JP2001108982A - 表面保護フィルム、光学部材及び液晶表示装置 - Google Patents

表面保護フィルム、光学部材及び液晶表示装置

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JP2001108982A
JP2001108982A JP28279699A JP28279699A JP2001108982A JP 2001108982 A JP2001108982 A JP 2001108982A JP 28279699 A JP28279699 A JP 28279699A JP 28279699 A JP28279699 A JP 28279699A JP 2001108982 A JP2001108982 A JP 2001108982A
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Yuji Saiki
雄二 済木
Masayuki Satake
正之 佐竹
Yasushi Takahashi
寧 高橋
Takamori Shoda
位守 正田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度や湿度等の環境変化で光学部材より剥離
しない特性を満足させつつ、剥離時には光学部材より容
易に剥離できる表面保護フィルムの開発。 【解決手段】 光学素材(2)の表面を粘着層(12)
を介して接着被覆する保護フィルム(1)であり、その
粘着層がシリコーン系化合物を含有する表面保護フィル
ム、そのフィルムにて光学素材の表面を接着被覆してな
る光学部材及びその光学部材を液晶セルの少なくとも片
側に有する液晶表示装置。 【効果】 接着力が経時上昇しにくい易剥離性の粘着層
を形成でき、液晶セルにダメージを与えずに剥離でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、液晶セルに接着した光学
部材より容易に剥離できる表面保護フィルムに関する。
【0002】
【発明の背景】液晶表示装置の形成に用いられる偏光板
やそれと位相差板を積層した楕円偏光板等の光学素材
は、その表面が損傷されたり汚染されたりしないように
表面保護フィルムで接着被覆した状態の光学部材として
液晶セルに接着する組立工程等に供された後、表面保護
が不要となった段階で光学部材より表面保護フィルムが
剥離除去されている。
【0003】しかしながら従来の表面保護フィルムにあ
っては、液晶表示装置の大型化等に伴いその組立後に光
学部材より剥離する際の接着力が強くて作業効率に乏し
く、その剥離のためにセルギャップが変化して表示品位
が低下したり、装置が破損するなどの問題点があった。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、温度や湿度等の環境変
化で光学部材より剥離しない特性を満足させつつ、剥離
時には光学部材より容易に剥離できる表面保護フィルム
の開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、光学素材の表面を粘着層
を介して接着被覆する保護フィルムであり、その粘着層
がシリコーン系化合物を含有することを特徴とする表面
保護フィルム、及びその表面保護フィルムにて光学素材
の表面を接着被覆してなることを特徴とする光学部材、
並びにその光学部材を液晶セルの少なくとも片側に有す
ることを特徴とする液晶表示装置を提供するものであ
る。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、シリコーン系化合物の
含有で接着力が経時上昇しにくい易剥離性の粘着層を形
成でき、温度や湿度等の環境変化で光学部材より剥離し
ない特性を満足させつつ長期間の接着状態を継続した後
においても液晶セルに接着した光学部材より手や機械を
介し容易に剥離でき、液晶セルにセルギャップ変化等の
ダメージを与えずに剥離できる表面保護フィルムを得る
ことができる。
【0007】
【発明の実施形態】本発明による表面保護フィルムは、
光学素材の表面を粘着層を介して接着被覆する保護フィ
ルムであり、その粘着層がシリコーン系化合物を含有す
るものからなり、光学部材はその表面保護フィルムにて
その粘着層を介し光学素材の表面を接着被覆したものか
らなる。その光学部材の例を図1に示した。1が表面保
護フィルムで、11が保護基材、12が粘着層であり、
2が光学素材で、21は粘着層である。
【0008】表面保護フィルムは、図例の如く保護基材
11にシリコーン系化合物含有の粘着層12を設けてそ
の粘着層と共に保護基材を光学素材より剥離できるよう
に形成される。その保護基材としては、従来に準じた適
宜な薄葉体を用いることができ、特に限定はない。
【0009】一般には透視性による光学素材の検査性や
管理性などの点より例えば、ポリエステル系樹脂やアセ
テート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂やポリカー
ボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂やポリイミド系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂の如き透明
なポリマーからなるフィルムやゴムシート、それらのラ
ミネート体などよりなる保護基材が用いられる。
【0010】保護基材の厚さは、強度等に応じて適宜に
決定でき、一般には500μm以下、就中5〜300μ
m、特に10〜200μmとされる。保護基材の片面又は
両面には、剥離時の帯電防止を目的に帯電防止層を設け
ることもできる。また保護基材の粘着層を設ける面に
は、粘着層との密着力の向上等を目的にコロナ処理等の
適宜な表面処理を施すこともできる。
【0011】表面保護フィルムは、保護基材に粘着層を
付設することにより形成でき、その付設は適宜な方式で
行うことができる。ちなみにその例としては、例えば適
宜な溶媒にベースポリマー等を溶解又は分散させて粘着
剤液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展
開方式で保護基材上に直接付設する方式、あるいは前記
に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを保護基材
上に移着する方式などがあげられる。
【0012】前記した粘着層の形成には、適宜な粘着性
物質や粘着剤を用いることができ、その種類について特
に限定はない。ちなみにその例としては、アクリル系重
合体やシリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレ
タン、ポリアミドやポリエーテル、フッ素系やゴム系な
どの適宜なポリマーをベースポリマーとするものなどが
あげられる。
【0013】上記した粘着剤液の調製に際しては、シリ
コーン系化合物が配合され、これによりシリコーン系化
合物含有の粘着層を形成して本発明の目的が達成され
る。そのシリコーン系化合物としては、適宜なものを1
種又は2種以上用いうるが就中、官能基を有しない化学
的に安定なシリコーンオイルが好ましく用いうる。
【0014】シリコーン系化合物の配合量は、目的とす
る接着力などに応じて適宜に決定することができる。本
発明においては光学素材に対する接着力を、常温での1
80度ピールに基づいて120gf/10mm以下、就中10
