JP3099548B2 - シート状積層体の製造方法 - Google Patents

シート状積層体の製造方法

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JP3099548B2
JP3099548B2 JP04262093A JP26209392A JP3099548B2 JP 3099548 B2 JP3099548 B2 JP 3099548B2 JP 04262093 A JP04262093 A JP 04262093A JP 26209392 A JP26209392 A JP 26209392A JP 3099548 B2 JP3099548 B2 JP 3099548B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシート状積層体の製造方
法に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発
明は電子線照射を用いて硬化させた2層以上の樹脂塗布
層を有するシート状積層体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】紙などのシート状基材の特性を活用し、
その欠点を補うために基材の表面に樹脂被覆層を設けた
シート状積層体が広く用いられ、生活の隅々にまで浸透
している。即ち、紙および樹脂シートの夫々の特徴を活
用した複合材料を得るために、紙基材の物性の改善を目
的としたり、また見栄えの良い光沢感を与える目的で、
多くのシート状樹脂積層体が利用されている。また、そ
の利用分野も情報、包装、産業用基材と広範囲に亘って
いる。
【0003】従来より、このような紙の樹脂被覆層の形
成には、各種樹脂を適宜選択して配合した樹脂組成物を
水もしくは溶剤に分散もしくは溶解させて、塗布液を調
製し、これをシート状基材に塗布し、乾燥、硬化させる
方法、樹脂を溶融してシート状基材にラミネートする方
法、或はホットメルト塗布する方法が広く用いられてい
る。しかし、このような方法では樹脂形成成分の塗布量
が多くなるほど、またその加工が高速度で行なわれるほ
ど大きな乾燥や溶融設備が必要となり、その設置面積や
乾燥、溶融に必要な熱エネルギーが大きくなるなどの問
題がある。また溶剤を用いる塗布方法では、乾燥工程で
蒸発した溶剤を回収する必要があるが、その全てを回収
することは難しく、また環境対策の面からも好ましくな
い。
【0004】このような状況下において近年、不飽和有
機化合物を主たる成分とする樹脂組成物をシート状基材
上に塗布し、これに電子線を照射して、硬化樹脂塗布層
を形成し、それによってシート状積層体を製造する方
法、いわゆる電子線硬化技術を用いたシート状積層体の
製造方法が用いられるようになった。この方法によれ
ば、乾燥溶融設備が不要であり、装置がコンパクトであ
り、しかも溶剤を大気に放出することがないなどの利点
がある。
【0005】電子線硬化技術を用いて硬化樹脂塗布層を
形成する方法では、高いエネルギーを有する電子線を不
飽和有機化合物塗布層に照射し、これを塗布層内部まで
浸透させてこれを硬化させるものであって、得られる硬
化樹脂塗布層は硬く、その表面は、高い光沢を有し、ま
た耐水性にも優れているなどの利点を有している。しか
し、硬化樹脂塗布層が硬いため、シート状積層体は、全
体としては柔軟性が乏しく、シート状基材の有する柔軟
性を失いがちであった。特に電子線の照射により硬化す
る塗布層の塗布量が多く、硬化樹脂塗布層が厚くなるほ
ど上記の傾向が顕著になる。また、電子線照射はシート
状基体にも及ぶため、シート状基体にフリーラジカルが
生成したり、部分的に崩壊したりして、シート状基体に
劣化、黄変が生ずることが避けられず、用途によっては
これが致命的な欠陥となることも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の上
記の問題点を解決し、例えば全体として適度な柔軟性を
有し、しかも高い光沢感と耐水性とを兼ね備え、シート
状基体の劣化、黄変の少ないシート状積層体の製造方法
を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシート状積
層体の製造方法は、シート状基体の一面上に、電子線照
