JPH08108512A - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents

化粧シート及びその製造方法

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JPH08108512A
JPH08108512A JP26799394A JP26799394A JPH08108512A JP H08108512 A JPH08108512 A JP H08108512A JP 26799394 A JP26799394 A JP 26799394A JP 26799394 A JP26799394 A JP 26799394A JP H08108512 A JPH08108512 A JP H08108512A
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layer
pattern
transparent
thermoplastic resin
resin film
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Application number
JP26799394A
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English (en)
Inventor
Yasuo Nakai
康夫 中井
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部の微細凹凸模様による照り感を減少させ
ずに外表面にも凹凸模様を形成した、高意匠性の化粧シ
ートとその製造方法を提供する。 【構成】 不透明な熱可塑性樹脂フィルム2上に、光輝
性層3、絵柄層4、電離放射線硬化性樹脂からなる透明
樹脂層6が積層され、そして、記光輝性層の上側界面は
深さが3〜30μmで凸部と凸部の間隔が1〜1000
μmである線群状のパターンからなる溝状凹凸模様5が
あり、透明樹脂層表面は透明樹脂層を電離放射線硬化性
樹脂液を塗工後、賦形シートSを積層した状態で硬化さ
せてから、賦形シートを剥離して得られた凹凸模様7が
ある。また、絵柄層と透明樹脂層との間に透明な熱可塑
性樹脂フィルム及び第2絵柄層を、或いは凹凸模様の凹
部内に着色層を有する構成もある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部と表面の両方に凹
凸模様を有する、深みや立体感の意匠表現に優れ、特に
木目調の表現に適する、化粧シートとその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、木目調の化粧シートにおいて
は、平面的な印刷柄の工夫以外に、天然木の質感をより
リアルに表現する各種の工夫が行われてきた。その一つ
は、表面に溝として立体的に現れる導管の表現である。
例えば、導管柄を艶消インクで印刷し、実際は平面だが
艶消効果により疑似的に立体感を感じさせることが行わ
れてきた。さらに、実際に表面にエンボスにより溝を形
成し、溝の中にワイピング加工によりインクを充填する
ことで、表面凹凸模様と導管模様を同調させたよりリア
ルな導管表現も可能となった。具体的には、例えば、木
目模様が印刷された着色塩化ビニルフィルムの印刷面に
透明塩化ビニルフィルムをダブリングエンボス加工にて
積層とエンボスを同時に行い、エンボスで出来た溝にワ
イピング加工でインクを充填するものである。
【0003】天然木の別の質感表現の一つは、天然木の
独特の照り感や照りの移動感(以下、特に使い分ける必
要がある場合を除き、両者を含めて「照り感」とする)
の表現である。照り感は、木質内部にまで進入した光
が、木質繊維の一定の規則性を有する内部組織に反射さ
れ、再び表面に達して放出される結果生ずるものであ
る。そこで、この内部組織による光の反射を模倣すべ
く、化粧シートの内側に光を或る規則性をもって反射さ
せ得る微細な凹凸を有する反射層を形成することが各種
試みられている。例えば、実開平5−35394号公報
では、表面に光輝性を有する不透明な熱可塑性樹脂フィ
ルムの表面に絵柄層を設けた後、絵柄層の上から特定の
線群パターンからなる溝状凹凸模様を形成し、さらに溝
状凹凸模様の表面に、凹凸の深さよりも厚くなるように
透明樹脂層を設けた化粧シートとし、これを接着剤で化
粧基材に貼着した化粧材が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、化粧シート
内部の凹凸模様による照り感の表現と、表面凹凸模様と
同調した導管表現との両方を演出できれば、よりリアル
な天然木の質感表現ができる化粧シートが得られるはず
であるが、いまだ得られていない。例えば、特公昭63
−24470号公報では、ダブリングエンボス加工の加
工条件を工夫することで、化粧シートの内部構造となる
凹凸模様を維持したまま表面にも凹凸模様を形成する方
法が開示されているが、この方法では、照り感の表現に
適した溝状凹凸模様の微細な凹凸のシャープさが熱によ
り低下して、効果が減少してしまい適用できないという
問題がある。
【0005】また、特公平4−64443号公報では、
溝状凹凸模様上の透明樹脂層として熱可塑性樹脂フィル
ムをドライラミネートする方法、さらに該透明樹脂層の
表面に導管柄を艶消インクで表現する方法を開示してい
る。しかし、この方法ではドライラミネート時の接着剤
中の残留溶剤により溝状凹凸模様のシャープさがやはり
低下する上、導管凹凸感も乏しく、上述したエンボスと
ワイピングとの組合わせに比較すれば実際には平面であ
る為、格段の差がある。また、上記のようにドライラミ
ネートで形成した透明樹脂層の表面に、導管をエンボス
