JP4151997B2 - ノングレアシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外光の写り込みの少ない、防眩性、解像性に優れたノングレアシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
表示体の表面における外光の反射を低減する方法として表面に微細な凸凹を形成したいわゆるノングレアシートが広く用いられている。このノングレアシートは従来、透明合成樹脂シートの表面に微粉末固体を吹き付けて凸凹をつけるサンドブラスト方式や、凸凹状に加工したガラスや金型、ロールなどを用いて樹脂シートに凸凹状模様を転写するエンボス加工方式や、シリカなどの微粒子を紫外線硬化型樹脂組成物に含有させてフィルム上に塗布した後、紫外線を照射して凸凹を有する硬化皮膜を形成する方法等によって形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシリカなどの微粒子を紫外線硬化型樹脂組成物を用いてノングレア層を形成する場合、光拡散性(ヘイズ値)を高くすれば、外光による表示画面の視認性への影響は低減するが、同時に表示画面の解像性が低下してしまう。逆に、光拡散性を低くすれば表示画面の解像性は向上するが、外光の反射が大きくなり、表示画面の視認性を低下させてしまうという問題があった。
【0004】
このような問題に対して例えば防眩機能層の凸部の平均の高さを7μm以下にする方法(特開平5−341123号公報)や、微細な凹凸の高さと数を制御する方法(特開平7−181306号公報)等が提案されており、いずれの場合においても凹凸の高低差を小さくすることにより、高い光拡散性においても解像性が向上している。
【0005】
しかしながら、上記の方法では、凹凸の高低差が低くなり過ぎたり、また凹凸の状態が均一に近くなってくると、光拡散性(ヘイズ値)が高くても蛍光灯等の外光の像が写り込んでしまい、その結果表示体の視認性を低下させてしまうという新たな問題が生じてしまう。この傾向は光拡散性(ヘイズ値)が低くなるほど顕著になり、低い光拡散性で外光の写り込みの少ない、解像性に優れたノングレアシートを得ることは非常に困難であった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みこれらの欠点を改善すべく鋭意検討した結果、微細な凸部を多数有する丘陵部と、該丘陵部を分ける溝部を多数有すると支持体層からなるノングレアシートを用いることにより、低い光拡散性(ヘイズ値)であっても、外光の写り込みが少なく、解像性に優れたノングレアシートが得られることを新規に見出し本発明に至った。即ち本発明は、
(1)ノングレア層と支持体層からなるノングレアシートおいて、ノングレア層が微細な凸部を多数有する丘陵部と該丘陵部を分ける溝部からなることを特徴とするノングレアシート、
(2)溝部の幅が1〜100μmである(1)のノングレアシート、
(3)ノングレア層が微粒子と溶剤乾燥型樹脂と紫外線硬化型樹脂組成物との混合物の硬化皮膜である前項(1)又は(2)に記載のノングレアシート、
(4)微粒子の粒径がコールターカウンター法による平均粒径として0.5〜2μmである前項(3)に記載のノングレアシート、
(5)微粒子の平均粒径の標準偏差が2μm以下である前項(4)に記載のノングレアシート、
(6)平均粒径が異なる微粒子を複数用いることを特徴とする前項(4)又は(5)に記載のノングレアシート、
(7)平均粒径の標準偏差の異なる微粒子を複数用いることを特徴とする前項(4)ないし(6)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(8)微粒子が珪素化合物または金属化合物または高分子化合物またはそれらの混合物であることを特徴とする前項(3)ないし(7)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(9)溶剤乾燥型樹脂がセルロース系樹脂化合物である前項(3)に記載のノングレアシート、
(10)セルロース系樹脂化合物がヒドロキシ(C1〜C5)アルキルセルロース系樹脂である前項(9)に記載のノングレアシート、
(11)紫外線硬化型樹脂組成物100重量部中に4官能以上のアクリレートモノマーを30〜90重量部含有することを特徴とする前項(3)ないし(10)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(12)ノングレア層の厚さが1〜10μmである前項(1)ないし(11)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(13)ノングレア層上にフッ素系樹脂層または多層反射防止膜が形成された前項(1)ないし(12)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(14)支持体層が透明なフィルムである前項(1)ないし(13)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(15)透明なフィルムが偏光板または楕円偏光板である前項(14)に記載のノングレアシート、
(16)前項(1)ないし(15)のいずれか1項に記載のノングレアシートを有する画像表示装置、
(17)画像表示装置が液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置またはCRT表示装置である前項(16)の画像表示装置、
