JPH05269936A - 型付け用離型材 - Google Patents

型付け用離型材

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JPH05269936A
JPH05269936A JP6752692A JP6752692A JPH05269936A JP H05269936 A JPH05269936 A JP H05269936A JP 6752692 A JP6752692 A JP 6752692A JP 6752692 A JP6752692 A JP 6752692A JP H05269936 A JPH05269936 A JP H05269936A
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JP
Japan
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release material
aronix
mold release
paper
silicone resin
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JP6752692A
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English (en)
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Junji Harada
純二 原田
Takahisa Kato
隆久 加藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原紙中に故紙パルプを使用した型付け用離型
材で、繰り返し離型性が良好で、かつ転写面の光沢低下
を防止する。 【構成】 故紙パルプを含有した原紙で、残存界面活性
剤濃度を800ppm以下にした原紙に、シリコーン樹
脂をコーティングした型付け用離型材。エンボス加工さ
れていても良い。 【効果】 原紙に故紙パルプを含有しても、残存界面活
性剤の濃度が低いため、原紙表面あるいはシリコーン樹
脂層表面にブリードアウトせず、繰り返し剥離性、転写
面光沢が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、それぞれ故紙パルプを
含むキャスト紙、アート紙やコート紙、微塗工紙、上質
紙などの紙を原紙(故紙パルプ入り再生紙)とし、その
少なくとも片面にシリコーン樹脂離型層を設けた離型材
に関するものであり、その中でも特に平滑面、マット
面、あるいは凹凸を有するエンボス面などの型付け製造
用の離型材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】型付け用(平滑面、マット面、エンボス
面)の離型材は上質紙やコーテッド紙などの支持体上
に、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキ
ド系樹脂からなる離型層が設けられ、合成皮革、カーボ
ンファイバープレプリグ、床材、マーキングフィルムな
どの製造工程において、ウレタンペーストや塩化ビニル
ゾルなどをキャスティングする離型材として使用されて
いる。
【0003】合成皮革製造用やマーキングフィルムなど
に用いられる離型材の役割は、ウレタンペーストなどの
樹脂溶液が乾燥するまでの保持、および乾燥した樹脂被
膜の離型であるが、キャスティングの場合は離型材の表
面形状が転写されるため、型付けの役目も兼ねる。離型
材に必要な特性としては、樹脂溶液を支持体に染み込ま
せないバリヤー性、乾燥後は容易に樹脂被膜を剥せる離
型性、乾燥時における耐熱性、離型材は繰り返し使用さ
れることが多いので、適度な引っ張り強度、引き裂き強
度、カールバランス、エンボス時に支持体表面が割れな
いための柔軟性、耐スクラッチ性などである。
【0004】例えば、合成皮革を構成する樹脂がウレタ
ンペーストである場合には、その乾燥温度はポリプロピ
レンの融点よりも低いのが普通なので、ポリプロピレン
のラミネートが多用される。この場合、ラミネートする
ポリプロピレンにシリコーン樹脂のような剥離剤を混入
して用いる場合もある。しかしながら、塩化ビニルのゾ
ルなどをペーストにする場合には、その乾燥温度はポリ
プロピレンの融点をはるかに越えるため、シリコーン樹
脂、あるいはアルキド樹脂などの剥離性のある樹脂層が
離型層として用いられる。
【0005】型付け用離型材は、繰り返し使用するとは
いえ、最終的には廃棄するものであり、そのコストダウ
ンの要望と、地球的な森林資源保護の観点から、使用す
る原紙に故紙パルプ(あるいは古紙パルプ、同義的に脱
墨パルプ、再生パルプを示すが故紙パルプという言葉で
代表して表わす)を混入する事が好ましい。しかしなが
ら、型付け用離型材に用いられている原紙に故紙パルプ
