JP6503628B2 - 加飾シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形品に微細な凹凸形状による意匠を表出させることができる加飾シートに関する。さらに、本発明は、当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品に関する。
従来、車両内外装部品、建材内装材、家電筐体等には、樹脂成形品の表面に加飾シートを積層させた加飾樹脂成形品が使用されている。このような加飾樹脂成形品の製造においては、予め意匠が付与された加飾シートを、射出成形によって樹脂と一体化させる成形法などが用いられている。係る成形法の代表的な例としては、加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形しておき、当該加飾シートを射出成形型に挿入し、流動状態の樹脂を型内に射出することにより樹脂と加飾シートとを一体化するインサート成形法や、射出成形の際に金型内に挿入された加飾シートを、キャビティ内に射出注入された溶融樹脂と一体化させる射出成形同時加飾法が挙げられる。また、射出成形による成形法以外には、真空圧着法のように予め成形された成形体上に加熱や加圧を伴いながら貼着される加飾方法においても加飾シートが用いられている。
上記のような加飾シートにおいては、加飾シートの表面に微細な凹凸形状を形成することにより、加飾樹脂成形品の表面に種々の意匠が施されることがある。加飾シートの表面に微細な凹凸形状を形成する方法としては、金型を用いたエンボス加工などが知られている(例えば特許文献1)。しかしながら、エンボス加工などのように、加飾シートの表面または内部に機械的に凹凸形状を設ける方法では、深さが数百nm〜数μm程度の微細な凹凸形状を付与することは困難である。また、機械的に設けられた凹凸形状は、射出成形時、またはそれに先立つ予備成形(真空成形)時の熱と応力の作用で、凹凸形状が平坦面に復元しやすいという問題がある。
特開2008−137216号公報
上記のような従来技術の問題点に鑑み、本発明は、加飾シートの表面や内部に機械的に凹凸形状を設けなくても、樹脂成形品に微細な凹凸形状による意匠を表出させることができる加飾シート、及び当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、第1樹脂層と、第2樹脂層とが積層された積層体からなる加飾シートにおいて、第1樹脂層が部分的に積層されており、第1樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、アクリル系樹脂を80質量%以上含み、第2樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、塩素系樹脂を30質量%以上含むことにより、加飾シートの表面や内部に機械的に凹凸形状を設けなくても、樹脂成形品に微細な凹凸形状による意匠を表出させることができることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、第1樹脂層と、第2樹脂層とが積層された積層体からなる加飾シートであって、
前記積層体において、前記第1樹脂層は、部分的に積層されており、
前記第1樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、アクリル系樹脂を80質量%以上含み、
前記第2樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、塩素系樹脂を30質量%以上含む、加飾シート。
項2. 前記第1樹脂層及び第2樹脂層の少なくとも一方が、着色剤を含む、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記第2樹脂層が複数積層されている、項1または2に記載の加飾シート。
項4. 前記第1樹脂層の厚みが、1.0μm以上である、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層が、基材層の上に積層されている、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 最表面に表面保護層をさらに備える、項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
項7. 前記表面保護層の厚みが、30μm以下である、項6に記載の加飾シート。
項8. 転写用基材の上に、アクリル樹脂を80質量%以上含むバインダー樹脂を含む第1樹脂層を部分的に積層する工程と、塩素系樹脂を30質量%以上含むバインダー樹脂を含む第2樹脂層を積層する工程とを行い、転写シートを作製する、転写シート作製工程と、
前記転写シートに積層された前記第1樹脂層及び第2樹脂層を基材層上に転写する転写工程と、
を備える、加飾シートの製造方法。
項9.前記転写工程の後、さらに表面保護層を積層する工程を備える、項8に記載の加飾シートの製造方法。
項10. 少なくとも、成形樹脂層の上に、第1樹脂層と、第2樹脂層とが積層された積層体からなる加飾樹脂成形品であって、
前記積層体において、前記第1樹脂層は、部分的に積層されており、
前記第1樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、アクリル系樹脂を80質量%以上含み、
前記第2樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、塩素系樹脂を30質量%以上含む、加飾樹脂成形品。
項11. 前記加飾樹脂成形品の表面に凹凸形状が形成されており、
前記表面の凹凸形状の凹部が、前記積層体の積層方向において前記第1樹脂層が位置する領域に対応する領域に形成されている、項10に記載の加飾樹脂成形品。
本発明によれば、加飾シートの表面や内部に機械的に凹凸形状を設けなくても、樹脂成形品に微細な凹凸形状による意匠を表出させることができる加飾シートを提供することができる。さらに、本発明によれば、表面に微細な凹凸形状による意匠を有する加飾樹脂成形品を提供することができる。
本発明の加飾シートの一例の断面構造の模式図である。 本発明の加飾シートの一例の断面構造の模式図である。 本発明の加飾シートの製造工程を説明するための模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の一例の断面構造の模式図である。 実施例1の加飾樹脂成形品の表面についての、光学顕微鏡による観察像(倍率100倍)である。 比較例1の加飾樹脂成形品の表面についての、光学顕微鏡による観察像(倍率100倍)である。 比較例2の加飾樹脂成形品の表面についての、光学顕微鏡による観察像(倍率100倍)である。
1.加飾シート
本発明の加飾シートは、少なくとも、第1樹脂層と、第2樹脂層とが積層された積層体からなる加飾シートであって、当該積層体において、第1樹脂層が部分的に積層されており、第1樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、アクリル系樹脂を80質量%以上含み、第2樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、塩素系樹脂を30質量%以上含むことを特徴とする。本発明の加飾シートは、このような構成を有することにより、加飾シートの表面や内部に機械的に凹凸形状を設けなくても、樹脂成形品に微細な凹凸形状による意匠を表出させることができる。なお、後述の通り、本発明の加飾シートは、絵柄層などを有していなくてもよく、例えば透明であってもよい。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。
加飾シートの積層構造
