JP3130150B2 - 剥離用シート及びその製造方法 - Google Patents

剥離用シート及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙、ラミネート紙、合
成紙、プラスッチクフィルムなどのシート状基体の上
に、シリコーン成分の非移行性に優れた剥離層を設けた
剥離用シート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙、ラミネート紙、合成紙、プラスッチ
クフィルムなどのシート状基体の上に、有機ポリシロキ
サンからなる剥離層を設けたシリコーン剥離用シート
は、近年多くの用途に使用されている。剥離層の形成方
法としては、有機すず化合物やその他の重金属塩、及び
白金系の触媒を含む縮合型もしくは付加型シリコーン系
樹脂の溶液、又はエマルジョンを塗布した後、熱風オー
ブン中で120℃から180℃で加熱し、硬化被膜を形
成する方法が一般的である。基体には、シリコーン樹脂
成分の使用量を現象させる目的で、グラシン紙、水性塗
工紙或はポリエチレンラミネート紙が用いられる。
【0003】剥離用シートに用いられるグラシン紙或は
水性塗工紙は、パルプ繊維或は顔料の空隙が大きく、シ
リコーン樹脂成分の浸透性が大きかった。このため、表
面に残るシリコーン樹脂成分の割合が少なく、一定の剥
離性に対して必要以上のシリコーン樹脂を塗布する必要
があった。上質紙などに、ポリエチレン等のポリオレフ
ィン樹脂をラミネートした基体も多く用いられるが、製
造工程が増えること、及びラミネートしたポリオレフィ
ン樹脂の軟化点或は融点により熱的な制限が存在し、シ
リコーン樹脂の硬化条件或は剥離用シートとしての使用
条件が限られていた。このため、従来から基体の表面空
隙が少なく、製造工程の簡単な剥離用シートが求められ
ていた。
【0004】紙を基体に用いた剥離用シートにおいて、
このような高温加熱処理を行なうと紙基体に耐熱性が必
要なことは勿論の上、紙基体内部の水分蒸発によりしわ
やカールが発生しやすく、また剥離層に水分蒸発に伴う
ピンホールが生じ易いという欠点を有していた。このよ
うな欠点を克服する目的と、剥離層を形成するシリコー
ン樹脂の紙への吸収を低減させる目的で、紙表面をポリ
エチレンや塩化ビニリデン等でラミネートした基体を用
いることがよく使われる方法であるが、やはりシリコー
ン樹脂の硬化時においてラミネート層の軟化、溶融、収
縮等が起こり、結果としてラミネート基体表面の不均一
化により剥離性能を阻害することや、紙中の水分蒸発に
よる気泡発生のために、ピンホールが生じ易いという欠
点を有していた。
【0005】このような欠点を克服する一つの手段とし
て、無溶剤型シリコーン樹脂、その中でも特に紫外線
(UV)及び電子線(EB)照射により硬化可能な官能
基を有するシリコーン樹脂を用いてUV又はEB硬化を
行なう低温キュアリング型の剥離用シート製造技術が開
発された。これらの方法によれば、剥離用シート製造工
程中における高温処理に由来するカール、しわ、ピンホ
ール等の発生は比較的防げるものの、紙基体を用いる剥
離用シート製造においては、紙基体へのシリコーン樹脂
のしみこみを防止し、塗布量のバラツキを少なくするた
めに、高粘度の樹脂を使用しなければならないといった
問題や、フィルム基体の剥離用シート製造においては、
UV又はEB硬化を行なう低温キュアリング型方法で作
成したシリコーン膜は、フィルム基体との接着性に劣る
という問題点を有する。
【0006】シリコーン膜とフィルム基体との密着性を
改良する目的で、フィルム基体上に放射線硬化性組成物
でプライマー処理するという方法も考案されているが、
この方法においても、放射線硬化性組成物が水溶液又は
エマルジョンの場合には、加熱乾燥が必要であり、また
無溶媒性の放射線硬化性組成物を用いた場合において
も、放射線硬化性組成物の粘度が低い場合には、その上
に塗布した放射線硬化性のシリコーン樹脂と混ざりあ
い、結果として重剥離の剥離用シートとなったり、残留
接着率が低下したりするという問題点があった。このよ
うな問題点を解決する手段として、先に紙又はフィルム
基体の少なくとも片面に該基体と接着性の良い放射線硬
化性組成物層を塗布し、放射線照射により放射線硬化性
組成物層の一部を硬化させた後、さらにその上に放射線
硬化性であり、かつ硬化後に剥離性を有する組成物層を
塗布し、放射線照射により両層を同時に硬化させた層を
設けることにより、上記問題を解決した剥離用シートが
得られることを見いだし、出願を行った(特開平1ー1
21388号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この方法で得られる剥