を混入すると、型付け用離型材として繰り返し使用の回
数が低下したり、転写して得られた合成皮革、マーキン
グフィルムなどの表面の光沢が部分的に低下するという
問題があった。このような転写光沢の低下は、コロナ処
理、オゾン処理、火炎処理、下引き処理、紫外線あるい
は電子線照射処理といった手段によっても解決されず、
繰り返し使用する型付け用離型材としては致命的な問題
であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする問題点は、故紙パルプを含有する原紙層に
離型層を設けた場合に、高温での繰り返し使用に耐え、
得られる転写面の光沢が良好である型付け用離型材を得
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点を解決する手段を鋭意研究した結果、以下の
ような発明を見いだすに至った。即ち、本発明の型付け
用離型材は、原紙にシリコーン樹脂離型層を設けた型付
け用離型材において、該原紙が故紙パルプを含有すると
ともに、該原紙に含まれる残存界面活性剤の量が800
ppm以下であることを特徴とする型付け用離型材の発
明である。本発明の型付け用離型材にエンボス加工がな
されていてもよい。シリコーン樹脂離型層を形成する樹
脂は、シリコーン樹脂単独でも、シリコーン樹脂とアル
キド化合物の混合物、あるいはそれらの共重合体でも、
シリコーン樹脂と放射線硬化性樹脂の混合物、あるいは
それらの共重合体でもさしつかえない。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。一般に故
紙パルプ含有紙を構成する故紙パルプ、脱墨パルプ(D
IP)の製法は以下の工程によっている。即ち、1)パ
ルパーによる離解工程、機械力およびアルカリなどの薬
品によって故紙を繊維状に分解、インキ成分を故紙から
分離する工程。2)除塵工程、粗選、フローテーショ
ン、スクリーン、クリーナー、洗浄の各工程において、
故紙に含まれるプラスチック、金属、無機物などを除去
する工程。3)脱墨工程、故紙より分離した印刷インキ
をフローテーション法、あるいは洗浄法で系外に分離す
る工程。故紙パルプはこれらの工程の複合技術によって
製造され、故紙パルプ入り再生紙として使用される。
【0009】本発明者らは型付け用離型材の原紙に故紙
パルプを混入した場合に、原紙上に離型層を設けて転写
面を作成してもその光沢が良くない、あるいは繰り返し
剥離力が異なるといった問題は、いずれも、脱墨工程に
おける界面活性剤、すなわち故紙パルプ含有再生紙にお
ける残存界面活性剤の影響であることを突き止めた。す
なわち、脱墨工程に使用する界面活性剤とは、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン酸脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン酸脂肪酸エステ
ル、脂肪酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなど
のノニオン性界面活性剤、オレイン酸系やステアリン酸
系などの各種脂肪酸塩、脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エス
テル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級
アルコール硫酸エステル塩、αーオレフィンスルホネー
ト、アルキルリン酸塩などのアニオン性界面活性剤、ア
ルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベ
ンジルメチルアンモニウムクロライド、その他第4級ア
ンモニウム塩類などのカチオン系界面活性剤、およびラ
ウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルメチル
ベタインなどの両性界面活性剤などのいずれの界面活性
剤がある濃度以上、原紙に残存した場合に、その界面活
性剤がシリコーン樹脂層などの離型層をブリードアウト
するらしく、表面に極薄い被膜層を形成し、そのため転
写面の光沢が低下したり、あるいは表面に出た界面活性
剤の離型性から1度目の剥離力が軽くなりやすい。
【0010】本発明者らは、故紙パルプを含む原紙に各
種離型層を設けて、その転写面の光沢、および離型安定
性の関係を残存界面活性剤濃度の観点から追求した結
果、800ppm以下の残存界面活性剤濃度であれば、
離型層の離型性を安定に保ち、かつ転写面の光沢低下を
起こさないことを突き止めた。残存界面活性剤の濃度が
この範囲を越えると、転写面の光沢が途端に低下し、バ
リヤー層を設けても特に長期間の保存時に光沢上の問題
が生じる。
【0011】本発明において、電子線を使用する場合、
照射する電子線の量は離型層への吸収線量において0.
