JPH07368B2 - 剥離用シートの製造方法 - Google Patents

剥離用シートの製造方法

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JPH07368B2
JPH07368B2 JP62279529A JP27952987A JPH07368B2 JP H07368 B2 JPH07368 B2 JP H07368B2 JP 62279529 A JP62279529 A JP 62279529A JP 27952987 A JP27952987 A JP 27952987A JP H07368 B2 JPH07368 B2 JP H07368B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔A〕産業上の利用分野 本発明は、紙、ラミネート紙、合成紙、プラスッチクフ
ィルムなどのシート状基体の上に耐ブロッキング性にす
ぐれ内部剥離防止性に優れた層を設けた剥離用シートに
関するものである。
〔B〕従来の技術 紙、ラミネート紙、合成紙、プラスッチクフィルムなど
のシート状基体の上に有機ポリシロキサンからなる剥離
層を設けたシリコーン剥離用シートは近年多くの用途に
使用されている。剥離層の形成方法としては有機すず化
合物やその他の重金属塩、および白金系の触媒を含む縮
合型もしくは付加型シリコーン系樹脂の溶液、またはエ
マルジョンを塗布した後、熱風オーブン中で120℃から1
80℃で加熱し硬化被膜を形成する方法が一般的である。
〔C〕発明が解決しようとする問題点 紙を基体に用いた剥離用シートにおいてこのような高温
加熱処理を行なうと紙基体に耐熱性が必要なことは勿論
の上、紙基体内部の水分蒸発によりしわやカールが発生
しやすく、また剥離層に水分蒸発に伴うピンホールが生
じ易いという欠点を有していた。このような欠点を克服
する目的と剥離層を形成するシリコーン樹脂の紙への吸
収を低減させる目的で紙表面をポリエチレンや塩化ビニ
リデン等でラミネートした基体を用いることがよく使わ
れる方法であるが、やはりシリコーン樹脂の硬化時にお
いてラミネート層の軟化、溶融、収縮等が起こり結果と
してラミネート基体表面の不均一化により剥離性能を阻
害することや紙中の水分蒸発による気泡発生のためにピ
ンホールが生じ易いという欠点を有していた。このよう
な欠点を克服するひとつの手段として無溶剤型シリコー
ン樹脂、その中でも特に紫外線(UV)および電子線(E
B)照射により重合可能な官能基を有するシリコーン樹
脂を用いてUVまたはEB硬化を行なう低温キュアリング型
の剥離用シート製造技術が開発された。これらの方法に
よれば剥離用シート製造工程中における高温処理に由来
するカール、しわ、ピンホール等の発生は比較的防げる
ものの、紙基体を用いる剥離用シート製造においては紙
基体へのシリコーン樹脂のしみこみを防止し、塗布量の
バラツキを少なくするために高粘度の樹脂を使用しなけ
ればならないといった問題や、フィルム基体の剥離用シ
ート製造においてはUVまたはEB硬化を行なう低温キュア
リング型方法で作成したシリコーン膜はフィルム基体と
の接着性に劣るという問題点を有する。シリコーン膜と
フィルム基体との密着性を改良する目的でフィルム基体
上に電子線重合性組成物でプライマー処理するという方
法も考案されているが、この方法においても電子線重合
性組成物が水溶液またはエマルジョンの場合には加熱乾
燥が必要であり、また無溶媒性の電子線重合性組成物を
用いた場合においても、電子線重合性組成物の粘度が低
い場合にはその上に塗布した電子線硬化性のシリコーン
樹脂と混ざりあい、結果として重剥離の剥離用シートと
なったり、残留接着率が低下したりするという問題点が
あった。
〔D〕問題点を解決するための手段 本発明者は、上記のような問題点を解決する手段を鋭意
研究した結果以下のような方法を見いだすに至った。す
なわち、紙またはフィルム基体の少なくとも片面に該基
体と接着性の良い電子線重合性組成物層を塗布し、電子
線照射により電子線重合性組成物層の一部を重合させた
後、さらにその上に電子線重合性であり、かつ硬化後に
剥離性を有する組成物層を塗布し、電子線照射により両
層を同時に硬化させた層を設けることにより上記問題を
解決した剥離用シートが得られることを見いだし本発明
を完成するに至った。以下本発明を詳細に説明する、即
ち本発明は基体の上に基体と接着性の良い電子線硬化樹
脂層を塗布した後、その一部を電子線照射により重合さ
せた層と、上部に設けた粘着剤層に対し剥離性の良い電
子線硬化樹脂からなる層を電子性照射することによって
両層を同時に重合し一体化させて作成した剥離用シート
を提供するものである。
ここでいう基体と接着性の良い電子線重合性組成物(以
下、単に電子線重合性組成物と略する)とは、アクリロ
