JP4712998B2 - 離型紙 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革に関し、更に詳しくは、合成皮革を製造するために用いる離型紙であって、合成皮革の表皮層の表面に、エナメル調の光沢と各種皮革類のしぼなどの微細な凹凸とを同時に付与できる離型紙と、それを用いて製造された表皮層の表面にエナメル調の光沢と各種皮革類のしぼなど微細な凹凸とを備えた合成皮革に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から製造されている合成皮革には、ポリウレタンレザー(以下、PUレザー)、セミ合皮、塩化ビニルレザー(以下、PVCレザー)などがある。
PUレザーの製造方法としては、例えば、離型紙上にペースト状の表皮層用ポリウレタン樹脂を塗布し、乾燥、固化させた後、例えば、2液反応型ポリウレタン系接着剤を用いて基布と貼り合わせて、50〜70℃の熟成室内で2〜3日反応させた後に、離型紙を剥がしてPUレザーを製造する方法がある。
【0003】
また、セミ合皮の製造方法としては、離型紙上にペースト状の表皮層用ポリウレタン樹脂を塗布し、乾燥、固化させた後、ポリ塩化ビニル発泡層を形成して基布と貼り合わせ、その後、離型紙を剥がしてセミ合皮を製造する方法がある。
そして、PVCレザーの製造方法としては、離型紙上にポリ塩化ビニルゾルを塗布し、加熱、ゲル化させた後、ポリ塩化ビニル発泡層を形成して基布と貼り合わせ、その後、離型紙を剥がしてPVCレザーを製造する方法がある。
【0004】
このような合成皮革の製造方法で使用される離型紙としては、例えば、PUレザーの製造用には、基材紙に離型層としてポリプロピレン(PP)を厚さ20〜50μm程度に積層して形成した離型紙(PPタイプ)が使用されている。
また、セミ合皮、またはPVCレザーの製造用には、基材紙に離型層としてメチルペンテン系樹脂を厚さ20〜50μm程度に積層して形成した離型紙(メチルペンテン系樹脂タイプ)、または基材紙に離型層としてアクリル系樹脂を厚さ20〜120μm程度に積層して形成した離型紙(アクリル系樹脂タイプ)が使用されている。
更に、基材紙に離型層としてシリコーン樹脂を積層した離型紙(シリコーン樹脂タイプ)も使用されている。
【0005】
このような離型紙を用いて製造される合成皮革は、その対象物が各種皮革類に留まらず高級布地など他の分野にも広がっており、それぞれの対象物に対してその外観、触感などを一層本物に近づけるため、或いは、ユニークさ、斬新さ、高級感などを出すため、高光沢、滑らかさ、艶消し、精細な凹凸模様付けなどの表面加工が追求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような表面加工の具体例として、例えば、エナメル調の表面にしぼ加工その他の凹凸模様を加工したものが要望されている。
この場合、離型紙は、エナメル調を付与するために、先ず、その離型層の光沢度を高くし、次いでその表面に、しぼ加工その他の凹凸模様を賦型するためのエンボス加工などを施して製造することができる。
そして、離型層を光沢度が高く、且つ、離型性、耐熱性も良好なものとするためには、離型層を例えば熱硬化性樹脂などで形成するのが効果的である。
しかし、離型紙を基材紙とその一方の面に例えば熱硬化性樹脂による高光沢の離型層を設けて形成し、その離型層側の面に熱エンボスなどの手段で凹凸模様を加工した場合、凹凸模様は形成できるが、時間の経過により凹凸模様の高さが低くなり、凹凸模様による賦型効果が低下する問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、合成皮革の製造に用いられ、特に合成皮革の表面にエナメル調の光沢と共に微細な凹凸模様を賦型できる離型紙であって、例えば、離型紙の離型層を、良好な離型性、耐熱性を有すると共に高光沢を有するように形成し、その面に凹凸模様を熱エンボスなどにより設けた場合でも、凹凸模様が、経時的に高さが低くなるようなことがなく安定して固定され、合成皮革の表面にエナメル調の光沢と所望の形状の凹凸模様とを安定して繰り返し賦型することのできる離型紙と、その離型紙を用いて製造された表面がエナメル調の光沢と精細な凹凸模様とを兼ね備えた合成皮革を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。