JPH05269931A - 型付け用離型材およびその製造方法 - Google Patents

型付け用離型材およびその製造方法

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JPH05269931A
JPH05269931A JP6753292A JP6753292A JPH05269931A JP H05269931 A JPH05269931 A JP H05269931A JP 6753292 A JP6753292 A JP 6753292A JP 6753292 A JP6753292 A JP 6753292A JP H05269931 A JPH05269931 A JP H05269931A
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JP
Japan
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radiation
release material
resin layer
embossing
silicone resin
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JP6753292A
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English (en)
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Junji Harada
純二 原田
Takahisa Kato
隆久 加藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/002Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/56Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
    • B29C33/68Release sheets

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンボス時の型付け性が良好で、高温繰り返
し剥離性、転写光沢の良い離型材を効率よく製造する。 【構成】 型付け用離型材において、表面に凹凸のエン
ボス加工されている支持体と、該支持体の凹凸表面に沿
った形で放射線硬化性樹脂層が設けられ、該放射線硬化
性樹脂層の凹凸表面に沿った形でアクリロイル基を含有
するシリコーン樹脂の樹脂組成物が設けられていること
を特徴とする型付け用離型材。 【効果】 離型材製造時に、シリコーン樹脂の自浄作用
によりエンボスロールの凹凸が埋まることなく加工でき
長時間均一な柄を型押しできる。放射線硬化性樹脂層に
より凹凸が固定され、高温での繰り返し剥離性、型付け
性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャスト紙、アート紙
やコート紙、微塗工紙、上質紙などの紙、あるいはポリ
エステル樹脂フィルムを支持体とした離型材に関するも
のであり、その中でも特に型付け製造用の離型材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】型付け用の離型材は上質紙やコーテッド
紙などの支持体上に、ポリプロピレン系樹脂、シリコー
ン系樹脂、アルキド系樹脂からなる離型層が設けられ、
合成皮革、カーボンファイバープレプリグ、床材、マー
キングフィルムなどの製造工程において、ウレタンペー
ストや塩化ビニルゾルなどをキャスティングする離型材
として使用されている。
【0003】合成皮革製造用などに用いられる離型材の
役割は、ウレタンペーストなどの樹脂溶液が乾燥するま
での保持、および乾燥した樹脂被膜の離型であるが、キ
ャスティングの場合は離型材の表面形状が転写されるた
め、型付けの役目も兼ねる。離型材に必要な特性として
は、樹脂溶液を支持体に染み込ませないバリヤー性、乾
燥後は容易に樹脂被膜を剥せる離型性、乾燥時における
耐熱性、離型材は繰り返し使用されることが多いので、
適度な引っ張り強度、引き裂き強度、カールバランス、
支持体表面が割れないための柔軟性、耐スクラッチ性な
どである。
【0004】平坦な表面性(エナメルやマットなど)を
有する合成皮革などの転写物を製造する場合は、コーテ
ッド紙やキャスト紙を支持体に用い、その上を剥離性樹
脂により処理すればよいが、型付けのある転写物を製造
する場合は、その型の特に微小部分の再現性、あるいは
鋭い凹凸による支持体の割れを防御する目的で、主にそ
れ自体がある程度の剥離性を有するポリプロピレン樹脂
を主成分とするラミネート層が支持体表面に設けられる
のが普通である。例えば、合成皮革を構成する樹脂がウ
レタンペーストである場合には、その乾燥温度はポリプ
ロピレンの融点よりも低いのが普通なので、ポリプロピ
レンのラミネートが多用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような型付けの離
