JP3241142B2 - 凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート及び絵付け成形品の製造方法 - Google Patents

凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート及び絵付け成形品の製造方法

Info

Publication number
JP3241142B2
JP3241142B2 JP2488393A JP2488393A JP3241142B2 JP 3241142 B2 JP3241142 B2 JP 3241142B2 JP 2488393 A JP2488393 A JP 2488393A JP 2488393 A JP2488393 A JP 2488393A JP 3241142 B2 JP3241142 B2 JP 3241142B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
sheet
thermoplastic resin
decorative
decorative sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2488393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06210816A (ja
Inventor
荒木  登
浩之 阿竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2488393A priority Critical patent/JP3241142B2/ja
Publication of JPH06210816A publication Critical patent/JPH06210816A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3241142B2 publication Critical patent/JP3241142B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凹凸模様と鏡面光沢を
有し、成形品の表面化粧用に用いられる成形用化粧シー
の製造方法及び、合成樹脂成形品等の表面が上記化粧
シートによって絵付けされた成形品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂成形品の表面に美麗な外観を付
与するために、成形品の表面に成形用化粧シートを、真
空成形、圧空成形、射出成形同時貼り合せ等の技術によ
り貼ることが行われる。上記成形用化粧シートとして
は、材料に安価で成形性がよいことポリ塩化ビニル(P
VC)シートが基材シートとして用いられ、該基材シー
トの表面に絵柄を印刷形成し、更に該絵柄の表面に透明
なPVCシートを積層してなるものが用いられていた。
【0003】上記の成形用化粧シートは、透明なPVC
シート(透明樹脂層)の下の印刷形成した絵柄等をより
鮮明に現出させるために、PVCシートの表面を鏡面ロ
ール等で加熱プレスし鏡面光沢を付与して、表面の光沢
度を高めた高光沢(ハイグロス)化粧シートとすること
が行われている。また、上記の化粧シートの意匠性を向
上させるために、透明なPVCシートの裏面側や基材シ
ートの表面にエンボス加工による凹凸模様を設け、内部
凹凸により照り感を有する意匠性が高められた化粧シー
トが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
意匠性を高めた凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧
シートは、例えば、絵柄を印刷形成したPVCシート
にエンボスによる凹凸模様を設け、PVCシートに透
明樹脂層や裏打ち樹脂層をラミネート等で積層し、更に
表面の透明樹脂層を鏡面加工する等の工程を経ること
が必要であった。そのため、少なくとも〜の3つの
工程が必要であり、製造に手間がかかりハイグロス成形
用化粧シートは高価になってしまうという欠点があっ
た。また、エンボス加工による凹凸はラミネート時の熱
や圧力によって消失し易く、意匠的により優れたものが
要望されていた。
【0005】また、成形用化粧シートを用いてなる絵付
け成形品は、より意匠的に優れ安価なものが要望されて
いた。
【0006】本発明は上記従来技術の欠点を解消しよう
とするものであり、製造が容易でより安価で且つ意匠性
に優れた凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート
の製造方法を提供すること、および、意匠性に優れ安価