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のノングレアシートは微細な凸部を多数有する丘陵部と該丘陵部を分ける溝部を多数有するノングレア層と支持体層からなる。このノングレア層の表面の顕微鏡写真を図1〜3に示す。これらの図において、島状の黒っぽい部分が丘陵部で、この丘陵部を囲むように存在する連続した白っぽい部分が溝部である。このノングレア層の微細な丘陵部と溝部により、入射してくる外光を拡散させ、観察者の眼に直接反射光が入り込んで眩しくなるのを低減するだけでなく、外光の写り込みを低減させる機能を有する。この溝部は、例えば図1〜3のようにノングレア層表面を顕微鏡で拡大して観察した時に、該表面上で微細な凹凸が多数密集する丘陵部を分けるように不規則に存在しており、その幅は好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは1〜30μm程度がよい。この溝部を有することにより、ノングレア層の光拡散性、表示体に用いたときの表示画面の解像性を損ねることなく外光の写り込みを低減させることができる。
【0008】
この溝を形成する方法は特に限定されないが、製造上の容易性や、表面のハードコート性を考慮すると、紫外線硬化型樹脂組成物中に微粒子を分散させて、溶剤乾燥型樹脂化合物を添加した後、支持体層に塗布後、加熱(40〜120℃)による溶剤の除去および紫外線照射によって硬化させることによりノングレア層を形成する方法が好ましい。
【0009】
溶剤乾燥型樹脂化合物としては、溶剤に可溶で、かつ、微粒子の分散性が紫外線硬化型樹脂とは異なっていることが好ましく、そのような化合物としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、含フッ素樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリレート樹脂等が挙げられ、好ましくはセルロース系樹脂、より好ましくはヒドロキシ(C1〜C5)アルキルセルロース系樹脂、(C1〜C5)アルキルセルロース系樹脂、さらに好ましくはヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシ(C1〜C5)アルキルセルロース系樹脂があげられる。これらの樹脂化合物を添加することにより、その樹脂化合物によって様々な溝部を有する本発明のノングレアシートを得ることができる。またその添加量は、所望とする溝部の大きさや用いる溶剤乾燥型樹脂化合物の種類によって異なるが、微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂組成物中に添加する場合は紫外線硬化型樹脂組成物100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部程度がよい。
【0010】
また、微粒子としては所望とする光拡散性や解像性などにより異なるが、コールカウンター法による平均粒径が0.5〜2μm、好ましくは1.0〜1.5μm程度が良く、その平均粒径の標準偏差は2μm以下、好ましくは1μm以下がよい。また、これら平均粒径、平均粒径の標準偏差の異なる複数の微粒子を配合して用いることも可能である。その材質は透明性を有しているものが好ましく、シリカまたは金属化合物または高分子化合物が好適に用いられる。シリカとしては例えば、二酸化珪素の合成粒子が挙げられる。また、金属化合物としてはアルミナ、チタニア、ジルコニア等が挙げられる。また、高分子化合物としては、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
【0011】
また、その配合量は目的とする防眩性、解像性および用いる微粒子の粒径、ノングレア層の厚さなどにより異なるが、本発明の効果を顕著に発現させるために光拡散性(ヘイズ値)が好ましくは1〜50%、より好ましくは2〜40%、さらに好ましくは3〜30%程度になるように調節することが好ましく、例えば紫外線硬化型樹脂組成物に該微粒子を分散させた後、溶剤乾燥型樹脂組成物を添加してノングレア層を形成する場合、紫外線硬化型樹脂組成物100重量部中に好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜40重量部、さらに好ましくは1〜30重量部程度含有させるのがよい。
【0012】
紫外線硬化型樹脂組成物としては、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の反応性化合物に光重合開始剤を配合したものが好ましく用いられ、特に紫外線により硬化した皮膜が支持体との密着性に優れ、なおかつハードコート性を有するものが好ましい。特にハードコート性を有するためには、反応性化合物として4官能以上の官能基を有するモノマーを使用し、さらに該モノマー以外の反応性化合物に光重合開始剤を配合したものが好ましい。4官能以上の官能基を有するモノマーとしては例えば、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとイプシロン−カプロラクトンとを反応させたヘキサ(メタ)アクリレート等があげられる。
【0013】
4官能以上の官能基を有するモノマー以外の反応性化合物としては、例えば該モノマー以外の反応性モノマーや反応性オリゴマーがあげられる。反応性モノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。また、反応性オリゴマーとしては、例えばポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリエステル(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリレートまたはヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート、有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応、あるいはポリオールと有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、(1−6−η−クメン)(η−シクロペンタジエニル)鉄(1+)六フッ化リン酸(1−)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種でも、2種以上でも、任意の割合で混合して使用することができる。
【0015】
また、その含有量は、紫外線硬化型樹脂組成物100重量部中に4官能以上の官能基を有するモノマーが30〜90重量部、好ましくは35〜85重量部、さらに好ましくは40〜80重量部、他の反応性化合物が5〜60重量部、好ましくは10〜55重量部、さらに好ましくは15〜50重量部、光重合開始剤が0.01〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは1〜8重量部程度がよい。
【0016】
さらに、支持体に塗布する際の塗布面の均一性と形成したノングレア層の耐擦傷性、防汚性を付与するために、種々のレベリング剤を用いることができる。そのようなものとしては例えばシリコーン系またはフッ素系のワニスや界面活性剤、カップリング剤などが挙げられる。
【0017】
本発明におけるノングレア層の厚さは、作成上および使用上問題とならなければ特に限定されないが、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜8μm、さらに好ましくは1.5〜6μm程度が良い。10μmを超えると、例えば紫外線硬化型樹脂組成物と微粒子により、本発明のノングレアシートを作製する場合、硬化した樹脂層が厚くなりすぎることにより該微粒子がすべて樹脂中に埋没してしまい、光拡散性がなくなってしまう場合がある。
【0018】
本発明のノングレアシートにおいて、支持体層には、例えばプラスチック等があげられるが、特に制限はない。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線等のエネルギー線硬化型樹脂等が使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース、ブチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリレート樹脂などがあげられる。液晶表示装置に使用する場合は、光学的に均質で等方性である透明なプラスチックが好ましく、またその屈折率は好ましくは1.3〜1.75、より好ましくは1.45〜1.65程度のものがよい。このようなプラスチックとしては、例えばポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート等のプラスチックが挙げられる。支持体部の厚みは軽量化の面から好ましくは50〜200μm、より好ましくは50〜150μmが良い。
【0019】
また、支持体は偏光板や偏光板と位相差板を貼り合わせた楕円偏光板であっても良い。特に、偏光子(素膜)にトリアセチルセルロースなどの保護フィルムを貼り合わせた構造の偏光板の場合に、ノングレア層を形成した保護フィルムを用いることは、例えば、偏光板の製造工程において、従来の製造工程に全く手を加えることなく本発明のノングレアシートを製造できる点で好ましい。ここで使用するトリアセチルセルロースなどの保護フィルムの厚さは50〜100μm程度が好ましい。また、これらのノングレア層を形成した保護フィルムは偏光子(素膜)との接着性、密着性を向上させるためにアルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理等の各種表面処理をすることも可能である。
【0020】
本発明におけるノングレア層を支持体上に形成する場合、紫外線硬化型樹脂組成物、上記微粒子、溶剤乾燥型樹脂化合物を溶媒中に均一に溶解分散させ、所望の濃度となるように調節した混合物分散液を、支持体上に均一な膜厚になるよう塗布し、溶媒を好ましくは加熱により除去し、次いで紫外線を照射して該混合物を硬化させることにより得ることができる。溶媒としては溶剤乾燥型樹脂化合物と紫外線硬化型樹脂を溶解する溶媒が好ましく、例えばトルエン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等があげられる。これらの溶媒は単独でも、又任意の割合で混合して用いても良い。又、混合物分散液を塗布する方法は特に限定されないが、ノングレア層の特性を一定にするために均一な膜厚にすることが好ましく、例えばワイヤーバー方式、ディップコート方式、スピンコート方式、グラビア方式、マイクログラビア方式、ドクターブレード方式等種々の塗工方式を用いることができる。
【0021】
本発明のノングレアシートにおいて、ノングレア層の上にさらに反射防止膜層として、例えば低屈折率のフッ素系樹脂層を形成することも可能であり、また二酸化珪素や金属化合物の薄膜を多数積層した多層反射防止膜を形成することも可能である。この多層反射防止膜上にさらにフッ素系樹脂層を形成してもよい。ノングレア層の上に光干渉効果によって反射光を低減するように光学設計された上記の層を設けることで、ノングレア層表面で拡散する反射光を低減し、透過光を増加させることができる。従って、表示体等に用いた場合、この効果により、より鮮明な、見やすい表示画面となり、好ましい。この反射防止膜層の層厚や多層反射防止膜の層の数は、使用する素材の屈折率により、適宜定められる。また、撥水、撥油性に優れるフッ素樹脂層を形成することは、本発明のノングレア層に防汚性を付与できる点で好ましい。
【0022】
このようにして得られたノングレアシートを画像表示装置の表示面最前面に配置することにより本発明の画像表示装置が得られる。画像表示装置としては、例えば液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置、CRT(cathode−ray tube)表示装置等の光学表示装置等が挙げられる。本発明のノングレアシートを配置する方法は特に限定されないが例えば、表示体の最前面の表面に接着剤や粘着剤を用いて貼り合わせる方法等が挙げられる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例と比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