本発明の加飾シートは、少なくとも、第1樹脂層2と、第2樹脂層3とが積層された積層体からなる。本発明の加飾シートは、加飾シートの保形性を高めることなどを目的として、必要に応じて、基材層1を有していてもよい。また、後述の通り、第1樹脂層2及び第2樹脂層3とは異なるバインダー樹脂組成を有する第3樹脂層を有していてもよい。また、本発明の加飾シートは、加飾シートの表面を保護することなどを目的として、必要に応じて、最外層として表面保護層4を設けてもよい。また、表面保護層4と、これに隣接する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、表面保護層4の下にプライマー層5を設けてもよい。また、加飾シートと成形樹脂層8との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、接着層7を有していてもよい。
図1または図2に示されるように、第1樹脂層2は、本発明の加飾シートを構成する積層体において、水平方向x(積層方向yとは垂直な方向)に部分的に積層されている。また、第2樹脂層3は、本発明の加飾シートを構成する積層体において、水平方向xの少なくとも一部分に積層されていればよい。すなわち、第2樹脂層3は、水平方向xに部分的に積層されていてもよいし、全面に積層されていてもよい。
また、第1樹脂層2及び第2樹脂層3は、それぞれ、複数積層されてもよい。また、第1樹脂層2と第2樹脂層3の積層順は、特に制限されない。例えば、図2おいては、水平方向xに部分的に形成された第1樹脂層が1層、部分的に形成された第2樹脂層31、32、33が3層積層されており、第1樹脂層2が2つの第2樹脂層31,32の層間に位置する積層構造を例示している。
なお、図1〜4は、加飾シート及び加飾樹脂成形品の積層構造を示すため模式図であり、描画の都合により、第1樹脂層2及び第2樹脂層3が積層された層と同一平面に、これらの何れの層も形成されていない空間が存在するかのように描写されているが、実際の加飾シートにおいては、このような箇所は実質的に存在せず、順に積層される層によって埋められている。
本発明の加飾シートの積層構造として、第1樹脂層/第2樹脂層がこの順に積層された積層構造;基材層/第1樹脂層/第2樹脂層がこの順に積層された積層構造;基材層/第2樹脂層/第1樹脂層がこの順に積層された積層構造;基材層/第1樹脂層/第2樹脂層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/第2樹脂層/第1樹脂層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/第2樹脂層/第1樹脂層/第2樹脂層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/第2樹脂層/第1樹脂層/第2樹脂層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造などが挙げられる。なお、当該積層構造の例示において、第1樹脂層、第2樹脂層と記載したものは、それぞれ、複数の第1樹脂層、複数の第2樹脂層であってもよい。図1に、本発明における加飾シートの積層構造の一態様として、基材層/第1樹脂層/第2樹脂層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。図2に、本発明における加飾シートの積層構造の一態様として、基材層/第2樹脂層/第1樹脂層/第2樹脂層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。
加飾シートを形成する各層の組成
[第1樹脂層2]
本発明の加飾シートにおいては、第1樹脂層2が、積層体の水平方向xにおいて部分的に積層されており、かつ、第1樹脂層2に含まれるバインダー樹脂が、アクリル系樹脂を80質量%以上含む。本発明においては、このような構成を有する第1樹脂層2と共に、後述する第2樹脂層3とが積層されていることにより、加飾シートの表面や内部に機械的に凹凸形状を設けなくても、樹脂成形品に微細な凹凸形状による意匠を表出させることが可能となっている。
具体的には、図1、図2、図4に示されるように、本発明の加飾シートが積層された加飾樹脂成形品の表面においては、アクリル系樹脂を80質量%以上含むバインダー樹脂を含む第1樹脂層2が位置する領域4a(加飾樹脂成形品の表面の領域であって、積層体の積層方向yにおいて第1樹脂層2が位置する領域に対応する領域)は、加飾樹脂成形品の製造過程の熱と圧力によっても平坦性が維持されている。一方、第1樹脂層2が位置していない領域4bは、加飾樹脂成形品の製造過程の熱と圧力によって、加飾シートにおける平坦性が維持されず、表面形状が粗くなり、領域4b全体として凸状に突出する。このため、加飾樹脂成形品の表面の第1樹脂層2が位置する領域4aと位置しない領域4bとによって、凹凸形状が形成される(図4を参照)。よって、第1樹脂層2を、積層体の水平方向xに微細な間隔を置いて部分的に積層することにより、加飾樹脂成形品の表面に、第1樹脂層2が位置する領域4aと位置しない領域4bとに対応した微細な凹凸形状を形成することができる。このような凹凸形状は、加飾シートに熱と圧力をかけて成形樹脂と一体化する過程において形成されるものであるため、成形時の熱と圧力によっても凹凸形状が平坦面になり難く、加飾樹脂成形品に微細な凹凸形状による意匠を表出させることができる。
第1樹脂層2は、バインダー樹脂に、必要に応じて、顔料や染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したインキ組成物を用いて形成することができる。第1樹脂層2の形成過程において、溶剤は揮発するため、第1樹脂層2は、バインダー樹脂と、上記の着色剤などの固形分により形成される。第1樹脂層2は、実質的にバインダー樹脂のみにより形成されていてもよい。
第1樹脂層2において、バインダー樹脂に含まれるアクリル系樹脂の割合としては、80質量%以上であれば特に制限されないが、好ましくは80〜100質量%程度、より好ましくは90〜100質量%程度が挙げられる。第1樹脂層2を形成するバインダー樹脂におけるアクリル系樹脂の割合は、100質量%としてもよい。すなわち、バインダー樹脂は、実質的にアクリル系樹脂のみにより構成されていてもよい。アクリル系樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
アクリル系樹脂の具体例としては、好ましくはアクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂などが挙げられる。アクリル樹脂としては、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成単位とするアクリル樹脂が好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。アクリル樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリルまたはメタクリル」を意味し、他の類似するものも同様の意である。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられ、これらのうち(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体としては、上記例示されたものから選ばれる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が例示され、これらの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合体を形成する他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なものであれば特に限定されないが、本発明では、(メタ)アクリル酸、スチレン、(無水)マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ノルボルネン類などの脂環式オレフィンモノマー、ビニルカプロラクタム、シトラコン酸無水物、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド類、ビニルエーテル類などが好ましく挙げられ、特にスチレン及び(無水)マレイン酸が共重合成分として好適である。すなわち、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン又は(無水)マレイン酸の二元共重合体、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン及び(無水)マレイン酸の三元共重合体が好適である。なお、(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
