JPH06198829A - シート状支持体 - Google Patents

シート状支持体

Info

Publication number
JPH06198829A
JPH06198829A JP34946292A JP34946292A JPH06198829A JP H06198829 A JPH06198829 A JP H06198829A JP 34946292 A JP34946292 A JP 34946292A JP 34946292 A JP34946292 A JP 34946292A JP H06198829 A JPH06198829 A JP H06198829A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
acrylate
resin
composition
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34946292A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Kobayashi
正史 小林
Takaharu Miura
喬晴 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Oji Paper Co Ltd filed Critical New Oji Paper Co Ltd
Priority to JP34946292A priority Critical patent/JPH06198829A/ja
Publication of JPH06198829A publication Critical patent/JPH06198829A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、樹脂被覆層が高い光沢度を有し、
かつ優れた耐折り曲げ性と耐光性を有する、放射線照射
により硬化しうる樹脂被覆層を設けたシート状支持体を
提供する。 【構成】 シート状基体の少なくとも一表面上に、アク
リロイルモルホリンと水素添加ポリブタジエンを主鎖と
し、末端にアクリロイル基を有するオリゴマーとを含有
する、放射線照射により硬化しうる不飽和有機化合物を
主成分として含む組成物の硬化体からなる樹脂被覆層を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シート状支持体に関す
るものである。さらに詳しくは、本発明は、シート状基
体表面に電子線あるいは紫外線などの放射線を照射する
ことにより硬化する(以下、この現象を放射線硬化性と
云う)樹脂を主成分として含む組成物の硬化体からなる
被覆層を設けたシート状支持体に関するものである。こ
のシート状支持体は、表面に平滑性、耐水性、高光沢性
が付与され、剥離紙、光沢紙、金属蒸着ラベル用支持
体、紙印刷物、ラミネート紙、コート紙、感熱紙、感圧
紙、粘着紙、化粧紙等の製造に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来から塗工紙、金属蒸着ラベル用支持
体、剥離紙、光沢紙、紙印刷物、ラミネート紙、感熱
紙、感圧紙、化粧紙などの分野において、紙の加工方法
として、紙の一面に耐水性、あるいはしみこみ防止用や
接着用に樹脂層を設けることは広く行なわれている。
【0003】従来より、こうした紙の樹脂被覆層の形成
には、各種樹脂を適宜選択して配合した樹脂組成物を水
もしくは溶剤に分散もしくは溶解させて、シート状基材
に塗り付け乾燥させて完成させる方法、並びに樹脂を熔
融してシート状基材にラミネートする方法、ホットメル
ト塗布する方法が広く用いられている。
【0004】しかし、前述の樹脂組成物を水もしくは溶
剤に分散させて塗布、乾燥させる方法では、樹脂塗布量
が多くなろほど、またその加工が高速度で行なわれるほ
ど大きな乾燥や熔融設備が必要になり、その設置面積や
乾燥、熔融に必要な熱エネルギーが大きくなるとの問題
がある。また溶剤を用いた塗工方法では、乾燥工程で蒸
発した溶剤を回収する必要があるが、その全てを回収す
ることは難しく、環境対策の面からも好ましくない。
【0005】このような状況において近年、不飽和有機
化合物を主成分とする樹脂組成物をシート状基材に塗布
し、これに電子線あるいは紫外線などの放射線を照射し
て、樹脂被覆層を形成し、シート状支持体を得る、いわ
ゆる放射線硬化技術を用いたシート状支持体の製造方法
が用いられるようになった。この方法によれば、乾燥、
熔融設備が不要であり、装置がコンパクトであり、しか
も溶剤を大気に放出することがないなどの利点がある。
【0006】これら、放射線硬化型の樹脂は分子末端
に、または分子側鎖に放射線反応基を有する不飽和ポリ
エステル、変性不飽和ポリエステル、アクリル系ポリマ
ーおよび不飽和結合を有する単量体などを単独または混
合して使用される。
【0007】しかし、放射線硬化技術を用いて樹脂組成
物を硬化させる方法では、得られる樹脂塗布硬化層は、
従来の加熱乾燥型あるいは、ホットメルト型に比べて硬
いため、シート状支持体は、全体としては柔軟性が乏し
く、折り曲げたときに樹脂塗布硬化層がヒビ割れを発生
し易い。放射線硬化型の樹脂として、柔軟性に富むウレ
タンアクリレートをオリゴマーとして用いた場合には、
耐折曲げ性に富むものである。しかし、耐光性において