イル基またはメタクリロイル基を有する化合物である。
本発明に用いられる基体と接着性の良い電子線重合性組
成物としては、分子末端、または分子側鎖に反応基を有
する不飽和ポリエステル、変性不飽和ポリエステル、ア
クリル系ポリマーや、不飽和結合を有する単量体などが
単体でまたは他の溶剤とともに使用できるが、基体と電
子線重合性組成物との親和性、および電子線重合性組成
物と電子線重合性シリコーン組成物との親和性を考慮し
て選ばれる。以下、電子線重合性組成物を構成する化合
物のうち代表的なものを例示する。
(a)ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタク
リレート、 例えば、アロニックスM−5300、アロニックスM−540
0、アロニックスM−5500、アロニックスM−5600、ア
ロニックスM−5700、アロニックスM−6100、アロニッ
クスM−6200、アロニックスM−6300、アロニックスM
−6500、アロニックスM−7100、アロニックスM−803
0、アロニックスM−8060、アロニックスM−8100(以
上、東亜合成化学工業(株)商品名)、ビスコート70
0、ビスコート3700(以上、大阪有機科学工業(株)商
品名)、カヤラッドHX−220、カヤラッドHX−620(以
上、日本化薬(株)商品名)などが挙げられる。
(b)エポキシアクリレート、エポキシメタクリレー
ト、 例えば、NKエステル、EA−800、NKエステル、EPM−800
(以上、新中村化学(株)商品名)、ビスコート600、
ビスコート540(以上、大阪有機化学工業(株)商品
名)、フォトマー3016、フォトマー3082(以上、サンノ
プコ(株)商品名)などが挙げられる。
(c)ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレー
ト、 例えば、アロニックスM−1100、アロニックスM−120
0、アロニックスM−1210、アロニックスM−1250、ア
ロニックスM−1260、アロニックスM−1300、アロニッ
クスM−1310(以上、東亜合成化学工業(株)商品
名)、ビスコート812、ビスコート823、ビスコート823
(以上、大阪有機化学工業(株)商品名)、NKエステ
ル、U−108−A、NKエステル、U−4HA(以上、新中村
化学(株)商品名)などが挙げられる。
(d)単官能アクリレート、単官能メタクリレート、 例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキ
シエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、N、N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチル
メタクリレート、N、N−ジエチルアミノエチルメタク
リレート、ブトキシエチルアクリレートなど。エチレン
オキシド変性フェノキシ化りん酸アクリレートエチレン
オキシド変性ブトキシ化りん酸アクリレート、この他に
東亜合成化学工業(株)の商品名でいえばアロニックス
M−101、アロニックスM−102、アロニックスM−11
1、アロニックスM−113、アロニックスM−114、アロ
ニックスM−117、アロニックスM−152、アロニックス
M−154などが挙げられる。
(e)多官能アクリレート、多官能メタクリレート、 例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレン
グリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール
ジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソ
シアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、エチレンオキシド変性ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオ
キシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
プロピレンオキシド変性ジペンタエリスリトールポリア
クリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリト
ールポリアクリレートなどが挙げられる。東亜合成化学
工業(株)の商品名でいえばアロニックスM−210、ア
ロニックスM−215、アロニックスM−220、アロニック
スM−230、アロニックスM−233、アロニックスM−24
0、アロニックスM−245、アロニックスM−305、アロ
ニックスM−309、アロニックスM−310、アロニックス