即ち、請求項1に記載した発明は、少なくとも基材紙と該基材紙の一方の面に設けられた離型層とで形成される離型紙において、該離型層が、鏡面光沢度〔Gs(60°)にて〕95以上を有するように形成され、該基材紙のもう一方の面に熱可塑性樹脂よりなる裏打ち層が設けられ、更に、該離型紙の少なくとも離型層に微細な凹凸が設けられており、かつ、前記離型層が、シリコーン変性樹脂またはシリコーンを含む樹脂で形成されており、かつ、前記裏打ち層が、4−メチルペンテン−1系樹脂またはポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする離型紙からなる。尚、本発明において、鏡面光沢度は、JIS Z8741鏡面光沢度測定方法によるものである。
【0009】
このような構成を採ることにより、離型層の表面が、微細な凹凸を設ける前の段階で、その鏡面光沢度Gs (60°)が95以上を有するように形成されているので、合成皮革の表面にエナメル調の光沢を付与することができ、また、離型紙の少なくとも離型層に微細な凹凸が設けられているので、合成皮革の表面にエナメル調の光沢と共に所望の形状の微細な凹凸模様を賦型することができ、本物らしさ或いは意匠性などを一層高めることができる。
更に、基材紙の離型層を設けた面の反対側の面に熱可塑性樹脂による裏打ち層が設けられているので、前記微細な凹凸を熱エンボス法などで形成することにより、裏打ち層の全部乃至一部も熱成形され、その影響で離型層に設けた微細な凹凸の固定性が向上し、経時的な凹凸の戻りを防止することができる。
従って、合成皮革の表面にエナメル調の光沢と所望の形状の精細な凹凸模様とを繰り返し良好に賦型することのできる離型紙を生産性よく提供することができる。
【0010】
請求項1記載の離型層は光沢度に優れると同時に、適度の成形性、離型性、耐熱性などを有することが必要であり、このような性能を離型層に付与するためには、シリコーン変性樹脂またはシリコーンを含む樹脂を好適に使用することができる。
【0011】
従って、前記のような構成を採ることにより、上記の作用効果に加えて、離型層に優れた光沢度、および適度の成形性、離型性、耐熱性などの性能をバランスよく、且つ一層容易に付与することができる。
【0012】
請求項に記載した発明は、前記請求項1記載の離型紙を用いて製造された合成皮革である。
【0013】
このような構成を採ることにより、前記請求項1記載した発明の離型紙の性能を有効に利用して合成皮革の表皮層を形成できるので、エナメル調の光沢と各種皮革類のしぼなど所望の形状の精細な凹凸模様とを備え、本物らしさ或いは意匠性に一層優れた合成皮革を生産性よく提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の離型紙の一実施例の構成を示す模式断面図である。
図1に示した離型紙10は、基材紙1の一方の面(図において下側の面)に熱可塑性樹脂からなる裏打ち層3を積層し、もう一方の面(図において上側の面)に離型層2をその表面の鏡面光沢度Gs (60°)が95以上となるように形成して積層すると共に、少なくとも離型層側の表面に微細な凹凸を設けて構成したものである。
【0015】
前記基材紙1には、クラフト紙、上質紙、或いは、各種コート紙、キャストコート紙などの紙のほか、紙以外にも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、各種ナイロンなどのポリアミド、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルム、合成紙、金属箔、織布、不織布などを使用することができ、これらは単独、または適宜積層して使用することができる。只、合成皮革の加工適性のためには紙を使用することがより好ましい。
基材紙1の厚さは、使用する材料、その強度などを考慮して、また、後述する凹凸パターンなどを離型層2の表面に形成しやすい厚さに適宜設定することができる。
【0016】
