JP7356299B2 - 樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法 Download PDF

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本発明は、樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法に関する。
近年、樹脂成型品に装飾を施す技術が多数開発されている。
例えば、特許文献1では、着色層が無機高分子層で挟まれることによって、着色層のインキ流れを防止することができ、インモールド成形品の不良の発生を抑制することが開示されている。
また、特許文献2には、転写時のゲート部近辺における転写層等のインキ流れを抑制し、転写相当箇所の全域にわたって所望通りの転写を安定して行うことが可能なインモールド転写箔が開示されている。
国際公開第2016/194027号 特開平2-261614号公報
しかしながら、例えば、目地溝が設けられた樹脂積層体を作成する場合において摩耗を抑制するために裏面側からインクジェット印刷を行うと所望の印刷精度が得られない場合があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、印刷精度を向上することが可能な樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明にかかる樹脂積層体は、表面材と、基材と、装飾層と、を備える。表面材は、透明の熱可塑性樹脂材料で形成されている。基材は、樹脂材料によって形成されている。装飾層は、表面材と基材との間に配置されている。表面材の装飾層と反対側の表面には、目地溝が設けられている。目地溝の底面は湾曲部を有する。湾曲部の曲率半径Rが0.2mm以上、および目地溝の角度が85°以下である。目地溝の角度は、目地溝の形成方向に対して垂直な断面において目地溝の幅方向と目地溝の内側面の成す角度である。
このような曲率半径Rの湾曲部、および角度を有する目地溝を表面材に設けた場合、表面材の第2面に装飾層を形成したときであってもユーザが所望する意匠を形成することができる。このため、印刷精度を向上することができる。
なお、湾曲部の曲率半径Rが0.2mmよりも小さくなると、底面が鋭角になりすぎて装飾層を形成し難くなり、特にインクジェット印刷を行う場合にはインクが配置されにくくなり意匠性が悪くなるため、曲率半径Rが0.2mm以上であるほうが好ましい。また、目地溝の角度が85°よりも大きくなると表面材の裏面における目地溝の内側面に対応する部分に装飾層が形成されにくくなり、特にインクジェット印刷を行う場合にはインクが配置されにくくなり意匠性が悪くなるため、目地溝の角度が85°以上であるほうが好ましい。
第2の発明にかかる樹脂積層体は、第1の発明にかかる樹脂積層体であって、表面材は、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、またはポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つの樹脂材料を含む透明な材料から形成されている。
これにより、樹脂を用いて表面材を形成することができる。
第3の発明にかかる樹脂積層体は、第1または第2の発明にかかる樹脂積層体であって、目地溝の深さは、5mm以下である。
これにより、インクジェット印刷を行った場合に、所望の意匠を形成することができる。
なお、例えば表面材の第2面にインクジェット印刷を行う場合、目地溝の深さの分、表面材からインクジェットのヘッドを離間させる必要があるが、表面材からインクジェットのヘッドが近いほうが所望の意匠を形成しやすい。
目地溝の深さが5mmよりも大きくなると、目地溝以外の平面部分からの距離がより遠くなり意匠性が悪くなるため、目地溝の深さが5mm以下であるほうが好ましい。
第4の発明にかかる樹脂積層体は、第1~第3のいずれかの発明にかかる樹脂積層体であって、装飾層は、インクジェット印刷によって形成されている。
これにより、装飾層をインクジェット印刷によって形成することができる。
