JPH05338091A - 型付け用離型材およびその製造方法 - Google Patents

型付け用離型材およびその製造方法

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JPH05338091A
JPH05338091A JP15222692A JP15222692A JPH05338091A JP H05338091 A JPH05338091 A JP H05338091A JP 15222692 A JP15222692 A JP 15222692A JP 15222692 A JP15222692 A JP 15222692A JP H05338091 A JPH05338091 A JP H05338091A
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JP
Japan
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radiation
inorganic pigment
silicone resin
coating layer
embossing
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JP15222692A
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Junji Harada
純二 原田
Takahisa Kato
隆久 加藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/002Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/56Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
    • B29C33/68Release sheets

Abstract

(57)【要約】 【目的】エンボス時の型付け性が良好で、剥離性の良い
型付け用離型材。 【構成】型付け用離型材において、支持体が放射線硬化
性樹脂を含有した無機顔料塗工層を有するコーティッド
紙であり、該支持体の表面に凹凸のエンボス加工が施さ
れ、かつ該支持体の凹凸表面に沿った形で放射線硬化性
のシリコーン樹脂層が設けられた型付け用離型材。 【効果】エンボス時においては、未硬化の放射線硬化性
樹脂の存在でクッション性があり、剥離時には硬化した
放射線硬化性樹脂により紙腰があり、剥離性が良好であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャスト紙、アート紙
やコート紙、微塗工紙を支持体とした離型材に関するも
のであり、その中でも特に型付け用離型材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】型付け用離型材は、上質紙やコーテッド
紙などの支持体上に、ポリプロピレン系樹脂、シリコー
ン系樹脂、アルキッド系樹脂からなる離型層が設けら
れ、合成皮革、カーボンファイバープレプリグ、床材、
マーキングフィルムなどの製造工程において、ウレタン
ペーストや塩化ビニルゾルなどをキャスティングする離
型材として使用されている。
【0003】合成皮革製造用などに用いられる離型材の
役割は、ウレタンペーストなどの樹脂溶液が乾燥するま
での保持、および乾燥した樹脂被膜の離型であるが、キ
ャスティングの場合は、離型材の表面形状が転写される
ため、型付けの役目も兼ねる。離型材に必要な特性とし
ては、樹脂溶液を支持体に染み込ませないバリヤー性、
乾燥後は容易に樹脂被膜を剥せる離型性、乾燥時におけ
る耐熱性、離型材は繰り返し使用されることが多いの
で、適度な引っ張り強度、引き裂き強度、カールバラン
ス、支持体表面が割れないための柔軟性、耐スクラッチ
性、剛直性などである。
【0004】平坦な表面性(エナメルやマットなど)を
有する合成皮革などの転写物を製造する場合は、コーテ
ッド紙やキャスト紙を支持体に用い、その上を剥離性樹
脂により処理すればよいが、型付けのある転写物を製造
する場合は、その型の特に微小部分の再現性、あるいは
鋭い凹凸による支持体の割れを防御する目的で、主にそ
れ自体がある程度の剥離性を有するポリプロピレン樹脂
を主成分とするラミネート層が支持体表面に設けられる
のが普通である。例えば、合成皮革を構成する樹脂がウ
レタンペーストである場合には、その乾燥温度はポリプ
ロピレンの融点よりも低いのが普通なので、ポリプロピ
レンのラミネートが多用される。
【0005】このような型付けの離型材を作成する場合
には、特公昭64ー10626号公報に記述されている
ように、ポリオレフィン樹脂ラミネート基材は、軟化点
を越す場合には使えないといった問題や、ポリオレフィ
ン樹脂ラミネート離型材を繰り返し使用する場合にその
型が崩れるという問題、ポリオレフィン樹脂の紙などへ
の接着性の低さからくるポリオレフィン樹脂層脱離、あ
るいはこのポリオレフィン樹脂の接着性の低さをカバー
するために低密度ポリエチレンなどを混合することによ
る耐熱性の低下や型保持性の悪化などという問題があっ
た。
【0006】そのほかの樹脂、例えば、熱硬化性のアル
キッド樹脂や変性アルキッド樹脂、ポリフォスファゼン
樹脂などはエンボス加工できないといった問題点や、有
機シリコン化合物をコート層に用いた場合には、表面光
沢に欠け、かつ数度の使用でコート層が脱落するといっ
た問題点を有するものであった。
【0007】特公昭64ー10626号公報によれば、
電離放射線硬化膜をコート層に用いると繰り返し使用し
ても表面層が脱落したり、表面光沢が低下したりするこ
とがなく、塩化ビニルシートの成型を行っても剥離力が
充分に低いという事実が開示されているが、一般の電離
放射線硬化膜には、1回目の離型性(剥離力)と2回目