基材紙1に紙、或いは不織布など表面が比較的ラフな材料を使用する場合は、その離型層2の形成面に、図には示していないが、目止め作用を兼ねて平滑性向上層を追加して設けることができる。
平滑性向上層は、特に限定はされず、例えば、樹脂、または樹脂に無機充填剤などを分散させた液を塗布、乾燥して形成することができる。
特に、基材紙1に紙を使用する場合は、平滑性向上層はクレーコート層でもよく、その場合、厚さは紙の表面粗さなどにもよるが20〜40μm程度が好ましく、表面が粗い場合は30〜40μmが更に好ましい。このようなクレーコート層を設けることにより、紙の表面を平滑にできるので、その上に積層する離型層を均一に形成することができ、表面光沢度のレベルアップも一層容易に行うことができる。
【0017】
また、基材紙1に前記プラスチックフィルムや金属箔を用いる場合は、通常、その表面が平滑であるため、平滑性向上層は必要としないが、離型層2や裏打ち層3との接着性が不足することがあり、その場合は、コロナ放電処理、オゾン処理などの易接着性処理やプライマーコートなどを施すことができる。
【0018】
離型層2には、シリコーン変性アルキド樹脂などのアルキッド系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの熱硬化性或いは電離放射線硬化性(通常、紫外線または電子線を照射して硬化させる)の樹脂、その他ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂などを使用することができ、これらは単独または適宜混合して使用することができる。
【0019】
只、離型層2を、その表面光沢が高く、また、良好な離型性、耐熱性などの性能を備えたものとするためには、シリコーン変性アルキド樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などのシリコーン変性樹脂またはシリコーンを含む樹脂を使用することが特に好ましい。
【0020】
上記シリコーン変性アルキド樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂については特に限定されるものではなく、シリコーン変性アルキド樹脂の場合、例えばアルキド樹脂の製造工程でシリコーン変性して得た樹脂、或いは一般のアルキド樹脂に後からオルガノポリシロキサンを反応させて変性したものなどを用いることができる。また、オルガノポリシロキサンは、直鎖状構造のもののほか、三次元構造を有するものでもよい。
また、シリコーンを含む樹脂は、前記シリコーン変性アルキド樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂のほか、アルキド樹脂、そして、メチロールメラミン樹脂、メトキシメチロールメラミン樹脂などのアミノ樹脂などとシリコーンを適宜混合した樹脂である。
【0021】
このようなシリコーン変性樹脂またはシリコーンを含む樹脂で離型層2を形成する場合、コーティング手段を用いることが好ましく、必要に応じて溶剤、レベリング剤、粘度調節剤、着色剤、分散剤、帯電防止剤などを適宜添加して塗布液を作製し、例えば、ロールコート、リバースロールコート、マイクロバーコート、バーコート、ナイフコート、グラビアコートなど公知のコーティング手段を用いて、基材紙1、または平滑性向上層の上に塗布し、必要な乾燥、硬化手段(加熱、紫外線照射、電子線照射など)を用いて乾燥、硬化させることにより、鏡面光沢度Gs (60°)が95以上の離型層2を形成することができる。
【0022】
このような離型層2は、単独の層で形成してもよいが、多層にして形成することもできる。その場合、各層の材質(硬さ)、厚さ、加熱などの温度条件を調整することにより、熱エンボスなどによる微細な凹凸の成形性を向上させ、或いは幅方向のカールを抑制することもできる。
【0023】
離型層2の塗布量は、この面に微細な凹凸を設けた際、大きな損傷を受けない範囲であれば薄くてよく、設けられる凹凸の高さ(または深さ)にもよるが、乾燥時の塗布量で3〜30g/m2 の範囲が適当である。
