JPH0824776A - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents

化粧シート及びその製造方法

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JPH0824776A
JPH0824776A JP16428894A JP16428894A JPH0824776A JP H0824776 A JPH0824776 A JP H0824776A JP 16428894 A JP16428894 A JP 16428894A JP 16428894 A JP16428894 A JP 16428894A JP H0824776 A JPH0824776 A JP H0824776A
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JP
Japan
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resin composition
ionizing radiation
curable resin
sheet
decorative sheet
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JP16428894A
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English (en)
Inventor
Yoichi Hirota
田 陽 一 広
Ichiro Kawabata
幡 一 郎 川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化粧シートの製造方法において電離放射線硬
化型樹脂組成物の薄葉紙からの裏抜け、引いてはロール
の汚染を防止する。化粧シートの保護膜を簡易に提供す
る。 【構成】 本発明は、非吸収性且つ離型性の合成樹脂シ
ートに電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布し、前記電離
放射線硬化型樹脂組成物の塗布面に薄葉紙をラミネート
し、前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜に電離放射
線を照射することによりその塗膜を架橋硬化し、および
合成樹脂シートを500g/inch幅以下の剥離強度
で剥離除去することからなる化粧シートの製造方法を提
供する。また、本発明は、薄葉紙上に電離放射線硬化型
樹脂組成物を架橋硬化させてなる塗膜と、さらにその上
に非吸収性かつ離型性の合成樹脂シートとからなる保護
膜を500g/inch幅以下の剥離強度で離型可能に
接着してなる化粧シートを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧板の製造に使用さ
れる化粧シートの製造方法に関し、特に、電離放射線硬
化型樹脂組成物をコートした化粧シートの製造方法、さ
らに具体的には、基材である薄葉紙に電離放射線硬化型
樹脂組成物をコートする工程において、塗布液が薄葉紙
の塗布面の裏側に抜ける、いわゆる「裏抜け」を防止し
た化粧シートの製造方法に関する。本発明はまた電離放
射線硬化型樹脂の硬化塗膜層の表面に剥離可能に離型性
樹脂シートを仮接着してなる化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧板の製造に使用される化粧シ
ートには、合成樹脂含浸紙を乾燥したメラミン化粧板、
ジアリルフタレート化粧板、ポリエステル化粧板等に使
用される優れた表面特性を有する化粧シートがあった
が、この化粧シートを使用して化粧板を製造するには、
この化粧シートを別製のコア紙、オーバーレイ紙等と積
層し、これを熱プレスする工程が必要であるために、大
量の熱エネルギーを消費していた。また従来、化粧板の
製造に使用される化粧シートとして塩化ビニル化粧シー
トが知られており、この化粧シートは基板に接着剤で貼
り合わせることにより化粧板が製造できるという製造の
容易な利点があったが、この化粧シートにより製造した
化粧板は、表面特性、特に、硬度、耐溶剤性、耐熱性等
が劣っているという問題があった。
【0003】上記各問題点を解決するための化粧シート
として、薄葉紙に電子線硬化型樹脂を含浸させて、電子
線を照射して硬化させた化粧シートが知られている。こ
の化粧シートを使用して化粧板を製造するには、熱エネ
ルギーを大量に消費することがなく、またこの化粧シー