の離型性に大きな差があり、繰り返し使用の際の剥離力
変動が大きく、実質上2回以上は使えないといった問題
があった。すなわち、ここでいう電離放射線硬化膜を形
成する、エチレン性不飽和結合を有する化合物、例え
ば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、2ーエチルヘキシルアクリレート、2ー
ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、2ーエチルヘキシルメタク
リレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロ
ールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、ブ
トキシメチルアクリルアミド、ブトキシメチルメタクリ
ルアミド等の単官能モノマー、エチレングリコールジア
クリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールアクリレート、1、6ーヘキサン
ジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート等の3官能モノマー、ウレタンアク
リレート、ウレタンアクリレートエポキシアクリレー
ト、エポキシメタクリレート、ポリエーテルアクリレー
ト、ポリエーテルメタクリレート、ポリエステルアクリ
レート、ポリエステルメタクリレート、エチレンアクリ
ルアミド、N,N−(オキシジメチレン)ビスメタクリ
ルアミド不飽和ポリエステル等の如きオリゴマーやプレ
ポリマー、あるいはこれらの樹脂の混合物などを電子線
照射あるいは紫外線照射して硬化した場合、樹脂表面に
吸着した酸素の影響と思われるが、極表面に薄く不完全
硬化層が残る。この不完全硬化層は、それ自体では液
状、あるいはバインダー能力の弱いものであるから、塩
化ビニルシートをその上に形成し、剥離した場合に完全
硬化した層から容易に剥離してしまう。このため、1回
目の剥離力は非常に小さくなり、表面光沢の低下もな
く、樹脂の脱落も無いように見えるが、2回目の使用時
には不完全硬化層がないため塩化ビニルシートとの剥離
が極端に重くなるものであった。この傾向はウレタンペ
ーストを用いた場合にも同じである。
【0008】さらに、このような電離放射線硬化層を用
いる場合の問題は、その製造過程において、安定生産性
に欠けるという点にある。すなわち、電離放射線硬化層
を形成する樹脂が液体であれ、固体であれ、エンボス時
に加熱あるいは加圧により形状変化できる状態でなけれ
ばエンボス加工できない。このため、常温ではエンボス
ロールに付着しない樹脂でもエンボス加工時にはエンボ
スロールに微量ながら付着することがある。一般の電離
放射線硬化膜を形成するような樹脂は、次第に熱硬化す
るものであり、特に熱エンボスの場合、エンボスロール
表面で次第に硬化膜を形成する。このことはエンボス加
工された離型材の凹凸が段々と浅くなることを意味し、
結果として製造する合成皮革などの柄がぼやけた状態に
なるという致命的な問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先に、
アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂を用いればこ
のような繰り返し剥離強度の変動が小さく、光沢があ
り、シリコーン樹脂の自浄作用によりエンボス加工時に
エンボスロールに残ることがなく、従って均一な型付け
用離型材が得られることを出願している。しかしなが
ら、このような方法で得られる型付け用離型材において
も、製造方法に由来するところのクッション性、紙腰の
問題点があった。すなわち、エンボス加工に適した支持
体の柔軟性(剛直性、あるいは紙腰)と、型付け用離型
材として用いる際に適した柔軟性が異なるということで
ある。エンボス加工の際は、凹凸の入りやすさ、表面層
の割れ難さという点から、ある程度柔軟な、クッション
性のある支持体が求められ、型付け用離型材として用い
る場合には、型付け用の樹脂(ウレタンペーストとか塩
化ビニル樹脂)との接着性、密着性、型付け用離型材を
剥離する際の剥きやすさという点から、やや剛直な紙腰
を有する支持体の方が好ましい。しかしながら、これま
での製造方法においては、エンボス加工する前はある程
度剛直であって、エンボス加工することにより支持体が
押しつぶされるため、紙腰を失うという逆の特徴を有す
るものであった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点を解決する手段を鋭意研究した結果、以下の
ような発明を見いだすに至った。即ち、本発明の型付け
用離型材は、支持体が無機顔料及び放射線硬化性樹脂を
主成分とする無機顔料塗工層を塗設してなるコーティッ
ド紙であり、該支持体表面に凹凸のエンボス加工が施さ
れ、かつ該支持体の凹凸表面に沿った形で放射線硬化性
のシリコーン樹脂層が設けられたことを特徴とする型付
け用離型材およびその製造方法の発明である。該放射線
硬化性のシリコーン樹脂層を形成するシリコーン樹脂
は、アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂であるこ
とが好ましく、またはアクリロイル基を含有するシリコ
ーン樹脂と、放射線硬化性樹脂の混合物であることが好
ましい。本発明の型付け用離型材を作成するには、該無
機顔料塗工層を加熱乾燥する工程、該加熱乾燥した無機
顔料塗工層上に放射線硬化性のシリコーン樹脂層を設け
る工程、該シリコーン樹脂層を塗工した支持体にエンボ
ス加工する工程、無機顔料塗工層及び該シリコーン樹脂
層に含有された放射線硬化性樹脂と放射線硬化性シリコ
ーン樹脂を紫外線或は電子線、もしくはその両方を照射
することにより硬化させる工程を組み合わせることによ
