JPH05269933A - 工程用剥離シート及びその製造方法 - Google Patents

工程用剥離シート及びその製造方法

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JPH05269933A
JPH05269933A JP4098478A JP9847892A JPH05269933A JP H05269933 A JPH05269933 A JP H05269933A JP 4098478 A JP4098478 A JP 4098478A JP 9847892 A JP9847892 A JP 9847892A JP H05269933 A JPH05269933 A JP H05269933A
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JP
Japan
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electron beam
silicone compound
curable silicone
support
release layer
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JP4098478A
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English (en)
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Takahisa Kato
隆久 加藤
Shinji Irifune
真治 入船
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光沢、被膜強度に優れた工程用剥離シート及
びその製造方法。 【構成】 側鎖にフェニル基を有する電子線硬化性シリ
コーン化合物を主成分とする剥離層を支持体の少なくと
も一面に塗設してなる工程用剥離シート。また、該剥離
層を所望の鏡面を有する基材又は支持体にコーティング
し、次いで該剥離層に支持体又は所望の鏡面を有する基
材を密着させ、密着状態のまま電子線照射により硬化さ
せた後、鏡面を有する基材を剥離させることにより、支
持体上に剥離層を設けることを特徴とする工程用剥離シ
ートの製造方法。 【効果】 電子線硬化性シリコーン化合物の側鎖に導入
したフェニル基の効果により、シリコーン系樹脂特有の
優れた剥離性を損なうことなく、光沢度不足が改善さ
れ、且つ被膜強度が向上した剥離層を有する工程用剥離
シートが得られた。また、本発明の製造方法によりさら
に光沢度の向上した工程用剥離シートが得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工程用剥離シートに関
し、詳しくは紙又はフィルム支持体の上に剥離層を設け
た剥離シートの中でも、特に合成皮革、マーキングフィ
ルム等の製造工程に繰り返し使用される工程用剥離シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】工程用剥離シートは、長繊維上質紙、塗
工紙などの支持体上にポリプロピレン系樹脂、シリコー
ン系樹脂、アミノアルキッド系樹脂からなる剥離層が設
けられ、合成皮革、プリプレグ、床材、マーキングフィ
ルム、各種成形品等の製造工程において、ウレタンペー
スト、塩ビゾル等の合成樹脂をキャスティングするキャ
リアーとして使用されている。
【0003】これら工程用剥離シートの剥離層の形成方
法としては、反応性のシリコーン系樹脂又はアミノアル
キッド系樹脂の溶液、又はエマルジョンを塗布した後、
熱オーブン中で120℃〜200℃で加熱し、硬化被膜
を形成する方法が一般的である。
【0004】長繊維上質紙や塗工紙など紙を支持体に用
いた工程用剥離シートにおいて、この様な高温加熱処理
を行なう場合、紙支持体に耐熱性が必要なことは勿論の
こと、紙支持体内部の水分蒸発により、しわ、カール、
ピンホールが発生しやすいという欠点を有していた。
【0005】近年、このような剥離シートの製造技術と
して無溶剤型シリコーン樹脂、その中でも特に紫外線お
よび電子線照射により重合可能な官能基を有するシリコ
ーン樹脂を用い、支持体上に塗布、紫外線又は電子線硬
化を行なう低温キュアリング型の製造技術が開発された
(特開昭60−190427号公報、特開昭60−25
8280号公報)。
【0006】これらの方法によれば従来の工程用剥離シ
