JP4132478B2 - 表面保護フィルム、光学部材及び液晶表示装置 - Google Patents

表面保護フィルム、光学部材及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、液晶セルに接着した光学部材より容易に剥離できる表面保護フィルムに関する。
【0002】
【発明の背景】
液晶表示装置の形成に用いられる偏光板やそれと位相差板を積層した楕円偏光板等の光学素材には視認特性や耐擦過性の向上等を目的に防眩層やハードコート層を設けた後、その表面が損傷されたり汚染されたりしないように表面保護フィルムで接着被覆した状態の光学部材として液晶セルに接着する組立工程等に供され、表面保護が不要となった段階で光学部材より表面保護フィルムが剥離除去されている。
【0003】
しかしながら従来の表面保護フィルムにあっては、液晶表示装置の大型化等に伴いその組立後に光学素材表面の防眩層又はハードコート層より剥離する際の接着力が強くて作業効率に乏しく、その剥離のためにセルギャップが変化して表示品位が低下したり、表示装置が破損するなどの問題点があった。
【0004】
【発明の技術的課題】
本発明は、温度や湿度等の環境変化で光学素材表面の防眩層又はハードコート層より剥離しない特性を満足させつつ、剥離時にはその防眩層又はハードコート層より汚染なしに容易に剥離できる表面保護フィルムの開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
本発明は、表面に防眩層又はハードコート層を設けた光学素材の表面を粘着層を介して接着被覆する保護フィルムであり、その粘着層と前記の防眩層又はハードコート層とが同じ添加剤を含有して、かつその添加剤が前記粘着層の接着力を低下させるものであることを特徴とする表面保護フィルム、及びその表面保護フィルムにて光学素材表面の防眩層又はハードコート層を接着被覆してなることを特徴とする光学部材、並びにその光学部材を液晶セルの少なくとも片側に有することを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、上記添加剤の含有で接着力が経時上昇しにくい易剥離性の粘着層を形成でき、温度や湿度等の環境変化で光学素材表面の防眩層又はハードコート層より剥離しない特性を満足させつつ、長期間の接着状態を継続した後においても液晶セルに接着した光学部材より手や機械を介し容易に剥離でき、液晶セルにセルギャップ変化等のダメージを与えずに剥離できる表面保護フィルムを得ることができる。
【0007】
しかも前記添加剤を防眩層又はハードコート層も含有することにより、表面保護フィルム剥離後の光学素材表面における防眩層又はハードコート層に当該添加剤が汚染物質として残存することを防止でき、その汚染による液晶表示装置の表示品位の低下を回避することができる。粘着剤に独自の界面活性剤等を添加して接着力の低下を図る方式では、その界面活性剤等が光学素材表面に移行して表面保護フィルムを剥離した際に光学素材表面を汚染し、液晶表示装置の表示品位を低下させる。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明による表面保護フィルムは、表面に防眩層又はハードコート層を設けた光学素材の表面を粘着層を介して接着被覆する保護フィルムであり、その粘着層と前記の防眩層又はハードコート層とが同じ添加剤を含有して、かつその添加剤が前記粘着層の接着力を低下させるものからなり、光学部材はその表面保護フィルムにてその粘着層を介し光学素材表面の防眩層又はハードコート層を接着被覆したものからなる。その光学部材の例を図1に示した。1が表面保護フィルムで、11が保護基材、12が粘着層であり、2が光学素材で、21が防眩層又はハードコート層である。また22は、粘着層である。
【0009】
表面保護フィルムは、図例の如く保護基材11に粘着層12を設けてその粘着層と共に保護基材を光学素材表面の防眩層又はハードコート層より剥離できるように形成される。保護基材としては、従来に準じた適宜な薄葉体を用いることができ特に限定はない。一般には透視性による光学素材の検査性や管理性などの点より、例えばポリエステル系樹脂やアセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂の如き透明なポリマーからなるフィルムやゴムシート、それらのラミネート体などよりなる保護基材が用いられる。
【0010】
保護基材の厚さは、強度等に応じて適宜に決定でき、一般には500μm以下、就中5〜300μm、特に10〜200μmとされる。保護基材の片面又は両面には、剥離時の帯電防止を目的に帯電防止層を設けることもできる。また保護基材の粘着層を設ける面には、粘着層との密着力の向上等を目的にコロナ処理や紫外線照射処理、プラズマ処理やスパッタエッチング処理、アンダーコート処理等の適宜な表面処理を施すこともできる。
【0011】
表面保護フィルムは、保護基材に粘着層を付設することにより形成でき、その付設は適宜な方式で行うことができる。ちなみにその例としては、例えば適宜な溶媒にベースポリマー等を溶解又は分散させて粘着剤液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で保護基材上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを保護基材上に移着する方式などがあげられる。
【0012】
前記した粘着層の形成には、適宜な粘着性物質や粘着剤を用いることができ、その種類について特に限定はない。ちなみにその例としては、アクリル系重合体やシリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタン、ポリアミドやポリエーテル、フッ素系やゴム系などの適宜なポリマーをベースポリマーとするものなどがあげられる。
【0013】
上記した粘着剤液の調製に際しては、粘着層の接着力を低下させうる添加剤が配合され、これにより上記した本発明の目的が達成される。前記の添加剤としては、それが光学素材の表面層を形成する防眩層又はハードコート層にも添加されるものであることより、その機能を阻害しないものが用いられる。
【0014】
