JPH05104682A - 剥離紙およびその製造方法 - Google Patents

剥離紙およびその製造方法

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JPH05104682A
JPH05104682A JP29647091A JP29647091A JPH05104682A JP H05104682 A JPH05104682 A JP H05104682A JP 29647091 A JP29647091 A JP 29647091A JP 29647091 A JP29647091 A JP 29647091A JP H05104682 A JPH05104682 A JP H05104682A
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JP
Japan
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paper
release
resin
electron beam
release paper
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JP29647091A
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English (en)
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Junji Harada
純二 原田
Takahisa Kato
隆久 加藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し使用特性の良好な剥離用シートを効
率よく製造する。 【構成】 支持体上の少なくとも片面に剥離層を有する
剥離紙において、該支持体が、5μm以上の厚みの熱可
塑性フィルムの両面を紙で積層した支持体である剥離
紙。熱可塑性フィルムの25℃、常圧での水蒸気透過速
度が3×10-3[cm3(STP)/cm2・S]以下である
ことが好ましい。 【効果】 高温で有機溶媒と剥離層が接した場合に、剥
離樹脂中に残る有機溶媒の量が少なく、剥離樹脂の強度
が保たれるため、ピンホール、ラブオフなどの故障がお
こらず、繰り返し使用性が優れた剥離紙が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィルム
を積層した紙を支持体とした剥離紙に関するものであ
り、ラベル用やマーキングフィルム用の剥離紙、プレプ
リグ製造用やセラミックグリーンシート用の工程紙など
に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】紙、ラミネート紙、合成紙、プラスッチ
クフィルムなどの紙支持体の上に、有機ポリシロキサン
(シリコーン樹脂)からなる剥離層を設けたシリコーン
剥離紙は、近年多くの用途に使用されている。剥離層の
形成方法としては、有機すず化合物やその他の重金属
塩、または白金系の触媒を含む縮合型、もしくは付加型
シリコーン系樹脂の溶液、またはエマルジョンを塗布し
た後、熱風オーブン中で120℃から180℃で加熱
し、硬化被膜を形成する方法が一般的である。このよう
な熱的な方法で剥離紙を製造するには、片面に剥離樹脂
を塗布した後、加熱乾燥、および剥離樹脂の硬化を行う
のが一般的である。
【0003】グラシン紙やコーテッド紙など紙を支持体
に用いた剥離紙において、このような高温加熱処理を行
なう場合、紙支持体に耐熱性が必要なことは勿論のこ
と、紙支持体内部の水分蒸発により、しわやカールが発
生しやすいという欠点を有していた。また、加熱乾燥工
程においては、剥離層は表面から硬化しはじめるため、
水分蒸発に伴い硬化した剥離層にピンホールが生じ易い
という欠点を有していた。このようなピンホールは、発
生頻度が少なければ剥離強度にはそれほど影響を与えな
いが、剥離紙の表面形状を転写する場合には致命的な欠
陥であった。このような欠点を克服するひとつの手段と
して、無溶剤型シリコーン樹脂、その中でも特に紫外線
および電子線照射により硬化可能な官能基を有するシリ
コーン樹脂を用いて、紫外線または電子線硬化を行なう
低温キュアリング型の剥離紙製造技術が開発された。こ
れらの方法によれば、剥離紙製造工程中における高温処
理に伴う脱水に由来するカール、しわなどや、やはり高
温処理に由来する収縮、ピンホール等の発生は比較的防
ぐことが可能で、特に表面平滑性の必要な剥離紙を製造
する場合に優れている。
【0004】しかしながら、シリコーン樹脂からなる剥
離層、あるいはシリコーン樹脂を含有する剥離層を、有
機溶媒を含有した高温樹脂(合成皮革用あるいはマーキ
ングフィルム用ウレタンペースト、塩ビペーストなど)
の剥離支持体として用いると、シリコーン樹脂そのもの
の耐熱性は高いにも関わらず、少しずつシリコーン樹脂
が脱落して次第に剥離性が低下(剥離強度が大に変化)
し、また樹脂表面の光沢も劣るという欠点があった(特
公平3ー27677号報)。
【0005】シリコーン樹脂そのものはアルコール分離
膜などに用いられていることからも明かなように、非常
に高い有機溶剤透過性かつ水分遮断性を示す。高分子中
での有機溶媒あるいはガスの透過性は2重収着理論から
高分子中(この場合シリコーン樹脂中)のミクロボイド
表面にラングミュア吸着する成分と、ヘンリーの分圧則
に従う溶解成分からなり、また、透過性は拡散性と溶解
性の積で示されることが知られている。シリコーン樹脂
の高い透過性は、分子としての相互作用が小さく、その
分屈曲性に富み、結果として高い拡散係数を示すことに
ある。このような高分子を高温で、多量の有機溶媒を含
む樹脂と接触させると、有機溶媒の一部はシリコーン樹
脂中に吸着および溶解した形で取り込まれる。この場合
の有機溶媒の取り込まれ方は、シリコーン樹脂の反対面
が開放系、あるいは減圧系になっていればより効率的に
