JP4003849B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過像鮮明度が高く、外光の写り込みの少ない視認性に優れたノングレアシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
表示体の表面における外光の反射による写り込みを低減する方法として表面に微細な凸凹を形成したいわゆるノングレアシートが広く用いられている。このノングレアシートは従来、透明合成樹脂シートの表面に微粉末固体を吹き付けて凸凹をつけるサンドブラスト方式や、凸凹状に加工したガラスや金型、ロールなどを用いて樹脂シートに凸凹状模様を転写するエンボス加工方式や、シリカなどの微粒子を紫外線硬化型樹脂組成物に含有させてフィルム上に塗布した後、紫外線を照射して凸凹を有する硬化皮膜を形成する方法等によって形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、液晶表示装置に代表される各種画像表示装置は高精細化が進み、外光の写り込みが少なく、より鮮明な画像を表示することが求められている。しかしながら、従来のノングレアシートは、光散乱性(ヘイズ値)を高くすれば、外光の写り込みは低減するが、同時に表示画像が不鮮明になってしまうという問題があった。また、従来のエンボス加工方式によって作製したノングレアシートは、ハードコート性に乏しく、傷が付きやすいという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような状況に鑑みこれらの欠点を改善すべく鋭意検討した結果、ノングレア層が、エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜からなり、写像性測定器における透過像鮮明度が光学くし幅0.05mmで10〜70%であるノングレアシートは、傷が付きにくく、透過した像が鮮明でしかも外光の写り込みが少なくなることを、見出し本発明に至った。即ち本発明は、
(1)透明なフィルム上に、エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜からなるノングレア層を有し、写像性測定器における透過像鮮明度が光学くし幅0.05mmで10〜70%であるノングレアシート、
(2)写像性測定器における透過像鮮明度が光学くし幅0.125mmで15〜80%である(1)に記載のノングレアシート、
(3)分光光度計における15°入射光における正反射率が1%以下である(1)または(2)に記載のノングレアシート、
【0005】
(4)ノングレア層が微粒子および溶剤乾燥型樹脂を含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜からなり、エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対して微粒子を10重量部未満含有している(1)ないし(3)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(5)微粒子の平均粒径がコールターカウンター法で0.5〜1.5μmである請求項4に記載のノングレアシート、
(6)微粒子のコールターカウンター法での平均粒径の標準偏差が1.5μm以下である(5)に記載のノングレアシート、
(7)溶剤乾燥型樹脂がエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースである(4)ないし(6)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(8)エネルギー線硬化型樹脂が(メタ)アクリロイル基を4つ以上有するモノマーを40重量%以上含有している(1)ないし(7)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
【0006】
(9)ノングレア層の平均厚さが2〜10μmである(1)ないし(8)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(10)ノングレア層表面での水の接触角が90°以上である、(1)ないし(9)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(11)ノングレア層表面にフッ素系樹脂層または多層反射防止膜が形成された(1)ないし(10)のいずれか1項に記載のノングレアシート、
(12)(1)ないし(11)のいずれか1項に記載のノングレアシートを有する偏光板、
(13)(1)ないし(11)のいずれか1項に記載のノングレアシートを有する楕円偏光板、
(14)(1)ないし(11)のいずれか1項に記載のノングレアシート、(12)の偏光板又は(13)の楕円偏光板を有する画像表示装置、
(15)画像表示装置が液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置またはCRT表示装置である(14)の画像表示装置、
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のノングレアシートは、透明なフィルム上にエネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜からなる層を有しており、写像性測定器における透過像鮮明度が光学くし幅0.05mmで10〜70%、より好ましくは15〜70%のシートである。又、光学くし幅0.125mmで15〜80%のものがよい。写像性測定器は透過した像がどの程度鮮明であるかを測定する装置であり、より狭い光学くしにおいてより高い像鮮明度を示すほど透過した像がより鮮明である。しかし、透過像鮮明度が高すぎると光散乱性が低下し、ノングレアシートとしての特性が低下する。また、本発明のノングレアシートは、分光光度計における15°入射光における正反射率が1%以下のものが好ましく、より好ましくは0.7%以下のものである。分光光度計は対象となる物体の光の透過率および反射率等を測定する装置であり、正反射率が低いほど外光の写り込みが少ない。