ちなみに前記添加剤の例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩やパーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマーやフルオロオレフィン・ビニルエーテル重合物、パーフルオロアルキルアクリレートの重合物の如きフッ素系化合物、リン酸エステルやその塩、アルキルエーテル硫酸エステルやその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやラウリル酸ナトリウム、ラウリルベタインなどの界面活性作用を有するものなどがあげられる。
【0015】
前記の添加剤は、1種又は2種以上を用いることができ、その配合量は目的とする接着力などに応じて適宜に決定することができる。本発明においては光学素材表面の防眩層又はハードコート層に対する接着力を、常温での180度ピールに基づいて100gf/10mm以下、就中10〜80gf/10mm、特に20〜70gf/10mmに調節した粘着層が好ましく、かかる点よりベースポリマー100重量部あたり前記添加剤を15重量部以下、就中10重量部以下、特に1〜8重量部配合することが好ましい。
【0016】
なお粘着層には必要に応じて、接着力等の制御を目的に例えば粘着性付与樹脂の如き天然物や合成物の樹脂類、酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合することもできる。また粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として保護基材に設けることもできる。粘着層の厚さは、接着力や防眩層又はハードコート層の表面粗さなどに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μm、就中5〜200μm、特に10〜100μmとされる。
【0017】
表面保護フィルムによる接着被覆対象の表面に防眩層又はハードコート層を設けた光学素材は、例えば偏光板や反射型偏光板、半透過型偏光板や偏光分離型偏光板、それらと位相差板を組合せてなる楕円偏光板や反射型楕円偏光板、半透過型楕円偏光板等の液晶表示装置の形成などに用いられる適宜なものであってよく、その種類について特に限定はない。
【0018】
ちなみに前記した偏光板の具体例としては、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルムからなる偏光フィルムなどがあげられる。また偏光板は、偏光フィルムの片面又は両面に透明保護層を有するものなどであってもよい。
【0019】
一方、上記した反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化をはかりやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
【0020】
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した透明保護層の片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記の透明保護層に微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。なお反射層は、その反射面が透明保護層や偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
【0021】
前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の透明保護層は、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。
【0022】
透明保護層の表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。なお半透過型偏光板は、上記において反射層を光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。
【0023】
上記した偏光板における透明保護層の形成には、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性等に優れるポリマーなどが好ましく用いられる。その例としては、ポリエステル系樹脂やアセテート系樹脂、アリレート系樹脂やスルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、あるいはアクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系やシリコーン系等の熱硬化型、ないし紫外線硬化型の樹脂などがあげられる。
【0024】
透明保護層は、ポリマーの塗布方式やフィルムとしたものの積層方式などの適宜な方式で形成してよく、厚さは適宜に決定してよい。一般には500μm以下、就中1〜300μm、特に5〜200μmの厚さとされる。なお表面微細凹凸構造の透明保護層の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等からなる、導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。微粒子の使用量は、透明樹脂100重量部あたり2〜50重量部、就中5〜25重量部が一般的であるがこれに限定されない。
【0025】
また上記した偏光分離型偏光板は、自然光を入射させると所定偏光軸の直線偏光又は所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示す輝度向上板を偏光板に積層したものであり、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、反射光を反射層等を介し反転させて輝度向上板に再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上板を透過する光の増量を図ると共に、偏光板に吸収されにくい偏光を供給して液晶表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。
【0026】
前記した偏光分離型偏光板における輝度向上板としては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶層、就中コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左右一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
【0027】
