JP2001272544A - 偏光板 - Google Patents

偏光板

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JP2001272544A
JP2001272544A JP2000087282A JP2000087282A JP2001272544A JP 2001272544 A JP2001272544 A JP 2001272544A JP 2000087282 A JP2000087282 A JP 2000087282A JP 2000087282 A JP2000087282 A JP 2000087282A JP 2001272544 A JP2001272544 A JP 2001272544A
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JP2000087282A
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Kenji Nakahara
健治 中原
Seiichi Kusumoto
誠一 楠本
Yoichiro Sugino
洋一郎 杉野
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Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より薄型でかつ、高温、高湿度環境下に
おいても表示品質の低下が少ない接着偏光板を提供す
る。 【解決手段】 一軸延伸ポリビニルアルコールフイルム
製25μm厚の偏光子の両側に、保護層として45μm
のトリアセチルセルロースフィルムをポリビニルアルコ
ール接着剤を用いて貼り合せ、この片側に有機溶媒(ト
ルエン)中でイソシアネート系架橋材と混合したアクリ
ル系感圧接着剤をロールコーターにて25μmの厚さ
(乾燥時の厚み)で塗布して接着層の剪断弾性率が6×
109Paの接着偏光板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶を用いた表示
装置(以下、LCD表示装置と略称することがある。)
に用いる偏光板に関するものであり、特に、従来より薄
型でかつ、高温、高湿度環境下においても表示品質の低
下が少ない偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】LCD表示装置等に使用する偏光板は、
例えば、ポリビニルアルコールフィルム(以下、PVA
フィルムと略称することがある。)を、二色性を有する
ヨウ素又は、二色性染料で染色する染色工程、ほう酸
や、ほう砂等で架橋する架橋工程、および一軸延伸する
延伸工程(染色、架橋、延伸の各工程は、別々に行う必
要はなく同時に行ってもよく、また、各工程の順番も特
に規定するものではない。)の後に、乾燥し、トリアセ
チルセルロースフィルム(以下、TACフィルムと略称
することがある。)等の適宜の透明な保護層と貼り合わ
せて製造されている。保護層としては、従来の偏光板に
おいては現実には通常80μm程度の厚みの保護フィル
ムが一般的に使用されている。
【0003】そしてこれらの偏光板をLCD表示装置に
用いる場合には、通常、前記偏光板は、透明な接着剤で
ガラスセルの表裏面にバイアスの角度で互いにクロスニ
コルの方向になるように貼付されて用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなLCD表示装置を高温、高湿度下の環境に放置する
と周辺部が中央部より明るくなったりする偏光解消現象
が発生することが問題点として浮かび上がってきた。そ
してこの現象はLCD表示装置が室温にまで下がっても
解消されないという問題があることが分かった。
【0005】本発明者等の検討によると、周辺部の偏光
解消(偏光度が3%以上低下する)現象は高温、高湿下
での偏光子の収縮、膨張応力による軸角度のずれ、又は
偏光子とガラスセルに挟まれた保護層の複屈折発現によ
るものと推定される。
【0006】この解析を踏まえて、本発明者等は種々検
討した結果、偏光子を保護層の上に設けられた接着層を
介してガラスセルなどに貼り合わせる場合に、接着層の
剪断弾性率が1×108〜1×1011Paの接着剤層を
形成し、且つ、少なくとも前記接着層が存在する側の保
護層の厚みを30〜60μmとする事により、偏光子の
剪断応力による歪みを少なくし、かつ保護層のリターデ
ーション値の増加も少なくできることを知見し、その結
果、周辺部の偏光解消現象を防止し、且つ、同時に偏光
板も薄くする事が出来、近年要求されているLCD表示
装置の薄型化にも寄与し得る接着偏光板が提供できる事
を見い出し、本発明に到達したものである。
【0007】即ち、本発明は、従来より薄型でかつ、高
温、高湿度環境下においても画像表示品質の低下が少な
い接着偏光板を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記、課題を解決するた
め、本発明の接着偏光板は、次のものからなる。
【0009】(1)偏光子の両面に保護層が形成されて
なる偏光板の少なくとも片面に接着層が形成された接着
偏光板であって、前記接着層の剪断弾性率が、1×10
8〜1×1011Paであり、且つ、少なくとも前記接着
層が存在する側の保護層の厚みが30〜60μmである
ことを特徴とする接着偏光板。
