JP3554625B2 - 木目柄化粧シートおよびこれを用いた木目柄付き成形品の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術の分野】
本発明は、家具、調度品、壁材、家電品における表面材や自動車の内装材などの成形品に立体感の優れた木目柄を付与するために使用する木目柄化粧シートと、これを用いた木目柄付き成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、家具の表面材や自動車の内装材などとして、基体シートに木目の絵柄を印刷した木目柄化粧シートを合板やパーティクルボード、樹脂成形体などの成形品の表面に直接貼ったり、成形品が樹脂の場合には射出成形と同時に接着したりしたものがある。
【0003】
そして、上記木目柄化粧シートは、単に木目の絵柄を印刷しただけでは、実際の天然木材表面に類似した外観が得にくいという難点があるため、基体シートとして透明プラスチックシートを用い、その表裏面に第一木目柄層と第二木目柄層とを別々に設けることが行なわれていた。つまり、二種類の木目柄の距離感の差により、木目に立体感を持たせようというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際には、木目柄化粧シートの基体シートとして使用する透明プラスチックシート程度の厚さでは二種類の木目柄に距離感の差が感じられないため、木目の立体感が大して得られなかった。木目に立体感を持たせるためには、透明プラスチックシートの厚さが少なくとも数mm必要になり、これでは木目柄化粧シートとしては適さない。
【0005】
したがって、本発明は、上記の問題点を解決し、立体感の優れた木目柄を形成する木目柄化粧シートと、これを用いた木目柄付き成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の木目柄化粧シートは、ヘイズ値1.3〜20.0の白濁プラスチックシートの表面に第一木目柄層が形成され、白濁プラスチックシートの裏面に第二木目柄層、隠蔽ベタ層が順次形成されるように構成した。
【0007】
また、上記構成において、白濁プラスチックシートのヘイズ値を2〜5とした。
【0008】
また、上記構成において、第二木目柄層の色の明度を4以下とした。
【0009】
また、上記構成において、白濁プラスチックシートの表面に第一木目柄層を覆うように表面保護層を形成した。
【0010】
また、上記構成において、隠蔽ベタ層の裏面に接着層を形成した。
【0011】
本発明の木目柄付き成形品の製造方法は、上記各木目柄化粧シートを成形品表面に直接貼り付けるように構成した。
【0012】
また、本発明の木目柄付き成形品の製造方法は、上記各木目柄化粧シートを用い、木目柄化粧シートの第一木目柄層側と金型内壁面とが接するように木目柄化粧シートを射出成形用の金型内に載置し、型閉めした後、溶融樹脂を射出し、成形品を成形すると同時に、射出した溶融樹脂の熱と圧力で木目柄化粧シートを成形品表面に接着させるようにしてもよい。
【0013】
【考案の実施の形態】
以下、図を用いて本発明をさらに詳しく説明する。図1〜3は本発明の木目柄化粧シートの一実施例を示す断面図、図4および図5は本発明の木目柄付き成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。図中、1は木目柄化粧シート、2は白濁プラスチックシート、3は第一木目柄層、4は第二木目柄層、5は隠蔽ベタ層、6は表面保護層、7は接着層、8は木目柄付き成形品、9は成形品、10は接着剤、11は金型、12は溶融樹脂をそれぞれ示している。
【0014】
図1の木目柄化粧シート1は、ヘイズ値1.3〜20.0の白濁プラスチックシート2の表面に第一木目柄層3が形成され、白濁プラスチックシート2の裏面に第二木目柄層4、隠蔽ベタ層5が順次形成されている。
【0015】
白濁プラスチックシート2としては、ヘイズ値1.3〜20.0のプラスチックシートが用いられる。ヘイズ(JIS K 6900)とは透明なプラスチックの内部または表面の不明瞭な曇りの外観のことをいい、ヘイズ値とはこのヘイズの度合いを数値であらわしたもので、透明なプラスチックに入射した光線の拡散透過光量と全透過光量との比を百分率で示す。低いヘイズ値は曇りが少なく透明性が高いことを示し、逆に高いヘイズ値は白濁して透明性が低いことを示している。
【0016】