トを使用して製造された化粧板は、表面硬度、耐溶剤
性、耐熱性等の優れた表面特性を有している。このよう
な薄葉紙に電子線硬化型樹脂を含浸させた化粧シートの
製造方法には、例えば、特公昭49−31033号公
報、本出願人が既に出願した特公平1−55991号公
報に記載されるものがあった。
【0004】更に、本出願人は、耐セロテープ剥離性
(塗膜表面にセロハン粘着テープを貼付けた後、剥離し
た際に塗膜が紙から剥離しないだけの耐久性。塗工紙に
通常要求される物性)を特に向上させた化粧シートとし
て、特開平4−117466号公報において、電子線重
合性オリゴマーと電子線重合性モノマーとシリコンアク
リレート離型剤とからなる電子線硬化型樹脂塗料を紙に
塗布して電子線で架橋硬化させる化粧シートの製造方法
を開示した。
【0005】図3は従来の電離放射線硬化型樹脂組成物
をロールコーターを使用して薄葉紙に塗布する様子を示
している。また、図4は図3のロールコーターの圧胴、
塗布ロール、塗布される薄葉紙、及び電離放射線硬化型
樹脂組成物の状態を示す拡大図である。図3及び図4
中、21は薄葉紙、22は塗布ロール、23は圧胴、2
4は電離放射線硬化型樹脂組成物、25は塗料パンであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図3に示されるロール
コーターを使用して薄葉紙21へ電離放射線硬化型樹脂
組成物24を塗布する場合において、塗料パン25に収
容している電離放射線硬化型樹脂組成物24を塗布ロー
ル22によりピックアップし、圧胴23とにより薄葉紙
21へ塗布していると、薄葉紙21が繊維質且つ多孔質
のため、図4に示すように電離放射線硬化型樹脂組成物
24が薄葉紙21中に浸透し、電離放射線硬化型樹脂組
成物24が圧胴23まで達して、圧胴23を汚染すると
いう問題があった。また、薄葉紙21はカール、シワ等
が発生しやすく、その塗布量も15〜20g/m2 位が
限界であった。
【0007】特に電離放射線硬化型樹脂組成物24中に
艶消剤、着色顔料等の微粒子が分散されていると、電離
放射線硬化型樹脂組成物24が薄葉紙21へ含浸する際
に、その含浸速度は場所によってバラツキが生じやすく
なり、塗膜厚、樹脂分濃度がバラツキ、塗膜の色、光沢
等のムラが生ずるという問題があった。
【0008】上記のような問題を解決するために、薄葉
紙に含浸させる電離放射線硬化型樹脂組成物を、染み込
みにくいような粘度の高いものを選択し、薄葉紙に塗工
することが考えられるが、このような電離放射線硬化型
樹脂組成物を使用すると、塗工適性が悪くなり、塗膜表
面の平滑性が不良となったり、また、塗膜に気泡が混入
し易くなるという問題を生ずる。
【0009】上記のような問題を解決するためのさらに
別の方法として、薄葉紙に予め塗料の染み込み防止用の
シーラーを塗工することが考えられるが、このような方
法は、余分な工程及び余分な材料が必要であるという問
題点を有する。また、このようなシーラーについて要求
される機能は、電離放射線硬化型樹脂組成物が薄葉紙の
裏面にまで抜けない程度の浸透のしにくさ、及び塗膜表
面の平滑性との両立が要求され、しかも、シーラーが薄
葉紙と電離放射線硬化型樹脂組成物との両物質に良好に
接着することも要求され、そのような機能を有するシー
ラー用の材料配合が難しいという問題がある。
【0010】そこで本発明は、上記従来の電離放射線硬
化型樹脂組成物を薄葉紙へコートする際の問題点を解決
し、特に、電離放射線硬化型樹脂組成物が薄葉紙に浸透
して圧胴まで達して汚染するという圧胴への裏抜けの問
題点を塗工適性を落とすことも無く、またシーラーを使
用することもせずに解決し、電離放射線硬化型樹脂組成
物の浸透ムラによる塗膜の色ムラ、艶ムラを生ぜず、且
つ薄葉紙のカール、シワ等を抑えることができる化粧シ
ートの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、非吸収性且つ離型性の合成樹脂シート
に電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布し、前記電離放射
線硬化型樹脂組成物の塗布面に薄葉紙をラミネートし、
前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜に電離放射線を
照射することによりその塗膜を架橋硬化し、合成樹脂シ
ートを500g/inch幅以下の剥離強度で剥離除去
することから構成される化粧シートの製造方法を提供す
るものである。