射により硬化し得る不飽和有機化合物を主成分として含
む少なくとも1層の内側塗布層を形成する工程と、別
に、成型面上に、電子線照射により硬化し得る不飽和有
機化合物を主成分として含む最外側塗布層を形成し、前
記成型面上の最外側塗布層に電子線照射を施すことによ
り硬化された最外側塗布層を形成する工程と、前記成型
面上の硬化された最外側塗布層上に、前記シート状基体
上の内側塗布層を重ね合わせて、最外側塗布層および内
側塗布層からなる重積層体を形成する工程と、この重積
層体に電子線照射を施すことにより、これを硬化し、接
着する工程と、このようにして形成されたシート状積層
体を、前記成形面から剥離する工程とを含み、前記最外
側塗布層に対する電子線照射加速電圧を200KV以下に
規制し、かつ前記重積層体に対する電子線照射加速電圧
を175KV以上に規定することを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】本発明に係るシート状重積層体の製造方法は下
記装置、すなわち、連続的に供給されるシート状基体の
1面上に、電子線照射により硬化する不飽和有機化合物
を主成分として含む第1塗布液を塗布する少なくとも1
個の第1塗布装置と、前記第1塗布装置の下流に配置さ
れ、塗布層形成用成型面を提供する成型装置と、この成
型面上に電子線照射により硬化する不飽和有機化合物を
主成分として含む第2塗布液を連続的に塗布する第2塗
布装置と、前記成型面に対向して配置され前記成型面上
の第2塗布液塗布層に電子線を照射してこれを硬化する
第1電子線照射装置と、前記第1塗布装置から、第1塗
布液を塗布されたシート状基体を前記成型面上に導き、
前記成型面上の硬化された第2塗布液硬化膜層上に、前
記シート状基体上の第1塗布液塗布層を重ね合わせて塗
布層重積層を形成するガイドロールと、前記成形面に対
向して配置され、前記成型面上の塗布層重積層に電子線
を照射してこれを硬化し接着する第2電子線照射装置
と、前記成型面上で形成されたシート状積層体を、前記
成型面から剥離する剥離ロールとを有する装置を用いて
実施することができる。
【0009】本発明に使用する塗布層形成用成型面は平
滑な周面を有する金属製円筒回転体(以下ドラムとい
う)であってもよく、或は平滑な表面を有するシート状
材料であってもよい。金属製ドラムは、その材質形状を
特に限定するものではないが、ステンレススチール、
銅、クロームなどで鏡面仕上げされた平滑な周面を有す
ることが好ましい。さらに必要に応じて硬化した樹脂層
の剥離を容易にするために、金属製円筒形回転体の表面
にシリコンオイルやワックスなどの剥離助剤を供給する
こともできる。
【0010】成型面提供材料として使用するシート状材
料は、その材質形状を限定するものではないが、具体的
には紙、プラスチック、布、不織布、又はアルミニウム
箔、などの金属箔、薄板等の単体または複合体など比較
的厚さの薄いものが適当である。その厚さが過度に厚く
なると柔軟性が乏しくなり、貼り合わせや剥離の工程で
折れまがりやすくなる。また成型面として使用するシー
ト状材料の表面は、硬化した樹脂層の剥離を容易にする
ために、その表面にシリコンオイルやワックスなどの剥
離助剤を供給してもよい。更にシート状材料の表面に適
宜の処理、たとえば、シリコン処理のような処理を施し
て、硬化した樹脂層の剥離を容易にしてもよい。成型面
として使用するシート状材料は、エンドレスベルト状に
加工して使用しても差しつかえない。成型面として使用
するシート状材料は、繰り返して使用することもできる
が、度重なる電子線の照射による衝撃はシート状基材を
劣化させるため、その繰り返し使用の回数には限度があ
る。
【0011】本発明者らは前述の如く、電子線照射によ
り硬化し得る不飽和有機化合物を主成分として含む塗布
層を、少なくとも1層の内側塗布層と最外側層とに分割
して形成し、これを2段に電子線で硬化させる事によ
り、(a)塗布層の設計に樹脂の選択と組み合わせの自
由度を与え、(b)塗布層の2回の電子線照射の条件を
夫々適切に選択する自由度を与えた。この事によって、
シート状積層体の柔軟性を保持し乍ら、塗布層の物性、
例えば液体および気体に対する濡れ性、吸収性、浸透
性、透過性等の改善、強度性、耐水性、平滑性、光沢