は十分とは言えず、長時間太陽光に晒された場合、樹脂
は容易に黄変するという欠点を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決し、放射線の照射により硬化しうる樹脂組成物の
硬化体からなる樹脂被覆層を有するシート状支持体にお
いて、折り曲げても亀裂を発生しない耐折り曲げ性を有
し、さらに優れた耐光性を有し、しかも高い光沢感と表
面平滑性、耐水性とを兼ね備えたシート状支持体を提供
しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のシート状支持体
は、シート状基体と、前記シート状基体の少なくとも一
表面上に形成され、かつ放射線照射により硬化し得る不
飽和有機化合物を主成分として含む組成物の硬化体から
なる樹脂被覆層とを有し、前記不飽和有機化合物が、ア
クリロイルモルホリンおよび水素添加ポリブタジエンを
主鎖とし、末端にアクリロイル基を有するオリゴマーを
含有することを特徴とするものである。
【0010】一般に、放射線硬化性樹脂の硬化体からな
る被覆層を設けたシート状支持体は、製造設備がコンパ
クトになり、有機溶剤を用いる必要もなく、また、シー
ト状基体が加熱されることがないため寸法安定性にも優
れ、さらに顔料を多く配合できるなどの利点を有してい
る。しかし、反面、樹脂被覆層が硬く、シート状支持体
を折曲げたときに、大きな亀裂が発生してしまうという
品質上の欠点を有していた。
【0011】従来より放射線硬化型樹脂としては、エポ
キシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタ
ンアクリレート、ポリブタジエンアクリレートなどのア
クリレートオリゴマーが使用されているが、これらの化
合物は、分子鎖中に不飽和結合や活性水素を有し、化学
的に不安定な要素を含んでいる。そのため、太陽光中の
紫外線を主とする活性光線により、化学的変化を起こし
黄変する。
【0012】また、通常放射線硬化性のオリゴマーは単
独使用するには粘度が高いため、比較的分子量の低いモ
ノマーで希釈して塗料とするが、この希釈モノマーの使
用は柔軟性を劣化させる。
【0013】本発明者らは、上記問題の解決方法につい
て種々検討した結果、放射線硬化性不飽和有機化合物と
して、水素添加ポリブタジエンを主鎖とし、末端にアク
リロイル基を有するオリゴマーと、アクリロイルモルホ
リンとを含有させることにより、上記柔軟性の問題を解
決し、シート状支持体を折り曲げた場合に発生する亀裂
を完全に防止し、さらに耐光性を改善し得ることを見出
し、本発明を完成させた。
【0014】本発明に用いられる樹脂被覆層形成用の放
射線硬化性塗料組成物は、下記の化合物より構成され
る。水素添加ポリブタジエンを主鎖とし、末端にアクリ
ロイル基を有するオリゴマー:本発明において使用す
る、水素添加ポリブタジエンを主鎖とし、末端にアクリ
ロイル基を有するオリゴマーは、その分子量が500〜
5000であることが好ましい。分子量が5000を越
えると樹脂の粘度が高く、塗布性が悪くなり、500未
満では架橋密度が高くなり、樹脂が硬くなって柔軟性が
劣ってしまうことがある。
【0015】本発明において使用する水素添加ポリブタ
ジエンを主鎖とし、末端にアクリロイル基を有するオリ
ゴマーの、樹脂被覆層形成用塗料組成物中における含有
率は10〜80重量%であることが好ましく、さらに好
ましくは20〜70重量%である。本オリゴマーの含有
率が80%を越えると粘度が著しく高くなり、塗布性能
が悪化し、20%未満では硬化速度が低下し、塗膜の充
分な柔軟性が得られないことがある。
【0016】アクリロイルモルホリン:アクリロイルモ
ルホリンは、塗料組成物中で反応性希釈剤として作用
し、硬化速度が早く、形成された塗膜を強靭にする。本
発明において使用するアクリロイルモルホリンの含有量
は、内側樹脂被覆層形成用塗料組成物中に10重量%以
上含有されることが好ましく、特に20重量%以上がよ
り好ましい。10重量%未満では塗膜に十分な強靭性を
伴なった柔軟性が付与出来ないことがある。
【0017】本発明の電子線硬化性塗料組成物には、必
要に応じて、下記のラジカル重合性化合物を含有させて
も良い。ラジカル重合性化合物としては次のようなオリ
ゴマーおよびモノマーが用いられる。
【0018】オリゴマーとしては、ポリウレタンのアク
リル又はメタクリル酸エステル、ポリエーテルアルコー
ルのアクリル又はメタクリル酸エステル、ビスフェノー
ルAのアクリル又はメタクリル酸エステル、マレイン酸
又はフマール酸のエステル、ポリブタジエン系オリゴマ
ー等を挙げることができる。
【0019】またモノマーとしては、スチレン、N−ビ
ニルピロリドン、単官能アクリレート、単官能メタクリ
レート例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシブチルメタクリレート、イソオクチルアクリレ
ート、ブトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレート、フェノオキシエチルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート、ベンジルアクリレート、イソボロニルアク