〜100gf/10mm、特に20〜90gf/10mmに調節した
粘着層が好ましく、かかる点よりベースポリマー100
重量部あたりシリコーン系化合物を15重量部以下、就
中1〜10重量部、特に2〜8重量部配合することが好
ましい。
【0015】なお粘着層には必要に応じて、接着力等の
制御を目的に例えば粘着性付与樹脂の如き天然物や合成
物の樹脂類、酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合する
こともできる。また粘着層は、異なる組成又は種類等の
ものの重畳層として保護基材に設けることもできる。粘
着層の厚さは、接着力や光学素材の表面粗さなどに応じ
て適宜に決定でき、一般には1〜500μm、就中5〜
200μm、特に10〜100μmとされる。
【0016】表面保護フィルムによる接着被覆対象の光
学素材は、例えば偏光板や反射型偏光板、半透過型偏光
板や偏光分離型偏光板、それらと位相差板を組合せてな
る楕円偏光板や反射型楕円偏光板、半透過型楕円偏光板
等の液晶表示装置の形成などに用いられる適宜なもので
あってよく、その種類について特に限定はない。
【0017】ちなみに前記した偏光板の具体例として
は、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール
化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子
フィルムにヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させて延
伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ
塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルム
からなる偏光フィルムなどがあげられる。また偏光板
は、偏光フィルムの片面又は両面に透明保護層を有する
ものなどであってもよい。
【0018】一方、上記した反射型偏光板は、偏光板に
反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光
を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成
するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を
省略できて液晶表示装置の薄型化をはかりやすいなどの
利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明
保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層
を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができ
る。
【0019】反射型偏光板の具体例としては、必要に応
じマット処理した透明保護層の片面に、アルミニウム等
の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形
成したものなどがあげられる。また前記の透明保護層に
微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微
細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。な
お反射層は、その反射面が透明保護層や偏光板等で被覆
された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防
止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別
途付設の回避の点などより好ましい。
【0020】前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光
を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄え
を防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。
また微粒子含有の透明保護層は、入射光及びその反射光
がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制し
うる利点なども有している。
【0021】透明保護層の表面微細凹凸構造を反映させ
た微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方
式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等
の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明
保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことが
できる。なお半透過型偏光板は、上記において反射層を
光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の
反射層とすることにより得ることができる。
【0022】上記した偏光板における透明保護層の形成
には、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性等に
優れるポリマーなどが好ましく用いられる。その例とし
ては、ポリエステル系樹脂やアセテート系樹脂、ポリエ
ーテルサルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリ
アミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂やアクリル系樹脂、あるいはアクリル系やウレタン
系、アクリルウレタン系やエポキシ系やシリコーン系等
の熱硬化型、ないし紫外線硬化型の樹脂などがあげられ
る。
【0023】透明保護層は、ポリマーの塗布方式やフィ
ルムとしたものの積層方式などの適宜な方式で形成して
よく、厚さは適宜に決定してよい。一般には500μm
以下、就中1〜300μm、特に5〜200μmの厚さと
される。なお表面微細凹凸構造の透明保護層の形成に含
有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜5
0μmのシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸
化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモ
ン等からなる、導電性のこともある無機系微粒子、架橋
又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透
明微粒子が用いられる。微粒子の使用量は、透明樹脂1
00重量部あたり2〜50重量部、就中5〜25重量部
が一般的であるがこれに限定されない。
【0024】また上記した偏光分離型偏光板は、自然光
を入射させると所定偏光軸の直線偏光又は所定方向の円
偏光を反射し、他の光は透過する特性を示す輝度向上板
を偏光板に積層したものであり、バックライト等の光源
からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共
に、反射光を反射層等を介し反転させて輝度向上板に再