【0012】また、本発明は、非吸収性且つ離型性の合
成樹脂シートに溶剤で希釈された電離放射線硬化型樹脂
組成物を塗布し、電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜に
含まれている溶剤を乾燥して除去し、前記電離放射線硬
化型樹脂組成物の塗布面に薄葉紙をラミネートし、前記
電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜に電離放射線を照射
することによりその塗膜を架橋硬化し、合成樹脂シート
を500g/inch幅以下の剥離強度で剥離除去する
ことから構成される化粧シートの製造方法を提供するも
のである。
【0013】また、本発明は、薄葉紙上に電離放射線硬
化型樹脂組成物を架橋硬化させてなる塗膜と、さらにそ
の上に非吸収性かつ離型性の合成樹脂シートとからなる
保護膜を500g/inch幅以下の剥離強度で離型可
能に接着してなる化粧シートを提供するものである。
【0014】本発明の化粧シートの製造方法によれば、
電離放射線硬化型樹脂組成物が薄葉紙に浸透し圧胴まで
達して圧胴を汚染することがない。また、本発明の化粧
シートの製造方法によって得られた化粧シートは、カー
ル、シワ等の発生がない。また、電離放射線硬化型樹脂
組成物の浸透ムラによる塗膜の色ムラ、艶ムラを生じな
い。そして、剥離時に合成樹脂シート、塗膜または紙が
破断したり、剥離後の塗膜表面に剥離時の力によって艶
ムラが生じたりしない。
【0015】また、本発明において塗工適性、脱泡適性
をよくするために電離放射線硬化型樹脂組成物を溶剤希
釈して使用しても、前記の性能は失われない。
【0016】さらに、従来使用されていたシーラー等特
殊な処理剤が不要であり、このシーラー塗工工程を省略
することができる。
【0017】なお、本発明の化粧シートは合成樹脂シー
トをラミネートした状態にしておくことによって、合成
樹脂シートをそのまま化粧シートの保護膜として利用す
ることができる。
【0018】本発明において、表面が鏡面の化粧シート
を製造するためには、前記化粧シートの製造方法におい
て、合成樹脂シートの表面が鏡面となっているものを使
用すると、表面が鏡面の化粧シートを得ることができ
る。 (薄葉紙)本発明で使用可能な薄葉紙は、例えば、無サ
イズ紙、リンター紙、クラフト紙、上質紙、和紙、或い
はポリエステル等の樹脂繊維を用いた不織布等である。
ただし、本発明の主題に合致する限り、これらには限定
されない。本発明の化粧シートを得る際に、浸透性の良
好な薄葉紙に略均一に含浸されている電離放射線硬化型
樹脂組成物が、完全に硬化されるためには、坪量が30
0g/m2 以下の薄葉紙とすることが必要である。ただ
し、坪量が極端に少なすぎると、塗布時の張力等により
紙が切れ易くなるため、加工が難しく、製紙すること自
体困難となる。そのため、坪量は10g/m2 以上、好
ましくは20g/m2 以上であることが望ましい。 (合成樹脂シート)本発明において使用される合成樹脂
シートは、塗工した電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化
物に対して離型性がよく、また、電離放射線硬化型樹脂
組成物中の単量体や必要に応じ添加する希釈溶剤で変
質、溶解等しないものを選ぶ。通常、2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアリレート
等を用いることができ、その厚さ20〜100μm程度
のものが好適に使用される。塗布すべき表面は鏡面平滑
(通常表面粗さ、JIS−B−0601の中心線平均粗
さRa<1μm程度)、或いは艶消面(1μm≦Ra≦
100μm程度)、等適宜選択できる。
【0019】この合成樹脂シートと硬化済の塗膜との間
の剥離強度(合成樹脂シートに樹脂組成物を塗布し硬化
した後互いに90度の角度で引張って剥離するために要
する張力を測定する)は、剥離時に合成樹脂シート、塗
膜または紙が破断したり、剥離後の塗膜表面に剥離時の
力によって艶ムラが生じたりする欠点を生じないように
500g/inch幅以下であることが好ましい。ま
た、この剥離強度は、塗布後、化粧シートをロール状に
巻き取ったり各種基材(合板等)に貼着し、後述のラッ
ピング加工を行ったりした際に離脱しないように4g/
inch幅以上であることが好ましい。実用上好ましい
剥離強度の範囲としては、50〜200g/inchで
ある。
【0020】このような合成樹脂シートを選択して使用
することにより、電離放射線硬化型樹脂組成物の薄葉紙