従って前記した所定偏光軸の直線偏光を透過するタイプの輝度向上板では、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上板では、そのまま偏光板に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりはその透過円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。ちなみにその位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
【0028】
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの光等の単色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って偏光板と輝度向上板の間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
【0029】
なおコレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組合せにて2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
【0030】
光学素材は、上記した楕円偏光板や反射型偏光板や位相差板の積層体の如く、2層又は3層以上の光学層を積層したものからなっていてもよい。従って反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組合せた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。2層又は3層以上の光学層を積層した光学素材は、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成しうるものであるが、予め積層して光学素材としたものは、品質の安定性や組立作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点がある。なお積層には、粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。
【0031】
前記した位相差板の具体例としては、ポリカーボネートやポリビニルアルコール、ポリスチレンやポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレートやポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。
【0032】
位相差板は、例えば1/2や1/4等の各種波長板、液晶層の複屈折による着色の補償や視野角拡大等の視角の補償を目的としたものなどの使用目的に応じた適宜な位相差を有する任意な目的のものであってよく、厚さ方向の屈折率を制御した傾斜配向フィルムであってもよい。また2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したものなどであってもよい。
【0033】
なお前記の傾斜配向フィルムは、例えばポリマーフィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用化にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理する方式や液晶ポリマーを斜め配向させる方式などにより得ることができる。
【0034】
上記のように表面保護フィルムによる接着被覆対象の光学素材は、表面に防眩層又はハードコート層を設けたものであるが、その防眩層は、表面で反射する外光を散乱させて表面反射光がギラツキ等として光学部材透過光の視認を害することの防止などを目的に施されるものである。またハードコート層は、光学素材表面の傷付き防止等の耐擦過性の向上などを目的に施されるものである。
【0035】
防眩層やハードコート層については、前記の機能を示す適宜なものとして形成でき、粘着層と共通する上記添加剤の少なくとも1種を含有する点を除いて特に限定はない。ちなみに防眩層は、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式等の粗面化方式、透明粒子含有の樹脂コート方式などの適宜な方式にて光散乱反射性の微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。従って防眩層は、上記した表面微細凹凸構造の透明保護層に準じて塗工層や防眩シートの接着層などの適宜な形態で光学素材の表面に設けることができる。
【0036】
一方、ハードコート層についても、例えばアクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系の如き熱や紫外線等で硬化する樹脂の如き硬質膜を形成しうる適宜な樹脂の塗工層などとして形成することができる。
【0037】
防眩層、ハードコート層における粘着層と共通の添加剤の含有量については、その機能を阻害しない範囲で適宜に決定することができ、一般には0.05〜10重量%、就中0.1〜5重量%、特に0.2〜3重量%とされる。
【0038】
本発明による光学部材は、図例の如く光学素材2の表面に設けた防眩層又はハードコート層21をその損傷防止等を目的に表面保護フィルム1で接着被覆したものである。表面保護フィルムによる接着被覆は、光学素材の表裏面の一方又は両方のいずれであってもよい。図例の如く光学素材の片面のみに表面保護フィルムを設ける場合、それを設けない面には必要に応じて液晶セル等の他部材と接着するための粘着層22を設けることもできる。
【0039】
前記の粘着層は、従来に準じた適宜な粘着剤にて形成することができる。就中、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層であることが好ましい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などとすることもできる。
【0040】
光学素材に設けた粘着層が表面に露出する場合には、その粘着層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的に図例の如くセパレータ3にて仮着カバーすることが好ましい。セパレータの形成は、上記の保護基材等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤による剥離コートを設ける方式などにより行うことができる。
【0041】