り製造することができる。本発明の型付け用離型材を作
成するには、紙に無機顔料及び放射線硬化性樹脂を主成
分とする無機顔料塗工層を設ける工程、該無機顔料塗工
層を加熱乾燥する工程、該加熱乾燥した無機顔料塗工層
上に放射線硬化性のシリコーン樹脂層を設ける工程、該
シリコーン樹脂層を塗布した支持体にエンボス加工する
工程、シリコーン樹脂層および無機顔料層に含まれる放
射線硬化性樹脂を紫外線あるいは電子線もしくはその両
方を照射することにより硬化する工程を組み合わせるこ
とにより製造することができる。紙に無機顔料及び放射
線硬化性樹脂を主成分とする無機顔料塗工層を設ける工
程は、紙に無機顔料塗工層を設け、加熱乾燥した後で、
放射線硬化性樹脂を塗布、含浸する方法により代替する
こともできる。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
特徴は、エンボス加工時においては、支持体に用いられ
ている内の無機顔料塗工層に含有される放射線硬化性樹
脂、および表面層を形成する該シリコーン樹脂が完全に
硬化されていない状態であるため、支持体そのものがあ
る程度柔軟で、変形しやすく、かつ表面が割れにくいと
いう特徴を有する。エンボス加工後、紫外線照射あるい
は電子線照射を行うことにより無機顔料塗工層内部の放
射線硬化性樹脂、および表面の該シリコーン樹脂が硬化
し、エンボス加工された支持体に剛直性を与えるもので
ある。
【0012】本発明において、無機顔料塗工層中あるい
は該シリコーン樹脂層中に用いられる放射線硬化性樹脂
(紫外線硬化性又は電子線硬化性樹脂のことで、本特許
ではまとめて放射線硬化性樹脂と称する)のうち代表的
なもの挙げる。
【0013】(1)ポリエステルアクリレート、ポリエ
ステルメタクリレート、例えば、アロニックスM−53
00、アロニックスM−5400、アロニックスM−5
500、アロニックスM−5600、アロニックスM−
5700、アロニックスM−6100、アロニックスM
−6200、アロニックスM−6300、アロニックス
M−6500、アロニックスM−7100、アロニック
スM−8030、アロニックスM−8060、アロニッ
クスM−8100(以上、東亜合成化学工業(株)商品
名)、ビスコート700、ビスコート3700(以上、
大阪有機化学工業(株)商品名)、カヤラッドHX−2
20、カヤラッドHX−620(以上、日本化薬(株)
商品名)などが挙げられる。
【0014】(2)ウレタンアクリレート、ウレタンメ
タクリレート、例えば、アロニックスM−1100、ア
ロニックスM−1200、アロニックスM−1210、
アロニックスM−1250、アロニックスM−126
0、アロニックスM−1300、アロニックスM−13
10(以上、東亜合成化学工業(株)商品名)、ビスコ
ート812、ビスコート823、ビスコート823(以
上、大阪有機化学工業(株)商品名)、NKエステル、
U−108−A、NKエステル、U−4HA(以上、新
中村化学(株)商品名)、ディックビームQA100、
ディックビームQA300(以上、大日本インキ化学工
業(株)商品名、イソシアネート化合物を含む)などが
挙げられる。
【0015】(3)単官能アクリレート、単官能メタク
リレート、ビニルピロリドン、アクリロイル化合物、ア
クリルアミド化合物 例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキ
シエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート、アクリロイルモルフォ
リン、ベンジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N、
N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N、N−ジ
エチルアミノエチルメタクリレート、ブトキシエチルア
クリレート、ビニルピロリドン、アクリルアミドエーテ
ル化合物など。エチレンオキシド変性フェノキシ化りん
酸アクリレートエチレンオキシド変性ブトキシ化りん酸
アクリレート、この他に東亜合成化学工業(株)の商品
名でいえばアロニックスM−101、アロニックスM−
102、アロニックスM−111、アロニックスM−1
13、アロニックスM−114、アロニックスM−11
7、アロニックスM−152、アロニックスM−154
などが挙げられる。
【0016】エポキシアクリレート、エポキシメタクリ
レート 例えばビスコート540、ビスコート600(以上、大
阪有機化学工業(株)商品名)、NKエステルEA80
0、NKエステルEPA800(以上、新中村化学
(株)商品名)、フォトマー3016、フォトマー30
82(以上、サンノプコ(株)商品名)などが挙げられ
る。
【0017】(4)多官能アクリレート、多官能メタク
リレート、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリ
トールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸トリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、プロピレンオキシド変性ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、プロピレンオキシド変性ジペンタエ
リスリトールポリアクリレート、エチレンオキシド変性
ジペンタエリスリトールポリアクリレート、ペンタエリ
スリトールアクリル酸付加物のアクリレートエステル、
アクリロイルポリホスファゼンなどが挙げられる。東亜
合成化学工業(株)の商品名でいえばアロニックスM−
210、アロニックスM−215、アロニックスM−2
20、アロニックスM−230、アロニックスM−23
3、アロニックスM−240、アロニックスM−24
