JP7268320B2 - 回折光沢賦型用離型紙 - Google Patents
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Description
例えば、表面にホログラム状の微細凹凸形状を有する離型紙が提案されており、かかる離型紙を用いて製造される樹脂皮革においては、表皮層に形成されたホログラム状の微細凹凸形状により、観察する角度に応じた多色の光沢(虹色の光沢)が奏される(特許文献1,2、3参照)。
しかしながら、充分な回折光沢は得られていない。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.回折光沢を呈する表面態様を、転写によって賦型するための離型紙であって、
該離型紙は、基材層と、片面の最表層である賦型層とを有する積層体であり、
該賦型層の外部表面は、微細凹凸構造を有し、
該微細凹凸構造の凹部は、賦型方向に略90度の方向に延びた線状であり、断面が、略三角形であり、深さが、70nm以上、1500nm以下であり、ピッチが、1600nm以上、2400nm以下であることを特徴とする離型紙。
2.前記深さが、450nm以上、1500nm以下である、上記1に記載の離型紙。
3.前記賦型層の外部表面は、回折光沢を呈し、入射角60度におけるグロス値が、5以上、35以下であることを特徴とする、上記1または2に記載の離型紙。
4.前記賦型層の外部表面は、回折光沢を呈しており、
該外部表面の入射角60度におけるグロス値は、前記微細凹凸構造が無い場合に比べて低い値であり、その差分が、40以上、75以下であることを特徴とする、
上記1~3の何れかに記載の離型紙。
5.前記基材層が、紙基材、または、紙基材とクレーからなる平滑化層とを含むことを特徴とする、上記1~4の何れかに記載の離型紙。
6.前記紙基材は、厚みが25μm以上、200μm以下、または、坪量が40g/m2以上、400g/m2以下であることを特徴とする、上記5に記載の離型紙。
7.前記賦型層が、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする、上記1~6の何れかに記載の離型紙。
8.前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする、上記7に記載の離型紙。
9.前記賦型層の厚みが、5μm以上、120μm以下であることを特徴とする、上記1~8の何れかに記載の離型紙。
また、本発明においては、厚みによってシートとフィルムを呼び分けることはせず、両者は同じ意味の語として扱う。
本発明の離型紙は、包装体等のシート表面、更には家具、家屋内装、自動車内装資材の表面に用いられる化粧板等の表面に、回折光沢を呈する表面態様を転写によって賦型する離型紙である。
本発明の離型紙は、基材層と、片面の最表層である賦型層とを有する積層体であり、基材層と賦型層は、接着剤を介して接着されていてもよい。
また、基材層表面は、賦型層との密着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、オゾン処理等の易接着性処理やプライマーコート等の表面処理等が施されていてもよい。
離型紙は、さらに、賦型性、耐屈曲性、剛性等を調整する為に様々な素材からなる機能層を有していてもよい。
さらに、賦型層の外部表面自身も、回折光沢を呈していることが好ましい。
、形状ピッチは表面形状をレーザー顕微鏡で測定することができる。
賦型性の評価指標は、賦型深さと形状ピッチの上記手段による測定、またはハンディ装置であるグロス計を使用したグロス値の測定によって得ることができる。
しかしながら、賦型深さと形状ピッチの測定結果から算出される評価指標がより厳密な評価指標ではあるが、SEMによる精密分析は時間も手間もかかり煩雑であるため、製造現場等でも容易に即時評価することができるグロス値の測定が好ましい。