第5の発明にかかる樹脂積層体の製造方法は、装飾層形成工程と、基材成形工程と、を備える。装飾層形成工程は、透明の樹脂材料で形成され、表面に目地溝が設けられた表面材の裏面にインクを吐出して装飾層を形成する。基材成形工程は、装飾層上に前記樹脂材料を射出して基材を成形する。目地溝の底面に設けられた湾曲部の曲率半径Rが0.2mm以上、および目地溝の角度が85°以下である。目地溝の角度は、目地溝の形成方向に対して垂直な断面において目地溝の幅方向と目地溝の内側面の成す角度である。
このような曲率半径Rの湾曲部、および角度を有する目地溝を表面材に設けた場合、表面材の第2面に装飾層を形成したときであってもユーザが所望する意匠を形成することができる。このため、印刷精度を向上することができる。
なお、湾曲部の曲率半径Rが0.2mmよりも小さくなると、底面が鋭角になりすぎて装飾層を形成し難くなり、特にインクジェット印刷を行う場合にはインクが配置されにくくなり意匠性が悪くなるため、曲率半径Rが0.2mm以上であるほうが好ましい。
また、目地溝の角度が85°よりも大きくなると表面材の裏面における目地溝の内側面に対応する部分に装飾層が形成されにくくなり、特にインクジェット印刷を行う場合にはインクが配置されにくくなり意匠性が悪くなるため、目地溝の角度が85°以上であるほうが好ましい。
本発明によれば、目地溝が設けられていても所望の意匠を形成することが可能な樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法を提供することができる。
本発明にかかる実施の形態の樹脂積層体の斜視図。 図1の樹脂積層体の断面図。 図2のS部拡大図。 図1の樹脂積層体の表面材の第1面側を示す平面図。 図1の樹脂積層体の表面材の第2面側を示す平面図。 図4の表面材のBB´間の矢示断面図。 図6の表面材のT部拡大図。 本発明にかかる実施の形態の樹脂積層体の製造方法を示すフロー図。 図8の樹脂積層体の製造方法を説明するための断面図。 図8の樹脂積層体の製造方法を説明するための断面図。 図8の樹脂積層体の製造方法を説明するための断面図。 図8の樹脂積層体の製造方法を説明するための断面図。 実施例1~5の結果の表を示す図。 本発明にかかる実施の形態の変形例における表面材の部分拡大断面図。
以下、本発明の樹脂積層体、及び樹脂積層体の製造方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
<構成>
(樹脂積層体の概要)
図1は、本実施の形態の樹脂積層体100の斜視図である。図2は、本実施の形態の樹脂積層体100の断面図である。図3は、図2のS部拡大図である。
また、以下の説明において、上下方向が図2中における上下方向と一致するが、これに限定されるものではなく、樹脂積層体100の配置される位置によって方向は変わるものとする。
本実施の形態の樹脂積層体100は、例えば、タイル、パネル、シートなどであって、加飾または化粧パネル、加飾または化粧タイル、加飾または化粧シート等として用いられる。また、樹脂積層体100は、床材等に用いても良い。
本実施の形態の樹脂積層体100は、表面材1と、装飾層2と、基材3と、を備える。表面材1は、透明の熱可塑性樹脂材料で形成されている。基材3は、樹脂材料によって形成されている。装飾層2は、表面材1と基材3の間に配置されている。
表面材1は、第1面1aと、第1面1aの反対側の第2面1bとを有する。装飾層2は、表面材1の第2面1b上に設けられている。装飾層2は、第2面1bと接触する第1面2aと、第1面2aの反対側の第2面2bと、を有する。基材3は、第2面2b上に設けられている。基材3は、装飾層2の第2面2bと接触する第1面3aと、第1面3aの反対側の第2面3bとを有する。
(表面材1)
図4は、表面材1の第1面1aを示す平面図である。図5は、表面材1の第2面1bを示す平面図である。図6は、図4のAA´間の矢示断面図であり、図7は、図6のT部拡大図である。
表面材1は、複数の目地溝10と、複数の平面部11と、を有する。
複数の目地溝10は、第1面1aに形成されている。目地溝10は、第1面1aに形成された凹部形状である。目地溝10は、図4に示すように、所定の第1方向B1に平行に複数形成されており、第1方向B1に対して垂直な第2方向B2に平行に複数形成されている。