本発明は、白濁プラスチックシート2を用いることにより、第一木目柄層3より白濁プラスチックシート2を通して見る第二木目柄層4が不鮮明に映るようにするのである。この鮮明さの差により二種類の木目柄が両者の実際の距離以上に遠くに離れているように感じられるため、従来技術よりも立体感の優れた木目柄を形成することができる。ただし、ヘイズ値が20.0を超えると白濁プラスチックシート2裏面に設けられた第二木目柄層が判りにくくなるという問題があり、ヘイズ値が1.3に満たないと第一木目柄層と白濁プラスチックシート2を通して見る第二木目柄層との鮮明さの違いが視覚的に認識できないという問題があるため、白濁プラスチックシート2のヘイズ値は1.3〜20.0の範囲に限定される。とくにヘイズ値2〜5の範囲が好ましい。なお、とくに好ましい範囲がヘイズ値1.3〜20.0の範囲の中で1.3側に偏っているように受け取られるかもしれないが、実際はそうでもない。ヘイズ値の低い側における0.1の差は、ヘイズ値の高い側における同じ0.1の差よりも第二木目柄層の認識にはるかに大きく影響を与えるからである。
【0017】
ヘイズ値が1.3〜20.0となるような白濁プラスチックシート2としては、たとえば、表1に示すような材質および厚さのものが使用できる。
【0018】
【表1】
【0019】
第一木目柄層3は、木の切り口に現れる年輪、繊維、導管などの木目のうち、手前に浮き出させたい柄を表現するための層である。なお、導管などの木目のうちどの柄を第一木目柄層3とし他の柄を第二木目柄層4とするかについての決まりはなく、各層にどのように振り分けてもよい。第一木目柄層3としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビイル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂及びこれらの共重合体などをバインダーとし染顔料を着色材として含有するものを用いることができ、黒、橙、赤、黄などの色から単一あるいは複数色を選択する。染顔料は、たとえば、カーボンブラック、ベンジジンオレンジ、ベンガラ、トルイジンレッド、ファストイエロー、ウオッチングレッドなどを用いることができる。第一木目柄層3の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法などの通常の印刷法により形成する。また、マスキングなどしてロールコート法やスプレーコート法などのコート法を用いる。
【0020】
第二木目柄層4は、木の切り口に現れる年輪、繊維、導管などの木目のうち、後方に引っ込ませたい柄を表現するための層である。第二木目柄層4としては、第一木目柄層3と同様のバインダーおよび着色材からなるものを用いることができる。また、第二木目柄層4の形成方法についても、第一木目柄層3と同様である。
【0021】
また、本発明は、白濁プラスチックシート2を通して見ることにより第二木目柄層4を不鮮明にするもののである。しかし、第二木目柄層4の色の明度が高いと、第二木目柄層4の不鮮明という印象が弱くなってしまい、二種類の木目柄が両者の実際の距離以上に遠くに離れているようには感じられにくくなる。したがって、本発明における第二木目柄層4は、色の明度が4以下であるほうが好ましい。なお、明度とは、物体表面の知覚色の「明るさの程度」であって、視感反射率が大きいか、または小さいかを判断する視知覚の属性を尺度化したものである。本発明においては、マンセル表色系による明度、すなわちマンセルバリュー(JIS Z 8105)を用いる。明度の表わし方は、理想的な黒をV=0、理想的な白をV=10としてその間を10分割する。
【0022】
隠蔽ベタ層5は、木の切り口に現れる木目以外の基本色調を表現した層である。隠蔽ベタ層として5は、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビイル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂及びこれらの共重合体などをバインダーとし染顔料を着色材として含有するものを用いることができ、橙、赤、黄、青、緑、白などの色から選択する。染顔料は、たとえば、ベンジジンオレンジ、ベンガラ、二酸化チタン、ブリリアントカーミン、レーキレッド、ファストイエロー、フタロシアンブルー、フタロシアングリーンなどを用いることができる。隠蔽ベタ層5の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法などの通常の印刷法や、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法を用いる。
