JPH09300397A - アクリルインサートフィルムと木目柄成形品の製造方法 - Google Patents

アクリルインサートフィルムと木目柄成形品の製造方法

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JPH09300397A
JPH09300397A JP14660596A JP14660596A JPH09300397A JP H09300397 A JPH09300397 A JP H09300397A JP 14660596 A JP14660596 A JP 14660596A JP 14660596 A JP14660596 A JP 14660596A JP H09300397 A JPH09300397 A JP H09300397A
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JP
Japan
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layer
color
acrylic
film
resin
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JP14660596A
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Inventor
Fujio Mori
富士男 森
Takuji Shibata
卓治 柴田
Tsuneyuki Yamanaka
常行 山中
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】種々の色調の成形樹脂を使用することができる
アクリルインサートフィルムと木目柄成形品の製造方法
を得る。 【構成】透明なアクリルフィルム2の片面に、少なくと
も木目導管柄層3、下地層4、着色層6からなる印刷層
が形成され、印刷層の下地層4と着色層6の色とが同系
色である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、木目調の絵付成
形品を得るために好適なアクリルインサートフィルムと
木目柄成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木目調の絵付成形品の製造例とし
て、木目模様の印刷層が形成されたインサートフィルム
を金型の中に挿入し、射出成形と同時に成形品の上に一
体化するインサート成形法がある。インサート成形法
は、印刷によって直接図柄を形成することが困難な形状
の成形品であっても図柄を形成することができるという
特長を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インサート成
形法であっても、端部の絞りの大きい製品になると、部
分的に印刷層が極度に伸ばされ、その結果、部分的に木
目の下地印刷層が透けて見え意匠感が低下するので、成
形樹脂は木目の色に近い茶色にせざるを得ないという問
題点がある。
【0004】したがって、この発明は、上記のような欠
点を解消し、種々の色調の成形樹脂を使用することがで
きるアクリルインサートフィルムと木目柄成形品の製造
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のアクリルイン
サートフィルムと木目柄成形品の製造方法は、以上の目
的を達成するために、つぎのように構成した。
【0006】つまり、この発明のアクリルインサートフ
ィルムは、透明なアクリルフィルムの片面に、少なくと
も木目導管柄層、下地層、着色層からなる印刷層が形成
され、印刷層の下地層と着色層の色とが同系色であるよ
うに構成した。
【0007】また、この発明のアクリルインサートフィ
ルムは、透明なアクリルフィルムと着色シートの間に少
なくとも木目導管柄層、下地層からなる印刷層が形成さ
れ、印刷層の下地層の色と着色シートの色とが同系色で
あるように構成した。
【0008】また、上記の発明において、下地層の色と
着色層の色の差である色度差が、次式であるように構成
してもよい。
【0009】
【数1】
【0010】ただし、a*、b*は、JIS Z8729にお
けるL***表色系における表示単位である。a*=50
0[(X/X01/3−(Y/Y01/3]、b*=200
[(Y/Y01/3−(Z/Z01/3]である。
【0011】ここで、L*は明度指数でありL*=116
(Y/Y01/3−16で定義され、X、Y、Zは人間の目
が物体の色を見て視感の3特性で感じる各々の刺激値を
表し、X0、Y0、Z0は人間の目が照明光源を見て視感
の3特性で感じる各々の刺激値を表す。C標準光の場
合、X0=98.072、Y0=100、Z0=118.225であり、D
65標準光の場合、X0=95.045、Y0=100、Z0=108.89
2をそれぞれ示す。
【0012】また、この発明の木目柄成形品の製造方法
は、請求項1〜請求項3のアクリルインサートフィルム
を金型内に配置し、成形樹脂を射出成形するのと同時に
成形品の表面にアクリルインサートフィルムを一体化す