な絵付け成形品が得られる製造方法を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の凹凸模様と鏡面
光沢を有する成形用化粧シートの製造方法は、模様層が
設けられた熱可塑性樹脂フィルムと表面に凹凸模様を有
する賦形用シートとを、該賦形用シートの凹凸模様が上
記熱可塑性樹脂フィルムと接するように重ね合わせ、少
なくとも熱可塑性樹脂フィルムの側鏡面に形成された
加熱体で加熱プレスして積層一体化、熱可塑性樹脂フ
ィルムの表面側鏡面光沢に形成することを特徴とす
る。
【0008】上記の凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用
化粧シートの製造方法において、熱可塑性樹脂フィルム
に設けられた模様層が、少なくとも全面ベタ光輝性層を
有することが好ましい。また、上記賦形用シートの凹凸
模様は、深さ1〜100μmの凸部と凹部の間隔が1〜
1000μmである、平行曲線群、平行曲線群と平行直
線群を組み合わせてなる線群、或いは関数曲線をその関
数パラメーターを変化させて隣合う曲線間の間隔を線方
向に滑らかに変化させた非平行曲線群から選ばれた線群
パターンからなる凹凸模様であることが好ましい。
【0009】また、本発明成形用化粧シートの製造方法
は熱可塑性樹脂フィルムの表面に更に透明性を有する熱
可塑性樹脂フィルムを積層して加熱プレスして積層一体
化す こともできる。
【0010】また、上記の成型用化粧シートの製造方法
において、鏡面光沢に形成した熱可塑性樹脂フィルムの
表面に保護層を設けることができる。
【0011】本発明の絵付け成形品の製造方法は、立体
形状を有する成形品表面に、上記の製造方法により得ら
れた凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シートを積
層一体化してなることを特徴とする。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基き詳細に説明
する。図面は本発明の実施例を示し図1は本発明の製造
方法により得られた凹凸模様と鏡面光沢を有する成型用
化粧シート(以下成型用化粧シートと略記する)の1例
を示す断面図である。
【0013】図1に示すように本発明の成形用化粧シー
ト1は例えば絵柄模様層5と光輝性層6からなる模様層
4が設けられた熱可塑性樹脂フィルム2の表面3が鏡面
光沢に形成され、該フィルム2の裏面側に凹凸模様8が
形成され、鏡面光沢に形成した表面に保護層16が形成
されたものである。上記熱可塑性樹脂フィルム2の凹凸
模様8は、凹凸模様8に対応する凹凸を有する賦形用シ
ートにより形成され、この凹凸模様8の形成は表面3の
鏡面光沢を鏡面に形成さた加圧体を用いた加熱プレスに
より形成するのと同時に形成される。
【0014】本発明において用いられる熱可塑性樹脂フ
ィルム2は、厚みが12〜200μm程度の、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコー
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニル
アルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエ
ステル樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリアクリル
酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル等のアクリル樹
脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS)、三酢酸セルロース、セロハ
ン、ポリカーボネート等の樹脂フィルム又はシートが用
いられる。
【0015】本発明成形用化粧シートに用いられる凹凸
模様8は、各種の凹凸、艶のものが使用可能であり、例
えば、木目、石目、布目、砂目等の天然物の凹凸形状を
模写したもの、文字記号、万線、各種の抽象模様、各種
艶消し表面等が用いられる。特に化粧シート1に照り外
観を現出させるために設ける凹凸模様としては、図2
(a) 〜(e) に示すような各種線群からなるパターンが使
用できる。これは平行曲線群32のパターン〔同図
(a)、(c) 、(d) 〕、若しくは平行曲線群32と平行直
線群33を適宜組み合わせてなる線群のパターン〔同図
(b) 〕、又は関数曲線をその関数パラメーターを変化さ
せて各曲線間の間隔が線方向に滑らかに変化する非平行
曲線群34〔同図(e) 〕等からなるものである。
【0016】上記の平行曲線群としては、正弦波曲線、
サイクロイド曲線、楕円関数曲線、ベッセル関数曲線等
の関数曲線及び円弧等の曲線単位を連結したものを複数
本互いに平行移動して配列したもの等がある。図2(d)