ート製造における高温処理に由来するカール、しわ、ピ
ンホール等の発生は比較的防げるものの、剥離層にシリ
コーン系樹脂を使用している限り、アミノアルキッド系
樹脂の溶剤塗工品に比べて剥離性は優れているが、光沢
に劣っており、また樹脂が柔軟なため、合成皮革、プリ
プレグ、床材、マーキングフィルム、各種成形品等の製
造工程において、剥離層上に有機溶媒を含有したウレタ
ン、塩ビ等樹脂層をバーコーター等で形成させる時に、
該有機溶媒含有樹脂に異物が混入している場合、工程用
剥離シート表面に傷がつき、繰り返し使用が困難になる
という問題を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、光沢並びに被膜強度に優れた剥離層を有
し、合成皮革、マーキングフィルム等の各種成形品の製
造において、繰り返し使用回数に優れた工程用剥離シー
トを供給することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決する手段を鋭意研究した結果、工程用剥離シー
ト及びその製造方法を見いだすに至った。即ち、本発明
の工程用剥離シートは、支持体の少なくとも1面に平均
組成式化3(一般式1)で表わされる電子線硬化性シリ
コーン化合物を主成分とする剥離層を有することを特徴
とするものである。
【0009】
【化3】
【0010】また、本発明の工程用剥離シートの製造方
法は、平均組成式化4(一般式1)で表わされる電子線
硬化性シリコーン化合物を主成分とする剥離層を所望の
鏡面を有する基材又は支持体にコーティングし、次いで
該剥離層に支持体又は所望の鏡面を有する基材を密着さ
せ、密着状態のまま電子線照射により硬化させた後、鏡
面を有する基材を剥離させることにより、支持体上に該
電子線硬化性シリコーン化合物を主成分とする剥離層を
設けることを特徴とするものである。
【0011】
【化4】
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】本発明は、工程用剥離シートに関するもの
であり、その中でも特に合成皮革、マーキングフィルム
等の各種成形品の製造において使用される工程用剥離シ
ートに関するものである。
【0014】本発明による工程用剥離シートは、側鎖に
フェニル基を導入した電子線硬化性シリコーン化合物を
主成分とする剥離層を設けることにより、そのフェニル
基の効果から、シリコーン系樹脂特有の優れた剥離性を
損なうことなく、従来の電子線硬化性シリコーン系樹脂
の欠点であった光沢度不足が改善され、且つ被膜強度が
向上した。
【0015】さらに研究を進めた結果、該電子線硬化性
シリコーン化合物のk:lの比を7:3〜1:7の範囲
とすることにより好ましいことが明らかとなった。k:
lで7:3よりkの比率が大きくなると、側鎖のフェニ
ル基の割合が小さくなるため、光沢度、被膜強度に期待
するほど大きな効果が得られにくく、また1:7よりk
の比率が下がると、側鎖のメチル基の割合が小さくなる
ため、工程用剥離シートとしてキャストした合成樹脂を
剥離する際の剥離強度が上昇し、静電気等が発生し易く
なり、剥離層を傷つけることも有り得る。
【0016】本発明の平均組成式化3(一般式1)で表
わされる電子線硬化性シリコーン化合物は、支持体と剥
離層の密着性、電子線硬化性シリコーン化合物の移行
性、剥離強度コントロールを考慮して、単独もしくはシ
リコーン骨格を有さない電子線硬化性バインダーと混合
させて用いることができる。
【0017】本発明の平均組成式化3(一般式1)で表
わされる電子線硬化性シリコーン化合物と混合できる電
子線硬化性バインダーとしては、この分野で通常使用さ
れている電子線による重合が可能な不飽和結合を有する
化合物であれば、いずれも使用可能である。即ち、炭素
−炭素不飽和結合を一個以上有する化合物であり、アク
リロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、ア
リル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基など
を含む化合物であり、例えばアクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドンなどが挙げ
られる。分子内に不飽和結合が二個以上あってもよい。
特に、ポリオールの不飽和エステル類、例えばエチレン
ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレートなどが挙げられる。またエポキシ環を一個