M−315、アロニックスM−320、アロニックスM−32
5、アロニックスM−330、アロニックスM−400、TO−4
58、TO−747、TO−755、THIC.TA2などが挙げられる。
これらの化合物はものによって異なるが数メガラッド
(Mrad)までの電子線照射量で重合硬化する。従って、
電子線重合性組成物の一部のみを重合させるにはこの電
子線照射量以下の電子線照射量をもちいれば良いが、そ
の値は電子線重合性組成物の種類、塗布量、照射方法に
より異なる。実質的には、電子線照射後において電子線
重合性組成物層の表面に電子線重合性シリコーン組成物
を塗布した後の電子線照射により電子線重合性シリコー
ン組成物と重合できる官能基が残存していることが必要
である。電子線重合性組成物層の表面に電子線照射によ
り重合可能な官能基を残してある程度重合を進行させる
有力な方法として、電子線重合性組成物層を塗布した基
体の裏面から電子線照射する方法がある。電子線の透過
深さは透過する物体の密度と電子線の加速電圧により決
定するため、裏面から電子線照射した場合には電子線重
合性組成物層の表面において最も電子線のエネルギーが
小さくなるから、電子線重合組成物の重合度を小さくす
ることができる。
硬化後に剥離性を有する組成物とは、分子末端、または
側鎖に電子線重合性官能基を有する有機ポリシロキサン
(以下、単に電子線重合性シリコーン組成物と略する)
である。本発明に用いられる電子線重合性シリコーン組
成物としては分子末端、または側鎖にアクリロイル基、
メタクリロイル基、ビニル基の中から選択される官能基
を有するシリコーン樹脂であり具体的には特許出願公告
昭51−42961、昭54−6512、昭57−57096、昭58−5365
6号公報等に開示されているような化合物である。
本発明に用いられる基体としてはグラシン紙、上質紙、
コーテッド紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリアミドの合成樹脂フィル
ム、またはこれらの合成樹脂を紙に片面、または両面に
ラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金属箔と
紙、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品がある。
なお、紙基体の坪量は40〜250g/m2、より好ましくは50
〜200g/m2であり、その表面は平滑であることが好まし
いが、剥離性能のコントロール上粗面であってもかまわ
ない。
基体上に電子線重合性組成物を塗布する前に基体表面に
コロナ放電等の表面処理を行なっても良い。
本発明による剥離用シートを図を用い説明する。
第1図は本発明方法により製造した剥離用シートの一例
を示す側面概略図である。
基体シート1上において電子線重合性組成物2が目止め
層となり電子線重合性シリコーン組成物3の基体シート
1へのしみこみを防止している。
第2図は本発明の実施に使用する剥離用シート製造装置
の一例を示す側面概略図である。
基体シート1を供給ロール4から繰り出し、コーター5
により電子線重合性組成物2を塗布し電子線照射装置7
において電子線照射により電子線重合性組成物2を一部
硬化させた後、コーター6により電子線重合性シリコー
ン組成物3を塗布する。電子線照射装置11において電子
線照射により電子線重合性組成物2と電子線重合性シリ
コーン組成物3の硬化を行なう。このようにして製造し
た剥離用シート8は巻き取りロール9によって巻き取ら
れる。なお、基体シート1の表面はコロナ発生装置10に
よりコロナ処理しても良い。
第3図は本発明の実施に使用する剥離用シート製造装置
の別な一例を示す側面概略図である。
基体シート1を供給ロール4から繰り出し、コーター5
により電子線重合性組成物2を塗布し電子線照射装置7
において基体シート1の側から電子線照射により電子線
重合性組成物2を一部硬化させた後、コーター6により
電子線重合性シリコーン組成物3を塗布する。その後再
度電子線照射装置7において電子線重合性シリコーン組
成物3側からの電子線照射により電子線重合性組成物2
と電子線重合性シリコーン組成物3の硬化を行なう。こ
のようにして製造した剥離用シート8は巻き取りロール
9によって巻き取られる。なお、基体シート1の表面は
コロナ発生装置10によりコロナ処理しても良い。
本発明による方法によれば剥離用シート製造工程中にお
いてシリコーン樹脂は常にある程度重合し適度な粘度を
有する電子線重合性組成物上に塗布されるため平滑性が
よく、またシリコーン樹脂と電子線重合性組成物との混
合も引き起こさない。また、シリコーン樹脂が紙基体上
に直接塗布されることがないため紙基体中へのシリコー
ン樹脂のしみこみが起こらない。従って高価なシリコー
ン樹脂量の低減が図れる。更に低濃度のシリコーン樹脂