加工で形成すると、加工時の熱により内部の溝状凹凸模
様が鈍り、照り感が減少し、さらには消滅してしまうこ
ともある。また、導管の凹凸模様を、硬化抑制インクを
導管柄部分に印刷した後、全面に硬化性インクを塗布し
て、導管柄部分を凹部とする試みもあるが、凹凸感は一
応得られるが、エンボスによる凹凸に比べるとシャープ
さに欠け意匠性に乏しい等という問題があった。一方、
化粧シート表面の艶を調整して艶消しとする為に、表面
層に艶消し剤を混入すると内部の光輝性層で反射されて
表面に出てくる光が鈍り、照り感が低下するという問題
もあった。
【0006】そこで、本発明では、上記問題を解決し、
内部と表面の両方の凹凸により、天然木の有する照り感
と立体的な導管の両方をリアルに表現しうる意匠性に優
れた化粧シートとその製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の化粧シ
ートでは上記課題を解決するために、不透明な熱可塑性
樹脂フィルムの片面に、少なくとも光輝性層と絵柄層を
設け、さらに前記光輝性層と絵柄層が設けられて得られ
た表面に、深さが3〜30μmで凸部と凸部の間隔が1
〜1000μmである線群状のパターンからなる溝状凹
凸模様が形成されており、さらに該溝状凹凸模様の凹部
を充填し表面全面を被覆する電離放射線硬化性樹脂から
なる透明樹脂層が積層されており、さらに該透明樹脂層
の表面には凹凸模様が形成されている構成とする。
【0008】また、本発明の化粧シートは、裏面に絵柄
層、光輝性層を、表面に第2絵柄層を設けた透明な熱可
塑性樹脂フィルムが裏面側で、不透明な熱可塑性樹脂フ
ィルムと積層され、前記光輝性層の上層側界面に、深さ
が3〜30μmで凸部と凸部の間隔が1〜1000μm
である線群状のパターンからなる溝状凹凸模様が形成さ
れており、さらに前記透明な熱可塑性樹脂フィルムの表
面側に、表面全面を被覆する電離放射線硬化性樹脂から
なる透明樹脂層が積層されており、さらに該透明樹脂層
の表面には凹凸模様が形成されている構成でもある。
【0009】また、上記化粧シートにおいて、絵柄層と
第2絵柄層との柄が同調している構成とするものでもあ
る。また、上記化粧シートにおいて、透明樹脂層の表面
の凹凸模様の凹部に着色層を有する構成とするものでも
ある。
【0010】さらに、本発明の化粧シートの製造方法
は、次の(A) 〜(D) の各工程より構成される。 (A) 不透明な熱可塑性樹脂フィルムの片面に、少なくと
も光輝性層、絵柄層を形成する工程。 (B) 上記光輝性層と絵柄層が設けられて得られた表面に
深さが3〜30μmで凸部と凸部の間隔が1〜1000
μmである線群状のパターンからなる溝状凹凸模様を、
エンボス加工により形成する工程。 (C) 上記溝状凹凸模様の凹部を完全に充填し且つ表面全
面を被覆するように、透明な電離放射線硬化性樹脂液を
塗工した後、賦形シートを表面に積層し当接した状態で
電離放射線を照射して該樹脂液を硬化させる工程。 (D) 上記賦形シートを剥離して表面に賦形シートによる
凹凸模様を有する透明樹脂層を形成する工程。
【0011】また、本発明の化粧シートの製造方法は、
次の(A) 〜(D) の各工程より構成されるものでもある。 (A) 透明な熱可塑性樹脂フィルムの裏面に絵柄層、光輝
性層を、表面に第2絵柄層を形成する工程。 (B) 上記各層が形成された透明な熱可塑性樹脂フィルム
を裏面側で、不透明な熱可塑性樹脂フィルムにダブリン
グエンボス加工により積層すると同時に、透明な熱可塑
性樹脂フィルム側又は不透明な熱可塑性樹脂フィルム側
からのエンボスにより、前記光輝性層の上層側の界面に
深さが3〜30μmで凸部と凸部の間隔が1〜1000
μmである線群状のパターンからなる溝状凹凸模様を形
成する工程。 (C) 上記溝状凹凸模様の凹部を完全に充填し且つ表面全
面を被覆するように、透明な電離放射線硬化性樹脂液を
塗工した後、賦形シートを表面に積層し当接した状態で
電離放射線を照射して該樹脂液を硬化させる工程。 (D) 上記賦形シートを剥離して表面に賦形シートによる
凹凸模様を有する透明樹脂層を形成する工程。
【0012】また、上記製造方法で得られた化粧シート
に対して、さらのその表面の凹凸模様の凹部に、着色層
を形成する工程を付加する製造方法でもある。
【0013】以下、図面に従って本発明を詳述する。図
1は本発明の化粧シートの一実施例を示す縦断面図であ
る。同図では、本発明の化粧シート1は、不透明な熱可
塑性樹脂フィルム2を用い、その表面上に光輝性層3及
び絵柄層4を設け、この状態の表面に溝状凹凸模様5を
形成し、さらに溝状凹凸模様5の凹部を完全に充填し、
表面全面を被覆するように電離放射線硬化性樹脂からな
る透明樹脂層6を形成し、さらに透明樹脂層6の表面に
は前記電離放射線硬化性樹脂の硬化前に賦形シートSを
表面に積層して当接した後、硬化させて、賦形シートを
剥離して凹凸模様7を設けたものである。賦形シートS
は、基材シートS1上に賦形凹凸模様S2が形成された
ものである。また、図1において表面の凹凸模様7の凹
部にワイピング加工により、着色層8を形成した態様も
ある。
【0014】また、図2は、図1の絵柄層が一層である
のに対して、絵柄層とは別に該絵柄層と離れた層として
第2絵柄層を設けて二層構成とした本発明の化粧シート
の他の実施例を示す縦断面図である。図2に示す構成の
本発明の化粧シートでは、先ず、透明な熱可塑性樹脂フ
ィルムの表面側に第2絵柄層41を、裏面側には絵柄層
4と光輝性層3を設け、得られたフィルムを不透明な熱
可塑性樹脂フィルム2とダブンリングエンボス加工によ
り積層する。その際、下側の不透明な熱可塑性樹脂フィ
ルム2側から又は上側の透明な熱可塑性樹脂フィルム側
から、溝状凹凸模様5が光輝性層3の上側界面に形成で
