JP6903912B2 - 物品及びその製造方法、並びに物品の触感評価方法 - Google Patents

物品及びその製造方法、並びに物品の触感評価方法 Download PDF

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Description

本開示は、物品及びその製造方法、並びに物品の触感評価方法に関する。
人工皮革、合成皮革等とも称される樹脂皮革は、例えば、衣料、鞄、靴、財布、スマートフォンカバー表皮材、インテリア資材、インスツルメントパネル材、カーシート表皮材、ステアリングホイール表皮材等の車両用内装材や自動二輪車のシート材等の物品として用いられる。樹脂皮革は、表面に剥離性を有する離型シート上に、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂組成物を塗布して硬化させた後に、当該離型シートを剥離することで製造される。樹脂皮革は、樹脂組成物により構成される表皮層により、天然皮革に似た質感や色合い等を有する。
また、様々な物品、例えば建築物の壁面に用いられる壁装材、床面に用いられる床用化粧材、家具等の表面には、化粧シートが用いられる。化粧シートは、基材シートと、基材シート上に形成されている樹脂層とを備える。
近年、樹脂皮革に対して、天然皮革と同等の触感(触り心地)、特にしっとりとした触感を有することが求められており、このような触感を得るための様々な工夫が樹脂皮革の表面に施されている。化粧シートにおいても同様に、しっとりとした触感を奏することが求められている。従来、例えば、樹脂皮革の表面に半球状の突起を複数設け、人の指で撫でたときの摩擦係数が所定の範囲となるように、樹脂皮革の表面に半球状の突起を複数設ける技術が提案されている(特許文献1参照)。
特許第5685770公報
特許文献1に記載の樹脂皮革においては、表面に複数の凸曲面を有し、凸曲面の表面に複数の微細な突起が均一に形成されている。これにより、人が撫でたときの摩擦係数が所定の範囲となり、しっとりとした触感が得られるとされる。すなわち、特許文献1には、樹脂皮革の表面の突起によって適度な摩擦感が得られることで、しっとりとした触感が奏され得るという技術思想が開示されている。しかしながら、所定の凸曲面及び突起を有する表面であったとしても、樹脂皮革を構成する樹脂材料によっては、しっとりとした触感が奏されないおそれがある。また、均一な突起が形成されていることで、天然皮革に類似する風合いを呈することはできない。
シボ模様を有する天然皮革の多くがしっとりとした触感を奏することから、天然皮革のシボ模様に類似するシボ模様を樹脂皮革の表面に形成することで、樹脂皮革にしっとりとした触感を付与する試みがなされている。樹脂皮革の表面にシボ模様を形成する方法としては、シボ模様を有する天然皮革を型として用い、当該天然皮革のシボ模様をシリコーンゴム等に転写し、シリコーンゴムに転写されたシボ模様を、樹脂皮革の表面に転写する方法、天然皮革のシボ模様をデザインしたCADデータ等を作成し、当該CADデータ等に基づいて転写版の表面に凹凸構造を形成し、当該凹凸構造が転写された離型シート等を用いて樹脂皮革の表面にシボ模様に類似する凹凸構造を転写する方法等が試されている。しかし、いずれの方法においても樹脂皮革の表面に、天然皮革のようなしっとりとした触感を奏し得るシボ模様を形成することは困難である。
一般に、樹脂皮革の製造に用いられる離型シートは、紙、樹脂等の基材上に樹脂製の離型層が設けられてなる構造を有し、樹脂皮革の表面に形成される凹凸構造(特許文献1における凸曲面及び突起)に対応する凹凸構造が、離型層に形成されている。離型シートは、離型層に形成される凹凸構造に対応する凹凸構造を有する転写版を用いて、基材上の樹脂材料層に転写版の凹凸構造を転写することで製造される。すなわち、樹脂皮革は、少なくとも2回の転写工程を経て製造される。
特許文献1に開示されているように、樹脂皮革の表面に形成される凹凸構造によって得られる摩擦感に基づいて、樹脂皮革にしっとりとした触感を与えるためには、少なくとも2回の転写工程を経て樹脂皮革の表面に形成される凹凸構造が、所定の摩擦係数を示し得る寸法等を有していなければならない。しかしながら、複数回の転写工程を経ることで、樹脂皮革の表面に形成される凹凸構造の寸法等は、転写版に形成されている凹凸構造の寸法等から変動するおそれがある。この寸法の変動は、樹脂皮革の製造プロセスにおける種々の条件に起因して生じ得るものであり、製造プロセスの条件を可能な限り最適化したとしても、凹凸構造の寸法変動は避けられない。したがって、特許文献1に記載の発明においては、凹凸構造の寸法変動により、しっとりとした触感を奏する樹脂皮革を安定的に得ることができないという問題がある。
上記課題に鑑みて、本発明は、しっとりとした触感を奏することのできる物品、当該物品を安定的に製造する方法、及び物品の触感を評価する方法を提供することを一目的とする。