塗布量が3g/m2 未満の場合は、凹凸の形成により損傷を受けて離型性が損なわれる危険性が増すため好ましくない。また、塗布量が30g/m2 を超える場合は、離型性は既に十分であり、材料コストの上昇と加工速度の低下を生じ経済性の点で不利となるため好ましくない。
【0024】
裏打ち層3は、本発明においては前述したように、基材紙1の離型層2を設けた面の反対側の面に設けられ、熱エンボス法などで離型層2に微細な凹凸を設けた際、基材紙1と共に裏打ち層3の全部乃至一部までが成形され、表面に設けた微細な凹凸の固定性を向上させることを主たる目的として設けるものである。
このような裏打ち層3には、熱成形が可能な熱可塑性樹脂を使用するが、合成皮革の製造の際、後述するように、高熱が加えられるため、これに耐える程度の耐熱性も必要であり、例えば、4−メチルペンテン−1系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを好適に使用することができる。
【0025】
このような裏打ち層3は、押し出しコート法で直接基材紙1面に積層してもよく、また、予め製膜したフィルムを接着剤を使用してウェットまたはドライラミネーション法で貼り合わせる方法、或いは押し出しラミネーション法で貼り合わせる方法などいずれの方法で積層してもよい。
裏打ち層3の厚さは、10〜50μmの範囲が適当であり、例えば、表面側の離型層2の厚さとバランスを採ることにより、カール防止の作用を付加することもできる。
裏打ち層3の厚さが10μm未満の場合は、離型層2に設けた微細な凹凸の固定性(保持力)が不十分となるため好ましくなく、厚さが50μmを超える場合は、既に十分な固定性(保持力)を有しており、それ以上厚くしても固定性は変わらず、コストが上昇するため好ましくない。
また、裏打ち層3は多層で形成してもよく、その場合、内側の層に成形性、接着性のよい樹脂を用い、外側の層に耐熱性の高い樹脂を用いることにより、裏打ち層の性能を一層向上させることができる。
【0026】
以上のような鏡面光沢度Gs (60°)が95以上の離型層2/基材紙1/裏打ち層3の積層体で形成される離型紙の少なくとも表面の離型層2に微細な凹凸模様を形成する方法は、熱エンボス法を採ることが簡便であり、生産性にも優れる点で好ましい。
例えば、凹凸模様を設けたエンボスロールと、その凹凸模様を受けるペーパーロール(表面に紙型紙など紙が積層されたロール)、または金属ロールまたはエンボスロールの凹凸模様に合わせて凹凸が設けられた金属ロールとを有する熱エンボス装置を使用し、前記離型紙を、その離型層2がエンボスロールに接するように加熱されたエンボスロールと受けロールとの間に挿入し、連続的に加熱、加圧することにより、少なくとも離型層2に微細な凹凸模様が形成された離型紙10を作製することができる。
【0027】
エンボスロールの加熱温度は80〜150℃で、加圧圧力は40〜100kg/cmが好ましい。
上記エンボスの際、形成する凹凸模様の形状によっては裏打ち層3側がエンボスロールに接するように離型紙を挿入してエンボス加工をしてもよい。
尚、図1に示した離型紙10では、微細な凹凸模様が離型層2だけではなく、裏打ち層3にまで形成された形状で示したが、このように凹凸模様を形成することにより、裏打ち層3による離型層2に形成された凹凸模様の固定性を一層高めることができる。
只、このような凹凸模様は、必ずしも裏打ち層3の全体にまで形成される必要はなく、一部分であっても離型層2に形成された凹凸模様の固定性を向上させる効果は得られる。
【0028】
また、離型層2に形成する微細な凹凸模様自体も、離型層2の全面に形成してもよく、また、図示したように一部に形成してもよい。
微細な凹凸模様の形成方法に関しても、上記のようなロールプレス方式に限らず、平らなエンボス版を用いて平プレス方式で形成することもできる。
【0029】
以上のように作製した離型紙を用いて合成皮革を製造する方法は、公知のペーストコーティング法(PVCレザー)、または乾式法(PUレザー)により製造することができる。
即ち、離型紙の離型層側の面に、合成皮革の表皮層用の樹脂組成物を塗布し、乾燥して、表皮層の被膜を形成させた後、その上に接着剤を用いて基布を貼り合わせ、乾燥、熟成後、離型紙を剥がすことにより、表面にエナメル調の光沢と微細な凹凸模様を有する合成皮革を得ることができる。
