JPH0664131A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JPH0664131A
JPH0664131A JP4242818A JP24281892A JPH0664131A JP H0664131 A JPH0664131 A JP H0664131A JP 4242818 A JP4242818 A JP 4242818A JP 24281892 A JP24281892 A JP 24281892A JP H0664131 A JPH0664131 A JP H0664131A
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JP
Japan
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pattern
layer
resin layer
decorative sheet
thermoplastic resin
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JP4242818A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Nezu
義昭 根津
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 照りと照りの移動感を表現し、かつ立体的な
表面絵柄も表現できる化粧シートを提供する。 【構成】 光輝性を有する熱可塑性樹脂層2に絵柄層
3、絵柄層の絵柄に同調した模様を有する撥液絵柄層4
が順に積層され、光輝性を有する熱可塑性樹脂層上には
凹凸模様6があり、さらに前記撥液絵柄層4上に凹凸模
様の深さよりも厚い透明樹脂層5を形成すると、撥液絵
柄層4上の透明樹脂層5がはじかれ、凹部絵柄模様が形
成された化粧シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅内装材、キャビネ
ット、住器用などに用いられる化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の化粧シート、なかでも木目調の化
粧シートとしては、天然木の質感に少しでも近づけるべ
く、導管柄部を凹形状として立体的にしたり、光を複雑
に反射させて木の照り感を表現したりする次のようなも
のがあった。 (イ) 着色塩化ビニルフィルムの表面に印刷を施した後、
その印刷面に、透明な塩化ビニルフィルムをダブリング
エンボス法により熱圧を加えながら、凹部形成と積層一
体化を同時に行い、次いで、表面凹部をワイピング加工
により木目導管部として、立体的な導管柄を表現した化
粧シート。 (ロ) ポリ塩化ビニルフィルムに印刷を施し、木目の導管
柄は撥液インキで印刷し、しかるのち透明樹脂を塗布す
ると撥液インキ部分は撥液作用によって柄に同調して凹
むことによって、立体的な導管柄を表現した化粧シー
ト。 (ハ) 着色塩化ビニルフィルムの表面に印刷を施した後、
凹凸模様を形成し、ついで透明フィルムをドライラミネ
ート法により接着して積層一体化した照り感を表現した
化粧シート(実公昭61−44829号公報に開示)。 (ニ) 着色塩化ビニルフィルムの表面に印刷を施した後、
凹凸模様を形成し、凹凸の深さよりも厚く透明樹脂をコ
ートした照り感を表現した化粧シート(実公昭61−4
2834号公報等に開示)。 (ホ) 透明塩化ビニルフィルムの裏面に印刷を施した後、
凹凸模様を形成し、表面にグロスマットの艶差を有する
導管柄を印刷した照り感と疑似的な立体感のある導管を
表現した化粧シート(特公平3−8477号公報等に記
載)。 上記(ハ) 、(ニ) 、(ホ) による凹凸模様では、各種の照り
の移動感を表現する方法が提案されている。例えば特開
平4−125199号公報の凹凸間隔を微妙に変化させ
た天然に近い照りの不規則感や、特願平4−10000
9号の木目模様の流れ方向と凹凸模様の流れ方向を同一
にした天然の横照り感や、特願平4−119318号の
特有の凹凸模様による木の節穴廻りの照り感などであ
る。
【0003】ここで、「照り」及び「照りの移動」の意
味を若干説明しておく。これらは、天然の木材の外観、
特に光沢感の一性質を表すものである。天然の木目板の
表面は、多数の細長い細胞壁及びその切断面などからな
り、これらは概略相互に平行でかつある程度の方向性を
もった溝状の凹凸形状を有している。このために、木材
面に入射した光線は完全な平面の場合とは異なった様相