への塗工時に裏抜け等の心配がないので、圧胴を汚染す
ることがなく、且つ電離放射線硬化型樹脂組成物を高塗
布量で塗布することができ、化粧シートの表面塗膜の膜
厚を厚くすることができる。また、化粧シートから合成
樹脂シートを剥離すると、合成樹脂シートの表面の艶、
凹凸模様が塗膜表面に賦形され、忠実に再現される。し
たがって、合成樹脂シートの裏面が鏡面である場合、本
発明により得られる化粧シートの表面は鏡面となる。
【0021】本発明で使用される合成樹脂シートは、電
離放射線硬化型樹脂組成物が硬化された後に、化粧シー
トから連続工程で剥離してもよいし、或いは合成樹脂シ
ートが化粧シートに添着されたままの状態としてもよ
い。後者の化粧シートの場合、この合成樹脂シートは化
粧シート表面の保護フィルムとなり、化粧シート表面の
傷付防止、割れ防止として機能するので、合板等の基材
への貼り合わせ、Vカット加工、ラッピング加工等を行
なった後に、剥離してもよい。 (電離放射線硬化型樹脂組成物)本発明で使用される電
離放射線硬化型樹脂組成物には、電子線硬化型樹脂組成
物および紫外線硬化型樹脂組成物が含まれる。
【0022】本発明で使用される電離放射線硬化型樹脂
組成物は、好ましくは、不飽和ポリエステル、或いは分
子中に2個以上のアクリロイル基、メタアクリロイル基
等の不飽和官能基を有する変性(メタ)アクリル酸エス
テル、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポ
リエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキ
ッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹
脂、ポリチオールポリエン樹脂、シリコン樹脂、多価ア
ルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリル酸エステ
ルのオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤
としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N
−ビニルピロリドン等の単官能単量体並びに多官能単量
体、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ト
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、シペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有す
るものである。なお、本発明において、「(メタ)アク
リレート」とは「アクリレートまたはメタアクリレー
ト」の意味で用いられる。
【0023】紫外線硬化型にする場合、通常はこれらの
組成物中にはベンゾフェノン、チオキサントン等の公知
の光反応開始剤が添加される。
【0024】また、電離放射線硬化型樹脂組成物には離
型剤が含まれる場合があるが、その添加量を制限するこ
とが好ましい。なぜなら、この樹脂組成物にシリコンア
クリレート等の離型剤を添加し合成樹脂シート上に樹脂
組成物を塗布した場合に、樹脂組成物が撥かれてムラ状
になり塗膜が不均一となり易いからである。この傾向は
紙に塗工する場合よりも顕著である。ゆえに、樹脂組成
物にシリコンアクリレート等の離型剤を全く添加しない
か、あるいは添加するとしても0.1重量%以下とする
ことが好ましい。
【0025】電離放射線硬化型樹脂組成物には、顔料、
艶消し剤等の適宜の添加剤を添加することができる。そ
の粒径は、1〜100μmが好ましく、添加剤の例に
は、カーボンブラック、群青、紺青、酸化鉄(ベンガ
ラ)、酸化チタン、キナクリドン、シアニンブルー等の
有機又は無機の顔料(又は染料)、炭化カルシウム、シ
リカ等の艶消し剤が挙げられる。本発明で使用される電
離放射線硬化型樹脂組成物が着色顔料を分散しているよ
うな光吸収タイプである場合には、紫外線照射による塗
膜の硬化を行なうと未硬化部分が生ずるので、このよう
な場合には、電離放射線硬化型樹脂を電子線硬化型とす
ることが望ましい。
【0026】電離放射線硬化型樹脂組成物がアクリレー
ト又はメタアクリレート樹脂を含む場合には、塗膜レベ
リング性の向上や耐擦傷性塗膜とするために、該樹脂組
成物中にシリコンアクリレートを添加してもよい。
【0027】電離放射線硬化型樹脂組成物は、塗工適性
(レベリング性等)を向上させるために、溶剤で希釈