きる様にエンボス加工を行い、さらに、その後、透明な
熱可塑性樹脂フィルムの第2絵柄層が設けられた表面全
面を被覆するように電離放射線硬化性樹脂からなる透明
樹脂層6を形成し、その際、前記電離放射線硬化性樹脂
の硬化時に賦形シートを表面に当接した後、剥離して凹
凸模様7を設け、さらに、凹凸模様7の凹部に、ワイピ
ング加工により着色層8を形成したものである。着色層
8は省略する態様もある。
【0015】また、図3は、図1の態様において、マッ
ト状の賦形凹凸模様S2を有する賦形シートを用いて、
透明樹脂層6の表面を艶消し表面の凹凸模様7を形成し
た本発明の化粧シートの他の実施例を示す縦断面図であ
る。
【0016】先ず、本発明の化粧シートを構成する不透
明な熱可塑性樹脂フィルム2から説明する。不透明な熱
可塑性樹脂フィルム2としては、化粧シートが貼られる
基材を隠蔽する為に不透明で着色又は非着色のものを使
用する。このようなフィルムとしては、通常、着色塩化
ビニル樹脂のフィルムが用いられるが、この他にも、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢
酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリビニルブチラー
ル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール
共重合体等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重
合体、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹
脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリロニトリル
等のアクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・
ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリルスチレン等
のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、ナイ
ロン6、ナンロン66等のポリアミド樹脂、ポリビニル
アルコール、ポリカーボネート等の樹脂等からなる公知
のフィルムが用いられ得る。フィルムを不透明にするに
は、二酸化チタン、カーボンブラック、弁柄等の顔料等
を練り混む。フィルムの厚みは、通常0.02〜5mm程
度を用いる。なお、図3に示す第2絵柄層も設けた構成
で、エンボスによる溝状凹凸模様の形成を不透明な熱可
塑性樹脂フィルム側から行う場合は、フィルムが厚すぎ
るとエンボスが内部まで十分に届かないので、厚みは
0.07mm以下が好ましい。
【0017】また、第2絵柄層も設けた構成で使用する
透明な熱可塑性樹脂フィルム9は、下側の絵柄層と垂直
方向で距離を隔てて第2絵柄層を配置するためのもので
あり、従って、透明な熱可塑性樹脂フィルムとしては、
奥行き感を表現できる程度の垂直方向の距離を確保でき
る厚みで、なお且つ下側の絵柄層が透視でき、光輝性層
まで達した光が反射して表面まで戻り得る程度の透明性
が少なくともあればよい。また、透明性があれば着色さ
れていても良く、また半透明であっても構わない。透明
な熱可塑性樹脂フィルムとしては、上記した不透明な熱
可塑性樹脂フィルムに用い得る樹脂からなる公知のフィ
ルムが使用できる。フィルムの厚みは、通常0.02〜
0.5mm程度であるが、薄すぎると絵柄層と第2絵柄層
の距離が近すぎて奥行き感が得られないため、0.05
mm以上とすることが好ましい。厚すぎると奥行き感は大
きくなるが、コスト高となる。
【0018】光輝性層3は、照り感を表現するために化
粧シート内部内で光を反射させるものであり、光反射性
があれば良く、金属層や、光輝性顔料を有するインクの
印刷層として全面又は模様をなすパターン状に形成す
る。金属層として形成する場合は、アルミニウム、クロ
ム、銅、鉄、ニッケル等の金属又は合金等を真空蒸着、
スパッタリング、無電解メッキ等の公知の方法で設け
る。この場合、光輝性層の厚さは、通常4〜1000Å
程度が好ましい。また、印刷層として形成する場合は、
光輝性顔料を有する光輝性インクをグラビア印刷、フレ
キソ印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷手段に
より設ける。光輝性顔料としては、金粉、銀粉、アルミ
ニウム粉、銅粉、真鍮粉等の金属粉や金属薄片、あるい
は金属蒸着した合成樹脂フィルムの裁断片等の金属光沢
を有する金属光沢顔料や、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗
片、塩化酸化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する
パール顔料等の公知の光輝性顔料が用いられ得るが、中
でも二酸化チタン被覆雲母が好ましい。これらの光輝性
顔料を、公知のビヒクルに混合したものを光輝性インク
として使用する。ビヒクルにはビニル系、アクリル系、
アミノ系、アミノアルキッド系、ポリウレタン系、セル
ロース系、ブチラール系等の樹脂を用いる。この場合、
光輝性層の厚さは、通常1〜10μm程度が好ましい。
また、インクからではなく、塗液として調整して塗布に
より形成しても良い。なお、光輝性層は、不透明な熱可
塑性樹脂の中に光輝性顔料を練混み、不透明な熱可塑性
樹脂と一体とすることもできる。
【0019】絵柄層4及び第2絵柄層41は、天然木の
木目模様、或いは大理石、御影石等の石目模様、布目模
様、或いは図形、記号等の抽象模様等の各種模様を化粧