リレート、エチレンオキサイド変性フェノキシアクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、エチレ
ンオキシド変性フェノキシ化りん酸アクリレート、エチ
レンオキシド変性ブトキシ化りん酸アクリレートが例示
される。また、この他に東亜合成化学工業(株)の商品
名:アロニックスM−101、同:アロニックスM−1
02、同:アロニックスM−111、同:アロニックス
M−113、同:アロニックスM−114、同:アロニ
ックスM−117、同:アロニックスM−152、同:
アロニックスM−154などを使用することができる。
【0020】また、多官能アクリル系モノマー、多官能
メタクリル系モノマー、および多官能ビニル系モノマー
としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリ
エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートお
よび、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0021】紫外線照射により硬化する場合には、組成
物に対して、光開始剤を0.5〜5重量%添加する。光
開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、α−メ
チルベンゾイン等のベンゾイン類、ベンジル、ベンジル
メチルケタール等のベンジル類、ベンゾフェノン、ジメ
トキシフェニルアセトフェノン、4,4′−ビス(ジメ
チルアミノ)ベンゾフェノン、チオキサントン又はその
誘導体等のイオウ化合物、アリルジアゾニウム塩類の如
きアゾ化合物等が挙げられる。
【0022】本発明の樹脂被覆層の塗布量は、1〜60
g/m2 であることが好ましい。塗布量が1g/m2
り少ないと本発明の効果を十分に発揮することが難し
く、また塗布工程でピンホール発生などの問題が生じる
ことがあり、また塗布量が60g/m2 を越えるとコス
トの点で実用的でない。
【0023】本発明に用いる塗料組成物中には、必要に
応じて顔料を含有させることができる。顔料としては、
二酸化チタン(アナターゼ型、およびルチル型)、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、カオリ
ン、タルク、クレーなどがいずれも使用可能である。顔
料の含有量は、塗料組成物の全固形分重量の80重量%
以下であることが好ましい。80重量%を超えると、得
られる樹脂塗布層の柔軟性が低下し、膜割れを生ずるこ
とがある。
【0024】顔料を放射線硬化性塗料組成物中に分散す
るには、3本ロールミル(スリーロールミル)、2本ロ
ールミル(ツーロールミル)、カウレスディゾルバー、
ホモミキサー、サンドグラインダー、プラネタリーミキ
サー、および超音波分散機などを使用することができ
る。
【0025】また、成型面表面あるいは紙やプラスチッ
クなどのシート状基体表面に樹脂組成物の塗布方法とし
ては、例えばバーコート法、ブレードコート法、スクイ
ズコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、
グラビアコート法およびトランスファーコート法等のい
ずれを用いても良い。更にこのために、ファウンテンコ
ーターあるいはスリットダイコーター方式を用いること
もできる。特に金属製ドラムの表面を成型面として使用
する場合には、成型面表面に傷を付けないための配慮か
らゴムロールを使用するロールコート法あるいはオフセ
ットグラビアコート法が用いられ、さらには非接触タイ
プのファウンテンコーターやスリットダイコーター法が
有利に用いられる。
【0026】電子線照射に用いられる電子線加速器とし
ては、とくにその方式を限定するものではなく、例えば
バンデグラーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニン
グ方式、カーテンビーム方式などの電子線照射装置を使
用することができるが、この中でも比較的安価で大出力
の得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられ
る。電子線照射の際の加速電圧は100〜300kvであ
ることが好ましく、吸収線量としては、0.1〜6Mrad
であることが好ましく、0.5〜5Mradが特に好まし
い。
【0027】電子線照射時における雰囲気中の酸素濃度
は500ppm 以下であることが好ましい。酸素濃度が5
00ppm を超えると、酸素が重合反応の遅延剤として働
き、樹脂組成物の硬化が不十分になることがある。但
し、電子線硬化性シート状支持体の表面平滑性を得るこ
とを目的として、紙基体上に塗布した電子線硬化塗布液
に金属ドラムやプラスチックフィルムなどの適宜な成型
面を押しあてる場合には、電子線照射中に電子線硬化塗
布液が直接空気に触れることがなく、従って電子線照射
時における雰囲気中の酸素濃度を特に低減させる必要は
ないが、電子線照射によるオゾン発生を抑制する目的
で、あるいは電子線が通過する際に発熱するウィンドウ
の冷却等の目的で不活性ガスを使用することにはもちろ
ん支障はない。
【0028】本発明で用いられるシート状基材として
は、特別の制限はないが、天然パルプを主成分とする原
紙が有利に用いられる。
【0029】天然パルプを主成分とする原紙としては、
