JP3465088B2 - 木目調化粧シート - Google Patents

木目調化粧シート

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JP3465088B2
JP3465088B2 JP20420394A JP20420394A JP3465088B2 JP 3465088 B2 JP3465088 B2 JP 3465088B2 JP 20420394 A JP20420394 A JP 20420394A JP 20420394 A JP20420394 A JP 20420394A JP 3465088 B2 JP3465088 B2 JP 3465088B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然木の有する自然な
照りや光沢のある外観が得られる木目調化粧シートに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、天然木の有する固有のパター
ン状光沢、すなわち照り外観をリアルに再現するため
に、木目柄層、光輝性層及び微細な曲線状の平行線条群
のパターンからなるエンボス凹凸模様を組合わせた木目
調化粧シートが、例えば、特開平3−8477号公報、
特開平4−64443号公報にて提案されている。更
に、いかなる木目柄にも同調して照りが現出するように
した木目調化粧シートが特開平6−32045号公報に
て提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−8477号公報、特開平4−64443号公報にて
提案されているものは、化粧シート全面に光輝性層及び
曲線状条溝群を有するため、これによって得られる照り
は確かにパターン状にはなるものの、全面に分布した単
調な平行縞状となって現出し、柾目のような木目パター
ンにはよいが、板目、根瘤杢のような場合には不自然な
照り外観となるという問題があった。この問題点を改善
すべく、特開平6−32045号公報にて提案されてい
る化粧シートにおいては、光輝性を有する部分を木目柄
に同調させてパターン化することにより、いかなる木目
の場合でも照りの不自然さが解消され、天然木の照りに
かなり近いものが得られる。しかし、照り部分の輪郭す
なわち光輝性パターンの輪郭がシャープで、光輝性層の
領域から非光輝性層の領域への反射濃度の変化が不連続
であるため、視角によって照り部分の光沢が急に変化す
る不自然さが残るという問題がある。本発明は上記の点
に鑑みてなされたもので、いかなる木目模様の場合で
も、天然木が有する自然な照り外観がリアルに再現され
た木目調化粧シートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記問題を解決するため
になされた本発明は次の点を要旨とする。 (1)少なくとも表面より順に透明樹脂層、木目柄層、
透明接着剤層、光輝性層、着色基材層からなり、前記透
明接着剤層と光輝性層の対向する界面が曲線形状の平行
条群模様の凹凸形状に加工されている積層材において、
該光輝性層の光輝性パターンがその輪郭部にて連続的階
調をもって形成されていること。 (2)少なくとも表面より順に透明樹脂層、木目柄層、
光輝性層、着色基材層からなり、前記木目柄層と光輝性
層の対向する界面に曲線形状の平行条群模様の凹凸形状
に加工されている積層材において、該光輝性層の光輝性
パターンがその輪郭部にて連続的階調をもって形成され
ていること。 (3)前記光輝性パターンが、連続階調を有する光輝性
インキ層により形成されていること。 (4)前記光輝性パターンが、ベタ状の光輝性層と連続
階調を有する木目柄層との組合わせで形成されているこ
と。 (5)前記光輝性パターンが、ベタ状の光輝性層と連続
階調を有する隠蔽層との組合わせで形成されているこ
と。
【0005】
【作用】本発明によれば、天然木が有する木目柄に同調
する照り部を抽出した光輝性パターンの輪郭に連続階調
を現出させることにより、自然な照りがえられる。
【0006】
