JPH05254061A - 型付け用離型材およびその製造方法 - Google Patents

型付け用離型材およびその製造方法

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JPH05254061A
JPH05254061A JP5530292A JP5530292A JPH05254061A JP H05254061 A JPH05254061 A JP H05254061A JP 5530292 A JP5530292 A JP 5530292A JP 5530292 A JP5530292 A JP 5530292A JP H05254061 A JPH05254061 A JP H05254061A
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JP
Japan
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silicone resin
release material
embossing
support
acryloyl group
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JP5530292A
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English (en)
Inventor
Junji Harada
純二 原田
Takahisa Kato
隆久 加藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/002Component parts, details or accessories; Auxiliary operations

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンボス時の型付け性が良好で、高温繰り返
し剥離性、転写光沢の良い離型材を効率よく製造する。 【構成】 型付け用離型材において、支持体に凹凸のエ
ンボス加工が施され、かつ該支持体の凹凸表面に沿った
形でアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂層が設け
られていることを特徴とする型付け用離型材。 【効果】 型付け用離型材作成時に、シリコーン樹脂の
自浄作用によりエンボスロールの凹凸が埋まることなく
加工でき、長時間均一な柄を型押しできる。得られた型
付け用離型材は、アクリロイル基の重合により膜強度が
高く、転写面に光沢があり、高温、溶剤におかされず、
繰り返し剥離性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャスト紙、アート紙
やコート紙、微塗工紙、上質紙などの紙、あるいはポリ
エステル樹脂フィルムを支持体とした離型材に関するも
のであり、その中でも特に型付け製造用の離型材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】型付け用の離型材は、上質紙やコーテッ
ド紙などの支持体上に、ポリプロピレン系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、アルキド系樹脂からなる離型層が設けら
れ、合成皮革、カーボンファイバープレプリグ、床材、
マーキングフィルムなどの製造工程において、ウレタン
ペーストや塩化ビニルゾルなどをキャスティングする離
型材として使用されている。
【0003】合成皮革製造用などに用いられる離型材の
役割は、ウレタンペーストなどの樹脂溶液が乾燥するま
での保持、および乾燥した樹脂被膜の離型であるが、キ
ャスティングの場合は、離型材の表面形状が転写される
ため、型付けの役目も兼ねる。離型材に必要な特性とし
ては、樹脂溶液を支持体に染み込ませないバリヤー性、
乾燥後は容易に樹脂被膜を剥せる離型性、乾燥時におけ
る耐熱性、離型材は繰り返し使用されることが多いの
で、適度な引っ張り強度、引き裂き強度、カールバラン
ス、支持体表面が割れないための柔軟性、耐スクラッチ
性などである。
【0004】平坦な表面性(エナメルやマットなど)を
有する合成皮革などの転写物を製造する場合は、コーテ
ッド紙やキャスト紙を支持体に用い、その上を剥離性樹
脂により処理すればよいが、型付けのある転写物を製造
する場合は、その型の特に微小部分の再現性、あるいは
鋭い凹凸による支持体の割れを防御する目的で、主にそ
れ自体がある程度の剥離性を有するポリプロピレン樹脂
を主成分とするラミネート層が支持体表面に設けられる
