JP6331576B2 - 加飾シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents
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項1. 少なくとも、絵柄層を備える加飾シートであって、
前記絵柄層は、酸化チタン顔料及びアクリル系樹脂を含む第1絵柄層と、顔料及び塩素系樹脂を含む第2絵柄層とを有し、
前記第1絵柄層における前記アクリル系樹脂の割合が、前記第1絵柄層におけるバインダー樹脂の80質量%以上である、加飾シート。
項2. 前記第2絵柄層における前記塩素系樹脂の割合が、前記第2絵柄層におけるバインダー樹脂の10質量%以上である、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記第2絵柄層と、前記第1絵柄層と、顔料及び塩素系樹脂を含む第3絵柄層とがこの順に積層されてなる、項1または2に記載の加飾シート。
項4. 前記第1絵柄層における前記酸化チタン顔料の割合が、5質量%以上である、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 表面保護層をさらに備える、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 基材層をさらに備える、項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
項7. 少なくとも、成形樹脂層と、絵柄層とがこの順に積層された積層体からなり、
前記絵柄層は、酸化チタン顔料及びアクリル系樹脂を含む第1絵柄層と、顔料及び塩素系樹脂を含む第2絵柄層とを有し、
前記第1絵柄層における前記アクリル系樹脂の割合が、前記第1絵柄層におけるバインダー樹脂の80質量%以上である、加飾樹脂成形品。
本発明の加飾シートは、少なくとも、絵柄層を備えており、当該絵柄層が、酸化チタン顔料及びアクリル系樹脂を含む第1絵柄層と、顔料及び塩素系樹脂を含む第2絵柄層とを有し、第1絵柄層におけるアクリル系樹脂の割合が、第1絵柄層におけるバインダー樹脂の80質量%以上であることを特徴とする。本発明の加飾シートは、このような構成を有することにより、絵柄層に酸化チタン顔料を含むにも拘わらず、高温下における変色が生じ難く、かつ、高温下における密着性の低下も抑制されている。さらに、本発明の加飾シートにおいては、絵柄層の印刷適性も優れている。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。
本発明の加飾シートは、少なくとも、絵柄層2を有する。また、絵柄層2は、少なくとも、上記の第1絵柄層21と第2絵柄層22とを備えている。すなわち、絵柄層2は、少なくとも第1絵柄層21及び第2絵柄層22が積層された積層体により構成されている。絵柄層2は、さらに第3絵柄層23、第4絵柄層24など数層〜数十層の積層体により構成されていてもよい。また、本発明の加飾シートは、加飾シートの保形性を高めることなどを目的として、必要に応じて、基材層1を有していてもよい。また、本発明の加飾シートは、加飾シートの表面を保護することなどを目的として、必要に応じて、最外層として表面保護層3を設けてもよい。また、表面保護層3と、これに隣接する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、表面保護層3の下にプライマー層5を設けてもよい。また、絵柄層2とその下に位置する基材層1や成形樹脂層6などとの密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、接着層4を有していてもよい。
[基材層1]
基材層1は、本発明の加飾シートの保形性を高めることなどを目的として、必要に応じて設けられる層である。基材層1は、好ましくは樹脂シート(樹脂フィルム)により形成されている。上述の通り、本発明の第1の態様においては、成形樹脂層6を基材層1側に形成することにより、基材層1は、加飾樹脂成形品に含まれる。一方、本発明の第2の態様においては、後述の絵柄層2を含む転写層11から基材層1を含む支持体10を剥離するため、基材層1は加飾樹脂成形品に含まれない。
第1の態様においては通常50〜800μm程度、好ましくは100〜600μm程度、さらに好ましくは200〜500μm程度が挙げられる。基材層1の厚みが上記範囲内であると、加飾シートに対してより一層優れた三次元成形性、意匠性などを備えさせることができる。また、第2の態様においては通常10〜150μm程度、好ましくは10〜125μm程度、さらに好ましくは10〜80μm程度が挙げられる。
絵柄層2は、本発明の加飾シートに装飾性を付与する目的で設けられる層である。絵柄層2は、第1絵柄層21、第2絵柄層22、必要に応じて形成される後述の第3絵柄層23などの積層体であり、加飾シートに装飾性を付与する絵柄を形成している。