【実施例】以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は本発明による木目調化粧シートの基本層構成を示
す模式図である。本発明による木目調化粧シートには図
1(a)で示すAタイプと図1(b)で示すBタイプの
2種の基本的木目調化粧シート10があり、いずれを採
用してもよい。AタイプとBタイプの違いは、木目柄層
3と透明接着層4の積層順序が入れ替わっており、木目
柄層3が単独で他のパターン層と遊離しているかどうか
の違いであって、他の条件は同一である。図1(a)で
示すAタイプの基本構成は、先ず、着色基材層1の上に
光輝性層2(ベタとパターンの場合がある)、木目柄層
3を設けた面に透明樹脂シート5を透明接着剤4で貼り
合わせてなるものであって、光輝性層2と透明接着層4
の界面には特定の平行線群パターンを有する凹凸面8が
形成されている。図1(b)で示すBタイプの基本構成
では、前記木目柄層3が透明樹脂シート5側に形成され
ている。以上の基本的積層体10はさらに図1(c)、
(d)で示すように、透明樹脂シート5の表面にトップ
加工が行われて、光沢インキベタ層6、艶消し導管模様
層7が形成された木目調化粧シート11としてもよい。
また、図2に本発明による木目調化粧シートの別の実施
態様の基本的層構成Cを示す。これは、先ず表面側に透
明樹脂シート5があり、その裏面に木目柄層3、次いで
光輝性層2、着色基材層1が積層されてなり、着色基材
層1の裏面から後述する凹凸模様をエンボス形成してな
るものである。この構成は製造法の違いから生まれる。
すなわち、図1に示す層構成は、透明接着剤を用いたラ
ミネーションによるものであるが、この製造法はダブリ
ングを採用し、加熱圧着によって透明樹脂シート5と着
色基材層1を積層し、同時に表面或いは裏面から平行線
群からなるエンボスを施している。
【0007】本発明による木目調化粧シートでは、照り
が木目柄に同調して光源光の入射角及び視角によって移
動し、しかもその照り部周辺が天然木と同じように緩や
かに変化するようにするため、照り部分すなわち光輝性
パターンの周辺に光輝性の連続階調を持たせることが本
発明のポイントである。光輝性は目視によっても充分評
価しうるが、客観的指標としては、反射濃度、反射率、
光沢度等によって評価される。光輝性の連続階調をもた
せる手段は図3(a)〜(c)と図4(a)〜(c)に
示すような、3種の方法からなり、両図において、
(a)、(b)、(c)はそれぞれ対応している。図3
はそれぞれの手段によって設けられた前記の木目柄層
3、光輝性パターン層2、凹凸面8とそれに加えて新た
に付け加えられた隠蔽性パターン層9の層構成を示して
おり、図4では、以上の各層の厚みを拡大し、各層が有
する連続階調部分を各層の傾斜部分で示し、また相互の
位置関係を示している。組み合わされる各パターン層は
実際には微細な凹凸状に形成されるが、判り易くするた
めに図4では凹凸形状は省略して描かれている。第1手
段は図3(a)に示すように、光輝性層3はパターン化
されていて、光輝性インキだけで光輝性に連続階調を形
成する方法である。この連続階調は光輝性パターンの中
心部から周辺部に行くにつれて光輝性が0に漸近するよ
うに形成される。パターン化された光輝性層2は木目柄
層3と同調した位置に形成される。図3(a)、図4
(a)ではパターン化された光輝性層2と木目柄層3は
隣接した位置関係にあるが木目柄の種類によっては必ず
しも接近させるとは限らない。木目パターンMと光輝性
パターンGは図4(a)で示すようにパターン周辺部に
それぞれ傾斜線で示す連続階調部を有し、互いの連続階
調部がクロスしている。第2手段では、図3(b)に示
すように、光輝性層2はベタ状であって、この上に遮蔽
性のある木目柄インキを用いて連続階調を有する木目柄
を印刷し、木目柄層3が形成されている。木目柄のシャ
ドウ部は光輝性層2を遮蔽するが、ハイライト部は透視
性を持っている。従って、木目柄のない部分と木目柄の
ハイライト部分がネガーポジの関係で光輝性パターンを
形成し、光輝性パターンとその連続階調効果は木目柄パ
ターンとそれが有する連続階調に応じて生まれる。以上