のが普通である。例えば、合成皮革を構成する樹脂がウ
レタンペーストである場合には、その乾燥温度はポリプ
ロピレンの融点よりも低いのが普通なので、ポリプロピ
レンのラミネートが多用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような型付けの離
型材を作成する場合には、特公昭64−10626号公
報に記述されているように、ポリオレフィン樹脂ラミネ
ート基材は、軟化点を越す場合には使えないといった問
題や、ポリオレフィン樹脂ラミネート離型材を繰り返し
使用する場合にその型が崩れるという問題、ポリオレフ
ィン樹脂の紙などへの接着性の低さからくるポリオレフ
ィン樹脂層脱離、あるいはこのポリオレフィン樹脂の接
着性の低さをカバーするために低密度ポリエチレンなど
を混合することによる耐熱性の低下や型保持性の悪化な
どという問題があった。
【0006】そのほかの樹脂、たとえば熱硬化性のアル
キッド樹脂や変性アルキッド樹脂、ポリフォスファゼン
樹脂などはエンボス加工できないといった問題点や、有
機シリコン化合物をコート層に用いた場合には、表面光
沢に欠け、かつ数度の使用でコート層が脱落するといっ
た問題点を有するものであった。
【0007】特公昭64ー10626号公報によると電
離放射線硬化膜をコート層に用いると繰り返し使用して
も表面層が脱落したり、表面光沢が低下したりすること
がなく、塩化ビニルシートの成型を行っても剥離力が充
分に低いという事実が報告されている。しかしながら一
般の電離放射線硬化膜には、1回目の離型性(剥離力)
と2回目の離型性に大きな差があり、繰り返し使用の際
の剥離力変動が大きく、実質上2回以上は使えないとい
った問題があった。即ち、電離放射線硬化膜を形成す
る、エチレン性不飽和結合を有する化合物、例えばメチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、2ーエチルヘキシルアクリレート、2ーヒドロキ
シエチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、2ーエチルヘキシルメタクリレート、
アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリ
ルアミド、メチロールメタクリルアミド、ブトキシメチ
ルアクリルアミド、ブトキシメチルメタクリルアミド等
の単官能モノマー、エチレングリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールアクリレート、1、6ーヘキサンジオール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリア
クリレート等の3官能モノマー、ウレタンアクリレー
ト、ウレタンアクリレートエポキシアクリレート、エポ
キシメタクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリ
エーテルメタクリレート、ポリエステルアクリレート、
ポリエステルメタクリレート、エチレンアクリルアミ
ド、N,N−(オキシジメチレン)ビスメタクリルアミ
ド不飽和ポリエステル等の如きオリゴマーやプレポリマ
ー、あるいはこれらの樹脂の混合物、などを電子線照射
あるいは紫外線照射して硬化した場合、樹脂表面に吸着
した酸素の影響と思われるが、極表面に薄く不完全硬化
層が残る。この不完全硬化層は、それ自体では液状、あ
るいはバインダー能力の弱いものであるから、塩化ビニ
ルシートをその上に形成し、剥離した場合に完全硬化し
た層から容易に剥離する。このため、1回目の剥離力は
非常に小さくなり、表面光沢の低下もなく、樹脂の脱落
も無いように見えるが、2回目の使用時には不完全硬化
層がないため塩化ビニルシートとの剥離が極端に重くな
るものであった。この傾向はウレタンペーストを用いた
場合にも同じである。
【0008】さらに、このような電離放射線硬化層を用
いる場合の問題は、その製造過程において安定生産性に
欠けるという点にある。即ち、電離放射線硬化層を形成
する樹脂が液体であれ、固体であれ、エンボス時に加熱
あるいは加圧により形状変化できる状態でなければエン
ボス加工できない。このため、常温ではエンボスロール
に付着しない樹脂でもエンボス加工時にはエンボスロー
ルに微量ながら付着する。一般の電離放射線硬化膜を形
成するような樹脂は、次第に熱硬化するものであり、特
に熱エンボスの場合、エンボスロールの凹凸表面で次第
に硬化膜を形成する。このことはエンボス加工された離
型材の凹凸が、離型材を製造していくにつれて段々と浅
くなることを意味し、浅くなったエンボスロールより製