に示したパターンは、輪郭線に囲まれた各領域内にそれ
ぞれの平行曲線群を有する線群の集合体であり、且つ該
輪郭線及び平行曲線群の形状又は線方向が各輪郭線領域
毎に異なるように形成された例である。
【0017】また、図2(e) に示した非平行曲線群34
からなるパターンは、2つの正弦波曲線35、36の波
長、位相、周期及びY座標の各パラメーター差をN等分
した式で表される曲線の各パラメーターを0、1…N−
1、Nとした場合に示されるN+1本の曲線から形成さ
れている非平行曲線群である。これにより部分的に疎の
領域と密の領域が形成され、見る角度によ照りが変化す
る。
【0018】上記の線群のパターンは、いずれも断面形
状を溝状の凹凸模様とし、凹部の幅と凸部の幅が1〜1
000μmの溝状凹凸になるように形成することが、天
然の材質の照りを出すためにより好ましい。上記凹部の
深さは通常1〜100μm程度で、より好ましくは35
〜25μmである。更に、凹部の深さは単一なものでは
なく区画した各領域毎に深さを適宜配分して規則的(段
階的)に異ならしめることにより、該領域によって照り
感が微妙に変化する照り外観を現出させることもでき
る。
【0019】模様層4として形成される絵柄層5は、成
形用化粧シートにおいて付与しようとする意匠内容によ
って適宜選定することができる。例えば木目模様、石目
模様、絹目等の織布の表面模様等からなる柄印刷層、着
色層が使用できる。また、絵柄層5はビヒクルとしてビ
ニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース、アミ
ノアルキッド樹脂、ブチラール樹脂等を使用し、これら
の樹脂に顔料を分散したインキを用いて、熱可塑性樹脂
フィルム2上の裏面側又は表面側にグラビア印刷、フレ
キソ印刷、スクリーン印刷等の公知の印刷手段を用いて
形成することができる。
【0020】模様層4として設けられる光輝性層6は、
熱可塑性樹脂フィルムの表裏面の何れに設けてもよい
が、凹凸模様8を波状の万線模様として形成した場合に
は、熱可塑性樹脂フィルム2の裏面側の凹凸模様8が形
成される面に設けると、万線模様の有する光沢がより強
調される。
【0021】光輝性層6は金属の蒸着や光輝性顔料を含
有するインキのベタ印刷又はパターン印刷によって形成
できる。蒸着に使用する金属はアルミニウム、クロム、
銅等の常用のものでよい。光輝性顔料としては、パー
ル顔料と称するもの、具体的には、貝殻の内側の部分や
真珠を粉砕したもの、マイカの微粒子に酸化チタン又は
酸化鉄を焼き付けたもの、金属粉、具体的には銅、ア
ルミニウム、真鍮、青銅、金、銀等の好ましくは1〜1
20μmの微粒子、蒸着された、プラスチックフィル
ムの破片、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム
に上記のような金属(通常はアルミニム)を蒸着して粉
砕したもの(銀色粉)、蒸着ののち透明な黄色塗装を行
って粉砕したもの(金色粉)等がある。
【0022】光輝性層6を形成するために用いられるイ
ンキのビヒクルは絵柄層5と同様の樹脂の中から適宜選
べる。光輝性層6の形成方法は、絵柄層と同様に上記の
公知の印刷方法を使用することができる。又、熱可塑性
樹脂フィルム2に光輝性を付与するためには図1に示す
ように光輝性層を形成してもよいが、金属蒸着層等の層
を熱可塑性樹脂フィルムの内部に設けてもよい。
【0023】図3は木目調にする場合の、凹凸模様
(ア)、光輝性層(イ)及び絵柄(ウ)のそれぞれのパ
ターンと、該パターンを組合せて形成される成形用化粧
シート(エ)を示す平面図である。図3に示すように凹
凸模様8に万線状溝として正弦波の如き波状曲線を多数
平行に並べた曲線群よりなる線群パターンを用い、光輝
性層6を全面ベタに形成し、木目柄を絵柄5として形成
し、更に波状曲線の走行方向(例:Y=sin Xの場合の
X軸方向、図中矢印の方向)と絵柄層5に設けた木目の
走行方向を略直交させて図3(エ)のように形成すると
視線方向をずらした時の光沢の移動が天然木(特に柾目
材)のそれと極めて類似するものが得られる。
【0024】また、木目の杢(即ち、瘤状、斑点状、節
穴状又は渦状の木目)の照りを表現するには、凹凸模様
8を、閉曲線で区画された領域内に波状万線溝を有する
形状〔図2(d)〕に形成するのが最適である。
【0025】本発明成形用化粧シートは1は図1示すよ
うに、鏡面光沢に形成した表面に保護層16を設けるこ
とができ、該保護層16は耐摩耗性、耐汚染性等に優れ
た無色又は着色された透明な樹脂で形成され、例えば熱
可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、フッ素樹脂等が好
適であり、その他、アクリル樹脂、アミノアルキッド樹