離用シートは、それまでの問題を十分に解決したもので
あったが、基体と接着性の良い放射線硬化性組成物層
と、放射線硬化性剥離層を別々に塗布しなければならな
いといった問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決する手段を鋭意研究した結果、以下のよ
うな方法を見いだすに至った。即ち、本発明の剥離用シ
ートは、紙又はフィルムからなる基体の少なくとも片面
に剥離層を塗設してなる剥離用シートにおいて、該剥離
層が、放射線硬化性樹脂及び熱硬化性シリコーン樹脂を
主成分とし、且つ該基体近傍では該放射線硬化性樹脂成
分が多く、該基体近傍から離れるほど該シリコーン樹脂
成分が徐々に多くなるように配向されてなる該剥離層で
あることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の剥離用シートの製造方法
は、紙又はフィルムからなる基体の少なくとも片面に剥
離層を塗設する剥離用シートの製造方法において、該基
体上に放射線硬化性樹脂及び熱硬化性シリコーン樹脂を
主成分とする樹脂組成物を塗布し、放射線照射により該
放射線硬化性樹脂を硬化させ、表面に滲出した該シリコ
ーン樹脂成分を熱硬化させて該剥離層を形成することを
特徴とするものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明において用いられる放射線硬化性樹
脂としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物が主
に挙げられるが、より具体的には以下の樹脂が挙げられ
る。
【0012】(1)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪
族の1価或は多価アルコール及び(ポリ)アルキレング
リコールの(メタ)アクリレート (2)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の1価或は
多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた1
価或は多価アルコールの(メタ)アクリレート (3)ポリエステル(メタ)アクリレート (4)ポリウレタン(メタ)アクリレート (5)エポキシ(メタ)アクリレート (6)ポリアミド(メタ)アクリレート (7)(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エス
テル (8)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、又は末端
に有するビニル系又はジエン系化合物 (9)単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリド
ン、(メタ)アクリロイル化合物 (10)エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物 (11)エチレン性不飽和結合を有するモノ或はポリカ
ルボン酸、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム
塩、アミン塩など (12)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミド又は
アルキル置換(メタ)アクリルアミド及びその多量体 (13)ビニルラクタム及びポリビニルラクタム化合物 (14)エチレン性不飽和結合を有するエーテル、ポリ
エーテル及びそのエステル (15)エチレン性不飽和結合を有するアルコール、ポ
リアルコールのエステル (16)スチレン、ジビニルベンゼンなど1個以上のエ
チレン性不飽和結合を有する芳香族化合物 (17)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、又は末
端に有するポリオルガノシロキサン系化合物 (18)エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合
物 (19)上記(1)〜(18)記載の化合物において分
子中に2個以上の同種或は異種の官能基を有する化合
物、或はその多量体或はオリゴエステル(メタ)アクリ
レート変性物 (20)エポキシ化合物
【0013】これらの樹脂は、単独で使用できるし、他
の樹脂と混合して使うことができる。また、無溶剤で塗
布することもできるし、有機溶剤に溶解して塗布する
か、水或は不溶解性の有機溶剤に乳化させて塗布、乾
燥、硬化して用いることもできる。また、放射線照射に
より硬化する前に予備硬化として加熱、風乾などの方法
をとることができる。
【0014】本発明の、特に紫外線硬化法を用いる場合