型材を作成する場合には、ポリオレフィン樹脂ラミネー
ト基材は、軟化点を越す場合には使えないといった問題
や、ポリオレフィン樹脂ラミネート離型材を繰り返し使
用する場合にその型が崩れるという問題、ポリオレフィ
ン樹脂の紙などへの接着性の低さからくるポリオレフィ
ン樹脂層脱離、あるいはこのポリオレフィン樹脂の接着
性の低さをカバーするために低密度ポリエチレンなどを
混合することによる耐熱性の低下や型保持性の悪化など
という問題があった。
【0006】そのほかの樹脂、たとえば熱硬化性のアル
キッド樹脂や変性アルキッド樹脂、ポリフォスファゼン
樹脂などはエンボス加工できないといった問題点や、有
機シリコン化合物をコート層に用いた場合には、表面光
沢に欠け、かつ数度の使用でコート層が脱落するといっ
た問題点を有するものであった。
【0007】特公昭64−10626号に記述されてい
るように、エンボスが施された紙に電離放射線硬化膜を
設けたエンボス付き離型紙は、繰り返し使用しても表面
層が脱落したり、表面光沢が低下したりすることがな
く、塩化ビニルシートの成型を行っても剥離力が充分に
低いという事実が報告されているが、一般の電離放射線
硬化膜には、1回目の離型性(剥離力)と2回目の離型
性に大きな差があり、繰り返し使用の際の剥離力変動が
大きく実質上2回以上は使えないといった問題があっ
た。すなわち、電離放射線硬化膜を形成する、エチレン
性不飽和結合を有する化合物、例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メ
チロールメタクリルアミド、ブトキシメチルアクリルア
ミド、ブトキシメチルメタクリルアミド等の単官能モノ
マー、エチレングリコールジアクリレート、プロピレン
グリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールア
クリレート、1、6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート等の2官能
モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート等
の3官能モノマー、ウレタンアクリレート、ウレタンア
クリレートエポキシアクリレート、エポキシメタクリレ
ート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタク
リレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメ
タクリレート、エチレンアクリルアミド、N,N−(オ
キシジメチレン)ビスメタクリルアミド不飽和ポリエス
テル等の如きオリゴマーやプレポリマー、あるいはこれ
らの樹脂の混合物や組成物などを電子線照射あるいは紫
外線照射して硬化した場合、樹脂表面に吸着した酸素の
影響と思われるが、極表面に薄く不完全硬化層が残る。
この不完全硬化層は、それ自体では液状、あるいはバイ
ンダー能力の弱いものであるから、塩化ビニルシートを
その上に形成し、剥離した場合に完全硬化した層から容
易に剥離してしまう。このため、1回目の剥離力は非常
に小さくなり、表面光沢の低下もなく、樹脂の脱落も無
いように見えるが、2回目の使用時には不完全硬化層が
ないため塩化ビニルシートとの剥離が極端に重くなるも
のであった。この傾向はウレタンペーストを用いた場合
にも同じである。
【0008】さらに、このような電離放射線硬化層を用
いる場合の問題は、その製造過程において安定生産性に
欠けるという点にある。すなわち、電離放射線硬化層を
形成する樹脂が液体であれ、固体であれ、エンボス時に
加熱あるいは加圧により形状変化できる状態でなければ
エンボス加工できない。このため、常温、常圧ではエン
ボスロールに付着しない樹脂でもエンボス加工時にはエ
ンボスロールに微量ながら付着することがある。一般の
電離放射線硬化膜を形成するような樹脂は、次第に熱硬
化するものであり、特に熱エンボスの場合、エンボスロ
ール表面で次第に硬化膜を形成する。このことはエンボ
ス加工された離型材の凹凸が段々と浅くなることを意味
し、結果として製造する合成皮革などの柄がぼやけた状
態になるという致命的な問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このエンボ
ス加工された離型材の柄が段々浅くなり、かつ製造され
た離型材の繰り返し剥離強度の変動が大きいという問題
を慎重に検討した結果、以下のような発明を見いだすに
至った。即ち、本発明の型付け用離型材は、表面に凹凸
のエンボス加工されている支持体と、該支持体の凹凸表
面に沿った形で設けられた放射線硬化性樹脂層と、該放
射線硬化性樹脂層の凹凸表面に沿った形で設けられたア
クリロイル基を含有するシリコーン樹脂層からなること
を特徴とする型付け用離型材の発明である。ここでいう
放射線硬化性樹脂層とは、特公昭64−10626号公
報でいう電離放射線硬化膜を示す。
【0010】本発明の型付け用離型材を製造するには、
支持体に、放射線硬化性樹脂を塗布する工程、放射線硬
化性樹脂層上にアクリロイル基を含有するシリコーン樹