第1絵柄層21は、白色の層であり、酸化チタン顔料及びアクリル系樹脂を含む。すなわち、第1絵柄層21は、顔料として酸化チタン顔料、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を用い、必要に応じて、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合した絵柄層用インキ組成物を、第1絵柄層21に隣接する層上に塗布することにより形成される。
第2絵柄層22は、白色以外の層であり、上記の第1絵柄層21と共に、絵柄層2を構成する。第2絵柄層22は、顔料及び塩素系樹脂を含む。第2絵柄層22は、バインダー樹脂として塩素系樹脂を用い、顔料に加えて、必要に応じて、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合した絵柄層用インキ組成物を、第2絵柄層22に隣接する層に塗布することにより形成される。
本発明の加飾シートにおいて、絵柄層2は、上記の第1絵柄層21及び第2絵柄層22に加えて、さらに第3絵柄層23、第4絵柄層24などの層(以下、単に「第3絵柄層3など」と表記することがある)が積層された、数層から数十層の積層体により形成されていてもよい。第3絵柄層23などは、第1絵柄層21または第2絵柄層22と同様、顔料及びバインダー樹脂に加えて、必要に応じて、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合した絵柄層用インキ組成物を、第3絵柄層23に隣接する層に塗布することにより形成される。第3絵柄層23などは、第1絵柄層21または第2絵柄層22と同様の構成とすることができる。すなわち、本発明の絵柄層2は、第1絵柄層21のように酸化チタン顔料とアクリル系樹脂とを含む第3絵柄層23などをさらに含んでいてもよいし、第2絵柄層22のように顔料と塩素系樹脂とを含む第3絵柄層23などをさらに含んでいてもよい。
表面保護層3は、加飾樹脂成形品の耐傷付き性、耐候性などを高めることを目的として、必要に応じて、加飾樹脂成形品の最表面に位置するようにして、加飾シートに設けられる層である。表面保護層3を形成する素材は、特に限定されないが、通常は樹脂が用いられ、好ましくは電離放射線硬化性樹脂が用いられる。また、表面保護層3は、樹脂フィルムにより形成することも好ましい。樹脂フィルムとしては、特に制限されず、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂などのフィルムが挙げられる。表面保護層3は、例えば電離放射線硬化性樹脂または樹脂フィルムの1層により形成されていてもよいし、これらの2層以上により形成されていてもよい。以下、表面保護層3の形成に用いられる電離放射線硬化性樹脂について詳述する。
表面保護層3の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層3の形成において好適に使用される。
表面保護層3を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物には、表面保護層3に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、マット剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができ、例えばマット剤としてはシリカ粒子や水酸化アルミニウム粒子等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
表面保護層3の硬化後の厚みについては、特に制限されないが、表面保護層3を電離放射線硬化性樹脂を用いて形成する場合は、例えば、1〜1000μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは1〜30μmが挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、耐傷付き性、耐候性等の表面保護層としての十分な物性が得られると共に、表面保護層3を電離放射線硬化性樹脂を用いて形成する場合には電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。更に、表面保護層3の硬化後の厚みが前記範囲を充足することによって、加飾シートの三次元成形性が一層向上するため自動車内装用途等の複雑な三次元形状に対して高い追従性を得ることができる。また、表面保護層3を樹脂フィルムにより形成する場合は、例えば、30〜300μm、好ましくは20〜200μm程度とすることが挙げられる。
