JP2001062957A - 絵付インサートフィルムと絵付インサート成形品の製造方法 - Google Patents

絵付インサートフィルムと絵付インサート成形品の製造方法

Info

Publication number
JP2001062957A
JP2001062957A JP24453799A JP24453799A JP2001062957A JP 2001062957 A JP2001062957 A JP 2001062957A JP 24453799 A JP24453799 A JP 24453799A JP 24453799 A JP24453799 A JP 24453799A JP 2001062957 A JP2001062957 A JP 2001062957A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
picture
resin
thickness
insert film
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24453799A
Other languages
English (en)
Inventor
Fujio Mori
富士男 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissha Printing Co Ltd filed Critical Nissha Printing Co Ltd
Priority to JP24453799A priority Critical patent/JP2001062957A/ja
Priority to CA002317615A priority patent/CA2317615C/en
Priority to EP99954366A priority patent/EP1053850B1/en
Priority to DE69918673T priority patent/DE69918673T2/de
Priority to PCT/JP1999/006131 priority patent/WO2000027608A1/ja
Publication of JP2001062957A publication Critical patent/JP2001062957A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形同時絵付けした後の最終製品で絵付イン
サートフィルムの端面のラインが目立たない絵付インサ
ートフィルムを提供する。 【解決手段】 透明樹脂フィルムと補強シートとの間に
少なくとも絵柄層が形成された厚み250μm以上の絵
付インサートフィルムであって、前記補強シートの厚み
を除く積層物の総厚が200μm以下であり、かつ前記
補強シートの色がCIE1976L表色系
(JIS Z 8729・1980)において下記の範囲内
の暗色である。 9≦L≦75 −40≦a≦40 −60≦b≦30

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、黒色系の成形樹
脂からなる自動車内装部品などの表面に成形同時で木目
模様などの加飾を施すための絵付インサートフィルムと
この絵付インサートフィルムを用いた絵付インサート成
形品の製造方法に関する。本発明に係る絵付インサート
フィルムは、樹脂成形品の表面の一部を絵付インサート
フィルムで被覆して絵付インサート成形品を得る場合に
好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車内装部品などの樹脂成形品
14の表面の一部に加飾を施す方法としては、インサー
ト成形法がある。例えば木目調の絵付インサート成形品
を得る場合、透明なアクリルフィルムの片面に少なくと
も木目導管柄層、下地層からなる絵柄層が形成された絵
付インサートフィルムを用い、これを真空成形などの予
備成形により所望の形状に三次元加工し、トリミング
後、射出成形用金型の中に挿入し、型締めして溶融した
成形樹脂を射出して絵付インサートフィルム1と一体化
する(図7参照)。
【0003】また、上記絵付インサートフィルム1に
は、最下層として絵柄層の下地と同系色である着色シー
トを設けることにより、絵付インサートフィルムを絞り
の深い形状に加工して絵柄層が部分的に極度に伸ばされ
ても、絵付インサートフィルムの下の成形樹脂が透けて
見えることがなく、成形樹脂の色によって絵付インサー
ト成形品の意匠が影響を受けることがないようにしたも
のもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記インサー
ト成形法において、成形樹脂と一体化される絵付インサ
ートフィルムの切断端面7が成形樹脂の中に埋まらず、
露出することがある。なぜなら、絵付インサートフィル
ムは、鋭利な刃10を有する金型プレスを用いてトリミ
ングする場合、完全に垂直に切断されるわけではなく、
その切断端面7は絵付インサートフィルム1の表裏面に
対して角度を持つからである(図5参照)。また、レー
ザーカットによりトリミングする場合でも、トリミング