もしくは二個以上有する化合物、例えばグリシジルアク
リレートなども好ましい。さらには、これらの化合物は
高分子量体であってもよい。特に好ましくは高分子鎖の
末端あるいは側鎖にアクリレート基を有する化合物であ
り、ポリエステル骨格、ポリウレタン骨格、エポキシ樹
脂骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格を有
するプレポリマーなどが挙げられる。これら上記のモノ
マーとプレポリマーを単独もしくは混合して用いてもよ
いが、支持体と剥離層の密着性向上、ラブオフ低減、剥
離層上に粘着性の層を設けた場合の電子線硬化性シリコ
ーン化合物の粘着層への移行性低減を考慮し、電子線に
よる重合が可能な官能基が二つ以上あるモノマー、プレ
ポリマーを電子線硬化性シリコーン化合物と混合して用
いることがより好ましい。
【0018】また、電子線硬化性シリコーン化合物と電
子線硬化性バインダーの混合を均一化させるため、界面
活性剤等を混入してもよい。
【0019】本発明に用いられる電子線硬化性シリコー
ン化合物を主成分とする剥離層中に顔料を混合させるこ
とができる。顔料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、カ
オリン、タルク、クレー、焼成カオリン、焼成クレー、
リトポン、サチンホワイトなどの無機顔料、ポリエチレ
ンパウダー、ポリスチレンパウダー、尿素−ホルマリン
樹脂パウダーなどの有機顔料が挙げられる。また、無機
顔料に表面処理を施したものも用いることができるが、
とくに電子線硬化性シリコーン化合物との分散性から、
疎水化処理を施した無機顔料が好ましく用いられる。
【0020】電子線硬化性シリコーン化合物を主成分と
する剥離層を形成する組成物を調製する際には、電子線
硬化性シリコーン化合物及び上記の各成分をすべて同時
に、あるいは個々順次に混練機に投入して行なう。組成
物の混練分散には、各種の混練機が使用される。例えば
二本ロール、三本ロール、ボールミル、サンドグライン
ダー、ディスパー、高速インペラー分散機、高速ミキサ
ーホモジナイザーなどである。
【0021】本発明に用いられる支持体としては、グラ
シン紙、上質紙、板紙、塗工層を設けたコーテッド紙、
キャスト紙などの各種紙類、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の合
成樹脂、又はこれらの合成樹脂を紙に片面、又は両面に
ラミネートしたラミネート紙、不織布、又は金属箔と
紙、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品などを指し、一
般に工程用剥離シートの支持体として使用できるものは
すべて本発明においても使用できるが、特に電子線硬化
性シリコーン化合物を主成分とする剥離層を形成する組
成物の支持体内へのしみこみ防止を目的として天然パル
プ紙の表面に水性塗工、カレンダー処理を施したコーテ
ッド紙が有効に用いられる。ここで言う水性塗工は水溶
性高分子、水分散性高分子のうち少なくとも一種類以上
と顔料を水に溶解又は分散して得られる塗液を支持体上
に塗布し乾燥させ層を形成させることを指す。
【0022】水性塗工に用いられる水溶性高分子として
は、例えば次のものを挙げることができる。天然高分子
および半合成高分子としては、デンプン、酸化デンプ
ン、エーテル化デンプン、ジアルデヒド化デンプン、エ
ステル化デンプンなどの変性デンプン化合物、アルギン
酸ソーダ、アルギン酸プロピレングリコールエステルな
どのアルギン酸化合物、カゼイン、ゼラチン、プルラ
ン、デキストラン、キチン、キトサン、アラビアゴム、
フノリ、天然ガム、デキストリン、メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、カルボキシ
メチルセルロースなどの変性セルロース化合物などが挙
げられる。合成高分子としては、完全ケン化あるいは部
分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルアルコールと多価カルボ
ン酸とのエステル化物、カルボキシ変性化ポリビニルア
ルコール、スルホン酸変性化ポリビニルアルコール、オ
レフィン変性化ポリビニルアルコール、ニトリル変性化
ポリビニルアルコール、アミド変性化ポリビニルアルコ
ール、ピロリドン変性化ポリビニルアルコールなどの変
性化ポリビニルアルコール化合物、ポリエチレングリコ