本発明の一実施形態として、支持層と、前記支持層上に設けられている樹脂層とを備え、前記樹脂層上には、凹凸構造により構成されるシボ模様が形成されており、動的粘弾性測定装置を用いて圧縮試験モードにより測定した前記樹脂層の23℃での貯蔵弾性率E’が105.6Pa以上106.6Pa以下、損失弾性率E”が105.0Pa以上106.6Pa以下、前記貯蔵弾性率E’に対する前記損失弾性率E”の比で表される損失正接tanδ(E”/E’)が0.15以上1.0以下である物品が提供される。
前記損失弾性率E”が105.0Pa以上105.6Pa以下であるのが好ましく、前記凹凸構造により構成される前記シボ模様は、前記樹脂層と前記支持層とに形成されていてもよく、前記物品は樹脂皮革であってもよいし、化粧シートであってもよい。
本発明の一実施形態として、凹凸構造が表面に形成されてなる樹脂層を有する物品を製造する方法であって、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する離型シートを準備し、当該離型シートの前記第1面に、前記凹凸構造に対応する凹凸型を形成する工程と、前記離型シートの前記第1面上に樹脂層形成用組成物を塗布し、前記樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層から前記離型シートを剥離する工程とを含み、動的粘弾性測定装置を用いて圧縮試験モードにより測定した前記樹脂層の23℃での貯蔵弾性率E’が105.6Pa以上106.6Pa以下、損失弾性率E”が105.0Pa以上106.6Pa以下、かつ前記貯蔵弾性率E’に対する前記損失弾性率E”の比で表される損失正接tanδ(E”/E’)が0.15以上1.0以下となるように、前記樹脂層形成用組成物が選択され、前記凹凸型が前記離型シートの前記第1面に形成される物品の製造方法が提供される。
前記損失弾性率E”が105.0Pa以上105.6Pa以下となるように、前記樹脂層形成用組成物が選択され、前記凹凸型が前記離型シートの前記第1面に形成されるのが好ましく、前記凹凸構造はシボ模様であってもよい。
本発明によれば、しっとりとした触感を奏することのできる物品、当該物品を安定的に製造する方法、及び物品の触感を評価する方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂皮革の概略構成を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る樹脂皮革の貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδと、樹脂皮革の触感との関係性を示すグラフである。 図3(A)〜(D)は、本発明の一実施形態に係る樹脂皮革の製造方法を断面図にて示す工程フロー図である。 図4は、本発明の一実施形態における離型シートの作製方法の一例を示す概略図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書に添付した図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりしている場合がある。
本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
〔樹脂皮革〕
図1は、本実施形態に係る樹脂皮革の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る樹脂皮革1は、支持層2と、支持層2上に積層されてなる樹脂表皮層3とを備える。樹脂表皮層3の表面には、凹凸構造4により構成されるシボ模様が形成されている。樹脂表皮層3の表面にシボ模様が形成されていることで、天然皮革に類似する風合いを呈することができる。
支持層2としては、例えば、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン、アセテート等の再生又は半合成繊維;ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン等の合成繊維等の繊維からなる織布、不織布、網布、紙、ポリエステルやポリオレフィン等の樹脂フィルム、金属板、ガラス板等、一般に、樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)に用いられるものから、樹脂皮革の種類や用途に応じて適宜選択され得る。支持層2の厚みは、樹脂表皮層3を支持可能な厚みであれば特に限定されるものではない。