脂、ポリウレタン樹脂等も用いることができる。保護層
16の厚さは10〜500μmに形成され、好ましくは
20〜100μmである。
【0026】図4は成形用化粧シートの製造方法の1例
を示す概略図である。尚、本発明成形用化粧シートは図
4に示すように熱可塑性樹脂フィルムの表面に更に他の
透明な熱可塑性樹脂フィルム等の積層シート9を積層す
ることができる。
【0027】本発明の成形用化粧シートの製造方法にお
いて、凹凸模様8と鏡面光沢の付与を同時に行う加熱プ
レスは、例えば図4(a)に示すように、先ず基材シー
ト12の表面に凹凸層13が設けられた賦形用シート1
1、全面ベタの光輝性層6及び絵柄層5を熱可塑性樹脂
フィルムの裏面側に任意の印刷手段を用いて印刷形成し
た印刷フィルム10、および透明な熱可塑性樹脂フィル
ムを順次重ね(賦形用シート11の凹凸層13が印刷フ
ィルム10の裏面側と接するようにする)、これらの積
層体の上下を表面が鏡面加工された加圧体14、15で
挟持して、加熱加圧して熱可塑性樹脂フィルムと印刷フ
ィルムを一体化すると同時に表面の鏡面加工と裏面側の
凹凸賦形を同時に行う。最後に図6(b)に示すよう
に、賦形用シート11を剥離することで凹凸模様8と鏡
面光沢を有する成形用化粧シート1が得られる。
【0028】図5は成形用化粧シートの製造方法の他の
例を示す概略図である。凹凸模様8と鏡面光沢の付与を
同時に行う加熱プレスは、図5に示すように、加圧体1
4、15に加熱ベルトを用いてプレスを行うこともでき
る。またその他、ロールプレス等を用いることができ
る。
【0029】図6は賦形用シートの製造方法を示す概略
図である。本発明の成形用化粧シートに凹凸模様を形成
するために用いられる賦形用シート11は図4及び図5
に示すように、基材シート12の表面に任意の手段で凹
凸層3を設けたものをもちいるが、リアルでシャープ且
つ熱や圧力に対して変形や消失のない凹凸層を確実に形
成するには、電離放射線硬化性樹脂を用いて図6に示す
方法で形成するのが好ましい。以下図6に示す賦形用シ
ートの製造方法を説明する。
【0030】図6に示す方法は、凹部21が賦形用シー
トの凹凸層の凹凸模様に対応したものとして形成された
ロール凹版22を用い、該ロール凹版22の凹部21に
電離放射線硬化性樹脂23を充填させると共に該ロール
凹版22又は/及び充填された電離放射線硬化性樹脂2
3に基材シート12を接触させ、電離放射線硬化性樹脂
23が基材シート12とロール凹版22の間に保持され
ている間(具体的には図中の押圧ロール24と送りロー
ル25との間に位置している時期)に電離放射線照射装
置27から電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂
23を硬化させ、電離放射線硬化性樹脂23と基材シー
ト12を密着せしめることで、硬化した電離放射線硬化
性樹脂23が基材シート12と一体となって、基材シー
ト12表面に凹凸層13が形成された賦形用シートが得
られる。
【0031】電離放射線硬化性樹脂23をロール凹版2
2の凹部21に充填する方法としては、例えば図示した
ようにTダイ状のノズル塗工装置26等を用いることが
できる。又、ロール凹版22と押圧ロール24の間の間
隔や圧力を調節することで、凹凸層13の厚さを変える
ことができ、更に電離放射線硬化性樹脂23のロール凹
版22の凹部21の樹脂以外をドクターブレード等で除
去して、凸部のみが基材シート12の表面に形成された
凹凸層4を形成してもよい。
【0032】電離放射線硬化性樹脂を硬化させるために
用いられる電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線
の中で電離放射線硬化性樹脂を硬化させる能力を有する
ものであり、工業的に利用できるものは可視光線、紫外
線もしくは電子線等があり、その他X線等も利用でき
る。上記の電離放射線を発する電離放射線照射装置27
として具体的には例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低
圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メ
タルハライドランプ等(紫外線)や、コックロフトワル
トン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧
器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等
の各種電子線加速装置等(電子線)が挙げられる。また
電離放射線の照射は基材シート側あるいはロール凹版の
内部側、又はロール凹版内部と基材シート側の両方何れ
から照射してもよい。
【0033】凹凸層13を形成する電離放射線硬化性樹