脂を塗布する工程、アクリロイル基を含有するシリコー
ン樹脂層を塗布した支持体にエンボス加工する工程、放
射線硬化性樹脂およびアクリロイル基を含有するシリコ
ーン樹脂層を紫外線あるいは電子線もしくはその両方を
照射することにより硬化する工程を組み合わせて製造す
ることができる。放射線硬化性樹脂層は、紫外線あるい
は電子線もしくはその両方を照射することにより部分硬
化し、部分硬化した放射線硬化性樹脂層上にアクリロイ
ル基を含有するシリコーン樹脂を塗布することも可能で
ある。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるシリコーン樹脂は、アクリロイル基を含有す
るシリコーン樹脂であることが好ましく、一般的なシリ
コーン樹脂(主にポリジメチルシロキサンあるいはポリ
ジアルキルシロキサン)の分子主鎖の末端あるいは側鎖
にアクリロイル基を導入した樹脂またはその誘導体であ
る。商品名ではFM0711、FM0721、FM07
25、PS583(以上、チッソ(株))、KNS−5
0002、KNS−5100、KNS−5300、KP
−600、X−62−7052、X−62−7100、
X−62−7112、X−62−7140、X−62−
7144、X−62−7153、X−62−7157、
X−62−7158、KNS−5200、KNS−53
00、X−62−7166、X−62−7168、X−
62−7177、X−62−7180、X−62−71
81、X−62−7192、X−62−7200、X−
62−7203、X−62−7205、X−62−79
31、KM−875、X−62−7296A/B、X−
62−7305A/B、X−62−7028A/B、X
−62−5039A/B、X−62−5040A/B
(以上、信越化学工業(株))、RC149、RC30
0、RC450、RC802、RC710、RC71
5、RC720、RC730(以上、ゴールドシュミッ
ト社)、EBECRYL350、EBECRYL136
0(以上、ダイセルUCB(株))などが挙げられる。
【0012】本発明の、特に紫外線硬化法を用いる場合
に用いられる光開始剤としては、ジおよびトリクロロア
セトフェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾイ
ンアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テト
ラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類、アゾ化合物等があり、放射線硬化性樹脂の重合反応
のタイプ、安定性、および紫外線照射装置との適性など
の観点から選ばれる。光開始剤の使用量は放射線硬化性
樹脂に対して通常O.1〜5%の範囲である。また、光
開始剤にハイドロキノンのような貯蔵安定剤が併用され
る場合もある。
【0013】本発明において用いられる放射線硬化性樹
脂のうち代表的なもの挙げると、 (1)ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタク
リレート;例えば、アロニックスM−5300、アロニ
ックスM−5400、アロニックスM−5500、アロ
ニックスM−5600、アロニックスM−5700、ア
ロニックスM−6100、アロニックスM−6200、
アロニックスM−6300、アロニックスM−650
0、アロニックスM−7100、アロニックスM−80
30、アロニックスM−8060、アロニックスM−8
100(以上、東亜合成化学工業(株)商品名)、ビス
コート700、ビスコート3700(以上、大阪有機化
学工業(株)商品名)、カヤラッドHX−220、カヤ
ラッドHX−620(以上、日本化薬(株)商品名)な
どが挙げられる。
【0014】(2)ウレタンアクリレート、ウレタンメ
タクリレート;例えば、アロニックスM−1100、ア
ロニックスM−1200、アロニックスM−1210、
アロニックスM−1250、アロニックスM−126
0、アロニックスM−1300、アロニックスM−13
10(以上、東亜合成化学工業(株)商品名)、ビスコ
ート812、ビスコート823、ビスコート823(以
上、大阪有機化学工業(株)商品名)、NKエステル、
U−108−A、NKエステル、U−4HA(以上、新
中村化学(株)商品名)などが挙げられる。
【0015】(3)単官能アクリレート、単官能メタク
リレート、ビニルピロリドン、アクリロイル化合物、ア
クリルアミド化合物;例えば、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルア
クリレート、フェノキシエチルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
アクリロイルモルフォリン、ベンジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、N、N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート、N、N−ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、ビニルピロリドン、