5〜10Mrad程度の範囲で調整するのが望ましい。
0.5Mrad以下では十分な照射効果が得られず、1
0Mradよりも電子線照射量を多くしても離型層の硬
化はほとんど変わらない。
【0012】本発明のシリコーン樹脂離型層中に用いら
れる放射線硬化性樹脂の代表的なものとしては以下の物
質が挙げられる。
【0013】(1)ポリエステルアクリレート、ポリエ
ステルメタクリレート、例えば、アロニックスM−53
00、アロニックスM−5400、アロニックスM−5
500、アロニックスM−5600、アロニックスM−
5700、アロニックスM−6100、アロニックスM
−6200、アロニックスM−6300、アロニックス
M−6500、アロニックスM−7100、アロニック
スM−8030、アロニックスM−8060、アロニッ
クスM−8100(以上、東亜合成化学工業(株)商品
名)、ビスコート700、ビスコート3700(以上、
大阪有機化学工業(株)商品名)、カヤラッドHX−2
20、カヤラッドHX−620(以上、日本化薬(株)
商品名)などが挙げられる。
【0014】(2)ウレタンアクリレート、ウレタンメ
タクリレート、例えば、アロニックスM−1100、ア
ロニックスM−1200、アロニックスM−1210、
アロニックスM−1250、アロニックスM−126
0、アロニックスM−1300、アロニックスM−13
10(以上、東亜合成化学工業(株)商品名)、ビスコ
ート812、ビスコート823、ビスコート823(以
上、大阪有機化学工業(株)商品名)、NKエステル、
U−108−A、NKエステル、U−4HA(以上、新
中村化学(株)商品名)、ディックビームQA100、
ディックビームQA300(以上、大日本インキ化学工
業(株)商品名、イソシアネート化合物を含む)などが
挙げられる。
【0015】(3)単官能アクリレート、単官能メタク
リレート、ビニルピロリドン、アクリロイル化合物、ア
クリルアミド化合物 例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキ
シエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート、アクリロイルモルフォ
リン、ベンジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N、
N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N、N−ジ
エチルアミノエチルメタクリレート、ブトキシエチルア
クリレート、ビニルピロリドン、アクリルアミドエーテ
ル化合物など。エチレンオキシド変性フェノキシ化りん
酸アクリレートエチレンオキシド変性ブトキシ化りん酸
アクリレート、この他に東亜合成化学工業(株)の商品
名でいえばアロニックスM−101、アロニックスM−
102、アロニックスM−111、アロニックスM−1
13、アロニックスM−114、アロニックスM−11
7、アロニックスM−152、アロニックスM−154
などが挙げられる。
【0016】(4)エ6キシアクリレート、エポキシメ
タクリレート 例えばビスコート540、ビスコート600(以上、大
阪有機化学工業(株)商品名)、NKエステルEA80
0、NKエステルEPA800(以上、新中村化学
(株)商品名)、フォトマー3016、フォトマー30
82(以上、サンノプコ(株)商品名)などが挙げられ
る。
【0017】(5)多官能アクリレート、多官能メタク
リレート、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリ
トールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸トリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、プロピレンオキシド変性ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、プロピレンオキシド変性ジペンタエ
リスリトールポリアクリレート、エチレンオキシド変性
ジペンタエリスリトールポリアクリレート、ペンタエリ
スリトールアクリル酸付加物のアクリレートエステルな
どが挙げられる。東亜合成化学工業(株)の商品名でい
えばアロニックスM−210、アロニックスM−21
5、アロニックスM−220、アロニックスM−23
0、アロニックスM−233、アロニックスM−24
