JP2716775B2 - アルカリ剥離性ラベル用支持体及びラベル - Google Patents

アルカリ剥離性ラベル用支持体及びラベル

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Description

【発明の詳細な説明】 〔A〕産業上の利用分野 本発明は、ビール瓶等に用いるアルカリ剥離性ラベル
用支持体に関するものである。より詳しくは、ラベル用
紙として耐水性に優れ、かつ回収後に洗瓶適性のよいア
ルカリ剥離性ラベル用紙を供給するためのラベル用支持
体およびラベルに関するものである。
〔B〕従来の技術 ビール瓶等に用いられる光沢がよく耐水性があるラベ
ル用紙を作成するためには、支持体上にアンカー層とし
てニトロセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン
系樹脂、または塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂のラ
ッカーが用いられていた。しかしながらこのような樹脂
を用いた場合には洗瓶適性(回収された瓶を1−4%の
水酸化ナトリウムの高温溶液に浸漬しラベル部分を剥離
する)が悪く、回収用瓶のアルカリ剥離性ラベルとして
は不適当なものであった。このような洗瓶適性を改良す
る目的でアンカー層としてニトロセルロース樹脂に脂肪
酸エステルを混合した樹脂、またはメタクリル酸エステ
ルとアクリル酸エステルおよびアクリル酸の共重合樹脂
からなるアクリル系樹脂やアミノアルキド樹脂にマレイ
ン酸を含む樹脂が用いられていた。
〔C〕発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のようなアンカー層をもちいるこ
とにより洗瓶適性は改良されたものの光沢が不十分であ
ったり、ピンホールが多くラベル用支持体として不適当
であったり、カールが大きく印刷や貼り付けなどその後
の工程に差し支えたり、ラベルとした後で水中に浸漬す
るとヒビ割れたりするなどの欠点を有していた。
〔D〕課題を解決するための手段 本発明者は、上記のような課題を解決する手段を鋭意
研究した結果以下の発明に至った。すなわち、支持体上
の少なくとも1面に電子線あるいは紫外線(以下、電子
線および紫外線を併せて放射線と称する)硬化性樹脂と
放射線硬化性カルボン酸を含む放射線硬化性樹脂組成物
を直接塗布し、必要ならば光開始剤を混合した後、放射
線照射により硬化した層(以下、単に放射線硬化アンカ
ー層と称する)を設けたことを特徴とするアルカリ剥離
性ラベル用支持体の発明である。
また、支持体原紙上の少なくとも1面に水溶性高分子
中間層を設け、その上に放射線硬化性樹脂及び放射線硬
化性カルボン酸を含む放射線硬化性樹脂組成物を塗布
し、放射線照射により硬化したアンカー層を設けたこと
を特徴とするアルカリ剥離性ラベル用支持体の発明であ
る。以下、本発明について詳細に説明する。
更には、本発明は回収用瓶に使用する上記アルカリ剥
離性ラベル用支持体を用いたラベルに関するものであ
り、その中でも特にアルカリ剥離性ラベル用支持体に関
するものである。本発明によるアルカリ剥離性ラベル用
支持体は印刷後の光沢が特に優れるばかりでなくピンホ
ールの発生やカールが少なく、水中に浸漬した場合にヒ
ビ割れず、かつ洗瓶のためのアルカリ浴ではすみやかに
瓶から剥離する性質を有する物である。第1図は本発明
のアルカリ剥離性ラベル用支持体の横断面の略図の一例
である。
支持体原紙1の上面に必要なら水溶性高分子中間層2
またはクレーコートした上に水溶性高分子を塗布した水
溶性高分子中間層2を設け、その上に放射線照射により
硬化させた放射線硬化アンカー層3が設けられてアルカ
リ剥離性ラベル用支持体4を構成している。第2図は本
発明のアルカリ剥離性ラベル用支持体4を用いたラベル
5の横断面の略図を示す一例である。アルカリ剥離性ラ
ベル用支持体4の上にプライマー層6、印刷層7、オー
バーコート層8を順次設けられ、場合によってはアルカ
リ剥離性ラベル用支持体4の裏面には接着層9が設けら
れても良い。
本発明に用いる放射線硬化性樹脂は分子末端に、また
は分子側鎖に放射線反応基を有する不飽和ポリエステ
ル、変性不飽和ポリエステル、アクリル系ポリマーおよ