広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針葉樹混合パルプ
などの木材パルプからなる原紙や、クラフトパルプ、サ
ルファイトパルプ、ソーダパルプなどの晒パルプからな
る原紙が使用できる。また、合成パルプ、合成繊維を含
むパルプから製造された原紙を使用することもできる。
【0030】本発明において、シート状基材として使用
する原紙には、通常の各種添加剤、例えば乾燥紙力増強
剤(カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、
およびアニオン性ポリアクリルアミドなど)、サイズ剤
(脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン、カチオン化サ
イズ剤、および反応性サイズ剤など)、填料(クレー、
タルク、カオリン、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、および酸化マグネシウムなど)、湿潤紙力増強剤
(メラミン樹脂、およびエポキシ化ポリアミド樹脂な
ど)、定着剤(硫酸アルミニウム、およびカチオン化澱
粉など)、pH調節剤(苛性ソーダ、および炭酸ソーダな
ど)などを1種以上含むことができる。
【0031】また、水溶性高分子添加剤、表面サイズ
剤、無機電解質、吸湿性物質、顔料、pH調節剤、染料、
帯電防止剤、ポリビニルアルコール、およびカルボキシ
変性ポリビニルアルコール、などの1種以上を含む処理
液でタブサイズ、またはサイズプレスされたものであっ
てもよい。
【0032】さらに、シート状基材として、プラスチッ
クフィルムや、いわゆる合成紙を使用することもでき
る。また、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂など
のポリオレフィン系樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を溶
融押出法で形成したフィルムをシート状基材として使用
することもできる。
【0033】シート状基材として使用する、プラスチッ
クフィルムや合成紙には、必要に応じて、顔料(クレ
ー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタ
ン、水酸化マグネシウムなど)、分散剤(ステアリン酸
亜鉛などの金属石鹸や各種の界面活性剤など)、有色顔
料などを含有することができる。
【0034】また本発明のシート状支持体では、上記の
樹脂被覆層を形成した面とは反対側の面もまた樹脂組成
物で被覆することができる。この場合、樹脂被覆層は電
子線照射により硬化する樹脂組成物であってもよいし、
他の方法で塗工された樹脂塗布層、例えば水溶性樹脂を
主成分とする樹脂組成物の塗布層、溶剤系樹脂を主成分
とする樹脂組成物の塗布層、あるいはまた熱可塑性樹脂
を主成分とする樹脂組成物を熔融押し出し法で塗工した
被覆層であってもよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明の構成及び効果を
更に説明するが、もちろん本発明はこれらの態様に制限
されるものではない。
【0036】実施例1 下記の組成の混合物をペイントコンディショナーで1時
間混合分散し、樹脂被覆層形成用塗料組成物(組成物
1)を調製した。この組成物を、坪量100g/m2
紙基体の1表面上に、ワイヤーバーを用いて、硬化後の
塗布量が25g/m2 になるように塗布し、この塗布層
を成型面として使用するクロムメッキを施した金属板の
表面上に押し当て、紙基体の背面から加速電圧:200
kv、吸収線量:2Mradの条件で電子線を照射し、塗布層
を硬化させたのち、金属板表面から樹脂硬化層を剥離
し、シート状支持体を作成した。
【0037】組成物1 成 分 配合量 水素添加ポリブタジエンアクリレートオリゴマー 40重量部 (平均分子量:約1000、 商標:NISSO PB TEAI−1000、 日本曹達製) アクリロイルモルホリン(商標:ACMO、興人製) 30重量部 ラウリルアクリレート(商標:LA、大阪有機化学製) 30重量部
【0038】得られたシート状支持体の耐折り曲げ性お
よび耐光性を下記のようにして評価した。 耐折り曲げ性:シート状支持体を樹脂被覆層を形成した
側とは反対方向に180°折曲げ、樹脂被覆層の亀裂の
有無を目視で評価し、全く亀裂のないものを3点、若干
亀裂が認められるものを2点、大きな亀裂が認められる
ものを1点とする3段階で評価した。3点および2点の
ものは実用性があるが、1点のものは実用に耐えない。
【0039】耐光性:シート状支持体をフェードメータ
ー(東芝ライテック製水銀ランプ(H400F,400
W)より30cmの距離で紫外線照射)を用いて24時間
紫外線を照射したのち、TAPPI−T524「Lab
測定方法」に従って、色彩色差計(ミノルタ製、CR−
200B)を用いて紫外線照射前後のb値を測定し、照
射後のb値から照射前のb値を引いた値(Δb値)を耐
光性の指標として評価を行った。Δb値が2.0未満の
場合は実用性があるが、2.0以上の場合、実用に耐え
ない。評価結果を表1に示す。
【0040】実施例2 実施例1において、組成物中の水素添加ポリブタジエン
アクリレートオリゴマーとして平均分子量3000のも
のを使用した以外は実施例1と同様にしてシート状支持