ール、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ソーダなどのポ
リアクリル酸化合物、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レンイミン、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重
合体、水溶性アルキド樹脂などが挙げられる。また、水
分散性高分子としては、例えば次のものを挙げることが
できる。スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、ブタジエン−メタクリレート共
重合体などの合成高分子を水に分散した各種ラテックス
などが挙げられる。水溶性高分子、水分散性高分子とし
ては上記のような高分子を単独、あるいは混合し、水溶
液として用いることができる。
【0023】水性塗工に用いられる顔料の代表的例とし
ては、炭酸カルシウム、二酸化珪素、二酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫
酸亜鉛、カオリン、タルク、クレー、焼成カオリン、焼
成クレーなどの無機顔料、ポリエチレンパウダー、ポリ
スチレンパウダー、尿素−ホルマリン樹脂パウダーなど
の有機顔料が挙げられる。
【0024】さらに必要に応じてこの塗液の中に界面活
性剤、消泡剤など各種助剤を混合してもよい。
【0025】支持体の坪量は支持体の種類により異なる
が、例えば紙の場合には、40〜250g/m2 、より
好ましくは100〜200g/m2 である。また、支持
体上に剥離層を設ける前に、剥離層の接着をさらに向上
させるために、支持体表面にコロナ放電等の表面処理を
行なっても良い。
【0026】電子線硬化性シリコーン化合物を主成分と
する剥離層を支持体上に設ける方法としては、電子線硬
化性シリコーン化合物を主成分とする剥離層を鏡面を有
する基材上に設け、次いで該剥離層を支持体と重ねて密
着させ、密着状態のまま電子線照射により硬化させた
後、鏡面を有する基材を剥離させる方法、もしくは電子
線硬化性シリコーン化合物を主成分とする剥離層を支持
体上に設け、次いで該剥離層を鏡面を有する基材と重ね
て密着させ、密着状態のまま電子線照射により硬化させ
た後、鏡面を有する基材を剥離させる方法が、工程用剥
離シートの光沢度、表面平滑度の面から好ましいが、こ
れに限られるものではない。
【0027】本発明の製造方法において使用される鏡面
を有する基材としては、例えば鏡面ロール、金属箔、合
成樹脂フィルム等が挙げられる。本製造方法における電
子線照射方向は支持体側、鏡面側のいずれの方法でもか
まわないが、鏡面ロールを用いる場合、電子線の吸収損
失の点から支持体側からとするのが好ましく、金属箔、
合成樹脂フィルム等のシート状の基材を用いる場合は、
支持体の劣化防止、電子線の吸収損失の点から基材側か
らとするのが好ましい。
【0028】合成樹脂フィルムとしては、ポリエチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムなどであり、好ましくは加工性、耐
熱性などの良い二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが望ましい。
【0029】金属箔、合成樹脂フィルムの厚さは、特に
制限されるものではないが、5〜300μmであり、特
に取り扱いの点から10μm以上が好ましく、電子線を
金属箔、合成樹脂フィルム側から照射した場合の電子線
の吸収損失の点から、150μm以下が好ましい。また
支持体と剥離層と金属箔又は合成樹脂フィルムを密着さ
せる方法は、従来から広く行われている方法に従い、金
属箔又は合成樹脂フィルムと剥離層と紙支持体を適度に
圧着できる二本のロールの間を通すことにより容易に実
施される。
【0030】電子線硬化性シリコーン化合物を主成分と
する剥離層を支持体又は鏡面上に設ける方法としては、
ドクターコート、ブレードコート、エアナイフコート、
スクイズコート、リバースロールコート、グラビアロー
ルおよびトランスファーロールコート、4本あるいは5
本ロールコート、カーテンコート、エクストルージョン
コート、ダイコート、スライドコート、リップコート、
Uコンマコート、マイクログラビアコートなどいかなる
方法を用いてもよい。
【0031】また、本発明の電子線硬化性シリコーン化
合物を主成分とする組成物は、そのまま塗布しても良い
し、適当な溶剤を混合して塗布しても良い。
【0032】支持体又は鏡面上に塗布する該電子線硬化