アクリルアミドエーテル化合物など。エチレンオキシド
変性フェノキシ化りん酸アクリレートエチレンオキシド
変性ブトキシ化りん酸アクリレート、この他に東亜合成
化学工業(株)の商品名でいえばアロニックスM−10
1、アロニックスM−102、アロニックスM−11
1、アロニックスM−113、アロニックスM−11
4、アロニックスM−117、アロニックスM−15
2、アロニックスM−154などが挙げられる。
【0016】(4)多官能アクリレート、多官能メタク
リレート;例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリ
トールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸トリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、プロピレンオキシド変性ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、プロピレンオキシド変性ジペンタエ
リスリトールポリアクリレート、エチレンオキシド変性
ジペンタエリスリトールポリアクリレート、ペンタエリ
スリトールアクリル酸付加物のアクリレートエステルな
どが挙げられる。東亜合成化学工業(株)の商品名でい
えばアロニックスM−210、アロニックスM−21
5、アロニックスM−220、アロニックスM−23
0、アロニックスM−233、アロニックスM−24
0、アロニックスM−245、アロニックスM−30
5、アロニックスM−309、アロニックスM−31
0、アロニックスM−315、アロニックスM−32
0、アロニックスM−325、アロニックスM−33
0、アロニックスM−400、アロニックスM−45
0、TO−458、TO−747、TO−755、TH
IC.TA2などが挙げられる。これらは単独もしくは
2つ以上混合して使うことができる。
【0017】(5)エポキシアクリレート、エポキシメ
タクリレート;例えばビスコート540、ビスコート6
00(以上、大阪有機化学工業(株)商品名)、NKエ
ステルEA800、NKエステルEPA800(以上、
新中村化学(株)商品名)、フォトマー3016、フォ
トマー3082(以上、サンノプコ(株)商品名)など
が挙げられる。これらは放射線硬化性樹脂は単独もしく
は2つ以上混合して使うことができる。
【0018】本発明において、繰り返し安定した離型性
を発現するのは放射線硬化性樹脂層上に設けられたアク
リロイル基を含有するシリコーン樹脂層であり、このア
クリロイル基を含有するシリコーン樹脂層中には剥離性
を阻害しない範囲で放射線硬化性樹脂を混合することが
できる。放射線硬化性樹脂とアクリロイル基を含有する
シリコーン樹脂の混合は3本ロール、ペイントコンディ
ショナー、攪拌機、自動乳鉢等、いかなる方法を用いて
も良く、混合にあたって溶媒を用いることも差し支えな
い。また、放射線硬化性樹脂層と、アクリロイル基を含
有するシリコーン樹脂層の馴染みの観点から、放射線硬
化性樹脂層に少量のシリコーン樹脂を混合することがで
きる。
【0019】放射線硬化性樹脂層およびアクリロイル基
を含有するシリコーン樹脂層の塗布量は限定されるもの
ではないが、好ましくは0.5〜50g/m2の範囲内
である。塗布量がこの範囲より小さいとエンボス加工の
凹凸を覆いきれず剥離が重くなることがあるし、この範
囲より多くても剥離性や型保持性、耐熱性の向上に寄与
しないばかりか、電子線照射あるいは紫外線照射の効率
が低下することがある。本発明の樹脂組成物を塗布する
方法としては、グラビアロールおよびトランスファロー
ルコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイ
フコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、ス
ムージングコーター、マイクログラビアコーター、エア
ナイフコーター、リバースロールコーター、4本あるい
は5本ロールコーター、ブレードコーター、ディップコ
ーター、バーコーター、ロッドコーター、キスコータ
ー、ゲートロールコーター、スクイズコーター、落下カ
ーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター、な
どいかなるコーターを用いてもよい。特に、放射線硬化
性樹脂層を設けた後でアクリロイル基を含有するシリコ
ーン樹脂層を塗布するにはダイコーターや落下カーテン
コーターなどの非接触型の塗布方式が有用である。
【0020】支持体に放射線硬化性樹脂を塗布して放射
線硬化性樹脂層を形成した後、この放射線硬化性樹脂を
未硬化のまま、あるいは紫外線や電子線照射によりその
1部分を硬化して、その上にアクリロイル基を含有する
シリコーン樹脂を塗布することができる。特に、放射線
硬化性樹脂層を設けた後で、未硬化のままアクリロイル
基を含有するシリコーン樹脂層を塗布するにはダイコー
ターや落下カーテンコーターなどの非接触型の塗布方式
が有用である。放射線硬化性樹脂の部分硬化を行って