が使用できるという利点も有する。
本発明で示すように電子線照射により重合可能な官能基
を有する電子線重合性組成物と電子線重合性シリコーン
組成物とを重ねて同時に電子線照射により硬化せしめる
と、界面で共重合がおこり電子線重合性シリコーン組成
物層と電子線重合性組成物層との接着は非常に強固なも
のとなる。
紙基体等と各種アクリレートなどの電子線重合性組成物
との接着は一般に非常に強いので、結果として本発明に
よる方法を用いればシリコーン剥離のない剥離用シート
が得られる。また、本発明においては、紙基体等との接
着性の良い電子線重合性組成物が電子線照射により塗布
後瞬時に高粘度化するため、かなり低粘度の電子線重合
性組成物を用いることができるという利点を有する。
基体上に電子線重合性組成物および電子線重合性シリコ
ーン組成物を塗布する方法としては、例えば、ブレード
コート、エアードクターコート、スクイズコート、エア
ーナイフコート、リバースロールコート、グラビアロー
ルおよびトランスファーロールコート、Eバーコート等
の方法が用いられる。
基体上に塗布する電子線重合性組成物量は基体の種類に
より異なるが0.1〜10g/m2、より好ましくは0.2〜5g/m2
であり、電子線重合性シリコーン組成物量は0.1g/m2〜5
g/m2、より好ましくは0.5〜5g/m2である。シリコーン組
成物の量が0.1g/m2以下と極端に少ないと電子線重合性
組成物上に均一に塗布する事が困難であり、また剥離を
悪くする、またシリコーン量を5g/m2以上と多くしても
特性上変わらず、コストのみ向上するし、さらに、極端
に多くなると硬化後摩耗などによりシリコーンが脱落し
やすくなる。
剥離用シートの表面をさらに鏡面仕上げにする場合に
は、処理したい面を鏡面ロールと接触させその背面から
電子線を照射して硬化し、鏡面仕上げを施すことができ
る。一度の照射で完全硬化させる方法に比べると著しく
経済性が劣るが、予め予備電子線照射を行い表面を一部
硬化させた後、鏡面ロールと接触させ、剥離した後、二
次照射を行い完全に硬化させる方法、および、基体上に
電子線重合性組成物を塗布した後最初の電子線照射を行
い電子線重合性組成物の硬化を行なった後、電子線重合
性シリコーン組成物を塗布し二次照射を行い剥離層を形
成させる方法もある。
型付けを施す場合には鏡面ロールに代えて型付けロール
を使用して微粗面等の所望の型付け面を得ることができ
る。
電子線特性として、透過力、硬化力の面から加速電圧が
50〜750Kv、より好ましくは100〜300Kvの電子線加速器
を用い、ワンパスの吸収線量が0.1〜20Mradになるよう
にすることが好ましい。
電子線加速器としては例えば、エレクトロカーテンシス
テム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタ
イプ等があるが何れでも良い。
なお、電子線照射に際しては酸素濃度が高いと電子線重
合性組成物の硬化が妨げられるため、窒素、ヘリウム、
二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度
を600ppm以下、好ましくは400ppm以下に抑制した雰囲気
中で照射することが好ましい。
〔E〕作用 本発明は、剥離用シートの製造において剥離用基体上に
基体と接着性の良い電子線重合性組成物を塗布した後電
子線照射によりその一部を硬化させ、その上に電子線重
合性シリコーン組成物を塗布し、電子線照射により硬化
せしめて剥離用シートを製造するもので、電子線重合性
組成物を適度に重合硬化した後、その上に電子線重合性
シリコーン組成物を塗布するため、電子線重合性組成物
と混合することなく電子線重合性シリコーン組成物が塗
布されるし、電子線重合性組成物が塗布後、電子線照射
により瞬時に高粘度化するための基体へのしみこみが少
なく、平滑な塗布面が得られる。そのため作成された剥
離用シートは軽剥離であり、残留接着率も大きい。ま
た、本発明においては電子線重合性組成物により基体の
目止めを行なうためシリコーン樹脂が基体にしみこまな
い。また基体と接着性の良い電子線重合性組成物を基体
と電子重合性シリコーン樹脂層の中間に用い、その上に
該電子線重合性組成物と電子線重合性のあるシリコーン
組成物を設け電子線重合を行なっているため、シリコー
ン樹脂層と基体との接着性が格段に向上する。また、製
造工程において高温処理を行なわないため、高温処理に
由来するカール、しわ、シリコーン樹脂層のピンホール
等の発生を抑制する事ができる。
〔F〕実施例 以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明
の内容は実施例に限られるものではない。
実施例−1 基体にサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを使用し