第1方向B1に沿って形成された複数の目地溝10と、第2方向B2に沿って形成された複数の目地溝10は、複数個所で交差している。
また、第1面1aに形成された目地溝10は、図3および図5に示すように、第2面1bにおいて突出して第1方向B1に沿った突条部10jまたは第2方向B2に沿った突条部10jを形成する。
複数の平面部11は、複数の目地溝10の間に設けられている。図4の平面視において、平面部11は、例えば正方形状に形成されている。
詳細には、図6に示すように、第1面1aは、平面部11に対応する第1面部分11aと、目地溝10の内面に対応する第1面部分10aを有する。第1面部分10aは、図7に示すように、対向する内側面10cと、底面10dとを有する。底面10dは所定の曲率半径Rで湾曲している湾曲部10eを有している。内側面10cは、第1面部分11aと底面10dを繋いでいる。
また、第2面1bは、平面部11に対応する第2面部分11bと、目地溝10に対応する第2面部分10bとを有する。第2面部分10bは、第2面部分11bから外側に向かって凸に湾曲した形状となっている。
表面材1は、透明の熱可塑性樹脂材料で形成されていれば特に限定されるものではなく、透明度の高い樹脂材料で形成されるほうがより好ましい。
表面材1の材料としては、例えば、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル樹脂等のアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン、またはその共重合体などから選ばれる樹脂材料の少なくとも一つを含む材料により形成することができる。
また、表面材1は、射出成形、プレス成形または真空成形などによって作成することができる。
表面材1の厚み1D(図6参照)は、略一定である。表面材1の厚み1Dは1.0mm以下に設定されており、更に好ましくは、0.1mm以上に設定されている。
隣り合う目地溝10の中心同士の間隔をピッチ10P(図6参照)とすると、ピッチ10Pは、50mm以下に設定されている。ピッチ10Pが50mmよりも大きくなると目地溝10が模様を形成しにくく意匠性が悪くなるため、ピッチ10Pは50mm以下であるほうが好ましい。
目地溝幅10W(図7参照)は、目地溝10の幅であり、0.5mm以上5mm以下に設定されている。なお、目地幅が0.5mmよりも小さいと目地であると認識し難くなるため意匠性が悪くなり、目地幅が5mmよりも大きいと一般的な目地として受け入れられなくなるため、目地溝の幅が0.5以上5mm以下であるほうが好ましい。
目地深さ10D(目地溝の深さの一例)(図7参照)は、0.5mm以上に設定されている。目地深さ10Dは、図7に示すように、平面部11に対して垂直な方向(樹脂積層体100における積層方向ともいえる)において平面部11の第1面部分11aから目地溝10の底面10dの最深部までの長さである。
目地深さが0.5mmよりも小さいと目地であると視認し難くなるため意匠性が悪くなるため、目地深さが0.5mm以上であるほうが好ましい。また、目地深さ10Dは、好ましくは5mm以下に設定されている。
例えば表面材1の第2面1bにインクジェット印刷を行う場合、目地深さ10Dの分、表面材1の平面部11からインクジェットのヘッドを離間させる必要があるが、インクジェットのヘッドが近いほうが所望の意匠を形成しやすい。目地深さ10Dが5mmよりも大きくなると、ヘッドからの距離が近い目地溝10に対応する第2面部分10bよりも特に平面部11に対応する第2面部分10bにおける意匠性が悪くなるため、目地深さが5mm以下であるほうが好ましい。
目地溝10の底面10dは湾曲部10eを有しており、湾曲部10eの曲率半径Rが0.2mm以上に設定されている。本実施の形態では、底面10d全体が湾曲部10eとなっている。
目地溝10の湾曲部10eの曲率半径Rが0.2mmよりも小さくなると、底面10dが鋭角に形成されすぎ目地溝10に対応する第2面部分10bに装飾層2が形成されにくくなる。特にインクジェット方式を用いる場合には、第2面部分10bの先端にインクが配置されにくくなり意匠性が悪くなるため、目地溝10の湾曲部10eの曲率半径Rが0.2mm以上であるほうが好ましい。