シートの用途により適宜用いる。本発明の化粧シートで
は特に天然木の木目模様等の再現に適している。絵柄層
は、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹
脂、アミノアルキッド樹脂、ブチラール樹脂等を用いた
ビヒクルに、必要に応じて顔料、染料等の着色剤、体質
顔料、安定剤、可塑剤等を混合した公知の印刷インク
を、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印
刷等の公知の印刷手段により形成する。また、上側の第
2絵柄層を下側の絵柄層とを表裏同調印刷(例えば、特
願平5−286243号の様に、ターンバーを用いてフ
ィルムを反転させてインラインで表裏に同時印刷する)
等により同調させて形成すると、意匠感が一段と高めら
れる。
【0020】溝状凹凸模様5は、光輝性層3によって反
射される光の反射方向を制御して、天然木の照り感等の
内部光反射に起因する意匠感を表現するものである。図
4は溝状凹凸模様の断面の拡大図であり、いわゆる万線
パターンといわれる、多数の線群からなる線群状のぱタ
ーンである。同図に示すように溝状凹凸模様は、溝の深
さが3〜30μmで、凸部と凸部との間隔が1〜100
0μの形状であり、天然木の照り感の表現には凸部間隔
は、より好ましくは1〜100μm程度である。深さ及
び凸部間隔は、線群で一定である必要はなく、後述する
図5(d)のような区画を有する場合には区画毎に値を
変えたり、あるいは隣接した線間で、少しずつ変化させ
たりしてもよい。このように形状を変化させることによ
り、光の反射効果を場所によって微妙に変化させること
もできる。
【0021】図5は、以上のような万線パターンからな
る溝状凹凸模様の各種態様を示す平面図である。図5
(a)は、ウェーブ状の平行曲線群10からなる万線パ
ターン、図5(b)は複数の区画で異なる方向を有する
多数の直線群からなる万線パターン、図5(c)は平行
曲線群10と平行直線群11とを組合わせた万線パター
ン、図5(d)は閉曲線の平行曲線群10からなる万線
パータン、図5(e)は、複数の区画で異なる方向を有
する平行曲線群からなる万線パターン、図5(f)は、
関数曲線の関数パラメータを変化させて各曲線間の間隔
が線方向に変化する非平行曲線群12からなる万線パタ
ーンを示す。また図5(g)に示す様な、オシロスコー
プで音声を観測して得られる測定波形を利用した測定曲
線群13かなる万線パターン等であってもよい。上記関
数曲線には、例えば正弦波曲線、サイクロイド曲線、楕
円関数曲線、ベッセル関数曲線等があり、測定波形には
物体の表面粗さを測定してペンレコーダで出力した波形
等各種が利用できる。中でも、正弦波曲線等のウェーブ
状曲線群によりなる万線パターンは天然木の照りの移動
感を現出する基本的なパターンして好ましい。このよう
に、溝状凹凸模様を形成する線群状のパターンは、隣接
した線が有する凹凸が、その深さ及び凹凸間隔を同一に
又は微妙に変える線群、またこれらの線群を区画して組
合わせることにより、光の反射模様を演出するものであ
る。
【0022】上記の様な溝状凹凸模様は、化粧シート内
部に進入した光の反射を該溝状凹凸模様の凹凸面によっ
て行わせるのが目的であるから、光反射機能層である光
輝性層の少なくとも上面側の界面に形成されている。
【0023】溝状凹凸模様の形成は、平圧式又は円圧式
のエンボス加工によって行う。形成方法には、溝状凹凸
模様の位置によって二種類の方法がある。第1の方法
は、図1及び図2等に例示される様な、第2絵柄層を設
けない一層構成の絵柄層からなる化粧シートに適用され
る方法である。すなわち、不透明な熱可塑性樹脂フィル
ムの片面に、通常は全面に光輝性層を設け、さらにその
上に、通常は前記光輝性層の一部が露出するように模様
として形成された絵柄層を設けた結果得られる表面、す
なわち表面に露出している層は、絵柄層と絵柄層の模様
の一部から露出している光輝性層とであり、それら表面
に、直接エンボス版を加熱下で圧接して溝状凹凸模様を
エンボス加工により形成する。
【0024】溝状凹凸模様を形成する第2の方法は、図
3に例示される様な、第2絵柄層も設けた二層構成の絵
柄層からなる化粧シートに適用される方法である。すな
わち、絵柄層及び光輝性層と第2絵柄層を担持させた透
明な熱可塑性樹脂フィルムと、不透明な熱可塑性樹脂フ
ィルムとを、ダブリングエンボス加工により積層する際
に、同時に賦形する方法である。通常のダブリングエン
ボス加工では、賦形は表面を目的とするが、本発明の化
粧シート及びその製造方法においては、内部の賦形を目
的とし、エンボス版が圧接した表面に得られる表面凹凸
は結果として得られるものに過ぎない。目的とする賦形
面が内部界面であるから、さらに、エンボス版を圧接さ
せ面により、表面側(透明な熱可塑性樹脂フィルム側)
と、裏面側(不透明な熱可塑性樹脂フィルム側)とから
の二種類のエンボス方法がある。
【0025】一方、使用するフィルムにおいては、エン
ボス版の圧接面側と、反対側のそれぞれの熱可塑性樹脂
フィルムの厚さを、反対面側に対して圧接面側の方を薄
くした方が、内部の微細な溝状凹凸模様を十分に賦形す
ることができる。また、絵柄層と第2絵柄層とによる奥
行き感を十分に表現するには、透明な熱可塑性樹脂フィ
ルムは厚めの方が好ましく、この点では、エンボス版の
圧接面は下側の不透明な熱可塑性樹脂フィルム側とする
方が好ましい。但し、表現すべき奥行き感次第では、上
側の透明な熱可塑性樹脂フィルムから行っても良い。
【0026】ダブリングエンボス加工による方法では、
絵柄層と光輝性層を下側の不透明な熱可塑性樹脂フィル
ムに設け、第2絵柄層を上側の透明な熱可塑性樹脂フィ
ルムに設けても、積層された結果の層構成は同じである