た坪量90g/m2の上質紙の片面にコロナ処理を施しグラビ
アコーターを用いて電子線重合性組成物としてポリエチ
レングリコールジアクリレート(東亜合成化学工業
(株)製品、商品名アロニックスM−245)を2g/m2の塗
布量で塗布した後、電子線照射室内の酸素濃度を窒素ガ
ス置換により200ppm以下にした電子線照射装置(ESI社
製、商品名エレクトロカーテン、TYPE:CB200/45/300)
内に導き、電子線加速電圧175Kv、照射電流20mAの条件
で吸収線量1Mradになるように塗布面側から電子線照射
した。こうして得られた電子線重合性組成物の一部が重
合硬化したシート上にグラビアコーターを用いて電子線
硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業(株)、商品名X-
62-7168)を0.6g/m2の塗布量で塗布した。その後、再度
電子線照射装置内に導き同条件で吸収線量3Mradになる
ように電子線照射して剥離用シートを得た。
実施例−2 実施例−1と同様にして、電子線重合性組成物のみをペ
ンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成化学工
業(株)製品、商品名アロニックスM−305)を1.5g/m2
の塗布量に変えて最初の電子線照射を上質紙側から吸収
線量2Mradになるように行い、他の条件を同じにして剥
離用シートを製造した。
実施例−3 基体として坪量100g/m2のポリエチレンテレフタレート
フィルム(三菱樹脂(株)、商品名ダイアホイル#10
0)を用い、片面にコロナ処理を施しグラビアコーター
を用い以下に示すような電子線重合性組成物を2g/m2
塗布量で塗布した。
エポキシ変性アクリレート TO−458 30部、 アクリレートモノマー M−5700 70部 (両方とも東亜合成化学工業(株)製品) 吸収線量1Mradになるように塗布面側から電子線照射
し、次にグラビアコーターを用い実施例−1と同様な電
子線硬化性シリコーン樹脂を0.6g/m2の塗布量で塗布し
た後、実施例−1と同様な条件で電子線照射を行い硬化
して剥離用シートを得た。
比較例−1 実施例−1と同様な上質紙にコロナ処理を施し、電子線
重合性組成物を塗布することなく直接実施例−1と同様
な電子線重合性シリコーン組成物を塗布し、実施例−1
と同様な電子線照射により硬化を行なった。得られた剥
離用シートはシリコーン樹脂のほとんどが紙にしみこん
だ物であった。
比較例−2 実施例−3と同様なポリエチレンテレフタレートフィル
ムを用い、片面にコロナ処理を施した後、電子線重合性
組成物を塗布せずにグラビアコーターを用いて実施例−
1と同様な電子線重合性シリコーン組成物を塗布し、実
施例−1と同様な電子線照射により硬化を行ない剥離用
シートを得た。
比較例−3 実施例−1と同様な上質紙にコロナ処理を施し、熱硬化
型シリコーン樹脂(信越化学工業(株)、商品名KNS、
白金系触媒 CAT PL−8含有)をシリコーン重量が乾
燥状態で0.6g/m2の塗布量になるように塗布した。この
ようにして得られたシートを140℃の乾燥器中で50秒間
加熱し硬化させた。得られた剥離用シートはシリコーン
樹脂のほとんどが紙にしみこんだ物であった。
比較例−4 実施例−1と同様な上質紙にコロナ処理を施し、実施例
−1と同様な電子線重量性組成物を塗布し、その上に直
接実施例−1と同様な電子線重合性シリコーン組成物を
塗布し、実施例−1と同様な電子線照射により硬化を行
なった。得られた剥離用シートは電子線重合性組成物お
よびシリコーン樹脂のほとんどが紙にしみこんだ物であ
った。
以上実施例1〜3、および比較例1〜4で得られた剥離
用シートについて粘着剤に対する剥離抵抗値、残留接着
率、ラブオフ、カール、しわ、ピンホールの有無の結果
を第1表に示す。
試験方法は以下の通りである。
[剥離強度] 上質紙上に粘着剤(東洋インキ(株)製、製品名BPS)
を塗布し標準粘着シートとして使用した。得られた剥離
用シート(幅25mm)を20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で
24時間放置した後、重量2000gの圧着ローラーで標準粘
着シートに圧着し20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で2時
間放置後、テンシロン(東洋ボールドウィン(株)社
製)で剥離角180゜、剥離速度30cm/分の条件で連続して
引き剥したときの荷重を剥離強度とする。
[残留接着率] 得られた剥離用シート(幅25mm)を20℃、湿度65%の恒
温恒湿器内で24時間放置した後、重量2000gの圧着ロー
ラーで標準粘着シートに圧着し20℃、湿度65%、圧力0.