造した離型材は、結果として製造する合成皮革などの柄
がぼやけた状態になるという致命的な問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点を解決する手段を鋭意研究した結果、以下の
ような発明を見いだすに至った。即ち、本発明の型付け
用離型材は、支持体表面に凹凸のエンボス加工が施さ
れ、且つ該支持体の凹凸表面に沿った形でアクリロイル
基を含有するシリコーン樹脂層が設けられていることを
特徴とする型付け用離型材であり、その製造方法におい
て、支持体にアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂
を塗布する工程と、アクリロイル基を含有するシリコー
ン樹脂を塗布した支持体にエンボス加工する工程と、ア
クリロイル基を含有するシリコーン樹脂層を、紫外線あ
るいは電子線、もしくはその両方を照射することにより
硬化することにより型付け用離型材を製造するものであ
る。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるシリコーン樹脂は、アクリロイル基を含有す
るシリコーン樹脂であることが必須条件で、一般的なシ
リコーン樹脂(主にポリジメチルシロキサンあるいはポ
リジアルキルシロキサン)の分子主鎖の末端あるいは側
鎖にアクリロイル基を導入した樹脂またはその誘導体で
ある。商品名ではFM0711、FM0721、FM0
725、PS583(以上、チッソ(株))、KNS−
50002、KNS−5100、KNS−5300、K
P−600、X−62−7052、X−62−710
0、X−62−7112、X−62−7140、X−6
2−7144、X−62−7153、X−62−715
7、X−62−7158、KNS−5200、KNS−
5300、X−62−7166、X−62−7168、
X−62−7177、X−62−7180、X−62ー
7181、X−62−7192、X−62−7200、
X−62−7203、X−62−7205、X−62−
7931、KM−875、X−62−7296A/B、
X−62−7305A/B、X−62−7028A/
B、X−62−5039A/B、X−62−5040A
/B(以上、信越化学工業(株))、RC149、RC
300、RC450、RC802、RC710、RC7
15、RC720、RC730(以上、ゴールドシュミ
ット社)、EBECRYL350、EBECRYL13
60(以上、ダイセルUCB(株))などが挙げられ
る。
【0011】本発明の、特に紫外線硬化法を用いる場合
に用いられる光開始剤としては、ジおよびトリクロロア
セトフェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾイ
ンアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テト
ラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類、アゾ化合物等があり、放射線硬化性樹脂の重合反応
のタイプ、安定性、および紫外線照射装置との適性など
の観点から選ばれる。光開始剤の使用量は放射線硬化性
樹脂に対して通常O.1〜5%の範囲である。また、光
開始剤にハイドロキノンのような貯蔵安定剤が併用され
る場合もある。
【0012】アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂
層の塗布量は、限定されるものではないが、好ましくは
0.5〜50g/m2の範囲内である。塗布量がこの範
囲より小さいとエンボス加工の凹凸を覆いきれず剥離が
重くなることがあるし、この範囲より多くても剥離性の
向上に寄与しないばかりか、電子線照射あるいは紫外線
照射の効率が低下することがある。
【0013】本発明のアクリロイル基を含有するシリコ
ーン樹脂層を塗布する方法としては、グラビアロールお
よびトランスファロールコーター、バーコーター、ロー
ルコーター、エアナイフコーター、Uコンマコーター、
AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログ
ラビアコーター、エアナイフコーター、リバースロール
コーター、4本あるいは5本ロールコーター、ブレード
コーター、ディップコーター、バーコーター、ロッドコ
ーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイ
ズコーター、落下カーテンコーター、スライドコータ
ー、ダイコーターなどいかなるコーターを用いてもよ
い。