後、塗布してもよい。但し、溶剤希釈した樹脂組成物を
離型性合成樹脂シート上に塗布した場合には、樹脂組成
物から完全に溶剤を蒸発させて乾燥した後で、合成樹脂
上に薄葉紙を貼り合わせるようにする。これは、残留溶
剤等による気泡や硬化不良等を防止するためである。
【0028】これらの電離放射線硬化型樹脂組成物の硬
化方法は通常の硬化方法、即ち、電子線または紫外線の
照射によって硬化することができる。例えば、電子線硬
化の場合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ
型、共振変圧型、絶縁コア変圧型、直線型、タイナトロ
ン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される5
0〜1000KeV、好ましくは100〜300KeV
のエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化
の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カ
ーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ
等の光線から発する紫外線等が利用できる。
【0029】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施例
を詳細に説明する。ただし、これらは例示であり、本発
明の範囲を何等制限するものでない。
【0030】図1は本発明の化粧シートに合成樹脂シー
トがラミネートされた状態を示している。図1におい
て、1は薄葉紙、2は電離放射線硬化型樹脂組成物層、
3は合成樹脂シートである。合成樹脂シート3は塗料硬
化直後に剥離してもよいが、保護膜として残存させて使
用してもよい。すなわち、合成樹脂シート3が化粧シー
トにラミネートされた状態とし、傷付防止の目的で表面
保護層とし使用することができる。さらに、合成樹脂シ
ート3が化粧シートにラミネートされたままで合板等に
貼着・積層し、化粧板の割れ防止層として使用すること
もできる。特に、該合成樹脂シートを、例えば、実公大
15−31122号公報、特公昭56−7866号公報
に開示されるような所謂Vカット加工(一旦、化粧シー
トを基板に添着し、基板の裏面に断面がV字又はU字状
の溝を切削形成し、該溝に接着剤を塗布して、該溝部を
内側に折り曲げて接着し、L字型、コの字型、ロの字
型、或いは箱型を形成する方法)に用いる場合には、塗
膜の亀裂や切断(V溝部で)を防止できて好都合であ
る。該合成樹脂シートはまた、特公昭61−5895号
公報等に記載のいわゆるラッピング貼り合わせ加工によ
り、4角柱等の柱状体の周囲を包み込んで貼る様な場合
にも塗膜の隅角部での切断や亀裂を防止するのにも有効
である。
【0031】図2は、本発明の化粧シートの製造に使用
される製造装置を示す。12は電離放射線硬化型樹脂組
成物を示し、塗料パン13内に収容されている。この電
離放射線硬化型樹脂組成物12は、循環ポンプ4によっ
て、金ロール6とゴムロール7の相互で形成された塗料
ダム5に供給される。ゴムロール7とロール8によって
送り込まれた合成樹脂シート3の表面に、ゴムロール7
から供給される電離放射線硬化型樹脂組成物12が塗布
される。次いで、この合成樹脂シート3の表面の電離放
射線硬化型樹脂組成物12の塗布面に、ロール8及びロ
ール9により薄葉紙1が送りだされ、ラミネートされ
る。次いで、照射装置10によりラミネートされたシー
トに電子線又は紫外線を照射し、電離放射線硬化型樹脂
組成物12を硬化させる。最後に、合成樹脂シート3が
ラミネートされた状態の化粧シート11を巻取りロール
14により巻き取る。なお、巻取りロール14で巻き取
られる前に、合成樹脂シート3を剥離してもよい。
【0032】
【例1】図2に示される化粧シート製造装置を用いて、
本実施例の化粧シートを製造した。金ロールとゴムロー
ルとによって塗料ダムが形成され、4つのロール構成を
持つ塗工装置によって、厚さ25μmの表面平滑な2軸
延伸PETフィルム(T−60:商品名、東レ株式会社
製)上に、次の組成の電子線硬化型樹脂組成物(810
墨:商品名、ザ・インクテック株式会社製)を塗布し
た。
【0033】 (電子線硬化型樹脂組成物の組成) 電子線硬化型オリゴマー:多官能ポリエステルアクリレート (分子量 1400) …97重量部 顔料:カーボン(粒径10μm以下) … 3重量部 次いで、坪量80g/m2 の建材用薄葉紙を前記電子線
硬化型樹脂組成物の塗布面に合わさるように貼り合わ