また、アクリルポリオール樹脂としては、特に制限されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを共重合させて得られるものが挙げられる。
当該アクリル系樹脂の重量平均分子量としては、特に制限されないが、好ましくは〜程度、より好ましくは〜150000程度が挙げられる。なお、本明細書におけるアクリル系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
第1樹脂層2において、バインダー樹脂に含まれ得るアクリル系樹脂以外の他のバインダー樹脂としては、特に制限されないが、好ましくは塩素系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ブチラール樹脂、ポリスチレン、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が挙げられ、好ましくは塩素系樹脂が挙げられる。好ましい塩素系樹脂としては、後述の第2樹脂層3で例示したものが挙げられる。これらの他のバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
第1樹脂層2は、加飾シートに装飾性を付与することなどを目的として、必要に応じて、着色剤を含んでいてもよい。すなわち、第1樹脂層2が絵柄層を形成していてもよい。着色剤としては、特に制限されないが、例えば、パール顔料、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料等が挙げられる。
パール顔料としては、例えば、表面部分に金属酸化物を含む粒子が挙げられる。このようなパール顔料としては、例えば、雲母等の鱗片状粒子の表面が金属酸化物で被覆された顔料が挙げられる。パール顔料に含まれる金属酸化物としては、加飾シートに光輝性の意匠を付与できるものであれば、特に制限されないが、例えば、チタン、鉄、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム、セリウムなどの金属の酸化物が挙げられる。金属酸化物としては、1種類単独で含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてよい。パール顔料の具体例としては、好ましくは二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、二酸化チタンと酸化鉄で被覆した雲母などが挙げられる。
第1樹脂層2及び後述の第2樹脂層3の少なくとも一方が着色剤を含む場合、第1樹脂層2及び第2樹脂層3の少なくとも一方によって、加飾シートに表現される模様についても、特に制限されないが、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等が挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様であってもよい。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成されるが、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成することができる。
第1樹脂層2、後述の第2樹脂層3、第3樹脂層の少なくとも1層が着色剤を含む場合、これらの層によって形成された絵柄と、上記の微細な凹凸形状とを同調させることにより、高い意匠性を表出させることが可能となる。絵柄と凹凸形状との同調による意匠性をより高める観点からは、少なくとも第1樹脂層2が着色剤を含むことが好ましく、少なくとも第1樹脂層2及び第2樹脂層3が着色剤を含むことがさらに好ましい。
第1樹脂層2の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは1.5〜3.0μm程度、さらに好ましくは2.0〜3.0μm程度が挙げられる。第1樹脂層2がこのような厚みを有することにより、加飾樹脂成形品の表面において、第1樹脂層2が位置する領域4aを平坦化する効果が高められ、より効果的に上記の凹凸形状を形成することができる。なお、上述の通り、第1樹脂層2は複数積層されていてもよく、第1樹脂層2が複数積層される場合は、第1樹脂層2の合計厚みが、この範囲にあることが好ましい。
第1樹脂層2は、例えば、インキ組成物を用いて印刷することにより、後述の基材層1、第2樹脂層3などの上に部分的に形成される。なお、第1樹脂層2は、後述のように、第2樹脂層3と共に転写用基材6の上に積層した後、当該転写用基材6を用いて基材層1の上などに転写して加飾シートに積層することが好ましい。第1樹脂層2は、積層体の水平方向xに部分的に印刷することにより形成することができる。第1樹脂層2を形成するための印刷方法については、特に制限されないが、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写による印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
[第2樹脂層3]
本発明の加飾シートにおいては、上記の第1樹脂層2と共に、第2樹脂層3が積層されており、第2樹脂層3に含まれるバインダー樹脂は、塩素系樹脂を30質量%以上含む。本発明の加飾シートにおいては、バインダー樹脂がアクリル系樹脂を80質量%以上含む上記の第1樹脂層2と共に、バインダー樹脂が塩素系樹脂を30質量%以上含む第2樹脂層3を含むため、本発明の加飾シートを用いて得られる加飾樹脂成形品において、上記の凹凸形状が効果的に形成されている。これは、塩素系樹脂を多く含む層が形成されていることにより、加飾シートの成形時の熱と圧力によって表面がより突出しやすくなる一方、第1樹脂層2が形成されている領域4aにおいては、第2樹脂層3が積層されていても表面の平坦性が維持されるため、第1樹脂層2が位置している領域4aと位置していない領域4bとの間で凹凸差が大きくなり、凹凸形状がより効果的に形成されているものと考えられる。
第2樹脂層3は、バインダー樹脂に、必要に応じて、顔料や染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したインキ組成物を用いて形成することができる。第2樹脂層3の形成過程において、溶剤は揮発するため、第2樹脂層3は、バインダー樹脂と、上記の着色剤などの固形分により形成される。第2樹脂層3は、実質的にバインダー樹脂のみにより形成されていてもよい。
第2樹脂層3において、バインダー樹脂に含まれる塩素系樹脂の割合としては、30質量%以上であれば特に制限されないが、好ましくは40〜100質量%程度、より好ましくは50〜100質量%程度が挙げられる。第2樹脂層3を形成するバインダー樹脂における塩素系樹脂の割合は、100質量%としてもよい。すなわち、バインダー樹脂は、実質的に塩素系樹脂のみにより構成されていてもよい。塩素系樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
