JPH1071680A - アクリル木目模様シート、アクリル木目模様成形品とその製造方法 - Google Patents

アクリル木目模様シート、アクリル木目模様成形品とその製造方法

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JPH1071680A
JPH1071680A JP24931296A JP24931296A JPH1071680A JP H1071680 A JPH1071680 A JP H1071680A JP 24931296 A JP24931296 A JP 24931296A JP 24931296 A JP24931296 A JP 24931296A JP H1071680 A JPH1071680 A JP H1071680A
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JP
Japan
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acrylic
pattern
resin
sheet
wood
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JP24931296A
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Fujio Mori
富士男 森
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Nissha Printing Co Ltd
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Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリルフィルムの特性と、ABS等の特性
とを併せ持ち、しかも、アクリルフィルムやアクリル木
目模様シートがアクリル木目模様成形品から剥離しにく
いアクリル木目模様シートとアクリル木目模様成形品と
その製造方法を提供する。 【解決手段】 アクリルフィルム2上に木目模様導管柄
層3、木目模様下柄層4、接着層5が順次積層されたア
クリル木目模様シート1において、前記木目模様導管柄
層3および木目模様下柄層4の樹脂バインダーがアクリ
ル樹脂とポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との
混合物であり、接着層5の材質がポリ塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体樹脂である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の内装部
品(例えば、コンソーラ等)に木目模様を付けるために
用いられるアクリル木目模様シートと、アクリル木目模
様シートが形成されたアクリル木目模様成形品、アクリ
ル木目模様シートを用いたアクリル木目模様成形品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木目模様成形品として、アクリル
フィルムからなる基材上に木目模様導管柄層、木目模様
下柄層、接着層が印刷で順次積層されたアクリル木目模
様シートを、射出成形用金型の中に入れ、型閉め後、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂
(ABS)、ポリカーボネイト樹脂(PC)、または、
ポリカーボネイト樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体樹脂との混合材料の3者のうちいず
れか(以下、「ABS等」という。)の溶融樹脂を用い
て射出成形し、アクリルフィルムが最外層となるように
アクリル木目模様シートを射出成形品の表面に接着させ
た、いわゆる成形同時絵付け法によって製造したものが
ある。
【0003】アクリルフィルムを用いる理由は、木目模
様がよく見えるようにするための透明性、表面艶出しの
ための平滑性、射出成形品の3次元表面に沿って変形し
やすくするための変形性などの特性をアクリルフィルム
が有するためである。また、溶融樹脂としてABS等を
用いる理由は、自動車の内装部品として用いられる射出
成形品は、炎天下の室内環境や走行中の振動などを考慮
すると、耐熱性、難燃性、耐衝撃性、機械的強度が必要
であり、これらの条件を満たす特性をABS等が有する
ためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、アク
リル木目模様シートの接着層を印刷する際、樹脂バイン
ダーとしてアクリル樹脂・スチレン樹脂・ポリアミドな
どを用いており、接着層と射出成形品(ABS等)との
接着力が強い反面、アクリル木目模様シートの木目模様
導管柄層、木目模様下柄層の樹脂バインダーとしては、
ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体・ポリアミド・ポ
リエステル・ポリアクリル・ポリウレタン・ポリビニル
アセタール・ポリエステルウレタン・塩化ゴムなどの熱
