JP2680333B2 - 写真用支持体およびその製造方法 - Google Patents

写真用支持体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔A〕産業上の利用分野 本発明は、写真用印画紙の支持体に関するものであ
る。より詳しくは、支持体表面にプライマー層を設け、
その上を白色顔料を含んだ樹脂で被覆した耐水性写真用
支持体に関するものである。
〔B〕従来の技術 近年、写真用支持体としては白色顔料を練りこんだポ
リオレフィン樹脂層を支持体である原紙表面に設けた耐
水性紙が主に用いられている。このように原紙上にポリ
オレフィン樹脂層を設けるのは、現像時に処理薬品が原
紙内に浸透するのを妨げるのが主な理由であり、この被
覆層により現像時間の短縮化が可能となり、また原紙内
に処理薬品が残らないため、経時変化による黄変を避け
ることができる。このようなポリオレフィン樹脂による
原紙の被覆は一般に溶融押し出し機を用いて行なわる。
さらに、印画紙の表面となるほうのポリオレフィン樹脂
層には、写真用支持体の隠ぺい力、白色度を向上させ、
写真印画紙の解像度を向上させる目的で、二酸化チタン
などの無機白色顔料が練り込まれている。
〔C〕発明が解決しようとする課題 しかしながら、ポリオレフィン樹脂は熱溶融時におい
ても非常に高粘度で、二酸化チタン等の無機顔料を分散
するのは容易ではなく使用できるポリオレフィン樹脂の
種類も限られていた。また、無機顔料の充填率にも限界
があり、ある程度の隠ぺい力、白色度を得ようとすると
樹脂厚さを増やさざるを得なかった。また、このような
ポリオレフィン樹脂の溶融押し出し塗工は、ポリオレフ
ィン樹脂の熱分解温度以上でなされるため、樹脂の熱分
解による黄変化やピンホールが樹脂層に生ずる。さら
に、押し出し速度が増加すると原紙との接着性が低下
し、最終製品の品質低下を引き起こすという問題を有し
ていた。
樹脂被覆された写真用支持体を製造する上で、溶融押
し出し法を用いれば適度な隠ぺい力を保持したまま不透
明樹脂被覆層を薄くしたり、品質の低下を招くことなく
塗工速度を増加させたりすることは困難であるため、写
真印画紙用原紙に白色原料を練りこんだ電子線硬化性樹
脂(以下、電子線硬化性組成物と称する)を塗工し、こ
れに電子線照射して不透明樹脂被覆層を形成して耐水性
の写真用支持体を製造する方法が提案されている(たと
えば特公昭60−17104号公報)。この方法は電子線照射
により重合可能な不飽和結合を有するアクリレートエス
テルのごとき樹脂に白色顔料を高濃度で分散させた塗液
を写真印画紙用原紙上に塗布し、常温で電子線照射によ
り重合および架橋を行なわせ原紙表面に不透明樹脂被覆
層を形成させる方法であるため、隠ぺい力を低下させる
ことなく不透明樹脂被覆層を薄くでき、かつ溶融押し出
し法に由来する樹脂の黄変化、ピンホールの生成、樹脂
層の接着不良、ブロッキングや梨地の発生による最終製
品の品質低下を引き起こすことなく耐水性の写真用支持
体の製造が可能となる。
しかしながら、電子線硬化性組成物を用いた写真用支
持体の製造において不透明樹脂被覆層を薄膜化および高
速加工した場合には、溶融ポリオレフィン樹脂によるラ
ミネートのごとく高粘度で、かつある程度フィルム化さ
れた樹脂を写真印画紙用原紙上に設けるのとは異なり、
支持体の凹凸に応じて不透明樹脂被覆層の厚みが不均一
となり、結果として写真用支持体の白色度、不透明度な
どの不均一化の原因となったり、支持体の凹凸が不透明
樹脂被覆層により充分覆われることなく表面に現れるた
めにシボ状のムラになり光沢度を低下させ、最終製品で
ある写真用印画紙の品質低下を引き起こすという問題を
有していた。
さらに、アクリレートを中心とする従来の電子線硬化
性樹脂による被膜においては、実質的に濃アルカリであ
る現像液の透過性が大きくいわゆる耐水性がポリオレフ
ィン樹脂被膜に比べて弱く、特に不透明樹脂被覆層が薄
膜化された場合に現像時に現像処理液が不透明樹脂被覆
層を透過して写真用原紙に達し、原紙に吸着され充分に
水洗されないため着色し、最終製品である写真の特性を
低下させるという重要な問題を有していた。
〔D〕課題を解決するための手段 本発明者は、上記のような問題点を解決する手段を鋭
意研究した結果、以下のような解決法を見いだすに至っ
た。すなわち、写真用支持体において、支持体上の少な
くとも1面に支持体の中心面平均粗さ(SRa)の3倍以
上の厚みを有するプライマー層を設け、その上に白色顔