図7に示すような目地溝10の形成方向に対して垂直な断面において目地溝10の幅方向Wと目地溝10の内側面10cの成す角度を目地溝10の角度θとすると、目地溝の角度θは、85°以下に設定されている。
目地溝の角度θが85°よりも大きくなると第2面部分10bが第2面部分11bから急に立ち上がることになり装飾層2が形成されにくくなる。特に、インクジェット方式を用いる場合には、上記部分にインクが配置されにくくなるなり意匠性が悪くなるため、目地溝の角度θが85°以上であるほうが好ましい。なお、θを示す部分では、Wは一方向への矢印で示されているが、幅方向Wは反対方向も含む。
なお、目地溝の角度θは、目地溝10の形成方向に対して垂直な断面において第1面1aの第1面部分10aの延長線Lと、目地溝10の内側面10cの成す角度ともいえる。
(装飾層)
装飾層2は、種々の模様、色等により形成され、樹脂積層体100を装飾するものである。装飾層2は、図2及び図3に示すように、表面材1の、第2面部分10b、11bを含む第2面1bに形成される。装飾層2による装飾は、透明の表面材1を介して外部から視認することができる。
装飾層2は、インクジェット印刷機によって表面材1の第2面1bに非接触で印刷することができる。この場合、表面材1の第2面1bに直接印刷してもよいし、接着性を向上するために表面材1の第2面1bにプライマー処理や放電処理を行った上で印刷してもよい。また、これらの処理は、印刷後に、装飾層2に対して行われてもよい。
インクジェット印刷機によって吐出されるインクは、公知の技術によるインクが用いられる。例えば、モノマーを主要成分とし、オリゴマー、色材、分散材、光重合開始剤、界面活性剤などのその他添加剤のどれか一つ以上を含むUVもしくはEB硬化インク(引用:日本画像学会誌 第49巻 第5号 UVインクジェットの硬化特性および 高分子 34巻 11月号(1985年)電子線硬化樹脂)。
または、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られる例えば、浸透、蒸発、乾燥、酸重合乾燥、熱硬化インクを用いても良い。これらを組み合わせて使用してもよい。
なお、装飾層2は、予め模様印刷されたフィルムを用い、インサート射出成型、熱転写成型などにより表面材1の第2面1b側に設けてもよく、これによって画像を付与しても良い。
(基材)
基材3は、図2に示すように、表面材1を支持するものである。基材3は、図2に示すように、装飾層2の表面材1側の第1面2aとは反対側の第2面2b上に配置されている。
基材3の第1面3aには、表面材1の目地溝10に対応する凹凸構造が形成されている。
基材3は樹脂材料で形成されており、この樹脂材料は特に限定されるものではないが、例えば、樹脂積層体100が受ける衝撃を吸収するために弾性変形しやすい材料が好ましい。
このような材料としては、例えば、PVC等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂などから選ばれる少なくとも1つの樹脂材料より形成することができる。また、上記装飾層2のインクとの接着性の観点からは、極性を有する樹脂材料で形成されるほうが好ましい。
なお、基材3は、後述するようにインサート成形によって形成される。
<樹脂積層体の製造方法>
次に、本実施の形態の樹脂積層体100の製造方法について説明する。
図8は、本実施の形態の樹脂積層体100の製造方法を示すフロー図である。図9、図10、図11、および図12は、樹脂積層体100の製造方法を説明するための断面図である。
はじめにステップS10において、図4~図7に示すような表面材1が、射出成形、プレス成形または真空成形などによって作成される。
はじめに、ステップS20において、図9(a)に示すように、表面材1の第2面1bにインクジェット印刷機のヘッド120からインク130が吐出され、インクが第2面1bに塗布されて、図9(b)に示すように、装飾層2が形成される。インク130は、溝10によって形成される第2面1bの突条部10jも覆うように塗布される。
なお、図9(a)は、表面材1の部分拡大図である。例えば、目地溝10の深さが5mmの場合であっても、ヘッド120から第2面部分11bまでの距離は、7mm以下であるほうが好ましい。第2面部分11bからヘッド120までの距離が7mmよりも大きくなると、第2面部分11bにおいて所望の意匠を得ることが難しくなるためである。