なお上記の光学部材を形成する光学素材や防眩層、ハードコート層や粘着層などにおける各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの適宜な方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
【0042】
本発明による表面保護フィルムは、それを光学素材表面の防眩層又はハードコート層に接着して光学部材としそれを液晶セル等の他部材と接着して、必要に応じその接着状態を安定化させるためにエージング等の加熱処理を施した後に表面保護フィルムを光学部材の防眩層又はハードコート層より剥離分離する必要のある液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。
【0043】
前記の液晶表示装置は、本発明による光学部材を液晶セルの片側又は両側に配置してなる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型等の従来に準じた適宜な構造を有するものとして形成することができる。従って液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであってよい。
【0044】
また液晶セルの両側に光学部材を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0045】
【実施例】
実施例1
アクリル酸イソノニル100部(重量部、以下同じ)及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル4部をアゾビスイソブチロニトリル0.5部を介し酢酸エチル150部中、約60℃で8時間反応させて得たアクリル系ポリマー溶液にその固形分100部あたり3部のフッ素系界面活性剤と3部のイソシアネート系架橋剤を加えて粘着剤シロップとし、それを厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗工して乾燥させ厚さ25μmのアクリル系粘着層を形成し、表面保護フィルムを得た後、それを偏光板の表面に設けた防眩層に接着して光学部材を得た。
【0046】
前記の偏光板は、紫外線硬化型アクリルウレタン系オリゴマー100部、シリカ粒子8部、ベンゾフェノン3部及び前記の粘着層に添加したフッ素系界面活性剤0.5部を酢酸エチルを介し高速攪拌して得た固形分50重量%の混合分散液を厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に塗布乾燥後、高圧水銀ランプで硬化処理して形成した防眩フィルムを、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で5倍に延伸処理して得た偏光フィルムの片面に接着層を介し接着すると共に、偏光フィルムの他面に厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを接着層を介し接着し、その面にセパレータで保護したアクリル系粘着層を付設して得たものである。
【0047】
実施例2
防眩層に代えて、シリカ粒子無配合のハードコート層をトリアセチルセルロースフィルムに設けたハードコートフィルムを用いて実施例1に準じ偏光板を得、それに表面保護フィルムを接着して光学部材を得た。
【0048】
比較例1
フッ素系界面活性剤が無添加の粘着剤シロップを得、それを用いて実施例1に準じ表面保護フィルムと光学部材を得た。
【0049】
比較例2
フッ素系界面活性剤が無添加の粘着剤シロップを得、それを用いて実施例2に準じ表面保護フィルムと光学部材を得た。
【0050】
比較例3
フッ素系界面活性剤に代えて長鎖アルキル系ポリマーを添加した粘着剤シロップを得、それを用いて実施例1に準じ表面保護フィルムと光学部材を得た。
【0051】
比較例4
フッ素系界面活性剤に代えて長鎖アルキル系ポリマーを添加した粘着剤シロップを得、それを用いて実施例2に準じ表面保護フィルムと光学部材を得た。
【0052】
評価試験
接着力
実施例、比較例で得た光学部材を幅10mmにカットして試験片とし、それよりバネ秤を介した手による剥離作業で表面保護フィルムの接着力を調べた。なお接着力は、10人の作業員にて各5回の剥離作業を行い、その各人の平均値とした。
【0053】
剥離作業性
実施例、比較例で得た光学部材を長さ300mm、幅200mmのサイズにカットした試験片をその偏光板に設けた粘着層を介しガラス板に接着し、そのガラス板を下側にして台上に置き、表面保護フィルムの角部に粘着テープを接着してそのテープを介したピックアップ方式で剥離作業を行い、その場合の剥離作業性を調べた。評価は、接着力が強くて剥離に時間を要したり、剥離の際にガラス板自体が持ち上げられたりした場合を不良、ガラス板の持ち上げなくスムーズに剥離できた場合を良好とした。
【0054】
汚染
前記剥離作業性試験による剥離後の防眩面又はハードコート面を目視観察して汚染の有無を調べた。
【0055】
前記の結果を次表に示した。
Figure 0004132478
【0056】
表より実施例ではガラス板に接着した光学素材表面の防眩層又はハードコート層から表面保護フィルムを作業性よく、かつ液晶セルにセルギャップの変化等のダメージを与えることなく剥離できて、剥離後の防眩層又はハードコート層を汚染しないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学部材の断面図
【符号の説明】
1:表面保護フィルム
11:保護基材 12:粘着層
2:光学素材
21:防眩層又はハードコート層 22:粘着層
3:セパレータ

Claims (4)

  1. 表面に防眩層又はハードコート層を設けた光学素材の表面を粘着層を介して接着被覆する保護フィルムであり、その粘着層と前記の防眩層又はハードコート層とが同じ添加剤を含有して、かつその添加剤が前記粘着層の接着力を低下させるものであることを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 請求項1に記載の表面保護フィルムにてその粘着層を介し光学素材表面の防眩層又はハードコート層を接着被覆してなることを特徴とする光学部材。
  3. 請求項2において、光学素材が偏光板、反射型偏光板、半透過型偏光板、偏光分離型偏光板、又はそれらの位相差板を有する積層体である光学部材。
  4. 請求項2又は3に記載の光学部材を液晶セルの少なくとも片側に有することを特徴とする液晶表示装置。
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