料と電子線硬化樹脂から成る不透明樹脂被覆層が設けら
れた写真用支持体の発明である。該プライマー層は、支
持体の凹凸を平均化し不透明樹脂被覆層を設けた場合の
表面平滑性、光沢度の向上のために設けたものであった
が驚くべきことにこのプライマー層を設けることにより
効率よく写真現像処理後の写真用支持体の着色を著しく
低下させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるプライマー層には、電子線硬化性組成
物を電子線照射により硬化した樹脂被覆層を用いること
ができる。電子線照射による該プライマー層の硬化は電
子線硬化性組成物を塗布する前または塗布した後になす
ことができる。あるいは該プライマー層の電子線照射に
よる硬化が部分的になされた後、電子線硬化性組成物が
塗布され、その後2回目の電子線照射により該プライマ
ー層と該電子線硬化性組成物を同時に硬化することがで
きる。
本発明によるプライマー層を設ける第1の目的は支持
体、特に写真用原紙の凹凸を平均化するためのものであ
り、特に硬化後の物質移動の制御を目的とするものでは
ないため原紙表面がプライマー層により平滑であれば原
紙を構成するパルプ繊維がプライマー層で処理した面上
に多少露出し、不透明樹脂被覆層と直接接触しても差し
支えない。
本発明における写真用支持体においては支持体の凹凸
をプライマー層により平均化し、平滑化するため、その
上に電子線硬化性組成物より成る不透明樹脂被覆層を設
けた場合にその厚みが均一化され、結果として均一化さ
れた白色度、不透明度を有する写真用支持体を得ること
ができる。プライマー層の硬化は、加熱法、紫外線照射
法、電子線照射法等の手段により行なうことができる。
また、本発明により作成された写真用支持体の不透明
樹脂被覆層上に写真用支持体の最表面における平滑性、
耐水性、耐薬品性、易洗浄性、感光性乳剤層との接着
性、および感光性乳剤のかぶり防止性などの性能を付与
するためにポリオレフィン樹脂による被膜層を設けても
良い。
本発明において用いられるプライマー層および電子線
硬化性組成物を構成する電子線硬化性樹脂は、電子線硬
化性、白色顔料の高濃度分散性、耐候性、被膜強度、耐
熱性、カール特性、支持体との接着性などの条件を考慮
して選ぶことができる。また、プライマー層に用いる電
子線硬化性樹脂はエマルジョンの形で塗布し、乾燥後電
子線照射により硬化を行なっても良い。電子線重合性樹
脂としては、分子末端にまたは分子側鎖に電子線反応基
を有する不飽和ポリエステル、変性不飽和ポリエステ
ル、アクリル系ポリマーおよび不飽和結合を有する単量
体などが単体でまたは他の溶剤とともに使用できる。以
下、電子線重合性樹脂のうち代表的なものを例示する。
(a)ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタク
リレート、 例えば、アロニックスM−5300、アロニックスM−54
00、アロニックスM−5500、アロニックスM−5600、ア
ロニックスM−5700、アロニックスM−6100、アロニッ
クスM−6200、アロニックスM−6300、アロニックスM
−6500、アロニックスM−7100、アロニックスM−803
0、アロニックスM−8060、アロニックスM−8100(以
上、東亜合成化学工業(株)商品名)、ビスコート70
0、ビスコート3700(以上、大阪有機化学工業(株)商
品名)、カヤラッドHX−220、カヤラッドHX−620(以
上、日本化薬(株)商品名)などが挙げられる。
(b)ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレー
ト、 例えば、アロニックスM−1100、アロニックスM−12
00、アロニックスM−1210、アロニックスM−1250、ア
ロニックスM−1260、アロニックスM−1300、アロニッ
クスM−1310(以上、東亜合成化学工業(株)商品
名)、ビスコート812、ビスコート823、ビスコート823
(以上、大阪有機化学工業(株)商品名)、NKエステ
ル、U−108−A、NKエステル、U−4HA(以上、新中村
化学(株)商品名)などが挙げられる。
(c)単官能アクリレート、単官能メタクリレート、 例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェ
ノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、アクリロイルモル