樹脂表皮層3は、樹脂材料及び所望により添加剤を含有する樹脂組成物により構成される。当該樹脂材料としては、一般に樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の製造に用いられる樹脂材料、例えば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。樹脂表皮層3は、上記添加剤として、可塑剤、安定剤、着色剤等を含んでいてもよい。樹脂表皮層3の厚みとしては、凹凸構造4を備えることができる厚みであればよく、樹脂皮革1の用途等に応じて適宜設定され得る。
樹脂表皮層3の動的粘弾性を計測したときの貯蔵弾性率E’が105.6Pa以上106.6Pa以下であり、損失弾性率E”が105.0Pa以上106.6Pa以下であり、かつ貯蔵弾性率E’に対する損失弾性率E”の比で表される損失正接tanδ(E”/E’)が0.15以上1.0以下である。本実施形態に係る樹脂皮革1における樹脂表皮層3は、図2に示すグラフにおいて斜線部にて表されている範囲に含まれる貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδを有する。樹脂表皮層3の貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδが上記範囲内であることで、樹脂皮革1にしっとりとした触感を付与することができる。なお、樹脂表皮層3の貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδは、動的粘弾性測定装置(例えば、Rheogel-E4000;ユービーエム社製)を用い、所定の表面温度(23℃)の樹脂表皮層3を被験試料として求められ得る。
樹脂表皮層3の貯蔵弾性率E’が105.6Pa未満であると、樹脂皮革1に「やわらかい」という触感が付与され、しっとりとした触感が付与されない。一方、樹脂表皮層3の貯蔵弾性率E’が106.6Paを超えると、樹脂皮革1に「かたい」という触感が付与され、しっとりとした触感が付与されない。
また、樹脂表皮層3の損失弾性率E”が105.0Pa未満であると、樹脂皮革1に「かたい」という触感が付与され、しっとりとした触感が付与されない。一方、樹脂表皮層3の損失弾性率E”が106.6Paを超えると、損失正接tanδが1.0を超えてしまい、樹脂皮革1(樹脂表皮層3)を成形することができなくなってしまう。
さらに、樹脂表皮層3の損失正接tanδが0.15未満であると、樹脂皮革1に「かたい」という触感が付与され、しっとりとした触感が付与されない。一方、樹脂表皮層3の損失正接tanδが1.0を超えると、樹脂皮革1(樹脂表皮層3)を成形することができなくなってしまう。
本実施形態に係る樹脂皮革1において、樹脂表皮層3の損失弾性率E”が105.0Pa以上105.6Pa以下であるのが好ましい。樹脂表皮層3の損失弾性率E”を105.0Pa未満とするには、本実施形態に係る樹脂皮革1の製造過程において用いられる樹脂表皮層形成用組成物の粘度を大きくする必要があるが、そうするとシボ模様を構成する凹凸構造4のうち極微細な凹凸構造4が樹脂表皮層3に転写され難くなり、天然皮革に類似する微妙な風合いが損なわれるおそれがある。一方、樹脂表皮層3の損失弾性率E”を105.6Pa超とするには、上記樹脂表皮層形成用組成物の粘度を小さくする必要があるが、そうするとシボ模様を構成する凹凸構造4のうち深い(アスペクト比の大きい)凹凸構造4が樹脂表皮層3に転写され難くなり、天然皮革に類似する微妙な風合いが損なわれるおそれがある。すなわち、樹脂表皮層3の損失弾性率E”が上記範囲内であることで、本実施形態に係る樹脂皮革1において、天然皮革に極めて類似する風合いが呈されることになる。
樹脂表皮層3の損失弾性率E”は、樹脂表皮層3を構成する樹脂組成物の種類に主に依存する物理量である。そのため、樹脂表皮層3を構成する樹脂組成物の適切な選択により、樹脂表皮層3の損失弾性率E”を上記範囲内に設定することができる。一方で、樹脂表皮層3の貯蔵弾性率E’は、樹脂表皮層3の表面に設けられる凹凸構造4(シボ模様)の寸法等に主に依存する物理量である。そのため、樹脂表皮層3の表面の凹凸構造4の適切な設計により、樹脂表皮層3の貯蔵弾性率E’を上記範囲内に設定することができる。
凹凸構造4の寸法(シボ模様の凹凸構造4の短手方向の幅)は、特に限定されるものではないが、例えば、1μm以上100μm以下程度に設定され得る。凹凸構造4の寸法が1μm未満であると、寸法の制御が困難であり、しっとりとした触感の樹脂皮革1が安定的に製造され難くなるおそれがある。凹凸構造4の寸法が100μmを超えると、貯蔵弾性率E’が大きくなることで、樹脂皮革1にしっとりした触感が付与されないおそれがある。
凹凸構造4の高さ(深さ)は、特に限定されるものではないが、例えば、1μm以上100μm以下程度に設定され得る。凹凸構造4の高さ(深さ)が1μm未満であると、樹脂表皮層3の表面を指で撫でたときに、凹凸構造4の凹部が指紋で埋まりやすくなり、しっとりとした触感を感じ難くなるおそれがある。一方、凹凸構造4の高さ(深さ)が100μmを超えると、凹凸構造4の形成が困難になるおそれがある。
