JP2983250B2 - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP2983250B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は木材等の天然素材の表面外観に酷似した化粧
外観が得られる化粧シートに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
建材、家具等の分野で使用されている化粧シートにお
いては、木材等の天然素材の表面外観と類似した化粧外
観を現出させる開発研究が多くなされている。その中で
も木目の木質感等を精巧に現出させる目的から、木目模
様の印刷を施す他に実際の木目等において観察される
“照り”を同様に現出させるよう工夫したものがある。
その具体例としては、一般のシート基材にパール顔料
等の光輝性顔料を含有させたインキにて木目模様等の印
刷を施した化粧シートや、シート基材として光輝性のあ
るものを使用し、その表面に通常の印刷用インキにて木
目模様等の印刷を施した化粧シート等が知られている。
しかし、これらの化粧シートは現出する照りが例えば印
刷パターン形状に沿って一定して見えるという極めて単
調なものに過ぎなかった。また上記照りは例えば天然素
材の照りの如く、見る角度を変えることによって照りの
位置も移動して見えるという性質のものではなく、リア
ル感に乏しいものであった。
この他にもシート基材に加熱エンボス法にえ、凹凸形
状の深さ及び幅が5〜10μmの艶消調の絞部分と該深さ
及び幅が1μm以下の光沢調の紋部分等からなる凹凸模
様を設け、艶差のある外観が得られるよう構成したエン
ボス化粧シートも知られている。しかしながらこの種シ
ート状物の場合も、得られる照り外観は単一的であり、
視点の方向変化による照りの移動のないものであった。
またシート基材が熱可塑性の材質のものであってエンボ
ス加工時に数μm〜数十μmのシボもどりが発生するた
め徴細な凹凸模様を賦型することが困難であり、その結
果、照り具合が微妙に異なるような所望通りの照り外観
等を現出させることができなかった。更によりリアル感
のある照り外観が得られるようにするため、凹凸模様を
シート基材の両面に賦型することも提案されているが、
この場合はエンボス加工時に際して基材にシワ等が入り
易く生産性が悪くなり、しかも表裏両面へ2工程で加熱
エンボス加工を施すことは基材の材質から考えても困難
であり、結局所望通りの凹凸形状を両面へ同等に共に賦
型することは不可能に近く、良好な照り外観を得るには
至らなかった。
以上のように従来の化粧シートは何れも満足のできる
照り外観が得られず、木目等の外観に極めて近似したリ
アル感のある意匠外観を呈するものではなかった。
本発明は上記従来技術の欠点を克服するためになされ
たもので、優れた照り効果が得られ、全体として天然品
外観に酷似した意匠性の高い化粧外観が得られる化粧シ
ートを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
即ち本発明の化粧シートは、透明又は半透明のシート
基材の裏面に、該シート基材を当接させるロール凹版の
少なくとも版凹部内で硬化賦型と同時に該基材側に密着
させた後に離型形成される電離放射線硬化型樹脂からな
り且つ凸部と凹部の幅が1〜1000μmの平行曲線群若し
くは平行曲線群と平行直線群を組合わせた線群のパター
ンからなる凹凸模様が設けられ、該凹凸模様の表面側又
は裏面側に装飾印刷層が設けられ、更に凹凸模様の裏面
側に光輝性樹脂又は金属蒸着層が設けられており、一方
上記シート基材の表面に装飾凹部が設けられ、該凹部内
にワイピング処理インキ層が設けられているという構成
からなるものである。
また本発明化粧シートは、上記光輝性樹脂又は金属蒸
着層の裏面側に更に着色層を設けることができる。更に
上記装飾印刷層が凹凸模様の裏面側に設けた木目模様印
刷層であり、シート基材表面の凹部が加熱エンボス法に
て賦型した木目導管模様の凹陥部である化粧シートであ
ってもよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
本発明の化粧シートは、第1図に示すようにシート基