フォリン、ベンジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、
N、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N、N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート、ブトキシエチ
ルアクリレートなど。エチレンオキシド変性フェノキシ
化りん酸アクリレートエチレ、オキシド変性ブトキシ化
りん酸アクリレート、この他に東亜合成化学工業(株)
の商品名でいえばアロニックスM−101、アロニックス
M−102、アロニックスM−111、アロニックスM−11
3、アロニックスM−114、アロニックスM−117、アロ
ニックスM−152、アロニックスM−154などが挙げられ
る。
(d)多官能アクリレート、多官能メタクリレート、 例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イ
ソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、エチレンオキシド変性
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレン
オキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、プロピレンオキシド変性ジペンタエリスリトールポ
リアクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリス
リトールポリアクリレート、ペンタエリスリトールアク
リル酸付加物のアクリレートエステルなどが挙げられ
る。東亜合成化学工業(株)の商品名でいえばアロニッ
クスM−210、アロニックスM−215、アロニックスM−
220、アロニックスM−230、アロニックスM−233、ア
ロニックスM−240、アロニックスM−245、アロニック
スM−305、アロニックスM−309、アロニックスM−31
0、アロニックスM−315、アロニックスM−320、アロ
ニックスM−325、アロニックスM−330、アロニックス
M−400、アロニックスM−450、TO−458、TO−747、TO
−755、THIC.TA2などが挙げられる。
本発明において用いられる電子線硬化性組成物中の白
色顔料としては、ルチル型あるいはアナターゼ型の二酸
化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バ
リウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、シリカ等の白
色顔料を無処理、またはシロキサン、アルミナ、アルコ
ール等で表面処理して用いることができる。白色顔料の
電子線硬化性組成物中において占める割合は20重量%か
ら80重量%であることが好ましく、その中でも特に20重
量%から70重量%の範囲にあることが好ましい。これ
は、白色顔料の占める割合が極端に少ないと期待される
隠ぺい力を持つに至らず、また極端に多いと電子線硬化
性樹脂のバインダーとしての能力が不足するばかりでな
く電子線照射量の増大を招き、写真印画紙用原紙あるい
は成膜した被覆樹脂に好ましくない影響を与えるからで
ある。
本発明における電子線硬化性組成物中には従来のポリ
オレフィン樹脂の溶融押し出し法で作成した写真用支持
体の表面ポリエチレン層に用いられているような群青、
コバルトバイオレット等の顔料および染料、酸化防止
剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、分散剤、安定剤などの各
種の添加剤を適宜組み合わせて加えることができる。
本発明において電子線硬化性樹脂の硬化は電子線照射
により行なうため、反応開始剤は原則的に必要ないが未
反応樹脂の低減を図る目的で光反応開始剤を混合しても
差し支えない。光反応開始剤としては、ジおよびトリク
ロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾ
フェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベ
ンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサ
ント、類、アゾ化合物、各種銀塩等があり、光反応開始
剤の使用量は電子線硬化性樹脂に対して、通常0.1〜10
%の範囲である。また、光開始剤にハイドロキノンのよ
うな貯蔵安定剤が併用される場合もある。
本発明において支持体として用いられる原紙は通常の
天然パルプ紙、合成繊維、あるいは合成樹脂フィルムを
擬紙化したいわゆる合成紙、あるいは合成樹脂シートを
用いることができるが、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、
針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプを主成分とする天
然パルプ紙が有利に用いられる。原紙の厚みに関しては
特に制限はなく、その坪量は50g/m2〜250g/m2が好まし
い。
本発明の方法において有利に用いられる天然パルプを
主成分とする原紙には各種高分子化合物、添加剤を含有
せしめることができる。たとえば、デンプン誘導体、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルアルコール誘導体、ゼラ
チン等の乾燥紙力増強剤、脂肪酸塩、ロジン誘導体、ジ
アルキルケテンダイマー乳化物等のサイズ剤、メラミン
樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド等の湿潤紙力増
強剤、安定剤、顔料、染料、酸化防止剤、蛍光増白剤、
各種ラテックス、無機電解質、pH調整剤等を適宜組み合
わせて含有せしめることができる。
また、本発明において原紙とプライマー層の接着性と
濡れ性を良くするために原紙表面にコロナ処理等の表面
処理を行なっても、またプライマー層と電子線硬化性組
成物との接着性および濡れ性、電子線硬化性組成物と感
光性乳剤との接着性および濡れ性を良くするためにそれ
ぞれの樹脂の表面にコロナ処理やサブコート等の表面処
理を行なってもよい。
プライマー層を形成する樹脂および電子線硬化性組成
物を調整する方法としては一般的な顔料混練機を用いる
ことができる。たとえば、二本ロール、三本ロール、ボ
ールミル、ニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザー等
である。
原紙上にプライマー層および電子線硬化性組成物を塗
布する方法としては、例えば、ブレードコート、ドクタ
ーコート、エアーナイフコート、スプレーコート、スク
イズコート、ナイフコート、リバースロールコート、グ
ラビアロールおよびトランスファーロールコート、Eバ
ーコート等の方法が用いられ、プライマー層を形成した
後でカレンダー等で平滑化することもできる。
原紙上に塗布するプライマー層の厚さは原紙の表面粗
さにより異なるが、少なくとも一般に写真用に用いられ
る原紙の平均面中心粗さ(SRa)の3倍以上の厚さが必
要であり、5倍以上の厚さがあればより好ましい。プラ
イマー層の厚さがこの厚さより薄いと原紙の凹凸を充分
に平滑化できずプライマー層の強度その他の特性が失わ
れ品質上好ましくない。
電子線重合性組成物より成る不透明樹脂被覆層の厚さ
は原紙の種類および白色顔料の充填率により異なるが2
〜100μm、より好ましくは3〜50μmであり、この厚
さより薄いと白色度、不透明度の点から充分なものが得
られずまた均一に塗布しにくく、この厚さより厚いと均
一に塗りにくいばかりでなく均一に硬化しにくく、品質
上好ましくない。写真用支持体の表面をさらに鏡面仕上
げにする場合には、処理したい面を鏡面ロールと接触さ
せその背面から電子線を照射して硬化し、鏡面仕上げを
施すことができる。また、予め予備電子線照射を行い表
面を一部硬化させた後、鏡面ロールと接触させ二次照射
を行い完全に硬化させる方法もある。型付けを施す場合
には鏡面ロールに代えて型付けロールを使用して微粗面
等の所望の型付け面を得ることができる。
電子線硬化性樹脂を含有するプライマー層の硬化はプ
ライマー層塗布直後に電子線照射により行なっても良い
し、または電子線硬化性組成物を塗布し、その後電子線
照射により両層同時に硬化を行なっても良い。この場合
には予めプライマー層に予備電子線照射を行い一部硬化
させておくことも可能である。
電子線照射は、透過力、硬化力の面から加速電圧が10
0〜1000KVであり、より好ましくは100〜300KVの電子線
加速器を用い、ワンパスの吸収線量が0.5〜20Mradにな
るようにすることが好ましい。加速電圧、あるいは電子