の結果得られる連続階調のある光輝性パターンは図4
(b)におけるGによって示されている。第3手段で
は、図3(c)に示すように、光輝性層2はベタ状でそ
の上に連続階調のある隠蔽性パターン層9が設けられ、
さらにその上に木目柄層3が設けられている。隠蔽性パ
ターン層9はベタ状の光輝性層2を部分的に隠蔽する機
能を有するものとして本発明において新たに加えられた
ものである。この隠蔽性パターン層9の隠蔽力は強く、
光輝性層2あるいは着色基材層1から反射してくる光を
遮る効果があり、隠蔽性パターン層9のない部分が光輝
性を示す。従って隠蔽性パターン層に連続階調を持たせ
ておけば、光輝性パターンにも連続階調を持たせること
ができる。図4(c)は上記3者の相関位置関係をさら
に詳しく示している。なお、隠蔽性パターン層4には酸
化チタン、カーボンブラック、弁柄等のような隠蔽力の
ある顔料を主体とし、これに下地の着色基材シートに類
似の色相に着色を行って、光輝性層を透過してくる着色
基材シートの色と調和を図るようにしている。例えば、
着色基材が茶褐色であれば、隠蔽性パターン層も茶褐色
あるいはこれに近似な色相にする。以上の3手段の中
で、手段1、3は光輝性パターンと木目柄パターンの同
調位置を自由に制御できるが、手段2では前述のように
ネガ/ポジの関係で決まってしまう。木目柄的観点から
比較すると手段3は着色隠蔽性パターンと木目柄パター
ンを2色刷りするので、より複雑な柄の再現が可能とな
る。
【0008】図5は本発明による木目調化粧シートの平
面図の一部とその横断線に沿った木目柄パターンMと光
輝性パターンGの光反射率分布を示したものである。両
者とも周辺部には連続階調を有し、木目パターンの連続
階調は斜線でしめされている。図5(a)は第1、第3
手段によって製造されたもので、木目柄パターンMと光
輝性パターンGは同調している。即ちこの両者の同調位
置関係は第1手段においては、木目柄パターンMと光輝
性パターンGの相対的位置関係を、第3手段においては
木目柄パターンMと隠蔽性パターン(図5では表示せ
ず)の相対的位置関係を製版段階で制御することによっ
て得られる。図5(a)の右のグラフは図5(a)A−
A’横断線に沿った木目柄パターンMと光輝性パターン
Gの光反射率分布を示したもので、実線は木目柄インキ
の光反射率分布、点線は光輝性顔料インキの光反射率分
布をそれぞれ示し、特に光輝性顔料インキの光反射率分
布は光輝性パターンGの周辺において、連続階調をもっ
て変化している。図5(b)は第2手段によって製造さ
れた場合であって、木目柄パターンMと光輝性パターン
Gはいづれも互いの境界において連続階調を示してい
て、階調の度合いは木目柄パターンMの連続階調の持た
せ方次第で決まる。右のグラフは同じく両パターンのA
−A’断面の光反射率分布を示したものであり、両パタ
ーンM、Gの連続階調が同期するのがこの場合の特徴で
ある。
【0009】光輝性のあるベタ層あるいは光輝性パター
ン層を形成するには、公知のビヒクルに光輝性顔料を含
有させたインキが用いられ、光輝性顔料としては、銅
粉、アルミニュウム粉、真鍮粉等の金属粉や金属箔片や
金属蒸着合成樹脂フィルムの断裁片等の金属光沢を有す
る顔料、二酸化チタン被服雲母等の雲母顔料、魚鱗箔、
酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が
使用できる。中でも、耐酸性、耐アルカリ性等の化学的
安定性から雲母顔料の使用が好ましい。光輝性のある層
あるいは光輝性の連続階調を有する光輝性パターンの形
成にあたっては、光輝性インキを用いてグラビア印刷、
フレキソ印刷、シルククリーン印刷で印刷する。印刷に
使用する版としては、天然木板を写真撮影する時の光源
の角度や強さの調節を行ったり、撮影されたフィルム上
で画像を修正したりして製版されたものが用いられる。
光輝性パターン部の厚みは1〜10μm程度が好まし
い。なお、光輝性層を隠蔽する隠蔽層を形成するには、
特にグラビア印刷法が連続階調を再現するのに好適であ
り、また公知のビヒクルに隠蔽性の強い二酸化チタンを