塩素系樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体などのポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化プロピレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられるが、特に好ましくはポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
当該塩素系樹脂の重量平均分子量としては、特に制限されないが、好ましくは50000〜200000程度、より好ましくは50000〜100000程度が挙げられる。なお、本明細書における塩素系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
第2樹脂層3において、バインダー樹脂に含まれ得る塩素系樹脂以外の他のバインダー樹脂としては、特に制限されないが、好ましくはアクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ブチラール樹脂、ポリスチレン、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が挙げられ、好ましくはアクリル系樹脂が挙げられる。好ましいアクリル系樹脂としては、上記の第1樹脂層2で例示したものが挙げられる。これらの他のバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
第2樹脂層1は、加飾シートに装飾性を付与することなどを目的として、必要に応じて、着色剤を含んでいてもよい。すなわち、第2樹脂層3が絵柄層を形成していてもよい。着色剤としては、特に制限されず、第1樹脂層2で例示したものが挙げられる。また、第1樹脂層2及び第2樹脂層3の少なくとも一方によって、加飾シートに表現される模様については、上述の通りである。
第2樹脂層3の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは1〜10μm程度、より好ましくは2〜7μm程度、さらに好ましくは3〜5μm程度が挙げられる。第1樹脂層2がこのような厚みを有することにより、より効果的に上記の凹凸形状を形成することができる。なお、上述の通り、第2樹脂層3は複数積層されていてもよく、第2樹脂層3が複数積層される場合は、第2樹脂層3の合計厚みが、この範囲にあることが好ましい。
第2樹脂層3は、例えば、インキ組成物を用いて印刷することにより、後述の基材層1、第1樹脂層2などの上に形成される。なお、第2樹脂層3は、後述のように、第1樹脂層2と共に転写用基材6の上に積層した後、当該転写用基材6を用いて基材層1の上などに転写して加飾シートに積層することが好ましい。第2樹脂層3は、積層体の水平方向xの少なくとも一部分に印刷すればよい。すなわち、第2樹脂層3は、水平方向xに部分的に印刷してもよいし、全面に印刷してもよい。第2樹脂層3を複数層印刷する場合には、部分的に印刷した層と、全面に印刷した層とを組み合わせてもよい。第2樹脂層3を形成するための印刷方法については、特に制限されないが、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写による印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
[第3樹脂層]
本発明の加飾シートは、必要に応じて、上記の第1樹脂層2及び第2樹脂層3以外の第3樹脂層を備えていてもよい。すなわち、第1樹脂層2に含まれるバインダー樹脂において、アクリル系樹脂の含有量が80質量%未満であり、かつ、塩素系樹脂の含有量が30質量%未満である第3樹脂層が積層されていてもよい。第3樹脂層は、バインダー樹脂を構成する樹脂の組成が異なること以外は、上記の第2樹脂層3と同様とすることができる。
[基材層1]
基材層1は、本発明の加飾シートにおいて支持体としての役割を果たすことを目的として、必要に応じて設けられる層である。基材層1は、樹脂シート(樹脂フィルム)により形成されている。基材層1に使用される樹脂成分については、特に制限されず、三次元成形性や成形樹脂層との相性等に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ABS樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。基材層1を形成する樹脂成分としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、基材層1は、これら樹脂の単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種樹脂による複層シートで形成されていてもよい。
基材層1は、隣接する層との密着性を向上させるために、必要に応じて、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理が施されていてもよい。基材層1の表面処理として行われる酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線処理法等が挙げられる。また、基材層1の表面処理として行われる凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材層1を構成する樹脂成分の種類に応じて適宜選択されるが、効果及び操作性等の観点から、好ましくはコロナ放電処理法が挙げられる。
また、基材層1には、着色剤などを配合した着色、色彩を整えるための塗装、デザイン性を付与するための模様の形成などがなされていてもよい。
基材層1の厚みは、特に制限されず、加飾シートの用途等に応じて適宜設定されるが、通常50〜800μm程度、好ましくは100〜600μm程度、さらに好ましくは200〜500μm程度が挙げられる。基材層1の厚みが上記範囲内であると、加飾シートに対してより一層優れた三次元成形性、意匠性などを備えさせることができる。
[表面保護層4]
表面保護層4は、加飾シートの耐薬品性、耐傷付き性などを高めるために、加飾樹脂成形品の最表面に位置するようにして、必要に応じて設けられる層である。本発明において、表面保護層4を形成する樹脂としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、加飾樹脂成形品の表面に上記の微細な凹凸形状を効果的に形成し、さらに、耐傷付き性を高め、優れた表面特性を付与する観点からは、電離放射線硬化性樹脂が好ましいが、表面保護層4を形成する樹脂は、加飾シートの用途に応じて適宜選択することができる。また、表面保護層4は、樹脂フィルムにより形成してもよい。樹脂フィルムとしては、後述の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂により形成された樹脂フィルムが挙げられる。表面保護層4は、例えば電離放射線硬化性樹脂または樹脂フィルムの1層により形成されていてもよいし、これらの2層以上により形成されていてもよい。
熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;などが挙げられる。
(電離放射線硬化性樹脂)