可塑性樹脂を用いており、アクリルフィルムと、木目模
様導管柄層および木目模様下柄層との接着力が弱かっ
た。このため、アクリルフィルムと、木目模様導管柄層
あるいは木目模様下柄層との層間で剥離しやすかった。
【0005】この発明は上記の欠点を解決し、アクリル
フィルムの特性と、ABS等の特性とを併せ持ち、しか
も、アクリルフィルムやアクリル木目模様シートがアク
リル木目模様成形品から剥離しにくいアクリル木目模様
シートとアクリル木目模様成形品とその製造方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、請求項1に記載のこの発明のアクリル木目
模様シートは、アクリルフィルム上に木目模様導管柄
層、木目模様下柄層、接着層が順次積層されたアクリル
木目模様フィルムにおいて、前記木目模様導管柄層およ
び木目模様下柄層の樹脂バインダーがアクリル樹脂とポ
リ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混合物であ
り、接着層の材質がポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂であるとした。
【0007】請求項2に記載のこの発明のアクリル木目
模様シートは、木目模様導管柄層または木目模様下柄層
の樹脂バインダー中のアクリル樹脂の重量比率を60%
〜90%とした。
【0008】請求項3に記載のアクリル木目模様成形品
の製造方法は、請求項1または請求項2に記載のアクリ
ル木目模様シートを射出成形用金型の中に入れ、型閉め
後、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
樹脂、ポリカーボネイト樹脂、または、ポリカーボネイ
ト樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体樹脂との混合材料のいずれかの溶融樹脂を用いて射
出成形し、射出成形品の表面にアクリル木目模様シート
を接着させるものである。
【0009】請求項4に記載のアクリル木目模様成形品
は、請求項1または請求項2に記載のアクリル木目模様
シートが、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体樹脂、ポリカーボネイト樹脂、または、ポリカー
ボネイト樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体樹脂との混合材料のいずれかの樹脂からなる
射出成形品の表面に形成されているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明についてさらに詳
しく説明する。この発明のアクリル木目模様シートは、
アクリルフィルム上に木目模様導管柄層、木目模様下柄
層、接着層が順次積層されたアクリル木目模様シートに
おいて、前記木目模様導管柄層および木目模様下柄層の
樹脂バインダーがアクリル樹脂とポリ塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体樹脂との混合物であり、接着層の材質が
ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂であるものを
基本構成とする。
【0011】アクリルフィルム2は、木目模様がよく見
えるようにするための透明性、表面艶出しのための平滑
性、変形性、耐候性などの基本特性を有する樹脂であ
る。また、アクリルフィルム2は、低い温度でも変形
(伸長)するものであるため、PETフィルムなどに比
べ、模様シート全体としての変形性が優れているもので
ある。例えば、射出成形用金型の固定型凹部9や可動型
凹部8の内面の形状が、穴や溝などが数多く形成された
凹凸のような複雑な形状であったり、立ち上がりの深い
凹部から成っている形状であったとしても、アクリルフ
ィルム2を用いた模様シートは、加熱や真空吸引される
ことによって射出成形用金型のキャビティ内面の複雑な
形状や立ち上がりの深い形状どうりに変形し、射出成形
用金型の固定型凹部9や可動型凹部8の内面の形状どう
りの表面形状を呈するアクリル木目模様成形品14を得
ることができる。また、アクリルフィルム2は、インキ
にとって有害な光線を通過させにくい分子構造であるた
め、PETフィルムなどに比べ、優れた耐候性を有す
る。
【0012】アクリルフィルム2としては、ポリメタク
リル酸メチルやポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリ
ル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチルなどの純粋なア
クリル樹脂からなるアクリルフィルム2だけでなく、ア
クリル樹脂と他の樹脂(たとえばフッ素樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリエステル樹脂、シリコン樹脂など)との共重合体か
らなる成分のフィルムや、アクリルフィルム2と他のプ
ラスチックフィルム(たとえばフッ素フィルム、ポリプ
ロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエス
テルフィルム、ポリエチレン酢酸ビニルフィルム、ポリ
カーボネートフィルムなど)との積層フィルムなども含
む。積層フィルムの積層方法は、ダイレクトラミネー
ト、ドライラミネートなどの各種ラミネート法やヒート
シール法による方法がある。二軸延伸ポリエステルフィ
ルムや二軸延伸ポリプロピレンフィルムと純粋のアクリ
ルフィルム2とを積層して基材とするときは、純粋のア
クリルフィルム2よりもフィルムの伸びが悪いので、二
軸延伸ポリエステルフィルムや二軸延伸ポリプロピレン
フィルムは、純粋のアクリルフィルム2よりも比較的薄
めのフィルムを使用するのが好ましい。
【0013】アクリルフィルム2の厚みは、10μm〜
500μmが好ましい。厚みが10μm以下であると、
アクリルフィルム2の厚みによる強度が落ちるため、ア
クリルフィルム2にしわが入りやすくなったり、引っ張
りによってアクリルフィルム2が切れやすくなる。厚み
が、500μm以上であると、アクリルフィルム2の腰
が強すぎるため射出成形用金型や射出成形品13の角部
どおりに沿って曲がりにくく、アクリルフィルム2が射
出成形用金型や射出成形品13の表面から浮き上がりや
すくなってしまう。また、十分な透明性、変形性、耐候
性を得るためには50μm以上が好ましい。また、長尺
のアクリルフィルム2をロール状に巻き取れ(「加工性
を有する」ともいう。)、透明性、変形性を有するよう
にするために200μm以下が好ましい。なお、良好な
基本特性と良好な加工性とを同時に有するための厚みと
しては、メタクリル酸メチルの場合は、125μm、2
00μmなどがある。また、溶融樹脂12を接触させて
アクリル木目模様シート1に穴を開けて用いる場合(図
4、図5参照)は、アクリルゴムを適当量添加したアク
リルフィルム2を用いると弾力性のために穴が開けやす
くなる。
【0014】木目模様導管柄層3は、木材を切断したと
きの切り口に現れる年輪、繊維、導管などを表現するた
めの層である。具体的な木目模様導管柄は、柾目の筋、
板目の曲線、条痕による断線などがある。木目模様導管
柄層3は、樹脂バインダーとしてアクリル樹脂とポリ塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混合物を用い、
着色材として導管柄の色の染料、顔料を含有するものを
用いる。木目模様導管柄の色は茶色や焦げ茶色、黄土
色、赤茶色などから単一あるいは複数色を選択する。木
目模様導管柄層3は、オフセット印刷法、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法などの通常の印
刷法や、ロールコート法、スプレーコート法などのコー
ト法などにより形成する。木目模様導管柄層3は、光輝
性顔料を用いたインキや、金属蒸着層などで形成しても
よい。木目模様導管柄層3は、天然の木目模様により近
いものとするために、色濃度あるいは膜厚を段階的ある
いは連続的に変化させるようにグラデーションをかけ
て、アクリルフィルム2の一部あるいは全面に形成して
もよい。木目模様導管柄層3の厚みは、0.5μm〜5μm
の範囲内で調節するとよい。木目模様導管柄層3の樹脂
バインダー中のアクリル樹脂の重量比率が60%〜90
%であると、木目模様導管柄層3とアクリルフィルム2
との接着力が強くなる点で効果的である。アクリル樹脂
とポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混合物
の混合の仕方は、アクリルのビーズレジンとビニル共重
合体の各々をほぼ同じ組成の溶剤(特にメチルエチルケ
トンが最適である。)で溶かし、インキ容器の中で攪拌
してもよい。あるいは、アクリル樹脂(三菱レーヨンB
R80)とポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂
(昭和高分子K−2)とを溶剤で溶かし、インキ容器の
中で攪拌してもよい。あるいは、アクリル樹脂(三菱レ
ーヨンBR80)とポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂(昭和高分子K−2)とを化合あるいは共重合さ
せてもよい。
【0015】木目模様下柄層4は、木材を切断したとき
の切り口に現れる木地の色を表現した層である。木目模
様下柄層4は、樹脂バインダーとしてアクリル樹脂とポ
リ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混合物を用
い、着色材として下柄の色の染料や顔料を着色材として
含有するものを用いる。木目模様下柄の色は茶色や焦げ
茶色、黄土色、クリーム色、黄色、赤茶色などの色から
単一あるいは複数色を選択する。必要により、木目模様
導管柄層3として選択する色より濃色となるように選択
してもよいし、淡色となるように選択してもよい。木目
模様下柄層4は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、
スクリーン印刷法、フレキソ印刷法などの通常の印刷法
や、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法