0、アロニックスM−245、アロニックスM−30
5、アロニックスM−309、アロニックスM−31
0、アロニックスM−315、アロニックスM−32
0、アロニックスM−325、アロニックスM−33
0、アロニックスM−400、アロニックスM−450
などが挙げられる。これらは単独もしくは2つ以上混合
して、あるいは積層して使うことができる。
【0018】シリコーン樹脂離型層の塗布量は限定され
るものではないが、好ましくは1〜50g/m2の範囲
内である。塗布量がこの範囲より小さいと離型層がムラ
になることがあるし、この範囲より多くても剥離性の向
上に寄与しない。
【0019】本発明のシリコーン樹脂離型層を塗布する
方法としては、グラビアロールおよびトランスファロー
ルコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイ
フコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、ス
ムージングコーター、マイクログラビアコーター、エア
ナイフコーター、リバースロールコーター、4本あるい
は5本ロールコーター、ブレードコーター、ディップコ
ーター、バーコーター、ロッドコーター、キスコータ
ー、ゲートロールコーター、スクイズコーター、落下カ
ーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター、な
どいかなるコーターを用いてもよい。
【0020】本発明に用いるシリコーン樹脂離型層を構
成するシリコーン樹脂は、分子末端、または側鎖にアク
リロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、エポキシ
基、ビニルアミド基、ヒドロシリル基、シラノール基、
ジアゾ基、アセチレン基、チオール基の中から選択され
る官能基を有するシリコーン樹脂(主にポリジアルキル
シロキサン)を主成分とし、そのほかに含フッ素樹脂、
アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、長鎖アルキル基含
有樹脂などの離型剤を塗布、定着することができる。ポ
リプロピレンのようなポリオレフィン樹脂を離型層に用
いることもできる。エンボス加工する場合にはこのよう
な離型剤の塗布、あるいは定着はエンボス加工の前で
も、後でも差し支えない。剥離剤の塗布形態としてはエ
マルジョン系、溶剤系、無溶剤系、混合溶融押し出し系
などによる塗布が可能で、硬化機構として縮合型、付加
型、架橋型、開環重合型反応などが可能である。
【0021】本発明の、特に紫外線硬化法を用いる場合
に用いられる光開始剤としては、ジおよびトリクロロア
セトフェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾイ
ンアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テト
ラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類、アゾ化合物等があり、放射線硬化性樹脂の重合反応
のタイプ、安定性、および紫外線照射装置との適性など
の観点から選ばれる。光開始剤の使用量は放射線硬化性
樹脂に対して通常O.1〜5%の範囲である。また、光
開始剤にハイドロキノンのような貯蔵安定剤が併用され
る場合もある。
【0022】電子線の照射方式としてはスキャニング方
式、ブロードビーム方式、カ−テンビ−ム方式、イオン
プラズマ方式等が採用され、電子線を照射する加速電圧
は100〜300KV程度が適当である。γ線を用いて
も電子線照射と同様な処理を行うことができるが、一般
に線量密度が低く、製造方法としては好ましくない。ま
た、紫外線照射を使用する場合には、光開始剤、必要に
応じて増感剤を配合して用いることができるが、透過力
の点から限界がある。紫外線を用いる場合の光源として
は例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセ
ノンランプ、タングステンランプ等が好適に使用され
る。
【0023】なお、電子線照射に際しては、酸素濃度が
高いとオゾン発生の危険性を伴うことと、ポリオレフィ
ン樹脂表面に生成したラジカルが酸素と反応して過酸化
物となるため、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性