後、アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂を塗布す
る場合はロールコーター等の接触型の塗布方式もとるこ
とができる。いずれにしろ、エンボス加工の工程におい
て、アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂層、放射
線硬化性樹脂層ともに完全に硬化されていない方がエン
ボス加工がしやすい。
【0021】電子線の照射方式としてはスキャニング方
式、ブロードビーム方式、カ−テンビ−ム方式、イオン
プラズマ方式等が採用され、電子線を照射する加速電圧
は100〜300KV程度が適当である。γ線を用いて
も電子線照射と同様な処理を行うことができるが、一般
に線量密度が低く、製造方法としては好ましくない。ま
た、紫外線照射を使用する場合には、光開始剤、必要に
応じて増感剤を配合して用いることができる。紫外線を
用いる場合の光源としては例えば、低圧水銀灯、中圧水
銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、タングステンラン
プ等が好適に使用される。
【0022】なお、電子線照射に際しては、酸素濃度が
高いとオゾン発生の危険性を伴うことと、放射線硬化性
樹脂とアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂の樹脂
組成物の硬化を阻害することがあるため、窒素、ヘリウ
ム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素
濃度を600ppm 以下、好ましくは400ppm 以下に抑
制した雰囲気中で照射することが好ましい。
【0023】本発明において、離型材を高温繰り返し使
用における型付け時に剥離性が安定に保持されるのは、
表面のアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂の影響
である。特に、アクリロイル基を含有するシリコーン樹
脂は、放射線硬化性樹脂との共重合が可能で、紫外線照
射あるいは電子線照射により硬化した場合に、重合収縮
が小さく、表面が平滑なまま、かつ下引きの放射線硬化
性樹脂と共重合しながら硬化する。特に、放射線硬化性
樹脂層により下引き層を設けた場合、放射線硬化性樹脂
特有の高い光沢性、平滑性を損なうことなく、得られる
アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂層表面は平滑
であり、高い光沢を有するばかりでなく、この光沢の高
さは合成皮革などの転写面においても現われる。さら
に、放射線硬化性樹脂に含まれる官能基とシリコーン樹
脂に含まれる官能基が3次元的に架橋して、シリコーン
樹脂層が安定化するためと思われるが、高温で繰り返し
使用した場合において、剥離力がほとんど変化せず、良
好な剥離強度を維持する。
【0024】また、放射線硬化性樹脂の3次元的な重合
が大きく寄与するものと思われるが、合成皮革などの作
成時に高温で溶剤を用いて繰り返し使用しても流動性、
軟化性、溶解性が小さく、すなわちエンボス加工した型
が崩れない。さらに、おそらく紫外線照射あるいは電子
線照射時において、支持体表面と放射線硬化性樹脂層、
および放射線硬化性樹脂層とシリコーン樹脂層の間に化
学的な結合が出来ることによると思われるが、得られた
離型材を繰り返し使用しても、シリコーン樹脂層が脱落
することがない。このため、離型材として、支持体が劣
化するまで使用することが出来る。
【0025】型付け用離型材の製造工程において、硬化
前あるいは部分硬化した放射線硬化性樹脂(エチレン性
不飽和結合を有する化合物と呼ばれることもある)その
ものは、エンボス加工時にエンボスロールに付着するこ
とはあるが、放射線硬化性樹脂層をアクリロイル基を含
有するシリコーン樹脂層が覆っているため、放射線硬化
性樹脂がエンボスロールに直接接触することがなく、エ
ンボスロールに接触する硬化前のアクリロイル基を含有
するシリコーン樹脂の高い延展性、剥離性からくる自浄
作用により、たとえアクリロイル基を含有するシリコー
ン樹脂の一部がエンボスロールに付着しても、次々に支
持体側に移り、エンボスロールの凹凸を埋めることがな
い。このため、エンボス加工時にエンボスの凹凸が変化
することがなく、均一な深さの柄を型押しすることがで
き、型付け用離型材の製造中に柄がぼやけることがな
い。さらに、放射線硬化性樹脂層上に塗布したシリコー
ン樹脂層には自己レベリング作用があり、エンボス加工
時にエンボスロールの凹凸が型押しして、特にそのエッ
ジ部分においてシリコーン樹脂層と放射線硬化性樹脂層
の配置が乱れても、エンボスロールの凹凸が離れた瞬
間、再びシリコーン樹脂層が表面を覆う。この自己レベ
リング作用はエンボス加工の凹凸を覆うほどではなく、
良好なシリコーン樹脂層を有する型付け用離型材が得ら
れる。
【0026】本発明において、放射線硬化性樹脂と支持
体の接着性と濡れ性を良くするために、支持体表面にコ
ロナ処理等の表面処理を行なっても、サブコート等の表