性、剥離性等の改善が可能となった。然し乍ら、不飽和
有機化合物の選択と電子線照射の2段分割のみでは、ま
だ充分な品質が得られず、電子線の照射条件によっては
不飽和有機化合物の選択が結果に生かされない事が判明
した。即ち、照射条件が弱いと不飽和有機化合物のフリ
ーラジカルが残存し、硬化塗布層自身の耐候性、接着
性、耐薬品性が劣化し、更にその上に加えられる後工程
に於ける化学物質と化学反応を起し、所期の効果を発揮
しえない。照射条件が強すぎるとシート状基体にフリー
ラジカルが発生し、物性変化、基体の劣化、黄変等の好
ましからざる結果が生じる。
【0012】発明者らは2段照射に於ける電子線照射条
件を種々検討した結果、塗布層の架橋は充分に行われ、
かつ塗布層間の接着も充分であり、しかもシート状基体
の電子線照射による劣化、黄変を防止する条件として、
成型面上に於て照射する最外側層への電子線照射(第1
電子線照射という)時の加速電圧を、重積層体に照射す
る電子線照射(第2電子線照射という)時の加速電圧よ
り低くし、第1電子線照射時の加速電圧を200KV以
下、好ましくは100以上200KV以下、に規制し、第
2電子線照射時の加速電圧を175KV以上、好ましくは
175以上300KV以下、に規定することが有効である
事を見出した。電子線の透過深さはシート状支持体の厚
さにも関係するので、第2電子線照射時の加速電圧は1
75KVを下限とし、且つ重積層体の米坪量(g/m2 )
と同一数値以上の加速電圧(KV)、例えば200g/m
2 の重積層体であれば200KV以上の加速電圧を用いる
事がより望ましい。
【0013】第1電子線照射に於いては、塗布層のみへ
の電子線照射であるので200KVを越える高加速電圧は
エネルギーの浪費であり、時として不飽和有機化合物の
崩壊または放射線量不足から来る硬化不充分を起す。一
方、重積層体に於ける第2電子線照射は、シート状基体
の背面からの照射であるため、加速電圧が175KV未満
の時には未硬化になったり、硬化に要する電子線量を増
量させる必要が生じたりして、結果としてシート状基体
が劣化、黄変する。高電圧は同一放射線量での処理量を
低下させるので経済的でないので、一般的に500KV位
が限度である。第2電子線照射が強すぎても、弱すぎて
も塗布層間の接着強度が低下するので適当なバランスが
必要である。第2電子線照射がシート状成型面材料上で
行われる時にはシート状基体の表面から電子線照射を行
う事がありうるが、この時は、シート状成型面材料の劣
化が起こり経済的ではないので175KV以上の範囲内の
低い加速電圧を用いる事が望ましい。
【0014】本発明の製造方法において、電子線により
硬化する不飽和有機化合物含有塗布液の塗布の方法に制
限はなく、例えばバーコート法、ロールコート法、エア
ードクターコート法、ブレードコート法、スクイズコー
ト法、リバースロールコート法、グラビアロールコート
法、トランスファーコート法、ファウンテンコート法、
あるいはスロットダイコート法などの方法を用いること
ができる。
【0015】本発明に用いられる第1および第2電子線
照射の方式は特に限定するものではなく、例えばバンデ
グラーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方
式、およびカーテンビーム方式などの電子線照射装置を
使用することができ、これらの中でも比較的安価で大出
力の得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いら
れる。
【0016】不飽和有機化合物塗布層に加えられる電子
線の照射線量は不飽和有機化合物に所望の硬化を施すこ
とができるものであればよく、その値に特に限定はない
が、一般的には、0.1〜6Mradであることが好ま
しく、0.2〜4.0Mradが特に好ましい。照射線
量が0.1Mrad以下の場合には、電子線照射による
樹脂の硬化が不十分になることがある。またそれが6M
radを越えるとシート状基体を電子線の衝撃により劣
化させたり、変色させることがあるほか、エネルギーの
消費に無駄を生ずる。本発明方法のように、多層2段硬
化の場合には、最外側塗布層を硬化させるために照射さ
れる電子線の線量は第2回目との合計線量の15%以上
であることが好ましく、また、第2回目の線量は2.5