5、アロニックスM−305、アロニックスM−30
9、アロニックスM−310、アロニックスM−31
5、アロニックスM−320、アロニックスM−32
5、アロニックスM−330、アロニックスM−40
0、アロニックスM−450などが挙げられる。
【0018】これらの放射線硬化性樹脂は、単独若しく
は2つ以上混合して使うことができる。また、水に分散
してエマルジョンの形、あるいは水に溶解して用いるこ
とはもちろん差し支えない。
【0019】本発明に用いられる支持体としては、普通
紙原紙の他、片艶紙、グラシン紙、上質紙などに無機顔
料塗工層を設けたアート紙、コート紙、キャスト紙等を
用いる事が出来る。特に針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、
針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプを主成分とする天
然パルプ紙が有利に用いられる。原紙の厚みに関して
は、特に制限はないが、平滑なものが好ましく、その坪
量は、30〜300g/m2が好ましい。
【0020】本発明の方法において、有利に用いられる
天然パルプを主成分とする原紙には、各種高分子化合
物、添加剤を含有せしめることができる。例えば、デン
プン、デンプン誘導体(カチオン化デンプン、リン酸エ
ステル化デンプン、酸化デンプン等)、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘
導体(完全ケン化、部分ケン化、カルボキシ変性、カチ
オン変性、その他の各種変性ポリビニルアルコール)、
ゼラチン(アルカリ処理、酸処理、各種変性ゼラチン)
等の乾燥紙力増強剤、スターガムやアルギン酸誘導体な
どの天然高分子多糖類、高級脂肪酸金属塩、ロジン誘導
体、ジアルキルケトン、アルケニルまたはアルキルコハ
ク酸無水物、エポキシ化高級脂肪酸アミド、有機フルオ
ロ化合物、ジアルキルケテンダイマー乳化物等のサイズ
剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、メ
ラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等の
湿潤紙力増強剤、安定剤、顔料、染料、酸化防止剤、蛍
光増白剤、各種ラテックス、無機電解質(塩化ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カルシウ
ム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化バリウム等)、pH調整剤、硫酸バンドや塩化
アルミ等の定着剤、炭酸カルシウム、カオリン、タル
ク、クレー等の填料、有機導電剤等の添加剤を適宜組み
合わせて含有せしめることができる。これらの含有物
は、抄紙段階においてパルプスラリー中に分散させても
よいし、抄紙後タブサイズにおいて添加させてもよく、
また各種コーターで溶液を塗布してもよい。
【0021】本発明の原紙に無機顔料塗工層を設けるに
は、従来の製紙技術に用いられている原料、無機顔料、
薬品を用いることができる。すなわち、無機顔料塗工層
を構成する塗液において、水性バインダーとして例えば
スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、酢酸
ビニル・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジ
エン・メチルメタクリル系、酢酸ビニル・ブチルアクリ
レート系の各種共重合体、およびポリ酢酸ビニルなどの
アルカリ感応性あるいはアルカリ非感応性接着剤、ポリ
ビニルアルコール、無水マレイン酸・スチレン共重合
体、イソブテン・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸
・メチルメタクリレート系共重合体等の合成樹脂系接着
剤、酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デ
ンプン、酵素変性デンプンやそれらの変性物である冷水
可溶性デンプン、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白等の天
然高分子系接着材など各種公知の接着剤を用いることが
できる。当然ながら本特許に記載の放射線硬化性樹脂を
含有することができる。放射線硬化性樹脂の含有のさせ
方は、原紙に塗工する前の塗液の状態で含有させても良
く、塗工層を乾燥する工程でタブサイズのように塗布し
ても良く、塗工層を原紙上に設け乾燥した後でロールコ
ーター等により放射線硬化性樹脂を塗工あるいは含浸し
ても良い。無機顔料塗工層の塗工量は、5〜50g/m
2の範囲であれば、エンボス加工性が良好で、均一な表
面特性を期待できる。
【0022】無機顔料塗工層に用いられる顔料の代表的
例としては、炭酸カルシウム、二酸化珪素、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸亜鉛、カオリン、タルク、クレー、焼成カオリ
ン、焼成クレー、サチンホワイトなどが挙げられる。
【0023】さらに、必要に応じてこの塗液の中に界面
活性剤、消泡剤、耐水化剤、滑剤、増粘剤、pH調整剤
など各種助剤を混合してもよい。塗液の調整において
は、放射線硬化性樹脂を混合した後で、各種ミキサー、
ニーダー、ボールミル、サンドミル等の混合、攪拌装置
により、塗液の種類、粘度に応じて使用することができ
る。
【0024】本発明において、エンボス加工後、放射線
照射により硬化した際に紙腰、剛直性を与えるのは無機
顔料塗工層に含まれる放射線硬化性樹脂、表面の該シリ
コーン樹脂層に含まれる該シリコーン樹脂、あるいは混
合された放射線硬化性樹脂であるが、支持体中に含有さ
れる量、および含有される形態から、無機顔料塗工層中
