JP2018003173A - 離型シート及び樹脂皮革 - Google Patents

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Abstract

【課題】多色の光沢感(虹色のような光沢感)を奏しつつも、落ち着いたマット調の質感(艶消し感)をも奏することのできる樹脂皮革を製造可能な離型シート及び多色の光沢感及び艶消し感を奏し得る樹脂皮革を提供する。【解決手段】樹脂皮革製造用離型シート1は、第1面3A及びそれに対向する第2面3Bを有し、第1面3A側に凹凸構造が形成されてなる離型層3を有し、凹凸構造は、第1凹凸構造4と、第1凹凸構造4上の少なくとも一部に形成されてなる第2凹凸構造5とを含み、第1凹凸構造4は、樹脂皮革10に転写されることで当該樹脂皮革10に艶消し感を付与可能な寸法であって、第1凹凸構造4に対応して樹脂皮革10に転写された凹凸構造13が視認され難い寸法を有し、第2凹凸構造5は、樹脂皮革に多色の光沢感を付与可能な寸法であって、第1凹凸構造4よりも小さい寸法を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、離型シート及びそれを用いて製造されてなる樹脂皮革に関する。
人工皮革、合成皮革等とも称される樹脂皮革は、表面に剥離性を有する離型シート上に、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂組成物を塗布して硬化させた後に、当該離型シートを剥離することで製造される。樹脂皮革は、樹脂組成物により構成される表皮層により、天然皮革に似た質感や色合い等を有する。
近年、樹脂皮革に対して光学的な意匠性が求められており、このような樹脂皮革を製造するために、離型シートに様々な工夫がなされている。従来、例えば、表面にホログラム状の微細凹凸形状を有する離型シートが提案されており、かかる離型シートを用いて製造される樹脂皮革においては、表皮層に形成されたホログラム状の微細凹凸形状により、観察する角度に応じた多色の光沢(虹色の光沢)が奏される(特許文献1,2参照)。
また、樹脂皮革の表皮層の表面に柄(模様)を形成することを目的とし、深さの異なる2種類のエンボス柄(第1エンボス柄及び第2エンボス柄)が離型層の表面に形成されている離型シートが提案されている(特許文献3参照)。
特開平4−361671号公報 特開2010−253779号公報 特表2013−518738号公報
近年、観察角度に応じて光沢色の色味を変化させ得るとともに、表面が強く光ることによる「テカリ」を抑え、マット調の質感(艶消し感)を奏する樹脂皮革への要望がある。上記特許文献1及び2に記載の離型シートにおいては、光沢色の色味が大きく変化することで意匠性が発現され得る。しかしながら、当該離型シートにおいては、マット調の質感(艶消し感)を奏する樹脂皮革を製造することは困難であるという問題がある。
上記特許文献3に記載の離型シートには、深さが60μmの第1エンボス柄と、深さが30μmの第2エンボス柄とが離型層の表面に形成されている。互いに寸法の異なる第1エンボス柄及び第2エンボス柄を模様として形成することを目的としていることから、特許文献3に記載の離型シートから製造される樹脂皮革においては、多色の光沢感(虹色のような光沢感)が奏され得ないと考えられる。また、特に第1エンボス柄の深さが深いことで、樹脂皮革に形成される、第1エンボス柄が転写された凹凸構造が模様のように肉眼で視認され得るため、模様がなく、落ち着いたマット調の質感(艶消し感)を奏する樹脂皮革を製造することが困難であるという問題がある。
上記課題に鑑みて、本発明は、多色の光沢感(虹色のような光沢感)を奏しつつも、落ち着いたマット調の質感(艶消し感)をも奏することのできる樹脂皮革を製造可能な離型シート、並びに多色の光沢感及び艶消し感を奏し得る樹脂皮革を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、樹脂皮革を製造するために用いられる離型シートであって、第1面及びそれに対向する第2面を有し、前記第1面側に凹凸構造が形成されてなる離型層を有し、前記凹凸構造は、第1凹凸構造と、前記第1凹凸構造上の少なくとも一部に形成されてなる第2凹凸構造とを含み、前記第1凹凸構造は、前記樹脂皮革に転写されることで当該樹脂皮革に艶消し感を付与可能な寸法であって、前記第1凹凸構造に対応して前記樹脂皮革に転写された凹凸構造が視認され難い寸法を有し、前記第2凹凸構造は、前記樹脂皮革に多色の光沢感を付与可能な寸法であって、前記第1凹凸構造よりも小さい寸法を有することを特徴とする離型シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る離型シートによれば、樹脂皮革に艶消し感を付与可能な寸法(相対的に大きな寸法)の第1凹凸構造と、樹脂皮革に多色の光沢感を付与可能な寸法(相対的に小さな寸法)の第2凹凸構造とを有することで、多色の光沢感(虹色のような光沢感)を奏しつつも、落ち着いたマット調の質感(艶消し感)をも奏することのできる樹脂皮革を製造することができる。また、相対的に大きな寸法の第1凹凸構造が樹脂皮革に転写されたときに、当該樹脂皮革に転写された凹凸構造(第1凹凸構造に対応する構造)が視認されてしまうと、あたかも模様が存在するかのように見えてしまい、樹脂皮革の質感が低下してしまうおそれがある。しかしながら、上記発明(発明1)に係る離型シートによれば、第1凹凸構造の寸法が、樹脂皮革に転写された凹凸構造が視認し難い寸法であることで、落ち着いたマット調の質感を有する樹脂皮革を製造することができる。