Mradを越えないことが特に好ましい。
【0017】電子線照射時における雰囲気中の酸素濃度
は500ppm 以下であることが好ましい。酸素濃度が5
00ppm を越えると、酸素が重合反応の抑制剤として働
き、樹脂組成物の硬化が不十分になることがある。ま
た、酸素濃度を下げる目的で窒素ガスなどの不活性ガス
を使用することが好ましい。
【0018】本発明の製造方法において、電子線の照射
は2回行なわれるが、第2回目の電子線照射、すなわち
内側塗布液塗布層と、すでに電子線硬化された最外側硬
化膜層との重積層に対する電子線の照射においては、電
子線の照射により硬化し、接着する重積層体は、その両
面がシート状基体と成型面とにより覆われているため直
接空気に触れることがなく、従って空気中の酸素によっ
て、樹脂層の硬化が抑制されることは少ない。しかし、
電子線照射によるオゾン発生を抑制する目的、あるいは
電子線が通過する際に発熱するウィンドウを冷却するな
どの目的のために、電子線照射雰囲気として窒素ガスな
どの不活性ガスを使用してもよい。
【0019】本発明方法で用いられるシート状基体の種
類に関して特別な制限はない。例えば天然パルプを主成
分とするシート、例えば広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、
広葉樹針葉樹混合パルプなどの木材パルプからなる原紙
や、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパル
プなどの晒パルプからなる単独または混合の原紙を好ま
しく使用することができる。また、合成パルプ、合成繊
維、再生繊維等を含むパルプから製造された原紙を使用
することもできる。
【0020】本発明方法において、シート状基体には、
通常の各種添加剤、例えば乾燥紙力増強剤(カオチン化
澱粉、カオチン化ポリアクリルアミド、およびアニオン
性ポリアクリルアミドなど)、サイズ剤(脂肪酸塩、ロ
ジン、マレイン化ロジン、カオチン化サイズ剤、および
反応性サイズ剤など)、填料(クレー、タルク、カオリ
ン、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、および酸化
マグネシウムなど)、湿潤紙力増強剤(メラミン樹脂、
およびエポキシ化ポリアミド樹脂など)、定着剤(硫酸
アルミニウム、およびカオチン化澱粉など)、pH調節剤
(苛性ソーダ、および炭酸ソーダなど)、着色顔料、染
料などが1種以上含まれていてもよい。
【0021】またシート状基体は水溶性高分子添加剤、
表面サイズ剤、無機電解質、吸湿性物質、顔料、pH調節
剤、染料、帯電防止剤、ポリビニルアルコール、および
カルボキシ変性ポリビニルアルコール、などの1種以上
を含む処理液でタブサイズ、またはサイズプレスされた
ものであってもよい。
【0022】更にプラスチックフィルムや、いわゆる合
成紙をシート状基体として使用することになんら差しつ
かえはない。例えばポリプロピレン樹脂やポリエチレン
樹脂などのポリオレフィン系樹脂を含む熱可塑性樹脂組
成物を溶融押し出し法で形成したフィルムをシート状基
材として使用することもできる。また、シート状基体と
して使用する。プラスチックフィルムや、いわゆる合成
紙には、顔料(クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、水酸化マグネシウムなど)、分散
剤(ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸や各種の界面活性
剤など)、有色顔料などの1種以上が含まれていてもよ
い。
【0023】また本発明のシート状積層体において、そ
の裏面もまた樹脂層で被覆されていてもよい。この裏面
樹脂層は、電子線照射により硬化された樹脂組成物層で
あってもよいし、他の方法で塗布された樹脂塗布層、例
えば水溶性樹脂を主成分とする樹脂組成物の塗布層、溶
剤系樹脂を主成分とする樹脂組成物の塗布層、あるいは
また熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物を溶融押し
出し法で被覆した被覆層、ホットメルト塗布層であって
もよい。
【0024】本発明の、電子線照射により硬化し得る不
飽和有機化合物を主成分とする塗布液は、電子線照射に