脂23は分子内に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有
するプレポリマー、オリゴマー及び/又は単量体を適宜
混合した組成物を用いる。上記プレポリマー、オリゴマ
ーとして例えば不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの
縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルアクリ
レート等のメタクリレート類、エポキシアクリレート等
のアクリレート類、シロキサン等の珪素樹脂、ポリエス
テル、エポキシ等が挙げられる。上記単量体の例として
は、スチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸−2−
エチルヘキシル等のアクリルエステル類、メタクリル酸
ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2
−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和酸の
置換アミノアルコールエステル類、1,6ヘキサンジオ
ールジアクリレート等の多官能性化合物、及び/又は分
子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合
物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレー
ト等が挙げられる。
【0034】賦形用シート11の基材シート12はウエ
ブでの加工が可能な強度やかとう性を有するものであれ
ばどのようなものでも良く、特に限定されない。
【0035】図7は絵付け成形品の1例を示す断面図で
ある。絵付け成形品18は、図7に示すように立体基材
17の表面に上記の成形用化粧シート1を積層一体化し
てなるものである。また、立体基材17はABS樹脂、
フェノール樹脂、ポリスチレン、PVC、ポリプロピレ
ン等の合成樹脂以外に、MDF等の木質基材、陶磁器、
鉄やアルミニウム等の金属等が用いられる。
【0036】立体基材17と成形用化粧シート1との積
層は、ロールプレス法、真空ラミネート法、真空プレス
法、射出成形同時絵付け法等の手段を用いる。また、必
要にであれば、成形用化粧シートの裏面や立体基材17
の表面に予め接着剤を塗布しておいてもよい。上記の接
着剤は、酢酸ビニルエマルジョンや、アクリル系、変成
ゴム系、ニトリルゴム系、ウレタン系等の接着剤を立体
基材の材質等に応じ適宜選択する。接着剤の塗布手段
は、ロールコート、スプレーコート等が用いられる。
【0037】本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を更
に詳細に説明する。 実施例1 (1)印刷フィルム・・・厚さ0.1mmのクリヤー塩化
ビニルシート〔バンドー化学(株)製:BHSクリヤ
ー〕に、グラビア印刷〔印刷インキ:昭和インク工業
(株) 製:化Xタイプ〕により木目柄/パールベタの順
に裏刷りして印刷フィルムを得た。
【0038】(2)賦形用シート・・・厚さ38μmの
片面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム
〔帝人 (株) 製:HP7〕を基材シートとして、フォト
エッチングによりウェーブ模様を形成したロール凹版に
上記基材シートを当接し、電離放射線硬化性樹脂〔大日
精化 (株) 製:P−1700S〕を塗工装置から上記ロ
ール凹版に供給すると共に紫外線照射装置から紫外線を
ロール凹版に照射して、電離放射線硬化性樹脂を凹部に
保持した状態で硬化させ、ウェーブ模様の凹凸を表面に
有する賦形用シートを製造した。
【0039】(3)成形用化粧シート・・・上記(2)
の賦形用シートのウェーブ模様の面に前記(1)の印刷
フィルムの裏面(印刷面)を重ね、更に印刷フィルムの
表面にアクリルフィルム〔三菱レイヨン(株)製:HB
S001P,厚さ1mm)を重ね、この積層体の表裏双方
から鏡面板を有する加熱プレス機を用いてプレス積層し
て一体化することにより、パール層に賦形用シートの凹
凸が賦形され、光の反射により該部分が視覚的に木質の
照りが付与された高光沢を有する成形用化粧シートが得
られた。
【0040】(4)真空プレス成形・・・得られた成形
用化粧シートを真空プレス成形法により、接着剤〔コニ
シ (株) 製:CVL45L〕を10g/mm2 をスプレー
塗装したMDF〔 (株) ノダ製:ハイベストウッドSタ
イプ〕に成形してラミネートし〔成形温度105℃、加
圧時間120秒、加圧力4.0kgf/cm2 〕、得られた成
形品を♯800の研磨剤にてサンディングして平滑性を
与えた後、更にバフ研磨を行って超鏡面の高意匠のキッ
チン扉を得た。