Saおよび/またはSzが上記範囲であれば、高い微細凹凸構造の賦型性が良好になり、転写生成体の虹光沢視認性が良好になる傾向にある。
グロス値は光沢計で測定することができ、直交する2方向(MD方向とTD方向)から、上記入射角で測定し、平均値を求めることが好ましい。詳細は実施例に記載する。
離型紙の賦型層の表面は、入射角60度におけるグロス値が、5以上、35以下であることが好ましい。
上記範囲外だと、微細凹凸構造の形成に欠落が生じていることが多く、転写生成体の虹光沢視認性が悪化し易い。
賦型層の外部表面の入射角60度におけるグロス値は、前記微細凹凸構造が無い場合に比べて低い値であり、その差分が、40以上、75以下であることが好ましい。
離型紙の賦型層表面のグロス値が上記を満たすものであれば、転写生成体は充分な虹光沢視認性を示すことが容易である。
本発明において、基材層は、賦型性、耐屈曲性、剛性等を持たせるものであり、一般的に離型紙や工程紙に用いられる従来公知の材質の基材を用いることができる。
例えば、各種の紙基材、樹脂シート、金属箔、織布、不織布なる群から選ばれる1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記において、紙基材としては、坪量約40g/m2以上、400g/m2以下のもの、好ましくは、坪量約100g/m2以上、250g/m2以下のものを使用することが望ましい。坪量が、上記範囲よりも小さいと、転写生成体の製造時にカールや波打ちが発生し易くなり、上記範囲よりも大きいと、転写生成体への賦型性が悪く、また離型紙が厚くなることにより、その巻き径が大きくなって作業能率が低下し易い。
また、離型紙が充分な耐熱性を有するために、紙基材は中性紙であることが好ましく、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを用いてサイズした中性紙がより好ましい。
熱劣化を生じさせにくく、賦型層との密着性が高いという観点では、紙基材を用いるのが好ましく、耐熱性及び平滑性が特に必要な場合は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル基材を用いるのが好ましい。
また、必要に応じて、紙基材と、各種の樹脂のフィルムないし樹脂シ-ト等を併用して使用することもできる。更にまた、賦型層に紫外線硬化性樹脂を用いて紫外線硬化させる場合には、基材層は紫外線を透過するものが好ましい。
なお、完成された離型紙の基材層に賦型層の微細凹凸構造が反映した凹凸が生じていても構わない。
基材層は、基材層表面の平滑性、硬度を高め、微細凹凸構造の形成性を高め、さらには転写生成体への賦型性を高める為に、賦型層側の表面に、クレーおよび/またはポリオレフィン系樹脂からなる平滑化層を設けることができる。
クラフト紙や上質紙等のように表面が比較的粗い材料を紙基材として用いる場合には、ポリオレフィン系樹脂を含む平滑化層を設けることで、紙基材の上の平滑性を向上させ易い。
クレーは、顔料として、炭酸カルシウム、二酸化チタン、非晶質シリカ、発泡性硫酸バリウム、サチンホワイト等を含んでいることが好ましい。顔料として炭酸カルシウムや二酸化チタンを用いることにより、クレーコート層の面の平滑度を上げることができる。さらに、炭酸カルシウムは安価であるため、好適に用いられる。
プン、リン酸エステル化デンプン)、ポリビニルアルコール、カゼイン等)が用いられる。添加剤としては、顔料分散剤、消泡剤、発泡防止剤、粘度調整剤、潤滑剤、耐水化剤、保水剤等が用いられる。
クレーを含む塗布液の塗布方法は、特に限定されないが、エアナイフコート、ブレードコート、ショートドウェルコート、キャストコート等の塗布方法が用いられる。
ポリオレフィン系樹脂からなる平滑化層は、基材層上に押出コーティングすることにより形成してもよい。
平滑化層の厚さは、特に限定されないが、10μm~60μmが好ましい。