材1と、該基材1の裏面側に設けられる凹凸模様2、装
飾印刷層3及び光輝性樹脂又は金属蒸着層4と、基材1
の表面側に設けられる装飾凹部5及びワインピング処理
インキ層6とから構成される。
シート基材1は透明又は半透明のものであれば時に制
約されるものではなく、この種化粧シートの基材として
用いるものを同様に使用できる。その代表例としてはポ
リ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリ
ル、ポリエステル、ポリイミド、ポリスチレン、アクリ
ロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)等の合
成樹脂シート(フィルム)が挙げられる。この基材1は
透明性が維持される範囲内で着色したものでもよい。ま
た基材1は他の層の形成条件等に応じて、電離放射線透
過性、熱可塑性等の必要な物性を有する材質を適宜選定
して使用することもある。
凹凸模様2は、第2図に示すように上方より見た場
合、平行曲線群7のパターン(同図(a)、(c))若
しくは平行曲線群7と平行直線群8を適宜組み合わせた
線群のパターン(同図(b))からなるものであって、
その線群のパターンは何れも断面形状が、第3図に示す
ように凸部Pの幅:d1と凹部Qの幅:d2が1〜1000μmで
ある凹凸形状をなすものである。凹凸模様2は第3図に
図示のように基層部Rを有し、その基層部R上に凸部P
と凹部Qが形成される構造のものが一般的であるが、第
1図に図示のように上記基層部Rがなく凸部Pのみが形
成され、その凸部どうしの間が凹部となる構造のもので
あってもよい。
平行曲線群としては正弦波、サイクロイド曲線、円弧
等の曲線単位を連結したものを複数本互いに平行移動し
て配列したものが代表例である。特に第2図(c)に例
示の如き構成の線群パターン、即ち輪郭線にて囲まれた
各領域内にそれぞれの平行曲線群を有する線群の集合体
であり且つ該輪郭線及び平行曲線群の形状又は線方向が
各輪郭線領域毎に異なる線群パターンによれば、照り部
分が塊状或いは渦巻状になって分散して現出する所謂杢
調の天然木のような照り外観が得られる。上記凸部及び
凹部の幅が1000μmを越える場合は、各平行線群が1本
1本の線が簡単に識別できる程度に目立って幾何学的な
風合いとなり、天然木等の外観再現には不向きである。
上記幅d1、d2は特に明瞭でリアル感のある照りを現出し
易い点から5〜100μmであることがより好ましい。ま
た凹部の深さは通常1〜100μm程度でよいが、より好
ましくは5〜25μm程度である。更に凹部の深さは単一
なものではなく、区画した各領域毎に深さを適宜配分し
て異ならしめることにより、該領域によって照り感が微
妙に変化する照り外観を現出させることができる。
しかも上記の如きパターン構成からなる凹凸形状2
は、ロール凹版内に充填している間に硬化賦型されてか
ら基材2の裏面側に転移形成される電離放射線硬化型樹
脂から構成されるものである。本発明における凹凸模様
は上記のような製造方法により形成されるため前述の如
き微細なパターン構成のものであるにも係わらず、忠実
に再現された精密な凹凸形状である。
装飾印刷層3は化粧シートにおいて現出させようとす
る意匠内容に応じて適宜選定される印刷層である。例え
ば木目模様が本発明による外観再現に好適であるが、そ
の他大理石等の石目模様、絹等の光沢感のある織布等の
表面模様等からなる柄印刷層であったり、或いは着色層
等であってもよい。この印刷層3は上記凹凸模様2の表
面側(即ち基材1の裏面上)又は裏面側(但し層4より
は内側)に設けられ、それは第1図に例示の如く部分的
に設ける他、全面的に設けてもよい。印刷層3を全面的
に設ける場合は、その裏面側(下方)に設けられる層な
どを完全に隠蔽することのないように考慮する必要があ
る。
光輝性樹脂又は金属蒸着層4は光輝性を有する樹脂層
又は金属蒸着層からなる層である。この層4は凹凸模様
2の裏面側に設けられるが、その場合第1図に例示の如
く全面的に設けても或いは部分的に設けてもよい。光輝
性樹脂層は例えば、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉等の