【0008】
本発明のノングレアシートを作成する方法としては、製造上の容易性や、表面のハードコート性を考慮すると、例えば透明なフィルム上に、微粒子、溶剤乾燥型樹脂および紫外線硬化型の場合には光重合開始剤を添加したエネルギー線硬化型樹脂組成物の混合分散液を塗布し、溶剤を除去後、エネルギー線を照射して硬化させて硬化皮膜を形成する方法が好ましい。エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線があげられる。微粒子は主として光散乱性を付与する作用を有し、又溶剤乾燥型樹脂は主として光散乱性と透過像鮮明度を高める作用を有する。
【0009】
溶剤乾燥型樹脂は、常温で固体で、かつ溶剤に可溶、紫外線硬化型樹脂には実質的に不溶な化合物である。又、溶剤乾燥型樹脂は微粒子の分散性が紫外線硬化型樹脂とは異なっていることが好ましく、そのような化合物としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリレート樹脂等が挙げられ、好ましくはセルロース系樹脂、より好ましくはエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。またその添加量は、エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対して0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜40重量部、さらに好ましくは1〜30重量部程度がよい。
【0010】
微粒子としては所望とする光散乱性や解像性などにより異なるが、コールターカウンター法による平均粒径が0.5〜1.5μm、好ましくは1.0〜1.5μm程度が良く、その平均粒径の標準偏差は2μm以下、好ましくは1μm以下がよい。この平均粒径は、二次粒子からなる場合には平均二次粒子径である。また、これら平均粒径、平均粒径の標準偏差の異なる複数の微粒子を配合して用いることも可能である。その材質は透明性を有しているものが好ましく、シリカまたは金属酸化物または高分子化合物が好適に用いられる。シリカとしては例えば、二酸化珪素の無定型粒子が挙げられる。また、金属酸化物としては酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ等が挙げられる。また、高分子化合物としては、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
【0011】
また、微粒子はエネルギー線硬化型樹脂組成物、溶剤等との分散性をよくするため、有機物によって表面処理されていることが好ましい。用いられる有機物としては例えばシランカップリング剤、ワックス等が挙げられる。
【0012】
また、その配合量は、目的とする光散乱性、用いる微粒子の粒径、ノングレア層の厚さ、溶剤乾燥型樹脂の種類及び使用量などにより異なるが、本発明の効果を顕著に発現させるために光散乱性(ヘイズ値)が好ましくは5〜50%、より好ましくは10〜40%程度になるようにその配合量が適宜調節される。その目安としては、エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対して20重量部未満、好ましくは10重量部未満、より好ましくは1〜9重量部程度にするのがよい。
【0013】
エネルギー線硬化型樹脂組成物としては、例えばアクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の反応性化合物又は二種以上の混合物があげられる。本発明におけるノングレア層としては、エネルギー線により硬化された皮膜が透明なフィルムとの密着性に優れ、なおかつハードコート性を有するものが好ましい。高いハードコート性を有するためには、反応性化合物として(メタ)アクリロイル基を4つ以上有するモノマーを使用し、さらに該モノマー以外の反応性化合物、および紫外線硬化型の場合には光重合開始剤を配合したものが好ましい。(メタ)アクリロイル基を4つ以上有するモノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとイプシロン−カプロラクトンとを反応させたヘキサ(メタ)アクリレート等があげられる。
【0014】
(メタ)アクリロイル基を4つ以上有するモノマー以外の反応性化合物としては、例えば該モノマー以外の反応性モノマーや反応性オリゴマーがあげられる。反応性モノマーとしては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、反応性オリゴマーとしては、例えばポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリエステル(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリレートまたはヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート、有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応、あるいはポリオールと有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0015】