が、絵柄層と第2絵柄層を同調させるためには、それら
の層を同一のフィルムに設けた方が良い。この場合で
も、光輝性層だけを下側の透明な熱可塑性樹脂フィルム
に設けても、積層して得られる層構成は同じであるが、
それぞれのフィルムに印刷加工が必要となり、コスト高
となる。従って、光輝性層、絵柄層、第2絵柄層をすべ
て同一の上側の透明な熱可塑性樹脂フィルムに設ける製
造方法がもっとも優れている。
【0027】透明樹脂層5は、透明な電離放射線硬化性
樹脂液を表面に塗布後、硬化させて形成する。なお、透
明樹脂層は、透明性があれば着色されていても良く、ま
た半透明であっても構わない。透明樹脂層に電離放射線
硬化性樹脂を使用すると、電離放射線硬化性樹脂は硬化
に熱が不要のため、熱硬化性樹脂の様に硬化時の熱で微
細な溝状凹凸模様が鈍ることを防止できる。また、液状
で且つ無溶剤とできるため、直接溝状凹凸に接する場合
でも溶剤で溝状凹凸模様が変形することを防止できると
いう利点がある。
【0028】透明樹脂層を形成する電離放射線硬化性樹
脂としては、公知の紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性
樹脂が使用できる。このような電離放射線硬化性樹脂と
しては、例えば、分子中に(メタ)アクリロイル基
〔「(メタ)アクリロイル」の(メタ)の意味は、アク
リロイル又はメタクリロイルを意味する。以下、同
様。〕等のエチレン性不飽和基やエポキシ基等の光重合
性官能基を2個以上有するオリゴマー、及び/又は単官
能並びに多官能の単量体を適宜混合したものである。前
記オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アク
リレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステ
ル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレ
ート、メラミン(メタ)アクリレート等の(メタ)アク
リレート類、不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂類、
あるいは、ポリエン/ポリチオール類等が挙げられる。
【0029】前記単官能又は多官能の単量体としては、
例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系
単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、
(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル
酸フェニル、(メタ)メタクリル酸ラウリル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸−2−
(N、N−ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル
酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)エチル等の不飽
和酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、等
の単官能単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、等の複数の
(メタ)アクリロイル基を有する多官能単量体、あるい
は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオー
ル化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグ
リコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレ
ート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等が
挙げられる。
【0030】また、電離放射線硬化性樹脂と共に非電離
放射線硬化性樹脂を併用してもよい。非電離放射線硬化
性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、セルロース
系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール
等のポリビニルアセタール系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体等が挙げられる。なお、非電離放射線硬化
性樹脂の配合量は、通常1〜70重量%の範囲、好まし
くは、5〜50重量%の範囲で用いる。非電離放射線硬
化性樹脂を併用することで、電離放射線硬化性樹脂液の
粘度を制御して塗工適性を調整し、また、特に硬化物の
硬度、可撓性等をバランスして所望の物性にさせること
ができる。
【0031】以上の電離放射線硬化性樹脂及び適宜使用
する非電離放射線硬化性樹脂とからなる組成物を電離放
射線硬化性樹脂液として使用するが、電離放射線硬化性
樹脂液には、さらに、紫外線あるいは電子線等による硬
化を阻害しない範囲で、適宜、着色剤、充填剤、安定
剤、熱重合禁止剤、さらに場合によっては艶消し剤等の
添加剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化性樹脂
液は、常温でそれ自身液状であることが好ましい。固形
の場合、溶剤を添加して液状にできるが、透明樹脂層を
溝状凹凸模様に接して設ける態様において、溶剤により
光輝性層や絵柄層が溶解して溝状凹凸模様が鈍ることが
あり、好ましくない。
【0032】なお、電離放射線としては、可視光線、紫
外線、X線等の電磁波、電子線等の粒子線があるが、通