取り込まれることは、吸引ろ過などと同じ理屈である。
紙支持体にシリコーン樹脂層を設けた場合が開放系に相
当し、加熱状態から冷却状態に移行する場合に有機溶媒
に接していれば減圧系に相当する。このような有機溶媒
を含んだシリコーン樹脂は当然ながら強度的に弱く、ま
た加熱・冷却のサイクルを繰り返すと溶媒の気化がシリ
コーン樹脂内で起こり、部分的な樹脂の破壊、脱落を引
き起こして樹脂の脱落がおこるため、転写光沢や剥離性
が低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、紙を支持体に用いた剥離紙におい
て、繰り返し使用しても剥離層の脱離が起こらず、剥離
特性が低下せずかつ光沢転写性の良好な剥離紙およびそ
の製造方法を確立することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点を解決する手段を鋭意研究した結果、以下の
ような方法を見いだすに至った。すなわち、支持体の少
なくとも片面に剥離層を有する剥離紙において、該紙支
持体が、5μm以上の厚みであり、かつ25℃、常圧に
おける水蒸気透過速度が3×10ー3[cm3(STP)/cm
2・s]以下である熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも
片面を紙で積層した支持体であることを特徴とする剥離
紙およびその製造方法の発明である。剥離層は熱硬化に
よるものでも、紫外線照射あるいは電子線照射により硬
化した層であっても良い。熱可塑性樹脂フィルムを紙と
積層するには、溶融押し出しによるラミネートでも良い
し、フィルムをドライラミネート、ホットメルト、溶剤
系あるいはエマルジョン系粘着剤によるラミネート、ま
たは電子線硬化性の樹脂によるラミネートでも良い。特
に剥離層の硬化とラミネートの接着を両方とも電子線照
射により行う場合には、1度の電子線照射で両方の層の
硬化が可能であり経済的である。
【0008】我々は、高温の有機溶媒を含んだ系と剥離
紙を接触させた場合に起るシリコーン樹脂欠落の見地か
ら、支持体を各種変化させてシリコーン樹脂の脱落、あ
るいは表面性の劣化からくる光沢の低下を試験した結
果、これらの事象は意外にも多分に支持体を構成する紙
の水分透過性に依存していることをつきとめた。すなわ
ち、紙支持体中に水蒸気透過性が一定値以下に規制され
た層が存在すると、シリコーン樹脂を高温の有機溶媒を
含んだ系に接触させてもシリコーン樹脂の強度的な欠陥
からおこると考えられるシリコーン樹脂の脱落、剥離性
悪化、光沢低下が起こりにくい。この現象の理由は明か
にはされていないが、おそらく次のようであると考えら
れる。すなわち、単に紙を支持体とした場合のように支
持体の水分透過性が高いと、高温で剥離層に有機溶媒が
接触した場合に、支持体の水分および内部空気は他端か
ら失われ、ほとんど一端が開放系であるが如く、有機溶
媒はシリコーン樹脂中に溶解し、特に温度変化を与えた
場合など、シリコーン樹脂の強度低下、脱落(ピンホー
ル)、剥離性悪化、光沢低下の原因となる。当然これら
の欠陥は、剥離紙面を転写する場合には転写面の欠陥と
して現われる。支持体の水蒸気透過性が規制された場合
においては、剥離層上に高温の有機溶媒が接触しても、
紙支持体中の水分は熱可塑性フィルムと、水分透過性の
低いシリコーン樹脂層に挟まれ、紙支持体中の圧力が保
持される。このため有機溶媒が溶解できる範囲ははシリ
コーン樹脂の表面のみに制限され、加熱されることによ
り容易に大気中に拡散し、シリコーン樹脂の強度低下を
引き起こさないものと考えられる。
【0009】剥離紙を高温で使用する場合に、熱可塑性
樹脂フィルムと剥離層が直接接触していると、剥離層の
脱離が生じたり、熱可塑性樹脂フィルムの表面が軟化し
て剥離層の表面光沢を低下させたり、熱収縮による応力
が表面に直接かかってシリコーン樹脂層に微少なシワが
発生するため、熱可塑性樹脂フィルムと剥離層の間に紙
が支持体として積層されるほうが好ましい。また、裏面
が直接加熱された場合も熱収縮して剥離紙全体にカール
を引き起こしたり、熱溶融炉内を汚染したりする場合が
あるので裏面も紙を積層する方が好ましい。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて、紙支持体として用いられる原紙は、グラシン紙、
上質紙、コーテッド紙などの通常の天然パルプ紙、合成
繊維、あるいは合成樹脂フィルムを擬紙化したいわゆる
合成紙を用いることができるが、針葉樹パルプ、広葉樹
パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプを主成分
とする天然パルプ紙が有利に用いられる。原紙の厚みに
関しては、特に制限はないが、平滑なものが好ましく、
その坪量は30g/m2〜300g/m2が好ましい。
【0011】本発明の方法において、有利に用いられる
天然パルプを主成分とする原紙には、各種高分子化合
物、添加剤を含有せしめることができる。たとえば、デ
ンプン、デンプン誘導体(カチオン化デンプン、リン酸
エステル化デンプン、酸化デンプン等)、ポリアクリル
アミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
誘導体(完全ケン化、部分ケン化、カルボキシ変性、カ
チオン変性、その他の各種変性ポリビニルアルコー
ル)、ゼラチン(アルカリ処理、酸処理、各種変性ゼラ
チン)等の乾燥紙力増強剤、スターガムやアルギン酸誘
導体などの天然高分子多糖類、高級脂肪酸金属塩、ロジ
ン誘導体、ジアルキルケトン、アルケニルまたはアルキ
ルコハク酸無水物、エポキシ化高級脂肪酸アミド、有機
フルオロ化合物、ジアルキルケテンダイマー乳化物等の
サイズ剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹
脂等の湿潤紙力増強剤、安定剤、顔料、染料、酸化防止
剤、蛍光増白剤、各種ラテックス、無機電解質(塩化ナ
トリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カ
ルシウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、硫酸マグ
ネシウム、塩化バリウム等)、pH調整剤、硫酸バンド
や塩化アルミ等の定着剤、炭酸カルシウム、カオリン、
タルク、クレー等の填料、有機導電剤等の添加剤を適宜
組み合わせて含有せしめることができる。これらの含有
物は、抄紙段階においてパルプスラリー中に分散させて
もよいし、抄紙後タブサイズにおいて添加させてもよ
く、また各種コーターで溶液を塗布してもよい。
【0012】本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム
としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、エチ
レン/塩化ビニル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル共
重合樹脂、ポリ2ーメチルペンテン(TPX)、クマロ
ン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、フッ素
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド、ポ
リエチレンオキシド、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアル
コール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスチレン
樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリパラメチ
ルスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテ
ル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、
ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、セルロイ
ド、ポリエステル、などが挙げられる。本発明に用いら
れる熱可塑性樹脂フィルムはその中でも特に、25℃、
常圧における水蒸気透過速度が3×10ー3[cm3(STP)
/cm2・s]以下であることが好ましい。水蒸気の透
過速度は、一般にガス透過装置で求められる水蒸気透過
率PH2O[cm3(STP)・cm/cm2・s・cmHg]あ
るいは[cm3(STP)・cm/cm2・s・P(ハ゜スカル)]
を元に、厚みおよび圧力を換算して求めることができ
る。例えば厚み5μmの熱可塑性樹脂フィルムであれば
低密度ポリエチレン;1.4×10ー3[cm3(STP)/c
2・s](水蒸気透過率では、7.0×10ー12[cm
3(STP)・cm/cm2・s・P])、高密度ポリエチレ
ン;1.8×10ー4[cm3(STP)/cm2・s]、ポリ
プロピレン;3.2×10ー4[cm3(STP)/cm2
s]、ポリ塩化ビニリデン;1.4×10ー4[cm3(ST
P)/cm2・s]、ポリエチレンテレフタレート;2.
2×10ー3[cm3(STP)/cm2・s]などが挙げられ
る。同様な水蒸気透過速度の制御には熱硬化性樹脂を用
いることもできるが、可撓性の点から熱可塑性樹脂フィ
ルムの方が好ましい。
【0013】本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム
の厚みは5μm〜100μmであり、熱可塑性樹脂フィ
ルムの厚みがこの範囲より薄いと期待される水分の遮蔽
性が得られにくく、熱可塑性樹脂フィルム自体にピンホ
ールが生じやすく、その部分は剥離層に期待する効果が
得られない。この厚みより厚くても水分遮蔽性による効
果はあまり変わらず、製品の腰がなくなる上、コストの
み上昇する。熱可塑性樹脂フィルムは溶融押し出し、ド
ライラミ、ホットメルト系粘接着剤、エマルジョン系粘
接着剤、溶剤系粘接着剤、無溶剤系粘接着剤、放射線硬
化性樹脂などにより紙と貼り合わせてラミネートするこ
とができる。粘接着剤としては酢酸ビニル系、アクリル
系、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを
水系あるいは適当な溶剤で希釈して、あるいはカゼイ
ン、ポバール、デンプンなど水溶性樹脂を水に分散して
用いられる。当然ながら、これらの熱可塑性樹脂フィル
ムおよび貼り合わせ材料は、紙による耐熱性付与がなさ
れていても、剥離紙の使用温度範囲を考慮して選ばなけ
ればならない。本発明の剥離紙にエンボス加工、マット
加工を施してもよい。
【0014】本発明において用いられる電子線あるいは
紫外線硬化性樹脂としては、分子末端にまたは分子側鎖
に電子線あるいは紫外線硬化性の官能基を有する不飽和
ポリエステル、変性不飽和ポリエステル、アクリル系ポ
リマーおよびエチレン不飽和結合を有するポリマー、お
よびモノマーなどが単体でまたは他の溶剤とともに使用
できる。以下、電子線あるいは紫外線硬化性樹脂のうち
代表的なものの種類を例示する。
【0015】(a)ポリエステルアクリレート、ポリエ
ステルメタクリレート、例えば、アロニックスM−53
00、M−5400、M−5500、M−5600、M
−5700、M−6100、M−6200、M−630
0、M−6500、M−7100、M−8030、M−
8060、M−8100(以上、東亜合成化学工業
(株)商品名)、ビスコート700、ビスコート370
0(以上、大阪有機化学工業(株)商品名)、カヤラッ
ドHX−220、カヤラッドHX−620(以上、日本
化薬(株)商品名)などが挙げられる。
【0016】(b)ウレタンアクリレート、ウレタンメ
タクリレート、例えば、アロニックスM−1100、M
−1200、M−1210、M−1250、M−126
0、M−1300、M−1310(以上、東亜合成化学