なお、「多色の光沢感」とは、2色以上の波長域の反射光(樹脂皮革からの反射光)が肉眼で認識されることを意味するものであり、好ましくは5色以上、より好ましくは7色の波長域の反射光が肉眼で認識される。
上記発明(発明1)において、前記第2凹凸構造のピッチは、0.5〜3μmであるのが好ましく(発明2)、前記第2凹凸構造のアスペクト比が、0.1〜3であるのが好ましく(発明3)、前記第2凹凸構造の断面形状は、略三角波形状、略矩形波形状、略台形波形状、略正弦波形状又は略鋸歯状波形状であるのが好ましく(発明4)、前記第2凹凸構造は、ラインアンドスペース形状又は格子形状を有するのが好ましい(発明5)。
また、本発明は、支持層と、前記支持層上に設けられている樹脂表皮層とを備え、前記樹脂表皮層上には、第1凹凸構造及び第2凹凸構造を含む凹凸構造が形成されており、前記第1凹凸構造は、視認され難く、かつ艶消し感が奏され得る寸法を有し、前記第2凹凸構造は、多色の光沢感が奏され得る寸法であって、前記第1凹凸構造よりも小さい寸法を有することを特徴とする樹脂皮革を提供する(発明6)。
上記発明(発明6)において、前記第2凹凸構造のピッチは、0.5〜3μmであるのが好ましく(発明7)、前記第2凹凸構造のアスペクト比が、0.1〜3であるのが好ましく(発明8)、前記第2凹凸構造の断面形状は、略三角波形状、略矩形波形状、略台形波形状、略正弦波形状又は略鋸歯状波形状であるのが好ましく(発明9)、前記第2凹凸構造は、ラインアンドスペース形状又は格子形状を有するのが好ましい(発明10)。
本発明によれば、多色の光沢感(虹色のような光沢感)を奏しつつも、落ち着いたマット調の質感(艶消し感)をも奏することのできる樹脂皮革を製造可能な離型シート及び多色の光沢感及び艶消し感を奏し得る樹脂皮革を提供することができる。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る離型シートの概略構成を示す平面図であり、図1(B)は、図1(A)におけるI−I線切断端面図であり、図1(C)は本発明の一実施形態に係る離型シートの第2凹凸構造の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図(A)は、本発明の一実施形態に係る離型シートの他の態様の概略構成を示す平面図であり、図2(B)は、図1(A)におけるI−I線切断端面図であり、図2(C)は本発明の一実施形態に係る離型シートの第1凹凸構造の他の態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る離型シートの第2凹凸構造の一態様を概略的に示す切断端面図(その1)である。 図4は、本発明の一実施形態に係る離型シートの第2凹凸構造の一態様を概略的に示す切断端面図(その2)である。 図5は、本発明の一実施形態に係る離型シートの第2凹凸構造の一態様を概略的に示す切断端面図(その3)である。 図6は、本発明の一実施形態に係る離型シートの第2凹凸構造の一態様を概略的に示す切断端面図(その4)である。 図7は、本発明の一実施形態に係る離型シートの第2凹凸構造の一態様を概略的に示す切断端面図(その5)である。 図8(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る離型シートを製造するための転写版の概略構成を示す切断端面図である。 図9は、本発明の一実施形態における樹脂皮革の概略構成を示す切断端面図である。
〔離型シート〕
本発明の一実施形態に係る離型シートについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る離型シートの概略構成を示す切断端面図(図1(A))、平面図(図1(B))及び部分拡大切断端面図(図1(C))であり、図2は、本実施形態に係る離型シートの他の態様の概略構成を示す切断端面図(図2(A))、平面図(図2(B))及び部分拡大切断端面図(図2(C))であり、図3〜7は、本実施形態に係る離型シートの第2凹凸構造の態様を概略的に示す切断端面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る離型シート1は、第1面2A及びそれに対向する第2面2Bを有する基材2と、基材2の第1面2A上に設けられ、基材2側に位置する第2面3B及びそれに対向する第1面3Aを含み、第1面3A側に第1凹凸構造4及び第2凹凸構造5が形成されてなる離型層3とを有する。