前に絵付インサートフィルム1が予備成形により絞り形
状に三次元加工されていれば、レーザー光線11の照射
される方向が一定であるため、やはりその切断端面7は
絵付インサートフィルム1の表裏面に対して角度を持つ
(図6参照)。このような絵付インサートフィルム1を
用いると、射出成形用金型12内壁とこの内壁に対して
鋭角をなす絵付インサートフィルム1の切断端面7との
間に挟まれた空間が形成された状態で射出成形用金型1
2内に成形樹脂が射出される(図8参照)ことにより、
成形樹脂の圧力13によって絵付インサートフィルム1
の切断端面7が射出成形用金型12内壁側へ押しつけら
れたり(図9参照)、あるいは成形樹脂9が前記空間内
に入り込まなかったり(図10参照)ということが起こ
る。
【0005】一般的に、自動車内装部品に使用する成形
樹脂9は、不透明な黒色またはそれに類する色のものが
多い。その結果、成形樹脂9が露出する表面ではほとん
どの光が吸収され、反射は少ない。これに対して、透明
樹脂フィルム2の切断端面は不透明な黒色またはそれに
類する色をしておらず、また切断によって端面が粗く形
成されて光が散乱するために切断端面からその背後を見
たときの透視率は悪い。また、絵柄層3の切断端面や着
色シート(図示せず)の切断端面も、成形樹脂よりも明
るい色である。その結果、絵付インサートフィルム1の
全切断端面7は、成形樹脂9が露出する表面と比較する
と反射される光(または色)だけが目立つ。
【0006】つまり、上記したように絵付インサートフ
ィルムの切断端面が絵付インサート成形品表面に露出す
ると、絵付インサートフィルムとその周囲の成形樹脂表
面との間の境界ラインが目立ち、いかにも成形同時絵付
けしたとわかるような意匠性に乏しいものとなる。
【0007】したがって、本発明の目的は、上記の問題
点を解決することにあって、成形同時絵付けした後の最
終製品で絵付インサートフィルムの端面のラインが目立
たない絵付インサートフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の絵付インサートフィルムは、透明樹脂フィ
ルムと補強シートとの間に少なくとも絵柄層が形成され
た厚み250μm以上の絵付インサートフィルムであっ
て、前記補強シートの厚みを除く積層物の総厚が200
μm以下であり、かつ前記補強シートの色がCIE19
76L 表色系(JIS Z 8729・198
0)において下記の範囲内の暗色であるように構成し
た。 9≦L≦75 −40≦a≦40 −60≦b≦30
【0009】また、上記構成において、補強シートの厚
みを除く積層物の総厚を150μm以下とした。
【0010】また、上記各構成において、絵柄層の厚み
を2μm〜100μmとした。
【0011】また、上記各構成において、補強シートと
絵柄層との間に着色中間シートを設置した。
【0012】また、上記着色中間シートの厚みを10μ
m〜98μmとした。
【0013】本発明の絵付インサート成形品の製造方法
は、上記した絵付インサートフィルムの不要部分をトリ
ミングし、次いで射出成形用金型内に挿入し、型締めし
て溶融した成形樹脂を射出して絵付インサートフィルム
と一体化するように構成した。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、図を参照しながら本発明
に係る絵付インサートフィルムを詳細に説明する。図1
および図2は本発明に係る絵付インサートフィルムの一
実施例を示す断面図、図3および図4は本発明に係るト
リミングされた絵付インサートフィルムを用いた絵付イ
ンサート成形品の製造方法の一実施例を示す断面図、図
5および図6は絵付インサートフィルムのトリミング例
を示す断面図でである。図中、1は絵付インサートフィ
ルム、2は透明樹脂フィルム、3は絵柄層、4は木目導
管柄層、5は下地層、6は補強シート、7は切断端面、
8は着色中間シート、9は成形樹脂、10は刃、11は
レーザー光線、12は射出成形用金型をそれぞれ示す。
【0015】本発明の絵付インサートフィルム1は、透
明樹脂フィルム2と補強シート6との間に少なくとも絵
柄層3が形成された厚み250μm以上の絵付インサー
トフィルムであって(図1参照)、前記補強シート6の
厚みを除く積層物の総厚が200μm以下、より好まし
くは150μm以下であり、かつ前記補強シート6の色
がCIE1976L表色系(JIS Z 8
729・1980)において以下の範囲内の暗色であるもの
である。 9≦L≦75 −40≦a≦40 −60≦b≦30
【0016】透明樹脂フィルム2は、意匠の深みを出す
ためのクリア層であり、アクリル樹脂、ポリプロピレン
樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ナイロン樹脂、
ポリエステル樹脂、フッ素樹脂などを用いるとよい。こ
れらの透明樹脂フィルム2は、透明性に優れ、熱や光に
強く、屋外で使用しても退色したり光沢変化したりする
ことが少ない。また、成形加工性に優れ深絞り加工でき
るという特性を有する。透明樹脂フィルム2の厚みは、
オーバーレイ樹脂フィルムとして耐候性を維持できる5
0μm以上で、かつ補強シート6の厚みを除く積層物の
総厚が200μm以下にできる範囲とする。なお、より