工業(株)商品名)、ビスコート812、ビスコート8
23、ビスコート823(以上、大阪有機化学工業
(株)商品名)、NKエステル、U−108−A、NK
エステル、U−4HA(以上、新中村化学(株)商品
名)などが挙げられる。
【0017】(c)単官能アクリレート、単官能メタク
リレート、ビニルピロリドン、例えば、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、
シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、アクリロイルモルフォリン、ベンジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、N、N−ジメチルア
ミノエチルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、N、N−ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、ブトキシエチルアクリレート、ビニルピロ
リドンなど。エチレンオキシド変性フェノキシ化りん酸
アクリレートエチレンオキシド変性ブトキシ化りん酸ア
クリレート、この他に東亜合成化学工業(株)の商品名
でいえばアロニックスM−101、M−102、M−1
11、M−113、M−114、M−117、M−15
2、M−154などが挙げられる。
【0018】(d)多官能アクリレート、多官能メタク
リレート、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリ
プロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリス
リトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸ト
リアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エ
チレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、プロピレンオキシド変性ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、プロピレンオキシド変性ジペンタ
エリスリトールポリアクリレート、エチレンオキシド変
性ジペンタエリスリトールポリアクリレート、ペンタエ
リスリトールアクリル酸付加物のアクリレートエステル
などが挙げられる。東亜合成化学工業(株)の商品名で
いえばM−210、M−215、M−220、M−23
0、M−233、M−240、M−245、M−30
5、M−309、M−310、M−315、M−32
0、M−325、M−330、M−400、M−450
などが挙げられる。
【0019】これらの樹脂中には、酸化防止剤、帯電防
止剤、分散剤、安定剤などの各種の添加剤を適宜組み合
わせて加えることができる。また、本発明において、紙
支持体と剥離樹脂層の接着性と濡れ性を良くするため
に、紙表面にコロナ処理等の表面処理を行なっても、サ
ブコート等の表面処理を行なってもよい。また、本発明
の剥離紙の裏面には、カール防止、帯電防止、筆記性付
与、あるいは剥離層などのバックコート層を設けること
が出来、バックコート層には帯電防止剤、親水性バイン
ダー、ラテックス、硬膜剤、顔料、界面活性剤、粘着剤
等を適宜組み合わせて含有することができる。
【0020】本発明において、紫外線照射により予備硬
化を行う場合に、用いられる光開始剤としては、ジおよ
びトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン
類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベン
ゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチ
ルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
チオキサントン類、アゾ化合物等があり、紫外線硬化性
樹脂の硬化反応のタイプ、安定性、および紫外線照射装
置との適性などの観点から選ばれる。光開始剤の使用量
は紫外線硬化性樹脂に対して、通常0.1〜5%の範囲
である。また、光開始剤にハイドロキノンのような貯蔵
安定剤が併用される場合もある。
【0021】本発明に用いられる増感剤としては、脂肪
族アミン、芳香族基を含むアミン、窒素複素環化合物、
アリル系尿素、O-トリルチオ尿素、ナトリウムジエチル
ジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩、
N,N-ジ置換ーP-アミノベンゾニトリル系化合物、トリーnー
ブチルホスフィン、ナトリウムジエチルチオホスフェー
ト、ミヒラーケトン、N-ニトロソヒドロキシルアミン誘
導体、オキサゾリン化合物、四塩化炭素、ヘキサクロロ
エタン等があり、光開始剤と共用することにより一般に
硬化速度の向上が計れる。
【0022】本発明に用いられる剥離樹脂としては、分
子末端、または側鎖にアクリロイル基、メタクリロイル
基、ビニル基、ビニルアミド基、ヒドロシリル基、シラ
ノール基、ジアゾ基、アセチレン基、チオール基の中か
ら選択される官能基を有するシリコーン樹脂(主にポリ
ジアルキルシロキサン)であり、含フッ素樹脂、アミノ
アルキド樹脂などを共有剥離剤として混合することも可
能である。これらの剥離剤には光反応開始剤、増感剤を
加えて用いることができる。剥離剤の塗布方法としては
エマルジョン系、溶剤系、無溶剤系、溶融押し出し系な
どによる塗布が可能で、硬化機構として縮合型、付加
型、架橋型、開環重合型反応などが可能である。
【0023】紫外線あるいは電子線硬化性のシリコーン
骨格を有する剥離樹脂としては、具体的には特公昭51
−42961号、同54−6512号、同57−570
96号、同58−53656号公報等に開示されている