【0041】実施例2 (1)印刷フィルム・・・厚さ50μmのクリヤー塩化
ビニルシート〔理研ビニル (株) 製:Rタイプ〕の表面
にグラビア印刷〔印刷インキ:ザ・インクテック(株)
製:VMS〕によりパールベタ及び木目絵柄を順次印刷
して印刷フィムを得た。
【0042】(2)賦形用シート・・・厚さ30μmの
片面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム
〔帝人 (株) 製:HP7〕を基材シートとし、該基材シ
ートを電鋳法により木目模様を作製したロール凹版に当
接させ、電離放射線硬化性樹脂〔大日精化 (株) 製:P
−1700S〕を塗工装置から上記ロール凹版に供給す
ると共に紫外線照射装置から紫外線をロール凹版に照射
して電離放射線硬化性樹脂を凹部に保持した状態で硬化
させ、基材シート表面にウェーブ模様の凹凸を表面に有
する賦形用シートを得た。
【0043】(3)成形用化粧シート・・・上記(2)
の賦形用シートのウェーブ模様の凹凸面と前記の印刷フ
ィルムの裏面が接するように重ね、印刷フィルム表面に
更にクリヤーPVCシート(無可塑剤)、UVコーティ
ングPVCを順次重ね、これらの上下から鏡面ベルトを
有する加熱ベルトペレス機(160℃)によりプレス積
層して、高意匠なハードコートミラーシート(成形用化
粧シート)を得た。得られた成形用化粧シートはパール
層に賦形フィルムの凹凸が形成され光の反射により視覚
的に木質導管の立体感を有するものであった。
【0044】(4)真空プレス・・・得られた成形用化
粧シートを真空プレス機を用いて、接着剤〔ノーテープ
工業(株)製:No.4290 〕を100g/mm2 スプレー塗工
したMDF〔 (株) ノダ製:ハイベストウッドLタイ
プ〕に成形ラミネートして〔成形温度80℃、加圧時間
120秒、加圧力4.0kgf/cm2 〕、高意匠の家具扉を
得た。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の凹凸模様と
鏡面光沢を有する成形用化粧シート 製造方法は上記の
構成を採用したことにより、従来のエンボス加工、ラミ
ネート、鏡面加工等を順次行う製造方法と比較して、成
形用化粧シートの鏡面加工と積層と凹凸形成を同時に行
うことが可能であるため、工程を減らして製造コストを
低減できる。
【0046】更に、従来の製造方法と比較して、凹凸模
様を形成した後に加工を施す工程がないため、製造時の
熱や圧力によって凹凸が消失する虞れがなく、凹部の再
現性の良好な意匠的により優れた成形用化粧シートが
られる。
【0047】本発明絵付け成形品の製造方法は、上記の
製造方法で有られた成形用化粧シートを用いて成るた
め、安価で意匠的に優れた絵付け成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られる凹凸模様と鏡
面光沢を有する成形用化粧シートの1例を示す断面図で
ある。
【図2】凹凸模様の態様を示す平面図である。
【図3】木目調にする場合の、凹凸模様、光輝性層及び
絵柄のそれぞれのパターンと、該パターンを組合せて形
成される成形用化粧シートを示す平面図である。
【図4】凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート
の製造方法の1例を示す工程図である。
【図5】凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート
の製造方法の他の例を示す工程図である。
【図6】賦形フィルムの製造方法の1例を示す概略図で
ある。
【図7】本発明の製造方法により得られる絵付け成形品
の1例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート、
2:熱可塑性樹脂フィルム、3:熱可塑性樹脂フィルム
の表面、4:模様層、5:絵柄層、6:全面ベタ光輝性
層、7:絵柄、8:凹凸模様、9:積層シート、10:
印刷フィルム、11:賦形用シート、12:基材シー
ト、13:凹凸層、14,15:鏡面の加圧体、16:
保護層、17:立体基材、18:絵付け成形品、21:
凹部、22:ロール凹版、23:電離放射線硬化性樹
脂、24:押圧ロール、25:送りロール、26:ノズ
ル塗工装置、27:電離放射線照射装置、31,32,
33,34:線群パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−51460(JP,A) 特開 平1−295848(JP,A) 特開 平4−122646(JP,A) 特開 平1−87315(JP,A) 特開 平3−8477(JP,A) 特開 平1−192600(JP,A) 特開 平2−14144(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 模様層が設けられた熱可塑性樹脂フィル