光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、(1−6−η−クメン)(η−シクロペンタジエニル)鉄(1+)六フッ化リン酸(1−)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種でも、2種以上でも、任意の割合で混合使用することができる。
【0016】
また、その配合量は、高いハードコート性を付与するため、エネルギー線硬化型樹脂組成物全量中に(メタ)アクリロイル基を4つ以上有するモノマーが40重量%以上、好ましくは50〜90重量%、他の反応性化合物が60重量%以下、好ましくは10〜50重量%程度含有されているのがよい。紫外線硬化型の場合には上記エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対し光重合開始剤を0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部程度添加するのがよい。
【0017】
また、本発明で使用するエネルギー線硬化型樹脂組成物には、透明なフィルム上に塗布する際の塗布面の均一性と形成したノングレア層の耐擦傷性、防汚性を付与するために、さらに種々のレベリング剤を含有させることができる。そのようなものとしては、例えばシリコーン系またはフッ素系のワニスや界面活性剤、カップリング剤などが挙げられる。
【0018】
本発明におけるノングレア層の鉛筆硬度は2H以上が好ましく、またその平均厚さは、ハードコート性を維持するために、好ましくは2〜10μm、より好ましくは3〜6μm程度が良い。10μmを超えると、硬化した樹脂層が厚くなりすぎることにより微細な凹凸が形成されず、光散乱性がなくなってしまう場合がある。
【0019】
本発明におけるノングレアシートにおいて、ノングレア層表面での水の接触角を90°以上にすることにより、水滴や汚水による汚れの付着を低減できるため好ましい。そのようなノングレア層を形成するためには、例えば、ノングレア層表面に防汚剤を塗布する方法、エネルギー線硬化型樹脂組成物中に防汚剤を添加する方法等が挙げられる。防汚剤としては例えばフッ素樹脂、フッ素原子を含有するシランカップリング剤等が挙げられる。塗布する際の厚さ、またはエネルギー線硬化型樹脂組成物中に添加する量は、本発明における諸特性を実質的に低下させない程度であれば特に制限はない。
【0020】
本発明のノングレアシートにおいて、ノングレア層の上にさらに反射防止層として、例えば低屈折率のフッ素系樹脂層や、二酸化珪素や金属化合物の薄膜を多数積層することにより反射防止層を形成することも可能である。ノングレア層の上に光干渉効果によって反射光を低減するように光学設計された上記の反射防止層を設けることで、ノングレア層表面で散乱する光を低減し、透過光を増加させることができる。従って、表示体等に用いた場合、さらに鮮明な、見やすい表示画面となるため好ましい。この反射防止膜層の層厚や多層反射防止膜の層の数は、使用する素材の屈折率により、適宜定められる。
【0021】
本発明のノングレアシートにおいて、透明なフィルムとしては、例えばプラスチック等があげられるが、特に制限はない。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線等のエネルギー線硬化型樹脂等が使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース、ブチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリレート樹脂などがあげられる。画像表示装置に使用する場合は、光学的に均質で等方性である透明なプラスチックが好ましく、またその屈折率は好ましくは1.3〜1.75、より好ましくは1.45〜1.65程度のものがよい。このようなプラスチックとしては、例えばポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート等のプラスチックが挙げられる。該フィルムの厚みは軽量化の面から好ましくは50〜200μm、より好ましくは50〜150μmが良い。また、エネルギー線硬化型樹脂組成物と該フィルムとの密着性を高めるため、該フィルムの表面に様々な処理を施すことも可能である。処理の方法としては例えば、コロナ処理、アンカー処理、シランカップリング剤による処理等が挙げられる。
【0022】
本発明におけるノングレア層を透明なフィルム上に形成する場合、エネルギー線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂の場合には光重合開始剤、上記微粒子、溶剤乾燥型樹脂を溶媒中に均一に溶解もしくは分散させ、所望の濃度となるように調節した混合物乃至分散液を、該フィルム上に均一な膜厚になるよう塗布し、溶媒を好ましくは加熱により除去し、次いで、エネルギー線を照射して該混合物を硬化させることにより得ることができる。溶媒としてはエネルギー線硬化型樹脂組成物、および溶剤乾燥型樹脂を溶解するような溶媒が好ましく、例えばトルエン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等があげられる。これらの溶媒は単独でも、又任意の割合で混合して用いても良い。又、前記混合物乃至分散液を塗布する方法としては特に限定されないが、ノングレア層の特性を一定にするために均一な膜厚にすることが好ましく、例えばワイヤーバー方式、ディップコート方式、スピンコート方式、グラビア方式、マイクログラビア方式、ドクターブレード方式等種々の塗工方式を用いることができる。エネルギー線としては、好ましくは、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー光などから得られる2000〜7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギー(例えば紫外線)や電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を使用する。エネルギー線の照射時間は、エネルギー線の強度によるが、通常は0.1秒〜10秒程度でである。