ような化合物であり、商品名では、FM0711、FM
0721、FM0725、PS583(以上、チッソ
(株))、KNS−50002、KNS−5100、K
NS−5200、KNS−5300、KP−600、X
−62−7052、X−62−7100、X−62−7
112、X−62−7140、X−62−7144、X
−62−7153、X−62−7157、X−62−7
158、X−62−7166、X−62−7168、X
−62−7177、X−62−7180、X−62ー7
181、X−62−7192、X−62−7200、X
−62−7203、X−62−7205、X−62−7
931、KM−875、X−62−7296A/B、X
−62−7305A/B、X−62−7028A/B、
X−62−5039A/B、X−62−5040A/B
(以上、信越化学工業(株))、RC149、RC30
0、RC450、RC802、RC710、RC71
5、RC720、RC730(以上、ゴールドシュミッ
ト社)、EBECRYL350、EBECRYL136
0(以上、ダイセルUCB(株))などが挙げられる。
さらに長鎖アルキル基を含有するアクリレートあるいは
メタクリレートおよびそのシリコーン変性化合物も良好
な放射線硬化性の剥離樹脂となる。
【0024】さらに含フッ素系の剥離樹脂としては、単
官能あるいは多官能の含フッ素アクリレートまたはパー
フルオロアルキルアクリレートとして、たとえば、2,2,
2ートリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3ーテトラフ
ルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3ーテトラフルオロ
ブチルジアクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペン
チルアクリレート、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデ
シルアクリレート、N-(n-プロピル)-N-(βーアクリロキ
シエチル)ーパーフルオロオクチルスルホン酸アミ ド、
パーフルオロアルキルエチルアクリレートなどが挙げら
れる。商品名としてはビスコート3F、ビスコート4
F、ビスコート8F、ビスコート17F(以上、大阪有
機化学工業(株))、EF−125M(三菱金属
(株))、AE800、AE1014、Hoe T 3
605(ヘキストジャパン(株))などがある。単官能
あるいは多官能含フッ素メタクリレートまたはパーフル
オロアルキルメタクリレートとして、例えば、2,2,2ート
リフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3ーテトラフル
オロプロピルメタクリレート、2,2,3,3ーテトラフルオロ
ブチルジマタクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペ
ンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオ
ロデシルメタクリレート、N-(n-プロピル)-N-(βーメタ
クリロキシエチル)ーパーフルオロオクチルスルホン酸ア
ミド、パーフルオロアルキルエチルアクリレートなどが
挙げられる。商品名としてはビスコート3MF、ビスコ
ート4MF、ビスコート8MF、ビスコート17MF
(以上、大阪有機化学工業(株))、EF−135M
(三菱金属(株))、MAE−600、MAE−101
4、MAE−800、Hoe T 3606(ヘキスト
ジャパン(株))なども使用できる。
【0025】これらの剥離樹脂は、単独もしくは2つ以
上を混合して使用することができる。また、剥離樹脂と
ともに剥離性を阻害しない範囲で、他の紫外線硬化性あ
るいは電子線硬化性樹脂、あるいはアミノアルキド樹脂
や長鎖アルキル基アクリレートなどのバインダーあるい
は希釈成分、無機および有機微粒子などのフィラー、着
色剤、酸化防止剤などの添加物を混入することができ
る。
【0026】剥離樹脂の塗布量は限定されるものではな
いが、経済的な観点からより薄いことが望まれ、好まし
くは0.2g/m2〜40g/m2の範囲内である。塗布
量が0.2g/m2未満と極端に少ないと支持体上に均
一に塗布する事が困難であり、また剥離性を悪化させ
る。塗布量を40g/m2を越えて多くしても特性上変
わらず、コストのみ向上するし、さらに極端に多くなる
と硬化後摩耗などにより剥離層が脱落しやすくなる。
【0027】本発明の剥離層および遮蔽層を形成する樹
脂を塗布する方法としては、グラビアロールおよびトラ
ンスファロールコーター、バーコーター、ロールコータ
ー、エアナイフコーター、Uコンマコーター、AKKU
コーター、スムージングコーター、マイクログラビアコ
ーター、リバースロールコーター、スクイズコーター、
リップコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ブ
レードコーター、ディップコーター、落下カーテンコー
ター、スライドコーター、ダイコーター、などいかなる
コーターを用いてもよいが、時間的に後に塗布する面の
塗布には、垂直自由落下型のカーテンコーターやダイコ
ーターなど、紙面に対して非接触型のコーターを用いる
ことは良好な表面を得る上で好ましい。
【0028】本発明に用いる紫外線照射装置としては、
例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタル
ハライドランプ等があり、オゾン発生の少ないオゾンレ
スタイプもある。一般に出力30w/cm以上のランプ
を複数本並行して使用する。
【0029】本発明に用いる電子線照射は、透過力、硬
化力の面から加速電圧が100〜1000KVであり、よ
り好ましくは100〜300KVの電子線加速器を用い、
ワンパスの吸収線量が0.5〜20Mradになるよう
にすることが好ましい。加速電圧、あるいは電子線照射
