b) 何れの場合も、前記凸部20の幅寸法が約1/2になる。なお、樹脂製基材12の肉厚が厚くて、固定用凸部56の間の溶融樹脂材料の流動を十分に確保できる場合には、凸部20を無くして裏面10bを平坦にすることもできる。
【0030】
図6は、前記図1の(b) に相当する図で、この表皮材14の開口14aの内周縁部には樹脂製基材12内に埋め込まれる前記領域A2 に、1〜7mm(好ましくは2〜5mm)の幅寸法L3 の孔32を1〜7mm(好ましくは2〜5mm)の間隔L4 を隔てて形成することにより、それ等の孔32の間から先の部分を固定用凸部34としたもので、その固定用凸部34の先端部、すなわち樹脂製基材12の裏面側へ突き出す領域A3 は連結部36を介して互いに連結されている。本実施例では孔32は円孔で、幅寸法L3 は直径寸法であり、孔32よりも先の部分が延長部分に相当する。また、間隔L4 は固定用凸部34の幅寸法で、幅寸法L3 は固定用凸部34の間隔に相当する。図7は、このような孔32が形成された表皮材14を用いて製造したドアトリム10の断面図で、前記図2に相当する図である。
【0031】
この場合にも前記実施例と同様な効果が得られるのに加えて、前記成形型18の下型本体22とスライド型24との間で挟圧される部分すなわち固定用凸部34の先端部が連結部36を介して連なっているため、前記固定用溝22aをスライド型24に沿って環状に連続して形成すれば良く、形状が単純になって成形型18が簡単且つ安価に構成される。
【0032】
図8のドアトリム40は、前記樹脂製基材12の表面のうち前記表皮材(オーナメント)14を除く部分に別の表皮材42を一体的に固着したものである。表皮材42には、スピーカ装着位置に開口42aが設けられており、樹脂製基材12のうち開口42aの内側に位置する部分には、取付座としてスピーカを取り付けるためのスピーカグリル部44が一体に設けられている。そして、上記表皮材42の開口42aの内周縁部の処理にも本発明が適用され、前記開口14aと同様にして樹脂製基材12に埋め込まれている。なお、前記インサイドハンドルベゼル部50、スイッチベース部52、54が表皮材42の内側部分に設けられる場合にも、表皮材42に形成される開口の内周縁部の処理に本発明を適用して樹脂製基材12に埋め込むことができる。また、表皮材42の上に重ねて表皮材(オーナメント)14を設けることも可能で、その場合には表皮材42に設けられた開口内を貫通して開口14aの内周縁部を樹脂製基材12に埋め込んだり、表皮材14および42に設けられた開口の内周縁部を重ねて樹脂製基材12に埋め込んだりすれば良い。
【0033】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
【0034】
例えば、前記実施例では一体の環状のスライド型24が用いられていたが、このスライド型24を複数に分割して構成することも可能で、固定用凸部56が設けられた部分のみに配設するようにしても良い。開口14aに対応する外周形状の円柱状のスライド型を採用することもできる。また、図3の左右方向(言い換えれば、開口14aの内周縁に対して直角な方向)へ移動する複数のスライド型を用いて固定用凸部56を固定することもできるなど、固定用凸部56を成形型18に固定する方法は適宜変更できる。
【0035】
また、前記図1および図2に示すドアトリム10を製造する場合でも、固定用溝22aが環状に連続して形成された成形型18を用いることが可能である。その場合には、凸部20から断続して突き出す固定用凸部56の間の部分に樹脂製基材12のバリが生じるが、必要に応じて後処理で除去すれば良い。
【0036】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に従って製造された樹脂成形品を説明する図で、(a) は樹脂成形品の正面図、(b) はその樹脂成形品に用いられている表皮材の所定の開口の内周縁部の形状を示す図である。
【図2】図1の樹脂成形品のうち表皮材に開口が設けられた部分の断面図である。
【図3】図1の樹脂成形品を射出圧縮成形する成形型の一例を示す断面図である。
【図4】図1の樹脂成形品の別の例を説明する図で、図2に相当する図である。
【図5】図1の樹脂成形品において表皮材が樹脂製基材に埋め込まれる部分の別の態様を説明する断面図である。
【図6】図1の樹脂成形品に用いられる表皮材の開口の内周縁部の形状の別の例を示す図である。
【図7】図6の表皮材を用いた場合の樹脂成形品の断面図で、図2に相当する図である。
【図8】本発明方法が好適に適用される樹脂成形品の別の例を示す正面図である。
【図9】従来の樹脂成形品において、表皮材の伸び量のばらつきによって生じる開口の内周端末部の位置ずれの例を示す断面図である。
【符号の説明】
10、40:ドアトリム(樹脂成形品) 12:樹脂製基材 14、42:表皮材 14a、14b、14c、42a:開口 16、18:成形型 32:孔 34:固定用凸部(延長部分) 36:連結部(延長部分) 56:固定用凸部

Claims (3)

  1. 所定の開口を有する表皮材が樹脂製基材の表面に一体的に固着されているとともに、該表皮材の開口の内周縁部が該樹脂製基材に埋め込まれている樹脂成形品を、一対の成形型の間で一体成形する製造方法であって、
    前記表皮材の開口の内周縁部には、該内周縁部の周方向の幅寸法が1〜7mmの固定用凸部が該周方向に1〜7mmの間隔を隔てて複数設けられているとともに、該固定用凸部の突出寸法は前記樹脂製基材の裏面側へ突き出す寸法に設定されており、該固定用凸部の先端をそれぞれ裏面側の成形型に固定した状態で溶融樹脂材料を充填して前記樹脂製基材を該表皮材と一体成形する
    ことを特徴とする表皮を有する樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記複数の固定用凸部は、前記樹脂製基材の裏面側へ突き出して前記成形型に固定される先端が連結部を介して互いに連結されることにより、該樹脂製基材内に埋め込まれる領域に1〜7mmの幅寸法の孔が1〜7mmの間隔を隔てて形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の表皮を有する樹脂成形品の製造方法。
  3. 所定の開口を有する表皮材が樹脂製基材の表面に一体的に固着されているとともに、該表皮材の開口の内周縁部が該樹脂製基材に埋め込まれている樹脂成形品を、一対の成形型の間で一体成形する製造方法であって、
    前記表皮材の開口の内周縁部には、前記樹脂製基材の裏面側へ突き出す突出寸法だけ全体に突き出すように延長部分が設けられているとともに、
    該延長部分には、前記開口の内周縁部の周方向に1〜7mmの幅寸法の孔が1〜7mmの間隔を隔てて形成されており、
    該孔よりも先の該延長部分の先端を裏面側の成形型に固定した状態で溶融樹脂材料を充填して前記樹脂製基材を前記表皮材と一体成形する
    ことを特徴とする表皮を有する樹脂成形品の製造方法。
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