より硬化し得る少なくとも1種の不飽和有機化合物と、
必要に応じてその他の添加剤を含むものである。電子線
の照射により硬化し得る不飽和有機化合物としては、 (1)脂肪族、脂環族、および芳香脂肪族の、1〜6価
のアルコール及びポリアルキレングリコールのアクリレ
ート化合物類 (2)脂肪族、脂環族、および芳香脂肪族の、1〜6価
のアルコールにアルキレンオキサイドを付加させたもの
のアクリレート化合物類 (3)ポリアクリロイルアルキルリン酸エステル類 (4)カルボン酸と、ポリオールと、アクリル酸との反
応生成物 (5)イソシアネートと、ポリオールと、アクリル酸と
の反応生成物 (6)エポキシ化合物とアクリル酸との反応生成物 (7)エポキシ化合物と、ポリオールと、アクリル酸と
の反応生成物 などをあげることが出来る。
【0025】具備的に述べるならば、電子線の照射によ
り硬化し得る不飽和有機化合物とし、ポリオキシエチレ
ンエピクロルヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレ
ート、ジシクロヘキシルアクリレート エピクロルヒド
リン変性ポリエチレングリコールジアクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート ヒドロキシビバ
リン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ノニフェノキシポリエチレングリコールアクリレー
ト、エチレンオキサイド変性フェノキシ化リン酸アクリ
レート、エチレンオキサイド変性フタル酸アクリレー
ト、ポリブタジエンアクリレート、カプロラクタン変性
テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリス(アクリ
ロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−
ブタジエンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、およびネオペンチルグリコール
変性トリメチロールプロパンジアクリレートなどをあげ
ることができる。
【0026】本発明はこれらの化合物を単独で、或はそ
の2種以上を組合わせて使用することが出来るが、最外
側層に使用する化合物としては、高架橋性を与える4官
能以上の化合物が特に有利に使用される。
【0027】また本発明のシート状基体に塗布される塗
布液には、白色顔料を混合することができる。この白色
顔料としては二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウムなどが好ましい。それらの白色
顔料は単独または2種類以上を混合して使用することも
可能である。
【0028】白色顔料を上記のような電子線の照射で硬
化する樹脂組成物中に分散するには、3本のロールミル
(スリーロールミル)、2本ロールミル(ツーロールミ
ル)、カウレスディゾルバー、ホモミキサー、サンドグ
ラインダー、プラネタリーミキサー、ペイントコンディ
ショナーおよび超音波分散機などを使用することができ
る。
【0029】本発明において、各塗布層の塗布量は、各
層それぞれ、1〜50g/m2 であり、その合計塗布量
が10〜100g/m2 であることが好ましい。各層の
塗布量が1g/m2 より少ないと、本発明の効果を十分
に発揮することが難しく、また塗布層中にピンホールが
生じるなどの塗布欠陥が生じるという問題が生じる。ま
た各層の塗布量が50g/m2 を越える、または合計塗
布量が100g/m2を越えると、得られるシート状積
層体は、全体として適度の柔軟性を維持することが難し
くなり、またコストの点で実用的でない。
【0030】下記実施例により本発明の構成及効果を更
に説明するが、もちろん本発明はこれらの態様に制限さ
れるものではない。実施例1 坪量150g/m2 の上質系原紙の裏面上に、コロナ放
電による表面活性処理を施し、その上にポリエチレン樹
脂の溶融押出し被覆を行ない、被覆量が30g/m2
裏面樹脂被覆層を形成した。次いで、原紙の表面上に、
エチレン−アクリル酸共重合体アルカリ塩(商標:ザイ
クセン、住友精化社製)の10%溶液を乾燥後塗布量が
1.5g/m2 になる様に塗布、乾燥して紙基体(A)