び不飽和結合を有する単量体などが単体でまたは他の溶
剤とともに使用でき、プライマー層との親和性や放射線
硬化性カルボン酸との親和性を考慮して選ぶことができ
る。以下、放射線硬化性樹脂のうち代表的なものを例示
する。
(a)ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタク
リレート、 例えば、アロニックスM−5700、アロニックスM−61
00、アロニックスM−6200、アロニックスM−6300、ア
ロニックスM−6500、アロニックスM−7100、アロニッ
クスM−8030、アロニックスM−8060、アロニックスM
−8100(以上、東亜合成化学工業(株)商品名)、ビス
コート700、ビスコート3700(以上、大阪有機化学工業
(株)商品名)、カヤラッドHX−220、カヤラッドHX−6
20(以上、日本化薬(株)商品名)などが挙げられる。
(b)ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレー
ト、 例えば、アロニックスM−1100、アロニックスM−12
00、アロニックスM−1210、アロニックスM−1250、ア
ロニックスM−1260、アロニックスM−1300、アロニッ
クスM−1310(以上、東亜合成化学工業(株)商品
名)、ビスコート812、ビスコート823、ビスコート823
(以上、大阪有機化学工業(株)商品名)、NKエステ
ル、U−108−A、NKエステル、U−4HA(以上、新中村
化学(株)商品名)などが挙げられる。
(c)単官能アクリレート、単官能メタクリレート、 例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェ
ノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメ
タクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、ブトキシエチルアクリレートなど。エチレンオキ
シド変性フェノキシ化りん酸アクリレートエチレンオキ
シド変性ブトキシ化りん酸アクリレート、この他に東亜
合成化学工業(株)の商品名でいえばアロニックスM−
101、アロニックスM−102、アロニックスM−111、ア
ロニックスM−113、アロニックスM−114、アロニック
スM−117、アロニックスM−152、アロニックスM−15
4などが挙げられる。
(d)多官能アクリレート、多官能メタクリレート、 例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパンヘキサアクリレート、イ
ソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、エチレンオキシド変性
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレン
オキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパンポ
リアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロール
プロパンポリアクリレートなどが挙げられる。東亜合成
化学工場(株)の商品名でいえばアロニックスM−21
0、アロニックスM−215、アロニックスM−220、アロ
ニックスM−233、アロニックスM−240、アロニックス
M−245、アロニックスM−305、アロニックスM−30
9、アロニックスM−310、アロニックスM−315、アロ
ニックスM−320、アロニックスM−325、アロニックス
M−400、アロニックスM−450などが挙げられる。
(e)エポキシ化合物 例えばグリシジルメタクリレート、1,3−ビス(N,N−
ジエポキシプロピルアミノメチル)シクロヘキサン、1,
3−ビス(N,N−ジエポキシプロピルアミノメチル)ベン
ゼンなどが挙げられる。三菱瓦斯化学(株)の商品名で
言えば、GE−510、TETRAD−X、TETRAD−Cなどが挙げ
られる。
次に放射線硬化性カルボン酸としては分子末端あるい
は側鎖に放射線硬化性の官能基とカルボキシル基を同時
に有するものであり、トリメチロールプロパンジアクリ