を示し、木材面独特の表面光沢を示す。これを本発明て
は「照り」と呼ぶ。また、この表面光沢は全面に均一で
はなく、光沢感の大きい部分と小さい部分が模様状に分
布しており、しかも光源からの光の入射角度と観察者の
観察方向と木材の凹凸形状との相互関係によって変化す
る。この結果、光沢感の大きい部分が前記相互関係の変
化に応じ移動して見える。これを「照りの移動」と呼
ぶ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の方
法では、次のような欠点があった。 (イ) の化粧シートでは、表面凹部に導管インキを形成す
るため、木目導管が天然木と同様に凹みをもって表現で
きた。しかも導管部に艶のないインキを用いれば導管以
外の表面と導管部とを光沢差によっても識別表現でき、
ある程度のリアルな木質感を表現できた。しかし、導管
の柄は、絵柄の印刷とは別工程となるダブリングエンボ
ス加工によって形成するので、印刷模様と同調させるこ
とは実質上できなかった。したがって、確かに導管柄部
は凹んでおり、遠目に見れば天然木の感じはするが、近
目にみると木の絵柄と同調してないために不自然な感じ
がした。また、天然木における、表面内部を通過した光
線が内部組織で乱反射してくることによって生ずる光沢
感即ち、木の照り感までは表現できなかった。 (ロ) の化粧シートでは、撥液インキで導管柄を表現する
ため、導管部は立体的な凹部となり、しかも木目絵柄と
同調して表現できたが、木目の照り感までは表現でき
ず、いま一つ天然木の質感を表現するに至らなかった。 (ハ) の化粧シートでは、ドライラミネートの接着剤を厚
く塗布しなければ美しい表面のものはできす、塗布が厚
すぎると接着剤中の溶剤によるアタックによって、凹凸
模様がシャープに形成できず、凹凸模様による木質の照
り感の表現効果の少ないものになってしまった。 (ニ) の化粧シートでは、照り感は表現できたが、最後に
透明樹脂を塗布しているために、表面が平滑となり、塗
装感は得られるが導管柄は平面的であり、立体感に欠け
てしまった。 (ホ) の化粧シートでは、フィルムが透明であるがゆえ
に、基材の色が透けて見えるので基材の色にバラツキが
あると製品の色がばらついてしまった。 以上説明したように、立体感を伴ったリアルな木目導管
柄の表現と、移動感を伴った照りの表現とを併せ持った
化粧シートは得られてなく、いま一歩、天然の木の材質
感を表現するには不足であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明に係わる化
粧シートは、上記課題を解決し目的を達成するために、
光輝性を有する熱可塑性樹脂層に絵柄層、絵柄層の絵柄
に同調した模様を有する撥液絵柄層が順に積層され、少
なくとも前記光輝性を有する熱可塑性樹脂層と他層との
界面には凹凸模様が形成されており、さらに前記撥液絵
柄層上には該凹凸模様の深さよりも厚い透明樹脂層が積
層された構成からなる。また、光輝性を有する熱可塑性
樹脂層は、光輝性顔料を練り混んだ熱可塑性合成樹脂層
であってもよいし、あるいは熱可塑性樹脂層の表面に光
輝性層を積層した熱可塑性樹脂層であってもよい。光輝
性を有する熱可塑性樹脂層と他層との界面の凹凸模様
は、深さ3〜30μで、凸部と凸部との間隔が1〜10
00μの平行曲線群、関数曲線をそのパラメータを変化
させて各曲線間の間隔が線方向に滑らかに変化する非平
行曲線群の組み合わせ、あるいはこれらと平行直線群と
の組み合わせからなる条溝模様からなる。すなわち、光
輝性を有する熱可塑性樹脂層上に絵柄層、撥液絵柄層を
順次形成し、さらに凹凸模様を設け、次いで、凹凸の深
さよりも厚く透明樹脂を塗布する。すると、撥液絵柄層
上に塗布された透明樹脂がはじかれて凹み、撥液絵柄層
がない部分の透明樹脂ははじかれずに平滑に仕上がる。
その結果、表面に撥液絵柄層と同調した凹部が透明樹脂
層面に形成される。このようにして、凹凸模様による照
り感の移動と、表面の絵柄と同調した凹部柄による立体
感との両者の相乗効果により、今までは表現できなかっ
た天然木にせまるリアルな木質感を表現できる。
【0006】以下、図面に従って本発明を詳述する。図
1は本発明に係わる一実施例を示す化粧シートの縦断面
図である。本発明による化粧シート1は基本的には図1
に示すように、光輝性を有する熱可塑性樹脂層2、絵柄
層3、撥液絵柄層4、透明樹脂層5、凹凸模様6から構
成されている。撥液部分7は、木目で言えば導管部ある
いは春材部の凹部を表現する部分に相当する。凹凸模様
6は、少なくとも光輝性を有する熱可塑性樹脂層2と接