入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として
透過させて輝度向上板を透過する光の増量を図ると共
に、偏光板に吸収されにくい偏光を供給して液晶表示等
に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上さ
せうるものである。
【0025】前記した偏光分離型偏光板における輝度向
上板としては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性
が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光
軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すも
の、コレステリック液晶層、就中コレステリック液晶ポ
リマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材
上に支持したものの如き、左右一方の円偏光を反射して
他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用
いうる。
【0026】従って前記した所定偏光軸の直線偏光を透
過するタイプの輝度向上板では、その透過光をそのまま
偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより偏光板に
よる吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることがで
きる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過
するタイプの輝度向上板では、そのまま偏光板に入射さ
せることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりはその
透過円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入
射させることが好ましい。ちなみにその位相差板として
1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に
変換することができる。
【0027】可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの光等
の単色光に対して1/4波長板として機能する位相差層
と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板
として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得
ることができる。従って偏光板と輝度向上板の間に配置
する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなる
ものであってよい。
【0028】なおコレステリック液晶層についても、反
射波長が相違するものの組合せにて2層又は3層以上重
畳した配置構造とすることにより、可視光域等の広い波
長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それ
に基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができ
る。
【0029】光学素材は、上記した楕円偏光板や反射型
偏光板や位相差板の積層体の如く、2層又は3層以上の
光学層を積層したものからなっていてもよい。従って反
射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組合せた反射
型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよ
い。
【0030】2層又は3層以上の光学層を積層した光学
素材は、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層す
る方式にても形成しうるものであるが、予め積層して光
学素材としたものは、品質の安定性や組立作業性等に優
れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点が
ある。なお積層には、粘着層等の適宜な接着手段を用い
うる。
【0031】前記した位相差板の具体例としては、ポリ
カーボネートやポリビニルアルコール、ポリスチレンや
ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他の
ポリオレフィン、ポリアリレートやポリアミドの如き適
宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈
折性フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリ
マーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげら
れる。
【0032】位相差板は、例えば1/2や1/4等の各
種波長板、液晶層の複屈折による着色の補償や視野角拡
大等の視角の補償を目的としたものなどの使用目的に応
じた適宜な位相差を有する任意な目的のものであってよ
く、厚さ方向の屈折率を制御した傾斜配向フィルムであ
ってもよい。また2種以上の位相差板を積層して位相差
等の光学特性を制御したものなどであってもよい。
【0033】なお前記の傾斜配向フィルムは、例えばポ
リマーフィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によ
るその収縮力の作用化にポリマーフィルムを延伸処理又
は/及び収縮処理する方式や液晶ポリマーを斜め配向さ
せる方式などにより得ることができる。
【0034】本発明による光学部材は、損傷防止等を目
的に光学素材の表裏面の一方又は両方を表面保護フィル
ムで接着被覆したものである。図例の如く光学素材2の
片面のみに表面保護フィルム1を設ける場合、それを設
けない面には必要に応じて液晶セル等の他部材と接着す
るための粘着層21を設けることもできる。
【0035】前記の粘着層は、従来に準じた適宜な粘着
剤にて形成することができる。就中、吸湿による発泡現
象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低
下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優
れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低く
て耐熱性に優れる粘着層であることが好ましい。また微
粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などとすることも
できる。
【0036】光学素材に設けた粘着層が表面に露出する
場合には、その粘着層を実用に供するまでの間、汚染防
止等を目的に図例の如くセパレータ3にて仮着カバーす
ることが好ましい。セパレータの形成は、上記の保護基
材等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系
や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜
な剥離剤による剥離コートを設ける方式などにより行う
ことができる。
【0037】なお上記の光学部材を形成する光学素材や