レートフマレート、トリメチロールプロパンジフマレー
トモノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレ
ートモノフマレートなどの多官能アクリレートや多官能
カルボン酸あるいはその複合体、カルボキシル基を有す
るモノアクリレート、東亜合成化学工業(株)の商品名
でいえば、アロニックスM−5300、アロニックスM−54
00、アロニックスM−5500、アロニックスM−5600など
が挙げられる。、このように放射線硬化性カルボン酸と
放射線硬化性樹脂を混合して用いる場合、放射線硬化性
カルボン酸はアンカー層の固形分に対して重量比で5%
以上であることが好ましい。これは放射線硬化性カルボ
ン酸の割合が5%より少ないとラベルにした後アルカリ
浴に入れた場合の洗瓶適性が悪いためである。また、こ
のような放射線硬化性カルボン酸は一般に硬化時の体積
収縮が小さいため放射線硬化性アンカー層を設けた後で
のカール特性が極めて優れている。
本発明において用いられる放射線硬化アンカー層の坪
量は1g/m2〜10g/m2が好ましい。放射線硬化アンカー層
がこの量より少ないと支持体の凹凸を埋める事が出来ず
光沢度の低い層になるし、放射線硬化アンカー層がこの
量より多いとアルカリ浴での剥離が悪く洗瓶適性が悪化
する。
本発明において紫外線照射により樹脂の硬化を行う場
合には光反応開始剤を混合して用いる。光反応開始剤と
しては、エチルアントラキノン、メチルベンゾイルフォ
ルメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ジお
よびトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン
類、o−ベンゾイルメチルベンゾエート、ベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾイ
ンアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テト
ラメチルチウラムモノサルファイド、キサントン、チオ
キサントン類、アゾ化合物、等があり、光反応開始剤の
使用量は紫外線硬化性樹脂に対して、通常0.1〜10%の
範囲である。また、光反応開始剤にハイドロキノンのよ
うな貯蔵安定剤が併用される場合もある。
本発明において支持体として用いられる原紙は通常の
天然パルプ紙、合成繊維あるいは合成樹脂フィルムを擬
紙化したいわゆる合成紙、または原紙の表面に耐水性樹
脂被覆層を設けた樹脂被覆紙を用いることができるが、
針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプ
の木材パルプを主成分とする天然パルプ紙が有利に用い
られる。原紙の厚みに関しては特に制限はないが平滑性
のよい紙が好ましく、その坪量は40g/m2〜150g/m2が好
ましい。
本発明の方法において有利に用いられる天然パルプを
主成分とする原紙には各種高分子化合物、添加剤を含有
せしめることができる。たとえば、デンプン誘導体、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルアルコール誘導体、ゼラ
チン等の乾燥紙力増強剤、脂肪酸塩、ロジン誘導体、ジ
アルキルケテンダイマー乳化物等のサイズ剤、メラミン
樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド等の湿潤紙力増
強剤、安定剤、顔料、染料、酸化防止剤、蛍光増白剤、
各種ラテックス、無機電解質、pH調整剤等を適宜組み合
わせて含有せしめることができる。るいは不織布などが
好ましい。
これらの原紙に放射線硬化性樹脂組成物を塗布する場
合に滲み込みを防止するため水溶性高分子層を設けるこ
とにより滲み込みを抑制することができる。ここで言う
水溶性高分子とは例えば以下の物質が挙げられる。
天然高分子および半合成高分子としてデンプン、酸化
デンプン、エーテル化デンプン、ジアルデヒド化デンプ
ン、エステル化デンプンなどの変性デンプン化合物、ア
ルギン酸ソーダ、アルギン酸プロピレングリコールエス
テルなどのアルギン酸化合物、カゼイン、ゼラチン、プ
ルラン、デキストラン、キチン、キトサン、ゴムラッテ