線照射量がこの範囲より低いと電子線の透過力が低すぎ
て十分な硬化が行なわれず、またこの範囲より大きすぎ
るとエネルギー効率が悪化するばかりでなく、原紙の強
度低下や樹脂、添加剤の分界など品質上好ましくない影
響が現われる。電子線加速器としては例えば、エレクト
ロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルス
キャンニングタイプ等の何れでも良い。
なお、電子線照射に際しては酸素濃度が高いと電子線
硬化樹脂の硬化が妨げられるため、窒素、ヘリウム、二
酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度を
600ppm以下、好ましくは400ppm以下に抑制した雰囲気中
で照射することが好ましい。
また本発明の写真用支持体の裏面には、従来から行な
われているような溶融押し出し法によるポリオレフィン
樹脂の塗工や、電子線硬化性樹脂を塗工した後電子線照
射により被膜を形成する方法により樹脂被覆層を形成
し、かつ裏面筆記性を付与されるようにバックコート層
を設けてることができる。
本発明により作成した写真用支持体は、その上に感光
性乳剤を塗布することにより、写真印画紙として用いる
ことができる。
〔E〕作用 本発明において製造された写真用支持体は、支持体上
の凹凸をプライマー層により均一化できるため、その上
に高濃度の顔料分散を行なった電子線硬化性組成物を薄
く、かつ均一に塗布することができる。結果として平滑
性に優れ、耐水性、隠ぺい力、白色度に優れた写真用支
持体が得られる。また、支持体に到達する電子線量がプ
ライマー層により減少するため、支持体内の添加剤の破
壊等の悪影響を軽減できる。
〔F〕実施例 以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発
明の内容は実施例に限られるものではない。
実施例−1 裏面に低密度ポリエチレン(密度0.918g/cm3、MI5)
と高密度ポリエチレン(密度0.965g/cm3、MI7)の等量
混合物により15μmの平均厚さでラミネート被覆した坪
量120g/m2の写真用原紙(表面の中心面平均粗さ1.2μ
m)の表面にコロナ処理を行なった後、プライマー層と
してトリメチロールプロパントリアクリレートを平均厚
さ3.6μmになるようにブレードコーターで塗布し、窒
素置換(酸素濃度200ppm)した電子線照射装置(ESI社
製、エレクトロカーテン)内に導き、加速電圧175kv,吸
収線量2Mradの条件で電子線照射を行いプライマー層を
硬化させた。
得られたプライマー層を有する支持体にスーパーカレ
ンダー処理とコロナ処理を施した後、以下の組成の電子
線硬化性組成物を平均厚さ5μmになるように塗布し、
電子線照射装置により2Mradの電子線を照射して硬化さ
せ写真用支持体を得た。
(電子線硬化性組成物) ルチル型二酸化チタン 50重量% 電子線硬化性樹脂 50重量% 電子線硬化性樹脂とルチル型二酸化チタンとの混合は
三本ロールを用いて行なった。
電子線硬化性樹脂は α、ω−テトラアクリロイル−(ビストリメチロール
プロパン)−テトラヒドロフタレートとトリメチロール
プロパンアクリレートの混合物70重量%と1、6−ヘキ
サンジオルジアクリレート30重量%の混合物を用いた。
実施例−2 実施例−1のプライマー層に用いる電子線硬化性樹脂
を以下の組成の電子線硬化性組成物に変更し、平均厚さ
4.8μmとした以外は実施例−1と同様にして写真用支
持体を得た。
電子線硬化性組成物 硫酸バリウム 30重量% 電子線硬化性樹脂 70重量% 電子線硬化性樹脂としてトリメチロールプロパントリ
アクリレートを用いた。
実施例−3 実施例−1のプライマー層の平均厚さを6μmに変更
した以外は実施例−1と同様にして写真用支持体を得
た。
実施例−4 実施例−1の写真用原紙を表面の中心面平均粗さ2.0
μmのものに変更し、プライマー層の平均厚さを6μm
に変更した以外は実施例−1と同様にして写真用支持体
を得た。
実施例−5 実施例−1と同様な裏面をポリエチレンラミネートし
た写真印画紙用原紙を用いて次のような工程で写真用支
持体を得た。
写真印画紙用原紙の表面にコロナ処理を施した後、以
下に示すプライマー層を平均厚さ4.8μmになるように
塗布し、電子線照射をすることなくその上に以下に示す
電子線硬化性組成物を5μmの平均厚さで設け、その直
後に照射線量3Mradで電子線照射を行い、写真用支持体
を得た。