体を作製した。実施例1と同様にして行った評価結果を
表1に示す。
【0041】実施例3 実施例1において、組成物中の各成分の割合を、水素添
加ポリブタジエンアクリレート:アクリロイルモルホリ
ン:ラウリルアクリレート=60:20:20にした以
外は実施例1と同様にしてシート状支持体を作製した。
実施例1と同様にして行った評価結果を表1に示す。
【0042】実施例4 実施例1において、組成物中のラウリルアクリレートを
アルキルフェノキシポリエチレングリコールアクリレー
ト(商標:アロニックスM−117、東亜合成化学製)
に代えた以外は実施例1と同様にしてシート状支持体を
作製した。実施例1と同様にして行った評価結果を表1
に示す。
【0043】実施例5〜8 実施例1〜4において、各組成物中に光開始剤、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商標:イルガ
キュウア184、チバガイギー製)を夫々2.0重量部
添加し、塗料組成物を調製した。次いで、夫々の組成物
を実施例1と同様にして紙基体に塗布したのち、4KWの
メタルハライドランプにより15cmの距離から10秒間
紫外線を照射して組成物を硬化し、シート状支持体を作
製した。実施例1と同様にして行った評価結果を表1に
示す。
【0044】実施例9〜10 実施例1〜2において、各組成物中に二酸化チタン(ル
チル型、商標:タイペークCR−58、石原産業製)を
30重量部づつ添加した以外は実施例1と同様にしてシ
ート状支持体を作製した。実施例1と同様にして行った
評価結果を表1に示す。
【0045】実施例11〜12 実施例1〜2において、各組成物中にカオリンクレー
(商標:NNカオリンクレー、土屋カオリン工業製)を
40重量部づつ添加した以外は実施例1と同様にしてシ
ート状支持体を作製した。実施例1と同様にして行った
評価結果を表1に示す。
【0046】比較例1 実施例1において、組成物中の水素添加ポリブタジエン
アクリレートをエポキシアクリレート(商標:EBEC
RYLE 600、UCB社製)に代えた以外は実施例
1と同様にしてシート状支持体を作製した。実施例1と
同様にして行った評価結果を表1に示す。
【0047】比較例2 実施例1において、組成物中の水素添加ポリブタジエン
アクリレートをウレタンアクリレート(商標:製紫光U
V−2000B、日本合成化学工業)に代えた以外は実
施例1と同様にしてシート状支持体を作製した。実施例
1と同様にして行った評価結果を表1に示す。
【0048】比較例3 実施例1において、組成物中の水素添加ポリブタジエン
アクリレートをポリブタジエンアクリレート(商標:N
ISSO PB TEI−1000、日本曹達製)に代
えた以外は実施例1と同様にしてシート状支持体を作製
した。実施例1と同様にして行った評価結果を表1に示
す。
【0049】比較例4 実施例5において、組成物中の水素添加ポリブタジエン
アクリレートをウレタンアクリレート(商標:製紫光U
V−2000B、日本合成化学工業)に代えた以外は実
施例5と同様にしてシート状支持体を作製した。実施例
1と同様にして行った評価結果を表1に示す。
【0050】比較例5 実施例11において、組成物中の水素添加ポリブタジエ
ンアクリレートをウレタンアクリレート(商標:製紫光
UV−2000B、日本合成化学工業)に代えた以外は
実施例11と同様にしてシート状支持体を作製した。実
施例1と同様にして行った評価結果を表1に示す。
【0051】比較例6 実施例1において、組成物中のアクリロイルモルホリン
を2−フェノキシエチルアクリレート(商標:ビスコー
ト192、大阪有機化学製)に代えた以外は実施例1と
同様にしてシート状支持体を作製した。実施例1と同様
にして行った評価結果を表1に示す。
【0052】比較例7 実施例1において、組成物中のアクリロイルモルホリン
とラウリルアクリレートをヘキサンジオールジアクリレ
ートに代えた以外は実施例1と同様にしてシート状支持
体を作製した。実施例1と同様にして行った評価結果を
表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明のシート状支持体は、放射線照射
により硬化する樹脂被覆層を設けたシート状支持体の有
する欠点であった耐折り曲げ性および耐光性を改善した
ものであり、実用上極めて有用なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体と、前記シート状基体の少
    なくとも一表面上に形成され、かつ放射線照射により硬
    化し得る不飽和有機化合物を主成分として含む組成物の
    硬化体からなる樹脂被覆層とを有し、前記不飽和有機化
    合物が、アクリロイルモルホリンおよび水素添加ポリブ
    タジエンを主鎖とし、末端にアクリロイル基を有するオ
    リゴマーを含有することを特徴とするシート状支持体。