性シリコーン化合物を主成分とする組成物の量は、支持
体の種類により異なるが0.1〜20g/m2 、より好
ましくは0.5〜10g/m2 である。組成物の量が
0.1g/m2 未満と極端に少ないと紙などの支持体上
に均一に剥離層をなす事が困難であり、剥離性を悪くす
る。また、組成物の量が20g/m2 を超えて多くして
も特性上変わらず、コストのみ上がって好ましくない。
【0033】該電子線硬化性シリコーン化合物を主成分
とする剥離層を電子線硬化するために用いられる電子線
加速器としては、カーテン方式、スキャン方式、ダブル
スキャン方式が採用できるが、比較的安価で大出力が容
易に得られるカーテン方式が好ましい。電子線の加速電
圧は100〜1000kV、好ましくは150〜300
kVであり、照射線量としては0.5〜10Mrad、
好ましくは0.5〜5Mradである。加速電圧が10
0kV未満ではエネルギーの透過量が不足し、1000
kVを超えるとエネルギー効率が低下して経済的ではな
い。照射線量としては、0.5Mrad以下では硬化反
応が不十分になり強靭な層が得られない。10Mrad
を超えると、エネルギー効率が低下するばかりか、紙支
持体の劣化が著しくなり好ましくない。
【0034】電子線照射による硬化は、ラジカル反応で
あり、雰囲気中の酸素濃度に依存するので、窒素、ヘリ
ウム、二酸化炭素などの不活性ガスによる置換を行な
い、酸素濃度600ppm以下、好ましくは400pp
m以下に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。
【0035】
【作用】本発明の工程用剥離シートは、平均組成式化3
(一般式1)に表わされる側鎖にフェニル基が導入され
た電子線硬化性シリコーン化合物を主成分とする剥離層
を設けることにより、シリコーン系樹脂特有の優れた剥
離性を損なうことなく、従来の電子線硬化性シリコーン
系樹脂の欠点であった光沢度不足が改善され、且つ被膜
強度が向上した。また、電子線硬化性シリコーン化合物
を主成分とする剥離層を所望の鏡面を有する基材又は支
持体にコーティングし、次いで該剥離層に支持体又は所
望の鏡面を有する基材を密着させ、密着状態のまま電子
線照射により硬化させた後、鏡面を有する基材を剥離さ
せることにより、支持体上に該電子線硬化性シリコーン
化合物を主成分とする剥離層を設ける製造方法を用いる
ことにより、光沢度がさらに向上した。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、更
に詳細に説明するが、本発明の内容は、実施例に限られ
るものではない。
【0037】実施例1 基材として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム(ダイアホイル(株)製品)に平均組成式化
3(一般式1)で表わされる電子線硬化性シリコーン化
合物をグラビアコーターを用いて3g/m2 塗布した
後、支持体である表面をクレーコートした坪量156g
/m2 の片艶紙のクレーコート面を重ね合 わせ、二本
の圧着ロール間を通し、さらに密着状態のままで、窒素
置換(酸素濃度200ppm)を行った電子線照射装置
(日新ハイボルテージ(株)製、キュアトロン)内に導
き、加速電圧200kV、吸収線量3Mradの条件で
電子線をフィルム側から照射し、該電子線硬化性シリコ
ーン化合物を硬化させた後、フィルムを剥離することに
より工程用剥離シートを得た。その平均組成式化3(一
般式1)で表わされる化合物のk、l、m、nは、それ
ぞれk=140、l=20、m=40、n=3である。
【0038】実施例2 上記実施例1で用いた電子線硬化性シリコーン化合物の
k、lを、k=110、l=50に変更し、硬化処理を
行う以外は実施例1と同様にして工程用剥離シートを得
た。
【0039】実施例3 上記実施例1で用いた電子線硬化性シリコーン化合物の
k、lを、k=60、l=100に変更し、硬化処理を
行う以外は実施例1と同様にして工程用剥離シートを得
た。
【0040】実施例4 上記実施例1で用いた電子線硬化性シリコーン化合物の
k、lを、k=20、l=140に変更し、硬化処理を
行う以外は実施例1と同様にして工程用剥離シートを得
た。
【0041】実施例5 上記実施例1で用いた電子線硬化性シリコーン化合物の
k、lを、k=10、l=150に変更し、硬化処理を
行う以外は実施例1と同様にして工程用剥離シートを得
た。
【0042】実施例6 支持体として、表面をクレーコートした坪量156g/