クス、アラビアゴム、フノリ、天然ガム、デキストリ
ン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
セルロース、カルボキシメチルセルロースなどの変性セ
ルロース化合物などが挙げられる。合成高分子としては
完全ケン化あるいは部分ケン化ポリビニルアルコール、
アセトアセチル化ポリビニルアルコール、ポリビニルア
ルコールと多価カルボン酸とのエステル化物、カルボキ
シ変性化ポリビニルアルコール、スルホン酸変性化ポリ
ビニルアルコール、オレフィン変性化ポリビニルアルコ
ール、ニトリル変性化ポリビニルアルコール、アミド変
性化ポリビニルアルコール、ピロリドン変性化ポリビニ
ルアルコールなどの変性化ポリビニルアルコール化合
物、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸アミド、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリア
クリル酸ソーダなどのポリアクリル酸化合物、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルエーテ
ル、ポリマレイン酸共重合体、水溶性アルキド樹脂など
が挙げられる。また、厳密な意味での水溶性高分子では
ないが、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン
/ブタジエン共重合体、ブタジエン/メタクリレート共
重合体などの合成高分子を水に分散したエマルジョンを
水溶性高分子溶液の代わりに用いることができる。水溶
性高分子としては上記のような高分子を単独で、あるい
は混合して水溶液として用いることができる。
支持体上に設ける水溶性高分子中間層の乾燥塗布量は
特に限定されるものではないが0.1〜20g/m2、より好ま
しくは0.2〜10g/m2であり、水溶性高分子の塗布量が0.1
g/m2未満と極端に少ないと本発明の効果を充分に発揮で
きず、またピンホールも生成しやすい。また、20g/m2
越すと乾燥時に支持体への負担が大きく、収縮が大きす
ぎてカール調整が困難になる。
また、本発明において原紙あるいは水溶性高分子層と
放射線硬化性樹脂組成物の接着性と濡れ性を良くするた
めの原紙表面のコロナ処理等による表面処理を行なって
もよい。
原紙上に放射線硬化性樹脂組成物を塗布する方法とし
ては、例えば、ブレードコート、エアーナイフコート、
スプレーコート、スクイズコート、リバースロールコー
ト、グラビアロールおよびトランスファーロールコー
ト、Eバーコート、カーテンコート、ダイコート等の方
法が用いられる。
本発明においてはアンカー層の硬化に放射線照射法を
用いるためアンカー層を設けた支持体が高温にさらされ
ることがなくカールが発成しにくいばかりでなく、アン
カー層の塗布から硬化まで数秒しかかからないためアン
カー層が支持体内部に染み込むことがない。このため、
アンカー層が表面から失われずピンホールが発生しな
い。電子線照射により硬化する場合においてはアンカー
層の表面をさらに鏡面仕上げにするために、処理したい
面を鏡面ロールと接触させその背面から電子線を照射し
て硬化し、鏡面仕上げを施すことができる。一度の照射
で完全硬化させる方法に比べると著しく経済性が劣る
が、予め予備電子線照射を行い表面を一部硬化させた
後、鏡面ロールと接触させ、剥離した後、二次照射を行
い完全に硬化させる方法もある。
型付けを施す場合には鏡面ロールに代えて型付けロー
ルを使用して微粗面等の所望の型付け面を得ることがで
きるし、樹脂の重合硬化時における体積収縮性を利用し
て微粗面を作成してもよい。また、鏡面、型付け面とも
に電子線硬化性樹脂組成物を支持体上に塗布した後、鏡
面あるいは型付け面の形状を有する合成樹脂あるいは金
属シートをその上に重ね、支持体の裏面側あるいはシー
ト側より電子線照射を行い、電子線硬化性樹脂組成物が
硬化した後にシートを剥離して所定の形状の面を得る方
法もある。
電子線照射は、透過力、硬化力の面から加速電圧が10
0〜1000Kvであり、より好ましくは100〜300Kvの電子線
加速器を用い、ワンパスの吸収線量が0.2〜5Mradになる
ようにすることが好ましい。加速電圧、あるいは電子線