表面保護層4の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層4の形成において好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能性(メタ)アクリレートとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端または側鎖に(メタ)アクリレート基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであってもよい。ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物の反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコーン(メタ)アクリレートは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーンの末端又は側鎖に(メタ)(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。これらの中でも、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが特に好ましい。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記した電離放射線硬化性樹脂の中でも、優れた三次元成形性を得る観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。また、三次元成形性と耐傷付き性を両立する観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートを組み合わせて使用することがより好ましい。
(他の添加成分)
表面保護層4を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物には、表面保護層4に備えさせる所望の物性に応じて、上記の無機粒子及び有機粒子の他、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、マット剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができ、例えばマット剤としてはシリカ粒子や水酸化アルミニウム粒子等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
(表面保護層4の厚み)
表面保護層4の硬化後の厚みについては、特に制限されないが、上記の微細な凹凸形状を効果的に形成する観点からは、好ましくは30μm以下、より好ましくは5〜20μm程度、より好ましくは7〜15μm程度が挙げられる。さらに、このような範囲の厚みを満たすと、耐傷付き性、耐候性等の表面保護層としての十分な物性が得られると共に、表面保護層4を電離放射線硬化性樹脂を用いて形成する場合には電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。また、表面保護層4の硬化後の厚みが前記範囲を充足することによって、加飾シートの三次元成形性が一層向上するため自動車内装用途等の複雑な三次元形状に対して高い追従性を得ることができる。このように、本発明の加飾シートは表面保護層4の厚みを従来のものより厚くしても、十分に高い三次元成形性が得られることから、特に表面保護層4に高い膜厚を要求される部材、例えば車両外装部品等の加飾シートとしても有用である。
(電離放射線硬化性樹脂を用いる場合の表面保護層4の形成)
表面保護層4の形成は、例えば、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを塗布し、架橋硬化することにより行われる。なお、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、表面保護層4の下に位置する第1樹脂層2、第2樹脂層3、プライマー層5などの層の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。
本発明においては、調製された塗布液を、前記厚みとなるように、表面保護層4の下に位置する層の上に、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、未硬化樹脂層を形成させる。
このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて表面保護層4を形成する。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度が挙げられる。
なお、電子線の照射において、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、表面保護層4の下に電子線照射によって劣化しやすい樹脂を使用する場合には、電子線の透過深さと表面保護層4の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定する。これにより、表面保護層4の下に位置する層への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による各層の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、表面保護層4の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
更に、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含む光線を放射すればよい。紫外線源としては、特に制限されないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が挙げられる。
かくして形成された表面保護層4には、各種の添加剤を添加することにより、ハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等の機能を付与する処理を行ってもよい。
なお、表面保護層4を樹脂フィルムにより形成する場合には、表面保護層4の下に位置する層の上に樹脂フィルムを積層すればよい。なお、樹脂フィルムとしては、上記した他の添加剤を含む樹脂フィルムや、サンドブラスト加工等の表面加工を施された樹脂フィルムを用いることもできる。
[プライマー層5]
プライマー層5は、表面保護層4とその下に位置する第1樹脂層2、第2樹脂層3などの層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて含まれる層である。プライマー層5は、樹脂により形成することができる。
プライマー層5を形成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、好ましくは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ウレタン樹脂としては、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンを使用できる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であればよく、具体的には、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。上記イソシアネートとしては、具体的には、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート;4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが挙げられる。
上記ウレタン樹脂の中でも、架橋後の密着性の向上等の観点から、好ましくは、ポリオールとしてアクリルポリオール、又はポリエステルポリオールと、架橋材としてヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとから組み合わせ;さらに好ましくは、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを組み合わせが挙げられる。