2 の片艶紙を用い、平均組成式化3(一般式1)で表
わされる電子線硬化性シリコーン化合物をグラビアコー
ターを用いて3g/m2 塗布した後、窒素置換(酸素濃
度200ppm)を行った電子線照射装置(日新ハイボ
ルテージ(株)製、キュアトロン)内に導き、加速電圧
200kV、吸収線量3Mradの条件で該電子線硬化
性シリコーン化合物を硬化させることにより工程用剥離
シートを得た。その平均組成式化3(一般式1)で表わ
される化合物のk、l、m、nは、それぞれk=11
0、l=50、m=40、n=3である。
【0043】比較例1 上記実施例1で用いた電子線硬化性シリコーン化合物の
k、lを、k=160、l=0に変更し、硬化処理を行
う以外は実施例1と同様にして工程用剥離シートを得
た。
【0044】比較例2 上記実施例6で用いた電子線硬化性シリコーン化合物の
k、lを、k=160、l=0に変更し、硬化処理を行
う以外は実施例6と同様にして工程用剥離シートを得
た。
【0045】試験1(光沢度) 実施例1〜6、比較例1、2の工程用剥離シートについ
て60度光沢度を測定し、結果を表1に示した。
【0046】試験2(被膜強度) 実施例1〜6、比較例1、2の工程用剥離シートについ
てJIS K−5400の6.14に規定された鉛筆引
っかき試験を行い、剥離層の硬度を測定し、被膜強度と
した。結果を表1に示した。
【0047】試験3(剥離強度) 実施例1〜6、比較例1、2の工程用剥離シート剥離層
上に下に示す組成からなるウレタンペーストを125ミ
クロンの厚みで塗布し、乾燥機にて120℃で2分間乾
燥した後、サンプルを幅30mmに裁断し、テンシロン
万能試験機(オリエンテック(株)製、CR7000)
を用い、ウレタン樹脂被膜と工程用剥離シートを0.3
m/分で引き剥すことにより剥離強度を測定した。 (ウレタンペースト) ウレタン樹脂:クリスボン6116SL(大日本インキ化学工業(株)製品) 67部 メチルエチルケトン(関東化学(株)製) 33部 結果は表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】評価 表1から明らかなように本発明に基づき得られた工程用
剥離シート、実施例1〜6は、比較例1、2に比べ光沢
度が高く、且つ被膜強度に優れていた。また実施例2〜
5は実施例1に比べて光沢度、被膜強度が高い傾向にあ
った。実施例1〜4は実施例5に比べて剥離強度が低い
傾向にあった。また、実施例2は実施例6に比べて光沢
度が高い傾向にあった。
【0050】
【発明の効果】本発明の工程用剥離シートは、平均組成
式化3(一般式1)に表わされる側鎖にフェニル基が導
入された電子線硬化性シリコーン化合物を主成分とする
剥離層を設けることにより、シリコーン系樹脂特有の優
れた剥離性を損なうことなく、従来の電子線硬化性シリ
コーン系樹脂の欠点であった光沢度不足が改善され、且
つ被膜強度が向上した。また、本発明の製造方法を用い
ることにより、光沢度がさらに向上した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKV 6770−4J D06N 3/00 7141−4F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも1面に平均組成式化
    1(一般式1)で表わされる電子線硬化性シリコーン化
    合物を主成分とする剥離層を塗設してなる工程用剥離シ
    ート。 【化1】
  2. 【請求項2】 該電子線硬化性シリコーン化合物におけ
    るk:lの比が、7:3〜1:7であることを特徴とす
    る請求項1記載の工程用剥離シート。
  3. 【請求項3】 平均組成式化2(一般式1)で表わされ
    る電子線硬化性シリコーン化合物を主成分とする剥離層
    を所望の鏡面を有する基材又は支持体にコーティング
    し、次いで該剥離層に支持体又は所望の鏡面を有する基
    材を密着させ、密着状態のまま電子線照射により硬化さ
    せた後、鏡面を有する基材を剥離させることにより、支
    持体上に該電子線硬化性シリコーン化合物を主成分とす
    る剥離層を設けることを特徴とする工程用剥離シートの
    製造方法。 【化2】
  4. 【請求項4】 該電子線硬化性シリコーン化合物におけ
    るk:lの比が、7:3〜1:7であることを特徴とす
    る請求項3記載の工程用剥離シートの製造方法。
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