特に、凹凸構造4のアスペクト比は、凹凸構造4の形状(シボ模様を構成する凹凸構造4の短手方向における断面形状)に応じて適宜設定され得るが、0.3以上1.7以下の範囲内であるのが好ましい。凹凸構造4のアスペクト比が上記範囲内であることで、樹脂表皮層3の貯蔵弾性率E’を所望とする範囲内に設定することができる。なお、樹脂表皮層3の表面に形成されているシボ模様の凹凸構造4は、不規則(ランダム)な形状を有する。本実施形態に係る樹脂皮革1の凹凸構造4の寸法、高さ(深さ)、アスペクト比等は、レーザー顕微鏡等を用いて測定され得る。
本実施形態に係る樹脂皮革1の用途としては、樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の一般的な用途が挙げられる。また、凹凸構造4により構成されるシボ模様が表面に形成され、天然皮革に類似する風合いを呈するとともに、しっとりとした触感を奏し得ることから、本実施形態に係る樹脂皮革1は、天然皮革の代用品として好適に用いられ得る。樹脂皮革1の用途としては、例えば、衣料、鞄、靴、財布、スマートフォンカバー表皮材、インテリア資材、インスツルメントパネル材、カーシート表皮材、ステアリングホイール表皮材等の車両用内装材や自動二輪車のシート材等が挙げられる。
本実施形態における樹脂皮革1によれば、樹脂表皮層3の表面に形成された凹凸構造4により構成されるシボ模様によって、天然皮革に類似する風合いを呈することができるとともに、しっとりとした触感が奏され得る。
〔樹脂皮革の製造方法〕
本実施形態に係る樹脂皮革の製造方法を説明する。図3(A)〜(D)は、本実施形態に係る樹脂皮革の製造方法を断面図にて示す工程フロー図である。
本実施形態に係る樹脂皮革の製造方法においては、図3(A)に示すように、まず、樹脂皮革1の樹脂表皮層3の表面に形成される凹凸構造4に対応する凹凸構造14を有する離型シート10を準備する。
図3(A)に示すように、離型シート10は、第1面11A及びそれに対向する第2面11Bを有する基材11と、基材11の第1面11A上に設けられ、基材11側に位置する第2面12B及びそれに対向する第1面12Aを含み、第1面12A側に凹凸構造14が形成されてなる離型層12とを有する。
基材11としては、離型層12の形成が可能である限りにおいて特に制限はなく、一般に樹脂皮革製造用の離型シートや工程紙に用いられる従来公知の材質の基材を用いることができる。具体的には、上記基材11として、クラフト紙、上質紙、キャストコート紙等の紙基材;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル基材;各種ナイロン等のポリアミド、ポリプロピレン等の樹脂フィルム;合成紙、金属箔、織布、不織布等が用いられ得る。これらは、単独、又は2種以上を積層して上記基材11として用いられ得る。離型シート10を用いて樹脂皮革を製造する際に、熱劣化を生じさせにくく、離型層12との密着性が高いという観点で、上記基材11として紙を用いるのが好ましい。
基材11の厚みは特に限定されるものではなく、基材11の材質等に応じて適宜設定され得るが、例えば50μm以上200μm以下程度に設定されるのが好ましい。
なお、基材11の第1面11Aには、離型層12との密着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、オゾン処理等の易接着性処理やプライマーコート等の表面処理等が施されていてもよい。
離型層12を構成する材料としては、第1面12Aに凹凸構造14を形成することが可能であり、また離型シートを用いて樹脂皮革を製造する際に、樹脂皮革を容易に剥離可能な材料であれば、特に限定されるものではない。例えば、離型層12を構成する材料として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、プリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリビニルアルコール等の従来公知の樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート、シリコーン樹脂等が挙げられる。活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
離型層12は、上記熱可塑性樹脂を含むのが好ましく、特にポリプロピレンを含むのが好ましい。離型層12が熱可塑性樹脂、特にポリプロピレンを含むことで、離型層12の第1面12A側に凹凸構造14を高精度に形成することができ、また離型シート10を用いて樹脂皮革を製造する際に、樹脂皮革を容易に剥離することができる。なお、離型層12は、透明(可視光の透過率が80%以上程度)であってもよく、半透明又は不透明であってもよい。また、離型層12は着色されていてもよい。