基材層は、必要に応じて、基材層または平滑化層上にアンカーコート層を設けて、賦型層と、平滑化層とまたは基材層の接着性を向上することができる。
例えば、クレーを含有する平滑化層が基材層に設けられている場合、平滑化層の表面は滑性が良い為、賦型層との接着性が劣り易いが、アンカーコート層を形成することにより、該接着性を高めることができる。
アンカーコート層は、例えば、水溶性、または、水分散型のエマルジョンもしくはディスパージョンのアンカーコート剤を塗布することにより形成できる。
上記アンカーコート剤の塗布方法としては、例えば、グラビアコート法、リバースロールコート法、ナイフコート法、キスコート法などで塗布することができ、その塗布量としては、乾燥時の塗布量で0.1g/m2以上、5g/m2以下、または、0.1μm以上、5μm以下が好ましい。
本発明において、賦型層は、離型紙の片面に積層されている樹脂からなる層であり、転写生成体の表面に回折光沢を呈する表面態様を転写によって賦型するための、微細凹凸構造を有する構造部位を具備する。
ここで、転写によって、被転写物である転写生成体の表面には、賦型層の微細凹凸構造が反転した態様が賦型される。
賦型層に含有される樹脂としては、賦型層として機能することができれば特に限定されることはなく、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線又は電子線等の電離放射線硬化性樹脂等からなる群から選ばれる1種または2種以上を組み合わせて使用することができるが、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
汎用的には、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、離型紙に耐熱性が要求される場合には、ポリメチルペンテン系樹脂が好ましい。
また、賦型部の微細な凹凸の形成精度が要求される場合には、紫外線硬化性樹脂が好ましく、(メタ)アクリル系樹脂、またはアクリル酸エステル共重合体が好ましい。
着色剤は、顔料であっても染料であってもよく、特に限定されないが、微細凹凸構造の先端まで着色するという観点からは、粒子径が大きく微細凹凸の先端まで入り込まない可能性のある顔料を用いるよりも、該可能性のない染料を用いる方が好ましい。
賦型層は、上記の原料を含有する組成物から形成されるが、該組成物は、溶剤を含んでいても、含んでいなくてもよい。
そして、賦型層は、1層で構成されていても、樹脂種が同一または異なる2層以上で構成されていてもよい。
ある基部とが一体となって構成されており、賦型部と基部との間に明確な境界は無い。
賦型層の厚みは、特に限定されることはないが、5μm以上、120μm以下が好ましく、25~65μmがより好ましい。上記範囲よりも薄いと、基材層表面の粗さが大きい場合に、微細凹凸構造形成時の圧力が不均一になることで、賦型層の最表面高さがうねりを持ち易くなり、作製される被転写物(転写生成体)が均一な虹光沢視認性を示し難くなり、意匠性が劣ることになり易い。
上記範囲よりも厚いと、離型紙がカールしてハンドリング性に劣り易い。
また、基部の厚さは、特に限定されることはないが、100μm以上、200μm以下が好ましい。基部が上記範囲よりも薄いと離型紙が破損し易くなり、上記範囲よりも厚いと、柔軟性に欠け、使い勝手が悪くなる傾向にある。
賦型部の厚さは、微細凹凸構造の深さによって異なる。
本発明に係る賦型層の微細凹凸構造の凹部は、被転写物である転写生成体の表面に回折光沢を賦型し得る形状である。
例えば、図1においては、賦型部は、y軸方向に延びる線状の凹部を有している。そして、複数の線状凹部が、x軸方向に配列されている。なお、図1においては、微細凹凸構造は明確な角を示しているが、角が丸まった形状であってもよい。
線状の凹部の断面は、略三角形であり、深さDは、70nm以上、1000nm以下が好ましく、ピッチPは、120nm以上、2000nm以下が好ましい。