(プライマー層) α、ω−テトラアクリロイル−(ビストリメチロール
プロパン)−テトラヒドロフタレート60重量部とトリメ
チロールプロパンアクリレート40重量部の混合物。
電子線硬化性組成物は実施例−1で用いた組成物と同
様の組成物を用いた。
比較例−1 プライマー層を設けなかった以外は実施例−1と同様
な方法で写真印画紙用原紙上に電子線照射により硬化し
た電子線硬化性組成物層を設けた写真用支持体を得た。
比較例−2 プライマー層の平均厚さを2μmとした以外は実施例
−1と同様な方法で写真印画紙用原紙上に電子線照射に
より硬化した電子線硬化性組成物層を設けた写真用支持
体を得た。
比較例−3 プライマー層の平均厚さを4μmとした以外は実施例
−4と同様な方法で写真印画紙用原紙上に電子線照射に
より硬化した電子線硬化性組成物層を設けた写真用支持
体を得た。
比較例−4 プライマー層の平均厚さを2.0μmとした以外は実施
例−5と同様な方法で写真印画紙用原紙上に電子線照射
により硬化した電子線硬化性組成物層を設けた写真用支
持体を得た。
実施例および比較例に用いた写真用原紙の表面粗さは
接触型三次元表面粗さ計(小坂研究所製、SE−3AK)
で、1cm×1cmの範囲で測定して中心面平均粗さ(SRa)
を求めた。
実施例、および比較例において作成した写真用支持体
にコロナ処理を施した後、通常の方法でカラーハロゲン
化銀写真乳剤を塗布し硬膜して写真印画紙とし、一連の
現像処理を行なったのち光沢度の測定を行った。光沢度
は、日本電色工業(株)社製変角光沢計VSG−1001DPを
用いて、60゜の角度にて測定した。
また、実施例および比較例で得られた写真用支持体に
一連の現像処理を施し、白色度(マクベス反射濃度計、
RD−514、青色フィルター使用)を現像処理前の白色度
と比較し、その変化率をもって現像液残留性の評価とし
た。
実施例および比較例において作成した写真用支持体の
光沢度、表面状態の観察、白色度変化率に関する結果を
表1にまとめる。
〔G〕発明の効果 表1から明らかなように本発明は、作成時において支
持体上の凹凸がプライマー層の塗布により均一化してい
るため、その上に設けられた電子線硬化性組成物層は均
一な平均厚さを有しており、結果として白色度、不透明
度において高い値を有すると共に極めて均一で、かつ表
面の平滑性に極めて優れた写真用支持体が得られる。本
発明による写真用支持体を用いれば、写真乳剤の塗工が
容易であるばかりでなく、写真用支持体の表面の不均一
性によるシボ状のムラの発生を抑えることができ、高品
質の写真用印画紙を作成することができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】写真用支持体において、支持体上の少なく
    とも1面に支持体の中心面平均粗さ(SRa)の3倍以上
    の厚みを有する、電子線硬化樹脂を含有するプライマー
    層が設けられ、その上に白色顔料と電子線硬化樹脂から
    成る不透明樹脂被覆層が設けられた写真用支持体。
  2. 【請求項2】該プライマー層が電子線照射により硬化し
    た層であることを特徴とする請求項1記載の写真用支持
    体。
  3. 【請求項3】支持体上の少なくとも1面に支持体の中心
    面平均粗さ(SRa)の3倍以上の厚みを有する、電子線
    硬化樹脂を含有するプライマー層を設け、その上に白色
    顔料と電子線硬化樹脂から成る不透明樹脂被覆層を設る
    写真用支持体の製造方法において、プライマー層の電子
    線照射による硬化が、不透明樹脂被覆層を設けた後なさ
    れることを特徴とする写真用支持体の製造方法。
  4. 【請求項4】プライマー層の電子線照射による硬化が、
    1回目の電子線照射により部分的に成された後、不透明
    樹脂被覆層が設けられ、その後2回目の電子線照射によ
    り該プライマー層と該不透明樹脂被覆層を硬化すること
    を特徴とする請求項3記載の写真用支持体の製造方法。
  5. 【請求項5】支持体上の少なくとも1面に支持体の中心
    面平均粗さ(SRa)の3倍以上の厚みを有する、電子線
    硬化樹脂を含有するプライマー層が設けられ、その上に
    白色顔料と電子線硬化樹脂から成る不透明樹脂被覆層を
    有する写真用支持体を用いたことを特徴とする写真印画
    紙。
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