に用いられる光開始剤としては、ジ及びトリクロロアセ
トフェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾイ
ンアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テト
ラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類、アゾ化合物等があり、放射線硬化性樹脂の重合反応
のタイプ、安定性、及び紫外線照射装置との適性などの
観点から選ばれる。光開始剤の使用量は放射線硬化性樹
脂に対して通常O.1〜5%の範囲である。また、光開
始剤にハイドロキノンのような貯蔵安定剤が併用される
場合もある。
【0015】これらの放射線硬化性樹脂層を形成する樹
脂に、有機或は無機顔料、有機色素、染量を含有させる
ことが可能で、例えば、カオリン、焼成カオリン、タル
ク、ろう石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグナシウム、炭酸マグネシウム、酸
化チタン、炭酸バリウム、尿素−ホルマリン樹脂、スチ
レン等のプラスティックビーズ、群青、クリスタルバイ
オレット、ロイコ染料発色体などが挙げられる。
【0016】本発明に用いる剥離層を構成する剥離樹脂
のうち、シリコーン樹脂は、分子末端、又は側鎖にアク
リロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、エポキシ
基、ビニルアミド基、ヒドロシリル基、シラノール基、
ジアゾ基、アセチレン基、チオール基の中から選択され
る官能基を有するシリコーン樹脂(主にポリジアルキル
シロキサン)を主成分とする樹脂である。これらの官能
基の中で特にアクリロイル基は高い放射線硬化性を有す
るため、放射線硬化性樹脂と混合して用いると放射線照
射時に放射線硬化性樹脂と共重合し、塗工層表面に滲出
しにくくなるため、その含有量を少なくするべきであ
る。そのほかの剥離樹脂として熱硬化性の含フッ素樹
脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、長鎖アルキル
基含有樹脂などの樹脂を用いた場合においても同様な効
果を得ることができる。剥離樹脂の塗布形態としては本
発明の放射線硬化性樹脂と混合し、さらにエマルジョン
系、溶剤系、無溶剤系などによる塗布が可能で、硬化機
構として縮合型、付加型、架橋型、開環重合型反応など
が可能である。硬化機構としてラジカル重合型もありえ
るが、アクリロイル基を有するシリコーン樹脂を避ける
のと同じ理由であまり多量の使用は好ましくない。
【0017】基体上に塗布する放射線硬化性樹脂及び熱
硬化性シリコーン樹脂からなる樹脂組成物量は基体の種
類により異なるが0.1〜10g/m2、より好ましく
は0.2〜5g/m2である。塗布量が0.1g/m2
りも少ないと基体上に均一に塗布する事が困難であり、
また剥離性を悪くする。また塗布量を多くしても特性上
変わらず、コストのみ向上するし、さらに、極端に多く
なると硬化後、カールしやすくなる。
【0018】基体上に放射線硬化性樹脂及び熱硬化性シ
リコーン樹脂からなる樹脂組成物を塗布する方法として
は、グラビアロール及びトランスファロールコーター、
バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、
Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコ
ーター、マイクログラビアコーター、エアナイフコータ
ー、リバースロールコーター、マルチロールコーター、
ブレードコーター、ディップコーター、バーコーター、
ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコータ
ー、スクイズコーター、落下カーテンコーター、スライ
ドコーター、ダイコーターなど、如何なるコーターを用
いてもよい。
【0019】本発明に用いられる基体としては、グラシ
ン紙、上質紙、コーテッド紙、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の
合成樹脂フィルム、又はこれらの合成樹脂を紙に片面、
又は両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、又は
金属箔と紙、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品があ
る。なお、紙基体の坪量は20〜250g/m2、より
好ましくは30〜200g/m2であり、その表面は平
滑であることが好ましいが、剥離性能のコントロール上