【0023】
また、本発明のノングレアシートを少なくとも片方に用い、偏光素子を挟持することによって本発明の偏光板を作製することができる。また、この偏光板のノングレア層とは反対側の面に位相差板を貼り合わせることにより楕円偏光板を得ることができる。特に、ポリビニルアルコールフィルム内にヨウ素や染料などの二色性物質を含有する偏光子(素膜)にトリアセチルセルロースなどの保護フィルムを貼り合わせた構造の偏光板の場合に、透明なフィルムとしてトリアセチルセルロースフィルムを用いた本発明のノングレアシートを用いることは、例えば偏光板の製造工程において、従来の製造工程に全く手を加えることなく本発明の偏光板を製造できる点で好ましい。ここで使用するトリアセチルセルロースなどの保護フィルムの厚さは50〜100μm程度が好ましい。また、これらのノングレアシートは偏光子(素膜)との接着性、密着性を向上させるためにアルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理等の各種表面処理を施すことも可能である。
【0024】
このようにして得られたノングレアシートを画像表示装置の表示面最前面に配置することにより本発明の画像表示装置が得られる。又、本発明のノングレアシートを、例えば上記の偏光板や楕円偏光板とした後、画像表示装置の表示面最前面に配置することによっても本発明の画像表示装置が得られる。画像表示装置としては、例えば液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置、CRT(cathode−ray tube)表示装置等の光学表示装置等が挙げられる。本発明のノングレアシートを配置する方法は特に限定されないが、例えば表示体の最前面の表面に接着剤や粘着剤を用いて貼り合わせる方法等が挙げられる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例と比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、表1中の透過像鮮明度のデータは、上段が光学くし幅0.05mmの時の、又下段が光学くし幅0.125mmの時のデータである。
実施例1
平均二次粒子径1.0μm、平均二次粒子径の標準偏差が0.5μmのシリカ微粒子7.5重量部および光重合開始剤(イルガキュアー184:チバガイギー社製)5重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート30重量部、N−ビニル−ε−カプロラクタム20重量部を含有する紫外線硬化型のアクリル系樹脂100重量部をトルエンとイソプロピルアルコール混合溶媒中で高速撹拌後、1.3重量部のヒドロキシプロピルセルロースをトルエンとイソプロピルアルコール混合溶液に添加し、固形分50重量%になるように分散液を調製した。それを厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に、マイクログラビアコート法にて塗布し、溶剤を蒸発さた後、80W/cmの高圧水銀ランプにて光を照射して硬化させ、ノングレア層の厚さが4μmの本発明のノングレアシートを得た。得られたノングレアシートの光散乱性、透過像鮮明度、正反射率、鉛筆硬度、密着性を評価し、結果を表1に示した。
【0026】
実施例2
平均二次粒子径1.0μm、平均二次粒子径の標準偏差が0.5μmであるシリカ微粒子4重量部およびヒドロキシプロピルセルロース1.3重量部、光重合開始剤(イルガキュアー184:チバガイギー社製)5重量部、防汚剤としてKP−880(20%のt−ブタノール溶液、信越化学工業社製)0.5重量部を用いる以外は実施例1と同様の操作により本発明のノングレアシートを得た。このノングレアシートのノングレア層に25℃の下、蒸留水10μl(1滴)を滴下し1分間放置後、接触角を測定(接触角測定器:協和科学社製)したところ、105°であった。さらにこのシートを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0027】
実施例3
平均二次粒子径1.3μm、平均二次粒子径の標準偏差が1.2μmであるシリカ微粒子5.5重量部、エチルセルロース5重量部、光重合開始剤(イルガキュアー184:チバガイギー社製)5重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート90重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部を含有する紫外線硬化型のアクリル系樹脂100重量部、フィルムとして厚さ50μmの易接着処理されたポリエステルフィルムを用いる以外は実施例1と同様の操作により本発明のノングレアシートを得た。さらにこのシートを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0028】
比較例1
特開平5−341123号公報実施例1に記載のノングレアシートを用い、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0029】