する層との間に形成されている。また、図3はその化粧
シートの平面図を示すものである。
【0007】光輝性を有する熱可塑性樹脂層としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビ
ニル−塩化ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポ
リフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリ
メタアクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメ
タアクリル酸エチル、ポリアクリロニトリル等のアクリ
ル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン
−スチレン(ABS)、アクリルスチレン等のスチレン
系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペ
ンテン等のポリオレフィン系樹脂、酢酸セルロース、ニ
トロセルロース等のセルロース誘導体、ナイロン6、ナ
ンロン66等のポリアミド樹脂、ポリビニルアルコー
ル、ポリカーボネート等の樹脂が使える。
【0008】前記光輝性を有する熱可塑性樹脂層が光輝
性を有するとは、該樹脂層と接する界面および界面近傍
が光輝性を有するものであればよい。従って、熱可塑性
樹脂に光輝性顔料を練り混んで熱可塑性樹脂層自身が光
輝性を有している場合の他に、図2に例示するように熱
可塑性樹脂層8の表面に光輝性層9を形成したものでも
かまわない。光輝性層9を別に形成するには、光輝性の
インキを印刷、塗布形成する方法や、金属の蒸着による
方法によって、全面あるいは部分的に光輝性層を形成で
きる。
【0009】光輝性層を別に形成する場合の熱可塑性樹
脂層としては、無色透明でもよいが着色されていること
が好ましい。着色すれば、化粧シート全体の色調を調整
できる他に、化粧シートを他の基材に貼合せて使用する
場合に、基材の色、汚れ、傷などを隠蔽することができ
るからである。着色とは、透明着色および不透明着色を
含む。透明着色の場合は、貼合せる基材の色調を生かす
こともできる。
【0010】光輝性層を金属層で形成する場合には、ア
ルミニウム、クロム、銅、鉄、ニッケル、錫、銀、金ま
たはこれらの合金を真空蒸着、スパッタリング、無電解
メッキ、溶射メッキなどの方法によって形成することが
できる。金属層の厚みとしては、4〜1000Åが好ま
しく、また蒸着による形成の場合には、ポリウレタン、
メラミンなどのアンカーコート剤をあらかじめ塗布形成
して、金属層の密着性を向上させてもよい。また、光輝
性のインキにて形成する場合には、光輝性を発現する為
の光輝性顔料として、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉な
どの径が1〜120μの金属粉や金属片、あるいは、金
属蒸着合成樹脂フィルムの裁断片などの金属光沢を有す
る顔料が使用できる。さらに、二酸化チタン被覆雲母な
どの雲母顔料や、魚鱗箔、三塩化ビスマスなどの真珠光
沢や干渉光沢を有するパール顔料も使用できる。これら
光輝性顔料のうち、耐酸性、耐アルカリ性などの化学的
安定性の点で、特に雲母顔料を含むことが好ましい。
【0011】光輝性インキの調合は、前記光輝性顔料を
公知のビヒクルに混合して使用する。なお、ビヒクルと
しては、ビニル系、アクリル系、アミノアルキッド系、
ブチラール系などの樹脂を用いる。光輝性インキを使っ
て光輝性層を形成するには、グラビア印刷法、フレキソ
印刷法、シルクスクリーン印刷法などの公知の印刷手段
を使用する。また、インキではなく塗料として、塗布し
てもかまわない。
【0012】以上の光輝性を有する熱可塑性樹脂層の厚
みは、取り扱い易さの点から0.05〜0.3mmの厚さ
であり、好ましくは、0.08mm〜0.2mmが良い。
0.08mm未満では破れたり皺が発生しやすく、また
0.2mmを越えると、剛直になったり、コスト高となっ
たりする。
【0013】絵柄層3としては、ビヒクルに必要に応じ
て顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、
可塑剤などを適宜混合調整したインキを、グラビア印刷
法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法などの印
刷方法で形成する。絵柄の代表的なものとしては、杉、
檜、欅等の木目模様、あるいは御影石、トラバーチン等