平均粒径1.4μm、平均粒径の標準偏差が1.3μmのシリカ微粒子を3.8重量部および光重合開始剤(イルガキュアー184:チバガイギー社製)5重量部、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを50重量部含有する紫外線硬化型のアクリル系樹脂100重量部をトルエンとイソプロピルアルコール混合溶媒中で高速撹拌後、ヒドロキシプロピルセルロース3.0重量部含有するトルエンとイソプロピルアルコール混合溶液を添加し、固形分35重量%の分散液を調製し、それを膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に、ディップコート方式にて塗布し、溶剤を蒸発させて4.0g/m2 の樹脂層(層の厚さは約4.0μm)を形成し、、それを高圧水銀ランプにて80W/cmの光を照射して硬化させ、本発明のノングレアシートを得た。次にヘイズメータ(東京電色製)を用いてヘイズ値を測定したところヘイズ値15%の光拡散性を示した。さらにこのシートを片面に有する偏光板を作成し、それを液晶表示装置の画像表示面の最前面に接着し解像性と外光の写り込み(蛍光灯を反射させ、写った蛍光灯の形の鮮明さを目視にて観察)を評価した。その結果を表1に示した。
【0024】
次にこのノングレアシート表面を顕微鏡で160倍に拡大して観察したところ図1のような幅約20μmの溝を有していた。
【0025】
実施例2
平均粒径1.0μm、平均粒径の標準偏差が0.5μmのシリカ微粒子を7.5重量部およびヒドロキシプロピルセルロース1.2重量部を用いる以外は実施例1と同様の操作により本発明のノングレアシートを得た。このノングレアシートはヘイズ値17%の光拡散性を有していた。さらにこのシートを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0026】
次にこのノングレアシート表面を実施例1と同様に顕微鏡で観察したところ図2のような幅約10μmの溝を有していた。
【0027】
実施例3
平均粒径1.0μm、平均粒径の標準偏差が0.5μmのシリカ微粒子を6.3重量部およびヒドロキシプロピルセルロース0.8重量部を用いる以外は実施例1と同様の操作により本発明のノングレアシートを得た。このノングレアシートはヘイズ値9%の光拡散性を有していた。さらにこのシートを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0028】
次にこのノングレアシート表面を実施例1と同様に顕微鏡で観察したところ図3のような幅約6μmの溝を有していた。
【0029】
比較例1
ヒドロキシプロピルセルロースを使用せず、平均粒径1.4μm、平均粒径の標準偏差が1.3μmのシリカ微粒子を6.0重量部用いる以外は実施例1と同様な操作によりノングレアシートを得た。このノングレアシートはヘイズ値15%の光拡散性を有していた。さらにこのシートを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0030】
次にこのノングレアシート表面を実施例1と同様に顕微鏡で観察したところ図4のように溝を有しない形状であった。
【0031】
比較例2
ヒドロキシプロピルセルロースを使用せず、平均粒径1.4μm、平均粒径の標準偏差が1.3μmのシリカ微粒子を2.3重量部用いる以外は実施例1と同様な操作によりノングレアシートを得た。このノングレアシートはヘイズ値8%の光拡散性を有していた。さらにこのシートを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0032】
次にこのノングレアシート表面を実施例1と同様に顕微鏡で観察したところ図5のように溝を有しない形状であった。
【0033】
【表1】
Figure 0004151997
【0034】
表1の結果より、本発明のノングレアシートは、比較例に比べて同じ、または低い光拡散性(ヘイズ値)でありながら外光の写り込みが無く、解像性、視認性に優れていることが判る。
【0035】
【発明の効果】
本発明のノングレアシートを用いることにより、外光の写り込みの少ない、防眩性、解像性に優れた偏光板や様々な画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において得られた本発明のノングレアシートの顕微鏡写真。
【図2】実施例2において得られた本発明のノングレアシートの顕微鏡写真。
【図3】実施例3において得られた本発明のノングレアシートの顕微鏡写真。
【図4】比較例1において得られたノングレアシートの顕微鏡写真。
【図5】比較例2において得られたノングレアシートの顕微鏡写真。

Claims (4)

  1. ノングレア層と支持体層からなるノングレアシートにおいて、ノングレア層がシリカ微粒子と紫外線硬化型樹脂組成物100重量部中にジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40〜80重量部含有する紫外線硬化型樹脂組成物と該紫外線硬化型樹脂組成物とはシリカ微粒子の分散性が異なるヒドロキシ(C1−C5)アルキルセルロース系樹脂との混合物の硬化皮膜からなり、かつ、該硬化皮膜層が微細な凸部を多数有する丘陵部と該丘陵部とを分ける溝部からなることを特徴とするノングレアシート。
  2. ヒドロキシ(C1−C5)アルキルセルロース系樹脂がヒドロキシプロピルセルロースである請求項1に記載のノングレアシート。
  3. 支持体層が偏光板または楕円偏光板である請求項1又は2に記載のノングレアシート。
  4. 請求項1ないしのいずれか一項に記載のノングレアシートを有する画像表示装置。
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