【0030】
上記合成皮革の表皮層用の樹脂組成物は、例えば、PVCレザーの場合は、ポリ塩化ビニルを主成分とし、可塑剤、発泡剤、安定剤、着色剤などを適宜加えたPVCペーストが使用され、PUレザーの場合は、ポリウレタン溶液に必要に応じて着色剤その他添加剤を加えたものであり、固形分20〜50重量%程度のものが使用される。
このような樹脂組成物の塗工方法には、ナイフコート、ロールコート、グラビアコートなど、公知のコーティング方法を用いることができる。
【0031】
【実施例】
以下に、実施例、比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
〔実施例1〕
基材紙として、米坪155g/m2 のキャストコート紙〔王子製紙(株)製〕を使用し、その裏面(非キャストコート面)に裏打ち層として、メチルペンテン系樹脂、TPX DX820と、TPX DX820M〔いずれも三井化学(株)製〕とを共押し出しコート法でそれぞれ厚さ15μm(総厚30μm)に押し出しコートして裏打ち層を積層し、次いで、その表面のキャストコート面に離型層として、下記の組成の離型層用塗布液を乾燥時の塗布量が5g/m2 となるようにロールコーターで塗布し、180℃、1分以上の条件で加熱乾燥して離型層を形成した。尚、この離型層の鏡面光沢度Gs (60°)は98であった。
【0032】
(離型層用塗布液の組成)
▲1▼シリコーン変性アルキド樹脂(X-62-950A 信越化学社製) 100重量部
▲2▼メラミン樹脂(メラン28 日立化成社製) 220重量部
▲3▼アルキド樹脂(フタルキッド133-60 日立化成社製) 100重量部
▲4▼酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 8.4重量部
▲5▼溶剤(トルエン/n−ブタノール 重量比1/1) 1260重量部
この塗布液の樹脂固形分は25重量%である。
【0033】
前記離型紙の離型層面に凹凸模様を形成するため、エンボス高さが30μmの凹凸模様を設けたエンボスロールとペーパーロール(受けロール)とを備えた熱エンボス装置を用いて、エンボスロールを120℃に加熱し、離型紙の離型層面がエンボスロールに接するように挿入して、60kg/cm の圧力を加えてエンボス加工を行い、凹凸模様がエンボスされた実施例1の離型紙を作製した。
【0034】
〔比較例1〕
前記実施例1の離型紙の構成において、基材紙であるキャストコート紙の裏面(非キャストコート面)に積層した裏打ち層のみを除いた他は、総て実施例1と同様に加工して比較例1の離型紙を作製した。尚、この場合も、離型層の鏡面光沢度Gs (60°)は98であった。
【0035】
(試験1)
以上のように作製した実施例1および比較例1の離型紙について、それぞれの離型層の表面に形成された凹凸模様のエンボス高さの経時変化を、エンボス直後、24時間後、72時間後、120時間後について測定し、その結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
Figure 0004712998
【0037】
(試験2)
次に、前記実施例1および比較例1の離型紙を用いて、それぞれPVCレザーとPUレザーとを別々に繰り返し5回まで製造し、それぞれの離型紙の繰り返し使用によるエンボス高さの変化を、使用前、1回使用後、5回使用後の3回に分けて測定し、その結果を表2(PVCレザーを製造した場合)、表3(PUレザーを製造した場合)に示した。
【0038】
尚、PVCレザーの製造は、実施例1および比較例1、それぞれの離型紙の離型層の上に、ポリ塩化ビニル(分子量1000)を100重量部、DOPを60重量部、発泡剤を5重量部、安定剤を2.5重量部の割合で混合して作製した合成皮革表皮層用のポリ塩化ビニルゾル組成物をナイフコート法で乾燥時の塗工量が150g/m2 となるように塗工し、190〜200℃、2分の条件で乾燥した後、その上に接着剤を用いて基布を貼り合わせて乾燥、熟成させ、その後、離型紙を剥がす方法で、表面に微細な凹凸を有する実施例1および比較例1の合成皮革を繰り返し5回製造したものである。