照射量がこの範囲より低いと電子線の透過力が低すぎて
十分な硬化が行なわれず、またこの範囲より大きすぎる
とエネルギー効率が悪化するばかりでなく、原紙の強度
低下や樹脂の分解など品質上好ましくない影響が現われ
る。電子線加速器としては例えば、エレクトロカーテン
システム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニン
グタイプ等の何れでも良い。
なお、電子線照射に際しては酸素濃度が高いと電子線
硬化性樹脂組成物の硬化が妨げられるため、窒素、ヘリ
ウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸
素濃度を600ppm以下、好ましくは400ppm以下に抑制した
雰囲気中で照射することが好ましい。
紫外線照射装置としては例えば、低圧水銀灯、中圧水
銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等があり、オ
ゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。一般に出力
30w/cm以上のランプを複数本並行して使用する。
本発明により作成したアルカリ剥離性ラベル用支持体
は、その上にプライマー層、印刷層、オーバーコート
層、および場合により裏面に接着層を設けてラベルとす
ることができる。
〔E〕作用 本発明によるアルカリ剥離性ラベル用支持体は、放射
線硬化性カルボン酸および放射線硬化性樹脂で放射線硬
化アンカー層に用いることにより、放射線硬化により共
重合させた後、放射線硬化性カルボン酸の働きでアルカ
リ浴に浸漬した場合、膨潤、溶解しやすく、結果として
ラベルのアルカリ剥離性がよく、また体積収縮性が小さ
いことからカール特性がよく、ひび割れしにくく、かつ
放射線硬化性樹脂により耐水性、光沢、平滑性に優れ、
放射線硬化法を用いるためピンホールの発生がすくなく
支持体となる原紙内にアンカー層が浸透せず、よって不
透明度が低下しないという特徴を有する。
〔F〕実施例 以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発
明の内容は実施例に限られるものではない。
実施例1 支持体として表面をクレーコートしその上に乾燥重量
で0.5g/m2のゼラチンを塗布した、坪量68g/m2の片艶紙
を用い、放射線硬化性樹脂組成物を以下の組成比でグラ
ビアコーターを用いて塗布した。
放射線硬化性樹脂組成物として放射線硬化性樹脂にイ
ソシアヌル酸ジアクリレート(東亜合成化学工業(株)
製品、商品名アロニックスM−215)を用い、放射線硬
化性カルボン酸としてアクリル酸ダイマー 東亜合成化
学工業(株)製品、商品名アロニックスM−5600)を用
い、光反応開始剤としてベンジルジメチルケタール(チ
バガイギー(株)社製品、製品名イルガキュア651)を
用いた。
(サンプルA) 放射線硬化性樹脂 93部 放射線硬化性カルボン酸 5部 光重合開始剤 2部 (サンプルB) 放射線硬化性樹脂 68部 放射線硬化性カルボン酸 30部 光重合開始剤 2部 (サンプルC) 放射線硬化性樹脂 10部 放射線硬化性カルボン酸 88部 光重合開始剤 2部 このようにして得られた放射線硬化樹脂組成物を塗布
した支持体を紫外線照射装置(80W/cm、オゾン集光型、
照射距離10cm)内に導き、紫外線照射してアルカリ剥離
性ラベル用支持体を得た。
作成したアルカリ剥離性ラベル用支持体にニトロセル
ロースをビヒクルとしたインキによる印刷層、ニトロセ
ルロース樹脂からなるオーバーコート層を設けて所定の
形状としてラベルにし、以下の方法で評価を行った。
(1)ひび割れ性、光沢 ラベルの裏面にでんぷん糊を塗布し、ビール瓶に貼り
付けて24時間乾燥し、冷水に24時間浸漬してラベルの状
態を観察した。
(2)洗瓶適性 ラベルの裏面にでんぷん糊を塗布し、ビール瓶に貼り
付けて24時間乾燥し、24時間放置した後、70℃、1規定
の水酸化ナトリウム溶液中に浸漬してラベルの剥離する
時間で判定した。
(3)ピンホール ラベルの裏面にでんぷん糊を塗布し、ガラス板に貼り
付けて24時間乾燥し、24時間放置した後、染料を溶かし
た溶剤でラベル表面を濡らして裏面の着色具合いにより