るように構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】図面を参照しながらこの発明の実
施の形態について詳しく説明する。
【0014】図1〜3は、この発明のアクリルインサー
トフィルムを示す断面図である。図4は、この発明の木
目柄成形品の一実施例を示す断面図である。図中、1は
アクリルインサートフィルム、2はアクリルフィルム、
3は木目導管柄層、4は下地層、5は着色シート、6は
着色層、7は成形材料、8は接着層、9は木目柄成形品
である。
【0015】この発明のアクリルインサートフィルム1
は、透明なアクリルフィルム2の片面に、少なくとも木
目導管柄層3、下地層4、着色層6からなる印刷層が形
成され、印刷層の下地層4と着色層6の色とが同系色で
ある(図1参照)。
【0016】透明なアクリルフィルム2としては、ポリ
メチルメタアクリレート樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹
脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、エチレン酢酸ビ
ニル−アクリル共重合体樹脂などを用いるとよい。アク
リルフィルム2は透明性に優れ、熱や光に強く、屋外で
使用しても退色したり光沢変化することが少ない。ま
た、可塑剤を使用せずとも耐汚染性に優れ、しかも成形
加工性に優れ深絞り加工できるという特性を有する。ア
クリルフィルム2の厚みは、オーバーレイフィルムとし
て耐候性を維持できる50μm以上で、かつ印刷が可能な
200μm以下が望ましい。
【0017】印刷層は、柄層、下地層4、着色層6など
からなり、アクリルフィルム2の片面に設ける。
【0018】木目導管柄層3は、木目模様の導管を表現
する層である。木目導管柄層3は、具体的には、葉脈な
どの基幹となる部分と、その周辺の微細な導管とを別の
パターンで製版し、これらの部分を重ね合わせて印刷
し、基幹となる部分をくっきりと表現するようにすると
よい。
【0019】下地層4は、印刷形成した段階でアクリル
フィルム2側から木目模様を見る場合において、その木
目模様の色合いに直接影響を与える層である。下地層4
は、具体的には、木目を構成する黄・赤・茶・黒などの
顔料を樹脂バインダーと溶剤とともに混合してインキ化
し、通常の印刷法によって形成するとよい。下地層4は
単層であっても、多層であってもよい。また、パターン
化した部分的なものであっても、全面ベタに設けたもの
であってもよい。下地層4の色とは、アクリルフィルム
2側から見てその色を視認できるまでの範囲色と定義す
る(図3参照)。
【0020】着色層6は、主にインサート成形において
伸ばされた段階で木目模様の色合いに影響を与える層で
ある。つまり、インサート成形の予備成形などよって下
地層4が透けて、意匠感が低下するのを防ぐものであ
る。着色層6は、具体的には、木目を構成する黄・赤・
茶・黒などの顔料のうち、とくに隠蔽性の高いベンガラ
やカーボンなどを樹脂バインダーと溶剤とともに混合し
てインキ化し、通常の印刷法によって形成するとよい。
着色層6は単層であっても、多層であってもよい。ま
た、パターン化した部分的なものであっても、全面ベタ
に設けたものであってもよい。着色層6は、接着層8側
から見てその色を視認できるまでの層をいい、その色を
着色層6の色と定義する(図3参照)。
【0021】下地層と着色層の色とが同系色であるよう
にする必要がある。この発明でいう同系色とは、下地層
の色と着色層の色の差である色度差が、JIS Z8729
におけるL***表色系において、a*=500[(X/
01/3−(Y/Y01/3]およびb*=200[(Y/Y
01/3−(Z/Z01/3]で定義されるa*とb*の差の
合計、すなわち数2の値が4.0以上45.0以下であること
をいう。4.0に満たないと、下地層と着色層との区別が
できない。45.0を越えると、伸ばされた部分と伸ばされ
ない部分の色の違いが目立ちすぎる。
【0022】
【数2】
【0023】着色層6は、さらに下地層4に近い茶色、
あるいはそれに黒、黄、赤系統の色が適度に混じったよ
うに形成し、印刷層が極度に伸ばされても着色層6の色
でもって、木目の意匠感が低下しないようにする。
【0024】着色層6は、その材料自体が基材に直接接
着できる接着層8である場合と、下地層4と接着層8と
をつなぐアンカー層である場合とがある。
【0025】着色層6の厚みは、0.5〜50μmの範囲で
形成するとよい。0.5μmより薄いと、隠蔽性の高い顔
料であっても、伸ばされると透けてしまい、成形樹脂の
色の影響を受けてしまう。50μmより厚いと、残留溶剤
が揮発しにくくなり、アクリルフィルム2基材を侵して
引張強度や折曲強度などの機械的強度を低下させてしま
う。
【0026】木目導管柄層3、下地層4、着色層6は、
ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニ
ルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セ
ルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバ
インダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤とし
て含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方
法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スク
リーン印刷法、フレキソ印刷法などの通常の印刷法など
を用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うに
は、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。
また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコー
ト法、コンマコート法、スプレーコート法などのコート
法を採用することもできる。印刷層は、表現したい図柄
に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合も
ある。
【0027】また、木目導管柄層3、下地層4、着色層
6は、光輝性顔料層からなるもの、金属薄膜層からなる
ものであってもよい。また、光輝性顔料層あるいは金属
薄膜層と、印刷層との組み合わせからなるものでもよ
い。光輝性顔料層は、図柄層として金属光沢を表現する
ためのものであり、パール顔料やアルミフレークを含む
層である。金属薄膜層は、図柄層として金属光沢を表現
するためのものであり、真空蒸着法、スパッターリング
法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。
表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケ
ル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、
銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金ま
たは化合物を使用する。部分的な金属薄膜層を形成する
場合の一例としては、金属薄膜層を必要としない部分に
溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属
薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共
に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この場合によ
く用いる溶剤は、水または水溶液である。また、別の一
例としては、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜
を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸または
アルカリでエッチングを行い、レジスト層を除去する方
法がある。
【0028】接着層8は、成形品に上記の各層を接着す
る層である。接着層8としては、成形品の素材に適した
感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえ
ば、成形品の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系
樹脂を用いるとよい。また、成形品の材質がポリフェニ
レンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレ
ンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリ
ル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂など
を使用すればよい。さらに、成形品の材質がポリプロピ
レン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロ
ンインデン樹脂が使用可能である。接着層8の形成方法
としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマ
コート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン
印刷法などの印刷法がある。接着層8の乾燥膜厚は、0.
5〜10μmとするのが一般的である。
【0029】また、この発明のアクリルインサートフィ
ルム1は、透明なアクリルフィルム2と着色シート5の
間に少なくとも木目導管柄層3、下地層4からなる印刷
層が形成され、印刷層の下地層4の色と着色シート5の
色とが同系色であるように構成してもよい(図2参
照)。
【0030】透明なアクリルフィルム2としては、前記
のアクリルインサートフィルム1に用いたものと同様の
ものを用いるとよい。
【0031】印刷層は、木目導管柄層3と下地層4とか
らなる。木目導管柄層3と下地層4は、前記のアクリル
インサートフィルム1に用いたものと同様に構成すると
よい。