【0010】(2)前記接着偏光板においては、少なく
とも接着層が存在する側の保護層の厚みの上限が45μ
m以下であることが好ましい。
【0011】(3)前記(1)または(2)の接着偏光
板においては、保護層がトリアセチルセルロースフィル
ムからなることが好ましい。
【0012】(4)前記(1)〜(3)のいずれかの接
着偏光板においては、前記偏光板の接着層面をガラスセ
ルの表裏面にバイアスの角度で互いにクロスニコルの方
向になるように貼付し、これを(a)80℃・湿度60
%の条件下で24時間放置した場合、(b)60℃・湿
度90%の条件下で24時間放置した場合の、前記
(a)条件並びに(b)条件下でのいずれにおける場合
においても、偏光度が3%以上低下する領域が全体の面
積の25%以下である接着偏光板である事が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】偏光子(偏光フイルム)として
は、例えばポリビニルアルコールや部分ホルマール化ポ
リビニルアルコールなどの従来に準じた適宜なビニルア
ルコール系ポリマーよりなるフィルムにヨウ素や二色性
染料等よりなる二色性物質による染色処理や延伸処理や
架橋処理等の適宜な処理を適宜な順序や方式で施してな
り、自然光を入射させると直線偏光を透過する適宜なも
のを用いうる。就中、光透過率や偏光度に優れるものが
好ましい。また、偏光子(偏光フィルム)の厚みについ
ては、特に限定するものではないが、15〜30μm程
度の厚みの偏光フィルムを用いることが好ましい。
【0014】偏光子(偏光フィルム)の両面に設ける保
護層となる透明保護フィルム素材としては、適宜な透明
フィルムを用いうる。その保護層の素材としては、例え
ば、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹
脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ノルボルネン系ポリマー、アクリル系樹
脂などの光学的に透明な樹脂が一般的に用いられるが、
これに限定されるものではない。就中、トリアセチルセ
ルロースの如きアセテート系樹脂は、複屈折が生じにく
い、偏光子の両面に保護層形成しても、比較的透湿性に
優れているので、偏光子から若干出てくる水分が抜け易
い、他の素材に比べてPVAとの接着性が良好である、
特にアルカリなどで表面をケン化処理すると、他の素材
に比べてPVA系接着剤で接着し易いなどの理由から好
ましく用いられる。なお偏光子の両側に設けられる保護
層は、偏光子の表裏面で異なるポリマー等からなる透明
保護層を用いてもよい。偏光子と保護層とは、通常、適
宜の接着層、例えば、ビニルアルコール系ポリマー等か
らなる接着層を介して接着されている。
【0015】保護層の厚みとしては、偏光子と反対側の
保護層面にガラスセルやその他の光学層と貼り合わされ
るための接着層が形成されている場合には、少なくとも
当該接着層の存在する側の保護層の厚みは、30〜60
μmである事が必要であり、より好ましくは、厚みの上
限は45μm以下である。保護層の厚みをこのように薄
いものを用いる事により、偏光子の剪断応力による歪み
を緩和し易くし、かつ保護層のリターデーション値(△
n×d)[但し、△nは保護層の横方向と縦方向の屈折
率の差の絶対値を表し、dは保護層の厚みを表す。]の
増加も少なくできる。また、保護層の厚みがあまり薄く
なると、製造がむずかしくなり、また、取り扱い性が難
しくなるので、通常、30μmよりは薄くすべきではな
い。
【0016】偏光子の両面に保護層が形成されてなる偏
光板の少なくとも片面に接着層が形成された本発明の接
着偏光板においては、更に前記接着層の剪断弾性率が1
×108〜1×1011Paであることが必要である。前
記接着層の剪断弾性率を上記の範囲とする事により、高
温ないしは高湿下での偏光子の収縮などが生じる事によ
り、偏光子と隣接する保護層にも剪断応力がかかって、
歪みが生じ易くなるが、この歪みの発生を剪断弾性率が
1×108〜1×1011Paである接着層を介してガラ
スセルなどに接着する事により、接着層の大きな剪断弾
性率によって、保護層の歪みを少なくすることができ
る。即ち、本発明においては、保護層の厚みを薄くし、
且つ、接着層の剪断弾性率を大きくする事により、保護
層の歪みの発生を抑制し、さらには、偏光子の剪断応力
による歪みを少なくする事により、高温、高湿度環境下
においても表示品質の低下が少ない偏光板が提供され
る。尚、本発明において「接着偏光板」とは、前述した
ように保護層の表裏面のうち、偏光子と反対側の面に接
着層が設けられているので、これを接着偏光板と称した
ものである。
【0017】剪断弾性率が1×108〜1×1011Pa
である接着層を形成し得る接着剤としては、例えば、ア
クリル系、シリコン系、ゴム系の感圧接着剤、エチレン
−酢酸ビニル共重合体ホットメルト接着剤、酢酸ビニル
系ホットメルト接着剤、エポキシ、ポリウレタン、ポリ
エステル系の硬化型接着剤などが挙げられ、就中、アク
リル系感圧接着剤が好適である。
【0018】この接着層の厚みは特に制限するものでは
ないが、10〜30μmの範囲が、良好な接着性を保
ち、且つ、保護層の歪みの発生を押さえる上でも好適な
厚みである。
【0019】用いる接着層の剪断弾性率の測定方法とし
ては、次の方法が採用される。
【0020】すなわち、日本規格協会 JISハンドブ