量がこの範囲より低いと電子線の透過力が低すぎて十分
な硬化が行なわれず、またこの範囲より大きすぎるとエ
ネルギー効率が悪化するばかりでなく、樹脂、添加剤の
分解、原紙の強度低下など品質上好ましくない影響が現
われる。
【0030】電子線加速器としては、例えば、エレクト
ロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルス
キャンニングタイプ等の何れでも良い。また電子線照射
の工程において、剥離紙の表面をさらに鏡面仕上げにす
る場合には、処理したい面を鏡面ロールあるいは鏡面シ
ートと密着させ、その背面あるいはシート面から電子線
を照射して硬化し、鏡面仕上げを施すことができる。型
付けを施す場合には、型付けロールあるいは型付けシー
トを使用してエンボス、微粗面等の所望の型付け面を得
ることができる。
【0031】なお、電子線照射に際しては、酸素濃度が
高いと電子線硬化樹脂の硬化が妨げられるため、窒素、
ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行
い、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは400ppm以
下に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。
【0032】
【作用】耐熱性の良好な紙を支持体とし、シリコーン樹
脂を剥離層とする剥離紙は、溶剤を含む樹脂を塗布して
高温で繰り返し使用すると、剥離層の脱離がおこり、剥
離強度を重くしたり、転写面の光沢を低下させたりする
問題があったが、支持体の水分透過性と剥離層の脱離性
の関係を詳細に検討した結果、支持体の水分透過性があ
る値以下であるならば、剥離層上に熱溶剤を含む樹脂を
塗布しても熱溶剤の剥離層あるいは紙支持体への浸透が
少なく、剥離層の強度が保たれ脱離を起こさず、従って
繰り返し使用しても剥離強度、転写面の光沢や濡れ性な
どの表面特性を低下させずに用いることができることが
判明した。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。ま
た、本発明に用いられる%、部の表示はそれぞれ重量
%、重量部を示す。
【0034】実施例1 坪量65g/m2のキャスト紙を原紙として用いた。水
蒸気透過性は25℃の飽和蒸気をガス透過率測定装置
(柳本製作所製、JTR30)を用い、バラトロンある
いはガスクロマトグラフィーにより低真空法により測定
した。この原紙の25℃における水蒸気透過速度は10
ー2[cm3(STP)/cm2・s]以上であり、水蒸気の遮
蔽には実質的に全く寄与しない。5μmの厚みのポリエ
チレンテレフタレートフィルム(帝人製、水蒸気透過速
度;2.2×10ー3[cm3(STP)/cm2・s])の両
面に、塗布重量が2g/m2の無溶剤型ポリウレタン樹
脂(ヘンケル白水社製、Liofol vR)を介して
上記キャスト原紙を接着し、剥離紙の支持体を得た。支
持体の片面に電子線硬化性の剥離樹脂(信越化学工業
(株)、商品名X−62ー7192)をグラビアコータ
ーにより3g/m2の塗布量で塗布し、電子線照射室内
の酸素濃度を窒素ガス置換により200ppm以下にした
電子線照射装置(日新ハイボルテージ(株)製、商品名
キュアトロン)内に導き、電子線加速電圧220KVで
吸収線量3Mradになるように電子線照射して硬化
し、剥離紙を得た。
【0035】実施例2 実施例1と同様な坪量65g/m2のキャスト紙を原紙
として用いた。10μmの厚みのポリエチレンテレフタ
レートフィルム(帝人製、水蒸気透過速度;1.1×1
ー3[cm3(STP)/cm2・s])の両面に、塗布重量
が2g/m2のポリウレタンアクリレート(東亜合成化
学工業製、アロニックスM1210とモノアクリレート
M113の9:1混合物)を介して上記キャスト原紙を
仮接着し、剥離紙の支持体を得た。支持体の片面に電子
線硬化性の剥離樹脂(信越化学工業(株)、商品名X−
62ー7192)をグラビアコーターにより3g/m2
の塗布量で塗布し、電子線照射室内の酸素濃度を窒素ガ
ス置換により200ppm以下にした電子線照射装置(日
新ハイボルテージ(株)製、商品名キュアトロン)内に
導き、電子線加速電圧220KVで吸収線量3Mrad
になるように電子線照射して電子線硬化性の剥離樹脂お
よびポリウレタンアクリレートを硬化し、剥離紙を得
た。
【0036】実施例3 実施例2のポリエチレンテレフタレートフィルムの厚み
を50μm(帝人製、水蒸気透過速度;2.2×10ー4
[cm3(STP)/cm2・s])に変更した以外は、実施
例2と同様にして剥離紙を得た。
【0037】実施例4 実施例1と同様な坪量65g/m2のキャスト紙を原紙
として用いた。20μmの厚みのポリプロピレンフィル
ム(三菱化成製、水蒸気透過速度;8.0×10ー5[c
3(STP)/cm2・s])の両面に、乾燥塗布重量が2
g/m2の変性アクリル樹脂エマルジョン(コニシ株式
会社製、ボンドCE780)を介して上記のキャスト紙
を重ね合わせ、60℃で5分間乾燥させた後、室温で2
日間養生し剥離紙の支持体を得た。支持体の片面に、4
本ロールコーターを用いて紫外線硬化性の剥離樹脂(信
越化学工業(株)、商品名KNS−5300)を3g/
2の塗布量で塗布した。引続き、紫外線照射装置(ウ
シオ電気(株)製、商品名ラピッドキュア)により紫外
線硬化性の剥離樹脂層の硬化を行い、剥離紙を得た。
【0038】実施例5 実施例1と同様な坪量65g/m2のキャスト紙を原紙
として用いた。20μmの厚みのポリ塩化ビニリデンフ
ィルム(旭化成製、水蒸気透過速度;4.0×10
ー5[cm3(STP)/cm2・s])の両面に、塗布重量が
2g/m2の合成ゴム系樹脂(3M社製、スコッチグリ
ップ4693)を介して、上記のキャスト紙を重ね合わ
せ、60℃で5分間乾燥させた後、室温で2日間養生し
剥離紙の支持体を得た。支持体の片面に、溶剤コーター