などにより形成する。木目模様下柄層4は、光輝性顔料
を用いたインキや、金属蒸着層などで形成してもよい。
木目模様下柄層4の厚みは、2μm〜10μmが適当であ
る。木目模様下柄層4の樹脂バインダー中のアクリル樹
脂の重量比率が60%〜90%であると、木目模様下柄
層4とアクリルフィルム2との接着力が強くなり、木目
模様下柄層4と木目模様導管柄層3との接着力が強くな
る点で効果的である。
【0016】なお、必要な場合は、シルバーメタリック
色の模様、石目模様、墨ベタ模様、大理石模様等の各種
模様層を、前記木目模様導管柄層3、木目模様下柄層4
に並べて、あるいは重ねて形成した模様フィルムとして
もよい。あるいは、前記木目模様導管柄層3、木目模様
下柄層4のかわりに、シルバーメタリック色の模様、石
目模様、墨ベタ模様、大理石模様等の各種模様層をアク
リルフィルム2上に形成し、さらに接着層5が順次積層
された各種模様フィルムにおいて、前記各種模様層の材
質がアクリル樹脂とポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂との混合物であり、接着層5の材質がポリ塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。
【0017】接着層5の材質は、ポリ塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体樹脂である。接着層5は、オフセット印
刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印
刷法などの通常の印刷法や、ロールコート法、スプレー
コート法などのコート法などにより形成する。接着層5
として、着色材を混入して成形した着色シートを用いて
もよい。
【0018】接着層5の材質をポリ塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂にすると、接着層5と前記木目模様下
柄層4との接着力が強くなる。また、後述する、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリ
カーボネイト樹脂、または、ポリカーボネイト樹脂とア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂と
の混合材料のいずれかからなる射出成形品13と接着層
5との接着力が強くなる(この接着力を接着力Aとす
る。)。接着力Aは、樹脂バインダー中のアクリル樹脂
の重量比率が60%〜90%である前記木目模様導管柄
層3および木目模様下柄層4と、アクリルフィルム2と
の接着力Bとほぼ同じ接着力となる。つまり、アクリル
フィルム2と前記木目模様導管柄層3および木目模様下
柄層4との層間においても、接着層5と射出成形品13
との層間においても、ほぼ同じ接着力となるので、アク
リルフィルム2やアクリル木目模様シート1が、アクリ
ル木目模様成形品14から剥離しにくくなる。
【0019】また、この発明のアクリル木目模様成形品
14の製造方法は、前記アクリル木目模様シート1を使
用した成形同時絵付け法にて、アクリル木目模様成形品
14を製造するものである。つまり、アクリル木目模様
シート1を射出成形用金型の中に入れ、型閉め後、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポ
リカーボネイト樹脂、または、ポリカーボネイト樹脂と
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂
との混合材料のいずれかの溶融樹脂12を用いて射出成
形し、射出成形品13の表面にアクリル木目模様シート
1を接着させるものである(図2、図3、図4、図
5)。
【0020】この発明の製造方法に用いられる射出成形
用金型は、可動型6と固定型7とからなる。型閉め型開
きの際に可動型6が移動するが、固定型7は移動しな
い。
【0021】アクリル木目模様シート1を可動型6と固
定型7との間に入れて配置する際、枚葉のアクリル木目
模様シート1を1枚づつ送り込んで配置してもよいし、
長尺のアクリル木目模様シート1の必要部分を間欠的に
送り込んで配置してもよい(図2、図4)。長尺のアク
リル木目模様シート1を使用する場合、位置決め機構を
有する送り装置を使用して、アクリル木目模様シート1
の木目模様の図柄と金型との見当を一致させてもよい。
また、アクリル木目模様シート1を間欠的に送り込んで
配置する際に、アクリル木目模様シート1の位置をセン
サーで検出した後にアクリル木目模様シート1を可動型
6と固定型7とで挟み込むようにすれば、常に同じ位置
でアクリル木目模様シート1を配置することができ、木
目模様の図柄の位置ずれが生じない。
【0022】アクリル木目模様シート1を射出成形用金
型に入れた後、真空吸引や加熱などによりアクリル木目
模様シート1を可動型凹部8の内面あるいは固定型凹部
9の内面に密着させてもよい。密着は、アクリル木目模
様シート1のアクリルフィルム2が可動型凹部8の内面
あるいは固定型凹部9の内面に接触するように行う。必