面処理を行なってもよい。また、本発明の離型材の裏面
には、カール防止、帯電防止、あるいは剥離層などのバ
ックコート層を設けることが出来、バックコート層には
帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬膜剤、
顔料、界面活性剤、粘着剤等を適宜組み合わせて含有す
ることができる。
【0027】型付け加工(エンボス加工)に関しては、
一般のマッチトスチールエンボス、スチール/スチール
エンボス、ペーパー/スチールエンボス、ゴム/スチー
ルエンボス、平版スチールエンボス、高圧エンボス、熱
エンボスなどいかなる型付け方法を用いても差し支えな
い。
【0028】本発明に用いられる支持体としては普通紙
原紙の他、型艶紙、グラシン紙、上質紙、アート紙、コ
−ト紙、キャスト紙等のコーテッド紙や合成樹脂フィル
ム、合成紙、金属箔と紙との貼り合わせ品などが使用さ
れるが、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混
合パルプの木材パルプを主成分とする天然パルプ紙が有
利に用いられる。原紙の厚みに関しては、特に制限はな
いが、平滑なものが好ましく、その坪量は30g/m2
〜300g/m2が好ましい。
【0029】本発明の方法において、有利に用いられる
天然パルプを主成分とする原紙には、各種高分子化合
物、添加剤を含有せしめることができる。たとえば、デ
ンプン、デンプン誘導体(カチオン化デンプン、リン酸
エステル化デンプン、酸化デンプン等)、ポリアクリル
アミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
誘導体(完全ケン化、部分ケン化、カルボキシ変性、カ
チオン変性、その他の各種変性ポリビニルアルコー
ル)、ゼラチン(アルカリ処理、酸処理、各種変性ゼラ
チン)等の乾燥紙力増強剤、スターガムやアルギン酸誘
導体などの天然高分子多糖類、高級脂肪酸金属塩、ロジ
ン誘導体、ジアルキルケトン、アルケニルまたはアルキ
ルコハク酸無水物、エポキシ化高級脂肪酸アミド、有機
フルオロ化合物、ジアルキルケテンダイマー乳化物等の
サイズ剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹
脂等の湿潤紙力増強剤、安定剤、顔料、染料、酸化防止
剤、蛍光増白剤、各種ラテックス、無機電解質(塩化ナ
トリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カ
ルシウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、硫酸マグ
ネシウム、塩化バリウム等)、pH調整剤、硫酸バンド
や塩化アルミ等の定着剤、炭酸カルシウム、カオリン、
タルク、クレー等の填料、有機導電剤等の添加剤を適宜
組み合わせて含有せしめることができる。これらの含有
物は、抄紙段階においてパルプスラリー中に分散させて
もよいし、抄紙後タブサイズにおいて添加させてもよ
く、また各種コーターで溶液を塗布してもよい。
【0030】
【作用】本発明の型付け用離型材においては、放射線硬
化性樹脂とアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂が
3次元的に架橋するため、離型材を繰り返し使用の場合
に剥離力がほとんど変化せず、かつアクリロイル基を含
有するシリコーン樹脂層が脱落することもなく、放射線
硬化性樹脂の高い耐熱性により、合成皮革などの作成時
に高温で溶剤を用いて繰り返し使用しても表面の流動
性、軟化性、溶解性が小さく、高温繰り返し使用におけ
る型付け時に良好な剥離性、型付け性が保持される。ま
た、離型材の製造時においては放射線硬化性樹脂層の下
引きにより、表面が平滑なまま硬化し、光沢感のある転
写面を与える。エンボスロールに直接接するアクリロイ
ル基を含有するシリコーン樹脂は、エンボスロールに付
着してもシリコーン樹脂の高い延展性、剥離性から自浄
作用があり、エンボスロールの凹凸を埋めることがな
く、均一な深さの柄を型押しして離型材を製造すること
ができ、型保持性が高く、製造安定性が良い。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0032】実施例1 離型材用の支持体として、市販の工程紙原紙(三菱製紙
製、工程紙原紙、100g/m2、クレーコート層を有
する)を使用した。この支持体の上に、放射線硬化性樹
脂としてトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル
酸アクリレート(東亜合成化学工業製、アロニックスM
−215)とプロピレンオキシド変性アルキルフェノー
ルアクリレート(同、M−117)の等量混合物をグラ
ビアロールコーターで4g/m2の重量で塗布して後平
滑化し、その上にアクリロイル基を含有するシリコーン
樹脂(信越化学工業製、商品名X−62−7203)を
ダイコーターで4g/m2で塗布した。ついで、このア
クリロイル基を含有するシリコーン樹脂を塗布した支持
体にメタル/ペーパーエンボスロールにより80℃の熱