賦型層の微細凹凸構造が上記の形状であることによって、被転写物は、その表面態様の凹凸部の角が多少明確でない場合であっても、十分に、回折光沢が明るく、かつ、広い視野で観察され得る。
さらに、前記微細凹凸構造の線状凹部は、図3に示されたように、離型紙の賦型方向xに略90度の方向に延びた線状であるが、方向yに対して、0°以上、1°以下の傾きαを有していることが好ましい。
ここで、賦型方向とは、離型紙が連続紙の場合に離型紙が送られる方向、または、離型紙が枚葉紙の場合に、賦型圧が掛けられ、離型される方向を指す。
図3において、離型紙をy軸方向に対して上記角度で傾いていることによって、被転写物への賦型時の離型紙の離型性が向上し、被転写物における表面態様の線状凹凸部に欠け等の不具合が生じ難くなる。
離型紙の作製方法としては、先ず、離型紙の賦型層の微細凹凸構造を転写によって賦型し得る表面態様を有する原版を用意する。
該原版の表面態様は、離型紙の賦型層に微細凹凸構造を、(熱)圧によって形成し得るものであり、離型紙賦型層の微細凹凸構造が略反転した態様である。例えば、離型紙賦型層に線状凹部を形成する部分は、線状凸部を成している。すなわち、転写生成体の回折構造層と略同形の表面態様を有する。
該原版は、金属製、樹脂製、ゴム製の何れの素材であってもよく、ロール状、シリンダ状、板状、シート状等の何れの形状であってもよい。
なお、該原反の賦型層表面は、例えば、賦型層を積層した後に、表面が鏡面加工された鏡面ロールと押圧ロールとの間を、賦型層が鏡面ロールに接するように通すことにより、その表面の平滑度を向上させておいてもよい。
次に、該原反の賦型層の表面と、上記の原版の表面態様を有する面とを対向して重ね合わせて、(熱)圧して、原版の表面態様を離型紙の原反の賦型層に転写し、剥がして離型紙を得る方法等が挙げられる。離型紙の原反は、連続シートであっても、枚葉シートであってもよい。
該組成物を塗布する方法は特に限定されないが、例えば、ダイコート、押出しコート、ロールコート、リバースロールコート、マイクロバーコート、バーコート、ナイフコート、グラビアコート等を適用することができる。塗布された組成物は、原版の表面態様を型取り、賦型層が微細凹凸構造を有するものとなる。
塗布した後に、加熱乾燥や紫外線又は電子線等の電離放射、冷却等の、組成物に応じた適切な硬化方法により賦型層の形状を固定させることもできる。
基材層の貼り付けは、必要に応じて接着剤を介して行ってもよい。
先ず、離型紙を1対のロールの間に挟み、離型紙の賦型層と1方のロールとの間に溶融した合成皮革の回折構造層用の組成物を流し込んで積層し、冷却後に剥がして、合成皮革を得ることが、生産性が高く、好ましい。
合成皮革が基材層を有する場合には、該基材層用のシートとしてはロール巻きされた連続シートを用いて、ロール巻きされた連続シート状の離型紙の賦型層と該基材層用のシートとを対向させて1対のロールの間に挟み、離型紙の賦型層と該基材層用のシートとの間に溶融した合成皮革の回折構造層用の組成物を流し込んで積層し、冷却後に剥がして、連続シート状の合成皮革を得ることが、生産性が高く、好ましい。
本発明においては、これらの作製方法に限定されない。
転写生成体は、本発明の離型紙から被転写物の表面に、微細凹凸構造を転写によって賦型することで得られるものであり、回折光沢を呈する表面態様を有する。
転写生成体は、例えば、回折光沢を呈する表面態様を有する回折構造層と、回折構造層を支持するための基材層を有することができる。それぞれの層には、転写生成体の用途に応じた適切な材料が用いられればよい。
転写生成体の基材層は、必要に応じて備えられるものであり、例えば、製造工程において、回折構造層が十分な自己支持性を有している場合には、基材層が備えられる必要は無い。そして、回折構造層のみからなる転写生成体を作製した後に、非回折光沢面に、接着剤等を介して張り付けて有することも可能である。
は基布に用いられるものの中から、転写生成体の種類や用途に応じて適宜選択することができる。