粗面であってもかまわない。基体上に剥離層を形成する
樹脂を塗布する前に、基体表面にコロナ放電、フレーム
処理。オゾン処理等の表面処理を行なっても良い。
【0020】本発明の剥離用シートの製造方法において
は、バインダーである放射線硬化性樹脂が熱の関与なく
硬化するため熱拡散などシリコーン樹脂の基体中へのし
みこみが起こりにくい。従って高価なシリコーン樹脂量
の低減が図れる。
【0021】本発明のように、放射線照射により硬化可
能な官能基を有する放射線硬化性樹脂と、放射線硬化性
をほとんど有さない熱硬化性シリコーン樹脂を混合し
て、塗布、さらに放射線照射により硬化せしめると、放
射線硬化性樹脂のみが硬化し、この時点で硬化しない熱
硬化性シリコーン樹脂は表面に滲出(ブリードアウト)
し、効果的にシリコーン樹脂を剥離層表面に局在化でき
る。表面に局在化したシリコーン樹脂は加熱により硬
化、固定することができる。そのため作成された剥離用
シートは軽剥離であり、残留接着率も大きい。
【0022】本発明の剥離層の硬化方法において、さら
に驚くべきことに、シリコーン樹脂は表面に局在化して
いるものの、放射線硬化性樹脂の中にも存在し、シリコ
ーン樹脂層と放射線硬化性樹脂層が明確な境界で区切ら
れている訳ではないことによるものか、本発明により得
られる剥離層は強固に基体に接着し、シリコーン樹脂層
のみが脱落(ラブオフ)するということがないという意
外な結果が得られた。このような剥離層の特性は、粘着
加工などの剥離用シートのみならず合成皮革やマーキン
グフィルムなどの作成時の工程紙、セラミックの離型用
のグリーンシートにも応用が可能で、十分その使用に耐
えるものであった。
【0023】当然のことながら紙基体等と放射線硬化性
樹脂との接着は、一般に非常に強いものである。また、
本発明においては、紙基体等との接着性の良い放射線硬
化性樹脂と混合して用いることができるため、熱硬化性
シリコーン樹脂の粘度範囲を低粘度から高粘度まで自由
に設定することができる。また、製造工程において、溶
融押し出しラミネート、溶剤の乾燥などの高温処理を行
なわないため、高温処理に由来するカール、しわ、ピン
ホール等の発生を抑制する事ができる。
【0024】本発明による剥離用シートにおいては、基
体の表裏上に文字印刷や地紋印刷して用いることができ
る。また、本発明において、接着性と濡れ性を良くする
ために、基体上にコロナ処理、オゾン処理、火炎処理等
による表面処理を行なうことは何等差し支えない。
【0025】本発明に用いる電子線照射は、透過力、硬
化力の面から加速電圧が100〜1000KVであり、よ
り好ましくは100〜300KVの電子線加速器を用い、
ワンパスの吸収線量が0.5〜20Mradになるようにす
ることが好ましい。加速電圧、或は電子線照射量がこの
範囲より低いと、電子線の透過力が低すぎて十分な硬化
が行なわれず、またこの範囲より大きすぎると、エネル
ギー効率が悪化するばかりでなく、樹脂、添加剤の分
解、原紙の強度低下など品質上好ましくない影響が現わ
れる。
【0026】電子線加速器としては、例えば、エレクト
ロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルス
キャンニングタイプ等の何れでも良い。
【0027】なお、電子線照射に際しては、酸素濃度が
高いと電子線硬化樹脂の硬化が妨げられるため、窒素、
ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行
い、酸素濃度を600ppm 以下、好ましくは400ppm
以下に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。
【0028】放射線照射としてγ線を用いても電子線照
射と同様な処理を行うことができるが、一般に線量密度
が低く、製造方法としては好ましくない。また、紫外線
照射を使用する場合の光源としては、例えば、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、タング
ステンランプ等が好適に使用される。
【0029】
【作用】本発明の剥離用シートの製造方法においては、
バリヤー層である放射線硬化性樹脂と剥離成分であるシ
リコーン樹脂を基体上に1回の塗工で設けることができ
る。放射線硬化性樹脂と、放射線硬化性を有さない熱硬
化性シリコーン樹脂を混合して、塗布、放射線照射によ
り硬化せしめると、放射線硬化性樹脂のみが硬化し、熱
硬化性シリコーン樹脂は表面に滲出(ブリードアウト)
し、効果的にシリコーン樹脂を剥離層表面に局在化でき
る。シリコーン樹脂は表面に局在化しているものの、放
射線硬化性樹脂の中にも存在し、シリコーン樹脂層と放