【0014】本発明のアクリロイル基を含有するシリコ
ーン樹脂層は、電子線照射あるいは紫外線照射により硬
化することができる。シリコーン樹脂層は反応触媒を加
えて加熱重合により硬化することも可能であるが、加熱
時にシリコーン樹脂層の熱流れに注意しなければなら
ず、シャープで微細な凹凸を得るのは難しい。電子線の
照射方式としては、スキャニング方式、ブロードビーム
方式、カ−テンビ−ム方式、イオンプラズマ方式等が採
用され、電子線を照射する加速電圧は、100〜300
KV程度が適当である。γ線を用いても電子線照射と同
様な処理を行うことができるが、一般に線量密度が低
く、製造方法としては好ましくない。また、紫外線照射
を使用する場合には、光開始剤、必要に応じて増感剤を
配合して用いることができる。紫外線を用いる場合の光
源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水
銀灯、キセノンランプ、タングステンランプ等が好適に
使用される。
【0015】なお、電子線照射に際しては、酸素濃度が
高いとオゾン発生の危険性を伴うことと、アクリロイル
基を含有するシリコーン樹脂層の硬化を阻害することが
あるため、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガス
による置換を行い、酸素濃度を600ppm 以下、好まし
くは400ppm 以下に抑制した雰囲気中で照射すること
が好ましい。
【0016】本発明において、型付け用離型材の高温繰
り返し使用時に剥離性が保持されるのは、剥離層に含ま
れるアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂層の影響
である。特に、アクリロイル基を含有するシリコーン樹
脂は、溶剤を含まずに用いることが可能で、紫外線照射
あるいは電子線照射により硬化した場合に、一般的な熱
硬化シリコーン樹脂、溶剤除去型のシリコーン樹脂、エ
マルジョン型のシリコーン樹脂にくらべ、重合収縮が小
さく、したがって表面が平滑なまま硬化する。このた
め、得られるシリコーン樹脂層表面が平滑であり、高い
光沢を有するばかりでなく、この光沢の高さは合成皮革
などの転写面においても現われる。さらに、溶剤を含ま
ずに塗布、硬化を行うためシリコーン鎖が伸びきった状
態をとらないためか、あるいはアクリロイル基が3次元
的に架橋するためか判らないが、繰り返し使用した場合
において、剥離力がほとんど変化しない。また、アクリ
ロイル基の3次元的な重合が大きく寄与するものと思わ
れるが、合成皮革などの作成時に高温で溶剤を用いて繰
り返し使用しても流動性、軟化性、溶解性が小さく、す
なわちエンボス加工した型が崩れない。さらに、おそら
く紫外線照射あるいは電子線照射時において、支持体表
面とシリコーン樹脂層の間に化学的な結合が出来ること
によると思われるが、得られた離型材を繰り返し使用し
ても、シリコーン樹脂層が脱落することがない。このた
め、離型材として、支持体が劣化するまで使用すること
が出来る。
【0017】また、アクリロイル基を含有するシリコー
ン樹脂は、型付け用離型材の製造時、すなわちエンボス
加工時にエンボスロールに付着することはあるが、硬化
する前のアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂の高
い延展性、剥離性から自浄作用があり、次々に支持体側
に移り、エンボスロールの凹凸を埋めることがない。こ
のため、エンボス加工時にエンボスの凹凸が変化するこ
とがなく、均一な深さの柄を型押しすることができ、柄
がぼやけることがない。
【0018】本発明において、アクリロイル基を含有す
るシリコーン樹脂層と支持体の接着性と濡れ性を良くす
るために、支持体表面にコロナ処理等の表面処理を行な
っても、サブコート等の表面処理を行なってもよい。ま
た、本発明の離型材の裏面には、カール防止、帯電防
止、あるいは剥離層などのバックコート層を設けること
が出来、バックコート層には帯電防止剤、親水性バイン
ダー、ラテックス、硬膜剤、顔料、界面活性剤、粘着剤
等を適宜組み合わせて含有することができる。
【0019】型付け加工(エンボス加工)に関しては、
一般のマッチトスチールエンボス、スチール/スチール
エンボス、ペーパー/スチールエンボス、ゴム/スチー
ルエンボス、平版スチールエンボス、高圧エンボス、熱
エンボスなどいかなる型付け方法を用いても差し支えな
い。
【0020】本発明に用いられる支持体としては、普通
紙原紙の他、型艶紙、グラシン紙、上質紙、アート紙、
コ−ト紙、キャスト紙等のコーテッド紙や合成樹脂フィ
ルム、合成紙、金属箔と紙との貼り合わせ品などが使用