常は紫外線又は電子線が用いられる。また、電離放射線
として紫外線を用いる場合は、上述した成分の他にさら
に、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、チオキサン
トン類等の公知の光重合開始剤、また、n−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン等のアミン類、トリ−n−ブチル
ホスフィン等の公知の光増感剤等を添加する。
【0033】上記した液状の透明な電離放射線硬化性樹
脂を、グラビアコート、コンマコート、フローコート、
ロールコート、スプレーコート、刷毛塗り等の公知の塗
布方法により塗工後、さらに賦形シートを表面に積層し
て電離放射線硬化性樹脂に当接した後、紫外線、電子線
等の電離放射線の照射で硬化させることで、凹凸模様を
有する透明樹脂層が得られる。透明樹脂層の厚みは、通
常10〜100μm程度である。
【0034】透明樹脂層6の表面に形成される凹凸模様
7は、化粧シート外表面の立体的な模様を再現するもの
で、木目調の化粧シートでは、例えば、窪んだ導管柄を
表現するものである。凹凸模様の形成は、前記電離放射
線硬化性樹脂を硬化させて透明樹脂層を形成する際に、
予め塗布された電離放射線硬化性樹脂の表面に賦形シー
トSを積層して当接した状態としてから硬化させて、そ
の後、賦形シートを剥がす(以下、この方法を「賦形硬
化法」という。)ことで形成する。この賦形硬化法で
は、透明樹脂層を通常の熱可塑性樹脂あるいはその他の
樹脂により積層した後、エンボス等の外的熱圧により表
面に凹凸模様を形成する方法に対して、電離放射線硬化
性樹脂が硬化前の液状の状態で賦形シートを積層した後
に樹脂を硬化させて凹凸模様を形成する為、凹凸模様を
形成する際に内部の溝状凹凸模様が変形される様な熱圧
がかからず、その形状が維持できる。
【0035】さらに、導管柄の凹凸模様においては、該
凹凸模様の凹部に公知のワイピング加工によってワイピ
ングインキを形成すると、よりリアルな導管柄を表現で
きる。
【0036】また、透明樹脂層6の表面に形成される凹
凸模様7としては、前記賦形硬化法により、導管柄以外
にも、表面に微小なマット状の凹凸を有する賦形シート
を使用して、艶消し表面としたり表面の艶調整を行うこ
ともできる。表面の艶消しは、透明樹脂層中に艶消し剤
を添加することでも達成できるが、この場合は、透明樹
脂中の艶消し剤の影響で、光が透明樹脂層下の光輝性層
に到達して反射し表面まで戻って反射光となって照り感
を現出する作用機構において、光の進路を妨害して、光
輝性層の効果を低下させてしまう。しかし、賦形硬化法
によって透明樹脂層の表面形状をマット状にすることで
艶消し効果を現出させる場合には、上記のような光輝性
層の効果を低下させることがなく、優れた意匠感が得ら
れる。
【0037】なお、本発明の化粧シート及びその製造方
法に使用し得る賦形シートSとして、基材シートS1に
賦形凹凸模様S2を形成する方法としては、エンボス加
工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、あるいは基
材シート中へのマット剤の練り込みや、マット剤を含有
した塗液の塗布等による方法や、或いは、特開平2−1
31175号公報や、特願平3−336271号公報に
開示されている様な方法で形成すれば良い。すなわち、
前記公報に開示されている方法では、賦形凹凸模様S2
の凹凸形状と逆の凹凸形状を有するロール凹版に電離放
射線硬化性樹脂液を充填し、これに基材シートS1を重
ねて、重ねたまま紫外線や電子線等の電離放射線を基材
シート側から照射して(ロール凹版がガラス等で透明な
場合はロール凹版の内側からも可能)、電離放射線硬化
性樹脂液を硬化させ、その後、基材シートをロール凹版
から剥離することにより、硬化した電離放射線硬化性樹
脂液が所望の凹凸形状を有する賦形シートを得ることが
できる。
【0038】図6は上記方法で電離放射線硬化性樹脂液
で賦形シートSを製造する装置の一例を示した概念図で
ある。同図において、71は形成する賦形凹凸模様S2
と逆形状(すなわち凹凸形状7と同形状)の凹部72が
設けられたロール凹版、73は電離放射線硬化性樹脂
液、Sは基材シート、74はロール凹版に当接して基材
シートSをロール凹版71に圧接する押圧ロール、75
は基材シートSの走行を支えるガイドロール、76は剥
離ロール、77a及び77bは電離放射線硬化性樹脂液
を硬化するための電離放射線照射装置、S2は電離放射
線硬化性樹脂液の硬化物として基材シートS1上に形成
した賦形凹凸模様、Sは賦形凹凸模様S2を基材シート
S1上に有する賦形シート、78は電離放射線硬化性樹
脂液の塗工装置である。
【0039】ロール凹版71は円筒状の版材であり、こ
れに所望の賦形凹凸模様S2の形状と逆形状の凹部72
を設けるには、円筒状の版材に直接旋盤加工したり、電
鋳法で形成したミルによるミル加工等で切削する方法、
電鋳法、あるいはフォトエッチング法等により行う。ロ
ール凹版の材質としては、銅、クロム、鉄等の金属、N
BR、エポキシ樹脂、エボナイト等の合成樹脂、ガラス
等のセラミックス等が使用できる。また、ロール凹版の
大きさは特に限定されるものではい。なお、図示はしな
いがロール凹版は駆動装置に接続されており軸芯の回り
に矢印方向に回転駆動され、基材シートの走行速度と同
期する周速で回転させる。
【0040】なお、基材シートS1としては、基材シー
ト側から電離放射線を照射する場合は電離放射線透過性
の材料であればよく、又はロール凹版側から照射する場
合は、金属箔の様な電離放射線不透過性のものでも構わ
ない。電離放射線透過性の材料としては、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート
−イソフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等の厚さ
10〜300μm程度、好ましくは20〜100μm程
度であり、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムが強度等の点で適している。また、賦形凹凸模
様S2を形成する電離放射線硬化性樹脂としては、前記
透明樹脂層の形成にて挙げた各種電離放射線硬化性樹脂
が使用できる。
【0041】かくして、上述した本発明の化粧シート及
びその製造方法によって、優れた意匠性を有する化粧シ
ートが得られる。また、本発明の化粧シートは特に木目
調の表現に適するが、その他、優れた深みや立体感、照
り感等を生かして、石目、布目、或いは抽象柄等の種々
の意匠表現に利用することができる。
【0042】
【作用】本発明の化粧シートでは、内部の光輝性層の光
反射面に溝状凹凸模様を有するため、照り感が、また内
部の絵柄層及び光輝性層により深みが表現される。また
表面の凹凸模様により立体感が表現される。その結果、
天然木の照り感及び導管の質感がリアルに表現される。
また、表面の凹凸模様をマット化することで、艶消表面
が光輝性層の効果を低下させることなく表現される。ま
た、内部の絵柄層を第2絵柄層との二層にした構成で
は、より豊かな奥行き感が表現される。しかも、絵柄層
と第2絵柄層とを同調させることで、よりリアルな奥行
き感、意匠感が表現される。また、表面の凹凸模様の凹
部にインクを形成することで、表面の立体的模様がより
豊かに表現される。
【0043】本発明の化粧シートの製造方法では、内部
凹凸となる溝状凹凸模様に接する透明樹脂層及びその表
面の凹凸模様の形成を、電離放射線硬化性樹脂を使用し
て、しかも電離放射線硬化性樹脂の硬化前に賦形シート
を積層して硬化させた後、賦形シートを剥離して賦形シ
ートにより凹凸模様を形成する賦形硬化法による行うの
で、エンボスによる凹凸模様の形成の様に熱圧が内部の
溝状凹凸模様に影響して、溝状凹凸模様のシャープさを
低下させない。さらに、第2絵柄層を設ける製造方法で
は、上記作用以外に、透明な熱可塑性樹脂フィルムに同
一の透明な熱可塑性樹脂フィルムの表裏に二層の絵柄層
を形成するため、それらを同調させることも可能とな
る。
【0044】
【実施例】以下、本発明の化粧シートとその製造方法
を、具体的な実施例で説明する。
【0045】《実施例1》着色塩化ビニルフィルム(厚
み0.15mm、可塑剤23phr)の片面に、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル系樹脂のパールインクで光輝性層を全面
に、さらにその上に、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂の
インクで木目柄の絵柄層を、グラビア印刷により形成し
た。ついで、上記印刷表面に対して、溝状凹凸模様とし
て深さ6μm、凸部間隔70μmで正弦波状の平行曲線
群からなる万線パターンを施したエンボスロールを用い
てエンボス加工を行って中間シートとした。エンボス条
件は、加熱ドラム温度165℃、版面温度70℃、エン
ボス圧4MPa、ランイスピード10m/minとし
た。上記中間シートの溝状凹凸模様形成面に、グラビア
リバース法により、ウレタンアクリレート系紫外線硬化
性樹脂液を膜厚20μmに塗工し、次いで厚み25μm
のポリエチレンテレフタレートの片面に導管形状の賦形
凹凸模様を有する賦形シートの賦形凹凸模様面側を電離
放射線硬化性樹脂液に当接するように積層し、その状態
で紫外線を照射して硬化させた後、賦形シートを剥離し
て透明樹脂層とした。照射条件は160W/cm×2
灯、ラインスピード20m/minとした。かくして、
表面に導管形状の凹凸模様を有する本発明の化粧シート
が得られた。
【0046】《実施例2》実施例1において賦形シート
として表面がマット状のポリエチレンテレフタレートシ
ートを用いた他は、実施例1と同様にして本発明の化粧
シートを得た。
【0047】《実施例3》透明塩化ビニルフィルム(厚
み0.1mm、可塑剤23phr)の表裏に塩化ビニル−
酢酸ビニル系樹脂のインクで木目柄の絵柄層を、さらに
裏面側のみ塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂のパールイン
クで光輝性層を全面に形成した。次にロールエンボス法
を用いて、上記で得たシートの光輝性層が形成された裏
面側と、着色透明塩化ビニルフィルム(厚み0.06m
m、可塑剤23phr)とを貼り合わせ、且つ、溝状凹
凸模様として深さ6μm、凸部間隔70μmで正弦波状
の平行曲線群からなる万線パターンを施したエンボスロ
ールを用いて着色塩化ビニルフィルム側からエンボス加
工を行って中間シートとした。エンボス条件は、加熱ド
ラム温度165℃、版面温度70℃、エンボス圧4MP
a、ランイスピード10m/minとした。上記中間シ
ートの絵柄層が露出形成されている表面側に、実施例1
と同様にして電離放射線硬化性樹脂液と賦形シートを用
いて表面に導管形状の凹凸模様を有する透明樹脂層を形
成した。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の化粧シー
トによれば、優れた深み、奥行き感、照り感、表面立体
感を表現できる。特に、木目の照り感と表面の立体的な
導管柄の表現を両立して表現できる為、極めてリアルな
天然木の質感表現ができる。また、本発明の化粧シート
の製造方法によれば、照り感の表現に使用する内部の溝
状凹凸模様のシャープさを低下させることなく、シート