基材2としては、離型層3の形成が可能である限りにおいて特に制限はなく、一般に樹脂皮革製造用の離型シートや工程紙に用いられる従来公知の材質の基材を用いることができる。具体的には、上記基材2として、クラフト紙、上質紙、キャストコート紙等の紙基材;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル基材;各種ナイロン等のポリアミド、ポリプロピレン等の樹脂フィルム;合成紙、金属箔、織布、不織布等が用いられ得る。これらは、単独、又は2種以上を積層して上記基材2として用いられ得る。本実施形態に係る離型シートを用いて樹脂皮革を製造する際に、熱劣化を生じさせにくく、離型層3との密着性が高いという観点で、上記基材2として紙を用いるのが好ましい。
基材2の厚みは特に限定されるものではなく、基材2の材質等に応じて適宜設定され得るが、例えば50〜200μm程度に設定されるのが好ましい。
なお、基材2の第1面2Aには、離型層3との密着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、オゾン処理等の易接着性処理やプライマーコート等の表面処理等が施されていてもよい。
離型層3を構成する材料としては、第1面3Aに第1凹凸構造4及び第2凹凸構造5を形成することが可能であり、また本実施形態に係る離型シートを用いて樹脂皮革を製造する際に、樹脂皮革を容易に剥離可能な材料であれば、特に限定されるものではない。例えば、離型層3を構成する材料として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、プリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;シリコーン樹脂;ポリビニルアルコール等の従来公知の樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等が挙げられる。活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
離型層3は、上記熱可塑性樹脂を含むのが好ましく、特にポリプロピレンを含むのが好ましい。離型層3が熱可塑性樹脂、特にポリプロピレンを含むことで、離型層3の第1面3A側に第1凹凸構造4及び第2凹凸構造5を高精度に形成することができ、また本実施形態に係る離型シートを用いて樹脂皮革を製造する際に、樹脂皮革を容易に剥離することができる。なお、離型層3は、透明(可視光の透過率が80%以上程度)であってもよく、半透明又は不透明であってもよい。また、離型層3は着色されていてもよい。
離型層3の厚みT3は、第1面3A側に第1凹凸構造4及び第2凹凸構造5を形成することができる程度の厚みであればよく、例えば、5〜200μm、好ましくは10〜30μmに設定され得る。
なお、離型層3の第1面3A上に、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を塗布・乾燥させることで形成可能な剥離層(図示を省略する)が設けられていてもよい。剥離層が設けられていることで、樹脂皮革を製造する際に、離型シート1の剥離性をより向上させ得る。なお、剥離層が設けられる場合、剥離層の厚みは、離型層3の第1面3A側に形成されている第1凹凸構造4及び第2凹凸構造5の機能を損なわない程度の厚みであればよく、例えば、0.01〜0.5μm程度に設定され得る。
第1凹凸構造4は、略円柱形状の凸部42が実質的に規則的に配列されてなり、その周りに凹部41が位置する構造を有していてもよいし(図1(A),(B)参照)、頂点が略平坦である略四角垂形状の凸部42が実質的に規則的に配列されてなり、その周りに凹部41が位置する構造を有していてもよい(図2(A),(B)参照)。
離型層3の第1面3A側に形成されている第1凹凸構造4は、樹脂皮革10(図9参照)を製造する際に、樹脂皮革10に転写されることで当該樹脂皮革10に艶消し感を付与可能な寸法であって、第1凹凸構造4に対応して樹脂皮革10に転写される第1凹凸構造13が肉眼で視認され難い寸法を有する。樹脂皮革に艶消し感を付与可能な寸法の第1凹凸構造4が離型層3の第1面3A側に形成されていることで、本実施形態に係る離型シート1を用いて製造される樹脂皮革10に艶消し感を付与することができる。また、第1凹凸構造4が、第1凹凸構造4を転写した第1凹凸構造13が肉眼で視認され難いような寸法であることで、第1凹凸構造4が転写された第1凹凸構造13により落ち着いた艶消し感が奏され得る。
第1凹凸構造4の凸部42の寸法D42は、1200μm以下であるのが好ましく、20〜1000μmであるのがより好ましい。また、第1凹凸構造4の凸部42の高さT42は、2〜50μmであるのが好ましく、3〜30μmであるのがより好ましい。すなわち、第1凹凸構造4のアスペクト比(高さT42/寸法D42)は、0.004〜1であるのが好ましい。第1凹凸構造4がこのような寸法D42及び高さT42の凸部42を有することで、第1凹凸構造4が転写された第1凹凸構造13(図9参照)が肉眼で視認され難く、落ち着いた艶消し感を樹脂皮革に付与することができる。