ック 20 接着 1999 より測定法はJIS K
6850の接着剤の引張せん断接着強さ試験方法に従
い、引っ張り速度1mm/minで引っ張り、引張応力
−歪み曲線を求める。JISK6850には、弾性率の
計算方法が示されていないので、JIS K7127の
プラスチックフィルム及びシートの引張試験方法の8項
の(3)項に示された計算方法により導き出された値を
接着層の剪断弾性率とした。
【0021】かくして、本発明の偏光板は、前記偏光板
の接着層面をガラスセルの表裏面にバイアスの角度で互
いにクロスニコルの方向になるように貼付し、これを
(a)80℃・湿度60%の条件下で24時間放置した
場合、(b)60℃・湿度90%の条件下で24時間放
置した場合の、前記(a)条件並びに(b)条件下での
いずれにおける場合においても、偏光度が3%以上低下
する領域が全体の面積の25%以下である偏光板とする
事ができる。
【0022】(a)の条件である80℃・湿度60%の
条件下で24時間放置した場合の偏光板の偏光度が3%
以上低下する領域が全体の面積の25%以下である事に
より、高温環境下での画像の表示品質の保持を図り、
(b)の条件である60℃・湿度90%の条件下で24
時間放置した場合の偏光板の偏光度が3%以上低下する
領域が全体の面積の25%以下である事により、高湿環
境下での画像の表示品質の保持を図っている。
【0023】尚、本発明で用いる透明保護層は、本発明
の目的を阻害しない限り、ハードコート処理や反射防止
処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア
等を目的とした処理などを施したものであってもよい。
ハードコート処理は、偏光板表面の傷付き防止などを目
的に施されるものであり、例えばシリコーン系やウレタ
ン系、アクリル系やエポキシ系などの適宜な紫外線硬化
型樹脂による硬度や滑り性等に優れる硬化皮膜を透明保
護層用のフィルムの表面に付加する方式などにて形成す
ることができる。
【0024】一方、反射防止処理は偏光板表面での外光
の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた
反射防止膜などとして形成することができる。またステ
ィッキング防止は隣接層との密着防止を目的に、アンチ
グレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過
光の視認を阻害することの防止などを目的に施されるも
のであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方
式等による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適
宜な方式にて透明保護層用のフィルムの表面に微細凹凸
構造を付与することにより形成することができる。
【0025】前記の透明微粒子には、例えば平均粒径が
0.5〜20μmのシリカやアルミナ、チタニアやジル
コニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸
化アンチモン等からなる、導電性のこともある無機系微
粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒
子などを用いうる。透明微粒子の使用量は、透明樹脂1
00重量部あたり2〜70重量部、就中5〜50重量部
が一般的である。
【0026】透明微粒子配合のアンチグレア層は、透明
保護層用のフィルムそのものとして、あるいは透明保護
層用のフィルム表面への塗工層などとして設けることが
できる。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視
角を拡大するための拡散層を兼ねるものであってもよ
い。なお上記した反射防止層やスティッキング防止層、
拡散層やアンチグレア層等は、それらの層を設けたシー
トなどからなる光学層として透明保護層とは別体のもの
として設けてもよい。
【0027】また、本発明による偏光板は、その実用に
際して他の光学層と積層してなる光学部材として用いる
ことができる。その光学層については特に限定はなく、
例えば反射層や半透過反射層、輝度向上板や視野角拡大
フィルム、位相差板などの、液晶表示装置等の形成に用
いられことのある偏光板以外の適宜な光学層の1層又は
2層以上を用いることができる。
【0028】前記の反射層は、それを偏光板に設けて反
射型偏光板を形成するためのものであり反射型偏光板
は、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示す
るタイプの液晶表示装置などを形成でき、バックライト
等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化をは
かりやすいなどの利点を有する。
【0029】反射型偏光板の形成は、必要に応じ上記し
た透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる
反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことが
できる。ちなみにその具体例としては、必要に応じマッ
ト処理した透明保護層の片面に、アルミニウム等の反射
性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成した