金属粉、金属フレークを用いた金属光沢を有する顔料、
二酸化チタン被覆雲母等の雲母顔料、魚鱗箔、酸塩化ビ
スマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料等を含有す
る光輝性インキにて形成される層である。光輝性インキ
には着色顔料を含有させてもよい。光輝性樹脂層として
は亦、上記光輝性顔料を練り込むか又は表面に塗工した
樹脂フィルムを熱融着法やドライラミネート法等にて積
層形成するものであってもよい。光輝性金属蒸着層はア
ルミニウム、クロム、TiN、ニッケル、銅、ステンレス
等の金属を蒸着して形成される金属薄膜である。
装飾凹部5はシート基材1の表面側に設けられるもの
であり、その形態は基材表面自体に形成される凹陥部で
あったり或いは基材表面に形成する凹凸形状における凹
部部分からなるものであってもよく、特に限定されな
い。凹部5が凹陥部形態の場合は加熱エンボス法等にて
基材表面に凹部形状を賦型して形成することができ、ま
た凹凸形状における凹部部分からなる形態の場合は凹凸
模様2と同様の形成方法にて凹凸形状を付すことにより
形成することができる他、加熱エンボス法にて凹凸面を
賦型したり、シート基材1の製膜と同時に賦型用フィル
ムを使用してキャスティングにより形成することもでき
る。凹部5のパターン形状は木目調の化粧シートとする
場合であれば木目導管模様等の形状とする等、化粧シー
トの意匠内容によって適宜選定される。
インキ層6は従来公知のワイピング加工法にてワイピ
ング処理して凹部5内に形成される着色充填層である。
この層6を構成するインキは顔料や染料を着色剤とする
塗料或いはインキからなる、所謂ワイピングインキが使
用される。具体的には、セラック、コーバル、ダンマ
ル、ロジン、ロジンエステル等の天然樹脂又はその変性
樹脂類、ニトロセルロース、アセチルセルロース、エチ
ルセルロース、ベンジルセルロース等のセルロース誘導
体類、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、フタル酸系樹
脂、マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、その他等の合成樹脂類、その他塩化ゴム、環化
ゴム、合成ゴム等のゴム誘導体等をビヒクル材料とし、
そのビヒクル中に着色剤、沈降性硫酸バリウム等の体質
顔料、可塑剤等を添加して得られる塗料若しくはインキ
である。特にインキ層6を耐摩耗性、耐溶剤性等に優れ
たものとする場合は、ビヒクル材料として上記樹脂のう
ち硬化性樹脂を使用した着色インキを使用すればよい。
また上記塗料又はインキ中に紫外線硬化剤等を混入して
紫外線による硬化手段を採用してもよい。
また本発明化粧シートは、特に図示しないが上記光輝
性樹脂又は金属蒸着層4の裏面側に更に着色層を積層し
て設けることができる。その着色層を設けることによ
り、例えば上記層4による光の反射率を増加させて照り
外観をより有効に再現させたり、或いは本発明シートを
他の部材に貼着して使用する場合に該部材表面の色、汚
れ等を隠蔽させることが可能となる。着色層としては二
酸化チタン等の着色顔料を添加したインキ又は塗料を塗
工形成したものや、上記顔料にて着色した樹脂フィルム
を接着剤又は熱融着により貼着したものなどが挙げられ
る。
以上の如き構成からなる本発明化粧シートを製造する
に当たっては、特に凹凸模様2を下記のようにして形成
することができる。
即ち、先ず形成すべき凹凸模様2を型取りした第4図
に示すようなロール凹版9を作製する。そのロール凹版
9とは、凹凸模様2における前述のパターン形状に対応
さして型取り形成した版凹部10を備えたものである。版
凹部10の形成は電子彫刻、エッチング法、ミル押し、電
鋳法等の手段にて行うことができる。
次いで、作製したロール凹版9を例えば第4図に例示
するような形態で用いる。そして同図に示すようにシー
ト基材1をロール凹版9と押圧ロール11との間を通過す
るように供給し、凹版9の少なくとも版凹部10に充填す
るように電離放射線硬化型樹脂12を供給すると共に基材
1の裏面側を凹版9に接触させ、該基材1が凹版9と接
している間に電離放射線照射装置13から電離放射線を照