好ましくは、補強シート6の厚みを除く積層物の総厚が
150μm以下にできる範囲である。
【0017】絵柄層3は、例えば木目模様柄の場合、木
目導管柄層4、下地層5などからなり、透明樹脂フィル
ム2の片面に設ける。木目導管柄層4は、木目模様の導
管を表現する層であり、具体的には、基幹となる部分
と、その周辺の微細な導管とを別のパターンで製版し、
これらの部分を重ね合わせて印刷し、基幹となる部分を
くっきりと表現するようにするとよい。下地層5は、印
刷形成した段階で透明樹脂フィルム側から木目模様を見
る場合において、その木目模様の色合いに直接影響を与
える層であり、具体的には、木目を構成する黄・赤・茶
・黒などの顔料を樹脂バインダーと溶剤とともに混合し
てインキ化し、通常の印刷方法によって形成するとよ
い。なお、本発明の絵柄層3は、木目模様柄に限らず、
その他のシルバーメタリック、石目、大理石模様などの
模様にも適用できる。
【0018】上記絵柄層3は、ポリ塩化ビニル系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニ
ルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セ
ルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂、塩化ゴム系樹
脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル
系樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料ま
たは染料を着色剤として含有する着色インキを用いると
よい。絵柄層3の形成方法としては、オフセット印刷
法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷
法などの通常の印刷法などを用いるとよい。単色の場合
には、グラビアコート法、ロールコート法、リバースコ
ート法、コンマコート法、スプレーコート法などのコー
ト法を採用することもできる。
【0019】また、金属光沢を表現するために、絵柄層
3として光輝性顔料層や金属薄膜層を部分的または全面
的に設けてもよい。光輝性顔料層は、パール顔料やアル
ミフレークを含む層である。金属薄膜層は、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金
法などで形成し、表現したい光沢色に応じてアルミニウ
ム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、錫、インジ
ウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの
合金または化合物を使用する。
【0020】絵柄層3の厚みは、2μm〜100μmの
範囲とするのが好ましい。厚みが2μm未満の絵柄層で
は、絵付インサートフィルム1を絞りの深い形状に加工
すると、絵付インサートフィルム1が伸ばされることに
よって隙間ができ、背後の補強シート6が透けて見え
る。そのため、補強シート6の色を木目下地色とかなり
異なる暗色、たとえば紺系統の色によって意匠が異様に
なる。厚みが100μmを超える絵柄層では、補強シー
トの厚みを除く積層物の総厚が、そのより好ましい範囲
である150μm以下に収まらなくなる。また、実際に
印刷技法によって100μmを超える厚みを得るために
は何回もあるいは何十回も刷り重ねなければならず、工
程的には非効率になる。工程の効率性を考えれば、隠蔽
性のあるインキで膜厚が厚くなる印刷技法を適用し、絵
柄層3の刷り重ねは極力控えるのが好ましい。
【0021】また、インキの隠蔽性が足りなかったり、
効率よく厚膜に形成することが難しかったりして絵柄層
3の隠蔽性が不足する場合、補強シート6と絵柄層3の
間に、着色中間シート8を設置するのが好ましい(図2
参照)。絵柄層3の後に、さらに絵柄層3中の下地色と
類似する色の着色中間シート8を積層することにより、
成形同時絵付けの予備成形などによって絵柄層3が極度
に伸ばされて絵柄層3が透けても、補強シート6の暗色
を受けて意匠感が低下するのを防ぐことができる。ここ
でいう着色中間シート8は、その材料自体が基材に直接
接着できる接着フィルムである場合のほか、表面に接着
層を形成した着色中間シート8も含む。具体的には、汎
用のプラスチックシート中に絵柄層3と調和のとれる色
を発する顔料、例えば絵柄層3が木目模様柄の場合では
橙・黄・茶などの顔料を含有させたものを用いるとよ
い。この着色中間シート8の色は、補強シート6のよう
に、Lの値が特定の範囲に限定されるもので
はない。着色中間シート8の材質は、アクリル系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリ
エチレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、アイオノ
マー系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合体系樹脂、アク
リロニトリルブタジエンスチレン共重合体系樹脂、セル