に含まれる放射線硬化性樹脂の寄与が大きい。無機顔料
塗工層中に含まれる放射線硬化性樹脂の量としては、放
射線硬化性樹脂の種類、粘度、剛直度、ガラス転移温度
などにより適宜調節するものであるが、好ましくは、
0.5〜20g/m2の範囲である。放射線照射後に剛
直度を与えるだけであれば、この放射線硬化性樹脂層は
紙層中に分散されていても良いが、エンボス加工のしや
すさ、該シリコーン層との接着性の改良を考慮すると無
機顔料塗工層中に含まれるのが最も効率的である。放射
線硬化性樹脂の量がこの範囲よりも少ないと期待される
放射線照射後の剛直性が得られず、この範囲より多いと
無機顔料塗工層の柔軟性が過剰となり、取り扱いにく
い。放射線硬化性樹脂を無機顔料塗工層中に含有させる
方法としては、無機顔料塗工液中に放射線硬化性樹脂を
あらかじめ分散しておき、紙に塗布する方法と、紙に無
機顔料塗工層を設けた後、放射線硬化性樹脂を塗布し、
含浸させる方法をとることが可能である。
【0025】本発明に用いられる放射線硬化性のシリコ
ーン樹脂は、他の放射線硬化性樹脂との相性から、アク
リロイル基を含有するシリコーン樹脂であることが好ま
しく、一般的なシリコーン樹脂(主にポリジメチルシロ
キサン或はポリジアルキルシロキサン)の分子主鎖の末
端或は側鎖にアクリロイル基を導入した樹脂、又はその
誘導体である(以下、単にシリコーン樹脂と称する)。
商品名では、FM0711、FM0721、FM072
5、PS583(以上、チッソ(株))、KNS−50
002、KNS−5100、KNS−5300、KP−
600、X−62−7052、X−62−7100、X
−62−7112、X−62−7140、X−62−7
144、X−62−7153、X−62−7157、X
−62−7158、KNS−5200、X−62−71
66、X−62−7168、X−62−7177、X−
62−7180、X−62−7181、X−62−71
92、X−62−7200、X−62−7203、X−
62−7205、X−62−7931、KM−875、
X−62−7296A/B、X−62−7305A/
B、X−62−7028A/B、X−62−5039A
/B、X−62−5040A/B(以上、信越化学工業
(株))、RC149、RC300、RC450、RC
802、RC710、RC715、RC720、RC7
30(以上、ゴールドシュミット社)、EBECRYL
350、EBECRYL1360(以上、ダイセルUC
B(株))などが挙げられる。
【0026】本発明において、離型性を発現するのはシ
リコーン樹脂、あるいは放射線硬化性樹脂とシリコーン
樹脂の混合物からなる樹脂組成物層であり、該樹脂組成
物層を構成する樹脂組成物の重量比率のうち、3〜33
%がシリコーン樹脂由来の珪素であることが好ましい。
珪素の比率が、この範囲未満であると、得られる離型材
の剥離性、特に繰り返し剥離性に問題があり、この範囲
を超えても離型性に影響がなく、且つ樹脂組成物層の強
度が低下し、耐スクラッチ性が悪くなる傾向にある。放
射線硬化性樹脂とシリコーン樹脂の混合は、3本ロー
ル、ペイントコンディショナー、攪拌機、自動乳鉢等、
如何なる方法を用いても良く、混合にあたって溶媒を用
いることも差し支えない。
【0027】シリコーン樹脂を含む樹脂組成物の塗布量
は、限定されるものではないが、好ましくは0.5〜5
0g/m2 の範囲内である。塗布量がこの範囲未満で
は、エンボス加工の凹凸を覆いきれず剥離が重くなるこ
とがあるし、この範囲を超えても剥離性の向上に寄与し
ないばかりか、電子線照射又は紫外線照射の効率が低下
することがある。本発明の無機顔料塗工層、あるいはシ
リコーン樹脂層を塗工する方法としては、グラビアロー
ル、トランスファロールコーター、バーコーター、ロー
ルコーター、エアナイフコーター、Uコンマコーター、
AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログ
ラビアコーター、エアナイフコーター、リバースロール
コーター、4本或は5本ロールコーター、ブレードコー
ター、ディップコーター、バーコーター、ロッドコータ
ー、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコ
ーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、ダ
イコーター、などいかなるコーターを用いてもよい。
【0028】電子線の照射方式としては、スキャニング
方式、ブロードビーム方式、カ−テンビ−ム方式、イオ
ンプラズマ方式等が採用され、電子線を照射する加速電
圧は、100〜300KV程度が適当である。γ線を用
いても電子線照射と同様な処理を行うことができるが、
一般に線量密度が低く、製造方法としては好ましくな
い。又、紫外線照射を使用する場合には、光開始剤、必
要に応じて増感剤を配合して用いることができる。紫外
線を用いる場合の光源としては、例えば、低圧水銀灯、
中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、タングステ
ンランプ等が好適に使用される。
【0029】なお、電子線照射に際しては、酸素濃度が
高いとオゾン発生の危険性を伴うことと、放射線硬化性
樹脂とシリコーン樹脂の樹脂組成物の硬化を阻害するこ
とがあるため、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性
ガスによる置換を行い、酸素濃度を600ppm 以下、好
ましくは400ppm 以下に抑制した雰囲気中で照射する
ことが好ましい。
【0030】本発明の、特に紫外線硬化法を用いる場
合、光開始剤としては、ジ及びトリクロロアセトフェノ
ンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラ
ーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキル
エーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合
物等があり、放射線硬化性樹脂の重合反応のタイプ、安
定性、及び紫外線照射装置との適性などの観点から選ば
れる。光開始剤の使用量は、放射線硬化性樹脂に対し
て、通常O.1〜5%の範囲である。又、光開始剤にハ
イドロキノンのような貯蔵安定剤が併用される場合もあ
る。
【0031】本発明において、高温繰り返し使用におけ
る型付け時に、剥離性が保持されるのは、シリコーン樹
脂層に含まれるシリコーン樹脂の影響である。特に、ア
クリロイル基を含有するシリコーン樹脂は、シリコーン
樹脂層中に含まれる放射線硬化性樹脂、あるいは無機顔
料塗工層中に含まれる放射線硬化性樹脂との共重合が可
能で、紫外線照射或は電子線照射により硬化した場合
に、重合収縮が小さく、表面が平滑なまま硬化する。特
に、シリコーン樹脂組成物中の珪素重量比率が3〜33
%であれば、放射線硬化性樹脂の高い光沢性、平滑性を
損なうことなく、得られる樹脂組成物層表面は平滑であ
り、高い光沢を有するばかりでなく、この光沢の高さ
は、合成皮革などの転写面においても現われる。更に、
放射線硬化性樹脂、およびシリコーン樹脂に含まれるア
クリロイル基が3次元的に架橋するためと思われるが、
高温で繰り返し使用した場合において、剥離力がほとん
ど変化せず、良好な剥離強度を維持する。又、アクリロ
イル基の3次元的な重合が大きく寄与するものと思われ
るが、合成皮革などの作成時に高温で溶剤を用いて繰り
返し使用しても流動性、軟化性、溶解性が小さく、即ち
エンボス加工した型が崩れない。更に、多分、放射線照
射時において、無機顔料塗工層中に含まれる放射線硬化
性樹脂とシリコーン樹脂の間に化学的な結合が出来るこ
とによると思われるが、得られた離型材を繰り返し使用
しても、シリコーン樹脂を含むシリコーン樹脂層が脱落
することがない。
【0032】又、未硬化のシリコーン樹脂は、エンボス
加工時にエンボスロールに付着することはあるが、硬化
する前のシリコーン樹脂の高い延展性、剥離性から自浄
作用があり、次々に支持体側に移り、エンボスロールの
凹凸を埋めることがない。このため、エンボス加工時に
エンボスの凹凸が変化することがなく、均一な深さの柄
をエンボス加工でき、柄がぼやけることがない。
【0033】本発明において、離型材の裏面には、カー
ル防止、帯電防止、或は剥離層などのバックコート層を
設けることが出来、バックコート層には帯電防止剤、親
水性バインダー、ラテックス、硬膜剤、顔料、界面活性
剤、粘着剤、印刷層、凹凸層等を適宜組み合わせて含有
することができる。
【0034】型付け加工(エンボス加工)に関しては、
一般のマッチトスチールエンボス、スチール/スチール
エンボス、ペーパー/スチールエンボス、ゴム/スチー
ルエンボス、平版スチールエンボス、高圧エンボス、熱
エンボスなど如何なる型付け方法を用いても差し支えな
い。
【0035】
【作用】本発明の型付け用離型材においては、エンボス
加工時においては、支持体に用いられている内の無機顔
料塗工層に含有される放射線硬化性樹脂、および表面層
を形成するシリコーン樹脂が完全に硬化されていない状
態であるため、支持体そのものがある程度柔軟で、変形
しやすく、かつ表面が割れにくいという特徴を持ち、エ
ンボス加工後、放射線照射を行うことにより無機顔料層
内部の放射線硬化性樹脂、および表面のシリコーン樹脂
が硬化し、エンボス加工された支持体に剛直性を与える
ものである。シリコーン樹脂に含まれる官能基と、無機
顔料塗工層中に含まれる放射線硬化性樹脂の官能基が放
射線照射により共重合することにより、シリコーン樹脂
層の接着性が向上する。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0037】実施例1 離型材用の支持体として、工程紙原紙(三菱製紙製、1
00g/m2)を使用した。無機顔料塗工層を構成する
塗液として、カオリン80部(ECCアメリカ製)、炭
酸カルシウム20部(白石カルシウム製)、分散剤0.
5部(ポリアクリル酸ソーダ)、ラテックス8部(日本
合成ゴム製)、放射線硬化性樹脂として、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート(新中村化学工業製)20
部に水を加えて最終固形分濃度65%の塗液を調整し
た。この塗液をブレードコーターで塗布量30g/m2
となるように上記支持体に塗工し、乾燥して放射線硬化
性樹脂を含有する無機顔料塗工層を有する支持体を得
た。この無機顔料塗工層上に、アクリロイル基を含有す
るシリコーン樹脂(信越化学工業製、商品名X−62−
7200)をマルチロールコーターで4g/m2 で塗工
した。このシリコーン樹脂を塗工した支持体に、メタル
/ペーパーエンボスロールにより、線圧180kg/c
mで80℃の熱エンボス加工を施し、窒素雰囲気(酸素
濃度200ppm)中で、200kvの加速電圧で、吸
収線量が3Mradとなるように電子線照射(エレクトロン
カーテン、ESI社製)を行って、アクリロイル基を含
有するシリコーン樹脂を硬化させ、型付け用離型材を得
た。
【0038】実施例2 実施例1において、シリコーン樹脂をアクリロイル基を
含有するシリコーン樹脂(信越化学工業製、商品名X−
62−7200)80部に2官能の放射線硬化性樹脂
(新中村化学工業製、プロピレンオキシド変性エチレン
グリコールジアクリレート)20部の混合樹脂に変更し
た以外は実施例1と同様にして型付け用離型材を得た。
【0039】実施例3 離型材用の支持体として、工程紙原紙(三菱製紙製、1
00g/m2)を使用した。無機顔料塗工層を構成する
塗液として、カオリン70部(ECCアメリカ製)、炭
酸カルシウム30部(白石カルシウム製)、分散剤0.