の石目柄がある。ビヒクルには次のような熱可塑性樹脂
を使用する。例えば、エチルセルロース、ニトロセルロ
ース、酢酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロ
ース、セルロースアセテートプロピオネートなどのセル
ロース誘導体、あるいは、ポリスチレン、ポリα−メチ
ルスチレンなどのスチレン樹脂またはスチレン共重合
体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなど
のアクリル樹脂、あるいは、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニル
ブチラールなどのビニル重合体、ロジン、ロジン変性マ
レイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、重合ロジン
などのロジンエステル樹脂、あるいは、クマロン樹脂、
ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹脂などの天然または
合成樹脂が使用できる。
【0014】撥液絵柄層4としては、撥液性インキを公
知の印刷法により形成すればよい。撥液性インキで印刷
した部分は、透明樹脂層5を形成した後は、凹部とな
る。よって、化粧シートの凹部にしたい部分を撥液絵柄
層とする。撥液性は、前記したビヒクルに撥液性シリコ
ーン樹脂もしくはワックスを混合したインキにより発現
する。例えば、シリコンオイルを1〜5%添加したウレ
タン系、あるいはアミノ系樹脂のインキが用いられる。
なお、撥液絵柄層のインキ中に、艶消剤として粒径1〜
10μ程度のシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等
の粉末を添加して艶消しにすると、視覚的にも艶消の撥
液絵柄部分が光沢のある周辺の透明樹脂層5に比べて凹
んで見える効果があるため、撥液による凹凸感がさらに
強調される。また、凹部が艶消しとなると、特に木目板
の導管溝、トラバーチン大理石の凹孔、御影石劈開面の
結晶粒などを表現するのに有効である。撥液絵柄層は、
前記絵柄層と同調した模様で形成することがポイントで
ある。例えば、化粧シートの模様が木目の場合、前記絵
柄層で木目柄を2色印刷して、3色目に木目の導管柄あ
るいは春材部を撥液絵柄層として印刷する。石目柄の場
合、たとえば、御影石の劈開面を表現する場合は、結晶
粒のうち、艶の消えている部分又は凹んでいる部分を撥
液絵柄層とする。あるいは、トラバーチンの板の場合、
孔の部分を撥液絵柄層とする。
【0015】凹凸模様6は、光輝性を有する熱可塑性樹
脂層に接する層との界面において、図4に示すように、
深さが3〜30μ、凸部間隔が1〜1000μの形状を
しており、平行曲線群10〔図5(a)、(b)、
(c)、(d)〕、関数曲線をその波長、振幅、位相等
のパラメータを変化させて各曲線間の間隔が線方向に滑
らかに変化する非平行曲線群12〔図5(e)〕の組み
合わせ、あるいはこれらと平行直線群11〔図5
(b)〕との組み合わせからなる模様である。これらの
凹凸模様により、例えば特開平4−64443号公報で
示される平行曲線と平行直線からなる凹凸模様、特開平
4−125199号公報で示される関数パラメーターを
順次変化させた関数曲線群からなるウェーブ状の凹凸模
様による自然な照り感、特願平4−100009号で示
される木目模様の流れ方向と凹凸模様の流れ方向を同一
にした凹凸模様による横照り感、あるいは特願平4−1
19318号で示される特有の凹凸模様による木の節穴
廻りの照り感などを表現できる。これらは、例えば平行
曲線としては、正弦波、サイクロイド曲線、楕円関数、
ベッセル関数、オシロスコープで測定した音声信号波形
などを結合し、平行移動して配列したものである。ある
いは、杢(即ち、瘤状、斑点状、節穴状または渦状の木
目)の照り感を表現する為には、閉曲線で区画された領
域内に渦巻き状の曲線も使用できる〔図5(c)、
(d)〕。又、図5(c)、図5(d)の曲線は、御影
石等の石目板の表面光沢を表現する時にも有効である。
凹凸模様6は図6に示すように、溝状模様にくわえて、
天然木の組織(例えばミズス等)を表現した凹凸模様1
3のような模様を組み合わせて用いることもできる。凹
凸模様の流れ方向は、木目柄の場合木目模様の流れ方向
と直行させるといわゆる縦照りとなり(図7)、柾目の
表現効果に優れており、平行させると、横照り感の表現
効果に優れている。