離型層12の厚みは、第1面12A側に凹凸構造14を形成することができる程度の厚みであればよく、例えば、5μm以上200μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下に設定され得る。
なお、離型層12の第1面12A上に、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を塗布・乾燥させることで形成可能な剥離層(図示省略)が設けられていてもよい。剥離層が設けられていることで、樹脂皮革を製造する際に、離型シート10の剥離性をより向上させ得る。なお、剥離層が設けられる場合、剥離層の厚みは、離型層12の第1面12A側に形成されている凹凸構造14の機能を損なわない程度の厚みであればよく、例えば、0.01μm以上0.5μm以下程度に設定され得る。
離型層12の表面に形成されている凹凸構造14の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、断面視において略三角波形状、略矩形波形状、略台形波形状、略正弦波形状、略鋸歯状波形状等の規則性を有する形状;シボ模様形状等の不規則(ランダム)な形状等が挙げられる。凹凸構造14がシボ模様形状であることで、表面にシボ模様が形成され、しっとりとした触感の樹脂皮革1を製造することができる。
離型層12の第1面12Aに形成されている凹凸構造14は、樹脂皮革1を製造する際に、樹脂皮革1(樹脂表皮層3)に転写されることで当該樹脂皮革1にしっとりとした触感を付与可能な寸法等を有し、特に樹脂皮革1の樹脂表皮層3の貯蔵弾性率E’が105.6Pa以上106.6Pa以下となるような寸法を有する。凹凸構造14の寸法は、例えば、1μm以上100μm以下程度に設定され、凹凸構造14の高さ(深さ)は、例えば、1μm以上100μm以下程度に設定され、凹凸構造14のピッチは、例えば、2μm以上200μm以下程度に設定され得る。特に、凹凸構造14のアスペクト比が0.3以上1.7以下の範囲内であることで、所望とする貯蔵弾性率E’を示す樹脂表皮層3を形成することができる。
続いて、図3(B)に示すように、離型シート10の離型層12の第1面12Aに、従来公知の方法により樹脂表皮層形成用組成物を塗布し、乾燥して樹脂表皮層3を形成する。樹脂表皮層形成用組成物としては、所望とする損失弾性率E”(105.0Pa以上106.6Pa以下)を示す樹脂表皮層3を形成可能なものであればよく、樹脂皮革1の種類に応じて適宜選択される。例えば、樹脂皮革1がポリウレタンレザーの場合、樹脂表皮層形成用組成物として、ポリウレタン及び任意の添加剤を含み、固形分が20質量%以上50質量%以下程度のポリウレタンペースト等が用いられ得る。また、樹脂皮革がポリ塩化ビニルレザーの場合、樹脂表皮層形成用組成物として、ポリ塩化ビニル及び任意の添加剤を含むゾル等が用いられ得る。樹脂表皮層形成用組成物における樹脂材料と添加剤との混合比(質量基準)は、例えば、添加剤1質量部に対して樹脂材料3質量部以上8質量部以下程度に設定され得る。この混合比の範囲にある樹脂表皮層形成用組成物を用いることで、所定の損失弾性率E”を示す樹脂表皮層3を形成することができる。
次に、図3(C)及び(D)に示すように、樹脂表皮層3上に接着層(図示省略)を介して支持層2を積層させて乾燥及び熟成した後、離型シート10を剥離する。これにより、しっとりとした触感を有する樹脂皮革1が製造され得る。接着層としては、樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の製造に用いられる従来公知の接着層を用いることができる。
本実施形態に係る樹脂皮革の製造方法によれば、樹脂表皮層3において所望とする貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδが示されるため、しっとりとした触感を有する樹脂皮革1を安定的に製造することができる。特に、樹脂表皮層3の表面にシボ模様形状の凹凸構造4が形成されることで、天然皮革に類似する風合いを呈し、かつしっとりとした触感を有する樹脂皮革1を安定的に製造することができる。
〔離型シートの製造方法〕
本実施形態に係る樹脂皮革1の製造方法において用いられる離型シート10を作製する方法の一例を説明する。図4は、本実施形態における離型シートの作製方法の一例を示す概略図である。
離型シート10の凹凸構造14に対応する凹凸構造24が一面に形成されてなる転写版20を準備し、当該転写版20の凹凸構造24を、基材11の第1面11A上に形成された樹脂材料膜12’に転写する。好適には、図4に示すように、転写版20をロール本体21に巻きつけた転写ロール22を準備して、基材11の第1面11A上に樹脂材料膜12’が形成されてなる原反を搬送しながら、転写ロール22を押し付けることで、離型層12の第1面12Aに凹凸構造14が形成される。このようにして、離型シート10を作製することができる。