射線硬化性樹脂層が明確な境界で区切られている訳では
ないことによるものか、剥離層は強固に基体に接着し、
シリコーン樹脂層のみが脱落(ラブオフ)するというこ
とがない。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部及び%のいずれも重量基準である。また、
塗抹量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗抹量であ
る。
【0031】実施例1 基体として、坪量100g/m2の塗工紙の片面にコロ
ナ処理を施し、グラビアコーターを用いて以下の組成の
樹脂組成物1を2g/m2となるように塗布した。 樹脂組成物1 放射線硬化性樹脂 トリメチロールフ゜ロハ゜ントリアクリレート(東亜合成化学工業(株)、アロニックスM -309) 89部 熱硬化性シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング(株)、SP7259) 10部 触媒 (東レ・ダウコーニング(株)、SP7243CAT) 1部 塗布した後、電子線照射室内の酸素濃度を窒素ガス置換
により200ppm以下にした放射線照射装置(ESI社
製、商品名エレクトロカーテン、TYPE:CB200
/45/300)内に導き、加速電圧175Kv、吸収線
量1Mradになるように塗布面側から電子線照射した。放
射線硬化性樹脂が硬化したシートを熱乾燥器に導き14
0℃で15秒間加熱を行い、シリコーン樹脂を硬化し、
目的の剥離用シートを得た。
【0032】実施例2 基体として、坪量100g/m2の塗工紙の片面にコロ
ナ処理を施し、グラビアコーターを用いて、以下の組成
の樹脂組成物2を3g/m2となるように塗布した。 樹脂組成物2 放射線硬化性樹脂 トリメチロールフ゜ロハ゜ントリアクリレート(東亜合成化学工業(株)、アロニックスM -309) 84部 熱硬化性シリコーン樹脂(東レ・タ゛ウコーニンク゛(株)、BY14-413) 10部 触媒 (東レ・タ゛ウコーニンク゛(株)、BY14-404CAT) 1部 光反応開始剤 (チハ゛カ゛イキ゛ー社、イルカ゛キュア651) 5部 塗布した後、紫外線照射装置(ウシオ電機社製、120
w/cmを2本)内に導き、紫外線照射して放射線硬化
性樹脂を硬化した。放射線硬化性樹脂が硬化したシート
を熱乾燥器に導き140℃で15秒間加熱を行い、シリ
コーン樹脂を硬化し、目的の剥離用シートを得た。
【0033】実施例3 基体として、坪量100g/m2のポリエチレンテレフタ
レートフィルムの片面にコロナ処理を施し、グラビアコ
ーターを用いて以下の組成の樹脂組成物3を2g/m2
となるように塗布した。 樹脂組成物3 放射線硬化性樹脂 トリメチロールフ゜ロハ゜ントリアクリレート(東亜合成化学工業(株)、アロニックスM -309) 89部 熱硬化性シリコーン樹脂(東レ・タ゛ウコーニンク゛(株)、SD7223) 10部 触媒 (東レ・タ゛ウコーニンク゛(株)、SRX212) 1部 塗布した後、電子線照射室内の酸素濃度を窒素ガス置換
により200ppm以下にした放射線照射装置(ESI社
製、商品名エレクトロカーテン、TYPE:CB200
/45/300)内に導き、加速電圧175Kv、吸収線
量1Mradになるように塗布面側から電子線照射した。放
射線硬化性樹脂が硬化したシートを熱乾燥器に導き14
0℃で15秒間加熱を行い、シリコーン樹脂を硬化し、
目的の剥離用シートを得た。
【0034】比較例1 実施例1と同様な塗工紙にコロナ処理を施し、放射線硬
化性樹脂を混合することなく直接実施例1に用いた熱硬
化性シリコーン樹脂をシリコーン樹脂成分として同量塗
布し、実施例1と同様な熱硬化を行なった。得られた剥
離用シートはシリコーン樹脂のほとんどが紙にしみこん
だ物であった。
【0035】比較例2 実施例2と同様な塗工紙にコロナ処理を施し、放射線硬
化性樹脂を混合することなく直接実施例2に用いた熱硬
化性シリコーン樹脂をシリコーン樹脂成分として同量塗
布し、実施例2と同様な熱硬化を行なった。得られた剥
離用シートはシリコーン樹脂のほとんどが紙にしみこん
だ物であった。
【0036】比較例3 実施例3と同様なポリエチレンテレフタレートフィルム
を用い、片面にコロナ処理を施した後、放射線硬化性組
成物を塗布せずにグラビアコーターを用いて実施例3と
同様な熱硬化性シリコーン組成物を塗布し、実施例3と
同様な熱硬化を行ない剥離用シートを得た。
【0037】以上実施例1〜3、及び比較例1〜3で得
られた剥離用シートについて、粘着剤に対する剥離抵抗
値、残留接着率、ラブオフの有無の結果を表1に示す。
試験方法は以下の通りである。
【0038】[剥離強度]上質紙上に粘着剤(東洋イン