ガスによる置換を行い、酸素濃度を600ppm 以下、好
ましくは400ppm 以下に抑制した雰囲気中で照射する
ことが好ましい。
【0024】本発明において、シリコーン樹脂離型層と
故紙パルプを含む原紙の接着性と濡れ性を良くするため
に、原紙表面にコロナ処理、オゾン処理、火炎処理等の
表面処理を行なってもよい。また、本発明の型付け用離
型材の裏面には、カール防止、帯電防止、あるいは剥離
層などのバックコート層を設けることが出来、バックコ
ート層には帯電防止剤、親水性バインダー、ラテック
ス、硬膜剤、顔料、界面活性剤、粘着剤等を適宜組み合
わせて含有することができる。
【0025】エンボス加工に関しては、一般のマッチト
スチールエンボス、スチール/スチールエンボス、ペー
パー/スチールエンボス、ゴム/スチールエンボス、平
版スチールエンボス、高圧エンボス、熱エンボスなどい
かなる型付け方法を用いても差し支えない。また、片面
に型付け加工を行った場合、その裏面が平坦であっても
型付けされていても差し支えない。
【0026】本発明に用いられる支持体としては、紙と
してはすべて故紙パルプを含み、それぞれ故紙パルプを
含む普通紙、型艶紙、グラシン紙、上質紙、アート紙、
コ−ト紙、キャスト紙等のコーテッド紙や合成樹脂フィ
ルムと紙との貼り合わせ、合成紙と紙との貼り合わせ、
金属箔と紙との貼り合わせ品などが使用されるが、針葉
樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木
材パルプを主成分とする天然パルプ紙に故紙パルプを混
合した原紙が有利に用いられる。原紙の厚みに関して
は、特に制限はないが、平滑なものが好ましく、その坪
量は30g/m2〜300g/m2が好ましい。
【0027】本発明の方法において、有利に用いられる
故紙パルプを含む天然パルプを主成分とする原紙には、
各種高分子化合物、添加剤を含有せしめることができ
る。たとえば、デンプン、デンプン誘導体(カチオン化
デンプン、リン酸エステル化デンプン、酸化デンプン
等)、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアルコール誘導体(完全ケン化、部分ケン化、
カルボキシ変性、カチオン変性、その他の各種変性ポリ
ビニルアルコール)、ゼラチン(アルカリ処理、酸処
理、各種変性ゼラチン)等の乾燥紙力増強剤、スターガ
ムやアルギン酸誘導体などの天然高分子多糖類、高級脂
肪酸金属塩、ロジン誘導体、ジアルキルケトン、アルケ
ニルまたはアルキルコハク酸無水物、エポキシ化高級脂
肪酸アミド、有機フルオロ化合物、ジアルキルケテンダ
イマー乳化物等のサイズ剤、ポリアミドポリアミンエピ
クロルヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキ
シ化ポリアミド樹脂等の湿潤紙力増強剤、安定剤、顔
料、染料、酸化防止剤、蛍光増白剤、各種ラテックス、
無機電解質(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸
ナトリウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム、塩化バリウム等)、pH
調整剤、硫酸バンドや塩化アルミ等の定着剤、炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、クレー等の填料、有機導電
剤等の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることがで
きる。これらの含有物は、抄紙段階においてパルプスラ
リー中に分散させてもよいし、抄紙後タブサイズにおい
て添加させてもよく、また各種コーターで溶液を塗布し
てもよい。しかしながら、すべての場合に於て、残存界
面活性剤の濃度は800ppm以下でなければならな
い。
【0028】
【作用】本発明の型付け用離型材においては、シリコー
ン樹脂離型層を設ける原紙に故紙パルプを含有している
ため、コスト的にメリットがあるばかりでなく、残存界
面活性剤の量を低減しているため、シリコーン樹脂離型
層をブリードアウトする界面活性剤による、転写面の光
沢低下が起こらず、剥離性が安定している。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0030】実施例1 離型材用の原紙として、故紙パルプの配合率が40%