せ、その後、次の照射条件で電子線硬化型樹脂組成物を
硬化させた。
【0034】 (照射条件) スピード 20m/min 電流 49mA 電圧 175kV 線量 3Mrad O2 濃度 300ppm 次いで、2軸延伸PETフィルムを剥離して化粧シート
とした。
【0035】得られた化粧シートは、塗膜面が平滑で色
ムラ、光沢ムラがなく、かつ、気泡、カール、シワ等の
発生もなく、外観も良好であった。また、製造工程にお
いて、圧胴への電子線硬化型樹脂組成物の汚染(裏抜
け)もなかった。また、得られた化粧シートの電子線硬
化型樹脂組成物の塗布量は20〜50g/m2 であり、
十分な表面強度、耐薬品性、厚塗り塗装感を有してい
た。
【0036】
【発明の効果】本発明の化粧シートの製造方法によれ
ば、電離放射線硬化型樹脂組成物の薄葉紙からの裏抜
け、引いてはロールの汚染を防止することができる。
【0037】また、本発明の化粧シートの製造方法によ
れば、化粧シートにおけるカール、シワ等の発生を防止
することができる。また、電離放射線硬化型樹脂組成物
の浸透ムラによる塗膜の色ムラ、艶ムラを生じない。な
お、塗工適性、脱泡適性をよくするために、電離放射線
硬化型樹脂組成物を溶剤希釈して使用しても前記の性能
を失わない。
【0038】また、本発明の化粧シートの製造方法によ
れば、合成樹脂シートの表面を鏡面とすることにより、
得られる化粧シートの表面を鏡面とすることができる。
【0039】さらに、本発明の化粧シートによれば、合
成樹脂シートをラミネートした状態にしておくことによ
り、化粧シートを保護することができる。そして、合成
樹脂シートを剥離除去する際に、塗膜或いは薄葉紙が剥
離したり破断したりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートにおいて合成樹脂シートが
ラミネートされた状態を示す。
【図2】本発明の化粧シートの製造に使用される製造装
置を示す。
【図3】従来の電離放射線硬化型樹脂組成物をロールコ
ーターを使用して薄葉紙に塗布する様子を示す。
【図4】図3のロールコーターの圧胴、塗布ロール、塗
布される薄葉紙、及び電離放射線硬化型樹脂組成物を拡
大した状態を示す。
【符号の説明】
1 薄葉紙 2 電離放射線硬化型樹脂組成物層 3 合成樹脂シート 4 循環ポンプ 5 塗料ダム 6 金ロール 7 ゴムロール 8、9 ロール 10 照射装置 11 化粧シート 12 電離放射線硬化型樹脂組成物 13 塗料パン 14 巻取りロール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)非吸収性かつ離型性の合成樹脂シー
    トに、電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布し、 (b)前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗布面に薄葉
    紙をラミネートし、 (c)前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜に電離放
    射線を照射することによりその塗膜を架橋硬化し、 (d)合成樹脂シートを500g/inch幅以下の剥
    離強度で剥離除去することから構成される化粧シートの
    製造方法。
  2. 【請求項2】(a)非吸収性且つ離型性の合成樹脂シー
    トに、溶剤で希釈された電離放射線硬化型樹脂組成物を
    塗布し、 (b)前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜に含まれ
    ている溶剤を乾燥して除去し、 (c)前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗布面に薄葉
    紙をラミネートし、 (d)前記電離放射線硬化型樹脂組成物の塗膜に電離放
    射線を照射することにより、その塗膜を架橋硬化し、 (e)合成樹脂シートを500g/inch幅以下の剥
    離強度で剥離除去することから構成される化粧シートの
    製造方法。
  3. 【請求項3】薄葉紙上に電離放射線硬化型樹脂組成物を
    架橋硬化させてなる塗膜と、さらにその上に非吸収性か
    つ離型性の合成樹脂シートとからなる保護膜を500g
    /inch幅以下の剥離強度で離型可能に接着してなる
    化粧シート。
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