キ(株)製、製品名BPS)を塗布し、標準粘着シート
として使用した。得られた剥離用シート(幅25mm)を
20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で24時間放置した
後、重量2000g の圧着ローラーで標準粘着シートに
圧着し、20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で2時間放
置後、テンシロン(東洋ボールドウィン(株)社製)で
剥離角180°、剥離速度30cm/分の条件で連続して
引き剥したときの荷重を剥離強度とする。
【0039】[残留接着率]得られた剥離用シート(幅
25mm)を20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で24時
間放置した後、重量2000g の圧着ローラーで標準粘
着シートに圧着し20℃、湿度65%、圧力0.1kg
/cm2の条件下で24時間加圧した。標準粘着シートを
剥離用シートより剥した後、表面を良く磨いた厚さ∂5
mmのステンレス鋼板にはりつけ、重量2000g の圧着
ローラーで圧着し20℃、湿度65%の恒温恒湿器内で
1時間放置後、テンシロンで剥離角180°、剥離速度
30cm/分の条件で連続して引き剥したときの荷重を
剥離強度として求める。次に、表面を良く磨いた厚さ∂
5mmのステンレス鋼板に標準粘着シートをはりつけ、2
0℃、湿度65%、圧力0.1kg/cm2の条件下で2
4時間加圧した。常圧に戻してから、重量2000g の
圧着ローラーで圧着し20℃、湿度65%の恒温恒湿器
内で1時間放置後、テンシロンで、剥離角180°、剥
離速度30cm/分の条件で連続して引き剥したときの
荷重を剥離強度として求める。剥離用シートへ接触後の
粘着シートの剥離強度をAとし、剥離用シート紙へ未接
触の粘着シートの剥離強度をBとして、残留接着率R
(%)は、次の数1により求められる。
【0040】
【数1】R=(A/B)×100
【0041】[ラブオフ]剥離用シートのシリコーン面
を指で強く擦り、シリコーン面の剥離を目視により判定
した。評価は、○:優れる、△:普通、×:劣るとす
る。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】実施例及び比較例で作成した剥離用シー
トについて、粘着剤に対する剥離抵抗値、残留接着率、
ラブオフの有無の結果を表1に示す。表1より、明らか
なように、実施例1〜3により得られた剥離用シート
は、剥離強度が小さく残留接着率が大きい。さらにラブ
オフが起こらず剥離適性が優れている。これに対して同
じシリコーン樹脂を用いても、比較例1のごとく放射線
硬化性樹脂の共存がないものはシリコーン樹脂が紙基体
にしみこみ、結果として剥離強度が大きくなり、シリコ
ーン樹脂の成膜性が悪いためにピンホールも極めて多
い。比較例2により得られた剥離用シートも比較例1の
剥離用シートとほぼ同じ欠点を有する。比較例3により
得られた剥離用シートに関してはシリコーン樹脂とポリ
エチレンテレフタレートフィルムとの接着性が悪く、シ
リコーン樹脂が摩擦により剥離するいわゆるラブオフの
現象を起こすという欠点を有していた。以上記載したご
とく本発明による方法により、各種基体との接着性に優
れ、ラブオフの現象の起きない剥離用シートを少ない工
程で作成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C09J 7/02 B25D 1/00 - 7/26 D21H 27/00 - 27/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙又はフィルムからなる基体の少なくと
    も片面に剥離層を塗設してなる剥離用シートにおいて、
    該剥離層が、放射線硬化性樹脂及び熱硬化性シリコーン
    樹脂を主成分とし、且つ該基体近傍では該放射線硬化性
    樹脂成分が多く、該基体近傍から離れるほど該シリコー
    ン樹脂成分が徐々に多くなるように配向されてなる該剥
    離層であることを特徴とする剥離用シート。
  2. 【請求項2】 紙又はフィルムからなる基体の少なくと
    も片面に剥離層を塗設する剥離用シートの製造方法にお
    いて、該基体上に放射線硬化性樹脂及び熱硬化性シリコ
    ーン樹脂を主成分とする樹脂組成物を塗布し、放射線照
    射により該放射線硬化性樹脂を硬化させ、表面に滲出し
    た該シリコーン樹脂成分を熱硬化させて該剥離層を形成
    することを特徴とする剥離用シートの製造方法。
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