なお、図1(A)及び(B)、並びに図2(A)及び(B)に示す態様において、第1凹凸構造4の凸部42の高さT42は、離型層3の第1面3Aを上方に位置させ、第2面3Bを下方に位置させるようにして見たときに、凹部41上に形成されている第2凹凸構造5(凸部52)の最上部と、凸部42上に形成されている第2凹凸構造5(凸部52)の最上部との間の長さ(厚み方向の長さ)により定義される(図1(C)、図2(C)参照)。
離型層3の第1面3A側からの平面視において、当該第1面3Aの面積に対する第1凹凸構造4の凸部42の面積の比率(凸部42の面積率)は、落ち着いた艶消し感を樹脂皮革10(図9参照)に付与することができる限りにおいて特に制限されるものではなく、適宜設定され得る。
離型層3の第1面3A側に形成されている第2凹凸構造5は、樹脂皮革10(図9参照)を製造する際に、樹脂皮革10に転写されることで当該樹脂皮革10に多色の光沢感を付与可能な寸法D51,D52であって、第1凹凸構造4の凸部42の寸法D42よりも小さい寸法D51,D52を有する。樹脂皮革10に多色の光沢感を付与可能な寸法D51,D52の第2凹凸構造5が離型層3の第1面3A側に形成されていることで、本実施形態に係る離型シート1を用いて製造される樹脂皮革10多色の光沢感を付与することができる。また、第2凹凸構造5の寸法D51,D52が第1凹凸構造4の凸部42の寸法D42よりも小さいことで、当然に、第2凹凸構造5が転写された第2凹凸構造14が肉眼で視認されることはなく、非常に良好な多色の光沢感を樹脂皮革10に付与することができる。
第2凹凸構造5の断面形状は、例えば、略三角波形状(図3参照)、略矩形波形状(図4参照)、略台形波形状(図5参照)、略正弦波形状(図6参照)、略鋸歯状波形状(図7参照)等であればよく、好ましくは略三角波形状(図3参照)である。また、第2凹凸構造5の平面視形状は、例えば、ラインアンドスペース状、格子状等であればよい。
第2凹凸構造5のピッチP5は、0.5〜3.0μmであるのが好ましく、0.8〜2.5μmであるのがより好ましい。第2凹凸構造5のピッチP5が0.5μm未満であると、樹脂皮革に多色の光沢感が付与されなくなるおそれがあり、3.0μmを超えると、樹脂皮革に付与される多色の光沢感が弱くなるおそれがある。第2凹凸構造5が略矩形波形状(図4参照)であって、第2凹凸構造5を構成する凹部51及び凸部52の寸法D51,D52が同一である場合、当該第2凹凸構造5(凹部51及び凸部52)の寸法D51,D52は、0.25〜1.5μmであるのが好ましく、0.4〜1.25μmであるのがより好ましい。なお、第2凹凸構造5のピッチP5は、隣接する凹部51及び凸部52の寸法D51,D52(平面視における短手方向の長さ)の合計長さにより定義される。
なお、図3及び図5〜7に示す態様において、離型層3の第1面3Aを上方に位置させ、第2面3Bを下方に位置させるようにして見たときに、凹部51は、第2凹凸構造5の最上部と最下部との厚み方向中間点を通る仮想線分Vの下側に位置する窪み部分により定義され、凸部52は、仮想線分Vの上側に位置する部分により定義される。そして、図3及び図5〜7における凹部51及び凸部52の寸法D51,D52は、凹部51及び凸部52を規定するための仮想線分Vの長さにより定義される。
第2凹凸構造5の高さT5(第2凹凸構造5の最上部と最下部との間の厚み方向の長さ)は、0.05μm以上であるのが好ましく、0.05〜3.0μmであるのがより好ましく、0.1〜2.0μmであるのが特に好ましい。第2凹凸構造5の高さT5が0.05μm未満であると、樹脂皮革10に多色の光沢感を付与することが困難となるおそれがある。第2凹凸構造5のアスペクト比は、0.03〜12であるのが好ましく、0.08〜5であるのがより好ましい。
〔離型シートの製造方法〕
上述した本実施形態に係る離型シート1は、基材2の第1面2A上に離型層3を構成する材料(樹脂材料)からなる膜を形成し、当該樹脂材料膜の表面(離型層3の第1面3A)に第1凹凸構造4及び第2凹凸構造5を形成することで製造され得る。
具体的には、第1凹凸構造4に対応する第1凹凸構造21と、第2凹凸構造5に対応する第2凹凸構造22とが一面に形成されてなる転写版20(図8(A),(B)参照)を準備し、当該転写版20の第1凹凸構造21及び第2凹凸構造22を、基材2の第1面2A上に形成された樹脂材料膜に転写する。好適には、転写版20をロール本体に巻きつけた転写ロールを準備して、基材2の第1面2A上に樹脂材料膜が形成されてなる原反を搬送しながら、転写ロールを押し付けることで、離型層3の第1面3Aに第1凹凸構造4及び第2凹凸構造5が形成される。このようにして、本実施形態に係る離型シート1が製造され得る。
〔樹脂皮革〕
続いて、本実施形態における樹脂皮革について説明する。図9は、本実施形態における樹脂皮革の概略構成を示す切断端面図である。なお、後述するように、本実施形態における樹脂皮革は、上記離型シート1を用いて製造される。図9においては、図1(A)〜(C)に示す離型シート1を用いて製造された樹脂皮革を例示して説明する。