【0016】透明樹脂層5としては、撥液絵柄層によっ
てはじかれる性質のもので無色透明、あるいは着色透明
樹脂を用いる。実用上は耐磨耗性、耐汚染性のあること
が好ましい。これらの樹脂としては、アクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、ポ
リエステル樹脂等の熱硬化性樹脂又は、電離放射線硬化
性樹脂などの通常、化粧板の表面塗装に用いられる樹脂
が使用できる。厚みは、5〜100μ程度が好ましい。
透明樹脂層の形成は、前記樹脂に必要により溶剤、着色
剤、安定剤、硬化剤などを混合した塗料またはインキと
して、公知の塗布方法または印刷方法で形成すればよ
い。これらの方法としては、グラビアコート、ロールコ
ート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、
キスコート、スプレーコートや、シルクスクリーン印刷
などである。
【0017】
【作用】以下、本発明による構成によって、照りと照り
の移動感とリアルな表面柄の立体感により、より真実味
をもった材質感が表現されることを木目の表現を例とし
て説明する。まず、照りと照りの移動感であるが、これ
は光輝性を有する熱可塑性樹脂層と、該樹脂層と接する
面に設けられたに凹凸模様によって得られる光の不規則
な反射によって達成される。さらに、この光の反射面が
化粧シート表面ではなく、化粧シートの内層にあるがゆ
えに、柄が平面的でなく天然木のような奥行き感が発現
する。この移動を伴う照りは、反射面の上に形成されて
いる絵柄層などと伴に、絵柄に相応した照りの外観とな
り、リアルな質感を表現する一手段となる。また前記反
射面および絵柄層が厚みがある透明樹脂層を介在して、
絵柄、照り感と深み感も表現される。さらには、撥液絵
柄層によってはじかれた透明樹脂層の凹部が撥液絵柄層
の模様と同調している為、非同調の場合とは違い凹部の
模様がよりリアルに表現できる。以上これらの、照り感
と照りの移動感、深み感、および絵柄模様と同調した表
面凹部と絵柄層との相乗効果によって絵柄層の絵柄をひ
きたて、従来では得られなかった、非常にリアルな木質
感や石材感などを表現できる。
【0018】
【実施例】
実施例1 ポリ塩化ビニルフィルム(理研ビニル工業(株)製 U
T−8)厚み0.2mmの片面にパール顔料を含んだグラ
ビアインキ(昭和インク工業(株)製 化Xパール)を
用いてベタ印刷を行い光輝性を有する熱可塑性樹脂層を
形成した。更にその上にグラビアインキを用いて木目柄
を印刷し絵柄層と撥液絵柄層を形成した。木目柄は3つ
の版を絵柄模様を同調さた柄で、刷り順で1版目、2版
目は通常「ボケ版」と呼ばれ、3版目は木の導管部を表
現する「導管版」と呼ばれるものである。木目柄を印刷
するグラビアインキとしては、1版目、2版目は塩酢ビ
系インキ(昭和インク工業(株)製 化X)を使用し、
3版目はシリコン樹脂を2%添加したアミノ系インキを
使用した。このようにして、ポリ塩化ビニルフィルムを
支持体とした木目柄が印刷された化粧シートを得た。さ
らに、このシートの印刷面にドラム温度165℃、スピ
ード10m/min 、エンボス圧4kgf/cm2 の条件でサイン
カーブ状の微細な万線パターンの凹凸を持つエンボスロ
ールでエンボス加工を施して、深さ12μ、凸部ピッチ
70μの凹凸を形成した。このようにして得たシート上
に、紫外線硬化型塗料(大日精化工(株)製 XD−5
20)をグラビラリバース法により塗布した。塗布され
た塗料は上記木目柄の3版目によって形成された撥液絵
柄層としての導管柄上ではじかれ、シート表面上には導
管の柄状に凹凸が形成された。ついでこのシートの塗布
面に主波長が350nmの紫外線を照射して、所望の化粧
シートを得た。得られた化粧シートは、木目の導管の凹
部が絵柄と同調して、なおかつ照りの移動と深みも表現
でき、非常にリアルで意匠性の高いシートであった。
【0019】実施例2 ポリ塩化ビニルフィルム(理研ビニル工業(株)製 R
タイプ)厚み0.2mmの片面にパール顔料を含んだグラ
ビアインキ(昭和インク工業(株)製 化Xパール)を
用いてベタ印刷を行い光輝性を有する熱可塑性樹脂層を
形成した。更にその上にグラビアインキを用いて御影石
板の劈開面などからなる絵柄を印刷した。この際、劈開
面のうち艶の消えた結晶粒に対応する部分を艶消撥液イ
ンキで、また、光沢はあるが凹んでいる結晶粒に対応す
る部分を光沢撥液インキで印刷した。このようにして絵
柄層と二種からなる撥液絵柄層を形成した。劈開面の絵
柄を印刷するグラビアインキとしては、非撥液絵柄イン