上記アクリル樹脂としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂として、より具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらのアクリル樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂が挙げられる。また、硬化剤としては、前述する各種イソシアネートが用いられる。アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂におけるアクリルとウレタン比の比率については、特に制限されないが、例えば、アクリル/ウレタン比(質量比)として、9/1〜1/9、好ましくは8/2〜2/8が挙げられる。
プライマー層5の厚みについては、特に制限されないが、例えば0.1〜10μm程度、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。プライマー層5がこのような厚みを充足することにより、加飾シートの耐候性をより高めると共に、表面保護層4の割れ、破断、白化等を有効に抑制することができる。
プライマー層5は、プライマー層5を形成する樹脂を用いて、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の通常の塗布方法や転写コーティング法により形成される。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層や接着層の塗膜を形成し、その後に加飾シート中の対象となる層表面に被覆する方法である。
[接着層7]
接着層7は、加飾シートと成形樹脂層8との密着性や接着性を向上させることなどを目的として、基材層1の裏面に必要に応じて設けられる層である。接着層7を形成する樹脂としては、加飾シートと成形樹脂層8との密着性や接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層7は必ずしも必要な層ではないが、本発明の加飾シートを、後述する真空圧着法など、予め用意された樹脂成形体上へ貼着による加飾方法に適用することを想定した場合は、設けられていることが好ましい。真空圧着法に用いる場合、上記した各種の樹脂のうち、加圧又は加熱により接着性を発現する樹脂として慣用のものを使用して接着層8を形成することが好ましい。
接着層7の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜20μm程度、さらに好ましくは1〜8μm程度が挙げられる。
加飾シートの製造方法
本発明の加飾シートは、例えば次の工程を備える方法により製造することができる。
転写用基材の上に、アクリル樹脂を80質量%以上含むバインダー樹脂を含む第1樹脂層を部分的に積層する工程と、塩素系樹脂を30質量%以上含むバインダー樹脂を含む第2樹脂層を積層する工程とを行い、転写シートを作製する、転写シート作製工程
転写シートに積層された前記第1樹脂層及び第2樹脂層を基材層上に転写する転写工程
(転写シート作製工程)
図3に示されるように、本発明の加飾シートの製造方法においては、まず、転写シート作製工程を行う。転写シート作製工程においては、転写用基材6の上に、第1樹脂層2を部分的に積層する工程と、第2樹脂層3を積層する工程とを行う。また、転写シート作製工程においては、必要に応じて、上記の第3樹脂層を積層する工程を行う。第1樹脂層2、第2樹脂層3、及び第3樹脂層の積層は、上述の通り、印刷などにより行うことができる。転写シート作製工程においては、所望の加飾シートの積層構造となるようにして、転写用基材6の上に第1樹脂層2、第2樹脂層3、必要に応じて第3樹脂層を積層する。また、プライマー層4を備える加飾シートを製造する場合、転写シート作製工程において、第1樹脂層2の形成に先立って転写用基材6の上にプライマー層4を形成してもよく、後述の転写工程後、表面保護層形成工程においてプライマー層4を形成してもよい。
[転写用基材6]
本発明において、転写用基材6は、第1樹脂層2、第2樹脂層3、必要に応じて設けられる第3樹脂層を基材層1の上に積層するために用いられる。本発明で用いられる転写用基材6は、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
転写用基材6としては、第1樹脂層2、第2樹脂層3、必要に応じて設けられる第3樹脂層の剥離性などの観点から、これらの中でもポリエステルシートを用いることがこのましい。ポリエステルシートを構成するポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを示し、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを好ましく挙げることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好ましい。
転写用基材6の厚みは、通常10〜150μmであり、10〜125μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。また、転写用基材1としては、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートを用いることができる。
[離型層]
離型層は、転写用基材6と第1樹脂層2、第2樹脂層3、必要に応じて設けられる第3樹脂層との剥離性を高めることなどを目的として、必要に応じて、転写用基材6の第1樹脂層2、第2樹脂層3、必要に応じて設けられる第3樹脂層が積層される側の表面に設けられる。離型層は、全面を被覆(全面ベタ状)しているベタ離型層であってもよいし、一部に設けられるものであってもよい。通常は、剥離性を考慮して、ベタ離型層が好ましい。
離型層は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル−メラミン系樹脂が含まれる。)、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿などの熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を形成するモノマーの共重合体、あるいはこれらの樹脂を(メタ)アクリル酸やウレタンで変性したものを、単独で又は複数を混合した樹脂組成物を用いて形成することができる。なかでも、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、これらの樹脂を形成するモノマーの共重合体、及びこれらをウレタン変性したものが好ましく、より具体的には、アクリル−メラミン系樹脂単独、アクリル−メラミン系樹脂含有組成物、ポリエステル系樹脂とエチレン及びアクリル酸の共重合体をウレタン変性したものとを混合した樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン及びアクリルとの共重合体のエマルションとを混合した樹脂組成物などが挙げられる。これらの内、アクリル−メラミン系樹脂単独又はアクリル−メラミン系樹脂を50質量%以上含有組成物で離型層を構成することが特に好ましい。
離型層の厚みは、通常、0.01〜5μm程度であり、好ましくは、0.05〜3μm程度である。
(転写工程)
次に、図3に示されるように、転写工程を行う。転写工程においては、転写シートに積層された第1樹脂層2、第2樹脂層3、必要に応じて設けられる第3樹脂層を基材層上に転写する。すなわち、転写シートの転写用基材6とは反対側を、基材層1の表面上に積層する。このとき、基材層1の表面を溶融させて、転写シートの転写用基材6とは反対側を基材層1の表面上に積層することにより、転写シートを基材層1の上に熱融着させることができる。次に、得られた積層体の表面に位置する転写用基材6を剥離することにより、基材層1の上に第1樹脂層2、第2樹脂層3、必要に応じて設けられる第3樹脂層が転写された加飾シートが得られる。
(表面保護層形成工程)