要により、分割されることのないクランプ手段10ある
いは、複数の分割されたクランプ手段10により、可動
型凹部8の周囲あるいは固定型凹部9の周囲においてア
クリル木目模様シート1をクランプしてもよい。
【0023】その後、射出成形用金型を型閉めする(図
3、図5)。具体的には、可動型6と固定型7とを閉め
て可動型6と固定型7とで囲まれた空間(可動型凹部8
の空間あるいは固定型凹部9の空間など)を形成する。
前記空間に固定型7に設けた射出ゲート11より溶融樹
脂12を射出充満させ、溶融樹脂12を固化させ、射出
成形品13を形成するのと同時にその表面にアクリル木
目模様シート1を接着させる。射出成形品13を冷却し
た後、可動型6と固定型7とを開いて、射出成形品13
にアクリル木目模様シート1が接着したアクリル木目模
様成形品14を取り出す。このようにして、アクリル木
目模様成形品14を得ることができる。
【0024】具体的には、図4〜5に記載したように、
溶融樹脂12の射出ゲート11を有する固定型7と、射
出ゲート11に対向するとともに固定型凹部9に通じる
ランナー16を有する可動型6との間にアクリル木目模
様シート1を入れ、可動型6のシート固定部15、ある
いは可動型6のランナー16に設けた固定ピンで固定型
7の射出ゲート近傍のアクリル木目模様シート1を押さ
え付け、押さえ付けたまま射出ゲート11から溶融樹脂
12を射出し、アクリル木目模様シート1に形成された
穴から可動型6のランナー16を通って溶融樹脂12を
固定型凹部9に到達させ、溶融樹脂12の固化と同時に
アクリル木目模様シート1を射出成形品13に形成する
方法がある。射出成形品13からはみ出ているアクリル
木目模様シート1は除去する。図4〜図5に記載の絵柄
付成形品製造装置では、2個のアクリル木目模様成形品
14を得ることができる。
【0025】この発明のアクリル木目模様成形品14
は、前記アクリル木目模様シート1が、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネ
イト樹脂、または、ポリカーボネイト樹脂とアクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂との混合材
料のいずれかの樹脂からなる射出成形品13の表面に形
成されたものである。アクリル木目模様シート1は、木
目模様導管柄層3および木目模様下柄層4の樹脂バイン
ダーがアクリル樹脂とポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂との混合物であり、接着層5の材質がポリ塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂であるものである。木
目模様導管柄層3または木目模様下柄層4の樹脂バイン
ダー中のアクリル樹脂の重量比率が60%〜90%であ
ってもよい。
【0026】
【実施例】アクリルフィルムとして、125μmの厚みの
メタクリル酸メチルフィルムを用いた。アクリルフィル
ムの表面に、アクリル樹脂とポリ塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂との混合物からなる樹脂バインダー(重
量%:アクリル樹脂/塩化ビニル/酢酸ビニル=75/
24/1)と、カーボンブラック顔料とからなる木目模
様導管柄層(重量%:樹脂バインダー/顔料=60/4
0)をグラビア印刷法で形成した。木目模様導管柄層上
に、アクリル樹脂とポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂との混合物からなる樹脂バインダー(重量%:ア
クリル樹脂/塩化ビニル/酢酸ビニル=75/24/
1)と、ファストイエロー(黄色)顔料とベンガラ(赤
茶色)顔料からなる木目模様下柄層(重量%:樹脂バイ
ンダー/黄色顔料/赤茶色顔料=60/20/20)を
グラビア印刷法で形成した。木目模様下柄層上に、ポリ
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂からなる接着層を
グラビア印刷法で形成し、木目柄のアクリル木目模様シ
ートを得た。
【0027】以上のようにして得た木目柄のアクリル木
目模様シートと、溶融樹脂が通るランナーを有する可動
型と溶融樹脂が流れ込んで充填される固定型凹部を有す
る固定型とからなる射出成形用金型を準備した。まず、
アクリル木目模様シートの端部をつかんだ状態のままピ
ンチ手段を、可動型と固定型と間に引き込んで、固定型
凹部を覆うようにアクリル木目シートを配置した。アク
リル木目模様シートの端部を固定型の下流側に受け渡し
て固定させた後、ピンチ手段を可動型と固定型との間か
ら退避させた。分割された複数のクランプ手段を寄せ集
めて、固定型凹部の周囲においてアクリル木目模様シー
トをクランプし、アクリル木目模様シートを95℃で加
熱しながら真空吸引し固定型凹部に密着させた。型閉め
してギアボックスパネルを成形するための空間を形成
し、シート固定ピンで固定型の射出ゲートの近傍でアク
リル木目模様シートを押さえ付け固定した後に、金型温
度を40℃〜60℃に保ちながら、220℃〜250℃