図9に示すように、本実施形態における樹脂皮革10は、支持層11と、支持層11上に積層されてなる樹脂表皮層12とを備える。樹脂表皮層12の表面には、第1凹凸構造13及び第2凹凸構造14が形成されている。
支持層11としては、例えば、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン、アセテート等の再生又は半合成繊維;ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン等の合成繊維等の繊維からなる織布、不織布、網布、紙、ポリエステルやポリオレフィン等の樹脂フィルム、金属板、ガラス板等、一般に、樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)に用いられるものから、樹脂皮革の種類や用途に応じて適宜選択され得る。支持層11の厚みは、樹脂表皮層12を支持可能な厚みであれば特に限定されるものではない。
樹脂表皮層12を構成する樹脂材料としては、一般に樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の製造に用いられる樹脂材料、例えば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。なお、樹脂表皮層12は、可塑剤、安定剤、着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。樹脂表皮層12の厚みとしては、第1凹凸構造13及び第2凹凸構造14を備えることができる厚みであればよく、樹脂皮革10の用途等に応じて適宜設定され得る。
本実施形態において、第1凹凸構造13は、略円柱形状の凹部131が実質的に規則的に配列されてなり、その周りに凸部132が位置する構造を有するが、図2に示す離型シート1を用いて製造された樹脂皮革10においては、当然に、第1凹凸構造13は、底面が略平坦であり、平面視略四角形のすり鉢状の凹部131が実質的に規則的に配列されてなり、その周りに凸部132が位置する構造を有する。
第1凹凸構造13は、本実施形態における樹脂皮革10において艶消し感が奏され得る寸法であって、肉眼で視認され難い寸法を有する。第1凹凸構造13が肉眼で視認され難いような寸法であることで、第1凹凸構造13により落ち着いた艶消し感が奏され得る。
第1凹凸構造13の凹部131の寸法D131は、1200μm以下であるのが好ましく、20〜1000μmであるのがより好ましい。また、第1凹凸構造13の凹部131の深さT131は、2〜50μmであるのが好ましく、3〜30μmであるのがより好ましい。すなわち、第1凹凸構造13のアスペクト比(深さT131/寸法D131)は、0.004〜1であるのが好ましい。第1凹凸構造13がこのような寸法D131及び深さT131の凹部131を有することで、第1凹凸構造13が肉眼で視認され難く、落ち着いた艶消し感が奏され得る。
なお、第1凹凸構造13の凹部131の深さT131は、樹脂表皮層12を上方に位置させ、支持層11を下方に位置させるようにして見たときに、凹部131上に形成されている第2凹凸構造14(凸部142)の最上部と、凸部131上に形成されている第2凹凸構造14(凸部142)の最上部との間の長さ(厚み方向の長さ)により定義される(図9参照)。
樹脂表皮層12の上面視において、樹脂表皮層12の面積に対する第1凹凸構造13の凹部131の面積の比率(凹部131の面積率)は、落ち着いた艶消し感が奏され得る限りにおいて特に制限はなく、適宜設定され得る。
第2凹凸構造14は、樹脂皮革10において多色の光沢感が奏され得る寸法であって、第1凹凸構造13の凹部131の寸法D131よりも小さい寸法を有する。第2凹凸構造14の寸法が第1凹凸構造13の凹部131の寸法D131よりも小さいことで、当然に、第2凹凸構造14が肉眼で視認されることはなく、非常に良好な多色の光沢感が奏され得る。
第2凹凸構造14の断面形状は、離型シート1の第2凹凸構造5をミラー反転した形状であり、例えば、略三角波形状(図3参照)、略矩形波形状(図4参照)、略台形波形状(図5参照)、略正弦波形状(図6参照)、略鋸歯状波形状(図7参照)等であり、好ましくは略三角波形状(図3参照)である。また、第2凹凸構造14の平面視形状は、例えば、ラインアンドスペース状、格子状等である。
第2凹凸構造14のピッチは、0.5〜3.0μmであるのが好ましく、0.8〜2.5μmであるのがより好ましい。第2凹凸構造14のピッチが0.5μm未満であると、樹脂皮革10において多色の光沢感が奏されなくなるおそれがあり、3.0μmを超えると、樹脂皮革10における多色の光沢感が弱くなるおそれがある。第2凹凸構造14が略矩形波形状であって、第2凹凸構造14を構成する凹部141及び凸部142の寸法が同一である場合、当該第2凹凸構造14(凹部141及び凸部142)の寸法は、0.25〜1.5μmであるのが好ましく、0.4〜1.25μmであるのがより好ましい。