【0032】着色シート5は、インサート成形の予備成
形などよって下地層4が透けて、意匠感が低下するのを
防ぐものである。下地層4の後に、さらに下地層4に近
い茶色、あるいはそれに黒、黄、赤系統の色が適度に混
じった着色シート5を積層し、印刷層が極度に伸ばされ
ても着色シート5の色でもって、木目の意匠感が低下し
ないようにする。ここでいう着色シート5は、その材料
自体が基材に直接接着できる接着フィルムである場合の
ほか、表面に接着層8を形成した着色シート5も含む。
具体的には、汎用のプラスチックシート中に、木目を構
成する黄・赤・茶・黒などの顔料を含有させたものを用
いるとよい。着色シート5は単層であっても、多層であ
ってもよい。着色シート5の表面層は、下地層4の一部
を兼用してもよい。着色シート5の色とは、着色層6
は、接着層8側から見た色と定義する。着色シート5の
材質は、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ナイロン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン酢
酸ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルスチ
レン共重合体系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチ
レン共重合体系樹脂、セルロースアセテート系樹脂など
を使用するとよい。
【0033】印刷層の下地層4の色と着色シート5の色
とが同系色であるようにする。ここでいう同系色とは、
前述のアクリルインサートフィルム1と同様の意味であ
る。
【0034】なお、上記のアクリルインサートフィルム
1の層構成は、アクリルインサートフィルム1の一例で
あり、このほかの層構成であってもよい。たとえば、着
色層6や着色シート5が接着層8の機能を兼ね備えてい
る場合には、接着層8を省略することができる。
【0035】下地層4と着色シート5の積層方法および
着色シート5の厚みは、アクリルインサートフィルム1
の予備成形および打ち抜きの工法に応じて選択するとよ
い。
【0036】ロール巻きのアクリルインサートフィルム
1を連続的に供給し、金型内で予備成形および打ち抜き
加工する場合、厚みが大きいと予備成形および打ち抜き
加工に時間がかかり生産性が低下するので、アクリルイ
ンサートフィルム1の厚みは比較的薄い方がよい。具体
的には、アクリルインサートフィルム1の全体の厚みは
350μm以下、特に70〜200μmが好ましい。70μmより
薄いと、加熱して予備成形する際に、局所的に伸びすぎ
る部分ができるという不具合があり、200μmより厚い
と金型内に設置する熱源や、アクリルインサートフィル
ム1の打ち抜きのための刃をなどを大きくしなければな
らなかったり、予備成形に長時間の加熱を要するという
不具合がある。着色シート5の厚みは、300μm以下が
好ましい。300μmより厚いと、アクリルフィルム2が5
0μmに満たないことになり、アクリルフィルム2の機
械的強度低下による印刷困難および耐候性低下という不
具合がある。
【0037】積層方法としては、ドライラミネート法、
押出しラミネート法、プリントラミネート法、ヒートシ
ール法などを用いるとよい。
【0038】アクリルインサートフィルム1を金型外で
予備成形および打ち抜き加工し、打ち抜いたアクリルイ
ンサートフィルム1一枚一枚を金型内に設置する場合
は、厚みが薄いと打ち抜いた後のハンドリング性が悪く
生産性が低下するので、アクリルインサートフィルム1
の厚みは比較的厚い方がよい。具体的には、アクリルイ
ンサートフィルム1の全体の厚みは350μm以上、特に5
00〜600μmが好ましい。500μmより薄いと、アクリル
インサートフィルム1にこしがなく、金型内に挿入する
際に変形してうまく保持されないという不具合があり、
600μmより厚いと大きな熱源を使用しても予備成形に
時間がかかるという不具合がある。着色シート5の厚み
は、150μm以上が好ましい。150μmより薄いと、アク
リルフィルム2が200μm以上になり、安定して印刷で
きないという不具合がある。
【0039】積層方法としては、ドライラミネート法、
押出しラミネート法、プリントラミネート法、ヒートシ
ール法などを用いるとよい。
【0040】アクリルインサートフィルム1を利用して
木目柄成形品9を得るには、次のようにするとよい。
【0041】アクリルインサートフィルム1を、インサ
ートフィルム送り装置などを使用して、成形樹脂射出口
を有するコア型と、深絞りのための凹部を有するキャビ
ティ型との間に配置し、クランプなどの手段でキャビテ
ィ型の周囲に固定する。次に、熱源によりアクリルイン
サートフィルム1を加熱軟化させるとともにキャビティ
型側から真空吸引してキャビティ型の表面に密着させ
る。キャビティ型とコア型を型締めし、アクリルインサ
ートフィルム1とコア型との間に密閉空間を形成する。
この空間に溶融した成形樹脂を射出する。成形樹脂とし
ては、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアク
リロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルブ
タジエンスチレン系樹脂などを用いるとよい。キャビテ
ィ型とコア型を型開きすれば、アクリルインサートフィ
ルム1と成形樹脂とが一体化された木目柄成形品9を得
ることができる。
【0042】また、次のようにして木目柄成形品9を得
ることができる。まず、アクリルインサートフィルム1
を、深絞りのための凹部を有する予備成形型にクランプ
などの手段で固定し、次に、熱源によりアクリルインサ
ートフィルム1を加熱軟化させるとともに予備成形型側
から真空吸引して予備成形型の表面に密着させる。次い
で真空吸引を解除し、予備成形型からアクリルインサー
トフィルム1を取り出す。このようにして、深絞り加工
したアクリルインサートフィルム1を得ることができ
る。次いで、予備成形したアクリルインサートフィルム
1を、成形樹脂射出口を有するコア型と、深絞りのため
の凹部を有するキャビティ型との間に配置し、クランプ
などの手段でキャビティ型の周囲に固定する。次に、キ
ャビティ型とコア型を型締めし、アクリルインサートフ
ィルム1とコア型との間に密閉空間を形成する。この空
間に溶融した成形樹脂を射出し、キャビティ型とコア型
を型開きすれば、アクリルインサートフィルム1と成形
樹脂とが一体化された木目柄成形品9を得ることができ
る。
【0043】なお、この方式によるアクリルインサート
フィルム1の効果は、木目模様柄に限らず、シルバーメ
タリック、石目、墨ベタ、大理石模様など、あらゆる模
様に適応できる。
【0044】
【実施例】
実施例1 厚さ125μmのメタクリル酸メチルフィルムをアクリル
フィルムとし、下記組成のインキを用い、木目導管柄
層、パターン化した下地層、パターン化した着色層、接
着層をグラビア印刷法で順次形成した。
【0045】 木目導管柄層 バインダー 熱硬化性アクリル樹脂 60重量% 顔料 カーボンブラック 40重量% 下地層 バインダー 熱硬化性アクリル樹脂 60重量% 顔料 ファストイエロー(黄) 20重量% 顔料 ベンガラ(赤茶) 20重量% 着色層 バインダー 熱硬化性アクリル樹脂 60重量% 顔料 ベンガラ(赤茶) 40重量% 接着層 ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体
樹脂
【0046】ここで、下地層はa*=28、b*=50であ
り、着色層はa*=38、b*=20であった。したがって、
【0047】
【数3】
【0048】となった。
【0049】このようにして得たアクリルインサートフ
ィルムを金型内に配置し、成形樹脂温度220〜250℃、金
型温度40〜60℃の条件において、無色透明のアクリロニ
トリルブタジエンポリスチレン共重合体樹脂を成形樹脂
としてインサート成形を行った。
【0050】このようにして得た木目柄成形品は、木目
模様柄と透明の窓部とが形成された深絞り度の大きい成
形品であった。
【0051】実施例2 実施例1と同様のアクリルフィルムに、下記組成のイン
キを用い、木目導管柄層、全面ベタの下地層をグラビア
印刷法で順次形成した。
【0052】 木目導管柄層 バインダー 熱硬化性アクリル樹脂 60重量% 顔料 カーボンブラック 40重量% 下地層 バインダー 熱硬化性アクリル樹脂 60重量% 顔料 ファストイエロー(黄) 20重量% 顔料 ベンガラ(赤茶) 20重量%
【0053】また、厚さ50μmのベンガラ顔料入りメタ
クリル酸メチルフィルムを着色シートとし、片面にポリ
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂からなる接着層を
形成した。
【0054】ここで、下地層はa*=28、b*=50であ
り、着色シートはa*=40、b*=20であった。したがっ
て、
【0055】
【数4】
【0056】となった。
【0057】次いで、両者を透明のポリウレタン2液硬
化性樹脂層を介して、着色シートの非接着層面とアクリ
ルフィルムの下地層面とをドライラミネート法で接着
し、アクリルインサートフィルムを得た。
【0058】このようにして得たアクリルインサートフ
ィルムを金型内に配置し、実施例1と同様にしてインサ
ート成形を行った。
【0059】このようにして得た木目柄成形品は、全体
にやや赤みがかった深絞り度の大きい成形品であった。
【0060】実施例3 実施例1と同様のアクリルフィルムに、下記組成のイン
キを用い、木目導管柄層、全面ベタの下地層をグラビア
印刷法で順次形成した。
【0061】 木目導管柄層 バインダー 熱硬化性アクリル樹脂 60重量% 顔料 カーボンブラック 40重量% 下地層 バインダー 熱硬化性アクリル樹脂 65重量% 顔料 ファストイエロー(黄) 5重量% 顔料 ベンガラ(赤茶) 20重量% 顔料 カーボンブラック(黒) 10重量%
【0062】また、厚さ400μmのカーボンブラック顔
料入りアクリロニトリルブタジエンポリスチレンシート
を着色シートとした。
【0063】ここで、下地層はa*=28、b*=25であ
り、着色シートはa*=−4、b*=−5であった。した
がって、
【0064】
【数5】