で、アニオン系界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム)の残存量が200ppmの原紙(105
g/m2、クレイコート層を有する)を使用した。原紙
にコロナ処理をした後、電子線硬化性シリコーン樹脂
(X−62−7200、信越化学工業製)をグラビアコ
ーターで3g/m2となるように塗布し、電子線照射室
内の酸素濃度を窒素ガス置換により200ppm 以下にし
た電子線照射装置(日新ハイボルテージ(株)製、商品
名キュアトロン)内に導き、電子線加速電圧220KV
で吸収線量3Mradになるように電子線照射して硬化
し、型付け用離型材を得た。
【0031】実施例2 実施例1において、電子線照射による硬化前にメタル/
ペーパーエンボスロールにより熱エンボス加工を施し、
エンボス加工した以外は実施例1と同様にして型付け用
離型材とした。
【0032】実施例3 離型材用の原紙として、故紙パルプの配合率が50%
で、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル)の残存量が400ppmの原紙(105g
/m2、クレイコート層を有する)を使用した。原紙に
コロナ処理をした後、付加反応型シリコーン樹脂(SP
7268S、東レダウコーニングシリコーン製)をグラ
ビアコーターで3g/m2となるように塗布し、160
℃で30秒間加熱硬化し、型付け用離型材を得た。
【0033】実施例4 実施例3において、加熱硬化前にメタル/ペーパーエン
ボスロールにより熱エンボス加工を施し、エンボス加工
した以外は実施例1と同様にして型付け用離型材とし
た。
【0034】実施例5 離型材用の原紙として、故紙パルプの配合率が55%
で、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル)の残存量が600ppmの原紙(105g
/m2、クレイコート層を有する)を使用した。原紙上
に紫外線硬化性シリコーン樹脂(KNS−5300、信
越化学工業製)をグラビアコーターで3g/m2となる
ように塗布し、120w/cmの高圧水銀ランプ2灯を
用いて硬化して離型材を得た。
【0035】実施例6 実施例5において、紫外線照射硬化前にメタル/ペーパ
ーエンボスロールによりエンボス加工を施し、エンボス
加工した以外は実施例1と同様にして型付け用離型材と
した。
【0036】実施例7 離型材用の原紙として、故紙パルプの配合率が60%
で、カチオン系界面活性剤(アルキルベンジルメチルア
ンモニウムクロライド)の残存量が700ppmの原紙
(105g/m2)を使用した。表面にコロナ放電処理
を行い、ついで放射線硬化性樹脂(東亜合成化学工業
製、2官能アクリレート、アロニックスM220)30
部と放射線硬化性シリコーン樹脂(X−62−720
0、信越化学工業製)30部、およびマット剤(炭酸カ
ルシウム粒子)40部の混合樹脂組成物をグラビアコー
ターで5g/m2で塗布し、200kvの加速電圧で、
吸収線量が3Mradとなるように電子線照射(エレクトロ
ンカーテン、ESI社製)を行い、型付け用(マット
面)離型材を得た。
【0037】実施例8 離型材用の原紙として、故紙パルプの配合率が70%
で、アニオン系界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム)の残存量が800ppmの原紙(105
g/m2)を使用した。表面にアミノアルキド樹脂(日
立化成工業製、メラン46D)60部と付加反応型シリ
コーン樹脂(SP7259S、東レダウコーニングシリ
コーン製)の等量混合物をグラビアコーターで3g/m
2となるように塗布し、160℃で30秒間加熱硬化
し、型付け用離型材を得た。
【0038】実施例9 離型材用の原紙として、故紙パルプの配合率が70%
で、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル)の残存量が800ppmの原紙(105g
/m2、クレイコート層を有する)を使用した。コロナ
放電処理を行った後、紫外線硬化型シリコーン樹脂(K
NS−5300,信越化学工業製)を3g/m2の塗布
量で塗布し、120w/cmの高圧水銀ランプ2灯を用
いて硬化して離型材を得た。
【0039】比較例1 残存界面活性剤濃度が900ppmである以外は実施例
1と同様な方法で型付け用離型材を得た。
【0040】比較例2 残存界面活性剤濃度が900ppmである以外は実施例