なお、第2凹凸構造14のピッチは、隣接する凹部141及び凸部142の寸法(平面視における短手方向の長さ)の合計長さにより定義される。なお、第2凹凸構造14の凹部141及び凸部142は、離型シート1の第2凹凸構造5の凹部51及び凸部52と同様に、第2凹凸構造14の最上部と最下部との厚み方向中間点を通る仮想線分の下側に位置する窪み部分及び上側に位置する部分により定義され、凹部141及び凸部142の寸法もまた、仮想線分の長さにより定義される。
第2凹凸構造14の深さ(第2凹凸構造14の最上部と最下部との間の厚み方向の長さ)は、0.05μm以上であるのが好ましく、0.05〜3.0μmであるのがより好ましく、0.1〜2.0μmであるのが特に好ましい。第2凹凸構造14の深さが0.05μm未満であると、多色の光沢感が奏され難くなるおそれがある。第2凹凸構造14のアスペクト比は、0.03〜12であるのが好ましく、0.08〜5であるのがより好ましい。
〔樹脂皮革の製造方法〕
上記樹脂皮革10の製造方法としては、本実施形態に係る離型シート1を用い、樹脂皮革10の樹脂表皮層12の表面に第1凹凸構造13及び第2凹凸構造14を形成することのできる方法であればよく、離型シートを用いた従来公知の樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の製造方法を採用することができる。樹脂皮革の製造方法は、乾式法であってもよいし、湿式法であってもよい。
例えば、乾式法により樹脂皮革10を製造する場合、離型シート1の離型層3の第1面3Aに、従来公知の方法により樹脂表皮層形成用組成物を塗布し、乾燥して樹脂表皮層12を形成し、樹脂表皮層12上に接着層を介して支持層11を積層させて乾燥及び熟成した後、離型シート1を剥離することで樹脂皮革10が製造され得る。接着層としては、樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の製造に用いられる従来公知の接着層を用いることができる。
樹脂表皮層形成用組成物としては、所望とする樹脂表皮層12を形成可能なものであればよく、樹脂皮革10の種類に応じて適宜選択される。例えば、樹脂皮革10がポリウレタンレザーの場合、樹脂表皮層形成用組成物として、ポリウレタン及び任意の添加剤を含み、固形分が20〜50質量%程度のポリウレタンペースト等が用いられ得る。また、樹脂皮革がポリ塩化ビニルレザーの場合、樹脂表皮層形成用組成物として、ポリ塩化ビニル及び任意の添加剤を含むゾル等が用いられ得る。
上述のようにして製造される樹脂皮革10の用途としては、樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の一般的な用途が挙げられる。また、天然皮革の代用品として用いることもできる。例えば、衣料、鞄、靴、財布、スマートフォンカバー表皮材、インテリア資材、インスツルメントパネル材、カーシート表皮材、ステアリングホイール表皮材等の車両用内装材や自動二輪車のシート材等が挙げられる。
本実施形態における樹脂皮革10によれば、樹脂表皮層12の表面に形成された第1凹凸構造13により落ち着いたマット調の質感(艶消し感)が奏されるとともに、第2凹凸構造14により多色の光沢感が奏される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態において、基材2を備える離型シート1を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、離型シート1は、離型層3のみを備え、基材2を備えていなくてもよい。
上記実施形態において、離型シート1の第2凹凸構造5が離型層3の第1面3Aの全面に形成されている態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、離型シート1を用いて製造される樹脂皮革10における多色の光沢感による意匠性等に関する要求等に応じて、離型層3の第1面3Aの一部に第2凹凸構造5が形成されていてもよい。第1凹凸構造4(凸部42)も同様に、離型層3の第1面3Aの一部に形成されていてもよいし、部分的に第1凹凸構造4(凸部42)の配置密度を変化させるようにしてもよい。
上記実施形態において、樹脂皮革10の樹脂表皮層12が単層により構成される例を挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、樹脂皮革10は、支持層11上に順に積層された第1樹脂表皮層と第2樹脂表皮層との2層により構成される樹脂表皮層12を備えていてもよく、この場合において、第2樹脂表皮層の表面に第1凹凸構造13及び第2凹凸構造14が形成されていればよい。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)転写版の準備
銅めっきしたシリンダー(径:100mmφ,幅:300mm)の表面に、機械切削により第1凹凸構造21及び第2凹凸構造20を形成した後、表面をクロムめっき処理して転写版20を作製した。転写版20において、第1凹凸構造21の凹部は、寸法20μm、深さ8.0μm、面積率50%の略円柱形状とした。また、第2凹凸構造22は、ピッチ2μm(凹部及び凸部の寸法:1μm)、高さ(深さ)1μmのラインアンドスペース形状とした。