射して上記樹脂を硬化賦型させる同時に基材側に密着せ
しめる。しかる後、シート基材1を凹版9から剥離する
ことにより、版凹部10の形状に対応した形状に賦型され
た(硬化した)電離放射線硬化型樹脂からなる凹凸模様
2が形成されたシートが得られる。
ここで電離放射線硬化型樹脂の供給は、ロールコート
法、ナイフコート法の適宜手段にてロール凹版と押圧ロ
ールの間に、或いはシート基材表面に塗布供給すること
ができる。電離放射線硬化型樹脂としては公知の紫外線
又は電子線硬化型樹脂を使用でき、中でも溶剤無添加タ
イプのものを使用すれば硬化による体積収縮、形状変
形、気泡発生等の不具合が生じることがなく、該樹脂の
予備乾燥工程が不要となる上、より細密な凹凸形状を再
現性良く確実に形成することができる。電離放射線の照
射は、シート基材1が電離放射線透過性である場合には
該基材側から行なっても、或いは凹版9が電離放射線硬
化性の材質にて構成されている場合は該凹版側から行な
ってもよく、更に上記基材及び凹版の両方向から行なっ
てもよい。この電離放射線照射による硬化度合いは、少
なくとも樹脂の流動性を失わせ且つシート基材との密着
性を生じせしめる程度である。また基材を凹版より剥離
した後、再度電離放射線を照射してより完全な硬化を行
ってもよい。
また上記凹凸模様2以外の各層や凹部の形成に当たっ
ては、従来公知の印刷法、蒸着法、ワイピング加工法、
加熱エンボス法等により形成することができる。印刷法
としてはグラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリー
ン印刷等が挙げられる。印刷層3を凹凸模様2の表面側
に設ける場合は、該印刷層3をシート基材1に予め形成
しておき、その後凹凸模様2を前述の如く形成する。ま
た光輝性金属蒸着層を部分的に形成する場合は公知の部
分金属薄膜層の形成方法等を適用することができる。
本発明では必要に応じて、第1図に示すように化粧シ
ートの表面物性を高めるためのオーバーコート層14等を
設けてもよい。また本発明化粧シートはそのままで製品
として使用できる他、別の各種部材表面等へ貼着して利
用することなども可能である。
次に、具体的実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
する。
実施例1 厚さ0.15mmの透明ポリ塩化ビニルフィルム(理研ビニ
ル製:W−500 23P)の裏面にグラビア印刷法にて木目柄
を印刷した。
ロール凹版として、シート基材送り方向をy軸、その
幅方向をx軸としたとき、 の関係式で表される曲線を基本曲線とし、これをy軸方
向に50μm間隔で複数平行させて配列してなる線群パタ
ーン(このとき凸部及び凹部の幅は共に50μm)をエッ
チング法にて形成した版深(即ち凹部の深さ)20μmの
金属製ロール凹版を作成した。
このロール凹版を第4図に例示の如き製造形態にて使
用すると共に上記フィルムを印刷面側に凹凸模様が形成
されるように供給し、紫外線硬化型樹脂(大日精化
(株)製:セイカビームHT509、粘度3000cps)をアプリ
ケータロール塗工法にて供給し、フィルム面側から紫外
線をオゾン含有の高圧水銀灯(120W/cm)を2灯設置し
た照射装置にてシート送り速度30m/minの条件下で照射
し、しかる後、フィルムを剥離した。
次いで上記線群パターンの凹凸模様を形成したフィル
ムの該凹凸面上に、版深60μmのグラビア版にてパール
インキをグラビア印刷法にて全面ベタ印刷した。しかる
後、基材フィルムの表面に木目導管模様を加熱ドラム温
度150℃、線圧1t、シート送り速度12m/minの条件下で加
熱エンボス加工を施した。この時、加熱加圧により先に
形成した裏面側の凹凸模様が変形や消失することはない
ことが確認できた。上記エンボス加工面に対して熱硬化
のタイプのウレタン系樹脂をビヒクルとする黒茶色のワ
イピングインキを用いてワイピング加工を行い、更にそ
の全面にポリウレタン系塗料をグラビア印刷法にて塗工
し、化粧シートとした。
得られた化粧シートは、角度を変えながら観察すると
明瞭で深みがあり移動して見える照り外観が木目印刷模
様と調和し、それに加えて表面の導管模様と黒茶色のワ
イピングインキによる筋模様とも同時に重なり合って現