5部(ポリアクリル酸ソーダ)、ラテックス8部(日本
合成ゴム製)、カゼイン5部に水を加えて最終固形分濃
度65%の塗液を調整した。この塗液をブレードコータ
ーで塗工量30g/m2となるように上記支持体に塗工
し、キャスト乾燥して無機顔料塗工層を有する支持体を
得た。放射線硬化性樹脂として、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート(新中村化学工業製)を5g/m2
となるように無機顔料塗工層上にロールコーターで塗布
し無機顔料塗工層に含浸させた。この放射線硬化性樹脂
を含浸させた無機顔料塗工層上に、アクリロイル基を含
有するシリコーン樹脂(信越化学工業製、商品名X−6
2−7192)をブレードコーターで4g/m2 で塗工
した。このシリコーン樹脂を塗工した支持体に、メタル
/ペーパーエンボスロールにより、80℃の熱エンボス
加工を線圧180kg/cmで行い、窒素雰囲気(酸素
濃度200ppm)中で、200kvの加速電圧で、吸
収線量が3Mradとなるように電子線照射(エレクトロン
カーテン、ESI社製)を行って、アクリロイル基を含
有するシリコーン樹脂を硬化させ、型付け用離型材を得
た。
【0040】実施例4 離型材用の支持体として、工程紙原紙(三菱製紙製、1
00g/m2)を使用した。無機顔料塗工層を構成する
塗液として、カオリン70部(ECCアメリカ製)、炭
酸カルシウム30部(白石カルシウム製)、分散剤0.
5部(ポリアクリル酸ソーダ)、ラテックス8部(日本
合成ゴム製)、カゼイン5部に水を加えて最終固形分濃
度65%の塗液を調整した。この塗液をブレードコータ
ーで塗工量30g/m2となるように上記支持体に塗工
し、キャスト乾燥して無機顔料塗工層を有する支持体を
得た。放射線硬化性樹脂として、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート(新中村化学工業製)を5g/m2
となるように無機顔料塗工層上にロールコーターで塗布
し含浸した。この放射線硬化性樹脂を含浸した無機顔料
塗工層上に、アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂
(信越化学工業製、商品名X−62−7192に光開始
剤イルガキュア651を5重量%含む)をブレードコー
ターで4g/m2 で塗工した。このシリコーン樹脂を塗
工した支持体にメタル/ペーパーエンボスロールにより
線圧180kg/cmで、80℃の熱エンボス加工を施
し、紫外線照射装置(ウシオ電気製、120w/cm)
において予備硬化した後、窒素雰囲気(酸素濃度200
ppm)中で、200kvの加速電圧で、吸収線量が2
Mradとなるように電子線照射(エレクトロンカーテン、
ESI社製)を行って、アクリロイル基を含有するシリ
コーン樹脂を硬化させ、型付け用離型材を得た。
【0041】比較例1 離型材用の支持体として、工程紙原紙(三菱製紙製、1
00g/m2)を使用した。無機顔料塗工層を構成する
塗液として、カオリン80部(ECCアメリカ製)、炭
酸カルシウム20部(白石カルシウム製)、分散剤0.