【0023】
以上、図1の木目柄化粧シート1について説明したが、本発明は上記の態様のみに限定されるものではない。たとえば、白濁プラスチックシート2の表面に第一木目柄層3を覆うように表面保護層6を形成していてもよい(図2参照)。表面保護層6は、第一木目柄層3の表面保護および艶出しのために設ける層である。一般に、第一木目柄層3が粗い顔料を含有する場合、顔料により第一木目柄層3表面に微細な凹凸が生ずるため、微細な凹凸が光の乱反射を起こして第一木目柄層3の艶を消す。この場合、第一木目柄層3が艶消しにより不鮮明になり、白濁プラスチックシート2を通して見る第二木目柄層4と鮮明さで差が比較的小さい。したがって、表面保護層6を第一木目柄層3上に設けることにより、光の乱反射を抑えて第一木目柄層3を艶出しさせ、第一木目柄層3と白濁プラスチックシート2を通して見る第二木目柄層4との鮮明さの差による本発明の効果をより発揮させることができる。
【0024】
表面保護層6としては、表面保護インキのコーティング層あるいは表面保護シートがある。表面保護インキのコーティング層および表面保護シートとしては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂とアクリル樹脂との混合物、ニトロセルロース、酢酸セルロース、塩素化ポリプロピレンなどの樹脂からなるものを用いることができる。表面保護インキのコーティング方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法を用いる。表面保護シートの形成方法としては、ラミネート法などを用いる。なお、表面保護層6は、ヘイズ値が1.5以下でかつ白濁プラスチックシート2より相対的にヘイズ値が低い方が好ましい。なぜならば、第一木目柄層3が表面保護層6により白濁して不鮮明に見えるようになると、本発明の効果が薄くなるからである。ヘイズ値が1.5以下となるような表面保護インキのコーティング層としては、たとえば、表2に示すような材質および厚さのものが使用できる。
【0025】
【表2】
【0026】
ヘイズ値が1.5以下となるような表面保護シートとしては、たとえば、表3に示すような材質および厚さのものが使用できる。なお、ヘイズ値が1.5以下となるような表面保護シートの厚さが、前述のヘイズ値が1.3〜20.0となる白濁プラスチックシート2の厚さと大差ないように受け取られるかもしれないが、これには理由がある。ヘイズ値の低い側において0.1の差をつけるために必要なシート厚変化が、ヘイズ値の高い側において同じ0.1の差をつけるために必要なシート厚変化よりもはるかに大きいからである。
【0027】
【表3】
【0028】
また、隠蔽ベタ層5の裏面に接着層7を形成してもよい(図3参照)。接着層7は、本発明の木目柄化粧シート1を合板やパーティクルボード、樹脂成形体などの成形品に接着するための層である。接着層7としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂などを用いる。接着層7の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法などの通常の印刷法や、ロールコート法やスプレーコート法などのコート法を用いる。
【0029】
また、本発明の木目柄化粧シート1は、光沢層を一構成層としてもよい(図示せず)。光沢層は、木材に特有な照りを表現する層であり、全面または部分的に形成する。光沢層としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビイル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂及びこれらの共重合体などをバインダーとし、光輝性顔料を含有するものを用いることができる。光輝性顔料には、たとえば、パール顔料や、銅、アルミニウム、金、銀などの粒径150μm以下の金属粉などがある。また、光沢層として、アルミニウム、クロム、錫、銅などの金属薄膜を用いることもできる。光輝性顔料を含有する光沢層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法などの通常の印刷法や、ロールコート法やスプレーコート法などのコート法を用いる。一方、金属薄膜からなる光沢層の形成方法としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、金属箔の貼り付けなどがある。