ロースアセテート樹脂などを使用するとよい。
【0022】着色中間シート8は、単層であっても複数
の層からなる積層体であってもよいが、全体として10
μm〜148μmの厚みとする。厚みが10μm未満で
はシート状に成膜するのが困難であり、厚みが148μ
mを超えると補強シートの厚みを除く積層物の総厚が2
00μm以下に収まらず、トリミングしたときに補強シ
ートを除く積層物の切断端面のラインが見えてしまう。
なお、補強シートの厚みを除く積層物の総厚をより好ま
しい範囲である150μm以下とするには、着色中間シ
ート8の厚みを98μm以下としなければならない。
【0023】また、着色中間シート8を設ける場合、絵
柄層等は、透明樹脂フィルム2側にではなく、着色中間
シート8の片面に設けることもできる。
【0024】本発明の特徴は、第一に、補強シート6の
厚みを除く積層物の総厚を200μm以下としたことに
ある。これは本発明者らが試行錯誤を重ねた結果として
経験的に得られた値であり、200μm以下であれば、
透明樹脂フィルム2の切断端面が黒色またはそれに類す
る色をしておらず、また切断によって端面が粗く形成さ
れて光が散乱するために切断端面からその背後を見たと
きの透視率が悪くても、さらに絵柄層3の切断端面や絵
柄層3の下地と同系色である着色中間シート8の切断端
面が成形樹脂よりも明るい色であっても、これらの切断
端面で反射される光(または色)はほとんど目立たない
のである。なお、補強シート6の厚みを除く積層物の総
厚を150μm以下とすれば、より目立たず好ましい。
【0025】ただし、不要部分をトリミングした絵付イ
ンサートフィルム1の一枚一枚を射出成形用金型内に挿
入する際、絵付インサートフィルム1のハンドリング性
が悪くならないように、つまり生産性が低下しないよう
にするには、絵付インサートフィルム1の総厚が250
μm以上必要である。250μm未満であると、絵付イ
ンサートフィルム1にこしがなく、射出成形用金型内に
挿入する際に変形してうまく保持されないという不具合
が生ずる。透明樹脂フィルム2や絵柄層3、着色中間シ
ート8などの厚みを厚くすればこの不具合を解決できる
が、それでは従来技術のようにトリミングしたときに絵
付インサートフィルム1の切断端面7のラインが見えて
しまう。そこで、本発明においては、厚みを得るための
補強シート6を設け、さらにこの補強シート6の色を特
定の範囲とする。これが第二の特徴である。
【0026】補強シート6の色は、CIE1976L
表色系(JIS Z 8729・1980)におい
て下記の範囲内の暗色であり、補強シート6を厚くして
もその切断端面ではほとんどの光が吸収され、成形樹脂
が露出する表面と同様に反射は少ない。つまり、補強シ
ート6の切断端面で反射される光(または色)はほとん
ど目立たせることなく、絵付インサートフィルム1とし
ては射出成形用金型内に挿入する際に充分なハンドリン
グ性を得ることができるのである。 9≦L≦75 −40≦a≦40 −60≦b≦30 (ここで、L(エルスター、エースター、ビ
ースター)はCIE1976L表色系におけ
る表示単位である。色を数値で表わそうとするとき明度
はL、色相と彩度を表わす色度はaという単位
で設定される。aはそれぞれの色の方向を示して
おり、aは赤−緑方向、bは黄−青方向を表わして
いる。各数値は、L=116(Y/Y1/3−16、
=500[(X/X1/3−(Y/
1/3]、b=200[(Y/Y1/
(Z/Z1/3]で定義され、X、Y、Zは人間の
目が物体の色を見て視感の3特性で感じる各々の刺激値
を表わし、X、Y、Zは人間の目が照明光源を見
て視感の3特性で感じる各々の刺激値を表わす。C標準
光の場合、X =98.072、Y=100、Z=118.225で
あり、D65標準光の場合、X=98.072、Y=10
0、Z=118.225をそれぞれ示す。)
【0027】また、ここでいう補強シート6は、その材
料自体が基材に直接接着できる接着フィルムである場合
のほか、表面に接着層を形成した補強シート6も含む。
補強シート6の材質は、アクリル系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエチレン系樹
脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリ
ロニトリルスチレン共重合体系樹脂、アクリロニトリル
ブタジエンスチレン共重合体系樹脂、セルロースアセテ
ート樹脂などを使用するとよい。
【0028】補強シート6は前記したように絵付インサ
ートフィルム1として250μm以上の厚みを確保する
ためのシートであるから、補強シート6の厚みを除く積
層物の総厚を200μm以下とするには、補強シート6
の厚みを50μm以上の厚みとする必要がある。また、
補強シート6の厚みを除く積層物の総厚をより好ましい
範囲である150μm以下とする場合には、補強シート
6の厚みを100μm以上の厚みとする必要がある。た
だし、絵付インサートフィルム1全体として厚みが2m
mを超えると大きな熱源を使用しても予備成形に時間が
かかるため、その範囲におさまるように設定する。
【0029】また、着色中間シート8を設けない場合、
絵柄層等は透明樹脂フィルム2側にではなく補強シート
6の片面に設けることもできる。
【0030】積層方法としては、ドライラミネート法、
押出しラミネート法、プリントラミネート法、熱ラミネ
ート法、ヒートシール法などを用いるとよい。
【0031】以上のような構成の絵付インサートフィル
ム1を用い、絵付インサート成形品を得るには、次のよ
うな方法で行なうとよい。
【0032】まず、絵付インサートフィルム1を、深絞
りのための凹部を有する予備成形型にクランプなどの手
段で固定し、次に、熱源により絵付インサートフィルム
1を加熱軟化させるとともに予備成形型側から真空吸引
して予備成形型の表面に密着させる。次いで真空吸引を
解除し、予備成形型から絵付インサートフィルム1を取
り出す。次いで、絵付インサートフィルムの不要な部分
をトリミングして所望の立体加工された絵付インサート
フィルム1を得る。次いで、立体加工した絵付インサー
トフィルム1を、深絞りのための凹部を有するキャビテ
ィ型に挿入し、キャビティ型に固定する。次に、射出成
形用金型12のキャビティ型とコア型を型締めし、絵付
インサートフィルム1とコア型との間に密閉空間を形成
する。この間に溶融した成形樹脂9を射出し(図3、図
4参照)、冷却を待ってキャビティ型とコア型を型開き
すれば、絵付インサートフィルム1と成形樹脂9が一体
化された絵付インサート成形品を得ることができる。こ
の絵付インサート成形品は、絵付インサートフィルム1
のトリミング後の補強シート6の端面が黒っぽく、その
他の積層物の総厚が200μm以下であるので、絵付イ
ンサートフィルム1のの切断端面7のラインが露出して
いても目立たず、意匠的に好ましいものである。
【0033】また、絵付インサートフィルム1の不要な
部分をトリミングした後あるいは同時に、絵付インサー
トフィルム1を予備成形してもよい。
【0034】絵付インサートフィルム1の不要部分を除
去するトリミング手段としては、金型プレス(図5参
照)、レーザーカット(図6参照)などがある。金型プ
レスによるトリミングは、鋭利な刃10のついた金型の
中に入れてプレス圧によって切り、レーザーカットによ
るトリミングは、レーザー光線11の熱によって素材を
焼き切る。
【0035】
【実施例】実施例1 厚さ50μmのアクリル樹脂フィルムに、下記組成のイ
ンキを用い、2μmの木目導管柄層、3μmの下地層
1、3μmの下地層2、2μmの下地層3をグラビア印
刷で順次形成した。 木目導管柄層 バインダー 熱可塑性アクリル樹脂 80重量% 顔料 カーボンブラック(黒) 20重量% 下地層1 バインダー 熱可塑性アクリル樹脂 60重量% 顔料 ハンザエロー(黄) 40重量% 下地層2 バインダー 熱可塑性アクリル樹脂 60重量% 顔料 弁柄酸化鉄(茶) 15重量% ハンザエロー(黄) 15重量% 下地層3 バインダー 熱可塑性アクリル樹脂 60重量% 顔料 弁柄酸化鉄(茶) 40重量%
【0036】また、カーボンブラック(黒)2重量%、
酸化鉄(茶) 0.4重量%入りのアクリロニトリルブ
タジエンスチレン共重合体樹脂を厚さ200μmに成膜
し、焦げ茶色気味の黒色をした補強シートとした。ここ
で、補強シートは、L=11、a=30、b=2
5であった。
【0037】次いで、絵柄層を印刷したアクリルフィル
ムと補強シートとを絵柄層を内側にして熱ラミネート法
で接着し、厚み260μmの絵付インサートフィルムを
得た。
【0038】このようにして得たロール巻きの絵付イン
サートフィルムを金型プレスにてトリミングし、射出成
形金型内に供給し、金型内で予備成形した。次いで、成
形樹脂温度240〜270℃、金型温度40〜80℃の
条件において、溶融した黒色ポリカーボネート−アクリ
ルニトリルブタジエンスチレン樹脂を成形樹脂として射
出し、絵付インサートフィルムと成形樹脂が一体化され
た絵付インサート成形品を得た。
【0039】このようにして得た木目柄成形品は、薄黄
茶色の木目模様が黒下地成形品の表面に形成され、絵付
インサートフィルムの端面のラインが目立たない意匠性
に優れたものであった。
【0040】実施例2 厚さ50μmのアクリル樹脂フィルムに、下記組成のイ
ンキを用い、2μmの木目導管柄層、5μmの下地層を
グラビア印刷で順次形成した。 木目導管柄層 バインダー 熱可塑性アクリル樹脂 90重量% 顔料 カーボンブラック(黒) 10重量% 下地層 バインダー 熱可塑性アクリル樹脂 70重量% 顔料 カーボンブラック(黒) 2重量% 酸化チタン(白) 25重量%
【0041】また、酸化チタン(白)5重量%、カーボ
ンブラック(黒)0.5重量%入りポリブタジエン樹脂
を厚さ70μmに成膜し、白っぽい灰色をした着色中間
シートとした。
【0042】また、カーボンブラック(黒)2重量%、
ハンザエロー(黄)1重量%入りのアクリロニトリルブ
タジエンスチレン共重合体樹脂を厚さ400μmに成膜
し、薄黄色気味の黒色をした補強シートとした。ここ
で、補強シートは、L=11、a=30、b=2
5であった。
【0043】次いで、ポリウレタン系ドライラミネート
用接着剤を介して、絵柄層を印刷したアクリルフィルム
と着色中間シートと補強シートとをドライラミネート法
で接着し、厚さ527μmの絵付インサートフィルムを
得た。
【0044】このようにして得たロール巻きの絵付イン
サートフィルムをカットして枚葉にした後、予備成形型
で予備成形し、金型プレスにてトリミングした。次い
で、トリミングした絵付インサートフィルムを射出成形
用金型内に挿入し、成形樹脂温度240〜260℃、金
型温度40〜60℃の条件において、溶融した黒色耐熱
性アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂を成形樹脂
として射出し、絵付インサートフィルムと成形樹脂が一
体化された絵付インサート成形品を得た。
【0045】このようにして得た木目柄成形品は、白っ
ぽい灰色の上に黒の導管を有する斬新な木目模様が黒下
地成形品の表面に形成され、絵付インサートフィルムの
端面のラインが目立たない意匠性に優れたものであっ
た。
【0046】
【発明の効果】本発明の絵付インサートフィルムは、以
上のような構成および作用からなるので、次の効果が奏
される。
【0047】すなわち、本発明は、透明樹脂フィルムと
補強シートとの間に少なくとも絵柄層が形成された厚み
250μm以上の絵付インサートフィルムであって、前
記補強シートの厚みを除く積層物の総厚が200μm以
下であり、かつ前記補強シートの色がCIE1976L
表色系(JIS Z 8729・1980)にお
いて9≦L≦75,−40≦a≦40,−60≦b
≦30の範囲内の暗色である。このような構成にある
絵付インサートフィルムは、トリミング後の補強シート
の端面が黒っぽく、その他の積層物の総厚が200μm
以下であるので、その切断端面のラインが見えにくい。
そして、このような絵付インサートフィルムを用いて成
形同時絵付けした後の最終製品でも、その端面のライン
が目立たず、意匠的に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絵付インサートフィルムの一実施
例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る絵付インサートフィルムの一実施
例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るトリミングされた絵付インサート
フィルムを用いた絵付インサート成形品の製造方法の一
実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係るトリミングされた絵付インサート
フィルムを用いた絵付インサート成形品の製造方法の一
実施例を示す断面図である。
【図5】絵付インサートフィルムのトリミング例を示す
断面図である。
【図6】絵付インサートフィルムのトリミング例を示す
断面図である。
【図7】絵付インサート成形品の例を示す斜視図であ
る。
【図8】従来技術に係るトリミングされた絵付インサー
トフィルムを用いた絵付インサート成形品の製造方法の
一実施例を示す断面図である。
【図9】従来技術に係るトリミングされた絵付インサー
トフィルムを用いた絵付インサート成形品の製造方法の
一実施例を示す断面図である。
【図10】従来技術に係るトリミングされた絵付インサ
ートフィルムを用いた絵付インサート成形品の製造方法
の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 絵付インサートフィルム 2 透明樹脂フィルム 3 絵柄層 4 木目導管柄層 5 下地層 6 補強シート 7 切断端面 8 着色中間シート 9 成形樹脂 10 刃 11 レーザー光線 12 射出成形用金型 13 成形樹脂の圧力 14 樹脂成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA23 AA37 AK01A AK25 AK74 AT00C BA03 BA04 BA10A BA10C BA25 CA13C EC182 EH112 EH312 EH362 EJ301 GB33 HB00B HB01 HB31 JL10C JL10D JN01A YY00 YY00B YY00D 4F206 AC03 AD05 AF08 AF10 AG03 AR12 JA03 JB12 JB19 JB24 JE16 JF01 JF05 JN11 JN32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂フィルムと補強シートとの間に
    少なくとも絵柄層が形成された厚み250μm以上の絵
    付インサートフィルムであって、前記補強シートの厚み
    を除く積層物の総厚が200μm以下であり、かつ前記
    補強シートの色がCIE1976L表色系
    (JIS Z 8729・1980)において下記の範囲内
    の暗色であることを特徴とする絵付インサートフィルム 9≦L≦75 −40≦a≦40 −60≦b≦30
  2. 【請求項2】 補強シートの厚みを除く積層物の総厚が
    150μm以下である請求項1記載の絵付インサートフ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 絵柄層の厚みが2μm〜100μmであ
    る請求項1または請求項2のいずれかに記載の絵付イン
    サートフィルム。
  4. 【請求項4】 補強シートと絵柄層との間に着色中間シ
    ートを設置した請求項1〜3のいずれかに記載の絵付イ
    ンサートフィルム。
  5. 【請求項5】 着色中間シートの厚みが10μm〜98
    μmである請求項4記載の絵付インサートフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の絵付インサートフィルム
    の不要部分をトリミングし、次いで射出成形用金型内に
    挿入し、型締めして溶融した成形樹脂を射出して絵付イ
    ンサートフィルムと一体化することを特徴とする絵付イ
    ンサート成形品の製造方法。
JP24453799A 1998-11-05 1999-08-31 絵付インサートフィルムと絵付インサート成形品の製造方法 Pending JP2001062957A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24453799A JP2001062957A (ja) 1999-08-31 1999-08-31 絵付インサートフィルムと絵付インサート成形品の製造方法
CA002317615A CA2317615C (en) 1998-11-05 1999-11-04 Sheet for foil decorating and foil-decorated article using the same
EP99954366A EP1053850B1 (en) 1998-11-05 1999-11-04 Sheet for foil decorating, method of manufacturing it and foil-decorated article using the same
DE69918673T DE69918673T2 (de) 1998-11-05 1999-11-04 Lage zur foliendekoration, verfahren zu ihrer herstellung und foliendekorierter gegenstand
PCT/JP1999/006131 WO2000027608A1 (fr) 1998-11-05 1999-11-04 Feuille pour decoration de tole et article a tole decoree utilisant cette feuille

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24453799A JP2001062957A (ja) 1999-08-31 1999-08-31 絵付インサートフィルムと絵付インサート成形品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001062957A true JP2001062957A (ja) 2001-03-13

Family

ID=17120180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24453799A Pending JP2001062957A (ja) 1998-11-05 1999-08-31 絵付インサートフィルムと絵付インサート成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001062957A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002292798A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Nissha Printing Co Ltd 漆黒感を有する加飾用フィルムとこれを用いた漆黒感を有する加飾成形品の製造方法
JP2005501161A (ja) * 2001-08-27 2005-01-13 レーム ゲゼルシャフト ミツト ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト インサート成形品の内面をスクリーン印刷するための着色ペイント
JP2006240033A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Nissha Printing Co Ltd 加飾シートおよび成形同時加飾成形品の製造方法
IT201700093249A1 (it) * 2017-08-11 2019-02-11 Tapematic Spa Metodo per la decorazione superficiale di articoli e articolo ottenibile mediante detto metodo
JP2019209548A (ja) * 2018-06-01 2019-12-12 大日本印刷株式会社 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002292798A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Nissha Printing Co Ltd 漆黒感を有する加飾用フィルムとこれを用いた漆黒感を有する加飾成形品の製造方法
JP2005501161A (ja) * 2001-08-27 2005-01-13 レーム ゲゼルシャフト ミツト ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト インサート成形品の内面をスクリーン印刷するための着色ペイント
JP2006240033A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Nissha Printing Co Ltd 加飾シートおよび成形同時加飾成形品の製造方法
IT201700093249A1 (it) * 2017-08-11 2019-02-11 Tapematic Spa Metodo per la decorazione superficiale di articoli e articolo ottenibile mediante detto metodo
EP3441232A1 (en) * 2017-08-11 2019-02-13 TAPEMATIC S.p.A. A method for the surface decoration of articles and an article obtainable by said method
US10889885B2 (en) 2017-08-11 2021-01-12 Tapematic S.P.A. Method for surface decoration of articles
JP2019209548A (ja) * 2018-06-01 2019-12-12 大日本印刷株式会社 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体
JP7151182B2 (ja) 2018-06-01 2022-10-12 大日本印刷株式会社 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI386298B (zh) 加飾成型物及其製造方法
US6875301B2 (en) Method for manufacturing an injection moulded product
EP2623319B1 (en) Use of a decorating sheet and of a decorated moulding resin, as well as their methods of production
EP1308259B1 (en) Method of manufacturing multiple levels of automobile trim
CA3002691C (en) Edge profile for a sheet-like material, and sheet-like material
CN101850591A (zh) 模内装饰成型方法及模制品
EP0933183B1 (en) Sheet for molded-in foil decoration and method of producing molded resin having molded-in foil decoration by using the sheet
JPH09300397A (ja) アクリルインサートフィルムと木目柄成形品の製造方法
JP2002292798A (ja) 漆黒感を有する加飾用フィルムとこれを用いた漆黒感を有する加飾成形品の製造方法
JP2001062957A (ja) 絵付インサートフィルムと絵付インサート成形品の製造方法
JPH10180795A (ja) 金属薄膜インサートフィルム成形品の製造方法
JPH11320608A (ja) 成形同時絵付用シートとこれを用いた成形同時絵付樹脂成形品の製造方法
JP3554625B2 (ja) 木目柄化粧シートおよびこれを用いた木目柄付き成形品の製造方法
JPH1191041A (ja) 絵付インサートフィルムおよび絵付インサート成形品の製造方法
JP2001030286A (ja) インサート成形品およびその製造方法
JP2000141549A (ja) 加飾シート及び加飾成形品
JP4478541B2 (ja) 裏面側から照光可能な成形同時加飾成形品の製造方法
US5496587A (en) Method for printing a metallic appearance on moldable sheet plastic
JPH07265498A (ja) 遊技台の装飾部構造
CN218998567U (zh) 具有立体隆起效果的铝片及含有其的电器
JP7329787B2 (ja) 装飾板及びそれからなる自動車用内装部品
JP7259244B2 (ja) 積層体及び加飾物品
JPH01237134A (ja) 絵付け成形用シート
JP4982584B2 (ja) 廃材樹脂のリサイクル方法、及び樹脂積層材の成形方法
CA2535166C (en) Method of manufacturing multiple levels of automobile trim

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020813