比較例2
日本製紙社製のノングレアシート(商品名TAC−HA−9)を用い、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0030】
比較例3
日東電工社製偏光板EG1425DUAGS1を用い、実施例1と同様に評価した。次にこれを温水に浸漬してノングレア層を有するトリアセチルセルロースフィルムのみを取り出し、実施例1と同様に評価した。結果は偏光板での測定結果と同様であったため、偏光板で測定した値のみを表1に示した。
【0031】
比較例4
住友化学社製偏光板SH−1832AP−AG3を用い、実施例1と同様に評価した。次にこれを温水に浸漬してノングレア層を有するトリアセチルセルロースフィルムのみを取り出し、実施例1と同様に評価した。結果は偏光板での測定結果と同様であったため、偏光板で測定した値のみを表1に示した。
【0032】
比較例5
特開平7−181306号公報実施例1に準じ、平均粒径が1.8μmのシリカ微粒子8重量部、紫外線硬化型のアクリルウレタン系オリゴマー100重量部及びベンゾフェノン3重量部を酢酸エチルと高速撹拌して固形分50重量%の混合分散液を調製し、それを厚さ50μmのポリエステルフィルムの片面にワイヤーバーにて塗布し酢酸エチルを蒸発させて厚さ10μmの塗布層を形成し、それを80W/cmの高圧水銀ランプにて光を照射して硬化させ、ノングレアシートを得た。さらにこのシートを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0033】
比較例6
平均二次粒子径1.3μm、平均二次粒子径の標準偏差が1.2μmのシリカ微粒子20重量部を使用した以外は実施例1と同様にして、ノングレアシートを得た。さらにこのシートを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
(1)光散乱性:ヘイズメータ(東京電色社製)を用いてヘイズ値を測定。
(2)透過像鮮明度:JIS K7105像鮮明度測定法と同様の方法により、写像性測定器(スガ試験機社製)を用いて(試験片と受光部側のレンズとの距離は10cmとする)、光学くし幅0.05mm(上段)及び0.125mm(下段)における透過像鮮明度を測定。
(3)正反射率:分光光度計(島津製作所社製)を用い、15°入射光における正反射率を測定。
(4)鉛筆硬度:JIS K5400による。
(5)密着性試験:JIS K5400碁盤目テープ法(すきま間隔1mm)による。
【0036】
表1の結果から、本発明のノングレアシートは、ハードコート性に優れ、比較例に比べて、透過像鮮明度が高く、かつ正反射率が低いノングレアシートであることが判る。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、透明なフィルム上にエネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜からなるノングレア層を有し、写像性測定器における透過像鮮明度が光学くし幅0.05mmで10〜70%であるノングレアシートであって、このシートを液晶表示装置やプラズマディスプレイ装置、CRT表示装置などの画像表示装置の前面に用いることにより、画像表示面に傷が付きにくく、より鮮明で見やすい画像を得ることができる。また、分光光度計における15°入射光における正反射率を1%以下にすることにより、高い像鮮明度を有しながらも外光の写り込みのより少ないノングレアシートを得ることができる。
Claims (7)
- 透明なフィルム上に、微粒子、エチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースのいずれかを含有するエネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜からなるノングレア層を有し、写像性測定器における透過像鮮明度が光学くし幅0.05mmで10〜70%、分光光度計における15°入射光における正反射率が1%以下であるノングレアシートであって、該微粒子は平均粒径がコールターカウンター法で0.5〜1.5μmであって、かつ、該エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対して1〜9重量部含有し、該エチルセルロースまたは該ヒドロキシプロピルセルロースのいずれかは該エネルギー線硬化型樹脂組成物100重量部に対して、0.5〜40重量部含有し、かつ、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、またはジペンタエリスリトールとε−カプロラクタム、のいずれが該エネルギー線硬化型樹脂組成物全量中に50〜90重量%含有しており、該ノングレア層の平均厚さが2〜10μm であるノングレアシート。
- 上記ノングレア層表面での水の接触角が90°以上である、請求項1に記載のノングレアシート。
- 上記ノングレア層表面にフッ素系樹脂層または多層反射防止膜が形成された請求項1に記載のノングレアシート。
- 請求項1に記載のノングレアシートを有する偏光板。
- 請求項1に記載のノングレアシートを有する楕円偏光板。
- 請求項1に記載のノングレアシート、請求項4の偏光板又は請求項5の楕円偏光板を有する画像表示装置。
- 画像表示装置が液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置またはCRT表示装置である請求項6の画像表示装置。
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