基材層の厚さとしては、回折構造層を支持可能な厚さであれば特に限定されないが、例えば25μm以上、500μm以下の範囲とすることが出来る。
転写生成体の第1の作製方法としては、例えば、未賦型の回折構造層と基材層とを有する転写生成体の原反を用意し、該原反の回折構造層の表面と、離型紙の賦型層とを対向して重ね合わせて、(熱)圧して、離型紙の賦型層の微細凹凸構造を転写生成体の原反の回折構造層に転写し、剥がして転写生成体を得る方法等が挙げられる。転写生成体の原反は、連続シートであっても、枚葉シートであってもよい。
該組成物を塗布する方法は特に限定されないが、例えばダイコート法等を適用することができる。塗布された組成物は、離型紙賦型層の表面態様を型取り、回折構造層が回折光沢を呈する表面態様を有するものとなる。
塗布した後に、加熱乾燥や紫外線又は電子線等の電離放射、冷却等の、組成物に応じた適切な硬化方法により回折構造層の形状を固定させることもできる。
基材層の貼り付けは、必要に応じて接着剤を介して行ってもよい。
本発明においては、これらの作製方法に限定されない。
・離型紙原反1:上質紙1(坪量125g/m2、クレーコート層無し)/ブレンド樹脂1層(15μm)/ホモポリプロピレン樹脂1層(15μm、平滑化処理)の層構成を有するシート巻き原反。
・離型紙原反2:キャストコート紙1(坪量164g/m2、クレーコート層20μm)/アンカーコート剤1層(1μm)/ブレンド樹脂1層(15μm)/ホモポリプロピレン樹脂1層(15μm、平滑化処理)の層構成を有するシート巻き原反。
・アンカーコート剤1:ウレタン系アンカーコート剤。
・ブレンド樹脂1:サンアロマー(株)社製、ポリプロピレン/ポリエチレン・樹脂質量比=80/20をドライブレンドした後に溶融混合して得られた樹脂。
ホモポリプロピレン樹脂1:サンアロマー(株)社製。
・PETフィルム1:2軸延伸PETフィルム。100μm厚。
・回折構造層用樹脂1:日本ポリエチレン(株)社製LDPE、ノバテックLC600A。
<離型紙1の作製>
離型紙原反1を、線状凸部パターンを有するゴム製ロール状の原版1とカウンターロールとで挟んで、熱圧して、ロール状原版の表面態様を離型紙原反1の賦型層に転写して、離型紙1を作製した。
図4に示された賦型システムを用いて被転写体を作製した。
被転写体の基材層用シート原反1が、基材層用シート原反巻から矢印で示す方向に送られ、回折構造層用組成物1の溶融物がTダイスから該基材層用シート原反1の表面へと供給され、同時に離型紙賦型層が該溶融物へと当てられ、2つのニップロールで挟んだ。
次いで、離型紙賦型層の微細凹凸構造を被転写体の回折構造層に転写しつつ、基材層用シート原反1と回折構造層と離型紙とを積層して、冷風機で冷却した。
そして、離型紙を被転写体から剥離(離型)して取り出し、被転写体を得て、各種評価を実施した。詳細を表1に示す。
離型紙原反1を離型紙原反2に変更した以外は、実施例1と同様に操作して、被転写体を得て、同様に各種評価を実施した。詳細を表1に示す。
表1、2の記載に従って、原版1を、賦型深さとピッチが異なる原版2~5に変更した以外は、実施例1と同様に操作して、被転写体を得て、同様に各種評価を実施した。詳細を表1、2に示す。
原版を、線状凸部パターンを有さないゴム製のロール状の原版6に変更した以外は、実施例1と同様に操作して、被転写体を得て、同様に各種評価を実施した。詳細を表2に示す。
原版を、線状凸部パターンを有さないゴム製のロール状の原版6に変更した以外は、実施例2と同様に操作して、被転写体を得て、同様に各種評価を実施した。詳細を表2に示す。
全実施例の被転写体は、比較例と同等で良好な離型性を示し、かつ、充分な賦型の深さとピッチ、賦型層の表面粗さを示し、良好なグロス値と虹光沢視認性を示した。
比較例3と4は、回折構造層に微細凹凸構造を転写されていないために、グロス値は高過ぎ、虹光沢も視認されなかった。
[離型性]