    ムと表面に凹凸模様を有する賦形用シートとを、該賦形
    用シートの凹凸模様が上記熱可塑性樹脂フィルムと接す
    るように重ね合わせ、少なくとも熱可塑性樹脂フィルム
    の側鏡面に形成された加熱体で加熱プレスして積層一
    体化、熱可塑性樹脂フィルムの表面側鏡面光沢に形
    成することを特徴とする凹凸模様と鏡面光沢を有する成
    形用化粧シートの製造方法
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムに設けられた模様
    層が、少なくとも全面ベタ光輝性層を有する請求項1記
    載の凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シートの製
    造方法
  3. 【請求項3】 賦形用シートの凹凸模様が、深さ1〜1
    00μmの凸部と凹部の間隔が1〜1000μmであ
    る、平行曲線群、平行曲線群と平行直線群を組み合わせ
    てなる線群、或いは関数曲線をその関数パラメーターを
    変化させて隣合う曲線間の間隔を線方向に滑らかに変化
    させた非平行曲線群から選ばれた線群パターンからなる
    凹凸模様である請求項1又は2記載の凹凸模様と鏡面光
    沢を有する成形用化粧シートの製造方法
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂フィルムの表面に更に透明
    性を有する熱可塑性樹脂フィルムを積層して加熱プレス
    して積層一体化してなる請求項1、2又は3記載の凹凸
    模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シートの製造方法
  5. 【請求項5】 鏡面光沢に形成した熱可塑性樹脂フィル
    ムの表面に保護層を設ける請求項1、2、3又は4記載
    の凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シートの製造
    方法
  6. 【請求項6】 立体形状を有する成形品表面に、請求項
    1、2、3、4又は5記載の製造方法により得られた
    凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シートを積層一体
    することを特徴とする絵付け成形品の製造方法
JP2488393A 1993-01-20 1993-01-20 凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート及び絵付け成形品の製造方法 Expired - Fee Related JP3241142B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2488393A JP3241142B2 (ja) 1993-01-20 1993-01-20 凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート及び絵付け成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2488393A JP3241142B2 (ja) 1993-01-20 1993-01-20 凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート及び絵付け成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06210816A JPH06210816A (ja) 1994-08-02
JP3241142B2 true JP3241142B2 (ja) 2001-12-25

Family

ID=12150591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2488393A Expired - Fee Related JP3241142B2 (ja) 1993-01-20 1993-01-20 凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート及び絵付け成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3241142B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3286824B2 (ja) * 1994-04-13 2002-05-27 大日本印刷株式会社 熱硬化性樹脂化粧板用賦型シート