1kg/cm2の条件下で24時間加圧した。標準粘着シートを
剥離用シートより剥した後、表面を良く磨いた厚さ1.5m
mのステンレス鋼板にはりつけ、重量2000gの圧着ローラ
ーで圧着し20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で1時間放置
後、テンシロンで剥離角180゜、剥離速度30cm/分の条件
で連続して引き剥したときの荷重を剥離強度として求め
る。次に、表面を良く磨いた厚さ1.5mmのステンレス鋼
板に標準粘着シートをはりつけ、20℃、湿度65%、圧力
0.1kg/cm2の条件下で24時間加圧した。常圧に戻してか
ら、重量2000gの圧着ローラーで圧着し20℃、湿度65%
の恒温恒湿器内で1時間放置後、テンシロンで、剥離角
180゜、剥離速度30cm/分の条件で連続して引き剥したと
きの荷重を剥離強度として求める。残留接着率R(%)
は次の式により求められる。剥離用シートへ接着後の粘
着シートの剥離強度=Aとし、剥離用シート紙へ未接触
の粘着シートの剥離強度=Bとすると、R=(A/B)×1
00 [ラブオフ] 剥離用シートのシリコーン面を指で強く擦り、シリコー
ン面の剥離を目視により判定した。
[ピンホール] 剥離用シートのシリコーン面を染料を溶かしたトルエン
で濡らし、裏面より染み込み具合いを観察した。
[カールおよびしわ] 20℃、湿度65%の条件における相対比較により判定し
た。
〔G〕発明の効果 実施例および比較例で作成した剥離用シートについて粘
着剤に対する剥離抵抗値、残留接着率、ラブオフ、カー
ル、しわ、ピンホールの有無の結果を第1表に示す。第
1表より明らかなように実施例1,2,3により得られた剥
離用シートは剥離強度が小さく残留接着率が大きい。さ
らに高温加熱処理を施していないためカール、しわ、ピ
ンホールのない優れた特性を有している。これに対して
同じ電子線重合性シリコーン組成物を用いても比較例1
のごとく電子線重合性組成物による下塗り層がないもの
はシリコーン樹脂が紙基体にしみこみ、結果として剥離
強度が大きくなり、シリコーン樹脂の成膜性が悪いため
にピンホールも極めて多い。比較例3により得られた剥
離用シートも比較例2の剥離用シートとほぼ同じ欠点を
有し、かつ高温加熱処理に由来するカール、しわも著し
い。比較例2により得られた剥離用シートに関してはシ
リコーン樹脂とポリエチレンテレフタレートフィルムと
の接着性が悪く、シリコーン樹脂が摩擦により剥離する
いわゆるラブオフの現象を起こすという欠点を有してい
た。
以上記載したごとく本発明による方法により、カール、
しわ、ピンホール等の発生がなく、各種基体との接着性
に優れ、ラブオフの現象の起きない剥離用シートを少な
い工程で作成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の剥離用シートの一例を示す側面概略図
である。 第2図は本発明の剥離用シート製造装置の一例を示す側
面概略図である。 第3図は剥離用シート製造装置の他の一例を示す側面概
略図である。 1:基体シート、2:電子線重合性組成物、3:電子線重合性
シリコーン組成物、4:供給ロール、5:コーター、6:コー
ター、7:電子線照射装置、8:剥離用シート、9:巻き取り
ロール、10:コロナ発生装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙またはフィルム基体の少なくとも片面に
    該基体と接着性の良い電子線重合性組成物層を塗布し、
    電子線照射により電子線重合性組成物層の一部を重合さ
    せ、さらにその上に電子線重合性であり、かつ硬化後に
    剥離性を有する組成物層を塗布した後、電子線照射によ
    り両層を同時に硬化させることにより作成することを特
    徴とする剥離用シートの製造方法。
  2. 【請求項2】該基体と接着性の良い電子線重合性組成物
    が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化
    合物からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の剥離用シートの製造方法。
  3. 【請求項3】該電子線重合性であり、かつ硬化後に剥離
    性を有する組成物が、分子末端、または側鎖にアクリロ
    イル基、メタクリロイル基、ビニル基の中から選択され
    る官能基を有する有機ポリシロキサンからからなること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項および第2項記載の
    剥離用シートの製造方法。
  4. 【請求項4】該基体と接着性の良い電子線重合性組成物
    層を塗布し、電子線照射により電子線重合性組成物層の
    一部を重合させるにあたって、該基体の側から電子線を
    照射することを特徴とする特許請求の範囲第1項、第2
    項、および第3項記載の剥離用シートの製造方法。
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