されるが、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹
混合パルプの木材パルプを主成分とする天然パルプ紙が
有利に用いられる。原紙の厚みに関しては、特に制限は
ないが、平滑なものが好ましく、その坪量は30〜30
0g/m2が好ましい。
【0021】本発明の方法において、有利に用いられる
天然パルプを主成分とする原紙には、各種高分子化合
物、添加剤を含有せしめることができる。たとえば、デ
ンプン、デンプン誘導体(カチオン化デンプン、リン酸
エステル化デンプン、酸化デンプン等)、ポリアクリル
アミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
誘導体(完全ケン化、部分ケン化、カルボキシ変性、カ
チオン変性、その他の各種変性ポリビニルアルコー
ル)、ゼラチン(アルカリ処理、酸処理、各種変性ゼラ
チン)等の乾燥紙力増強剤、スターガムやアルギン酸誘
導体などの天然高分子多糖類、高級脂肪酸金属塩、ロジ
ン誘導体、ジアルキルケトン、アルケニルまたはアルキ
ルコハク酸無水物、エポキシ化高級脂肪酸アミド、有機
フルオロ化合物、ジアルキルケテンダイマー乳化物等の
サイズ剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹
脂等の湿潤紙力増強剤、安定剤、顔料、染料、酸化防止
剤、蛍光増白剤、各種ラテックス、無機電解質(塩化ナ
トリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カ
ルシウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、硫酸マグ
ネシウム、塩化バリウム等)、pH調整剤、硫酸バンド
や塩化アルミ等の定着剤、炭酸カルシウム、カオリン、
タルク、クレー等の填料、有機導電剤等の添加剤を適宜
組み合わせて含有せしめることができる。これらの含有
物は、抄紙段階においてパルプスラリー中に分散させて
もよいし、抄紙後タブサイズにおいて添加させてもよ
く、また各種コーターで溶液を塗布してもよい。
【0022】
【作用】本発明の型付け用離型材においては、型付け用
離型材の使用時において、シリコーン樹脂層に含まれる
アクリロイル基が3次元的に架橋するため、繰り返し使
用の場合に剥離力がほとんど変化せず、且つシリコーン
樹脂層が脱落することもなく、高温繰り返し使用におけ
る型付け時に良好な剥離性、型付け性が保持される。特
に、アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂は、重合
収縮が小さく、表面が平滑なまま硬化し、光沢感のある
転写面を与える。型付け用離型材の製造工程において、
アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂は、エンボス
ロールに付着してもシリコーン樹脂の高い延展性、剥離
性から自浄作用があり、エンボスロールの凹凸を埋める
ことがなく、均一な深さの柄を型押しすることができ、
型保持性が高く、製造安定性が良い。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0024】実施例1 離型材用の支持体として、坪量100g/m2のクレイ
コートした原紙(三菱製紙製、工程紙原紙)を使用し
た。この支持体の上に、アクリロイル基を含有するシリ
コーン樹脂(信越化学工業製、商品名X−62−720
0)をマルチロールコーターで4g/m2で塗布した。
ついで、このシリコーン樹脂を塗布した支 持体にメタ
ル/ペーパーエンボスロールにより80℃の熱エンボス
加工を施し、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm)中
で、200kvの加速電圧で、吸収線量が3Mradとなる
ように電子線照射(エレクトロンカーテン、ESI社
製)を行ってアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂
を硬化させ、型付け用離型材を得た 。
【0025】実施例2 剥離材用の支持体として、コロナ処理を施したPETフ
ィルム(厚み80μm、ダイアホイル製)を用いた。ア
クリロイル基を含有するシリコーン樹脂(ゴールドシュ
ミット社製、商品名RC720)をマルチロールコータ
ーで4g/m2で 塗布した。ついで、このシリコーン樹
脂を塗布した支持体にメタル/ペーパーエンボスロール
により130℃の熱エンボス加工を施し、窒素雰囲気
(酸素濃度200ppm)中で、200kvの加速電圧