JP2009297895A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Toppan Cosmo Inc 表面に凹凸模様を有する化粧シートおよびその製造方法
KR101175721B1 (ko) * 2008-10-30 2012-08-22 (주)엘지하우시스 장식용 경면 입체 성형시트 및 그 제조방법
US20120086901A1 (en) * 2009-06-16 2012-04-12 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and method for manufacturing the same
JP5327300B2 (ja) * 2011-09-12 2013-10-30 大日本印刷株式会社 射出成形同時加飾用加飾シート、及び射出成形同時加飾用加飾シートの製造方法
JP5699378B2 (ja) * 2013-01-23 2015-04-08 大日本印刷株式会社 防湿化粧シートを用いた化粧板
JP7173050B2 (ja) * 2018-01-12 2022-11-16 Agc株式会社 積層体
JP7259244B2 (ja) * 2018-09-27 2023-04-18 大日本印刷株式会社 積層体及び加飾物品
JP7268320B2 (ja) * 2018-09-28 2023-05-08 大日本印刷株式会社 回折光沢賦型用離型紙
JP7415401B2 (ja) * 2019-09-30 2024-01-17 東レ株式会社 成形体
DE102021106085A1 (de) * 2021-03-12 2022-09-15 Leonhard Kurz Stiftung & Co. Kg Transferfolie, ein Verfahren zur Herstellung einer Transferfolie und ein Verfahren zur Herstellung eines mit einer Transferfolie dekorierten Kunststoffartikels
JP7248060B2 (ja) * 2021-08-02 2023-03-29 大日本印刷株式会社 回折光沢賦形用離型紙

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06210816A (ja) 1994-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4390869B2 (ja) 万線状凹凸模様を有する化粧材
JP3241142B2 (ja) 凹凸模様と鏡面光沢を有する成形用化粧シート及び絵付け成形品の製造方法
JPH081895A (ja) 化粧シート及びその製造方法
JPH07137221A (ja) 化粧シート
JPH0292634A (ja) 立体化粧板及びその製造方法
JPH0852849A (ja) 化粧シート及びその製造方法
JP2574558Y2 (ja) 化粧材
JP3016034B2 (ja) 化粧材シート及びその製造方法
JPH06190999A (ja) 化粧シート
JP2975074B2 (ja) 化粧材
JP2975075B2 (ja) 化粧材
JP3023140B2 (ja) 異種の凹凸面部を有するシート
JPH04125199A (ja) 化粧材、化粧材の製造方法及び化粧材の製造に使用するエンボス版
JPH08150692A (ja) 内部に凹凸模様を有するハイレリーフ化粧シート
JP2967148B2 (ja) 化粧材シート及びその製造方法
JPH0134778B2 (ja)
JP3465088B2 (ja) 木目調化粧シート
JPH05177802A (ja) 化粧材
JPH08290542A (ja) 熱硬化性樹脂化粧板
JPH02108599A (ja) 賦形用フィルム及びそれを用いた転写箔
JP3007400B2 (ja) 化粧材
JP3275385B2 (ja) 化粧フィルムとその製造方法
JPH04187500A (ja) 表裏両面に凹凸模様を有する化粧シート及びその製造方法
JP2983250B2 (ja) 化粧シート
JPH04361100A (ja) 木目調化粧シート及び該化粧シートの製造に使用するエンボス版

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071019

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091019

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091019

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees