JP2013047838A - 反射防止材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の技術において、透明導電性薄膜や低屈折率層の形成に時間を要し、加工速度が遅かった点、透明導電性薄膜の耐腐食性が十分でなかった点、および可視光全域での反射率が一定しない点を解消しようとするものである。
【解決手段】光の波長以下の微細凹凸形状を表面に持つ型ローラ12上に、電離放射線硬化性樹脂組成物17を介して透明基材フィルム1を積層した状態で、線源18を用いて電離放射線を照射して硬化/接着を行なわせ、離型することにより、上記の課題を解決することができた。透明基材フィルム1には、積層に先立って、アンカー層を施しておくことが好ましく、また、電離放射線の照射は、上記の積層した状態で予備的に行ない、離型後に、完全硬化/完全接着を行なわせることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、種々の物品の表面で光が反射して眩しく、そのため、その物品やその物品が表示している内容の視認性が低下するのを防止するための反射防止材を、電離放射線硬化性樹脂組成物を用いて精度良く、しかも効率的に複製し得る製造方法に関するものである。
液晶ディスプレイ、CRT(陰極線管)ディスプレイ、もしくはプラズマディスプレイ等のディスプレイは、それらディスプレイが表示する画像の視認性が高いことが要求されるが、ディスプレイ表面での外光の反射があると、視認性を著しく低下させるものである。また、ディスプレイ以外でも、金属やガラスの光沢面等を有する建材は、不用意な光の反射が起きると通行する車両や人の妨げになることがある。
このような外光の反射によって生じる、表示画像の視認性の低下の問題の解消、および、建材等におけるいろいろな問題の解消のために、種々の反射防止材が提案されている。代表的なものとして、特許文献1には、透明な基材、ハードコート層、および2層の反射防止用光学薄膜を順に形成した反射防止部材が記載され、1層目の反射防止用光学薄膜としては、SnO2、ZnO、In23、もしくはITO等が、2層目の反射防止用光学薄膜としては、1層目の反射防止用光学薄膜よりも屈折率の低いSiO2やMgF2等が用いられ、ハードコート層による傷付きやすさの解消、1層目の反射防止用光学薄膜による帯電防止、および1、2層目の反射防止用光学薄膜による反射防止を図ることが行なわれるとしている。
しかし、上記の構成の反射防止部材においては、1層目および2層目の反射防止用光学薄膜としては、いずれも、数十nmの厚みが必要であり、スパッタ法等で薄膜を形成しようとすると、時間がかかるため、加工速度が遅くなる欠点がある。加えて、ITO等の透明導電性薄膜は、透明性は優れているものの、耐腐食性が十分でない欠点がある。さらに、上記の構成の反射防止部材では、人間が眩しいと感じる可視光領域(波長450nm〜650nm)の赤色光側および青色光側の反射率が充分均一に低下しない、即ち、入射光の波長や入射角度によって反射防止性が変化するため、可視光全域での反射率低下が実現せず、色が変わったり、眩しさが残る。さらに、取扱い時に生じる傷や汚れに対する備えが万全ではない。
ところで、例えば、透明アクリル樹脂フィルム等の表面に、光の波長以下のピッチの微細な凹凸パターンを形成した微細凹凸フィルムは、凹凸の底部ではアクリル樹脂がほとんどを占めるから、アクリル樹脂の光の屈折率そのもの(約1.49)に限りなく近づき、凹凸の表面側に近づくほど、アクリル樹脂が占める割合が低下して、代わりに空気の割合が増加するから、屈折率が低下し、最も外側の表面近傍では空気の屈折率(1.0)に限りなく近づき、あたかも、光の屈折率が連続的に変化する層を多数積層したのと同様な効果を持つ事が知られている。
上記の微細凹凸フィルムを反射防止材として使用すると、干渉層を多層に積層した従来型のものにくらべ、視角による色変化が少なく、構造的にも層が少なく簡素である等の利点を有している反面、表面がごく微細な凹凸からなっているために、傷がつきやすい欠点がある。また、上記の凹凸フィルムを製造するには、可視光硬化性等の樹脂組成物(フォトレジスト)を用い、可視光レーザーの干渉を利用して、硬化部と未硬化部を生じさせ、溶解現像して微細な凹凸を生じさせる方法を採っているため、露光、現像に時間がかかり、大量複製には向かなかった。また、原料として、このようなプロセスに向くよう、比較的分子量の低い樹脂組成物を用いており、硬化部においてもそれほど強固な状態が生じないため、表面の硬度も不十分であった。
特開平9−80205号公報
従って、本発明においては、上記の従来の技術において、透明導電性薄膜および低屈折率層形成に時間がかかり、加工速度が遅かった点、透明導電性薄膜の耐腐食性が十分でなかった点、および可視光全域での反射率が一定しない点を解消しようとするものである。
本発明においては、微細な凹凸形状を表面に有する賦型用型を使用し、この賦型用型の凹凸型面に、液状の電離放射線硬化性樹脂組成物を密着させ、透明基材で被覆した後に、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化後、剥離することにより、従来、未解決であった上記課題を解消して、表面に所定の微細な凹凸形状を有する反射防止材を得ることができた。
第1の発明は、透明基材、および光の波長以下のピッチの無数の微細凹凸が形成された凹凸型面を有する賦型用型とを準備し、前記透明基材と前記賦型用型の前記凹凸型面の側とを、電離放射線硬化性樹脂組成物を介して積層を行ない、積層を行なった後、前記透明基材と前記賦型用型との間の前記電離放射線硬化性樹脂組成物への電離放射線の照射により、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化、および前記透明基材との接着を行ない、その後、前記硬化物を前記透明基材と共に前記賦型用型から離型することを行なうことを特徴とする反射防止材の製造方法に関するものである。第2の発明は、第1の発明において、前記透明基材の前記電離放射線硬化性樹脂組成物と積層する側に、前記の積層を行なうのに先立って、アンカー層の積層を行なうことを特徴とする反射防止材の製造方法に関するものである。第3の発明は、第1または第2の発明において、電離放射線の照射として、前記電離放射線硬化性樹脂組成物を予備硬化し、かつ前記透明基材と予備接着させるための弱い照射を行ない、前記離型後、さらに、前記電離放射線硬化性樹脂組成物を完全硬化し、かつ前記透明基材と完全接着させるための強い照射を行なうことを特徴とする反射防止材の製造方法に関するものである。第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記の凹凸型面を有する型を準備することを、感光性樹脂にレーザー光干渉法により型の凹凸を形成して原型を得たのち、めっき法により金属製スタンパーを得ることにより行なうことを特徴とする反射防止材の製造方法に関するものである。
本発明によれば、賦型用型、電離放射線硬化性樹脂組成物、および透明基材を積層した状態で電離放射線を照射し、その後、離型するのみで、透明基材上に積層した電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の表面に、光の波長以下のピッチの無数の微細凹凸が形成されるので、製造に要する時間が短く、効率的であり、しかも得られる製品の反射率が入射光の波長によらず一定である、反射防止材の製造方法を提供することができる。また、上記発明の効果に加え、透明基材の積層側に予めアンカー層の積層を行なうので、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の層と透明基材との接着力が向上した、反射防止材の製造方法を提供することができる。さらに、上記発明の効果に加え、賦型用型と積層した状態での電離放射線硬化性樹脂組成物への電離放射線の照射を短縮でき、賦型用型から離型した後に、硬化および接着のための電離放射線照射を再度行なうので、性能上の問題のない、反射防止材の製造方法を提供することができる。さらに、上記発明の効果に加え、賦型用型の準備を、感光性樹脂へのレーザー干渉露光による原型の作製と、めっきによる原型の複製によって金属性スタンパーとすることにより行なうので、各工程は、既に確立されていて安定に行なえ、複製の際の型の損傷や摩耗の問題を回避することができる、反射防止材の製造方法を提供することができる。
反射防止材の積層構造を示す断面図である。 反射防止材の表面の微細凹凸の形状例を示す断面図である。 凹凸の配置を示す図である。 製造装置を示す図である。 偏光板への適用例を示す断面図である。 液晶パネルへの適用例を示す断面図である。
本発明の反射防止材は、例えば、図1(a)に示すように、フィルム状や板状の透明基材1上に、光の波長以下のピッチの無数の微細凹凸が形成された凹凸部2を上面に有する透明層3が積層したものである。透明層3は、連続した層であることが普通だが、透明基材フィルム1を伴なうときは、互いに離れた凸部の群で有り得る。
あるいは、反射防止材は、図1(b)に示すように、透明層3の表面の凹凸部2上に別の透明層からなる表面層4をさらに積層したものであってもよい。表面層4の上面は図では平坦なものとして描いたが、凹凸部2の形状に沿った形状であってもよい。
上記の図1(a)、および(b)に示すいずれの例においても、透明基材フィルム1は省くことが可能である。また、図1(a)、および(b)に示すいずれの例においても、凹凸部2は、反射防止材の片面にのみ形成されたものに限ることなく、反射防止材の両面に凹凸部2が形成されていてもよい。
透明基材1としては、透明性、平滑性を備え、異物の混入のないものが好ましく、また、加工上および製品の使用上の理由で機械的強度があるものが好ましい。さらに、反射防止材にディスプレイの熱が伝わって来るような場合には、耐熱性があるものが好ましい。
一般的に透明基材1として好ましいものは、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、もしくはポリウレタン等の熱可塑性樹脂のフィルムである。
写真用乳剤を塗布した写真用フィルムの場合に、よく用いられるポリエステルは機械強度やコーティング適性の点で好ましい。透明性が高く、光学的に異方性がなく、かつ低屈折率である点では、セルローストリアセテート等が好ましい。透明性と耐熱性を備えた点ではポリカーボネートが好ましい。
なお、これらの熱可塑性樹脂のフィルムはフレキシブルで使いやすいが、取り扱い時も含めて曲げる必要が全くなく、硬いものが望まれるときは、上記の樹脂の板やガラス板等の板状のものも使用できる。厚みとしては、8〜1000μm程度が好ましく、25〜300μm程度がより好ましい。板状のものの場合には、この範囲を超えてもよい。
上記の透明基材1には、その上面、もしくは上面および下面に形成する層との接着性の向上のために、通常、行なわれ得る各種の処理、即ち、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤(プライマー剤とも呼ばれる。)の塗布による化学的処理を予め行なって、アンカー層1aを形成しておくことが好ましい。アンカー層1aを構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリブタジエン系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、もしくは塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等である。これらの樹脂のうち一種もしくは二種以上を適宜な溶剤に溶解して塗料もしくはインキとしたものを塗付もしくは印刷してアンカー層1aを形成する。このほか、アルキルチタネート系のアンカー剤を使用してアンカー層を形成することもできる。
無数の微細凹凸が形成された凹凸部2を有する透明層3は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなっている。電離放射線硬化性樹脂組成物としては、凹凸部2を賦型用型を用いたキャスティング法によって形成する際の硬化速度が速く、かつ透明層3の表面の傷付きが起きないよう、硬化後に高い耐擦傷性を有するものが好ましい。電離放射線硬化性樹脂組成物としては、硬化後の硬度が、JIS K5400で示す鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものがより好ましい。また、透明層3の光の屈折率は、反射防止性能を発揮するためには低い方が好ましいが、反射防止材として長期間使用するには、表面の耐久性、特に耐擦傷性が必要であり、硬度を高くした方が有利になるため、密度を上げて硬度を高くする必要がある。従って、透明層3の光の屈折率としては、1.4〜1.7、より好ましくは、1.6以下である。
電離放射線硬化性樹脂組成物としては、分子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜に混合したものである。電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は、紫外線又は電子線を用いる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中のプレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中のモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチローラプロパントリチオグリコレート、トリメチローラプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等が挙げられる。
通常、電離放射線硬化性樹脂組成物中のモノマーとしては、以上の化合物を必要に応じて、1種若しくは2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性組成物に通常の塗布適性を与えるために、前記のプレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記モノマー及び/又はポリチオール化合物を95重量%以下とするのが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させたときのフレキシビリティーが要求されるときは、モノマー量を減らすか、官能基の数が1又は2のアクリレートモノマーを使用するとよい。電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させたときの耐摩耗性、耐熱性、耐溶剤性が要求されるときは、官能基の数が3つ以上のアクリレートモノマーを使う等、電離放射線硬化性樹脂組成物の設計が可能である。ここで、官能基が1のものとして、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートが挙げられる。官能基が2のものとして、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。官能基が3以上のものとして、トリメチローラプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクレリート等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させたときのフレキシビリティーや表面硬度等の物性を調整するため、電離放射線硬化性樹脂組成物に、電離放射線照射では硬化しない樹脂を添加することもできる。具体的な樹脂の例としては次のものがある。ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂である。中でも、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の添加がフレキシビリティーの向上の点で好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化が紫外線照射により行われるときは、光重合開始剤や光重合促進剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いる。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性樹脂組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
電離放射線硬化性樹脂組成物には、次のような有機反応性ケイ素化合物を併用してもよい。
有機ケイ素化合物の1は、一般式RmSi(OR’)nで表せるもので、RおよびR’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rの添え字mとR’の添え字nとは、各々が、m+n=4の関係を満たす整数である。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物に併用し得る有機ケイ素化合物の2は、シランカップリング剤である。
具体的には、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物に併用し得る有機ケイ素化合物の3は、電離放射線硬化性ケイ素化合物である。具体的には、電離放射線の照射によって反応し架橋する複数の官能基、例えば、重合性二重結合基を有する分子量5,000以下の有機ケイ素化合物が挙げられ、より具体的には、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能ポリシロキサン、又はこれらの化合物を反応させたビニル官能性ポリシラン、もしくはビニル官能性ポリシロキサン等が挙げられる。
より具体的には、次のような化合物である。
Figure 2013047838
その他、電離放射線硬化性樹脂組成物に併用し得る有機ケイ素化合物としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン化合物等が挙げられる。
透明層3の上面に形成する光の波長以下のピッチの微細凹凸2の形状としては、図1および図2(a)に例示するような、断面の上縁の微細凹凸2の形状が正弦曲線のもの以外にも、図2(b)に示すような断面の頂部2aが円弧状で、立ち上がり部分2bが直線状であり、上へ行くほどすぼまった形状のもの、図2(c)に示すような三角波状のもの、もしくは図2(d)に示すような矩形波状のものがある。
これらのうちでも、場所により深さが変動する、図2(a)、(b)および(c)の断面形状のものが好ましく、このような断面形状のものを使用すると、透明層3の厚み方向の位置により、光の屈折率が変化する性質が付与される。
また、これらのうち、図2(d)に示すものは、どの高さの部分でも水平切断面の面積が変わらないので、透明層3が占める割合が同じであり、波の上の方と下の方とで光の屈折率が変わらない。ただ、ピッチや波の幅を決めることにより、一定でかつ所定の値の屈折率を有する層を形成することができる。このほか、上すぼまりでない図2(e)に示すような形状もあり得るが、型を利用して製造する際に、離型が難しく、あまり好ましくない。
微細凹凸2の断面形状は以上のようなものであるが、これらの断面形状を持つ透明層3を、凹凸部2のある側から観察するとき、微細凹凸の配列としては、図3(a)に斜視図で示すように、凹部に注目すれば、平行な溝5(凸部に注目すれば平行な仕切り6)を形成したものや、図3(b)もしくは(c)に上方から見た図(同心円は等高線を示す。)で示すように、平面的に並べて配列して形成したものとが有り得る。いずれのタイプのものも、反射防止性を有するが、図3(a)に示すような溝状のタイプのものは方向性を有するために、入射光の方向によって反射率が変わり得る。これに対し、図3(b)もしくは(c)に示すような二次元に配列した形状のものは方向性が事実上無く、好ましい。
凹凸部2の形状自体には種々のものがあるにせよ、断面形状に表れる凹凸の波のピッチ(=周期)は、光の波長以下の微細なものである。通常の用途では、この光とは可視光を指し、従って、「光の波長以下の微細な」とは、400nm以下を指す。下限は特にないが、型の精度を考慮すると50nm以上であることが好ましい。
凹凸部の断面形状の、波の高低差が大きい方が、反射率が低くなり、反射防止効果があるため、高低差は100nm以上であることが好ましい。上限は特に無いが、通常のピッチである50nm〜400nmを想定すると、ピッチの値の100%〜200%程度であることが好ましく、100nm〜500nm程度である。
このような微細凹凸2は、複製用の賦型用型を準備して複製することが効率的である。まず、適当な基材を型の基材とし、その上に、感光性樹脂を積層したものを準備し、これにレーザー光干渉法により露光を行なう。基材に感光性樹脂を積層したものとして、レリーフホログラム製造用として市販されている感光材を利用することができる。
露光は、レーザー光を2ないしそれ以上に分割して干渉させることによって行ない、ピッチが光の波長以下の硬化部と未硬化部とを得る。露光後、感光性樹脂の種類に応じた現像法、ネガ型感光性樹脂であれば、特定の溶剤等による未硬化部分の除去により、現像を行なって、ピッチが光の波長以下の無数の微細凹凸が形成された凹凸型面を有する賦型用型の原型を得る。
得られた原型は、凹凸を形成しやすくするために、比較的分子量の小さい高分子からなっているため、溶剤に対する耐久性も不十分であり、また、もろいため、この原型を何度も使用して複製を行なうことは好ましくない。
そこで、原型にニッケル等の金属でめっきを行なって剥がし、第1の金属製の型を形成して、この第1の金属製の型を使用するか、または第1の金属製の型にめっきを行なって、第2の金属製の型を幾つか形成し、得られた第2の金属製の型を使用して複製を行なう事が好ましく、このようにして得られた型を使用すると、型の損傷や摩耗の問題を回避することができる。なお、めっきによって得られる、これら金属製の型を金属製スタンパーと言う。
より好ましくは、このようにして得られた型面の形状をローラ面に形成し、必要に応じて、殖版(同一版面上に多面付けにすること)した型ローラや型面の形状をローラの面長方向および円周方向に、連続的に形成した型ローラを使用すると、連続的な生産に向く。従って、賦型用の型としては、シート状のもの、板状のもの、もしくはローラ状のものがあり得る。
なお、型面の形状を複製する際に、原型と第2の金属製の型とは同形状であり、原型と第1の金属製の型とは互いに逆型形状の関係となる。また反射防止材の微細凹凸の形状と、それを製造するための型上の型面の微細凹凸の形状とは逆型形状となる。従って、反射防止材として欲しい形状が得られるよう、必要なら更に、めっきによる金属型の形成を加えて、微細凹凸の形状を逆転させるとよい。ただし、微細凹凸の断面形状が正弦曲線のような場合には、元の型形状と逆型形状の違いが実質的には無い例外的な場合もある。以下の説明で用いる型の型面の微細凹凸形状としては、上記のような例外を除き、反射防止材に、得たい微細凹凸形状が得られるよう、逆型形状に形成されているものとする。
電離放射線硬化性樹脂組成物を用いて、透明層3の上面に微細凹凸からなる凹凸部を形成するには、透明基材1と、上記したような賦型用型とを準備し、両者を、液状の電離放射線硬化性樹脂組成物を介して積層する。積層の際には、電離放射線硬化性樹脂組成物を透明基材1側に積層してから、賦型用型と積層してもよいし、逆に、賦型用型に電離放射線硬化性樹脂組成物を積層してから、透明基材1と積層してもよい。あるいは、透明基材1と賦型用型との間に電離放射線硬化性樹脂組成物を供給しつつ、透明基材1と賦型用型とを積層してもよい。
積層後、透明基材1と賦型用型との間の電離放射線硬化性樹脂組成物に電離放射線を照射する。電離放射線が紫外線であるとき、その照射は、透明基材1の側から行なうとよいが、賦型用型が透明であれば、賦型用型側から行なうこともできる。電離放射線が電子線であるときは、電子線の物質への透過性が優れているので、電子線が透過し得る限り、いずれからの照射でもよい。
電離放射線の照射により、電離放射線硬化性樹脂組成物は硬化して硬化物が生成し、かつ、透明基材に接着するので、電離放射線の照射の後に、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を透明基材ごと、賦型用型から離型することにより、透明基材上に透明な電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、表面に微細凹凸が形成された透明層を有する反射防止材を得ることができる。
上記において、電離放射線の照射は、一回で済ますのが効率的であるが、賦型用型、電離放射線硬化性樹脂組成物、および賦型用型の三者を積層したまま、長時間、電離放射線の照射を行なうことは、効率的とは言えない。そこで、上記の三者が積層している時間を短縮する目的で、電離放射線の比較的弱い照射により、予備硬化および予備接着を行ない、その後、予備硬化および予備接着した電離放射線硬化性樹脂組成物を、賦型用型より透明基材1と共に離型して分離し、分離した予備硬化および予備接着した電離放射線硬化性樹脂組成物に対して、電離放射線の比較的強い照射により、電離放射線硬化性樹脂組成物の完全硬化および透明基材との完全接着を行なうようにすると、賦型用型、電離放射線硬化性樹脂組成物、および賦型用型の三者を積層した状態を維持する時間が短時間で済む利点が生じ、製造効率が向上する。その後の、完全硬化および透明基材との完全接着のための電離放射線の照射は照射対象物を走行させつつ、照射ゾーンを長くする等により、処理速度を落とさなくても長時間の照射が行なえるからである。
図4は、型ローラを用いて、反射防止材を連続的に製造するための装置10を使用して製造する様子を示すものである。図4において、透明基材フィルム1は、図中向かって左側上方より巻き出され、ニップローラ11aと型ローラ12の間に導かれ、型ローラ12の上側を半周した後、ニップローラ11bとの間を通過して、向かって右側方向に排出される。型ローラ12は型ローラ12内に矢印で示す時計回り方向に回転するよう駆動されており、ニップローラ11a、および11bは、型ローラの回転に合わせて連れまわり(いずれも回転方向はローラ内に矢印で示す。)するよう構成されている。また、透明基材フィルム1の巻き出し側にはブレーキが設置され、排出側に設置された巻き上げモータとにより、走行時の張力の調整が可能である。また、両ニップローラ11a、および11bの間では、張力が一定に保たれている。
型ローラ12の真下には、ダイヘッド13が設置されており、ダイヘッド13は内部に液溜め14、上方にスリット15を有し、パイプ16を経由して、外部より電離放射線硬化性樹脂組成物17が供給されるよう構成されている。スリット15からは透明基材フィルム1の走行に合わせて、必要量の電離放射線硬化性樹脂組成物17が上方に押出され、型ローラ表面に塗付され、型ローラ12の凹部12a内にも電離放射線硬化性樹脂組成物17が充填され、ニップローラ11aと型ローラとの間を通るときに、塗付量が規制される。
型ローラ12の上方には、電離放射線照射装置18が設置されており、照射装置18の下を通る際に電離放射線が照射され、透明基材フィルム1上の電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化し、透明層3と透明基材フィルム1とが接着する。この後、硬化した透明層3を透明基材フィルムと共に、離型し、巻き取る。
なお、透明基材フィルム1をラミネートするときは、型ローラ表面の凹部12aが少なくとも埋まっており、埋めた電離放射線硬化性樹脂組成物の露出面に透明基材フィルムが接していれば足りるが、透明基材フィルムを使用しないときは、電離放射線硬化性樹脂組成物が型面上で連続した皮膜を生成するよう、十分な量の電離放射線硬化性樹脂組成物を適用するとよい。なお、図示の例では型ローラ12に電離放射線硬化性樹脂組成物を適用するようにしており、この方が好ましいが、ラミネート時の気泡の抱き込みを防止できるのなら、電離放射線硬化性樹脂組成物を、透明基材フィルム1側に適用した後、型ローラ12に接触させてもよいし、あるいは、型ローラ12に透明基材フィルム1が接する位置に電離放射線硬化性樹脂組成物を供給してもよい。
型ローラ12の表面に電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布した後に、必要ならドクタリングを施して、塗付量を規制してもよい。上記において、電離放射線としては、通常、紫外線、もしくは電子線を用いるが、これら以外であってもよい。また、照射する場所は上方の一個所に限定することはなく、塗付直後から、ニップローラ11bを通過するまでの任意の位置に所望の個数の電離放射線照射装置を設置して照射を行なってよい。また、型ローラ12の周囲で、充分な場所が確保できない場合には、ニップローラ11bを出た後の位置に更に電離放射線照射装置を設置して照射を行なってもよい。
電離放射線照射により、電離放射線硬化性樹脂組成物17が硬化するとともに、透明基材フィルム1との間の接着力が生じるので、その後、透明基材フィルム1ごと剥離することにより、透明基材フィルム1上に硬化した電離放射線硬化性樹脂組成物からなる透明層3が積層しており、かつ透明層3の表面に、型面の微細凹凸形状が反映した微細凹凸を有する反射防止材が得られる。
なお、透明基材フィルムを伴なわない反射防止材を得るには、透明基材フィルムのラミネートを省いて行なう方法もあるが、透明基材フィルム1の電離放射線硬化性樹脂組成物を適用する側の表面に剥離性を与えておき、型面から透明層を剥離すると同時に透明基材フィルム1を分離してしまうか、あるいは先に透明基材フィルム1のみ剥離した後に透明層3を剥離するか、もしくは共に剥離後に透明基材フィルム1を剥離することによっても、透明基材フィルム1を伴なわない反射防止材とすることができる。透明基材フィルム1を工程中に使用した方が、透明層3の厚みの規制がしやすく、空中の塵埃の影響も回避できるので好ましい。
本発明の反射防止材は、微細凹凸2が表面に露出したままでも、充分効果を発揮するが、不用意な接触による傷付きや汚染を防止する意味で、透明層3よりも光の屈折率が低い樹脂組成物からなる層4を微細凹凸2上に積層しておくことが好ましい。
層4をフッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂の素材で形成すると、いずれも光の屈折率が1.3〜1.4であるため、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる透明層3の一般的な屈折率(アクリレート系の樹脂組成物の硬化物であり、光の屈折率は1.5以上である。)よりも低いので好ましく、なお、これら素材の水との接触角が100度以上あるため、防汚性も有していて好ましい。上記のフッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂等の使用によって、層4に特別の機能を持たせる必要性が低いときは、下層の透明層3との接着を考慮して選択したフッ素系樹脂・シリコーン系樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いて層4を構成してもよい。
これらの素材は、蒸着等の乾式工程、もしくは通常のコーティングのような湿式工程のいずれによって形成してもよい。あるいは、透明層3に微細凹凸を与えるための型面に予め塗付しておき、その上から電離放射線硬化性樹脂組成物を適用することにより、積層する方法も採れる。または、上記のフッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂を、透明層3を形成するための電離放射線硬化性樹脂組成物と混合して、透明層を形成する際に、これらフッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂をブリードアウトさせることによってよい。
本発明の反射防止材は、上記の構成に加えて、使用時の塵埃の付着を防止するための帯電防止処理や、反射防止材を適用する際の便を考慮して、微細凹凸2を有するのとは反対側に粘着加工を施す等を行なってもよい。
帯電防止処理は、具体的には帯電防止剤や導電性微粒子を適用することにより行なえ、透明層3や表面層4をコーティングにより形成する際には、用いる塗料組成物中に混合して適用するとよい。あるいは、帯電防止処理は、帯電防止剤単体を透明層3上に塗付することによって行なってもよい。透明層3の下層に、もしくは透明基材フィルム1を伴なうときは、基材フィルム1と透明層3との間に、導電性微粒子を含んだ塗料組成物を用いて形成した導電性層もしくは金属酸化物薄膜を形成することにより、帯電防止処理を行なってもよい。
粘着加工は、ポリアクリル酸エステルやゴム系の粘着剤を直接塗付してもよいが、通常は、離型紙に粘着剤を塗付したものをラミネートすることによって適用し、離型紙は、粘着剤が露出して不用意に接着したり、塵埃が付着するのを防止する意味で、使用するまでの間、貼ったままにしておくとよい。粘着剤層の厚みとしては、20〜40μm程度が好ましい。
本発明の製造方法によって得られる反射防止材は、図5、および図6に示すように、ディスプレイ関係の用途が広い。図5は、偏光板に適用した例を示す断面図で、表面層22a、偏光層22b、および裏面層22a’とが順に積層してなる三層構成の偏光板22の上面に反射防止材21が積層されて、反射防止性の偏光素子20が得られる。この場合、表面層22aを基材として、その上に直接に透明層3を積層してもよいが、上記の三層構成の偏光板22の上に、先に説明した粘着加工済の反射防止材を積層するのが実用上、便利である。
上記のように偏光板22の上面に反射防止材21を積層した反射防止性偏光板は、液晶ディスプレイに適用すると価値が高い。図6は、透明電極を内面に有する相対する二枚のガラス板間に液晶がはさんである液晶パネル23の上面(=観察側の面)の上に、上記の反射防止性偏光板20が反射防止材21側が外側を向くようにして積層されており、液晶パネル23の下面には、通常の偏光板22が積層してある。このように構成すると、液晶ディスプレイの表面における外光の反射が防止されるので、照明や太陽光等の外光が避けられない環境下でも、外光が反射して、液晶ディスプレイの表示内容の視認性が低下することがない。
本発明の製造方法によって得られる反射防止材は、このほか、CRT(陰極線管)ディスプレイ、もしくはプラズマディスプレイ等のディスプレイの表面に積層するか、もしくは観察側に配置しても、ディスプレイ表面における外光の反射を抑制し、表示画像の視認性の低下を防止することができる。また、本発明の反射防止材は、金属、ガラスもしくはその他の光沢面を有する建材の表面に適用して、不用意な光の反射が起きることを防止することができ、通行する車両や人の妨げになることを解消すると共に、それらが元来有する外観の視認性が抑制されるのを防止することができる。
(実施例1)ガラス基板上に感光性樹脂層を積層し、レーザー干渉露光装置で、三方向より露光を行ない、露光後、溶剤現像を行ない、感光性樹脂が硬化した樹脂上に、高さが180nm〜350nm、ピッチが100nm〜350nmの突起を格子状に無数に配置した原型を得た。また、厚みが100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの表面に、アクリルポリオール樹脂およびイソシアネート系架橋剤を含有するアンカー層形成用組成物を用いてアンカー層を形成した。
先に準備した原型の型面に、アクリレート系の紫外線硬化性樹脂を塗布し、塗付面上に、上記のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを、アンカー層を形成した側が接するようにしてラミネートした。続いて、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム側より、弱い紫外線露光を行なって、プレキュアを行ない、露光後、原型より、プレキュアした紫外線硬化性樹脂をポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムと共に剥がし、剥がしたものに、今度は強い紫外線照射を行なって、アフターキュアを行なって、表面に微小な凹凸が形成されたフィルムを得た。
得られた凹凸付きのフィルムを分光光度計を用い、凹凸が形成された面の反射率を測定したところ、波長が400nm〜700nmの範囲で、反射率が0.1%〜1%である、優れた反射防止能を有するものであり、液晶ディスプレイ、CRTモニター、窓ガラス、太陽電池の表面等に適用するのに適するものであった。
1 反射防止材(1a;アンカー層)
2 凹凸部
3 透明層
4 表面層
11 ニップローラ
12 型ローラ
13 ダイヘッド
14 液溜め
15 スリット
16 パイプ
17 電離放射線硬化性樹脂組成物
18 電離放射線照射装置
20 反射防止偏光板
21 反射防止材
22 偏光板
23 液晶パネル

Claims (5)

  1. 透明基材、および光の波長以下のピッチの無数の微細凹凸が形成された凹凸型面を有する賦型用型とを準備し、前記透明基材と前記賦型用型の前記凹凸型面の側とを、電離放射線硬化性樹脂組成物を介して積層を行ない、積層を行なった後、前記透明基材と前記賦型用型との間の前記電離放射線硬化性樹脂組成物への電離放射線の照射により、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化、および前記透明基材との接着を行ない、その後、前記硬化物を前記透明基材と共に前記賦型用型から離型することを行ない、さらに、前記硬化物表面に透明層からなる表面層を形成することを特徴とする反射防止材の製造方法。
  2. 前記透明基材の前記電離放射線硬化性樹脂組成物と積層する側に、前記の積層を行なうのに先立って、アンカー層の積層を行なうことを特徴とする請求項1記載の反射防止材の製造方法。
  3. 電離放射線の照射として、前記電離放射線硬化性樹脂組成物を予備硬化し、かつ前記透明基材と予備接着させるための弱い照射を行ない、前記離型後、さらに、前記電離放射線硬化性樹脂組成物を完全硬化し、かつ前記透明基材と完全接着させるための強い照射を行なうことを特徴とする請求項1または請求項2記載の反射防止材の製造方法。
  4. 前記の凹凸型面を有する型を準備することを、感光性樹脂にレーザー光干渉法により型の凹凸を形成して原型を得たのち、めっき法により金属製スタンパーを得ることにより行なうことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか記載の反射防止材の製造方法。
  5. 前記透明層が、フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の反射防止材の製造方法。
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