次に、ステップS30において、装飾層2上に基材3がインサート成形によって形成される。
具体的には、図10に示すように、表面材1および装飾層2が金型200内に配置される。金型200は、第1金型201と第2金型202とを有している。
第1金型201には、樹脂材料を金型内に射出するためのゲート210が形成されている。第2金型202には、表面材1および装飾層2が配置される。
第2金型202には、表面材1の目地溝10に対応する突条部202aが形成されている。本実施の形態では、ゲート210は例えば2つ形成されている。
図10に示すように、表面材1および装飾層2が第2金型202に配置されてから、図11に示すように第1金型201と第2金型202が閉じられる。その後、樹脂材料がゲート210から金型200内に射出され(矢印C参照)、図12に示すように、基材3が形成される。そして、作成された樹脂積層体100が金型200内から取り出される。
<実施例>
次に、実施例を用いて本実施の形態の樹脂積層体について説明する。
1辺の長さが15mmで厚み1Dが0.5mmの表面材の目地溝幅10W、目地深さ10D、曲率半径R、または溝角度θを変更してインクの塗布性能を確認した。
図13は、実施例1~実施例3および比較例1~4の表面材にインクジェット方式を用いて装飾層を形成したとき平面部11の画像精度と目地溝の部分の柄の色の濃さについて検証を行った。
実施例1では、目地溝幅10Wが2mm、目地深さ10Dが1mm、曲率半径Rが0.2mm、および溝角度θが80°の表面材にインクジェット方式を用いて装飾層を形成した。その結果、表面部の画像精度および目地溝の部分の柄の色の濃さともに良好であった。
実施例2では、目地溝幅10Wが3mm、目地溝深さ10Dが3mm、曲率半径Rが0.5mm、および溝角度θが69°の表面材にインクジェット方式を用いて装飾層を形成した。その結果、表面部の画像精度および目地溝の部分の柄の色の濃さともに良好であった。
実施例3では、目地溝幅10Wが3mm、目地溝深さ10Dが3mm、曲率半径Rが1mm、および溝角度θが77°の表面材にインクジェット方式を用いて装飾層を形成した。その結果、表面部の画像精度および目地溝の部分の柄の色の濃さともに良好であった。
比較例1では、目地溝幅10Wが3mm、目地溝深さ10Dが6mm、曲率半径Rが1mm、および溝角度θが80°の表面材にインクジェット方式を用いて装飾層を形成した。その結果、目地溝の部分の柄の色の濃さは良好であったが、表面部の画像精度が良好ではなかった。
比較例2では、目地溝幅10Wが2mm、目地溝深さ10Dが1mm、曲率半径Rが0、および溝角度θが65°の表面材にインクジェット方式を用いて装飾層を形成した。その結果、表面部の画像精度は良好であったが、目地溝の部分の柄の色の濃さは良好ではなかった。
比較例3では、目地溝幅10Wが2mm、目地溝深さ10Dが1mm、曲率半径Rが1および溝角度θが90°の表面材にインクジェット方式を用いて装飾層を形成した。その結果、表面部の画像精度は良好であったが、目地溝の部分の柄の色の濃さは良好ではなかった。
比較例4では、目地溝幅10Wが1mm、目地溝深さ10Dが6mm、曲率半径Rが0.2および溝角度θが87°の表面材にインクジェット方式を用いて装飾層を形成した。その結果、表面部の画像精度ならびに目地溝の部分の柄の色の濃さの双方とも良好ではなかった。
以上より、実施例1~3と比較例2から、曲率半径Rが0.2mmよりも小さくなると、目地溝の部分の柄の色が薄くなることがわかる。これは、目地溝に対応する部分にインクが付着し難いためである。
また、実施例1~3と比較例3、4から、目地溝の角度θが85°を超えると、目地溝の部分の柄の色が薄くなることがわかる。これは、目地溝に対応する部分にインクが付着し難いためである。
また、実施例1~3と比較例1、4から、目地溝の深さが5mmを超えると表面部の画像精度が悪くなる。これは、ヘッドの位置が表面部から遠くなるためである。
<他の実施の形態>
以上、本発明による樹脂積層体、及び樹脂積層体の製造方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(A)