に加熱された茶色のアクリロニトリルブタジエンスチレ
ン共重合体樹脂からなる溶融樹脂を射出して、アクリル
木目模様シートに形成された穴を貫通した溶融樹脂を、
可動型のランナーおよび固定型凹部に流れ込ませ充填さ
せ溶融樹脂を固化させた。型開きをして、射出成形品に
アクリル木目模様シートが接着したアクリル木目模様成
形品を取り出した。
【0028】
【発明の効果】この発明のアクリル木目模様シートとこ
のシートを用いたアクリル木目模様成形品の製造方法で
は、木目模様導管柄層および木目模様下柄層の樹脂バイ
ンダーがアクリル樹脂とポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂との混合物であり、接着層の材質がポリ塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂であるので、このシー
トとABS樹脂などの溶融樹脂を用いて射出成形してア
クリル木目模様成形品を製造すると、アクリルフィルム
が有する透明性、耐候性などの特性と、射出成形品が有
する耐熱性、耐衝撃性なのの特性との両方を併せ持ち、
かつ、アクリルフィルムやアクリル木目模様シートがア
クリル木目模様成形品から剥離しにくいものを得ること
ができる。
【0029】この発明のアクリル木目模様成形品は、ア
クリルフィルムが有する透明性、耐候性などの特性と、
射出成形品が有する耐熱性、耐衝撃性などの特性との両
方を併せ持ち、かつ、アクリルフィルムやアクリル木目
模様シートが剥離しにくい成形品である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のアクリル木目模様シートの一実施
例を示す断面図である。
【図2】 この発明のアクリル木目模様成形品の製造工
程の一つを示す断面図である。
【図3】 この発明のアクリル木目模様成形品の製造工
程の一つを示す断面図である。
【図4】 この発明のアクリル木目模様成形品の製造工
程の一つを示す断面図である。
【図5】 この発明のアクリル木目模様成形品の製造工
程の一つを示す断面図である。
【図6】 この発明のアクリル木目模様成形品を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 アクリル木目模様シート 2 アクリルフィルム 3 木目模様導管柄層 4 木目模様下柄層 5 接着層 6 可動型 7 固定型 8 可動型凹部 9 固定型凹部 10 クランプ手段 11 射出ゲート 12 溶融樹脂 13 射出成形品 14 アクリル木目模様成形品 15 シート固定部 16 ランナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 3/06 B41M 3/06 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルフィルム上に木目模様導管柄
    層、木目模様下柄層、接着層が順次積層されたアクリル
    木目模様シートにおいて、前記木目模様導管柄層および
    木目模様下柄層の樹脂バインダーがアクリル樹脂とポリ
    塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混合物であ
    り、接着層の材質がポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
    体樹脂であることを特徴とするアクリル木目模様シー
    ト。
  2. 【請求項2】 木目模様導管柄層または木目模様下柄層
    の樹脂バインダー中のアクリル樹脂の重量比率が60%
    〜90%である請求項1記載のアクリル木目模様シー
    ト。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のアクリ
    ル木目模様シートを射出成形用金型の中に入れ、型閉め
    後、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
    樹脂、ポリカーボネイト樹脂、または、ポリカーボネイ
    ト樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
    合体樹脂との混合材料のいずれかの溶融樹脂を用いて射
    出成形し、射出成形品の表面にアクリル木目模様シート
    を接着させることを特徴とするアクリル木目模様成形品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のアクリ
    ル木目模様シートが、アクリロニトリル−ブタジエン−
    スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネイト樹脂、また
    は、ポリカーボネイト樹脂とアクリロニトリル−ブタジ
    エン−スチレン共重合体樹脂との混合材料のいずれかの
    樹脂からなる射出成形品の表面に形成されていることを
    特徴とするアクリル木目模様成形品。
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