エンボス加工を施し、窒素雰囲気(酸素濃度200pp
m)中で、200kvの加速電圧で、吸収線量が3Mrad
となるように電子線照射(エレクトロンカーテン、ES
I社製)を行って放射線硬化性樹脂およびアクリロイル
基を含有するシリコーン樹脂を硬化させ、型付け用離型
材を得た。
【0033】実施例2 剥離材用の支持体として、コロナ処理を施したPETフ
ィルム(厚み80μm、ダイアホイル製)を用いた。放
射線硬化性樹脂としてウレタンアクリレート(東亜合成
化学工業製、製品名アロニックスM−1100)とポリ
アルキレングリコールジアクリレート(同、M−22
0)の等量混合樹脂に3重量%の光開始剤(チバガイギ
ー社製、商品名イルガキュア905)を混合し、グラビ
アロールコーターで10g/m2の重量で塗布して後平
滑化し、その上にアクリロイル基を含有するシリコーン
樹脂(ゴールドシュミット社製、商品名RC715、5
重量%の光開始剤を含む)をカーテンコーターで4g/
2で塗布した。このシリコーン樹脂層を塗布した支持
体にメタル/ペーパーエンボスロールにより130℃の
熱エンボス加工を施し、120w/cmの高圧水銀紫外
線照射ランプ2灯を用いて硬化して型付け用離型材を得
た。
【0034】実施例3 放射線硬化性樹脂を支持体に塗布し平滑化した後で、
0.5Mradの吸収線量で電子線照射を行い、放射線硬化
性樹脂を部分硬化し、その後シリコーン樹脂層を塗布し
た以外は、実施例1と同様にして型付け用離型材を得
た。
【0035】実施例4 放射線硬化性樹脂を支持体に塗布し平滑化した後で、8
0w/cmの高圧紫外線照射ランプにより紫外線照射を
行い、放射線硬化性樹脂を部分硬化し、その後シリコー
ン樹脂層を塗布した以外は、実施例2と同様にして型付
け用離型材を得た。
【0036】実施例5 放射線硬化性樹脂を支持体に塗布し平滑化した後で、
0.5Mradの吸収線量で電子線照射を行い、放射線硬化
性樹脂を部分硬化し、その後シリコーン樹脂層を塗布し
た以外は、実施例2と同様にして型付け用離型材を得
た。
【0037】実施例6 放射線硬化性樹脂を支持体に塗布し平滑化した後で、8
0w/cmの高圧紫外線照射ランプにより紫外線照射を
行い、放射線硬化性樹脂を部分硬化し、その後シリコー
ン樹脂層を塗布し、硬化を3Mradの吸収線量の電子線照
射で行った以外は、実施例2と同様にして型付け用離型
材を得た。
【0038】比較例1 離型材用の支持体紙として、坪量100g/m2のクレ
イコートした紙を使用した。次に示す樹脂組成物成物を
ロールコーターで15g/m2の塗布量で塗布した。 [樹脂組成物成物]エポキシアクリレート(昭和高分子
製、リポキシUR−90)100重量部、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート10重量部、ベンゾイルメ
チルエーテル3重量部、メチルエチルケトン250重量
部。塗布後、メチルエチルケトンを蒸発させ、60℃に
加温したエンボスロールによりエンボス加工を行い、4
KWの紫外線照射装置により硬化させ、型付け用離型材
を得た。
【0039】比較例2 実施例1の樹脂組成物からベンゾイルメチルエーテルを
除いたものを、同様に塗布、メチルエチルケトンを蒸発
させた後、同様にエンボス加工を行い、電子線照射装置
(エレクトロンカーテン、ESI社製)により5Mradの
電子線を照射して硬化させ、型付け用離型材を得た。
【0040】比較例3 離型材用の支持体紙として、実施例1と同様な原紙を使
用した。シリコーン樹脂として、アクリロイル基を含有
しない付加反応型シリコーン樹脂(東芝シリコーン製、
商品名XS56−707)をマルチロールコーターで固
形分4g/m2で塗布した。溶媒を除去した後、80℃
の熱エンボス加工を施し、150℃の熱乾燥炉でシリコ
ーン樹脂を硬化し、型付け用離型材を得た。
【0041】以上、実施例1〜6および比較例1〜3で
得られた離型材について以下に示す試験を行った。その
結果を表1に示す。
【0042】[型保持性、製造安定性]各実施例、比較
例の製造条件において、500mの製造試験を行い、製
造初期(サンプル1と称す)と、製造終了時(サンプル
2と称す)の型付け用離型材をサンプルとして使用し
た。各サンプルについて、同じ柄部分の2cm四方をX
方向500点サンプリング、Y方向500線サンプリン
グの条件で3次元粗さ測定器により解析し、中心面平均
粗さSRa、十点平均粗さSRz、最大高さSRma、
最大谷高さSRvを求めた。サンプル1に対するサンプ
ル2の3次元表面粗さのパラメータに対する比率(%)
を求めた。型保持性としてはこの4つのパラメーターの
比率の平均値をもって表わし、この数値が高いほど型保
持性、製造安定性が良好である。90%以上を優、80
%以上90%未満を並、80%未満を劣で表わした。
【0043】[初期剥離力]各サンプルに、下記の樹脂
組成物としてポリ塩化ビニル(ペーストレジン)100
重量部、ジオクチルフタレート60重量部、発泡剤(ア
ゾジカーボンアミド)3重量部、酸化防止剤(共同薬品
社製、KF−80A−8)3重量部、炭酸カルシウム1
0重量部の混合物を20g/m2の厚さで塗布した。塗