を得た。
【0031】別に、下記の最外側表面樹脂塗布層用電子
線硬化有機化合物−白色顔料混合物を、ペイントコンデ
ィショナーで1時間混合、分散させて、電子線硬化性組
成物(組成物1)調整した。 組成物1 成分 配合量 ペンタエリスリトールヘキサアクリレート 80.0重量部 (商標:ビームセット700、荒川化学工業社製) 二酸化チタン(商標:タイペークA220、石原産業社製)20.0重量部
【0032】この組成物を、成型面として使用するクロ
ムメッキを施した金属板の表面上に、ワイヤーバーを用
いて、硬化後の塗布量が5g/m2 になるように塗布
し、この塗布層に加速電圧:165KVで、照射線量:2
Mradの条件で電子線を照射し、この塗布層を硬化さ
せた。
【0033】別に、下記の内側表面樹脂塗布層用電子線
硬化有機化合物−白色顔料混合物をペイントコンディシ
ョナーで1時間混合、分散させて、電子線硬化性組成物
(組成物2)を調製した。 組成物2 成分 配合量 ウレタンアクリレートオリゴマー 36.0重量部 (商標:ビームセット550B、荒川化学工業社製) 2官能アクリレートモノマー 24.0重量部 (商標:アロニックスM−220、東亜合成社製) 二酸化チタン 40.0重量部 (商標:タイペークA−220、石原産業社製)
【0034】この組成物を、前述の紙基体の表面上にワ
イヤーバーを用いて、硬化後の塗布量が20g/m2
なるように塗布し、この塗布層を前述の金属板成型面上
の硬化塗布層に重ね合せ、紙基体の背面から加速電圧:
300KVで、照射線量:2Mradの条件で電子線を照
射し重層体を硬化、接着させた。次に、金属板成型面か
ら上記工程により得られた積層物を剥離しシート状積層
体を得た。
【0035】このシート状積層体の耐溶剤性、耐油性、
引裂強さ、層間接着強さ、黄変(白色度)を評価し表1
に掲げた。評価試験の方法は下記の如くである。耐溶剤
性試験方法:有機溶剤(MEK/トルエン等容量混合
物)を脱脂綿に付着させ、最外側硬化樹脂層表面を10
0回こすり、表面がむける迄の回数で評価した。
【0036】耐油性試験方法:オイルレッドで着色した
ヒマシ油を最外側硬化樹脂層表面に1滴滴下し、1時間
放置後に油を拭取り、塗膜表面の膨潤の度合を、全く変
化しない(3点)、わずかにシワの発生したもの(2
点)、全面にシワの発生したもの(1点)と点数評価し
た。
【0037】引裂強さ試験方法:JIS P−8116
「紙及び板紙の引裂強さ試験法」によりシート状積層体
の横方向強度を測定した。
【0038】層間接着強さ試験方法:最外側硬化樹脂層
表面にセロファン粘着テープ(商標:セロテープ)を貼
付し、90度方向に瞬時に剥離して、最外側硬化樹脂層
との内側硬化樹脂層との剥離の状況を点数で、全く剥離
しないもの(3点)、一部剥離したもの(2点)、全面
に剥離を起したもの(1点)と評価した。
【0039】黄変試験方法:JIS P−8123「紙
及び板紙のハンター白色度試験法」によりシート状積層
体の最外側硬化樹脂層表面の白色度を測定し、黄変の指
標とした。
【0040】実施例2 実施例1の紙基体(A)から裏面ポリエチレン被覆層を
削除した紙基体(B)を用いて、実施例1と同様にし
て、組成物1を塗布して加速電圧:200KV×照射線
量:2.0Mradの条件で第1電子線照射を行ない、
次いで下記の組成物3を塗布して加速電圧:200KV×
照射線量:2.0Mradの条件で第2電子線照射を行
ない、シート状積層体を得た。評価結果を表1に掲げ
た。
【0041】 組成物3 成分 配合量 ウレタンアクリレートオリゴマー 30重量部 (商標:ニューフロンテイアR−1301、第一工業製薬社製) 単官能アクリレートモノマー 20重量部 (商標:ニューフロンテイアNP−2、第一工業製薬社製) 二酸化チタン 50重量部 (商標:タイペークCR−58、石原産業社製)
【0042】実施例3 実施例1と同様にして、75g/m2 の上質系原紙に2
0g/m2 の裏面ポリエチレン被覆層を設け、次いで原
紙の表面上にエチレン−アクリル酸共重合体アルカリ塩
を乾燥後塗布量が1.5g/m2 になるように塗布、乾
燥して紙基体(C)を得た。これに実施例1と同様に2
層の電子線硬化樹脂層を設けてシート状基体を得た。評
価結果を表1に掲げた。