(2)離型シートの製造
紙製の基材2(厚み:150μm)の第1面2A上に、ポリプロピレンを塗布して離型層3(厚み:50μm)を形成し、下記の条件で離型層3の第1面3Aに転写版20を加熱押圧して第1凹凸構造21及び第2凹凸構造22を転写し、基材2と、第1面3A上に第1凹凸構造4及び第2凹凸構造5が形成されてなる離型層3とを備える離型シート1(原反幅:300mm)を製造した。
(転写条件)
・シリンダー温度:120℃
・押圧力:150kgf/cm
・搬送速度:5m/min
(3)樹脂皮革の製造
上記離型シート1の離型層3の第1面3A上に、樹脂表皮層形成用組成物として下記組成の合成皮革の表皮層様ポリウレタン組成物をバーコート法で塗布し、100〜120℃の範囲内で2分間、加熱乾燥させた。その後、塗布層上に接着剤を用いて基布(支持層)を貼り合わせ、乾燥、熟成後、離型シート1を剥離して樹脂皮革10を製造した。
(樹脂表皮層形成用組成物)
・ポリウレタン(レザミンNE−8811,大日精化工業社製) 100質量部
・着色剤(セイカセブンNET−5794ブラック,大日精化工業社製) 15質量部
・トルエン 25質量部
・イソプロピルアルコール 25質量部
〔実施例2〕
転写版20における第1凹凸構造21の凹部の寸法を200μmとした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔実施例3〕
転写版20における第1凹凸構造21の凹部の寸法を1000μmとした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔実施例4〕
転写版20における第1凹凸構造21の凹部の寸法を10μmとした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔実施例5〕
転写版20における第1凹凸構造21の凹部の寸法を1200μmとした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔実施例6〕
転写版20における第1凹凸構造21の凹部を、底面が略平坦面であり、平面視略四角形のすり鉢状とした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革21を製造した。
〔実施例7〕
転写版20における第1凹凸構造21の凹部の寸法を200μmとした以外は、実施例6と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔実施例8〕
転写版20における第1凹凸構造21の凹部の寸法を1000μmとした以外は、実施例6と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔実施例9〕
転写版20における第1凹凸構造21の凹部の寸法を10μmとした以外は、実施例6と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔実施例10〕
転写版20における第1凹凸構造21の凹部の寸法を1200μmとした以外は、実施例6と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔実施例11〕
転写版20における第2凹凸構造22のピッチを5μm(凹部及び凸部の寸法:2.5μm)にした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔比較例1〕
転写版の表面に第2凹凸構造22を形成せず、第1凹凸構造21のみを形成した以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔比較例2〕
転写版の表面に第1凹凸構造21を形成せず、第2凹凸構造22のみを形成した以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔比較例3〕
転写版20における第2凹凸構造22のピッチを0.2μm(凹部及び凸部の寸法:0.1μm)にした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート1及び樹脂皮革10を製造した。
〔試験例1〕外観評価試験
実施例1〜11及び比較例1〜3の樹脂皮革10から100mm角のサンプルを切り出し、当該各サンプルを机の上に置き、照度400ルクス(明るいオフィス相当)環境下で各サンプルの外観について、被験者10名により多色の光沢感が認められるか否か、艶消し感が認められるか否か、並びに第1凹凸構造13及び第2凹凸構造14が視認されるか否かの3つの観点から評価した。
実施例1〜11及び比較例1〜3の各サンプルについて、被験者10名による「多色の光沢感」、「艶消し感」、並びに「第1凹凸構造13及び第2凹凸構造14の視認性」に関する評価結果を下記表1に示す。なお、表1の「多色の光沢感」、「艶消し感」及び「視認性」の各項目において、被験者10名による「多色の光沢感が認められる」、「艶消し感が認められる」、「第1凹凸構造13及び第2凹凸構造14が視認されない」との各評価結果が9名以上のサンプルは「◎」、は被験者10名による上記評価結果が4名以上8名以下のサンプルは「○」、被験者10名による上記評価結果が1名以上3名以下のサンプルは「△」、被験者10名による上記評価結果が0名のサンプルは「×」と評価した。