布後、210℃の温度で2分間加熱硬化した。剥離力は
15mm幅の試験片の発泡ポリ塩化ビニルシートと型付
け用離型材の剥離強度で表わした。
【0044】[繰り返し剥離力]初期剥離力に用いた各
サンプルに、同じポリ塩化ビニルシートを作成する操作
を5回繰り返し、5回目の剥離強度を測定した。
【0045】[層強度]初期剥離力の試験を終えた各サ
ンプルと、繰り返し剥離力の試験を終えた各サンプルを
比較し、表面層の脱落の程度を目視で判定し層強度とし
て表わした。全く剥離のないものを優、許容できる範囲
の剥離を並、許容できない範囲の剥離を劣と判定した。
【0046】[光沢]初期剥離力の試験により得られた
ポリ塩化ビニルシートの光沢を測定した。表面光沢の優
れているものを優、ある程度表面光沢のあるものを並、
表面に曇りが見られるものを劣とした。
【0047】[型押し安定性]初期剥離力により得られ
た転写面の凹凸と、同じサンプルで10回転写を行った
10回目の転写面の凹凸を表面粗さ計を用いて解析し
た。各転写面について、同じ柄部分の2cm四方をX方
向500点サンプリング、Y方向500線サンプリング
の条件で3次元粗さ測定器により解析し、中心面平均粗
さSRa、十点平均粗さSRz、最大高さSRma、最
大谷高さSRvを求めた。1回目転写面に対する10回
目転写面の3次元表面粗さのパラメータに対する比率
(%)を求めた。型保持性としてはこの4つのパラメー
ターの比率の平均値をもって表わし、この数値が高いほ
ど型保持性、製造安定性が良好である。90%以上を
優、80%以上90%未満を並、80%未満を劣で表わ
した。
【0048】
【表1】
【0049】評価・・実施例において作成した離型材
は、放射線硬化性樹脂層とアクリロイル基を含有するシ
リコーン樹脂層の2つの層の働きにより、型付け用離型
材を繰り返し使用の場合に剥離力がほとんど変化せず、
かつ放射線硬化性樹脂層の支持体およびシリコーン樹脂
層への化学的な接着性によりシリコーン樹脂層が脱落す
ることがなく、型付け時に良好な繰り返し型付け性(型
押し安定性)が得られる。シリコーン樹脂中にアクリロ
イル基を含有するため、表面が平滑で、光沢感のある転
写面を与える。型付け用離型材の製造工程、すなわちエ
ンボス加工時において、アクリロイル基を含有するシリ
コーン樹脂は、エンボスロールに付着してもアクリロイ
ル基を含有するシリコーン樹脂の高い延展性、剥離性か
ら自浄作用および自己レベリング作用があり、エンボス
ロールの凹凸を埋めることがなく、表面を隈なく覆い、
均一な深さの柄を型押しすることができ、型保持性、製
造安定性が良好である。
【0050】
【発明の効果】本発明の評価からも明かなように、本発
明による方法により、型付け性、製造安定性、高温使用
における型保存性、繰り返し使用性にすぐれた離型材を
供給することができ、実用価値が大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 3/30 7016−4F 7/06 7188−4F 27/00 101 7344−4F 27/10 7258−4F 33/00 7141−4F D06N 3/00 DAC 7141−4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型付け用離型材において、表面に凹凸の
    エンボス加工されている支持体と、該支持体の凹凸表面
    に沿った形で設けられた放射線硬化性樹脂層と、該放射
    線硬化性樹脂層の凹凸表面に沿った形で設けられたアク
    リロイル基を含有するシリコーン樹脂層からなることを
    特徴とする型付け用離型材。
  2. 【請求項2】 型付け用離型材の製造方法において、支
    持体に、放射線硬化性樹脂を塗布する工程、放射線硬化
    性樹脂層上にアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂
    を塗布する工程、アクリロイル基を含有するシリコーン
    樹脂層を塗布した支持体にエンボス加工する工程、放射
    線硬化性樹脂およびアクリロイル基を含有するシリコー
    ン樹脂層を紫外線あるいは電子線もしくはその両方を照
    射することにより硬化する工程よりなることを特徴とす
    る型付け用離型材の製造方法。
  3. 【請求項3】 型付け用離型材の製造方法において、支
    持体に、放射線硬化性樹脂を塗布する工程、紫外線ある
    いは電子線もしくはその両方を照射することにより放射
    線硬化性樹脂を部分硬化する工程、部分硬化した放射線
    硬化性樹脂層上にアクリロイル基を含有するシリコーン
    樹脂を塗布する工程、アクリロイル基を含有するシリコ
    ーン樹脂層を塗布した支持体にエンボス加工する工程、
    放射線硬化性樹脂およびアクリロイル基を含有するシリ
    コーン樹脂層を紫外線あるいは電子線もしくはその両方
    を照射することにより硬化する工程よりなることを特徴
    とする型付け用離型材の製造方法。
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