【0030】
また、上記の光輝性顔料は、第一木目柄層3や第二木目柄層4中に添加してもよい。
【0031】
また、本発明の木目柄化粧シート1は、アンカー層を一構成層としてもよい(図示せず)。アンカー層は、上記各層間のうち任意の層間について密着を向上させる層である。アンカー層としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂及びこれらの共重合体などを用いる。アンカー層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法などの通常の印刷法や、ロールコート法やスプレーコート法などのコート法を用いる。
【0032】
以下、上記の木目柄化粧シート1を用いた木目柄付き成形品の製造方法について説明する。
【0033】
本発明の木目柄付き成形品8の製造方法としては、木目柄化粧シート1を成形品9表面に直接貼り付けるものがある。成形品9の材質としては合板やパーティクルボード、樹脂成形体などがある。木目柄化粧シート1を成形品9に貼り付けるには、通常、木目柄化粧シート1の隠蔽ベタ層5あるいは成形品9に接着剤10を塗布した後、成形品9上に木目柄化粧シート1を重ね合わせ、ゴムロールやシリコンパッドなどを用いて木目柄化粧シート1上から加圧する(図4)。接着剤としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂などを用いる。
【0034】
ただし、木目柄化粧シート1が接着層7を有する場合には、接着剤10の塗布は不要であり、成形品9上に木目柄化粧シート1を重ね合わせ、加熱されたゴムロールやシリコンパッドなどを用いて木目柄化粧シート1上から加熱および加圧して、木目柄付き成形品8を得る。
【0035】
また、成形品9が樹脂成形体である場合には、成形品9の成形と同時に木目柄付き成形品8を得ることができる。すなわち、木目柄化粧シート1を用い、木目柄化粧シート1の第一木目柄層3側と金型11内壁面とが接するように木目柄化粧シート1を射出成形用の金型11内に載置し、型閉めした後、溶融樹脂12を射出し、成形品9を成形すると同時に、射出した溶融樹脂12の熱と圧力で木目柄化粧シート1を成形品9表面に接着する(図5)。射出する溶融樹脂12としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合樹脂、スチレン共重合樹脂などがある。なお、射出成形を行なう前に、木目柄化粧シート1を金型11内壁面の形状に沿いやすくなるように予備成形しておいてもよい。予備成形の方法としては、真空成形、圧空成形、プレス成形などがある。また、予備成形の時期は、予備成形用の金型を用いて木目柄化粧シート1を射出成形用の金型11内に載置する前に行なってもよいし、射出成形用の金型11を用いて木目柄化粧シート1を金型11内に載置した後に行なってもよい。
【0036】
【実施例】
実施例1
厚さ200μmの塩化ビニルフィルムをヘイズ5.0の白濁プラスチックシートとして用いた。白濁プラスチックシートの表面に、ポリ塩化ビニル樹脂からなるバインダー中にカーボンブラックを顔料として含有させたインキを用いグラビア印刷して導管柄の第一木目柄層(バインダー:顔料=6:4)を形成し、厚さ125μmのメタクリル酸メチルフィルムを第一木目柄層を覆うようにラミネートしてヘイズ1.3の表面保護層を形成した。また、白濁プラスチックシートの裏面に、ポリ塩化ビニル樹脂からなるバインダー中にカーボンブラックを顔料として含有させたインキを用いグラビア印刷して明度1で繊維柄の第二木目柄層(バインダー:顔料=6:4)を形成し、次いでポリ塩化ビニル樹脂からなるバインダー中にベンガラを顔料として含有させたインキを用いグラビア印刷して隠蔽ベタ層(バインダー:顔料=6:4)を全面に形成し、最後にエポキシ樹脂からなる接着層を全面に形成した。
【0037】
上記の木目柄化粧シートをパーティクルボード上に重ね合わせ、加熱されたシリコンパッドなどを用いて木目柄化粧シート1上から3時間、100〜200℃の加熱および50g/cm2の加圧を行ない、木目柄付き成形品を得た。
【0038】
このようにして得られた木目柄付き成形品は、導管柄が繊維柄よりも浮き出て、立体感に優れたものであった。
【0039】
実施例2