JP34946292A 1992-12-28 1992-12-28 シート状支持体 Pending JPH06198829A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34946292A JPH06198829A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 シート状支持体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34946292A JPH06198829A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 シート状支持体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06198829A true JPH06198829A (ja) 1994-07-19

Family

ID=18403915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34946292A Pending JPH06198829A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 シート状支持体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06198829A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0874027A3 (en) * 1997-04-25 1999-11-24 Oji Paper Company Limited Electron beam curable resin composition and composite sheet material produced therefrom
JP2014095080A (ja) * 2008-09-05 2014-05-22 Kyoritsu Kagaku Sangyo Kk 光学機能材料を貼り合わせるための光硬化型樹脂組成物
US8921443B2 (en) 2010-08-18 2014-12-30 Henkel IP & Holding GmbH Radiation curable temporary laminating adhesive for use in high temperature applications

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0874027A3 (en) * 1997-04-25 1999-11-24 Oji Paper Company Limited Electron beam curable resin composition and composite sheet material produced therefrom
JP2014095080A (ja) * 2008-09-05 2014-05-22 Kyoritsu Kagaku Sangyo Kk 光学機能材料を貼り合わせるための光硬化型樹脂組成物
JP5563983B2 (ja) * 2008-09-05 2014-07-30 協立化学産業株式会社 光学機能材料を貼り合わせるための光硬化型樹脂組成物
US8921443B2 (en) 2010-08-18 2014-12-30 Henkel IP & Holding GmbH Radiation curable temporary laminating adhesive for use in high temperature applications

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5096767A (en) Alkali-removable label support and label
JPH08218295A (ja) 強光沢シート
JP2730434B2 (ja) シート状支持体
JPH06198829A (ja) シート状支持体
JPH05269931A (ja) 型付け用離型材およびその製造方法
EP0485240A1 (en) Coated product, and methods for providng a coated substrate or for forming a printed substrate
JPH05177704A (ja) 型付け用離型材およびその製造方法
JPH05177778A (ja) マット面離型紙およびその製造方法
JP3291798B2 (ja) 写真印画紙用支持体
JPH05338091A (ja) 型付け用離型材およびその製造方法
JPH05254066A (ja) 型付け用離型材およびその製造方法
JPH02182997A (ja) 金属蒸着ラベル用支持体及び金属蒸着ラベル
JPH07195627A (ja) シート状支持体
JPH05269936A (ja) 型付け用離型材
JP2680333B2 (ja) 写真用支持体およびその製造方法
JPH0247A (ja) 写真印画紙用支持体
JPH05104682A (ja) 剥離紙およびその製造方法
JPH0255557B2 (ja)
JPH05169598A (ja) 型付け用離型材およびその製造方法
JPH02175998A (ja) 加工紙の製造方法
JPH06248577A (ja) 型付け用離型材およびその製造方法
JPH0798486A (ja) 写真印画紙用支持体
JPH06242550A (ja) 写真印画紙用支持体
JP3099548B2 (ja) シート状積層体の製造方法
JPH09195198A (ja) 強光沢印刷用シート