【0065】となった。
【0066】次いで、両者を熱プレス機に積み重ね、5
kg/m2の圧力と120℃の熱で5分間放置して接着し、ア
クリルインサートフィルムを得た。なお、実施例3で
は、着色シートは接着フィルムとしての機能も有してい
る。
【0067】このようにして得たアクリルインサートフ
ィルムを金型内に配置し、実施例1と同様にしてインサ
ート成形を行った。
【0068】このようにして得た木目柄成形品は、全体
に黒っぽい深絞り度の大きい成形品であった。
【0069】
【発明の効果】この発明は、前記した構成からなるの
で、次のような効果を有する。
【0070】この発明のアクリルインサートフィルム
は、下地層の下に、下地層と同系色の着色層または着色
シートを有するため、インサート成形によって極度に伸
ばされる部分があっても、成形樹脂が透けて見えること
がなく、成形樹脂の色によって木目柄成形品の意匠が影
響を受けることがない。
【0071】また、成形樹脂が透けて見えることがない
ので、色出しがしやすい。つまり、色出しとは、射出成
形樹脂の色も含めた木目柄成形品の木目模様の色合いを
表現することをいうので、射出成形樹脂の色の影響を受
けない場合は、アクリルインサートフィルムの木目模様
の色合いそのものが木目柄成形品の木目模様の色合いに
なる。
【0072】また、リピート製品の際の段取り時間を短
縮できる。つまり、色のばらつきの要因となるのがアク
リルインサートフィルムの木目模様層のみ、すなわち、
印刷工程のみであるため、使用するインキの配合データ
と、印刷版および印刷条件のデータを保存しておけば、
容易に再現できることをいう。
【0073】また、この発明の木目柄成形品の製造方法
は、木目柄をパターン化し、透明窓部を形成しておけ
ば、成形樹脂の色をかえるだけで異なった製品を成形で
きるため、大幅なコストダウンができる。つまり、無色
透明の成形樹脂を選定して、アクリルインサートフィル
ムの印刷層および着色層をパターン形成しておけば、透
明窓が形成された成形同時絵付品を形成することが可能
になった。したがって、別パーツにせざるを得なかった
付属の成形品を一体化して成形できるため、コストを大
幅に削減できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のアクリルインサートフィルムの一実
施例を示す断面図である。
【図2】この発明のアクリルインサートフィルムの一実
施例を示す断面図である。
【図3】この発明のアクリルインサートフィルムの一実
施例を示す断面図である。
【図4】この発明の木目柄成形品の一実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 アクリルインサートフィルム 2 アクリルフィルム 3 木目導管柄層 4 下地層 5 着色シート 6 着色層 7 成形材料 8 接着層 9 木目柄成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 633:04 B29L 9:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なアクリルフィルムの片面に、少な
    くとも木目導管柄層、下地層、着色層からなる印刷層が
    形成され、印刷層の下地層と着色層の色とが同系色であ
    ることを特徴とするアクリルインサートフィルム。
  2. 【請求項2】 透明なアクリルフィルムと着色シートの
    間に少なくとも木目導管柄層、下地層からなる印刷層が
    形成され、印刷層の下地層の色と着色シートの色とが同
    系色であることを特徴とするアクリルインサートフィル
    ム。
  3. 【請求項3】 下地層の色と着色層の色の差である色度
    差が、次式 【数1】 である請求項1または2のいずれかに記載のアクリルイ
    ンサートフィルム。(ただし、a*、b*は、JIS Z
    8729におけるL***表色系における表示単位であ
    る。a*=500[(X/X01/3−(Y/Y01/3]、b
    *=200[(Y/Y01/3−(Z/Z01/3]である。こ
    こで、L*は明度指数でありL*=116(Y/Y01/3−1
    6で定義され、X、Y、Zは人間の目が物体の色を見て
    視感の3特性で感じる各々の刺激値を表し、X0、Y0
    0は人間の目が照明光源を見て視感の3特性で感じる
    各々の刺激値を表す。C標準光の場合、X0=98.072、
    0=100、Z0=118.225であり、D65標準光の場合、X
    0=95.045、Y0=100、Z0=108.892をそれぞれ示
    す。)
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のアクリルインサー
    トフィルムを金型内に配置し、成形樹脂を射出成形する
    のと同時に成形品の表面にアクリルインサートフィルム
    を一体化することを特徴とする木目柄成形品の製造方
    法。
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