判定した。
(4)不透明度 放射線硬化性アンカー層、あるいは従来法によりアン
カー層を設けた後で目視により判定した。
(5)カール 放射線硬化性アンカー層、あるいは従来法によりアン
カー層を設けた後での連続走行時のシートのカール性に
より判定した。
以上の評価の結果を表1、表2に示す。
実施例2 実施例1と同様な支持体を用い、放射線硬化性樹脂組
成物の配合を以下の様に変更した。放射線硬化性樹脂お
よび放射線硬化性カルボン酸の種類および塗布量はサン
プルAと同様にした。
(サンプルD) 放射線硬化性樹脂 95部 放射線硬化性カルボン酸 5部 (サンプルE) 放射線硬化性樹脂 70部 放射線硬化性カルボン酸 30部 (サンプルF) 放射線硬化性樹脂 10部 放射線硬化性カルボン酸 90部 このようにして得られた放射線硬化性樹脂組成物を塗
布した支持体を窒素置換(酸素濃度、200ppm)した電子
線照射装置(ESI社製、エレクトロカーテン)内に導
き、加速電圧175kv、吸収線量2Mradの条件で電子線照射
を行いアルカリ剥離性ラベル用支持体を得た。これらは
実施例1と同様な方法で評価を行った。
比較例1 実施例1の放射線硬化性樹脂組成物の割合を以下のよ
うに代えてその他は実施例1と同様にしてアルカリ剥離
性ラベル用支持体を得て実施例1と同様な方法で評価を
行った。
放射線硬化性樹脂組成物 (サンプルG)使用した原料の種類はサンプルAと同じ
で組成比を以下のように変更した。
放射線硬化性樹脂 95部 放射線硬化性カルボン酸 3部 光重合開始剤 2部 比較例2 実施例2の放射線硬化性樹脂組成物の割合を以下のよ
うに代えてその他は実施例2と同様にしてアルカリ剥離
性ラベル用支持体を得て実施例1と同様な方法で評価を
行った。
(サンプルH) 放射線硬化性樹脂 97部 放射線硬化性カルボン酸 3部 比較例3 実施例1の支持体にニトロセルロース系樹脂と脂肪酸
エステル系樹脂の混合樹脂の40重量%溶液を塗布し(固
形分坪量4g/m2)、180℃で15秒間加熱乾燥してアルカリ
剥離性ラベル用支持体(サンプルI)を得て実施例1と
同様な方法で評価を行った。
〔G〕発明の効果 表1から明らかなように本発明によるアルカリ剥離性
ラベル用支持体は、放射線硬化性カルボン酸を含む放射
線硬化アンカー層により、洗瓶適性、カール特性がよ
く、ひび割れしにくく、耐水性、光沢、平滑性に優れ、
ピンホールの発生がすくなく不透明度の低下が少ないと
いう極めて優秀なラベル適性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のアルカリ剥離性ラベル用支持体の横断
面の略図の一例である。第2図は本発明のアルカリ剥離
性ラベル用支持体を用いたラベルの横断面の略図を示す
一例である。 1:支持体原紙、2:水溶性高分子中間層、3:放射線硬化性
アンカー層、4:アルカリ剥離性ラベル用支持体、5:ラベ
ル、6:プライマー層、7:印刷層、8:オーバーコート層、
9:裏面接着層。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体原紙上の少なくとも1面に直接、放
    射線硬化性樹脂及び放射線硬化性カルボン酸を含む放射
    線硬化性樹脂組成物を塗布し、放射線照射により硬化し
    たアンカー層を設け、且つ該放射線硬化性カルボン酸が
    アンカー層固形分に対し5重量%以上であることを特徴
    とするアルカリ剥離性ラベル用支持体。
  2. 【請求項2】支持体原紙上の少なくとも1面に水溶性高
    分子中間層を設け、その上に放射線硬化性樹脂及び放射
    線硬化性カルボン酸を含む放射線硬化性樹脂組成物を塗
    布し、放射線照射により硬化したアンカー層を設け、且
    つ該放射線硬化性カルボン酸がアンカー層固形分に対し
    5重量%以上であることを特徴とするアルカリ剥離性ラ
    ベル用支持体。
  3. 【請求項3】請求項1のアルカリ剥離性ラベル用支持体
    を用いて製造したラベル。
  4. 【請求項4】請求項2のアルカリ剥離性ラベル用支持体
    を用いて製造したラベル。
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