ものなどがあげられる。
【0030】また微粒子を含有させて表面微細凹凸構造
とした上記の透明保護層の上にその微細凹凸構造を反映
させた反射層を有する反射型偏光板などもあげられる。
表面微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡
散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗の
ムラを抑制しうる利点などを有する。透明保護層の表面
微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成
は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、
スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適
宜な方式で金属を透明保護フィルムの表面に直接付設す
る方法などにより行うことができる。
【0031】また反射層は、上記した偏光板の透明保護
層に直接付設する方式に代えて、その透明保護層に準じ
た適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなど
として用いることもできる。反射層は、その反射面がフ
ィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化
による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持
続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好まし
い。なお半透過型偏光板は、上記において反射層を光を
反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射
層とすることにより得ることができる。
【0032】また本発明の偏光板には、更に必要に応じ
て輝度向上板を積層して用いる事もできる。輝度向上板
は、自然光を入射させると所定波長範囲の所定偏光軸の
直線偏光又は所定波長範囲の所定回り方向の円偏光を反
射し、他の光は透過する特性を示すもので、それを偏光
板と積層した偏光分離型偏光板は、バックライト等の光
源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると
共に、輝度向上板を通過せずに輝度向上板で反射された
反射光をその下に設けられている反射層等を介し反転さ
せて輝度向上板に再入射させ、その一部又は全部を所定
偏光状態の光として透過させて輝度向上板を透過する光
の増量を図ると共に、偏光板に吸収されにくい偏光を供
給して液晶表示等に利用しうる光量の増大を図ることに
より輝度を向上させうるものである。
【0033】前記の輝度向上板としては、例えば誘電体
の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多
層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の
光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶層、
就中コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその
配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左
右一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示す
ものなどの適宜なものを用いうる。
【0034】従って前記した所定偏光軸の直線偏光を透
過するタイプの輝度向上板では、その透過光をそのまま
偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより偏光板に
よる吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることがで
きる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過
するタイフの輝度向上板では、そのまま偏光板に入射さ
せることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりはその
透過円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入
射させることが好ましい。ちなみにその位相差板として
1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に
変換することができる。
【0035】可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの光
等の単色光に対して1/4波長板として機能する位相差
層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長
板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより
得ることができる。従って偏光板と輝度向上板の間に配
置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からな