出し、その結果天然木目の外観に極めて酷似した材質感
を有した美麗な木目調外観を呈するものであった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明シートはシート基材の裏
面側に、上記のような特定の線群パターン形状の凹凸模
様、装飾印刷層及び光輝性樹脂又は金属蒸着層を設けて
いる上、該基材の表面側にワイピング処理インキ層を充
填形成した装飾凹部が設けられているため、各装飾層や
凹部が調和して現出すると共に、シート基材から透視さ
れる上記凹凸模様と光輝性樹脂又は金属蒸着層とが相ま
って明瞭で深みがあり、その上見る角度によって移動し
て視認される独持な照り外観が同時に現出し、これらが
総合して意匠性に富んだ化粧外観が得られる。特に装飾
印刷層を木目模様の印刷層とし、装飾凹部を木目導管模
様の凹陥部として構成した場合、従来品には無かった、
天然の木目外観と酷似した木質感のある美麗でリアルな
木目調化粧シートとすることができる。
また本発明では上記凹凸模様が前記したようにロール
凹版内に充填している間に硬化賦型せしめた電離放射線
硬化型樹脂にて構成される凹凸形状であるため、その得
られる凹凸模様は細部にわたって忠実で精密に再現形成
されており、このことからも従来品では得られなかった
美麗な照りが現出される。また加熱エンボスによる凹凸
模様形成とは異なりシート基材の材質(熱可塑性を要す
る等)に関する大きな制約を受けることがなく、更にシ
ート基材の表面側の装飾凹部を加熱エンボス法によって
確実に形成することが可能となる。更に、上記の照り外
観は凹凸模様の線群パターン形状を調整したり或いは平
行曲線群と平行直線群を組合わせた線群を適宜採用した
り、更には光輝性樹脂又は金属蒸着層を特定の部位に部
分的に設けることによって、所定位置に現出するように
設定することも可能であり、これによって更に意匠性に
優れた化粧外観を現出させ得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明化粧シートの一実施例を示す断面図、第
2図は凹凸模様の線群パターンの各種態様例を示す平面
説明図、第3図は凹凸模様の断面形状の一例を示す断面
説明図、第4図は特に凹凸模様の形成工程の一例を示す
説明図である。 1……シート基材、2……凹凸模様 3……装飾印刷層 4……光輝性樹脂又は金属蒸着層 5……装飾凹部 6……ワイピング処理インキ層 7……平行曲線群、8……平行直線群 9……ロール凹版、10……版凹部 12……電離放射線硬化型樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根津 義昭 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 1/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明又は半透明のシート基材の裏面に、該
    シート基材を当接させるロール凹版の少なくとも版凹部
    内で硬化賦型と同時に該基材側に密着させた後に離型形
    成される電離放射線硬化型樹脂からなり且つ凸部と凹部
    の幅が1〜1000μmの平行曲線群若しくは平行曲線群と
    平行直線群を組合わせた線群のパターンからなる凹凸模
    様が設けられ、該凹凸模様の表面側又は裏面側に装飾印
    刷層が設けられ、更に凹凸模様の裏面側に光輝性樹脂又
    は金属蒸着層が設けられており、一方上記シート基材の
    表面に装飾凹部が設けられ、該凹部内にワイピング処理
    インキ層が設けられていることを特徴とする化粧シー
    ト。
  2. 【請求項2】光輝性樹脂又は金属蒸着層の裏面側に更に
    着色層を設けた請求項1記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】装飾印刷層が凹凸模様の裏面側に設けた木
    目模様印刷層であり、シート基材表面の凹部が加熱エン
    ボス法にて賦型した木目導管模様の凹陥部である請求項
    1又は2記載の化粧シート。
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