で、吸収線量が3Mradとなるように電子線照射(エレク
トロンカーテン、ESI社製)を行ってアクリロイル基
を含有するシリコーン樹脂を硬化させ、型付け用離型材
を得た。
【0026】実施例3 離型材用の支持体として、実施例1と同様な工程紙原紙
を使用した。光開始剤(樹脂に対し2重量%のチバガイ
ギー社製イルガキュア905)を混合したアクリロイル
基を含有するシリコーン樹脂(信越化学工業製、商品名
KNS5300)を8g/m2 で塗布し、メタル/ペー
パーエンボスロールにより80℃の熱エンボス加工を施
し、120w/cmの高圧水銀紫外線照射ランプ2灯を
用いて硬化して型付け用離型材を得た。
【0027】実施例4 離型材用の支持体として、実施例1と同様な工程紙原紙
を使用した。光開始剤(樹脂に対し2重量%のチバガイ
ギー社製イルガキュア905)を混合したアクリロイル
基を含有するシリコーン樹脂(信越化学工業製、商品名
KNS5300)を8g/m2で塗布し、メタル/ペー
パーエンボスロールにより80℃の熱エンボス加工を施
し、120w/cmの高圧水銀紫外線照射ランプ1灯を
用いて部分硬化し、次に200kvの加速電圧で、吸収
線量が3Mradとなるように電子線照射(エレクトロンカ
ーテン、ESI社製)を行ってアクリロイル基を含有す
るシリコーン樹脂を硬化させ、型付け用離型材を得た。
【0028】比較例1 離型材用の支持体紙として、実施例1と同様な坪量10
0g/m2のクレイコートした紙を使用した。次に示す
樹脂組成物をロールコーターで15g/m2の塗布量で
塗布した。 [樹脂組成物]エポキシアクリレート(昭和高分子製、
リポキシUR−90)100重量部、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート10重量部、ベンゾイルメチル
エーテル3重量部、メチルエチルケトン250重量部。
塗布後、メチルエチルケトンを蒸発させ、60℃に加温
したエンボスロールによりエンボス加工を行い、4KW
の紫外線照射装置により硬化させ、型付け用離型材を得
た。
【0029】比較例2 実施例1の樹脂組成物からベンゾイルメチルエーテルを
除いたものを、同様に塗布、メチルエチルケトンを蒸発
させた後、同様にエンボス加工を行い、電子線照射装置
(エレクトロンカーテン、ESI社製)により5Mradの
電子線を照射して硬化させ、型付け用離型材を得た。
【0030】比較例3 離型材用の支持体紙として、実施例1と同様な原紙を使
用した。シリコーン樹脂として、アクリロイル基を含有
しない付加反応型シリコーン樹脂(東芝シリコーン製、
商品名XS56−707)をマルチロールコーターで固
形分4g/m2で塗布した。溶媒を除去した後、80℃
の熱エンボス加工を施し、150℃の熱乾燥炉でシリコ
ーン樹脂を硬化し、型付け用離型材を得た。
【0031】以上実施例1〜4、および比較例1〜3で
得られた離型材について以下に示す試験を行った。その
結果を表1に示す。
【0032】[型保持性、製造安定性]各実施例、比較
例の製造条件において、500mの製造試験を行い、製
造初期(サンプル1と称す)と、製造終了時(サンプル
2と称す)の型付け用離型材をサンプルとして使用し
た。各サンプルについて、同じ柄部分の2cm四方をX
方向500点サンプリング、Y方向500線サンプリン
グの条件で3次元粗さ測定器により解析し、中心面平均
粗さSRa、十点平均粗さSRz、最大高さSRma、
最大谷高さSRvを求めた。サンプル1に対するサンプ
ル2の3次元表面粗さのパラメータに対する比率(%)
を求めた。型保持性としてはこの4つのパラメーターの
比率の平均値をもって表わした。この数値が高いほど型
保持性、製造安定性が良好である。
【0033】[初期剥離力]各サンプルに、下記の樹脂
組成物としてポリ塩化ビニル(ペーストレジン)100
重量部、ジオクチルフタレート60重量部、発泡剤(ア
ゾジカーボンアミド)3重量部、酸化防止剤(共同薬品
社製、KF−80A−8)3重量部、炭酸カルシウム1
0重量部の混合物を20g/m2の厚さで塗布した。塗
布後、210℃ の温度で2分間加熱硬化した。剥離力
は15mm幅の試験片の発泡ポリ塩化ビニルシートと型
付け用離型材の剥離強度で表わした。
【0034】[2次剥離力]初期剥離力に用いた各サン
プルに、再度同様の樹脂組成物を同様に塗布、加熱乾燥
した。剥離強度も同様に測定した。
【0035】[繰り返し剥離力]初期剥離力に用いた各
サンプルに、同じポリ塩化ビニルシートを作成する操作
を5回繰り返し、5回目の剥離強度を測定した。
【0036】[層強度]初期剥離力の試験を終えた各サ
ンプルと、繰り返し剥離力の試験を終えた各サンプルを