を用いて、95%のトルエンで希釈した熱硬化性シリコ
ーン樹脂(信越化学工業(株)、商品名KL−838お
よび1重量%の白金触媒CAT PL−8)を、乾燥後
の塗布重量が3g/m2の塗布量で塗布し、140℃で
乾燥、硬化を行い剥離紙を得た。
【0039】実施例6 実施例1と同様な坪量65g/m2のキャスト紙を原紙
として用いた。2枚のキャスト紙を10μmの厚みの溶
融押し出し低密度ポリエチレン(三菱化成製、密度;
0.918g/cc、水蒸気透過速度;1.4×10ー3
[cm3(STP)/cm2・s])を用いてラミネートを行
い支持体とした。支持体の片面に電子線硬化性の剥離樹
脂(信越化学工業(株)、商品名X−62ー7192)
をグラビアコーターにより3g/m2の塗布量で塗布
し、電子線照射室内の酸素濃度を窒素ガス置換により2
00ppm 以下にした電子線照射装置(日新ハイボルテー
ジ(株)製、商品名キュアトロン)内に導き、電子線加
速電圧220KVで吸収線量3Mradになるように電
子線照射して電子線硬化性の剥離樹脂を硬化し、剥離紙
を得た。
【0040】実施例7 実施例1と同様な坪量65g/m2のキャスト紙を原紙
として用いた。10μmの厚みの高密度ポリエチレンフ
ィルム(三菱化成製、密度;0.954g/cc、水蒸
気透過速度;2.4×10ー4[cm3(STP)/cm2
s])の両面に、塗布重量が2g/m2のポリウレタン
アクリレート(東亜合成化学工業製、アロニックスM1
210とモノアクリレートM113の9:1混合物)と
樹脂に対して1重量%の光開始剤(チバガイギー製、イ
ルガキュア651)を塗布し、紫外線照射装置により適
度な粘着性を有するまで硬化した。両面に上記キャスト
原紙を接着し、剥離紙の支持体を得た。支持体の片面に
電子線硬化性の剥離樹脂(信越化学工業(株)、商品名
X−62ー7192)をグラビアコーターにより3g/
2の塗布量で塗布し、電子線加速電圧220KVで吸
収線量3Mradになるように電子線照射して剥離樹脂
を硬化し、剥離紙を得た。
【0041】実施例8 実施例1と同様な坪量65g/m2のキャスト紙を原紙
として用いた。2枚のキャスト紙を塗布重量が12g/
2の電子線硬化性樹脂(東亜合成化学工業製、アロニ
ックス オリゴマーM8030:ジアクリレートM22
0:ウレタンアクリレートM1300の3:4:3混合
物、硬化後の被膜の水蒸気透過速度;8.0×10
ー4[cm3(STP)/cm2・s])を介して貼り合わせ、
電子線加速電圧220KVで吸収線量1Mradになる
ように電子線照射して硬化し剥離紙の支持体を得た。支
持体の片面に電子線硬化性の剥離樹脂(信越化学工業
(株)、商品名X−62ー7192)をグラビアコータ
ーにより3g/m2の塗布量で塗布し、電子線加速電圧
220KVで吸収線量3Mradになるように電子線照
射して剥離樹脂を硬化し、剥離紙を得た。
【0042】実施例9 坪量75g/m2のキャスト紙を原紙として用いた。7
μmの厚みのポリ塩化ビニルフィルム(日本ゼオン製、
水蒸気透過速度;3.0×10ー3[cm3(STP)/cm2
・s])の両面に、塗布重量が2g/m2のポリウレタ
ンアクリレート(東亜合成化学工業製、アロニックスM
1210とモノアクリレートM113の9:1混合物)
を介して上記キャスト原紙を仮接着し、剥離紙の支持体
を得た。支持体の片面に電子線硬化性の剥離樹脂(信越
化学工業(株)、商品名X−62ー7192)をグラビ
アコーターにより3g/m2の塗布量で塗布し、実施例
2と同様な方法で電子線照射して電子線硬化性の剥離樹
脂およびポリウレタンアクリレートを硬化し、剥離紙を
得た。
【0043】比較例1 坪量130g/m2のキャスト紙を原紙として用いた。
この原紙の25℃における水蒸気透過速度は10ー2[c
3(STP)/cm2・s]以上であり、水蒸気の遮蔽には
実質的に全く寄与しない。支持体の片面に電子線硬化性
の剥離樹脂(信越化学工業(株)、商品名X−62ー7
192)をグラビアコーターにより3g/m2の塗布量
で塗布し、実施例1と同様な操作で電子線照射して硬化
し、剥離紙を得た。
【0044】比較例2 坪量75g/m2のキャスト紙を原紙として用いた。乾
燥塗布重量が2g/m2の変性アクリル樹脂エマルジョ
ン(コニシ株式会社製、ボンドCE780)を介して上
記のキャスト紙2枚を重ね合わせ、60℃で5分間乾燥
させた後、室温で2日間養生し剥離紙の支持体を得た。
支持体の片面に、4本ロールコーターを用いて紫外線硬
化性の剥離樹脂(信越化学工業(株)、商品名KNS−
5300)を3g/m2の塗布量で塗布した。引続き、
紫外線照射装置(ウシオ電気(株)製、商品名ラピッド
キュア)により紫外線硬化性の剥離樹脂層の硬化を行
い、剥離紙を得た。
【0045】比較例3 坪量75g/m2のキャスト紙を原紙として用いた。塗
布重量が2g/m2の合成ゴム系樹脂(3M社製、スコ
ッチグリップ4693)を塗布し、上記のキャスト紙2
枚を重ね合わせ、60℃で5分間乾燥させた後、室温で
2日間養生し剥離紙の支持体を得た。支持体の片面に、
溶剤コーターを用いて、95%のトルエンで希釈した熱
硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業(株)、商品名K
L−838および1重量%の白金触媒CAT PL−
8)を、乾燥後の塗布重量が3g/m2の塗布量で塗布
し、140℃で乾燥、硬化を行い剥離紙を得た。
【0046】比較例4 坪量75g/m2のキャスト紙を原紙として用いた。5
μmの厚みのポリ塩化ビニルフィルム(日本ゼオン製、
水蒸気透過速度;4.2×10ー3[cm3(STP)/cm2
・s])の両面に、塗布重量が2g/m2のポリウレタ
ンアクリレート(東亜合成化学工業製、アロニックスM
1210とモノアクリレートM113の9:1混合物)
を介して上記キャスト原紙を仮接着し、剥離紙の支持体
を得た。支持体の片面に電子線硬化性の剥離樹脂(信越
化学工業(株)、商品名X−62ー7192)をグラビ