本発明の加飾シートに表面保護層4を設ける場合、上記の転写工程の後、表面保護層4を積層する表面保護層形成工程を行ってもよい。表面保護層4の積層は、上記のようにして行うことができる。また、表面保護層4とその下に位置する層との密着性を高めることなどを目的として、表面保護層4を積層する前に、必要に応じて、プライマー層5を積層してもよい。表面保護層4は、プライマー層5同様、第1樹脂層2、第2樹脂層3を形成する前に転写用基材6に設けてもよい。
2.加飾樹脂成形品
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層の上に、第1樹脂層と、第2樹脂層とが積層された積層体からなり、当該積層体において、第1樹脂層が部分的に積層されており、第1樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、アクリル系樹脂を80質量%以上含み、第2樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、塩素系樹脂を30質量%以上含むことを特徴とする。本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、加飾シートに上述の基材層1、第3樹脂層、表面保護層4、プライマー層5、接着層7などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい。
本発明の加飾樹脂成形品は、例えば、本発明の加飾シートを用いて、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法により作製される。これらの射出成形法の中でも、好ましくはインサート成形法及び射出成形同時加飾法が挙げられる。また、本発明の加飾樹脂成形品は、真空圧着法等の、予め用意された立体的な樹脂成形体(成形樹脂層)上に、本発明の加飾シートを貼着する加飾方法によっても作製することができる。
インサート成形法では、まず、真空成形工程において、本発明の加飾シートを真空成形型により予め成形品表面形状に真空成形(オフライン予備成形)し、次いで必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートを得る。この成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、流動状態の樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シートを一体化させることにより、加飾樹脂成形品が製造される。
より具体的には、下記の工程を含むインサート成形法によって、本発明の加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
インサート成形法における真空成形工程では、加飾シートを加熱して成形してもよい。この時の加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、通常120〜200℃程度とすることができる。また、一体化工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度とすることができる。
また、射出成形同時加飾法では、本発明の加飾シートを射出成形の吸引孔が設けられた真空成形型との兼用雌型に配置し、この雌型で予備成形(インライン予備成形)を行った後、射出成形型を型締めして、流動状態の樹脂を型内に射出充填し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に本発明の加飾シートを一体化させることにより、加飾樹脂成形品が製造される。
より具体的には、下記の工程を含む射出成形同時加飾法によって、本発明の加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、加飾シートの表面が対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
射出成形同時加飾法の予備成形工程において、加飾シートの加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、通常70〜130℃程度とすることができる。また、射出成形工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度とすることができる。
真空圧着法では、まず、上側に位置する第1真空室及び下側に位置する第2真空室からなる真空圧着機内に、本発明の加飾シート及び樹脂成形体を、加飾シートが第1真空室側、樹脂成形体が第2真空室側となるように真空圧着機内に設置し、2つの真空室を真空状態とする。樹脂成形体は、第2真空室側に備えられた、上下に昇降可能な昇降台上に設置される。次いで、第1の真空室を加圧すると共に、昇降台を用いて成形体を加飾シートに押し当て、2つの真空室間の圧力差を利用して、加飾シートを延伸しながら樹脂成形体の表面に貼着する。最後に2つの真空室を大気圧に開放し、必要に応じて加飾シートの余分な部分をトリミングすることにより、本発明の加飾樹脂成形品を得ることができる。
真空圧着法においては、上記の成形体を加飾シートに押し当てる工程の前に、加飾シートを軟化させて成形性を高めるため、加飾シートを加熱する工程を備えることが好ましい。当該工程を備える真空圧着法は、特に真空加熱圧着法と呼ばれることがある。当該工程における加熱温度は、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、通常60〜200℃程度とすることができる。
本発明の加飾樹脂成形品において、成形樹脂層は、用途に応じた樹脂を選択して形成すればよい。成形樹脂層を形成する成形樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上述の通り、本発明の加飾樹脂成形品においては、本発明の加飾シートから加飾樹脂成形品に成形される過程において、第1樹脂層2及び第2樹脂層3の作用によって、微細に凹凸形状が形成される。また、本発明の加飾樹脂成形品では、凸部においては表面が粗く、凹部においては表面が平滑となっており、表面を手で触った際に、これらの違いによっても第1樹脂層2に同調した触感を与えることが可能となっている。本発明の加飾シートを用いることで加飾樹脂成形品の表面に形成できる凹凸形状の凸部と凹部との十点平均粗さRzJISの差(凸部のRzJIS−凹部のRzJIS)は、本発明の加飾シートにおける第1の樹脂層2及び第2樹脂層3の厚さや含まれる樹脂の種類及び組成、表面保護層4の厚さや樹脂の種類、加飾シートの製造条件、本発明の加飾樹脂成形品を製造する際の成形条件などにもよるが、例えば1〜2μm程度である。なお、十点平均粗さRzJISとは、JIS B 0601:2001に規定された十点平均粗さRzJISをいう。
本発明の加飾樹脂成形品は、微細な凹凸形状による意匠が表出されているため、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;窓枠、扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器等として利用することができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
(加飾シートの作製)
<実施例1>
下記の手順により、加飾シートを作製した。
1.転写シート作製工程