5部(ポリアクリル酸ソーダ)、ラテックス8部(日本
合成ゴム製)、カゼイン5部、アクリルエマルジョン2
0部(住友化学製、放射線硬化性は有さない)に水を加
えて最終固形分濃度65%の塗液を調整した。この塗液
をブレードコーターで塗工量20g/m2となるように
上記支持体に塗工し、キャスト乾燥して無機顔料塗工層
を有する支持体を得た。実施例1と同様なシリコーン樹
脂をロールコーターで4g/m2の塗工量で塗工した。
このシリコーン樹脂を塗工した支持体に、メタル/ペー
パーエンボスロールにより、80℃の熱エンボス加工を
線圧180kg/cmで行い、窒素雰囲気(酸素濃度2
00ppm)中で、200kvの加速電圧で、吸収線量
が3Mradとなるように電子線照射(エレクトロンカーテ
ン、ESI社製)を行って、アクリロイル基を含有する
シリコーン樹脂を硬化させ、型付け用離型材を得た。
【0042】比較例2 無機顔料塗工層を構成する塗液から放射線硬化性樹脂を
除外して塗工した以外は、実施例1と同様な方法で型付
け用離型材を得た。
【0043】実施例1〜4及び比較例1、2で得られた
離型材について、以下に示す試験を行い、その結果を表
1に示した。
【0044】(エンボス性)各実施例、比較例の製造条
件作成した各サンプルについて、同じ柄部分の2cm四
方をX方向500点サンプリング、Y方向500線サン
プリングの条件で3次元粗さ測定器により解析し、十点
平均粗さSRz、最大高さSRma、最大谷高さSRv
を求めた。30μmのポリプロピレンで溶融押し出しラ
ミネートした工程紙原紙に同様のエンボスを施し、標準
サンプルとした。標準サンプルの3次元表面粗さパラメ
ーターに対する各サンプルの3次元表面粗さのパラメー
タに対する比率(%)を求めた。エンボス性としては、
この3つのパラメーターの比率の平均値をもって表わ
し、この数値が高いほどエンボス性が良好である。10
0%以上を優、90%以上100%未満を並、90%未
満を劣で表わした。
【0045】(初期剥離力)各サンプルに、樹脂組成物
として、ウレタン樹脂溶液(クリスボン4010;10
0部、クリスボンNX;8部、クリスボンアクセルH
M;3部、DMF;5部、トルエン;5部)を25g/
2の厚さで塗布した。塗布後、100℃で2分間加熱
乾燥し、120゜で2分間硬化した。70゜で1日熟成
して樹脂面を仕上げた。樹脂面と型付け用離型材との剥
離力は30mm幅の試験片における剥離強度で表わし
た。
【0046】(繰り返し剥離力)初期剥離力に用いた各
サンプルに、同じウレタン樹脂面を作成する操作を5回
繰り返し、5回目の剥離強度を測定した。
【0047】(紙腰)各サンプルについて、JIS P
8143に従って紙腰の測定を行った。サンプル寸法は
15〜45cmで、紙腰は片持ちばり状のサンプルの左
右の振れが90゜になる寸法長の3乗値で表わした。紙
腰の評価は得られた測定値を実施例1で得られたサンプ
ルの測定値に対する百分率で表わした。
【0048】
【表1】
【0049】評価・・実施例において作成した離型材
は、無機顔料塗工層中に含まれる放射線硬化性樹脂の働
きで、エンボス加工時においてはある程度クッション性
があり、エンボス加工がかかりやすい。放射線照射によ
り表面のシリコーン樹脂と無機顔料塗工層中に含まれる
放射線硬化性樹脂を硬化した後は紙腰が出て、シリコー
ン樹脂層上に合成皮革などの樹脂層を設けた場合、剥離
しやすい。比較例1に示すように、最初から紙腰があり
クッション性に劣る場合には、エンボスのかかりが良好
でなく、最初からクッション性がある程度あっても剥離
段階で紙腰がなければ剥離が重くなる。
【0050】
【発明の効果】本発明の評価からも明らかなように、本
発明の型付け用離型材は、型付け性が良好で剥離性、繰
り返し剥離安定性が良好な型付け用離型材が得られ実用
的価値が大である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型付け用離型材において、支持体が無機
    顔料及び放射線硬化性樹脂を主成分とする無機顔料塗工
    層を塗設してなるコーティッド紙であり、該支持体表面
    に凹凸のエンボス加工が施され、かつ該支持体の凹凸表
    面に沿った形で放射線硬化性のシリコーン樹脂層が塗設
    されていることを特徴とする型付け用離型材。
  2. 【請求項2】 該放射線硬化性のシリコーン樹脂層が、
    アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂により形成さ
    れることを特徴とする請求項1記載の型付け用離型材。
  3. 【請求項3】 該放射線硬化性のシリコーン樹脂層が、
    アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂と、放射線硬
    化性樹脂の混合物により形成されることを特徴とする請
    求項1記載の型付け用離型材。
  4. 【請求項4】 型付け用離型材の製造方法において、紙
    に無機顔料及び放射線硬化性樹脂を主成分とする無機顔
    料塗工層を設ける工程、該無機顔料塗工層を加熱乾燥す
    る工程、該加熱乾燥した無機顔料塗工層上に放射線硬化
    性のシリコーン樹脂層を設ける工程、該シリコーン樹脂
    層を塗工した支持体にエンボス加工する工程、該無機顔
    料塗工層及び該シリコーン樹脂層に含有された放射線硬
    化性樹脂および放射線硬化性シリコーン樹脂を紫外線或
    は電子線、もしくはその両方を照射することにより硬化
    させる工程よりなることを特徴とする型付け用離型材の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 型付け用離型材の製造方法において、紙
    に無機顔料を主成分とする無機顔料塗工層を設ける工
    程、該無機顔料塗工層を加熱乾燥する工程、該加熱乾燥
    した無機顔料塗工層上に放射線硬化性樹脂を塗布、含浸
    する工程、該放射線硬化性樹脂を含浸した無機顔料塗工
    層上に放射線硬化性のシリコーン樹脂層を設ける工程、
    該シリコーン樹脂層を塗工した支持体にエンボス加工す
    る工程、該無機顔料塗工層及び該シリコーン樹脂層に含
    有された放射線硬化性樹脂および放射線硬化性シリコー
    ン樹脂を紫外線或は電子線、もしくはその両方を照射す
    ることにより硬化させる工程よりなることを特徴とする
    型付け用離型材の製造方法。
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