〔触感評価方法〕
本実施形態における触感評価方法においては、評価対象としての物品(樹脂皮革等)の表面の動的粘弾性(貯蔵弾性率E’(Pa)、損失弾性率E”(Pa)及び損失正接tanδ)を指標として、当該物品の表面の触感を評価する。
物品の表面の動的粘弾性(貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδ)は、動的粘弾性測定装置(例えば、Rheogel-E4000;ユービーエム社製)を用い、所定の表面温度(23℃)の物品を被験試料として求めることができる。
本実施形態において、上記のようにして求めた物品の表面の貯蔵弾性率E’が105.6Pa以上106.6Pa以下であり、損失弾性率E”が105.0Pa以上106.6Pa以下であり、かつ損失正接tanδが0.15以上1.0以下である場合(図2に示すグラフにおいて斜線部にて表されている範囲に貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδが含まれる場合)、当該物品の表面がしっとりとした触感を奏すると評価することができる。
本実施形態における触感評価方法によれば、評価対象である物品の表面の触感がしっとりとした触感であるか否かを、当該物品の表面の動的粘弾性(貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδ)を指標とすることで、定量的に評価することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態において、しっとりとした触感を奏し得る樹脂皮革1を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではなく、所望とする貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδを示す限りにおいて、例えば、基材シートと、基材シート上に設けられた樹脂層とを備える化粧シート等であってもよい。
上記実施形態において、基材11を備える離型シート10を用いて樹脂皮革1を製造する方法を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではなく、例えば、離型シート10は、離型層12のみを備え、基材11を備えていなくてもよい。
上記実施形態において、樹脂皮革1の樹脂表皮層3が単層により構成される例を挙げて説明したが、この態様に限定されるものではなく、例えば、樹脂皮革1は、支持層2上に順に積層された第1樹脂表皮層と第2樹脂表皮層との2層により構成される樹脂表皮層3を備えていてもよく、この場合において、凹凸構造4により構成されるシボ模様が第2樹脂表皮層の表面に形成されていればよい。
上記実施形態において、シボ模様形状の凹凸構造4が樹脂表皮層3の表面に形成されている態様を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではなく、支持層2及び樹脂表皮層3に凹凸構造4が形成されていてもよい。この態様の樹脂皮革1は、例えば、支持層2上に樹脂表皮層3を構成する樹脂膜を形成し、当該樹脂膜に加熱押圧処理(熱エンボス処理)を施すことにより製造され得る。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)転写版の準備
銅板(210mm×297mm)の表面に機械切削により凹凸構造24を形成し、転写版20を作製した。転写版20に形成した凹凸構造24の凸部の形状は矩形状とし、当該凸部を正方格子状に配置した。なお、凹凸構造24の凸部の幅を30μm、高さを50μm、ピッチを100μmとした。
(2)離型シートの製造
紙製の基材11(厚み:150μm)の第1面11A上に、ポリプロピレンを塗布して離型層12(厚み:50μm)を形成し、下記の条件で離型層12の第1面12Aに転写版20を加熱押圧して凹凸構造24を転写し、基材11と、第1面12A上に凹凸構造14が形成されてなる離型層12とを備える離型シート10を製造した。
(転写条件)
・シリンダー温度:120℃
・押圧力:150kgf/cm
(3)樹脂皮革の製造
上記離型シート10の離型層12の第1面12A上に、ポリウレタン(レザミンNE−8811,大日精化工業社製)、着色剤(セイカセブンNET−5794ブラック,大日精化工業社製)、トルエン及びイソプロピルアルコールを含有する樹脂表皮層形成用組成物(ポリウレタンと着色剤との混合比(質量基準)=5:1)をバーコート法で塗布し、100℃以上120℃以下の範囲内で2分間、加熱乾燥させて樹脂表皮層3を形成した。その後、樹脂表皮層3上に接着剤を用いて支持層2を貼り合わせ、乾燥、熟成後、離型シート10を剥離して樹脂皮革1を製造した。