るものであってよい。
【0036】なおコレステリック液晶層についても、反
射波長が相違するものの組合せにて2層又は3層以上重
畳した配置構造とすることにより、可視光域等の広い波
長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それ
に基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができ
る。
【0037】他方、上記した位相差板としては、例えば
1/2や1/4等の各種波長板、液晶層の複屈折による
着色の補償や視野角拡大等の視角の補償を目的としたも
のなどの使用目的に応じた適宜な位相差を有する任意な
目的のものであってよく、厚さ方向の屈折率を制御した
傾斜配向フィルムであってもよい。また2種以上の位相
差板を積層して位相差等の光学特性を制御したものなど
であってもよい。従って偏光板と位相差板を積層したも
のは、楕円偏光板以外のものであってもよい。
【0038】ちなみに前記位相差板の具体例としては、
ポリカーボネートやポリビニルアルコール、ポリスチレ
ンやポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその
他のポリオレフィン、ポリアリレートやポリアミドの如
き適宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる
複屈折性フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶
ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあ
げられる。また傾斜配向フィルムとしては、例えばポリ
マーフィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱による
その収縮力の作用化にポリマーフイルムを延伸処理又は
/及び収縮処理したものや液晶ポリマーを平面に対して
斜めに配向させたものなどがあげられる。
【0039】本発明の偏光板や光学部材に設けた接着層
が表面に露出する場合には、その接着層を実用に供する
までの間、汚染防止等を目的にセパレータにて仮着カバ
ーすることが好ましい。セパレータは、上記の透明保護
層用のフィルム等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じ
シリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブ
デン等の適宜な剥離剤による剥離コートを設ける方式な
どにより形成することができる。
【0040】本発明による偏光板やそれを応用した光学
部材は、液晶表示装置等の各種装置の形成などに好まし
く用いることができる。液晶表示装置は、本発明による
偏光板や光学部材を液晶セルの片側又は両側に配置して
なる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型等の従
来に準じた適宜な構造を有するものとして形成すること
ができる。従って液晶表示装置を形成する液晶セルは任
意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアク
ティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型
やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マト
リクス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用
いたものであってよい。
【0041】また液晶セルの両側に偏光板や光学部材を
設ける場合、それらは本発明の必須要件の範囲を逸脱し
ない限り、同じものであってもよいし、異なるものであ
ってもよい。さらに液晶表示装置の形成に際しては、例
えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡
散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1
層又は2層以上配置することができる。
【0042】
【実施例】(実施例1)一軸延伸ポリビニルアルコール
フイルム製25μm厚の偏光子の両側に、保護層として
45μmのトリアセチルセルロースフィルムをポリビニ
ルアルコール接着剤を用いて貼り合せ、この片側に有機
溶媒(トルエン)中でイソシアネート系架橋材と混合し
たアクリル系感圧接着剤をロールコーターにて25μm
の厚さ(乾燥後の厚み、以下同様)で塗布して接着層の
剪断弾性率が6×109Paの接着偏光板を得た。総厚
は140μmであり、セルと偏光子間の距離は70μm
である。
【0043】この偏光板を画面の大きさとして13.3
インチサイズの大きさの長方形に偏光軸が長辺に対して
45°となるようにバイアスカットし、LCDガラスセ
ルの表裏両面にクロスニコルの状態になるように貼り付
け、50℃、0.5MPa、15分の条件でオートクレ
ーブにかけた。(気泡を抜いたり、各層の密着性を向上
させるため。) このLCDセルを80℃・湿度60%の条件で24時間
放置した後、5000cd/cm2のライトテーブル上
に載せてISO 100のカラー写真フィルムを用いて
写真撮影を行った。撮影条件は絞り5.6、シャッター
速度10秒であった。その写真を現像し、白く偏光解消