キは塩酢ビ系インキ(昭和インク工業(株)製 化X)
を使用し、光沢撥液インキはシリコン樹脂を2%添加し
たアミノ系インキ、艶消撥液インキとしては、光沢撥液
インキにシリカ粉末を5%添加したインキを使用した。
このようにして、ポリ塩化ビニルフィルムを支持体とし
た御影石板絵柄が印刷された化粧シートを得た。さら
に、このシートの印刷面にドラム温度165℃、スピー
ド10m/min 、エンボス圧4kgf/cm2 の条件で図5
(d)の微細な万線パターンの凹凸を持つエンボスロー
ルでエンボス加工を施して、深さ12μ、凸部ピッチ7
0μの凹凸を形成した。このようにして得たシート上
に、紫外線硬化型塗料(大日精化工(株)製 XD−5
20)をグラビラリバース法により塗布した。塗布され
た塗料は上記撥液インキによって形成された撥液絵柄層
上ではじかれ、シート表面上には該劈開面の結晶粒の形
状に対応した凹凸が形成された。ついでこのシートの塗
布面に主波長が350nmの紫外線を照射して、所望の化
粧シートを得た。得られた化粧シートは、御影石板の劈
開面の凹部が絵柄と同調しており、また表面の艶も実際
の劈開面の結晶粒に対応したものであり、なおかつ御影
石特有の照りの移動と深みも表現でき、非常にリアルで
意匠性の高いシートであった。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明の化粧シート
は、シート内部の凹凸模様により、天然の木の照りの移
動感に匹敵する外観が得られる。また表面の導管柄凹部
あるいは春材部が絵柄と完全に同調していることによ
り、天然木と同質の導管を表現できる。さらに凹凸模
様、絵柄が透明樹脂層を介して視認されるため深みも表
現できる。くわえて、ワイピングによる凹形導管形成に
比べてカブリもなく、従来の化粧シートでは得られな
い、よりリアルな木質感に富む極めて美しい木目調外観
をもった化粧シートを得ることができる。一方、別工程
が必要であったワイピング法による導管形成に対して、
製造工程も簡単になる利点がある。また、木目の化粧シ
ートに限らず、石目などの場合にも、凹凸模様、絵柄、
表面の絵柄と同調した凹部柄により、平面的でない深み
や立体感、さらに石材の微細構造による視覚によって微
妙に変化する外観なども表現した、従来にない化粧シー
トが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化粧シートの縦断面図
【図2】化粧シートの他の例を示す縦断面図
【図3】化粧シートの平面図
【図4】凹凸模様の外観を示す斜視図
【図5】凹凸模様の各種態様を示す平面図
【図6】化粧シートの他の例を示す平面図
【図7】化粧シートの他の例を示す平面図
【符号の説明】
1 化粧シート 2 光輝性を有する熱可塑性樹脂層 3 絵柄層 4 撥液絵柄層 5 透明樹脂層 6 凹凸模様 7 撥液部分 8 熱可塑性樹脂層 9 光輝性層 10 平行曲線 11 平行直線 12 非平行曲線 13 凹凸模様

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光輝性を有する熱可塑性樹脂層に絵柄
    層、絵柄層の絵柄に同調した模様を有する撥液絵柄層が
    順に積層され、少なくとも前記光輝性を有する熱可塑性
    樹脂層と他層との界面には凹凸模様が形成されており、
    さらに前記撥液絵柄層以外の面には該凹凸模様の深さよ
    りも厚い透明樹脂層が積層された化粧シート。
  2. 【請求項2】 光輝性を有する熱可塑性樹脂層が、光輝
    性顔料を練り混んだ熱可塑性合成樹脂層である請求項1
    記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】 光輝性を有する熱可塑性樹脂層が、熱可
    塑性樹脂層の表面に光輝性層を積層した熱可塑性樹脂層
    である請求項1記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 光輝性を有する熱可塑性樹脂層と他層と
    の界面の凹凸模様が、深さ3〜30μで、凸部と凸部と
    の間隔が1〜1000μの平行曲線群、関数曲線をその
    パラメータを変化させて各曲線間の間隔が線方向に滑ら
    かに変化する非平行曲線群の組み合わせ、あるいはこれ
    らと平行直線群との組み合わせからなる条溝模様である
    請求項1、2、3記載の化粧シート。
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