Figure 2018003173
表1に示すように、樹脂皮革10の樹脂表皮層12の表面に所定寸法の第1凹凸構造13及び第2凹凸構造14が形成されていることで、落ち着いたマット調の質感(艶消し感)が奏されるとともに、多色の光沢感が奏されることが確認された。また、実施例4及び実施例9と、実施例11とを比較すると、実施例11においては、実施例4及び実施例9に比して多色の光沢感に劣る結果となっていた。このことから、第2凹凸構造14のピッチを3μm以下程度とすることで、非常に良好な多色の光沢感が奏され得ることが確認された。
さらに、第1凹凸構造13の寸法が小さくなるに従い、視認性の評価が向上することが明らかとなった。実施例5及び実施例10(第1凹凸構造13の凹部131の寸法D131:1200μm)においては、視認性の評価が低く、その結果として艶消し感の評価が低下しているものと考えられる。一方、実施例3及び実施例8(第1凹凸構造13の凹部131の寸法D131:1000μm)においては、視認性の評価に関し実施例5及び実施例10と同等の評価(“△”)であるが、艶消し感の評価に関しては実施例5及び実施例10よりも優れた結果となった。実施例5及び10の樹脂皮革10と、実施例3及び8の樹脂皮革10とにおける視認性に関する評価の詳細は、後者の方が前者よりも第1凹凸構造13及び第2凹凸構造14が視認され難い傾向にあるとのことであった。よって、第1凹凸構造13の凹部131の寸法D131を1000μm以下とすることで、第1凹凸構造13が極めて視認され難くなり、その結果として、落ち着いた艶消し感が奏され得ると推認される。
1…離型シート
2…基材
3…離型層
4…第1凹凸構造
41…凹部
42…凸部
5…第2凹凸構造
51…凹部
52…凸部
10…樹脂皮革
11…支持層
12…樹脂表皮層
13…第1凹凸構造
131…凹部
132…凸部
14…第2凹凸構造
141…凹部
142…凸部

Claims (10)

  1. 樹脂皮革を製造するために用いられる離型シートであって、
    第1面及びそれに対向する第2面を有し、前記第1面側に凹凸構造が形成されてなる離型層を有し、
    前記凹凸構造は、第1凹凸構造と、前記第1凹凸構造上の少なくとも一部に形成されてなる第2凹凸構造とを含み、
    前記第1凹凸構造は、前記樹脂皮革に転写されることで当該樹脂皮革に艶消し感を付与可能な寸法であって、前記第1凹凸構造に対応して前記樹脂皮革に転写された凹凸構造が視認され難い寸法を有し、
    前記第2凹凸構造は、前記樹脂皮革に多色の光沢感を付与可能な寸法であって、前記第1凹凸構造よりも小さい寸法を有する
    ことを特徴とする離型シート。
  2. 前記第2凹凸構造のピッチは、0.5〜3μmであることを特徴とする請求項1に記載の離型シート。
  3. 前記第2凹凸構造のアスペクト比が、0.1〜3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の離型シート。
  4. 前記第2凹凸構造の断面形状は、略三角波形状、略矩形波形状、略台形波形状、略正弦波形状又は略鋸歯状波形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の離型シート。
  5. 前記第2凹凸構造は、ラインアンドスペース形状又は格子形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の離型シート。
  6. 支持層と、前記支持層上に設けられている樹脂表皮層とを備え、
    前記樹脂表皮層上には、第1凹凸構造及び第2凹凸構造を含む凹凸構造が形成されており、
    前記第1凹凸構造は、視認され難く、かつ艶消し感が奏され得る寸法を有し、
    前記第2凹凸構造は、多色の光沢感が奏され得る寸法であって、前記第1凹凸構造よりも小さい寸法を有することを特徴とする樹脂皮革。
  7. 前記第2凹凸構造のピッチは、0.5〜3μmであることを特徴とする請求項6に記載の樹脂皮革。
  8. 前記第2凹凸構造のアスペクト比が、0.1〜3であることを特徴とする請求項6又は7に記載の樹脂皮革。
  9. 前記第2凹凸構造の断面形状は、略三角波形状、略矩形波形状、略台形波形状、略正弦波形状又は略鋸歯状波形状であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の樹脂皮革。
  10. 前記第2凹凸構造は、ラインアンドスペース形状又は格子形状を有することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の樹脂皮革。
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