厚さ200μmのメタクリル酸メチルフィルムをヘイズ2.5の白濁プラスチックシートとして用いた。白濁プラスチックシートの表面に、ポリ塩化ビニル樹脂からなるバインダー中にカーボンブラックを顔料として含有させたインキを用いグラビア印刷して導管柄の第一木目柄層(バインダー:顔料=6:4)を形成し、厚さ10μmの熱可塑アクリル樹脂を第一木目柄層を覆うようにラミネートしてヘイズ1.1の表面保護層を形成した。また、白濁プラスチックシートの裏面に、ポリ塩化ビニル樹脂からなるバインダー中にカーボンブラックを顔料として含有させたインキを用いグラビア印刷して明度1で繊維柄の第二木目柄層(バインダー:顔料=6:4)を形成し、次いでポリ塩化ビニル樹脂からなるバインダー中にベンガラを顔料として含有させたインキを用いグラビア印刷して隠蔽ベタ層(バインダー:顔料=6:4)を全面に形成し、最後にエポキシ樹脂からなる接着層を全面に形成した。
【0040】
上記の木目柄化粧シートを用い、木目柄化粧シートの表面保護層側と金型内壁面とが接するように木目柄化粧シートを射出成形用の金型内に載置し、型閉めした後、溶融した220〜250℃のアクリロニトリルブタジエンポリスチレン共重合体樹脂を40〜60℃の金型内に射出し、成形品を成形すると同時に、射出した溶融樹脂の熱と射出圧力で木目柄化粧シートを成形品表面に接着させ、木目柄付き成形品を得た。
【0041】
このようにして得られた木目柄付き成形品は、導管柄が繊維柄よりも浮き出て、立体感に優れたものであった。
【0042】
【発明の効果】
木目柄化粧シートおよびこれを用いた木目柄付き成形品の製造方法は、ヘイズ値1.3〜20.0の白濁プラスチックシートの表裏面に、第一木目柄層と第二木目柄層とを別々に形成しているので、第一木目柄層より白濁プラスチックシートを通して見る第二木目柄層が不鮮明に映る。したがって、この鮮明さの差により二種類の木目柄が両者の実際の距離以上に遠くに離れているように感じられるため、従来技術よりも立体感の優れた木目柄を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木目柄化粧シートの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の木目柄化粧シートの一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の木目柄化粧シートの一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の木目柄付き成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図5】本発明の木目柄付き成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 木目柄化粧シート
2 白濁プラスチックシート
3 第一木目柄層
4 第二木目柄層
5 隠蔽ベタ層
6 表面保護層
7 接着層
8 木目柄付き成形品
9 成形品
10 接着剤
11 金型
12 溶融樹脂
Claims (5)
- ヘイズ値1.3〜20.0の白濁プラスチックシートの表面に第一木目柄層が形成され、第一木目柄層を覆うように表面保護層が形成され、白濁プラスチックシートの裏面に第二木目柄層、隠蔽ベタ層が順次形成されたことを特徴とする木目柄化粧シートであって、前記表面保護層のヘイズ値が1.5以下であり、かつ白濁プラスチックシートのヘイズ値より低いことを特徴とする木目柄化粧シート。
- 第二木目柄層の色の明度が4以下である請求項1に記載の木目柄化粧シート。
- 隠蔽ベタ層の裏面に接着層が形成された請求項1または請求項2のいずれかに記載の木目柄化粧シート。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の木目柄化粧シートを、成形品表面に直接貼り付けることを特徴とする木目柄付き成形品の製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の木目柄化粧シートを用い、木目柄化粧シートの第一木目柄層側と金型内壁面とが接するように木目柄化粧シートを射出成形用の金型内に載置し、型閉めした後、溶融樹脂を射出し、成形品を成形すると同時に、射出した溶融樹脂の熱と圧力で木目柄化粧シートを成形品表面に接着させることを特徴とする木目柄付き成形品の製造方法。
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