表面保護層3の形成は、例えば、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを塗布し、架橋硬化することにより行われる。なお、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、絵柄層2やプライマー層5などの表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。
プライマー層5は、表面保護層3とその下に位置する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて含まれる層である。プライマー層5は、樹脂により形成することができる。
接着層4は、加飾シートと成形樹脂層6との密着性や接着性を向上させることなどを目的として、絵柄層2や基材層1の裏面に必要に応じて設けられる層である。接着層4を形成する樹脂としては、加飾シートと成形樹脂層6との密着性や接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
離型層7は、上述の第2の態様の加飾シートにおいて、必要に応じて基材層1の上に設けられ、基材層1と共に支持体10を構成する。離型層7は、基材層1の転写層11からの剥離性を高める役割を有する層である。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層と、絵柄層とがこの順に積層された積層体からなり、当該絵柄層が、酸化チタン顔料及びアクリル系樹脂を含む第1絵柄層と、顔料及び塩素系樹脂を含む第2絵柄層とを有し、第1絵柄層における前記アクリル系樹脂の割合が、第1絵柄層におけるバインダー樹脂の80質量%以上であることを特徴とする。本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、加飾シートに上述の表面保護層3、接着層4、プライマー層5などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい。図3に示されるような上述の第1の態様においては、加飾樹脂成形品に基材層1が設けられていてもよい。また、図5に示されるような上述の第2の態様においても、支持体付き加飾樹脂成形品に基材層1が設けられていてもよい。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、加飾シートの基材層の表面が対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<実施例1>
ポリメタクリル酸メチルを主成分とする厚さ75μmの無色透明なアクリル樹脂フィルム(表面保護層を形成する)上に、下記の顔料2及びバインダー樹脂としてのアクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(質量比1/1)からなる第2絵柄層(厚さ1μm)、下記の顔料1及びバインダー樹脂としてのアクリル樹脂からなる第1絵柄層(厚さ1μm)、下記の顔料3及びバインダー樹脂としてのアクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(質量比1/1)からなる第3絵柄層(厚さ1μm)をグラビア印刷機で順次積層した。さらに、第3絵柄層の上に、熱硬化型ウレタン樹脂系接着剤からなる接着層(厚さ1μm)を積層した後、ABS樹脂からなる基材層(厚さ350μm)をドライラミネーション法により積層し、加飾シートを得た。
顔料1:酸化チタン(30質量部)
顔料2:キナクリドンレッド(1質量部)、イソインドリノンイエロー(0.5質量部)、フタロシアニンブルー(3質量部)
顔料3:キナクリドンレッド(1質量部)、イソインドリノンイエロー(0.5質量部)
アクリル樹脂:ポリアクリル酸メチル
なお、顔料1〜3の割合(質量部)は、それぞれ、バインダー樹脂100質量部に対する割合である。
第1絵柄層、第2絵柄層、及び第3絵柄層に用いた樹脂をそれぞれ表1及び表2に示すものとしたこと以外は、実施例1と同様にして、加飾シートを得た。
ポリメタクリル酸メチルを主成分とする厚さ75μmの無色透明なアクリル樹脂フィルム(表面保護層を形成する)上に、下記の顔料2及びアクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(質量比1/1)からなる第2絵柄層(厚さ1μm)、下記の顔料1及びアクリル樹脂からなる第1絵柄層(厚さ1μm)、下記の顔料3及びアクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(質量比1/1)からなる第3絵柄層(厚さ1μm)をグラビア印刷機で順次積層し、加飾シートを得た。