粘着層などにおける各層は、例えばサリチル酸エステル
系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾ
ール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル
錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの適
宜な方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであっ
てもよい。
【0038】本発明による表面保護フィルムは、それを
光学素材の表面に接着して光学部材としそれを液晶セル
等の他部材と接着して、必要に応じその接着状態を安定
化させるためにエージング等の加熱処理を施した後に表
面保護フィルムを光学部材より剥離分離する必要のある
液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いる
ことができる。
【0039】前記の液晶表示装置は、本発明による光学
部材を液晶セルの片側又は両側に配置してなる透過型や
反射型、あるいは透過・反射両用型等の従来に準じた適
宜な構造を有するものとして形成することができる。従
って液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例
えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリ
クス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツ
イストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型
のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであ
ってよい。
【0040】また液晶セルの両側に光学部材を設ける場
合、それらは同じものであってもよいし、異なるもので
あってもよい。さらに液晶表示装置の形成に際しては、
例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光
拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に
1層又は2層以上配置することができる。
【0041】
【実施例】実施例1 アクリル酸イソノニル100部(重量部、以下同じ)及
びアクリル酸2−ヒドロキシエチル4部をアゾビスイソ
ブチロニトリル0.5部を介し酢酸エチル150部中、
約60℃で8時間反応させて得たアクリル系ポリマー溶
液にその固形分100部あたり3部のシリコーンオイル
と3部のイソシアネート系架橋剤を加えて粘着剤シロッ
プとし、それを厚さ38μmのポリエステルフィルム上
に塗工して乾燥させ厚さ25μmのアクリル系粘着層を
形成し、表面保護フィルムを得た後、それを偏光板(H
EG1425DU、日東電工社製)の片面に接着して光
学部材を得た。なお用いた偏光板は、他面にセパレータ
で保護した粘着層を有するものである。
【0042】実施例2 アクリル酸イソノニルに代えて、アクリル酸2−エチル
ヘキシルを用いたほかは実施例1に準じ、アクリル系ポ
リマー溶液と粘着剤シロップを得、それを用いて表面保
護フィルムと光学部材を得た。
【0043】比較例1 シリコーンオイルが無添加の粘着剤シロップを得、それ
を用いて実施例1に準じ表面保護フィルムと光学部材を
得た。
【0044】比較例2 シリコーンオイルが無添加の粘着剤シロップを得、それ
を用いて実施例2に準じ表面保護フィルムと光学部材を
得た。
【0045】評価試験 接着力 実施例、比較例で得た光学部材を幅10mmにカットして
試験片とし、それよりバネ秤を介した手による剥離作業
で表面保護フィルムの接着力を調べた。なお接着力は、
10人の作業員にて各5回の剥離作業を行い、その各人
の平均値とした。
【0046】剥離作業性 実施例、比較例で得た光学部材を長さ300mm、幅20
0mmのサイズにカットした試験片をその偏光板に設けた
粘着層を介しガラス板に接着し、そのガラス板を下側に
して台上に置き、表面保護フィルムの角部に粘着テープ
を接着してそのテープを介したピックアップ方式で剥離
作業を行い、その場合の剥離作業性を調べた。評価は、
接着力が強くて剥離に時間を要したり、剥離の際にガラ
ス板自体が持ち上げられたりした場合を不良、ガラス板
の持ち上げなくスムーズに剥離できた場合を良好とし
た。
【0047】前記の結果を次表に示した。 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 接着力(gf/10mm) 40〜80 40〜80 140〜160 170〜200 剥 離 作 業 性 良 好 良 好 不良(*1) 不良(*1) *1:ガラス板を支えなければ剥離困難
【0048】表より実施例ではガラス板に接着した光学
部材から表面保護フィルムを作業性よく剥離できて、液
晶セルにセルギャップの変化等のダメージを与えること
なく剥離できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学部材の断面図
【符号の説明】 1:表面保護フィルム 11:保護基材 12:粘着層 2:光学素材 21:粘着層 3:セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 寧 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号日東電 工株式会社内 (72)発明者 正田 位守 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号日東電 工株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA07X FA07Z FA11X FA11Z FA14Z GA16 GA17 LA12 2K009 AA00 BB24 CC42 DD02 DD06 EE00 4F100 AH06G AK25G AK41 AK52G AR00A AT00B BA02 CA02 CA16 CB05 EH46 GB41 JK06 JL14 JN00A JN01A JN01B JN06A JN10A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素材の表面を粘着層を介して接着被
    覆する保護フィルムであり、その粘着層がシリコーン系
    化合物を含有することを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の表面保護フィルムにて
    その粘着層を介し光学素材の表面を接着被覆してなるこ
    とを特徴とする光学部材。
  3. 【請求項3】 請求項2において、光学素材が偏光板、
    反射型偏光板、半透過型偏光板、偏光分離型偏光板、又
    はそれらの位相差板を有する積層体である光学部材。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の光学部材を液晶
    セルの少なくとも片側に有することを特徴とする液晶表
    示装置。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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