アコーターにより3g/m2の塗布量で塗布し、実施例
2と同様な方法で電子線照射して電子線硬化性の剥離樹
脂およびポリウレタンアクリレートを硬化し、剥離紙を
得た。
【0047】比較例5 坪量130g/m2のキャスト紙を原紙として用いた。
キャスト紙の片面に10μmの厚みの溶融押し出し低密
度ポリエチレン(三菱化成製、密度;0.918g/c
c、水蒸気透過速度;1.4×10ー3)を用いてラミネ
ートを行い支持体とした。支持体のラミネート面に電子
線硬化性の剥離樹脂(信越化学工業(株)、商品名X−
62ー7192)をグラビアコーターにより3g/m2
の塗布量で塗布し、実施例1と同様な操作で電子線照射
して硬化し、剥離紙を得た。
【0048】以上実施例1〜6、および比較例1〜5で
得られた剥離紙について以下に示す試験を行った。その
結果を表1に示す。
【0049】試験方法は以下の通りである。
【0050】[ウレタンペースト転写]剥離紙に下記の
ウレタンペーストを150μmの厚みで塗布し、基布を
重ね合わせて乾燥機で120℃で2分間乾燥させ、生成
したウレタン被膜を基布に転写した。 (ウレタンペースト)ウレタン樹脂;クリスボン611
6SL(大日本インキ化学工業製) 67部溶剤;メチ
ルエチルケトン 33部
【0051】[カール]25cm四方の剥離紙を100
℃の乾燥機で20分間保持した後、20℃、湿度65%
の条件に1時間保持し、4隅の床面からの高さの平均値
により評価した。
【0052】[光沢]剥離紙を上記ウレタンペーストで
3回転写し、3回目の転写面の60度光沢を、1回目の
転写面の60度光沢と比較し、%表示した。光沢転写面
を作成する場合に転写面の光沢値は95以上であること
が好ましい。
【0053】[ピンホール]上記ウレタンペーストで3
回転写を行った後の剥離紙全面に、インクを塗布し拭き
取った後、目視でインクが残った部分をピンホールと
し、1m2当りの個数で示した。ピンホールは少なけれ
ば少ないほど好ましいが、一般に1m2当り10個以下
であれば転写面の欠陥は肉眼ではほとんど見分けられ
ず、許容できる範囲は1m2当り50個以下である。
【0054】[ラブオフ]上記ウレタンペーストで3回
転写を行った後の剥離紙の表面を、ガーゼで数回強くこ
すり、その上にインクを塗布、すぐ拭き取って剥離層の
脱離を評価した。ラブオフがなければインクは剥離紙上
に残らず、ラブオフがやや有る状態であればその部分に
インクが少量残り、肉眼で見分けられる。ラブオフが著
しい場合は、ガーゼで擦った段階で、肉眼で剥離層が脱
落するのが分かる。
【0055】[剥離強度繰り返し特性]上記ウレタンペ
ーストを塗布、乾燥したサンプルの剥離強度をテンシロ
ン万能試験機(オリエンテック製、CR7000)で測
定した。1回目の剥離強度から20%増加した時点での
転写回数を剥離繰り返し回数限度とし、剥離特性低下の
目安とした。この剥離繰り返し回数限度は、剥離紙が何
回使えるかという値であり、多ければ多いほど製造上好
ましい。
【0056】
【表1】
【0057】評価・・実施例において作成した剥離紙
は、湿度の変動によるカールの発生が小さく、繰り返し
使用後の光沢の変動が小さい。これはピンホールの発生
率が小さいことやラブオフがしにくいことからもわかる
ように表面シリコーン樹脂層の脱離が起きにくいことに
起因しており、支持体中に設けた水分透過速度の小さい
熱可塑性樹脂フィルムの水分遮断性が有効に働いている
ためと考えられる。以上の結果から、実施例で作成した
剥離紙は、良好な転写特性を維持したまま繰り返し強度
が変動することが少なく、よって繰り返し使用回数が大
きい。これに対して比較例において作成した剥離紙は、
湿度の変動によるカールの発生が大きいばかりでなく、
高温溶剤がシリコーン樹脂層内部にまで浸透するため剥
離層の強度が弱く、繰り返し使用後の光沢の低下が大き
い。これはピンホールの発生率が大きいことやラブオフ
が起きやすいことからもわかるように、表面シリコーン
樹脂層の脱離が起きやすいことに起因しており、支持体
の水分透過速度が大きいため、加熱時に支持体から失わ
れる水分が多く、その分剥離層への有機溶剤の浸透が加
速されてシリコーン樹脂の強度が弱まるためと考えられ
る。以上の結果から、比較例で作成した剥離紙は、良好
な転写特性を維持したままで繰り返し使用する回数が少
なく、不経済的である。
【0058】
【発明の効果】耐熱性の良好な紙を支持体とするシリコ
ーン樹脂含有の剥離紙で、支持体に水分透過性の低い熱
可塑性樹脂フィルム層を設けることにより、剥離層の強
度保持ができ、剥離強度、転写面の光沢や濡れ性などの
表面特性を低下させずに多数回用いることができる剥離
紙に関するもので、工業的価値大なるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面に剥離層を有す
    る剥離紙において、該支持体が、5μm以上の厚みであ
    り、かつ25℃、常圧における水蒸気透過速度が3×1
    ー3[cm3(STP)/cm2・s]以下である熱可塑性樹
    脂フィルムの両面を紙で積層した支持体であることを特
    徴とする剥離紙。
  2. 【請求項2】 該剥離紙において、剥離層が紫外線照射
    または電子線照射、またはその両方により硬化された剥
    離層であることを特徴とする請求項1記載の剥離紙。
  3. 【請求項3】 5μm以上の厚みの熱可塑性樹脂フィル
    ムの両面に電子線硬化性樹脂を塗布し、塗布面を紙と重
    ね合わせた後、少なくとも支持体の片面に電子線硬化性
    の剥離樹脂を塗布し、電子線照射により支持体中の電子
    線硬化性樹脂と表面の電子線硬化性の剥離樹脂とを同時
    に硬化することを特徴とする剥離紙の製造方法。
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Cited By (4)

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