転写用基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み25μm)の表面上に、アクリルウレタン樹脂からなるプライマー層を形成した。プライマー層の厚みは約1μmとした。次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体50質量%及びアクリル樹脂50質量%の混合樹脂からなるバインダー樹脂を用いたインキ組成物を4回部分的に印刷して、第2樹脂層を4層形成した。各第2樹脂層の厚みは約1.0μmとした。次に、アクリル樹脂からなるバインダー樹脂を用いたインキ組成物を厚み約2μmとなるように部分的に印刷して、第1樹脂層を形成した。このとき、第1樹脂層を形成するインキ組成物は、パール顔料を含んでいる。次に、第1樹脂層の表面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体50質量%及びアクリル樹脂50質量%の混合樹脂からなるバインダー樹脂を用いたインキ組成物を2回全面に印刷して、第2樹脂層を2層形成した。このとき、各第2樹脂層の厚みは約1.5μmとした。以上のようにして、転写用基材/部分的に形成された第2樹脂層(4層)/部分的に形成された第1樹脂層/全面に形成された第2樹脂層(2層)の順に積層された転写シートを作製した。
2.転写工程
基材層としてのABSフィルム(厚み400μm)の一方側の面を約170℃に加熱して溶融させた。この溶融面に対して、上記で得られた転写シートを転写用基材とは反対側から積層して熱融着させ、その後、室温(25℃)まで冷却した。次に、得られた積層体から転写用基材を剥離して、基材の上に第1樹脂層及び第2樹脂層を転写した。
3.表面保護層形成工程
転写工程で得られた積層体の表面に位置する第2樹脂層の表面に、2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量10,000)約80質量部及び6官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000)約20質量部を含む電子線硬化性樹脂を、硬化後の厚みが10μmとなるようにバーコートにより塗工し、未硬化の電子線硬化性樹脂からなる表面保護層を形成した。次に、未硬化の表面保護層に対して、加速電圧195kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂を硬化させて、表面保護層を形成した。以上の手順により加飾シートを得た。
<比較例1>
転写シートの作製工程において、第1樹脂層を形成するインキ組成物のバインダー樹脂を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体50質量%及びアクリル樹脂50質量%の混合樹脂としたこと以外は、実施例1と同様にして、加飾シートを得た。
<比較例2>
転写シートの作製工程において、各第2樹脂層を形成するインキ組成物のバインダー樹脂をアクリル樹脂としたこと以外は、実施例1と同様にして、加飾シートを得た。
(加飾樹脂成形品の作製)
上記で得られた各加飾シートを、それぞれを真空成形機(布施真空社製「VPF−T1」)に配し、ヒーターにて表面温度が170℃になるまで加熱し、真空成形を行った。真空成形品を取り出し、トリミングした後、射出成形を行い、加飾樹脂成形品を得た。成形用樹脂としては、ポリカーボネートとABS樹脂の混合物(商品名:サイコロイIP1000BK GEプラスチック製)を用いた。
(光学顕微鏡による表面観察)
実施例1、比較例1、及び比較例2の各加飾樹脂成形品の表面についての、光学顕微鏡による観察像(倍率100倍)をそれぞれ、図5、6、7に示す。図5に示される像からも明らかなように、実施例1においては、第1樹脂層を設けた領域が平坦である一方、第1樹脂層を設けなかった領域が凹凸を形成しており、第1樹脂層を設けなかった領域が全体として第1樹脂層を設けた領域に対して凸部を形成していた。他方、図6に示されるように比較例1においては全面に凹凸が形成され、図7に示されるように比較例2においては全面が平坦であり、いずれにおいても表面全体が一様な形状となっていた。
(触感の評価)
各加飾樹脂成形品の表面について、手による触感の評価を行った。実施例1の加飾樹脂成形品では、第1樹脂層を設けた領域(パール柄)が、第1樹脂層を設けなかった領域(非パール柄)に対して凹んでいるような感触が得られた。また、第1樹脂層を設けた領域は滑らかに、第1樹脂層を設けなかった領域は荒れているように感じられた。以上の通り、実施例1の加飾樹脂成形品では、柄に同調した触感が得られており、意匠性に優れるものであった。他方、比較例1では全体が荒れているように、比較例2では全体が滑らかに感じられ、いずれにおいても柄に応じた触感は得られなかった。
(表面粗さの測定)
実施例1の加飾樹脂成形品の表面における凸部及び凹部について、それぞれ十点平均粗さRzJISを測定したところ、凸部においては2.30μm、凹部においては1.03μmであり、平滑性の差が確認できた。なお、測定は表面粗さ測定機「ハンディサーフE−35A」(株式会社東京精密製)を使用し、JIS B 0601:2001に準拠して行った。
1…基材層
2…第1樹脂層
3…第2樹脂層
31…第2樹脂層
32…第2樹脂層
33…第2樹脂層
4…表面保護層
5…プライマー層
6…転写用基材
7…接着層
8…成形樹脂層

Claims (9)

  1. 少なくとも、第1樹脂層と、第2樹脂層とが積層された積層体からなる加飾シートであって、
    前記積層体において、前記第1樹脂層は、部分的に積層されており、
    前記積層体において、前記第2樹脂層は、複数積層されており、かつ、全面に設けられた層と、部分的に設けられた層とを備えており、
    前記第1樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、アクリル系樹脂を80質量%以上含み、
    前記第2樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、塩素系樹脂を30質量%以上含み、
    前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層が、基材層の上に積層されている、加飾シート。
  2. 前記第1樹脂層及び第2樹脂層の少なくとも一方が、着色剤を含む、請求項1に記載の加飾シート。
  3. 前記第1樹脂層の厚みが、1.0μm以上である、請求項1または2に記載の加飾シート。
  4. 最表面に表面保護層をさらに備える、請求項1〜のいずれかに記載の加飾シート。
  5. 前記表面保護層の厚みが、30μm以下である、請求項に記載の加飾シート。
  6. 転写用基材の上に、アクリル樹脂を80質量%以上含むバインダー樹脂を含む第1樹脂層を部分的に積層する工程と、塩素系樹脂を30質量%以上含むバインダー樹脂を含む第2樹脂層を積層する工程とを行い、転写シートを作製する、転写シート作製工程と、
    前記転写シートに積層された前記第1樹脂層及び第2樹脂層を基材層上に転写する転写工程と、
    を備え、
    前記第2樹脂層を積層する工程において、前記第2樹脂層を複数積層し、
    前記第2樹脂層として、全面に設けられた層と、部分的に設けられた層とを積層する、加飾シートの製造方法。
  7. 前記転写工程の後、さらに表面保護層を積層する工程を備える、請求項に記載の加飾シートの製造方法。
  8. 少なくとも、成形樹脂層の上に、基材層が積層され、前記基材層の上に、第1樹脂層と、第2樹脂層とが積層された積層体からなる加飾樹脂成形品であって、
    前記積層体において、前記第1樹脂層は、部分的に積層されており、
    前記積層体において、前記第2樹脂層は、複数積層されており、かつ、全面に設けられた層と、部分的に設けられた層とを備えており、
    前記第1樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、アクリル系樹脂を80質量%以上含み、
    前記第2樹脂層に含まれるバインダー樹脂が、塩素系樹脂を30質量%以上含む、加飾樹脂成形品。
  9. 前記加飾樹脂成形品の表面に凹凸形状が形成されており、
    前記表面の凹凸形状の凹部が、前記積層体の積層方向において前記第1樹脂層が位置する領域に対応する領域に形成されている、請求項に記載の加飾樹脂成形品。
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