された部分(偏光板の周辺部近傍が白く偏光解消され
る)の面積を積算したところ全体の面積の21.5%で
あった。そしてその後、この白く偏光解消された部分の
偏光度を測定すると試験前と比べて3%以上低下してい
る部分が白く写真撮影されていたことが分かった。
【0044】(実施例2)実施例1と同じLCDセルを
60℃・湿度90%の条件で24時間放置した後、実施
例1と同じ手法で写真撮影を行い、白く偏光解消された
部分の面積を積算したところ全体の面積の21.9%で
あった。 (比較例1)上記実施例1で用いたと同様の一軸延伸ポ
リビニルアルコールフイルム製の偏光子の両側に保護層
として80μmのトリアセチルセルロースフィルムをポ
リビニルアルコール接着剤を用いて貼り合せ、この片側
に有機溶媒(トルエン)で溶解したゴム系感圧接着剤を
ロールコーターで25μmの厚さに塗布して接着層の剪
断弾性率が8×107Paの接着偏光板を得た。総厚は
210μmであり、セルと偏光子間の距離は105μm
である。
【0045】これを上記実施例1、2と同様の大きさ、
角度にカットしLCDセルに貼付し、同条件でオートク
レーブにかけた。
【0046】このLCDセルを80℃・湿度60%の条
件で24時間放置した後、上記と同じ手法で写真撮影を
行い、白く偏光解消された部分の面積を積算したところ
全体の面積の30.4%であった。 (比較例2)比較例1と同じLCDセルを60℃・湿度
90%の条件で24時間放置した後、上記と同じ手法で
写真撮影を行い、白く偏光解消された部分の面積を積算
したところ全体の面積の38.4%であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の接着偏光板は、保護層上の接着
層の剪断弾性率が、1×105〜1×108Paであり、
且つ、少なくとも前記接着層が存在する側の保護層の厚
みが30〜60μmとする事により、液晶表示装置に有
用な、従来より薄型でかつ、高温、高湿度環境下におい
ても画像の表示品質の低下が少ない接着偏光板を提供で
きる。
【0048】そして、少なくとも接着層が存在する側の
保護層の厚みの上限が45μm以下である本発明の好ま
しい態様とする事により、より薄型でかつ、より確実
に、高温、高湿度環境下において画像の表示品質の低下
が少ない接着偏光板が提供でき好ましい。
【0049】また、保護層がトリアセチルセルロースフ
ィルムからなる本発明の好ましい態様とする事により、
トリアセチルセルロースフィルムは、応力などがかかっ
ても他の素材に比べて複屈折が比較的生じにくい、偏光
子の両面に保護層形成しても、比較的透湿性に優れてい
るので、偏光子から若干出てくる水分が抜け易い、他の
素材に比べてPVAとの接着性が良好である、特にアル
カリなどで表面をケン化処理すると、他の素材に比べて
PVA系接着剤で接着し易い等の利点があり、より良好
な品質の接着偏光板が提供でき好ましい更に、本発明の
接着偏光板においては、前記偏光板の接着層面をガラス
セルの表裏面にバイアスの角度で互いにクロスニコルの
方向になるように貼付し、これを(a)80℃・湿度6
0%の条件下で24時間放置した場合、(b)60℃・
湿度90%の条件下で24時間放置した場合の、前記
(a)条件並びに(b)条件下でのいずれにおける場合
においても、偏光度が3%以上低下する領域が全体の面
積の25%以下である接着偏光板である本発明の好まし
い態様とする事により、より確実に、高温、高湿度環境
下において画像の表示品質の低下が少ない接着偏光板が
提供でき好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 洋一郎 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA25 BA26 BB33 BB43 BB52 BC14 BC22 2H091 FA07Z FA08X FA08Z FD14 LA02 LA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光子の両面に保護層が形成されてなる
    偏光板の少なくとも片面に接着層が形成された接着偏光
    板であって、前記接着層の剪断弾性率が、1×108
    1×1011Paであり、且つ、少なくとも前記接着層が
    存在する側の保護層の厚みが30〜60μmであること
    を特徴とする接着偏光板。
  2. 【請求項2】 少なくとも接着層が存在する側の保護層
    の厚みの上限が45μm以下である請求項1に記載の接
    着偏光板。
  3. 【請求項3】 保護層がトリアセチルセルロースフィル
    ムからなる請求項1または2のいずれかに記載の接着偏
    光板。
  4. 【請求項4】 前記偏光板の接着層面をガラスセルの表
    裏面にバイアスの角度で互いにクロスニコルの方向にな
    るように貼付し、これを(a)80℃・湿度60%の条
    件下で24時間放置した場合、(b)60℃・湿度90
    %の条件下で24時間放置した場合の、前記(a)条件
    並びに(b)条件下でのいずれにおける場合において
    も、偏光度が3%以上低下する領域が全体の面積の25
    %以下である前記請求項1〜3のいずれかに記載の接着
    偏光板。
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