上記実施の形態では、平面部11は平面視において正方形状であるが、これに限らず、三角形状、四角形状等の多角形状などであってもよく、目地溝10が湾曲している場合には、外周が湾曲した形状であってもよい。
(B)
上記実施の形態では、目地溝10の形成方向に対して垂直な断面において目地溝10の内側面10cは直線上であったが、曲線であってもよい。
(C)
上記実施の形態では、目地溝10の形成方向に対して垂直な断面形状は左右対称に形成されているが、これに限らず左右非対称であってもよい。
(D)
上記実施の形態では、目地溝10の形成方向に対して垂直な断面において目地溝10の底面10dは、1つの曲率半径Rの湾曲部10eから形成されているが、これに限らなくても良い。
図14は、底面10dに平面部10fが設けられた表面材1´の部分拡大断面図である。図14に示す表面材1´に形成されている目地溝10´の底面10d´は、2つの湾曲部10g、10hと、平面部10fを有する。
湾曲部10g、10hの各々の曲率半径Rは、上記実施の形態と同様に0.2mm以上に設定されている。平面部10fは、湾曲部10gと湾曲部10hの間に配置されている。すなわち、目地溝10´の幅方向Wに沿って、内側面10c、湾曲部10g、平面部10f、湾曲部10h、および内側面10cの順に繋がって、目地溝10´が形成されている。湾曲部10gの曲率半径と湾曲部10hの曲率半径が異なっていてもよい。
(E)
上記実施の形態では、2つのゲート210が形成されているが、2つに限られるものではなく、更に場所についても図11に示すような場所に限られるものではない。
(F)
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
本発明の樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法は、目地溝が設けられていても所望の意匠を形成することが可能な効果を有し、床材などとして有用である。
1 :表面材
1a :第1面
1b :第2面
2 :装飾層
3 :基材
10 :目地溝
10c :内側面
10d :底面
10D :深さ
10W :幅
100 :樹脂積層体

Claims (3)

  1. 透明の熱可塑性樹脂材料で射出成型により形成された表面材と、
    樹脂材料により形成された基材と、
    前記表面材と前記基材との間に配置され、インクジェット印刷によって形成された装飾層と、を備え、
    前記表面材の前記装飾層と反対側の表面には、目地溝が設けられており、
    前記表面材の前記装飾層側の表面には、前記目地溝に対応する突条部が設けられており、
    前記目地溝の底面は、湾曲部を有し、
    前記湾曲部の曲率半径Rが0.2mm以上、前記目地溝の角度が85°以下、および前記目地溝の深さは、5mm以下であり、
    前記目地溝の角度は、前記目地溝の形成方向に対して垂直な断面において前記目地溝の幅方向と前記目地溝の内側面の成す角度である、
    樹脂積層体。
  2. 前記表面材は、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリカーボネート樹脂、またはポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つの樹脂材料を含む透明な材料から形成されている、
    請求項1に記載の樹脂積層体。
  3. 透明の熱可塑性樹脂材料で形成され、表面に目地溝が設けられ、裏面に前記目地溝に対応する突条部が設けられた表面材の前記裏面にインクを吐出してインクジェット印刷によって装飾層を形成する装飾層形成工程と、
    前記装飾層上に前記樹脂材料を射出して基材を成形する基材成形工程と、を備え、
    前記目地溝の底面に設けられた湾曲部の曲率半径Rが0.2mm以上、前記目地溝の角度が85°以下、および前記目地溝の深さは、5mm以下であり、
    前記目地溝の角度は、前記目地溝の形成方向に対して垂直な断面において前記目地溝の幅方向と前記目地溝の内側面の成す角度である、
    樹脂積層体の製造方法。
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