連続で約1000mの被転写体を作製して、被転写体が離型紙から容易に剥離し、かつ離型紙に版詰まりや目詰まり(白化)が生じなければ良好とした。
形状解析レーザ顕微鏡(株式会社キーエンス製VK-8710)を用いて、離型紙の賦型層または被転写体の回折構造層の表面粗さSaとSzとを測定した。
離型紙または被転写体の中央部のグロス値を、直交する辺に沿った2方向から、入射角60度で、ハンディ光沢計(HORIBA(株)社製グロスチェッカIG-320)にて測定し、平均値を算出した。
離型紙:グロス値が5~35の場合を合格とした。
被転写体:グロス値が5~35であり、且つ、微細凹凸構造が無い時よりも、40以上、75以下の範囲でグロス値が小さい場合を合格とした。
シートから100mm角のサンプルを切り出して机の上に置き、照度400ルクス(明るいオフィス相当)の試験環境下で、500mm上方位置から、方向と角度を変えて、虹
光沢の視認具合を観察した。
観察者10名(20代から60代まで)が、線状凸部が延びる方向及びそれと直行する方向から観察し、6名以上が、両方向から広い角度で虹光沢が観察できた場合を良好とした。
表中の記載の意味は下記の通り。
○:良好
△:虹光沢にムラ有り
×:虹光沢無し
シート断面をSEM(日立ハイテクノロジーズ(株)社製SU3500)にて観察し、賦型深さとピッチを計測した。
2 賦型層
2a 賦型部
2b 基部
3 基材層
P ピッチ
D 深さ
α 線状凹部傾き角度
30 賦型システム
31 被転写体原反巻
32 被転写体原反
33 Tダイス
34 回折構造層用組成物溶融物
35 離型紙巻
36 離型紙(使用前)
37 ニップロール1
38 ニップロール2
39 冷風機
40 離型ロール
41 離型紙(使用後)
42 離型紙巻(使用後)
43 被転写体
44 被転写体巻
Claims (8)
- 回折光沢を呈する表面態様を、転写によって賦型するための離型紙であって、
該離型紙は、基材層と、片面の最表層である賦型層とを有する積層体であり、
該賦型層の外部表面は、微細凹凸構造を有し、
該微細凹凸構造の凹部は、賦型方向に90度の方向に延びた線状であり、断面が、三角形であり、深さが、70nm以上、1500nm以下であり、ピッチが、1600nm以上、2400nm以下であり、
該賦型層の外部表面の、形状解析レーザ顕微鏡を用いて測定した、表面粗さSa(算術平均粗さ)は0.24~0.85μmであって、Sz(最大高さ)は18.5~57.9μmであり、
該賦型層の外部表面は、回折光沢を呈し、入射角60度におけるグロス値が、5以上、35以下であることを特徴とする離型紙。 - 前記深さが、450nm以上、1500nm以下である、請求項1に記載の離型紙。
- 前記賦型層の外部表面は、回折光沢を呈しており、
該外部表面の入射角60度におけるグロス値は、前記微細凹凸構造が無い場合に比べて
低い値であり、その差分が、40以上、75以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の離型紙。 - 前記基材層が、紙基材、または、紙基材とクレーからなる平滑化層とを含むことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の離型紙。
- 前記紙基材は、厚みが25μm以上、200μm以下、または、坪量が40g/m2以上、400g/m2以下であることを特徴とする、請求項4に記載の離型紙。
- 前記賦型層が、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載の離型紙。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項6に記載の離型紙。
- 前記賦型層の厚みが、5μm以上、120μm以下であることを特徴とする、請求項1~7の何れか1項に記載の離型紙。
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