顔料としたグラビアインキが好適に使用される。
【0010】木目柄パターン層3はビヒクルに着色剤、
可塑剤等を添加したインキまたは塗料を用いて形成され
る。このビヒクルとしては、ニトロセルローズ、アセチ
ルセルローズ、エチルセルローズ、ベンジルセルローズ
等のセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニ
ル酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂等のポリ塩化ビ
ニル系樹脂、アミノアルキッド樹脂、アクリル樹脂、ブ
チラール樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、フタル
酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂、ポリビ
ニルアルコール、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂その
他の合成樹脂、あるいは塩化ゴム、環化ゴム、合成ゴム
等のゴム誘導体を使用することができる。また、紫外線
効果剤を添加して紫外線硬化型とした樹脂も用いること
ができる。 木目柄パターンの印刷法として、グラビア
印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等が用いら
れる。
【0011】エンボス凹凸模様は木目調化粧シートに照
り外観を現出させる一つの要素となるもので、特に見る
角度、或いは光源からの光の入射角度によって光沢を有
する部分が移動して見られる役割を果たすものである。
すなわち、エンボス凹凸模様は、図6に示すように平面
パターンが、平行曲線群12のパターン(同図(a)、
(c)及び(d)または平行曲線12と平行直線群13
を適宜組み合わせてなる線群のパターン(同図(b))
若しくは、波状曲線を多数平行に並べた曲線群(同図
(e))からなるもの等である。上記波状曲線は正弦波
曲線、サイクロイド曲線、ベッセル関数曲線、円弧の曲
線単位を連結したものを複数本互いに平行移動して配列
したものが代表例である。しかもその線群のパターン
は、いずれも断面形状が図6に示すように凸部14の幅
D1と凹部15の幅D2が1〜1000μmである凹凸
状をなすものである。図6(d)に図示の線群パターン
は輪郭線にて囲まれた各領域内にそれぞれの平行曲線群
を有する線群の集合体であり且つ該輪郭線及び平行曲線
群の形状又は線方向が各輪郭線領域毎に異なるよう構成
されたパターン例である。特に同図(c)及び(d)例
示の如き構成からなる線群パターンによれば、照り部分
が塊状或いは渦巻状になって分散して現出する、所謂杢
(もく)調の如き照り外観が得られる。また、図6の
(a),(e)の如き波型の曲線群のエンボス凹凸の場
合、曲線の走行する方向(X軸方向)と直交する方向
(Y軸方向)に照りのある領域のパターンが現出する。
よってラワン材のように光沢パターンが木目模様の走行
方向と平行な木材を再現する時は、木目模様の走行方向
と曲線の走行方向(図6のX軸方向)とを直交させる。
また、樺、楓、鬼胡桃、栃、メイプル等のように照りが
木目模様の走行方向と直交する木材を再現するには、木
目模様の走行方向と曲線の走行方向とを平行にする。
【0012】図7はエンボス型の断面をしめす。明瞭で
リアル感のある照りを現出し易くするためには上記のエ
ンボス模様の凸部及び凹部の幅D1,D2は5〜100
μの範囲にあることが好ましい。また凹部の深さは通常
1〜100μm程度であり、好ましくは5〜25μmで
ある。さらに凹部の深さは単一なものでなく、区画した
各領域毎に深さを適宜配分して規則的(段階的)に異な
らしめることにより、該領域によって照り感が微妙に変
化する照り外観を現出させることができる。エンボス凹
凸模様は従来公知のエンボス加工方法により形成され
る。具体的には、例えば、フォトエッチング法によって
形成されたエンボス版を使用し、表面に木目柄層、光輝
性層、あるいは隠蔽層をもうけた基材シートに加熱、加
圧して押し当てることによって、基材シート表面に凹凸
模様を形成することができる。
【0013】着色基材シート1としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリビニルブチラール、
ポリフッ化ビニリデン等のビニル重合体、ポリスチレ
ン、アクリルスチレン、ABS等のスチレン系樹脂、ポ
リメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリ
ロニトリル等のアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹
脂、酢酸セルローズ、ニトロセルローズ等のセルローズ
誘導体、ナイロン6、ナイロン66、等のポリアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート−イソフタレート共重合体、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリアリレート等のポリエステル樹脂、ブ
タジエン、クロロプレンゴム等のゴム系樹脂、ビニロ
ン、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系
樹脂、ポリカーボネート等が使用される。基材シートの
厚さは20〜200μm程度であるが、好ましくは50
〜100μmである。一般に基材シートは、着色が施さ
れている。この着色によって、木目調化粧シート全体の
色調の調整ができる他、木目調化粧シートを他の基材に
貼り合わせて使用する場合に基材の色、汚れ、傷等を隠
蔽することができる。
【0014】透明樹脂シート5、光沢性インキ層6は木
目柄の見え方に深みと立体感を与えるために設けられ
る。透明樹脂シート5としては、前記着色基材シートと
同じ樹脂系から選択する。その厚みは20〜200μm
程度、好ましくは50〜100μm程度である。光沢性
インキベタ層を構成するインキとしては、ポリウレタ
ン、エポキシ、ポリエステル、アミノアルキッド等の熱
硬化性樹脂、又はウレタンアクリレート、ポリエステル
アクリレート等の電子放射線硬化性樹脂をビヒクルとし
たインキまたは塗料が好ましい。この光沢性インキ層6
はグラビアコーター、ロールコータ等の方法で形成され
る。塗工形成後の光沢性インキベタ層の光沢度は艶消し
導管模様層に対して目視で明瞭に光沢が判別できる程度
であればよい。光沢インキのビヒクルには、艶調整のた
め、必要に応じて、粒径が0.1〜10μm程度の炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、ガラス
バルーン、ポリエチレン等の微粉末等の艶消剤を艶消し
インキよりも高光沢が維持される範囲内で添加すること
ができる。
【0015】艶消し導管模様層7を構成する艶消しイン
キは、例えば、光沢性インキと同様のビヒクルに艶消し
剤を添加したものを使用することができる。艶消し剤と
しては例えば、粒径が0.1〜10μm程度の炭酸カル
シウム、沈降性炭酸バリウム、シリカ、タルク、クレ
イ、ガラスバルーン等の粉末が挙げられる。艶消し剤の
好ましい添加量はインキ100重量部当たり1〜20重
量部程度である。艶消し導管模様層はグラビア印刷法等
で形成される。上記光沢インキベタ層による光沢(艶)
と艶消し導管模様層7の艶消しインキとの組合わせによ
って見かけ上、導管模様が窪んで見える所謂グロスマッ
ト効果が得られ、天然木に極めて似た繊維状微細凹凸表
面を再現した自然な木目感が得られる。この効果を確実
に得るため、光沢性インキベタ層と導管模様層の表面光
沢度は5〜90程度相違するように構成することが望ま
しい。
【0016】透明接着層4は公知のドライラミネート法
に適用される透明な接着剤にて構成されるもので、透明
接着剤を凹凸模様を形成した後の樹脂基材シート1側か
或いは透明樹脂シート5側に塗布して、乾燥させた後、
両シートを重ね合わせて圧着し積層一体化させるもので
ある。接着剤としては公知の接着剤を用いることがで
き、例えば酢ビ系等のエマルジョン型、或いはアクリル
系、ウレタン系、ポリエステル系等の樹脂からなる熱硬
化型または紫外線硬化型等の接着剤が使用できる。ドラ
イラミネート法にて、上記両シートの積層一体化を図っ
た場合、エンボス加工による凹凸模様が消失することは
ない。
【0017】本発明による木目調化粧シートの製造法で
あるが、Aタイプの場合は、着色基材シート1に光輝性
層2、隠蔽性パターン層4、木目柄パターン層3を加工
してからエンボス加工を行うか、あるいは先にエンボス
をおこなった着色基材層1のエンボス加工面に対し前記
各層を加工してもよい。木目柄に深みをあたえ、導管模
様を必要とする場合は、さらにあらかじめ光沢性インキ
層6と艶消し導管模様層7の加工された透明樹脂シート
5が透明接着剤4を用いてドライラミネートされる。ま
た、タイプBの場合は、透明樹脂シート側に木目柄パタ
ーンを印刷しておいてドライラミネートする。タイプB
のほうがタイプAより深みのある木目調化粧シートが得
られる。しかし木目柄パターンと光輝性パターンあるい
は隠蔽性パターンとの同調性が重要視される場合にはタ
イプAのほうが優る。
【0018】本発明による木目調化粧シートは、着色基
材シート側を合板等に貼着させて美麗な化粧合板を得る
ことができる。木目調化粧シートを貼着させる基材とし
ては通常、化粧材の基材として使用されるものであれば
如何なるものであってもよく、具体的には、薄用紙、晒
クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード
紙等の紙類、木、合板、パーチクルボード等の木質基
材、石膏ボード、石膏スラグボード等の石膏系基材、鉄
板、亜鉛メッキ鋼板、銅板、アルミニウム板等の金属
板、または、角形状の成形体等が挙げられる。
【0019】次に、具体的実施例を挙げて更に詳細に説
明する。実施例1 先ず、第1手段に対応する場合であるが、厚さ0.06
mm、可塑剤23phrの着色塩化ビニルシート(理研
ビニル製)の表面に、パール調インキ「化XGSパー
ル」(昭和インク製)を用いて欅板木目の照り部分を抽
出して製版したシャドウ部の版深が60μmでパターン
輪郭部に照りパターンの中心から周辺部へ行くに従っ
て、版深が浅くなり0μmに漸近するような連続階調を
持たせた版でグラビア印刷して光輝性パターンを形成
し、さらにこの上に印刷インキ「化X」(昭和インク
製)で、光輝性パターンに同調した欅板目板の年輪模様
を抽出した木目柄パターンをグラビア印刷した。得られ
た印刷シートの印刷面から正弦波からなる平行曲線群万
線条溝を有するエンボスロールを用い、加熱ドラム温度
150℃、エンボスロール温度60℃、シート送り速度
10m/minの条件でエンボス加工を施し、凹凸模様
を形成した。この凹凸模様の形成には、シートの送り方
向をy軸、その幅方向をx軸としたとき、 y=4sin(0,6x) (単位はmm) の関係式で表される曲線を基本曲線とし、これをy軸方
向に30μm間隔で複数平行させて配列してなり、且つ
凸部及び凹部の幅が共に30μmの線群パターンからな
る微細凹凸模様が形成された版深10μmのエンボスロ
ールを使用した。上記の用にして得られた凹凸面に厚さ
0.1mm,可塑剤23phrの透明塩化ビニルシート
(理研ビニル製)を透明な2液型ウレタン系接着材を用
いて、その厚みが10μmになるようにドライラミネー
トし、図1(a)で示す構成の木目調化粧シート10を
得た。得られた木目調化粧シートは、天然木の有する木
目模様に沿った部分的な照りが、視角によって移動して
見られ、しかも照り部分のトーンが自然な柔らかさを有
し優れた外観意匠を有するものであった。
【0020】実施例2 第2手段に対応する場合であるが、版深60μmのベタ
版を用いて光輝性層を設け、その上に部分的に遮蔽性と
ハイライト部において透視性のある連続階調のぶな柄の
パターンをグラビア印刷した。それ以外の製造条件は実
施例1と全く同一である。得られた木目調化粧シート1
0は、木目柄パターン以外の部分において照り外観があ
り、しかもその木目柄パターンと交わる部分において自
然で柔らかに変化する照り外観を示した。
【0021】実施例3 第3手段に対応する場合であるが、版深60μmのベタ
版を用いて光輝性層を設け、その上に、天然木の照りの
無い部分に相当する隠蔽パターンを有する照りのない領
域に相当する部分の版深が45μmで照り部分に向かっ
て版深が0μmに漸近するグラビア版を使用し、「化X
白」(昭和インキ製)100重量部、「化X黄」(昭和
インキ製)0.3重量部、「化X赤」(昭和インキ製)
0.1重量部からなる着色隠蔽性インキでグラビア印刷
を行った。その上に透視性のある「化X」を用いて隠蔽
パターンを覆うように木目柄パターンをグラビア印刷し
た。得られた木目調化粧シートは自然で柔らかに変化す
る照り外観を示した。
【0022】
【発明の効果】木目柄パターンに同調して設けられた照
り部分を表現する光輝性パターンの周辺に光輝性の連続
階調を光輝性パターン層単独で、光輝性層と木目柄パタ
ーン層で、あるいは光輝性層と隠蔽性パターン層で形成
することにより、天然木が示す視角によって移動する照
りが、周辺部に自然な柔らかな階調変化をもって、リア
ルに再現された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による木目調化粧シートの基本的層構成
【図2】本発明による木目調化粧シートの別の態様にお
ける基本的層構成図
【図3】連続階調を有する光輝性パターン形成の手段説
明図
【図4】各種パターン層の位置相関図
【図5】本発明による木目調化粧シートの平面図と横断
線に沿った反射濃度分布
【図6】エンボス模様説明図(平面図)
【図7】エンボス型断面図
【符号の説明】
1 着色基材層 2 光輝性層 3 木目柄層 4 透明接着剤層 5 透明樹脂シート 6 光沢インキ層 7 艶消導管インキ層 8 凹凸面 9 隠蔽性パターン層 10 木目調化粧シート基本層構成図 11 木目調化粧シート基本層構成図 12 平行曲線群模様 13 平行直線群模様 14 エンボス型凸部 15 エンボス型凹部 D1 エンボス型凸部ピッチ D2 エンボス型凹部ピッチ G 光輝性パターン M 木目柄パターン R 反射率
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 3/06 B32B 27/00 B32B 33/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面より順に透明樹脂層、木
    目柄層、透明接着剤層、光輝性層、着色基材層からな
    り、前記透明接着剤層と光輝性層の対向する界面が曲線
    形状の平行条群模様の凹凸形状に加工されている積層材
    において、該光輝性層の光輝性パターンがその輪郭部に
    連続的階調をもって形成されていることを特徴とする
    木目調化粧シート。
  2. 【請求項2】 少なくとも表面より順に透明樹脂層、木
    目柄層、光輝性層、着色基材層からなり、前記木目柄層
    と光輝性層の対向する界面に曲線形状の平行条群模様の
    凹凸形状に加工されている積層材において、該光輝性層
    の光輝性パターンがその輪郭部にて連続的階調をもって
    形成されていることを特徴とする木目調化粧シート。
  3. 【請求項3】 前記光輝性パターンが、連続階調を有す
    る光輝性インキ層により形成されていることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の木目調化粧シート。
  4. 【請求項4】 前記光輝性パターンが、ベタ状の光輝性
    層と連続階調を有する木目柄層との組合わせで形成され
    ていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の木
    目調化粧シート。
  5. 【請求項5】 前記光輝性パターンが、ベタ状の光輝性
    層と連続階調を有する隠蔽層との組合わせで形成されて
    いることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の木目
    調化粧シート。
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