【0043】実施例4 実施例2の紙基体(B)を用い、実施例1と同様にし
て、組成物1を15g/m2 塗布し、加速電圧:165
KV×照射線量:2.0Mradの条件で第1電子線照射
を行ない、次いで組成物2を15g/m2 塗布し、加速
電圧:300KV×を照射線量:2.0Mradの条件で
第2電子線照射を行ない、シート状基体を得た。評価結
果を表1に掲げた。
【0044】比較例1〜5 比較例1〜5は実施例1〜4の電子線照射条件のみを変
更したものである。比較例1においては、実施例1の第
1電子線照射条件を加速電圧:250KV×照射線量:
4.0Mradに変更し、また第2電子線照射条件を加
速電圧:200KV×照射:2.0Mradに変更した。
比較例2においては、実施例2の加速電圧のみを、第1
電子線照射では165KVに変更し、第2電子線照射では
165KVに変更した。比較例3においては、実施例2の
第1電子線照射条件を加速電圧:165KV×照射線量:
2.0Mradに変更し、また第2電子線照射条件を加
速電圧:165KV×照射線量:5.0Mradに変更し
た。比較例4においては、実施例3の第2電子線照射の
加速電圧のみを165KVに変更した。比較例5において
は、実施例4の第1電子線照射条件を加速電圧:250
KV×照射線量:4.0Mradに変更し、また第2電子
線照射条件を加速電圧165KV×照射線量:2.0Mr
adに変更した。これらの実験条件と評価結果を表1に
掲げた。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、第1および第2
の電子線照射の加速電圧が本発明方法に従ってコントロ
ールされるならば、紙基体の米坪あるいは内側塗布層、
最外側塗布層の塗布量の大小に拘らず、紙基体上に設け
られた樹脂層の硬化は完全に行われ、耐溶剤性や耐油性
等の硬化塗膜物性は確保され、そのため層間の接着性も
充分であり、更に、原紙の劣化も抑制することができ、
その結果、比引裂強さや白色度(黄変)等の紙力、紙質
も満足すべきものとなる。
【0047】
【発明の効果】本発明方法により、電子線硬化性不飽和
有機化合物を用いて、シート状基体上に、互に特性の異
なる2種以上の電子線硬化樹脂層を効率よく形成するこ
とが可能になり、それによって、所望の物性、例えば、
最外側塗布層がすぐれた光沢と耐水性を有し、さらに内
側塗布層には、柔軟性に優れた樹脂層を形成すれば全体
として良好な光沢、耐水性と適度な柔軟性を有するシー
ト状積層体を製造することができる。本発明方法により
製造されたシート状積層体は、樹脂と紙との複合材料と
して、印刷用途、包装用途、産業用資材または後加工向
けの基材等の産業用途に使用する事ができる。印刷用と
して高平滑、高光沢を利用したキャスト塗工紙的用途
に、包装用としては、耐水性、吸液性、浸透性、透ガス
性、剥離性等を利用した包装材、紙器材、工程紙、粘着
シート材等の用途に、情報用としては、高平滑、高光沢
を利用したフルカラー印刷の用途に用いることができ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体の一面上に、電子線照射に
    より硬化し得る不飽和有機化合物を主成分として含む少
    なくとも1層の内側塗布層を形成する工程と、別に、成
    型面上に、電子線照射により硬化し得る不飽和有機化合
    物を主成分として含む最外側塗布層を形成し、前記成型
    面上の最外側塗布層に電子線照射を施すことにより、硬
    化された最外側塗布層を形成する工程と、前記成型面上
    の硬化された最外側塗布層上に、前記シート状基体上の
    内側塗布層を重ね合わせて、最外側塗布層および内側塗
    布層からなる重積層体を形成する工程と、この重積層体
    に電子線照射を施すことにより、これを硬化し、接着す
    る工程と、このようにして形成されたシート状積層体
    を、前記成形面から剥離する工程とを含み、前記最外側
    塗布層に対する電子線照射加速電圧を200KV以下に規
    制し、かつ前記重積層体に対する電子線照射加速電圧を
    175KV以上に規定することを特徴とするシート状積層
    体の製造方法。
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