2と同様な方法で型付け用離型材を得た。
【0041】比較例3 残存界面活性剤濃度が1000ppmである以外は実施
例3と同様な方法で型付け用離型材を得た。
【0042】比較例4 残存界面活性剤濃度が1000ppmである以外は実施
例4と同様な方法で型付け用離型材を得た。
【0043】比較例5 残存界面活性剤濃度が1300ppmである以外は実施
例5と同様な方法で型付け用離型材を得た。
【0044】比較例6 残存界面活性剤濃度が1300ppmである以外は実施
例6と同様な方法で型付け用離型材を得た。
【0045】比較例7 残存界面活性剤濃度が1500ppmである以外は実施
例7と同様な方法で型付け用離型材を得た。
【0046】比較例8 残存界面活性剤濃度が1500ppmである以外は実施
例8と同様な方法で型付け用離型材を得た。
【0047】比較例9 残存界面活性剤濃度が1500ppmである以外は実施
例9と同様な方法で型付け用離型材を得た。
【0048】以上実施例1〜9、および比較例1〜9で
得られた型付け用離型材について以下に示す試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0049】[初期剥離力]各型付け用離型材に、合成
皮革用樹脂組成物としてポリ塩化ビニル(ペーストレジ
ン)100重量部、ジオクチルフタレート60重量部、
発泡剤(アゾジカーボンアミド)3重量部、酸化防止剤
(共同薬品社製、KF−80A−8)3重量部、炭酸カ
ルシウム10重量部の混合物を20g/m2の厚さで塗
布した。塗布後、210℃の温度で2分間加熱硬化し
た。剥離力は15mm幅の試験片の発泡ポリ塩化ビニル
シートと型付け用離型材の剥離強度で表わした。
【0050】[繰返し剥離力]各型付け用離型材におい
て、上記の塩化ビニルシートの作成を5回繰り返し、5
回目の塩化ビニルシートを、型付け用離型材から剥離す
る場合の剥離強度(15mm幅)で表わした。
【0051】[光沢]各型付け用離型材において最初に
作成した合成皮革の光沢を、故紙パルプを全く含まない
型付け用離型材(平滑面、またはマット面、あるいは実
施例、皮革例と同様のエンボス加工を施してある。標準
品と称する)を用いて作成した合成皮革の光沢と比較し
た。標準品で得られた合成皮革面と同等の光沢を優する
ものを光沢優、標準品で得られた合成皮革面に比べやや
曇った感じのするものを光沢並、標準品で得られた合成
皮革面に比べ明かに曇った感じのするものを光沢劣とし
た。
【0052】
【表1】
【0053】評価・・実施例において作成した型付け用
離型材は、原紙に故紙パルプを含有しているにも関わら
ず、残存界面活性剤の量を800ppm以下にすること
により、転写面の光沢が優れた型付け用離型材となる。
剥離力、繰り返し剥離力も充分低く、また安定してい
る。この効果は、平滑面、マット面、エンボス面の区別
なく現われる。
【0054】
【発明の効果】本発明の評価からも明かなように、本発
明による方法により、安価で、離型性が良好で、繰り返
し使用が可能で、剥離力の安定性が良好で、転写面の光
沢が良好な優れた型付け用離型材であり、実用価値が大
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B44C 1/17 G 9134−3K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙にシリコーン樹脂離型層を設けた型
    付け用離型材において、該原紙が故紙パルプを含有する
    とともに、該原紙に含まれる残存界面活性剤の量が80
    0ppm以下であることを特徴とする型付け用離型材。
  2. 【請求項2】 該型付け用離型材にエンボス加工がなさ
    れていることを特徴とする請求項1記載の型付け用離型
    材。
  3. 【請求項3】 該シリコーン樹脂離型層を形成する樹脂
    が、シリコーン樹脂とアルキド化合物の混合物、あるい
    はそれらの共重合体よりなることを特徴とする請求項1
    記載の型付け用離型材。
  4. 【請求項4】 該シリコーン樹脂離型層を形成する樹脂
    が、シリコーン樹脂と放射線硬化性樹脂の混合物、ある
    いはそれらの共重合体よりなることを特徴とする請求項
    1記載の型付け用離型材。
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