〔実施例2〕
樹脂表皮層形成用組成物におけるポリウレタンと着色剤との混合比(質量基準)を3:1に変更した以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔実施例3〕
転写版20における凹凸構造24の凸部の幅を40μmとした以外は、実施例2と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔実施例4〕
転写版20における凹凸構造24の凸部の幅を50μmとした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔実施例5〕
樹脂表皮層形成用組成物におけるポリウレタンと着色剤との混合比(質量基準)を6:1に変更するとともに、転写版20における凹凸構造24の凸部の幅を60μmとした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔実施例6〕
樹脂表皮層形成用組成物におけるポリウレタンと着色剤との混合比(質量基準)を8:1に変更した以外は、実施例5と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔実施例7〕
転写版20における凹凸構造24の凸部の幅を40μmとした以外は、実施例4と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔比較例1〕
樹脂表皮層形成用組成物におけるポリウレタンと着色剤との混合比(質量基準)を2:1に変更するとともに、転写版20における凹凸構造24の凸部の幅を20μmとした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔比較例2〕
樹脂表皮層形成用組成物におけるポリウレタンと着色剤との混合比(質量基準)を4:1に変更した以外は、実施例4と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔比較例3〕
樹脂表皮層形成用組成物におけるポリウレタンと着色剤との混合比(質量基準)を7:1に変更するとともに、転写版20における凹凸構造24の凸部の幅を70μmとした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔試験例1〕動的粘弾性測定試験
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂皮革1の樹脂表皮層3の動的粘弾性(貯蔵弾性率E’(Pa)、損失弾性率E”(Pa)及び損失正接tanδ)を、動的粘弾性測定装置(Rheogel-E4000,ユービーエム社製)を用いて圧縮試験モードにより測定した。かかる測定において、被験試料の表面温度を23℃とした。結果を表1に示す。なお、参考例1〜4として、シボ模様形状を有する天然皮革(参考例1〜3:牛革,参考例4:羊皮)の動的粘弾性(貯蔵弾性率E’(Pa)、損失弾性率E”(Pa)及び損失正接tanδ)の測定結果も合わせて表1に示す。
〔試験例2〕触感評価試験
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂皮革1、並びに参考例1〜4の天然皮革を被験試料として、手触りによる被験試料の触感の評価試験を実施した。当該触感評価試験は、20代から40代の男女20名を被験者とし、評価項目を「しっとりした⇔かわいた」の1項目の形容詞対とし、SD法による5段階評価(かなりしっとりした:5点、ややしっとりした:4点、どちらでもない:3点、ややかわいた:2点、かなりかわいた:1点)にて実施された。また、当該評価試験は、室温23±1℃、湿度50±5%(R.H.)の環境下、被験試料を両手で把持し、目隠しをして視覚効果を排除し、親指で表面を撫でることにより実施された。結果を表1に示す。
〔試験例3〕視覚評価試験
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂皮革1を被験試料として、樹脂表皮層3に形成されている凹凸構造4のエッジ部がシャープに視認されるか否かに関し、視覚による評価試験を実施した。凹凸構造4のエッジ部がシャープに視認されるということは、凹凸構造4の転写性が良好であると判断することができ、凹凸構造4がシボ模様を構成するものである場合、天然皮革に類似する風合いも良好に呈されると予想される。当該視覚評価試験においては、20代から40代の男女20名を被験者とし、各被験者が下記評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。なお、表1における視覚評価試験の評価は、全被験者による評価の平均点が2.5点以上のものを「◎」、1.5点以上2.5点未満のものを「○」、1.5点未満のものを「△」とした。
<評価基準>
エッジ部がシャープに視認される:3点