比較し、表面層の脱落の程度を目視で判定し層強度とし
て表わした。全く剥離のないものを優、許容できる範囲
の剥離を並、許容できない範囲の剥離を劣と判定した。
【0037】[光沢]初期剥離力の試験により得られた
ポリ塩化ビニルシートの光沢を測定した。表面光沢の優
れているものを優、ある程度表面光沢のあるものを並、
表面に曇りが見られるものを劣とした。
【0038】[エンボス割れ]初期剥離力の試験により
得られた各サンプルの凹凸を、実体顕微鏡により観察し
た。サンプルにおいてエンボス部の樹脂の割れの見られ
なかったものを優、エンボス割れの発生したものを劣で
判定した。
【0039】
【表1】
【0040】評価・・実施例において作成した離型材
は、アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂層の働き
により、離型材として繰り返し使用の場合に剥離力がほ
とんど変化せず、且つアクリロイル基の重合によりシリ
コーン樹脂層が脱落することがなく、型付け時に良好な
繰り返し型付け性が得られる。シリコーン樹脂中にアク
リロイル基を含有するため、表面が平滑で、光沢感のあ
る転写面を与える。型付け用離型材を製造する工程で、
アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂は、エンボス
ロールに付着してもシリコーン樹脂の高い延展性、剥離
性から自浄作用があり、エンボスロールの凹凸を埋める
ことがなく、均一な深さの柄を型押しすることができ、
型保持性、製造安定性が良好である。
【0041】
【発明の効果】本発明の評価からも明かなように、本発
明による方法により、製造時の型付け性、製造安定性が
良好で、離型材としての使用時、高温使用における型保
存性、繰り返し性にすぐれた離型材を供給することがで
き、実用価値が大である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/00 L 7717−4F // C08F 299/08 MRY 7442−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型付け用離型材において、支持体表面に
    凹凸のエンボス加工が施され、且つ該支持体の凹凸表面
    に沿った形でアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂
    層が設けられていることを特徴とする型付け用離型材。
  2. 【請求項2】 型付け用離型材の製造方法において、支
    持体にアクリロイル基を含有するシリコーン樹脂を塗布
    する工程と、アクリロイル基を含有するシリコーン樹脂
    を塗布した支持体にエンボス加工する工程と、アクリロ
    イル基を含有するシリコーン樹脂層を、紫外線あるいは
    電子線、もしくはその両方を照射することにより硬化す
    る工程よりなることを特徴とする型付け用離型材の製造
    方法。
JP5530292A 1992-03-13 1992-03-13 型付け用離型材およびその製造方法 Pending JPH05254061A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005065937A1 (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 合成皮革製造用エンボス付き離型紙及びその支持体、ならびにその離型紙を用いた合成皮革及びその製造方法
JP2006002264A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Dainippon Printing Co Ltd 合成皮革製造用エンボス付き離型紙の支持体及び合成皮革製造用エンボス付き離型紙

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WO2005065937A1 (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 合成皮革製造用エンボス付き離型紙及びその支持体、ならびにその離型紙を用いた合成皮革及びその製造方法
JP2006002264A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Dainippon Printing Co Ltd 合成皮革製造用エンボス付き離型紙の支持体及び合成皮革製造用エンボス付き離型紙

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