基材層としての厚さ400μmのABS樹脂シート上に、上記の顔料3及びアクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(質量比1/1)からなる第3絵柄層(厚さ1μm)、上記の顔料1及びアクリル樹脂からなる第1絵柄層(厚さ1μm)、上記の顔料2及びアクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(質量比1/1)からなる第2絵柄層(厚さ1μm)をグラビア印刷機で順次積層した。次に、アクリル樹脂からなるプライマー層(3μm)をグラビア印刷機で積層した。次に、プライマー層の上に下記の電子線硬化性樹脂組成物を硬化後の厚さが7μmとなるようにグラビア印刷機で積層した。この未硬化樹脂層に加速電圧165kV、照射線量50kGyの電子線を照射し、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて表面保護層を形成し、加飾シートを得た。
[電子線硬化性樹脂組成物]
アクリルシリコーンアクリレート(重量平均分子量20,000):70質量部
6官能のウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量5,000):30質量部
実施例1〜5及び比較例1〜4の加飾シートの製造工程において、それぞれ、各絵柄層によって形成された絵柄と、グラビア印刷機の版に形成されたセルとを比較して、以下の基準により絵柄層の印刷適性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
◎:絵柄層によって形成された絵柄は、版に形成されたセルと同一であった。
○:絵柄層によって形成された絵柄は、版に形成されたセルよりもやや小さくなった。
×:版に形成されたセルが一部印刷されなかった。
実施例1〜5及び比較例1〜4の加飾シートを固定枠に固定し、加飾シートの温度が約160℃になるまで約300℃のヒーターで加熱して軟化させた。次に、軟化した加飾シートを射出成形の金型内形状に沿うように真空成形した(最大延伸倍率100%)。次に、成形した加飾シートをトリミングし、キャビティ内に配置し、成形樹脂としてABS樹脂を用いて、これを240℃にて溶融状態にしてから、キャビティ内に射出した。金型温度が30℃になった時点で、金型から加飾樹脂成形品を取り出し、加飾樹脂成形品を得た。
次に、得られた加飾樹脂成形品を大気中120℃で96時間放置して耐熱性試験を行った。耐熱性試験前後における加飾樹脂成形品表面の色差ΔEを測定した。結果を表1及び表2に示す。なお、当該色差は、分光測色計(コニカミノルタ社製のCM−3700d)を用いて、色差ΔE*ab(JIS Z8729−1994に規定された国際照明委員会(CIE)のL*a*b表色系に準拠している)を測定した値である。色差ΔE*abは下記式で表される。
ΔE*ab=√(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2
上記で得られた耐熱性試験後の加飾樹脂成形品表面を目視で観察し、剥がれの有無を確認し、以下の基準により絵柄層の密着性を評価した。結果を表1に示す。
○:加飾樹脂成形品の全面に亘って剥がれが無かった。
×:加飾樹脂成形品の端部において、絵柄層に剥がれが発生していた。
2…絵柄層
21…第1絵柄層
22…第2絵柄層
23…第3絵柄層
3…表面保護層
4…接着層
5…プライマー層
6…成形樹脂層
7…離型層
10…支持体
11…転写層
Claims (6)
- 少なくとも、絵柄層を備える加飾シートであって、
前記絵柄層は、酸化チタン顔料及びアクリル系樹脂を含む第1絵柄層と、顔料及び塩素系樹脂を含む第2絵柄層とを有し、
前記第1絵柄層における前記アクリル系樹脂の割合が、前記第1絵柄層におけるバインダー樹脂の80質量%以上であり、
前記第2絵柄層と、前記第1絵柄層と、顔料及び塩素系樹脂を含む第3絵柄層とがこの順に積層されてなる、加飾シート。 - 前記第2絵柄層における前記塩素系樹脂の割合が、前記第2絵柄層におけるバインダー樹脂の10質量%以上である、請求項1に記載の加飾シート。
- 前記第1絵柄層における前記酸化チタン顔料の割合が、5質量%以上である、請求項1または2に記載の加飾シート。
- 表面保護層をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
- 基材層をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
- 少なくとも、成形樹脂層と、絵柄層とがこの順に積層された積層体からなり、
前記絵柄層は、酸化チタン顔料及びアクリル系樹脂を含む第1絵柄層と、顔料及び塩素系樹脂を含む第2絵柄層とを有し、
前記第1絵柄層における前記アクリル系樹脂の割合が、前記第1絵柄層におけるバインダー樹脂の80質量%以上であり、
前記第2絵柄層と、前記第1絵柄層と、顔料及び塩素系樹脂を含む第3絵柄層とがこの順に積層されてなる、加飾樹脂成形品。
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