どちらともいえない:2点
エッジ部がシャープに視認されない:1点
Figure 0006903912
表1に示す結果から、樹脂皮革の樹脂表皮層の貯蔵弾性率E’が105.6Pa以上106.6Pa以下、損失弾性率E”が105.0Pa以上106.6Pa以下、かつ損失正接tanδが0.15以上1.0以下であることで、しっとりとした触感が奏されることが明らかとなった。なお、参考例1〜4に示す結果から、シボ模様を有する天然皮革であっても、当該天然皮革の貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδが所望とする範囲内でないと、しっとりとした触感が奏されないことが理解される。この結果から、天然皮革のシボ模様に類似する凹凸構造を樹脂皮革の樹脂表皮層に形成しただけでは、しっとりとした触感を得ることはできず、樹脂表皮層の動的粘弾性(貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”及び損失正接tanδ)を所望の範囲に設定することによって、初めて樹脂皮革にしっとりとした触感を付与可能であることが確認された。
また、表1に示す結果から、樹脂表皮層の損失弾性率E”が105.0Pa以上105.6Pa以下であることで、凹凸構造のエッジ部がシャープに視認されることが明らかとなり、樹脂皮革において天然皮革に類似する風合いが呈されると予想される。
なお、上記試験例においては、凹凸構造の凸部の形状を断面矩形状(四角柱形状)としているため、アスペクト比が0.8以上1.7以下の範囲内にて樹脂表皮層の貯蔵弾性率E’を所望の範囲(105.6Pa以上106.6Pa以下)することができるものと考えられる。当該凹凸構造の凸部の形状が錐形状、半球形状等の他の形状である場合、同一寸法であれば、凸部の体積が四角柱形状よりも1/3程度にまで小さくなり、貯蔵弾性率E’も1/3程度になると予想される。したがって、凹凸構造の形状に応じ、アスペクト比が0.3以上1.7以下程度であれば、損失弾性率E”及び損失正接tanδを所望の範囲とすることで、樹脂皮革にしっとりとした触感を付与可能であると推認される。
1…樹脂皮革
2…支持層
3…樹脂表皮層(樹脂層)
4…凹凸構造
10…離型シート
11…基材
12…離型層
14…凹凸構造
20…転写版
24…凹凸構造

Claims (8)

  1. 支持層と、前記支持層上に設けられている樹脂層とを備え、
    前記樹脂層上には、凹凸構造により構成されるシボ模様が形成されており、
    動的粘弾性測定装置を用いて圧縮試験モードにより測定した前記樹脂層の23℃での貯蔵弾性率E’が105.6Pa以上106.6Pa以下、損失弾性率E”が105.0Pa以上106.6Pa以下、前記貯蔵弾性率E’に対する前記損失弾性率E”の比で表される損失正接tanδ(E”/E’)が0.15以上1.0以下である、物品。
  2. 前記損失弾性率E”が105.0Pa以上105.6Pa以下である、請求項1に記載の物品。
  3. 前記凹凸構造により構成される前記シボ模様は、前記樹脂層と前記支持層とに形成されている、請求項1又は2に記載の物品。
  4. 前記物品が、樹脂皮革である、請求項1〜3のいずれかに記載の物品。
  5. 前記物品が、化粧シートである、請求項1〜3のいずれかに記載の物品。
  6. 凹凸構造が表面に形成されてなる樹脂層を有する物品を製造する方法であって、
    第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する離型シートを準備し、当該離型シートの前記第1面に、前記凹凸構造に対応する凹凸型を形成する工程と、
    前記離型シートの前記第1面上に樹脂層形成用組成物を塗布し、前記樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層から前記離型シートを剥離する工程と
    を含み、
    動的粘弾性測定装置を用いて圧縮試験モードにより測定した前記樹脂層の23℃での貯蔵弾性率E’が105.6Pa以上106.6Pa以下、損失弾性率E”が105.0Pa以上106.6Pa以下、かつ前記貯蔵弾性率E’に対する前記損失弾性率E”の比で表される損失正接tanδ(E”/E’)が0.15以上1.0以下となるように、前記樹脂層形成用組成物が選択され、前記凹凸型が前記離型シートの前記第1面に形成される、物品の製造方法。
  7. 前記損失弾性率E”が105.0Pa以上105.6Pa以下となるように、前記樹脂層形成用組成物が選択され、前記凹凸型が前記離型シートの前記第1面に形成される、請求項6に記載の物品の製造方法。
  8. 前記凹凸構造が、シボ模様である、請求項6又は7に記載の物品の製造方法。
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