【0039】
また、PUレザーの製造は、同様に、それぞれの離型紙の離型層の上に、ポリウレタン〔レザミンNE−8811 大日精化工業(株)製〕100重量部、着色剤〔セイカセブンNET−5794ブラック 大日精化工業(株)製〕15重量部、トルエン25重量部、イソプロピルアルコール25重量部の割合で混合して作製した合成皮革表皮層用のポリウレタン組成物をナイフコート法で乾燥時の塗工量が150g/m2 となるように塗工し、100〜120℃、2分の条件で乾燥した後、その上に2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて基布を貼り合わせて乾燥、熟成させ、その後、離型紙を剥がす方法で、表面に微細な凹凸を有する実施例1および比較例1の合成皮革を繰り返し5回製造したものである。
【0040】
【表2】
Figure 0004712998
【0041】
【表3】
Figure 0004712998
【0042】
以上、試験1(表1)、試験2(表2、表3)に示した結果から明らかなように、離型紙のエンボス高さの経時変化に関しては、表1に示したように、比較例1の離型紙は、エンボス直後は、実施例1の離型紙と同様、28μmの高さを有しているが、24時間後には24μmまで低下し、72時間後以降は23μmまで低下したのに対して、実施例1の離型紙は、エンボス直後のエンボス高さ28μmが、120時間後も同じ28μmの高さを維持しており、裏打ち層によるエンボス高さ、即ち、凹凸模様の固定性向上効果が顕著に認められた。
【0043】
また、試験2による実施例1および比較例1の離型紙を用いて、PVCレザーとPUレザーとをそれぞれ5回まで繰り返し製造した時の離型紙のエンボス高さの変化は、表2、表3に示したようにPVCレザーとPUレザーの製造条件の違いによる差はなく、いずれの場合も、実施例1の離型性では使用前も5回使用後もエンボス高さ28μmが維持され、繰り返し良好に使用できることが確かめられた。実際に製造された合成皮革は、PVCレザー、PUレザーとも離型紙の微細な凹凸模様がシャープに表面に形成され、エナメル調の光沢と共に優れた外観を有していた。
これに対して、比較例1の離型紙は、繰り返し使用によるエンボス高さの変化は23μmから22μmと小さかったが、使用前の段階で既に経時変化によるエンボス高さの低下が大きく、合成皮革に形成される凹凸模様にシャープさがなく外観に劣っていた。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、合成皮革の製造に用いる離型紙であって、合成皮革の表面にエナメル調の光沢と微細な凹凸模様とを付与することができ、離型紙自体に形成された凹凸模様の固定性がよく、経時的な高さの低下や、繰り返し使用による高さの低下もなく、安定して繰り返し良好に使用することのできる離型紙を生産性よく提供することができ、また、その離型紙を用いて製造された表面にエナメル調の光沢と微細な凹凸模様とを備え意匠性に優れた合成皮革を低コストで生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の離型紙の一実施例の構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 基材紙
2 離型層
3 裏打ち層
10 離型紙

Claims (1)

  1. 少なくとも基材紙と該基材紙の一方の面に設けられた離型層とで形成される離型紙において、該離型層が、鏡面光沢度〔Gs(60°)にて〕95以上を有するように形成され、該基材紙のもう一方の面に熱可塑性樹脂よりなる裏打ち層が設けられ、更に、該離型紙の少なくとも離型層に微細な凹凸が設けられており、かつ、前記離型層が、シリコーン変性樹脂またはシリコーンを含む樹脂で形成されており、かつ、前記裏打ち層が、4−メチルペンテン−1系樹脂またはポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする離型紙。
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