表面の導管溝等の表現に使用するエンボスによる凹凸模
様の形成が可能となる。また、照り感を低下させること
なく艶消表面の形成も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの一実施例を示す縦断面
図。
【図2】本発明の化粧シートの他の実施例を示す縦断面
図。
【図3】本発明の化粧シートの他の実施例を示す縦断面
図。
【図4】本発明の化粧シートで用いる溝状凹凸模様の拡
大断面図。
【図5】本発明の化粧シートに用いる溝状凹凸模様の各
種例を示す平面図。
【図6】本発明の化粧シートの凹凸模様の形成に使用し
得る賦形シートの製造装置の概念図。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 不透明な熱可塑性樹脂フィルム 3 光輝性層 4 絵柄層 41 第2の絵柄層 5 溝状凹凸模様 6 透明樹脂層 7 凹凸模様 8 着色層 9 透明な熱可塑性樹脂フィルム 10 平行曲線群 11 平行直線群 12 非平行曲線群 13 測定曲線群 71 ロール凹版 72 凹部 73 電離放射線硬化性樹脂液 74 押圧ロール 75 ガイドロール 76 剥離ロール 77a,77b 電離放射線照射装置 78 塗工装置 S 賦形シート S1 基材シート S2 賦形凹凸模様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 3/30 9349−4F 15/08 H 27/00 E 9349−4F 27/16 9349−4F // B29K 101:12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不透明な熱可塑性樹脂フィルムの片面
    に、少なくとも光輝性層と絵柄層を設け、さらに前記光
    輝性層と絵柄層が設けられて得られた表面に、深さが3
    〜30μmで凸部と凸部の間隔が1〜1000μmであ
    る線群状のパターンからなる溝状凹凸模様が形成されて
    おり、さらに該溝状凹凸模様の凹部を充填し表面全面を
    被覆する電離放射線硬化性樹脂からなる透明樹脂層が積
    層されており、さらに該透明樹脂層の表面には凹凸模様
    が形成されていることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 裏面に絵柄層、光輝性層を、表面に第2
    絵柄層を設けた透明な熱可塑性樹脂フィルムが裏面側
    で、不透明な熱可塑性樹脂フィルムと積層され、前記光
    輝性層の上層側界面に、深さが3〜30μmで凸部と凸
    部の間隔が1〜1000μmである線群状のパターンか
    らなる溝状凹凸模様が形成されており、さらに前記透明
    な熱可塑性樹脂フィルムの表面側に、表面全面を被覆す
    る電離放射線硬化性樹脂からなる透明樹脂層が積層され
    ており、さらに該透明樹脂層の表面には凹凸模様が形成
    されていることを特徴とする化粧シート。
  3. 【請求項3】 絵柄層と第2絵柄層との柄が同調してい
    ることを特徴とする請求項2記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 透明樹脂層の表面の凹凸模様の凹部に着
    色層を有することを特徴とする請求項1,2又は3記載
    の化粧シート。
  5. 【請求項5】 次の(A) 〜(D) の各工程よりなることを
    特徴とする化粧シートの製造方法。 (A) 不透明な熱可塑性樹脂フィルムの片面に、少なくと
    も光輝性層、絵柄層を形成する工程。 (B) 上記光輝性層と絵柄層が設けられて得られた表面に
    深さが3〜30μmで凸部と凸部の間隔が1〜1000
    μmである線群状のパターンからなる溝状凹凸模様を、
    エンボス加工により形成する工程。 (C) 上記溝状凹凸模様の凹部を完全に充填し且つ表面全
    面を被覆するように、透明な電離放射線硬化性樹脂液を
    塗工した後、賦形シートを表面に積層し当接した状態で
    電離放射線を照射して該樹脂液を硬化させる工程。 (D) 上記賦形シートを剥離して表面に賦形シートによる
    凹凸模様を有する透明樹脂層を形成する工程。
  6. 【請求項6】 次の(A) 〜(D) の各工程よりなることを
    特徴とする化粧シートの製造方法。 (A) 透明な熱可塑性樹脂フィルムの裏面に絵柄層、光輝
    性層を、表面に第2絵柄層を形成する工程。 (B) 上記各層が形成された透明な熱可塑性樹脂フィルム
    を裏面側で、不透明な熱可塑性樹脂フィルムにダブリン
    グエンボス加工により積層すると同時に、透明な熱可塑
    性樹脂フィルム側又は不透明な熱可塑性樹脂フィルム側
    からのエンボスにより、前記光輝性層の上層側の界面に
    深さが3〜30μmで凸部と凸部の間隔が1〜1000
    μmである線群状のパターンからなる溝状凹凸模様を形
    成する工程。 (C) 上記溝状凹凸模様の凹部を完全に充填し且つ表面全
    面を被覆するように、透明な電離放射線硬化性樹脂液を
    塗工した後、賦形シートを表面に積層し当接した状態で
    電離放射線を照射して該樹脂液を硬化させる工程。 (D) 上記賦形シートを剥離して表面に賦形シートによる
    凹凸模様を有する透明樹脂層を形成する工程。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の製造方法で得た化
    粧シートの表面の凹凸模様の凹部に、着色層を形成する
    ことを特徴とする化粧シートの製造方法。
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